Microsoft Word - JCOG0203総括報告書 doc

Size: px
Start display at page:

Download "Microsoft Word - JCOG0203総括報告書 doc"

Transcription

1 JCOG0203 総括報告書 JCOG0203: 未治療進行期低悪性度 B 細胞リンパ腫に対する抗 CD20 抗体療法 + 化学療法 [Rituximab + standard CHOP (R S-CHOP) vs Rituximab + bi-weekly CHOP (R Bi-CHOP)] のランダム化比較第 II/III 相試験 2011 年 5 月 11 日 研究代表者 : 飛内賢正 国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科 研究事務局 : 渡辺隆 国立がん研究センター中央病院血液腫瘍科 解析担当 : 柴田大朗 JCOG データセンター 水澤純基 JCOG データセンター データマネージャー 渡部裕子 JCOG データセンター 甲木博美 JCOG データセンター 0. 試験概要未治療進行期 (Ann Arbor 臨床病期 III/IV 期 ) の CD20 抗原陽性低悪性度 B 細胞リンパ腫患者を対象として より有効性の高い標準的治療法を確立することを目的に リツキシマブと standard CHOP 療法の併用療法 (R S-CHOP) を対照群とし 化学療法の用量強度増強と G-CSF 併用による抗体療法の効果増強が期待される bi-weekly CHOP 療法とリツキシマブの併用療法 (R Bi-CHOP) の有効性をランダム化比較第 II/III 相試験により評価する <エンドポイント> 第 II 相部分 primary endpoint: 完全奏効 (CR/CRu) 割合 secondary endpoints: 奏効割合 無増悪生存期間 全生存期間 安全性第 III 相部分 primary endpoint: 無増悪生存期間 secondary endpoints: 全生存期間 安全性第 II 相から第 III 相部分への移行の可否は中間解析結果の評価に基づいて決定する < 対象 > 1 CD20 抗原陽性低悪性度 B 細胞リンパ腫と診断されている 2 Ann Arbor 臨床病期 (clinical stage; CS): III 期もしくは IV 期 3 末梢血液中腫瘍細胞 10,000/mm 3 4 年令 20 歳以上 69 歳以下 5 PS:0-2 6 化学療法 放射線治療 インターフェロン 抗体療法の既往がない < 治療 > A 群 :R S-CHOP 3 週 1 コース B 群 :R Bi-CHOP G-CSF6 日間 2 週 1 コース 1

2 R CHOP 療法薬剤 投用量 ( 投用法 ) 投与日 (day) Rituximab 375 mg/m 2 (div) 1 Cyclophosphamide (CPA) 750 mg/m 2 (div) 3 Doxorubicin(ADM) 50 mg/m 2 (div) 3 Vincristine (VCR) 1.4 mg/m 2 (iv) (Max. 2.0 mg) 3 Prednisolone (PSL) 100 mg (po) 3-7 < 割付調整因子 > 施設 Bulky mass 年齢:60 歳以下 /61 歳以上 予定登録数 :300 名 登録期間 :4.5 年 追跡期間 : 登録終了より 3 年 1. 背景 CD20 抗原陽性低悪性度 B 細胞リンパ腫とは ホジキンリンパ腫以外の悪性リンパ腫 [ 非ホジキンリンパ腫 ] のうち 2001 年版 WHO 分類 ( 第 3 版 ) による1 小リンパ球リンパ腫 (small lymphocytic lymphoma) 2リンパ形質細胞リンパ腫 (lymphoplasmacytic lymphoma) 3 脾辺縁帯リンパ腫 (splenic marginal zone lymphoma) 4 節外性辺縁帯 B 細胞リンパ腫 (MALT リンパ腫 )(extranodal marginal zone B-cell lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue (MALT- lymphoma)) 5 節性辺縁帯 B 細胞リンパ腫 (nodal marginal zone B-cell lymphoma) 6 濾胞性リンパ腫 (follicular lymphoma) の 6 つの疾患を指す これらの CD20 抗原陽性低悪性度 B 細胞リンパ腫 (indolent B-NHL) は経過が緩慢であり 進行期であっても生存期間中央値は 7-10 年と長いが 進行期のほとんどは組織学的進展などによって最終的に死亡する難治性の疾患であり 長期予後は中 高悪性度リンパ腫よりもむしろ悪い わが国の濾胞性リンパ腫の人口 10 万当りの発生率は 0.5 と報告されていたこともあり これまで低悪性度 B 細胞リンパ腫を対象とした JCOG 臨床試験は行われてこなかった しかし 1994 年に REAL 分類 (Revised European-American Classification of Lymphoid Neoplasms) が発表された後 わが国における低悪性度 B 細胞リンパ腫の発生頻度は従来の認識より高い可能性が示唆された 2. 試験経過本試験は 2002 年 9 月 1 日に登録を開始した 登録期間を 4 年 追跡期間を登録終了後 3 年として 1 群あたり 100 名 両群で 200 名とし 52 施設で試験を開始した 当初の計画では 第 1 回中間解析は 第 II 相部分の登録 82 名の効果判定が終了した時点で 各群で独立に検定し 両群とも少なくとも CHOP 療法単独で得られる完全奏効 (CR/CRu) 割合が 閾値 CR/CRu 割合 35% よりも優っていることを検定 ( 有意水準 10% 検出力 90%) する予定であった しかし薬事法上の適応拡大に伴い保険診療下で投与可能な回数が増えたため リツキシマブの投与回数を 4 回から 6 回へ増加させるプロトコール改正を実施し (2003 年 10 月 21 日 2

