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1 第 11 回ひびき薬剤耐性菌シンポジウム 2014 年 5 月 17 日民営国民宿舎ひびき ( 宗像 ) βlctmse の種類と鑑別方法 lss βlctmse の鑑別方法と報告意義 村谷哲郎 ペニシリンの語源 Penicilliumの語源は ラテン語の penicillus ( 絵筆 ) 無性胞子( フィアロ型分生子 ) が絵筆のように見えることから ペニシリンの発見者であるAlexnder FlemingがPenicilliumと命名した Penicillusは英語のpencilの語源でもある フィアライド 3 3 分生子柄 分生子 βlctm βlctm の基本構造 rbpenems 2 2 = 3 3 Meropenem Doripenem Imipenem ブドウ球菌 30 DA 50 グリコペプチドペプチドグリカン Ribosome リネゾリド 抗菌薬の標的部位 βlctm アミノグリコシドⅡ コリスチンリン脂質 リファンピシン RA polymerse 細胞膜 細胞壁 大腸菌 ホスホマイシン MurA キノロン DA gyrse, Topoisomerse Ⅳ 外膜 MurA: enolpyruvyl trnsferse( ペプチドグリカン合成酵素 ) テトラサイクリンストレプトマイシン マクロライドリンコマイシンストレプトグラミンクロラムフェニコール

2 細胞壁の合成 Murein monomer の合成 GlucosmineAc MurAc LAl DGlu Gly LLys DAl 3 DAl ytoplsmic membrne Lipid crrier trnsglycosylse Murein monomer(mm) 細胞壁の合成 の役割 MM は trnsglycosylse により 直鎖状に連結される は末端のDAlをはずし 隣のラインのGlyとつなぐTrnspeptidseの役割つまり横糸をつなぎ細胞壁を強化する β ラクタム剤の作用機序 3 3 DAlDAl Penicillin 3 Dlnine Wild type LAl DGlu LLys DAl DAl VRE の耐性機序 VnA & Vn type LAl DGlu LLys DAl DLctte VM VM は両方の type に作用可能であるが Vncomycin は DAlDAl のみを認識する erine βlctmse と の保存性アミノ酸 βlctmse 産生の有無 lss βlctmse lss A βlctmse s high w XXK D D or E KTG tphylococcus ureus emophilus influenze Morxell ctrrhlis Enterobctericee Klebsiell pneumonie Escherichi coli Proteus mirbilis Enterobcter cloce errti mrcescens Pseudomons eruginos Acinetobcter bumnnii treptococcus pneumonie treptococcus pyogenes Enterococcus spp. D,Dpeptidse

3 E er :βlctm or inhibitor E: or βlctmse Interction of βlctm er er とβlctm or βlctmseとβlctmse inhibitor E E EAcyl E P βlctmseとβlctm 2 E E EAcyl E P E. coli に対する PIP の作用 3hr 2hr に対する親和性 3 PIP, セファロスポリン 2 IPM, PAPM, IPM 2&3 MEPM 1s&3 セファマイシン ydrolyze βlctm bond βlctmse 分子構造に基づいた βlctmseの分類 (Amblerの分類) o structurl homology erine βlctmse lss Metlloβlctmse o sequence homology lss A lss lss D unnmed lss 3 (lss E) lss 1 lss 2 (ellinghm Reserch Institute website) 腸内細菌科の菌種における βlctmse 染色体遺伝子 βlctmse (lss βlctmse) penicillin, cephlosporin, cephmycin, monobctmを分解する抗菌薬の種類により安定性は異なる V1, LE1 (lss Aβlctmse) Klebsiell pneumonieが保有 主にpenicillinを分解する 産生量が多い場合は第一世代 cephlosporinも分解する 広域スペクトルlss A βlctmse itrobcter koseri, Klebsiell oxytoc, Proteus vulgrisなどが保有 penicillin, cephlosporin, monobctmを分解する外来遺伝子 TEM1, TEM2, V1など主にpenicillinを分解する EL( 基質特異性拡張型 βlctmse) penicillin, cephlosporin, monobctmを分解する lss βlctmse(metlloβlctmse) monobctm 以外を分解 lss βlctmse( 由来は異菌種の染色体上の) βlctmse 阻害剤との合剤 lssa および lssd(penicillinse, EL) βlctmse 阻害剤 3 剤が上市されている lvulnic cid ulbctm 3 3 Avibctm βlctmse 阻害剤 KP を含む lss A および lss βlctmse を強力に阻害 lss lss D は阻害しない eftzidime との合剤が治験中 Avibctm Tzobctm 試薬として購入可能であるが 35,000 円 /2 mg

