中国自動車市場の動向 2019 年 3 月三井住友銀行 ( 中国 ) 有限公司企業調査部本資料は情報提供を目的に作成されたものであり何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません本資料は作成日時点で弊行が一般に信頼できると思われる資料に基づいて作成されたものですが情報の正確

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とらふみしもね
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1 中国自動車市場の動向 2019 年 3 月三井住友銀行 ( 中国 ) 有限公司企業調査部本資料は情報提供を目的に作成されたものであり何らかの取引を誘引することを目的としたものではありません本資料は作成日時点で弊行が一般に信頼できると思われる資料に基づいて作成されたものですが情報の正確性完全性を弊行で保証する性格のものではありませんまた本資料の情報の内容は経済情勢等の変化により変更されることがありますのでご了承くださいご利用に際してはお客さまご自身の判断にてお取扱いくださいますようお願い致します本資料の一部または全部を電子的または機械的な手段を問わず無断での複製または転送等することを禁じております

2 要面供給面本レポートのサマリー 2018 年の中国自動車出荷台数は前年比 2.8% の 2,808 万台と 28 年振りにマイナス成長に転じました市場減速要因と今後の見通し主たる減速要因は 1 小型車向け購入税減税による需要先食いの反動減 2 米中貿易摩擦やシャドーバンキング削減に端を発した消費者マインドの低下 2019 年からは小型車減税の反動影響が薄れる見込みですがディーラー在庫の調整や消費者マインドの回復には時間を要するとみられることから当面の間は市場が軟調に推移する見通しですベース需要消費者マインドガソリン車需要促進策 EV 需要促進策 2018 年貿易摩擦過剰債務削減等により悪化小型車減税による需要先食いの反動減需2019 年低い自動車普及率や中間所得者層の拡大を背景とした根強い需要 - 購入補助金継続マインド悪化が当面継続反動減影響は僅少個人所得税減税補助金導入補助金継続 NEV 規制新規導入もっとも在庫調整の一巡後は中間所得者層の拡大や低い自動車普及率を背景に緩やかな成長基調に戻る可能性が高いことから市場回復までの戦略の巧拙が各社の今後前年末のディーラー在庫状況適正水準以下 (0.9 ヶ月分 ) 適正水準超 ( 適正水準比 +60 万台例年比 +2 0 万台 ) の中長期的な中国事業を左右するとみられます ( 出所 ) 中国汽車工業協会中国汽車流通協会 2

3 目次 1 足元の市場動向 ( 概要減速要因輸出輸入 ) 2 今後の展望 ( 需要面供給面政策面 ) 3

4 1. 足元の市場動向概要世界自動車市場における中国のシェアは 2002 年時点の 5.2% から 2017 年には 29.7% まで拡大し 2009 年以降一貫して世界最大の新車マーケットの位置づけを維持しています 2018 年の中国自動車出荷は前年比 2.8% (2017 年は前年比 +3.0%) と 28 年振りにマイナス成長に転じました中国自動車出荷台数の暦年推移 ( 乗用車 + 商用車 ) 中国自動車出荷台数の月次推移 ( 乗用車 + 商用車 ) ( 百万台 ) ( 千台 ) 5, 年 2016 年 2017 年 2,460 万台 2,803 万台 2,8 8 万台出荷台数 ( 左軸 ) 前年同月比伸び率 ( 右軸 ) 2018 年 2,808 万台 (YoY+4.7%) (YoY+13.7%)(YoY+3.0%) (YoY 2.8%) 40% 2018 年出荷構成 20 4,0 0 30% ,0 0 2,0 0 20% 10% 0% 乗用車 84% 5 1,0 0-10% ( 出所 ) 中国汽車工業協会 0 Jan&Feb-15 May-15 Aug-15 Nov-15 Mar-16 Jun-16 Sep-16 Dec-16 Apr-17 Jul-17 Oct-17 Jan&Feb-18 May-18 Aug-18 Nov-18-20% ( 注 ) 各年の 1 2 月は前年同期比 ( 出所 ) 中国汽車工業協会商用車 16% 4