3 第 2 回プロトコール改正 ) これに伴い 4 回投与で行われた 73 名での中間解析を 有意水準 15% 検出力 85% で行うことに変更した 第 1 回中間解析 : 第 II 相部分の登録達成後 各群の有効性と安全性を評価する 2005 年 8 月 3 日 第 II 相部分 73 名で実施された第 1 回の中間解析の結果 上記内容を満たしていることから JCOG 効果 安全性評価委員会によって 本試験の第 III 相への移行が承認された 一方で 後述するように 本試験では当初の予定よりも患者登録ペースが速かったことから 臨床仮説の再検討 及びそれに伴う必要登録数 試験期間の再設計を行った 本試験計画当初 試験治療である R Bi-CHOP 療法が toxic new arm と考えられ また わが国では欧米に比べ濾胞性リンパ腫をはじめとする indolent B-NHL の頻度が比較的低いとされており 第 II 相部分に登録された患者も第 III 相部分の解析に含める第 II/III 相試験として本試験を開始した JCOG リンパ腫グループとして初の indolent B-NHL に対する臨床試験であったこともあり 当初の患者登録ペースの見積もりが困難であった 第 1 回中間解析の結果 以下の 2 点が判明した 1) 2005 年 5 月 6 日に JCOG データセンターより提出されたモニタリングレポート ( 追跡対象 :130 名 ) によると 第 II 相部分の毒性のうち懸念されていた JCOG9809 の bi-weekly CHOP 群で認められた間質性肺炎はむしろ A 群に出ているのみであり B 群に多いわけではなかった 2) Grade 3 以上あるいは予期されない Grade 2 の非血液毒性は両群間に差はなく G-CSF 予防投与によると思われる好中球減少およびそれに伴う感染症については B 群の方が低率の傾向を示し 治療期間短縮が毒性の増加に結びついているわけではなく むしろ逆であった B 群に不利な点を改めて挙げると 連日通院あるいは入院に伴う負担と余分にかかる医療費であり リスク / ベネフィットバランスの観点からは 当初考えた 15% の両群間の差よりも小さい差であっても 臨床的に意味のある 差と考えられた 以上を踏まえ A 群の 3 年無増悪生存割合を B 群のそれが 12% 以上上回るか否かを検出する優越性試験デザインとした場合 登録 4.5 年 追跡 3 年 有意水準 =5% ( 片側 ) として 1 群あたり 146 名あれば検出力を 80% 以上に保つことが可能であり 若干の不適格を見込んで 第 III 相として各群 150 名 両群計 300 名に予定登録数を変更 登録期間 4 年を 4.5 年に延長した (2005 年 9 月 20 日第 5 回プロトコール改訂 ) 第 2 回中間解析 : 第 III 相部分の登録終了後 適切な追跡期間を設定する 2008 年 3 月 1 日 2 回目の中間解析 ( 第 III 相部分 ) 結果が JCOG 効果 安全性評価委員会により審査 承認された 最終解析 : プロトコール改訂の際の予定どおり 最終患者が登録されてから 4 年半の後に最終解析が行われ JCOG データセンターより最終解析レポートが 2010 年 7 月 12 日に提出された その後 2010 年 12 月の米国血液学会年次総会での発表に向けて 2010 年 9 月 1 日の追跡調査に基づいてアップ デートされた追加解析レポートが 2010 年 10 月 27 日に提出された 試 3