4 2 2 βlctmse 阻害剤の構造 Ethylene dimine tetrcetic cid 3 2mercptopropionic cid 2 Mercptocetic cid (MA) 2 2 oric cid Dipicolic cid 2 3minophenylboronic cid Escherichi coli itrobcter koseri itrobcter freundii Enterobcter erogenes Enterobcter cloce fni lvei Klebsiell oxytoc Klebsiell pneumonie Morgnell morgnii Pntoe gglomerns Proteus vulgris Proteus mirbilis Providenci rettgeri Providenci sturtii lmonell spp. errti mrcescens higell spp. * 誘導型 広域スペクトル 染色体上の βlctmse lss A * * * lss 染色体上に lss βlctmse を有する菌種 tenotrophomons mltophili urkholderi cepci Elizbethkingi meningoseptic Myroides odortus cteroides frgilis FX1 FX2 FX3 MX1 MX2 MY1 MY8~11. mrcescens βlctmse の dendrogrm P. eruginos A1 MIR1 AT1 E. cloce M. morgnii DA1 DA2 E. coli. freundii MY2~7 MY12 LAT1 LAT3 FE1 kno et l. AA 2004; 48:11518 (neighbor joining method) AmpD 誘導型 βlctmse L L AmpD mpr mpr L AmpR AmpR AmpG Murin monomer 転写抑制 mp 転写促進 mp ell wll Amp タンパク質の役割 AmpR: DA binding protein mp の promotor 領域に結合し mp の転写を抑制する AmpD: cetyl murmylllnine midse murin monomer を分解し peptideglycn の合成に再利用する 変異すると βlctmse 増加 AmpG: 膜貫通タンパク質 murin monomer を細胞質内へ取り込む 欠損株では βlctmse が産生されない AmpE: 膜タンパク質 βlctm とは結合しない AmpD の合成に関与している? : βlctmse E. coli. freundii E. cloce M. morgnii MY2 hybf tnpr mp 周辺遺伝子 frdd mp blc mpr frdd mp blc tnpa mpr mp mp rf1 integron

5 クラブラン酸配合ディスクを用いた EL 確認試験 Metlloβlctmse 産生 Klebsiell oxytoc TX VA TXM type TXM14 efotxime (TX) TEM, V type TX TEM6 VA TX MA MA Rko8586 Rko8585 IPM IPM MA lvulnic cid (VA) eftzidime () VA lss Aβlctmse 阻害剤クラブラン酸添加により阻止円径 5 mm 以上拡大または MI 8 倍以上回復 IMP1 MA: 2mercptopropionic cid A:Rko8586:IPM 0.125, MEPM 0.25μg/ml :Rko8585:IPM 64, MEPM 32μg/ml A DA1 および V12 産生株 カルバペネム分解酵素検出法 AmpR MZ PR PR A Mkp4811 A, : 菌液, D: 菌体破砕液ディスクは MEPM 10 μg AmpR Rkp 2344 MZ TX TX Rkp 2262 Rkp 3055 Mkp5786 Mel6708 D Mkp 4811: KP2 Mel 6708: IMP1 Mkp 5786: DM1 Rkp 1200 変法ホッジテスト Posi Mel 6708 Mkp 6731 eg Mel 6708: IMP1 Mkp 6731: IMP6 ディスクは MEPM 10 μg A Mb5563 Mkp6731 Mb6035 D A, : 菌液, D: 菌体破砕液ディスクは MEPM 10 μg Mkp 6731: IMP6 Mb 6035: XA51 Mb 5563: IMP1