5 1. 足元の市場動向概要車種別でみれば乗用車出荷は前年比 4.1% とマイナス成長に転じた一方で商用車は同 +5.1% と堅調に伸ばしました 18 年 12 月末のディーラー在庫は 1.73 ヶ月分と適正水準とされる 1.5 ヶ月対比 +60 万台強 ( 例年対比では + 約 2 0 万台 ) 多い状況です車種別の出荷台数伸び率推移 ( 前年同月比 ) 乗用車在庫の推移 40% 2015 年 2016 年 2017 年乗 :YoY+7.3% YoY+14.9% YoY+1.4% 商 : YoY 9.0% YoY+5.8% YoY+14.0% 2018 年 YoY 4.1% YoY+5.1% ( ヵ月 ) ヵ月 30% 2.0 (2018 年 12 月末 ) 20% < 商用車 > 1.5 適正水準 ( ヶ月 ) 10% 1.0 0% % < 乗用車 > % Jan&Feb-15 Apr-15 Jun-15 Aug-15 Oct-15 Dec-15 Mar-16 May-16 Jul-16 Sep-16 Nov-16 Jan&Feb-17 Apr-17 Jun-17 Aug-17 Oct-17 Dec-17 Mar-18 May-18 Jul-18 Sep-18 Nov Jan Feb Mar Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec ( 注 ) 各年の 1 2 月は前年同期比 ( 出所 ) 中国汽車工業協会 ( 注 ) 各月の在庫水準は月末在庫台数当月販売台数にて算出されるため 2 月は春節影響で当月販売台数が少なく毎年上昇する ( 出所 ) 中国汽車流通協会 5

6 1. 足元の市場動向概要 18 年下期からは値下げ競争が一段と激化しており各社の採算に与える影響が懸念されます 16% 乗用車販売価格割引率の推移 ( 注 ) 15% 14% 14.1% 14.5% 14.3% 13.7% % 12% 11% % % 8% 7% 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 ( 注 ) 割引率 = 割引金額 / メーカー指導小売価格で弊行試算 ( 出所 )Wind 6

7 1. 足元の市場動向減速要因 2018 年の中国自動車市場の減速は年 10 月から 2017 年末まで継続した小型車向け購入税減税による需要先食いの反動減や 2 消費者マインドの悪化が主な要因とみられます小型車向け自動車購入税減税の概要消費者マインド悪化の要因減税対象自動車購入税 ( 車両価格の 10%) 住宅価格急騰抑制規制強化補助金削減対象車種対象期間エンジン排気量 1.6l 以下の乗用車 (2017 年の乗用車出荷の約 7 割 ) 2015 年 10 月 2017 年 12 月末 (*) 当初 2016 年 12 月末に終了予定であったが 2016 年 12 月 15 日に 1 年間の延長 ( 減税幅は縮小 ) を発表 (1) 中国政府による金融リスク防止健全化に向けた動き過剰債務削減景気刺激策抑制シャドーバンキング削減中小民間企業資金繰り悪化小型車減税終了消費者マインド悪化自動車出荷台数減少減税幅 2015 年 10 月 2016 年 12 月末 2017 年 5% 減税 2.5% 減税 (2) 米中貿易摩擦米中間の関税引き上げ先行き不安消費者マインド悪化株価下落設備投資マインド悪化米中間貿易減速 ( 出所 ) 中国財政部 7

8 1. 足元の市場動向輸出輸入自動車輸出は 2016 年以降新興国向けの低価格 SUV を中心に回復しているほか国内市場の回復がみられたイラン向け販売が増加したこと等からプラス成長に転じています 2018 年 7 月より輸入車関税が引き下げられた (25% 15%) ものの中国現地生産の高級車メーカーが積極的に値下げを実施したことから 2018 年 11 月迄の自動車輸入車台数はマイナス成長に転じています中国自動車輸出台数の推移中国自動車輸入台数の推移 ( 千台 ) 2,0 0 30% ( 千台 ) 2,0 0 40% 1,8 0 1,6 0 輸出輸出 YoY 右軸 20% 1,8 0 1,6 0 輸入輸入 YoY 右軸 30% 1,4 0 1,2 0 10% 1,4 0 1,2 0 20% 10% 1,0 0 0% 1, % % % % % % / % ( 出所 )Wind ( 出所 ) 中国汽車流通協会 8

9 2. 今後の展望 2019 年の市場に対する見方 2018 年の動向 2019 年の展望ベース需要中間所得者層の拡大や中国の低い自動車普及率を背景とした根強い需要需要面消費者マインドガソリン車需要促進策米中貿易摩擦シャドーバンキング削減等により悪化小型車減税による需要先食いの反動減 - 消費者マインドの悪化は当面継続する見込み反動減影響は僅少個人所得税減税自動車向け補助金の導入 2019 年からは小型車減税の反動影響が薄れる見込みながらディーラー在庫の調整や消費者マインドの回復には時間を要するとみられることから当面の間は市場が軟調に推移する可能性がある供給面 EV 需要促進策前年末のディーラー在庫状況補助金継続 (17 年 78 万台 18 年 128 万台 ) 適正水準以下 (0.9 ヶ月分 ) 補助金継続 NEV 規制新規導入 (19 年計画 160 万台 ) 適正水準超 ( 適正水準比 +60 万台例年比 +2 0 万台程度 ) 加えて足元では過剰在庫を背景とした値下げ競争が激化しており各社の採算への影響にも留意が必要 9

10 ( 参考資料 ) 個人所得税減税中国政府は個人所得税の改正を実施し所得税の基礎控除額追加控除額税率の調整を通じて国民の税負担低減を図っています ( ご参考 ) 個人所得税 =( 社会保険料控除後の税前収入 - 基礎控除額 - 追加控除額 ) 各段階の税率個人所得税調整の概要所得層別の減税効果の試算基礎控除額 3,5 0 5,0 0 元へ引き上げ (18/10 月実施 ) 注 1: 課税所得額 = 社会保険料控除後の税前収入 - 基礎控除額 - 追加控除項目注 2: 月収は社会保険料控除後の税前収入を指す ( 税前収入に占める社会保険料の料率は約 20%) 注 3: 仮に 11 人の通学中子供 260 歳以上の両親があり且つ 3 住宅ローンまたは賃料負担があり毎月 3,0 0 元追加控除することを条件で試算したもの 10 税率税率該当課税所得額 ( 注 1) 改正前改正後 3% 1,5 0 元 3,0 0 元 10% 1, 元 3,0 0 元 12,0 0 元 20% 450 9,0 0 元 12,0 0 25,0 0 元 25% 9,0 0 35,0 0 元 25,0 0 35,0 0 元 30% 35,0 0 55,0 0 元 35% 55,0 0 80,0 0 元 45% 80,0 0 元追加控除額住宅ローン利息累進課税制度のもと低税率が適用される所得額を引き上げる ( 同上 ) (19/1 月より実施 ) 世帯合計で 1,000 元 / 月老人扶養 2,000 元 / 月 ( 納税者が一人っ子の場合 ) 子女教育費夫婦合計で 1,000 元 / 月 ( 通学子女 1 人当たり ) その他賃料高額医療費継続教育費 ( 注 2) 月収追加控除を考慮しない場合 ( 単位 : 元 ) 追加控除を ( 注 3) 考慮した場合月間節税額増収効果月間節税額増収効果 5, % % 6, % % 8, % % 10, % % 12, % % 14, % 1, % 16,0 0 1, % 1, % 18,0 0 1, % 1, % 20,0 0 1, % 2, % 22,0 0 1, % 2, % 24,0 0 1, % 2, % 30,0 0 2, % 2, % 50,0 0 2, % 3, % 100,0 0 2, % 3, % ( 出所 )Wind

11 ( 参考資料 ) 自動車向け補助金の概要 2019 年 1 月政府は自動車関連の需要促進策を公表しましたが施策の導入時期や補助金額等は全て地方政府に委ねられていますこのため今後発表される各地方政府での具体策とその実効性に注視しておくことが重要です自動車関連の需要促進策 (2019 年 1 月 29 日公表 ) 自動車関連の需要促進施策対象車種の市場規模排ガス規制国 3 以下の車種買換えに対する補助金 2016 年の国 3 以下車種の保有台数 6,832 万台 ( 全体の 4 割弱 ) 農村部の三輪自動車から排気量 1.6l 以下乗用車にする補助金三輪自動車保有台数約 1,500 万台ナンバープレート発給制限都市での規制緩和ナンバープレート発給制限都市での年間発給枚数約 60 万台分新エネ車の普及推進新エネトラックに対する都市部での乗り入れ規制廃止 2018 年新エネ車販売台数 126 万台 ( 出所 ) 中国国家発展和改革委員会環境保護部中国汽車工業協会 Wind 11