6 阻害剤を用いた βlctmse 確認試験 プラスミド性 βlctmse AP MPA AP MPA MY2. mrcescens E. coli Mec 3968/DA1 MZ AP MPA MZ AP MZ MPA MZ PR PR KP2 IMP1 IMP6 AP MPA AP MPA MZ TX TX AP: 3Aminophenylboronic cid MPA: 2mercptopropionic cid 3 2mercptopropionic cid Thiolctic cid 20 倍 (v/v) 希釈 (50 mg/ml) し 2 μl/disk 100 μg/disk (<< 1) 2 Mercptocetic cid (MA) Thioglycolic cid 阻害剤 1 g: 5,800 東京化成 25 g: 3,100 東京化成 2 3minophenylboronic cid 300~400 μg/disk 30 mg/ml 10μl ( 1.9) 2 tructure of MRZ = olor: Yellow If βlctm bond disrupt, color chnges to Red tble to penicillinse (TEM1, V1, etc) nd lss βlctmse esily hydrolyze by EL nd Metlloβlctmse 2 2 VA: igm 社から超高額で市販されていたが 製造中止となっている MRZ86 ic βtestⅠ/ml/va MRZ86 with 2mercptopropinic cid Metllo negtive EL producers ic βtest Positive: Red egtive: Yellow EL? mer bcteri directly MRZ86 hydrolyze ctivity minozol oxyimino cephlosporin with dinitro benzyl substitute MRZ86 with clvulnte EL Metllo? MRZ86: being hydrolyzed by EL nd Metlloβlctmse stble to clss βlctmse nd penicillinse 140 シカヘ ータテスト VA ミニ 10 回関東化学 2, シカヘ ータテスト ミニ 10 回関東化学 2, シカヘ ータテスト MLミニ 10 回関東化学 1,800 TXM2 V12 TEM6 producer producer producer Red line:mrz86 with 2mercptopropionic cid Green line:mrz86 with clvulnte TXM3 producer 143 シカヘ ータテストIミニ 10 回関東化学 1,800

7 P/se test ontrol Pse se on TEM 1 minothizolyl cephlosproinresistns lss EL を検出する必要はあるか? 報告する必要はあるか? プラスミド性 保有株の増加蔓延は阻止しなければならない 大量産生株の院内増加は阻止しなければならない プラスミド性かどうか検査室では鑑別できない? 大量産生株の定義は? Metlloβlctmse および KP2 などカルバペネム分解活性を有する βlctmse 検出のためにも鑑別のための同定が必要 複数の広域 βlctmse 保有株検出時に阻害剤が有用 治療薬選択 ( デエスカレーションも含めて ) 投与量決定のために有用なデータとなる Pse: penicillin G, se: cephloridine with clvulnte が検出された時報告書にコメントは必要か? E. coli: βlctmse が検出されたら 産生株です プラスミド性の可能性があります 誘導型 産生株です プラスミド性のため 院内感染にご注意ください Klebsiell spp., itrobcter koseri, Proteus vulgris, Proteus mirbilis, lmonell spp., higell spp. など 染色体上に βlctmse を持っていない菌種 βlctmse が検出されたら 産生株です プラスミド性のため 院内感染にご注意ください 誘導型 産生株です プラスミド性のため 院内感染にご注意ください Enterobcter spp., itrobcter freundii, Pntoe gglomernsなど染色体上に β lctmseを持っている菌種 など第 3 世代セファロスポリンのMIが高く の確認試験陽性の場合 βlctmse 大量産生株です 院内感染にご注意ください など第 3 世代セファロスポリンのMIは低いが重症感染症患者から分離された場合本菌種は染色体上に誘導型 βlctmseを保有しています 治療薬の選択に注意してください

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