12 2. 今後の展望需要面中国は世界一の自動車市場でありながら自動車保有率は未だ 2 割弱に過ぎず高い市場拡大ポテンシャルを有しています一人当たり可処分所得の高い沿岸部を中心に自動車の普及が進みましたが最も車が普及している北京でも普及率は 25% に止まっています日中米の自動車保有率過去推移省別自動車普及率と一人当たり可処分所得 (2017 年 ) 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% アメリカ日本 2016 年 :84% 2016 年 :61% 2017 年 :15% 中国自動車普及率 28% 26% 24% 22% 20% 18% 寧夏河北山東内モンゴル天津江蘇浙江北京青海広東遼寧 16% 山西新疆上海陝西吉林福建 14% 河南雲南チベット海南 12% 貴州重慶四川湖北安徽黒龍江甘粛江西 10% 広西湖南 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000 1 人当たり可処分所得 ( 人民元 ) 東部東北中部西部 ( 出所 ) 日本自動車工業会中国国家統計局 Wind ( 出所 )Wind 12

13 ( 参考資料 ) 可処分所得の推移可処分所得推移都市部住民 1 人当たり可処分所得内訳 40 ( 千元 ) +12% ( 千元 ) 90 最高収入者 (20%) 中収入者高位 (20%) 都市部農村部伸び率 ( 右目盛 ) 都市部伸び率 ( 右目盛 ) % +8% +6% 中収入者中位 (20%) 中収入者低位 (20%) 低収入者 (20%) (% は人口構成比 ) 29 農村部 +4% % ( 年 ) +0% ( 年 ) ( 出所 )Wind 13

14 2. 今後の展望需要面自動車需要にマイナス影響を与えるナンバープレート発給規制を導入している地域は計 8 都市中長期的には面積当たりの自動車保有台数の多い沿海都市部を中心に新たな発給規制が導入される見込みですが足元の自動車販売の減速を受け一部の地域ではナンバープレート発給制限を一時的に緩和する可能性も指摘されていますナンバープレート発給規制の導入都市人口免許 Jan-14 Apr-14 Jul-14 Oct-14 Jan-15 Apr-15 Jul-15 Oct-15 Jan-16 Apr-16 Jul-16 Oct-16 Jan-17 Apr-17 Jul-17 Oct-17 Jan-18 Apr-18 Jul-18 Oct-18 Jan-19 ( 単位 : 万 ) 自動車地域保有数保有台数年月方法ガソリン車新エネ車 2017 年時点上海 94/7 月競売 10 無制限 2, 北京 11/1 月抽選 4 6 2,171 1, 貴陽 ( 貴州省 ) 11/7 月抽選 n.a. 92 広州 ( 広東省 ) 12/7 競売月 ,450 n.a. 240 抽選天津 13/12 月杭州 ( 浙江省 ) 14/5 月深セン ( 広東省 ) 14/12 月海南省導入 18/8 月発行競売抽選競売抽選競売抽選競売抽選ナンバープレート年間新規発行枚数上海市のナンバープレート価格の推移 ( 千元 ) 74 千元 , 無制限 947 n.a ,253 n.a 無制限千元ナンバープレート発給規制都市におけるナンバープレート当選率 2.5% 2.0% 1.5% 1.0% 0.5% 0.0% 広州杭州 ( 出所 ) 上海市北京市貴陽市広州市天津市杭州市深セン市の公開情報 Wind 天津深セン北京 14

15 ( 参考資料 ) 省別の乗用車新規登録数地域別でみれば沿岸部は多くの地域でナンバープレート発給規制が導入されていることから乗用車新規登録数は 1 桁成長に止まっている一方で内陸部は所得水準の向上を背景に高い成長率となっています省別の乗用車新規登録数 (2017 年 )( 注 ) ( 千台 ) 2,500 広東沿岸部シェア :49%(14-17CAGR:+7.4%) 内陸部シェア :51%(14-17CAGR:+10.1%) 2, 年の乗用車 1,500 新規登録数山東浙江河北江蘇四川河南沿岸部内陸部 1,000 湖北湖南安徽重慶青海吉林陝西新疆寧夏山西福建甘粛雲南北京黒龍江チベット内モンゴル 0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 天津年 CAGR 遼寧広西上海江西海南貴州 ( 注 ) 車両全長 6m 以下及び 9 人乗り以下の乗用車 / バスが対象 ( 出所 ) 中国国家統計局 15

16 2. 今後の展望供給面こうした中政府は供給過剰の解消を図るべく 2018 年 12 月に自動車産業投資管理規則を発表しガソリン車生産法人新設の原則禁止や能力増強に必要な各種条件を打ち出しました自動車産業投資管理規則の概要条件付項目ガソリン車 E V 禁止項目能力増強新設増能強力メーカーに対する要件省に対する要件例外項目メーカーに対する要件省に対する要件メーカーに対する要件 a. ガソリン車メーカーの新設 b. 乗商用車を跨るガソリン車メーカー新設 c. 既存完成車メーカーの他地域への移転 d. 政府公表のゾンビ企業への投資 1 直近 2 年の工場稼働率が業界平均以上 2 直近 2 年の新エネ車生産量の割合が業界平均以上 3 売上高に占める研究開発費が3% 以上 4 製品が国際競争力を有する 5 企業別燃費規制達成 6( 他の省での投資の場合 ) 前年生産台数 30 万台新規プロジェクト 15 万台以上 7 省全体の直近 2 年の工場稼働率が業界平均以上 8 政府公表のゾンビ企業の淘汰完了プラグインハイブリッド車 (PHEV) の場合はの要件を満たす必要がない省全体企業グループ全体の生産能力を増やさない前提での買収再編は 7 8 の要件を満たす必要がない EV 乗用車 10 万台以上 EV 商用車 5 千台以上 ( 自社ブランドのみ生産 ) a. 省全体の直近 2 年の工場稼働率が業界平均以上 b. 進捗中の EV 投資プロジェクトの建設が完了し生産台数が当初計画以上 a. 直近 2 年のガソリン車工場の稼働率が業界平均以上 b.ev の前年生産台数が当初計画以上 c. 生産車種の EV 航続距離が先進水準等自動車産業投資管理規則発表時期 2018 年 12 月 (2019 年 1 月施行 ) 許認可各地方の発展和改革委員会への届出 ( これまでは国家発展和改革委員会の認可 ) ( 出所 ) 中国国家発展和改革委員会 16

17 2. 今後の展望供給面 2018 年 4 月に政府は 1994 年から導入されている外資系完成車メーカーに対する出資規制 ( 合弁社数及び出資比率規制 ) 撤廃を発表しました外資系完成車メーカーに対する出資規制緩和に関する動向自動車工業産業政策今回発表の規制緩和今後想定されるシナリオ発表時期 1994 年 4 月 2018 年 4 月内容合弁社数規制出資比率規制外資系メーカーによる自動車生産合弁弁会社設立は 2 社迄とすること (EV 生産合弁会社は除く ) 外資系完成車メーカーによる自動車生産合弁会社に対する出資は 50% を上限とすること以下スケジュールで左記の規制を撤廃することを発表 2018 年 : 新エネ車専用車 2020 年 : 商用車 20 2 年 : 乗用車 1 外資系メーカーが合弁事業の連結子会社化を視野に出資比率の一部引き上げ交渉を進める可能性 2 左記の規制がボトルネックとなりこれまで中国での現地生産が実現していなかった先が中国現地生産を再検討する可能性 3EV メーカーや外資系完成車メーカーが EV 会社の新設検討の動きを加速させる可能性 ( 出所 ) 中国国家発展和改革委員会 17

18 2. 今後の展望政策面自動車産業中長期発展計画 (2017 年 4 月 ) 2016 年実績 2020 年計画 2025 年計画出荷台数 2,803 万台ガソリン / ディーゼル車 2,752 万台新エネ車 50.7 万台出荷台数 3,0 0 万台前後 (17 20 年平均成長率 +1.7% ) ガソリン / ディーゼル車 2,8 0 万台 ( 同 +0.4% ) 新エネ車 2 0 万台 ( 同 +40.9% ) 出荷台数 3,5 0 万台前後 (21 25 年平均成長率 +3.1% ) ガソリン / ディーゼル車 2,8 0 万台 ( 同 0% ) 新エネ車 7 0 万台以上 ( 同 +28.5% ) 世界トップ 10 位入りする新エネ車メーカーを数社育成売上高 1,0 0 億元規模の部品メーカーを数社育成世界的な完成車メーカーを育成自主ブランド車の先進国への輸出を開始新エネ車メーカーの海外進出と更なるシェア向上世界トップ 10 位入りする部品メーカーを数社育成世界トップ 10 位入りする完成車メーカーを数社育成世界におけるブランド力の更なる向上 ( 出所 ) 中国工業情報化部 18

19 2. 今後の展望政策面 2018 年の新エネルギー車の出荷台数は各社による新車種投入等により前年比 +61.7% の万台と昨年 ( 同 +53.3%) を上回る高い伸び率となりました車種別にみれば購入補助金の削減幅が大きかったバスの割合が低下しています新エネルギー車出荷台数の推移中国新エネ車の車種別出荷構成 ( 千台 ) 1,4 0 1,2 0 新エネルギー車出荷台数新エネルギー車出荷台数 YoY( 右軸 ) 126 万台 400% 350% 2015 年 2017 年 1, 万台 51 万台 78 万台 300% 250% 200% 150% 100% 50% バス 27% 乗用車 (PHEV) 21% トラック 3% 乗用車 (EV) 50% バス 16% 乗用車 (PHEV) 15% トラック 8% 乗用車 (EV) 62% 万台 0% % ( 出所 ) 中国汽車工業協会 ( 出所 ) 中国汽車工業協会 19

20 2. 今後の展望政策面新エネ車普及を目指す政府の方針の下新エネ車向けには手厚い優遇策が打ち出されていますまた一部の地域では HEV 向けにも優遇策を打ち出し市場拡大を図っています乗用車向け補助金減税の概要新エネ車向け (EV PHEV 等 ) 省エネ車向け (HEV 等 ) 減税補助金自動車購入税 ( 車両価格の8%) 自動車使用税 (300 5,280 元 / 年 ) 適用期間 2016/1 月 2020/12 月 2014/9 月 2020/12 月 2015/5 月対象車種補助金減税額 1 充電あたりの走行距離に応じて EV は最大 5.5 万元 PHEV は最大 2.5 万元 (*) 免税 1 充電あたりの走行距離基準を満たす PHEV(EV 燃料電池車は使用税なし ) 免税対象都市全国全国全国適用期間 2013/10 月 2015/12 月 /5 月対象車種補助金減税額 1 充電あたりの走行距離基準を満たす EV PHEV 燃料電池車車両重量に応じた燃費基準排ガス基準 ( 国 5) を満たす排気量 1,6 0cc 以下の現地生産車 - 3,000 元 / 台 - 車両重量に応じた燃費基準排ガス基準 ( 国 5) を満たす排気量 1,6 0cc 以下の車両 ( 輸入車含む ) 50% 減税 ( 元 / 年減税 ) ナンバープレート取得優遇上海北京等ナンバープレート発給規制が導入されている地域において新エネ車は別枠扱い ( 上海では取得費用も免除 ) 広州及び天津では HEV 専用ナンバープレートを発給対象都市全国 - 全国 (*)2017 年以降は補助金が段階的に減額 (17 18 年は 16 年水準の 80% 年は 60%) ( 出所 ) 中国工業情報化部中国国家発展和改革委員会 20

21 2. 今後の展望政策面 2019 年 1 月より一定規模の完成車メーカーに対して新エネ車の生産を義務付ける NEV(New EnergyVehicle) 規制が施行されました今後はクレジット販売価格次第で各社の新エネ車戦略が変わってくるとみられます NEV 規制の概要 NEV(New EnergyVehicle) 規制 ZEV 規制内容対象地域導入時期一定規模の完成車メーカーに対して台数の一定割合を環境対応車にするように義務付ける規制中国全土カリフォルニア州等 10 州 ( 米国販売台数構成比 3 割程度 ) 2019 年 1990 年 ( カリフォルニアでの導入時期規制内容は随時変更 ) 対象企業乗用車生産台数または輸入台数 3 万台以上のメーカー過去 3 年平均の乗用車販売台数 0.45 万台以上のメーカー ( 注 ) 2019 年 2020 年年 2018 年 25 年必要なクレジット数乗用車生産台数 10% 同 12% 乗用車販売台数 14% 同 4.5% 同 22% ( 毎年 +2.5% ) 対象車種電気自動車 (EV) プラグインハイブリッド車 (PHEV) 燃料電池車 (FCV) EV FCV:3% その他 (HEV PHEV):11% EV FCV:2% 16%( 毎年 +2%) PHEV:2.5% 6%( 毎年 +0.5%) クレジット算出方法罰則規定電動航続距離や車両重量電力消耗量によって獲得クレジット数が決定 (1 台当たり上限 6 クレジット ) 未達の場合 1 他社よりクレジットと呼ばれる権利の購入または 2 燃費規制未達の新車種販売禁止 EV FCV:( 電動航続距離 < マイル > 0.01)+0.5 PHEV:( 電動航続距離 <10 80 マイル > 0.01) クレジット未達につき 5,000USD の罰金 ( 前期繰越分利用他社からのクレジット購入も可能 < 売買単価は非公表 >) ( 注 ) 但し 6 万台未満の中規模メーカーは 17 年までは全量 HEV 18 年以降は全量 PHEV で対応可能 ( 出所 ) 中国工業情報化部 CaliforniaAirResourcesBoard 21

22 2. 今後の展望政策面中国の乗用車燃費規制は 2005 年 7 月に導入され 2015 年に第 3 段階燃費規制が終了しました 2016 年には第 4 段階燃費規制が導入され最終年の 2020 年の基準は 5.0l/100km<20.0km/l> と概ね先進国並みの水準になるとみられます 1 車種別燃費基準 2 企業平均燃費目標値 3 業界燃費目標値に大別され基準値や罰則規定の有無等が異なります各国の燃費規制の見通し乗用車燃費規制の概要 (l/100km) 中国欧州日本米国第 1 段階第 2 段階適用期間 2005/7 月 2008/12 月 2008/1 月 201/12 月 (1) 車種別燃費基準 (2) 企業平均 1 上限値 2 目標値燃費目標値車両重量別に規定無し (3) 業界燃費目標値 11.3l /100km (8.8km/l) 10.1l /100km (9.9km/l) 第 3 段階第 4 段階 ( 仮 ) 第 5 段階第 /1 月段階 2015/12 月第 /1 月段階 2020/12 月 ( 仮 ) 第 /1 月段階 2025/12 月 ( 未確定 ) ( 仮 ) 第 /1 月段階 2030/12 月 ( 未確定 ) 車両重量別に規定未確定未確定全生産車両の車種別燃費基準の目標値を加重平均して企業毎に目標値を規定 6.9l /100km (14.5km/l) 5.0l /100km (20km/l) 4.0l /100km (25km/l) 3.2l /100km (31.3km/l) ( 出所 ) 国土交通省国家質量監督検験検疫総局国家標準化管理委員会 22

23 ( 参考資料 ) 燃費規制の概要車種別燃費基準の上限値が未達となった場合は罰則として当該車種の生産停止を余儀なくされます企業平均燃費目標値 ( 全車種の生産台数に基づき車種別燃費基準の目標値を加重平均し算出 ) が未達の場合はメーカー名公表のほか車種別燃費基準の目標値が未達の車種の生産停止や新車種投入禁止等の罰則が課されます車種別燃費基準乗用車燃費規制の罰則規定車両総重量 (CM)kg 上限値 l /100km 第 3 段階目標値 l /100km 上限値 l /100km 第 3 段階対比改善幅第 4 段階目標値 l /1 0km 第 3 段階対比改善幅 CM % % 750<CM % % 865<CM % % 980<CM 1, % % 1,090<CM 1, % % 1,205<CM 1, % % 1,320<CM 1, % % 1,430<CM 1, % % 1,540<CM 1, % % 1,660<CM 1, % % 1,770<CM 1, % % 1,880<CM 2, % % 2,000<CM 2, % % 2,110<CM 2, % % 2,280<CM 2, % 7 35% 2,510<CM % % 企業平均燃費目標値上限値達成未達達成未達達成罰則なし 3 車種別燃費基準目標値罰則なし未達罰則内容 1 メーカー名公表 2 当該車種の減産生産停止生産能力増強禁止 3 当該車種の生産中止 ( 出所 ) 中国工業情報化部 23

24 ( 参考資料 ) 燃費規制の概要電気自動車の生産台数等に応じたボーナスが加算されることが第 3 段階第 4 段階燃費規制の特徴ですボーナスは第 3 段階では業界燃費目標値のみに反映されるのに対して第 4 段階では企業平均燃費目標値にも反映可能となります企業平均燃費目標値には一定の緩和措置が採られますが段階的に厳格化の方向にあります第 3 4 段階乗用車燃費規制の比較第 3 段階 < 年 > 第 4 段階 < 年 > 1 車種別燃費目標値 2 企業平均燃費目標値燃費目標値に右記掛け目を乗じる年までは段階的に厳格化 2020 年までは段階的に厳格化 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 109% 106% 103% 100% 134% 128% 120% 110% 100% 3 業界燃費目標値 6.9l/100km 5.0l/100km 適用期間 2013/5 月 2015 年 /12 月年年 2020 年ボーナス電気自動車燃料電池車 PHEV 燃費 0l/km で計測し台数を 5 倍でカウント台数を 5 倍でカウント台数を 3 倍でカウント台数を 2 倍でカウント適用対象業界燃費目標値業界燃費目標値企業平均燃費目標値省エネ車台数を3 倍でカウント (2.8l 以下 /1 0km) 台数を 3 倍でカウント台数を 2.5 倍でカウント台数を 1.5 倍でカウント ( 出所 ) 国家質量監督検験検疫総局国家標準化管理委員会中国工業情報化部 24

25 2. 今後の展望政策面中国の自動車排ガス規制は EU 等先進諸国対比 10 年程度遅れている状況ですもっとも今後は PM2.5 濃度の引き下げに向けて排ガス規制の強化が進展する見通しです自動車排ガス規制の動向排ガス燃料品質中国 EU 中国 EU GVW3.5 t 未満 ( 注 1) GVW3.5 t 以上 GVW3.5 t 未満 GVW3.5 t 以上ディーゼルディーゼルディーゼルディーゼルディーゼルディーゼル実績計画 ( 予 ) 19( 予 )20( 予 ) 国 1( 注 2) 国 2 国 3 国 4 国 5( 注 3) 黄標車国 1 国 2 国 3 国 4 国 5( 注 3) EURO3 EURO4 EURO5 EURO6 EURO3 EURO4 EURO5 規制なし国 3 EURO3 EURO4 EURO5 国 4 国 5 EURO6 国 6 ( 注 4) 国 6 ( 注 4) 国 5 導入スケジュール 2013 年 2 月北京上海で導入 2016 年 4 月東部 11 省で導入 (GVW3.5t 未満の車種及び GVW3.5t 以上の一部車種 ) 2017 年 7 月 GVW3.5t 以上の車種で全国導入 2018 年 1 月全車種で全国導入国 6 導入スケジュール 2019 年 3 月広州で導入予定 (GVW3.5t 未満の車種 ) 2019 年 7 月深セン天津杭州などで導入予定 2020 年 7 月全車種で全国導入予定 ( 注 1)GVW= 車両総重量 ( 注 2) 中国独自の排ガス基準国 1 は EURO1 に相当 ( 注 3)2016 /4 月より東部 11 省において国 5 規制が前倒しで実施 ( 注 4) 政府による意見徴収案 ( ドラフト ) ベース国 6 の概要国 5 対比 NOX77% PM67% 削減測定基準を欧州基準から国際基準に切替排ガス抑制部品故障時はメーカー保証 2 3 万元のコストアップの可能性 ( 出所 ) 中国国務院 25

26 照会先三井住友銀行 ( 中国 ) 有限公司企業調査部木村拓雄 TEL:(86)(21) takuo_kimura@cn.smbc.co.jp 企業調査部体制氏名房磊 TEL:(86)(21) lei_fang@cn.smbc.co.jp 担当業務崔宜珊 TEL:(86)(21) yishan_cui@cn.smbc.co.jp 部長土屋尚史総括 1 係係長関龍一陸蓓倩 (LuBeiqian) エレクトロニクス鉄非鉄紙パルプマクロ経済 ( 関 ) 2 係係長鄧暁丹 (DengXiaodan) 孔辰侃 (KongChenkan) 機械造船運輸窯業マクロ経済 ( 鄧 ) 係長木村拓雄 3 係房磊 (FangLei) 自動車石油化学エネルギー崔宜珊 (CuiYishan) 4 係係長柳笛 (LiuDi) 周健怡 (ZhouJianyi) 小売流通繊維アパレル食品外食雑貨 5 係係長于甦鳴 (YuSuming) 胡文庠 (HuWenxiang) 建設不動産金融メディカルヘルスケア - 王言中 (WangYanzhong) リサーチアシスタント翻訳 26

新車販売台数のシェア分析の前提条件燃費 [km/l] 燃料種別新車販売台数のシェアは自動車産業戦略の平成 42 年度のシェアに向かって線形に変化し技術開発等により乗用車販売平均燃費も改善すると仮定 2 この仮定を踏まえつつ平成 27 年度燃費基準と平成 32 年度燃費基準の

新車販売台数のシェア分析の前提条件燃費 [km/l] 燃料種別新車販売台数のシェアは自動車産業戦略の平成 42 年度のシェアに向かって線形に変化し技術開発等により乗用車販売平均燃費も改善すると仮定 2 この仮定を踏まえつつ平成 27 年度燃費基準と平成 32 年度燃費基準の資料 2 車体課税のグリーン化による環境効果の分析について ( 推計結果 ) 新車販売台数のシェア分析の前提条件燃費 [km/l] 燃料種別新車販売台数のシェアは自動車産業戦略 2014 1 の平成 42 年度のシェアに向かって線形に変化し技術開発等により乗用車販売平均燃費も改善すると仮定 2 この仮定を踏まえつつ平成 27 年度燃費基準と平成 32 年度燃費基準の伸び率に基づき平成 37