4 験最終結果を研究事務局が 2010 年 12 月 6 日に 米国血液学会年次総会において口演発表した プロトコール改正 改訂の主な内容は以下のとおりである 第 1 回改訂 (v1.1) 2003 年 2 月 19 日承認 : 登録前検査の実施期限の延長第 2 回改正 (v2.0) 2003 年 10 月 21 日承認 : リツキシマブ投与回数を 4 回 6 回第 3 回改訂 (v2.1) 2004 年 1 月 7 日承認 : 効果判定 CRF の修正第 4 回改訂 (v2.2) 2005 年 6 月 24 日承認 : 第 1 回中間解析統計学的記述の変更第 5 回改訂 (v2.3) 2005 年 9 月 20 日承認 : 予定登録数 名登録期間 4 年 4.5 年に延長第 6 回改訂 (v2.4) 2006 年 3 月 15 日承認 :HB 抗体測定の追加 PET 追加第 7 回改訂 (v2.5) 2006 年 8 月 31 日承認 :A 群に ST 合剤予防投与の追加第 8 回改訂 (v2.6) 2007 年 1 月 23 日承認 : 患者説明同意文書の追記 3. 登録状況本試験は実際の患者登録ペースが予定登録ペースを上回り 登録開始から 1 年 9 か月を経た 2004 年 5 月の登録数は既に予定登録数の半分に相当する 100 名を超え 2005 年 8 月 31 日までに 合計 192 名 (A 群 :97 名 B 群 :95 名 ) が登録されており 登録期間を終える前に予定登録数を達成することが見込まれた 2005 年 9 月 20 日 登録期間を 4.5 年 登録数を 300 名とするプロトコール改訂を実施したが 改訂後の登録ペースも順調であった 合計 44 施設から患者登録があり そのうち上位 3 施設は国立がん研究センター中央病院 (52 名 ) 愛知県がんセンター中央病院 (25 名 ) 埼玉県立がんセンター (19 名 ) であった 8 施設では患者登録はなく そのうち 6 施設が協力施設へと移行している 4. 背景因子と病理中央診断全登録例 300 名のうち 149 名が R S-CHOP 群 (A 群 ) に 151 名が R Bi-CHOP 群 (B 群 ) に割り付けられた 年齢中央値は A 群 :54 歳 (27-69) B 群 :55 歳 (33-69) で 性別に関して両群間で差はなかった B 症状 を有する患者は比較的 A 群に多く 一方 濾胞性リンパ腫国際予後因子 (FLIPI :Follicular Lymphoma International Prognostic Index ) の 1 つである 貧血 や 国際予後因子 (IPI:International Prognostic Index) の 1 つである 2 つ以上の節外病変 をもつ患者は若干 B 群に多い傾向が認められたが 両群間で問題になる差は認められなかった 全登録例における FLIPI の low-risk group は 32.3% intermediate-risk group が 41.7% high-risk group が 26.0% であり 若干 B 群に high-risk group が多い傾向を認めた JCOG データセンターと研究事務局の review によって判明した不適格は 1 名であり 登録後 施設診断の再評価に基き 本来不適格と定義した組織学的進展 ( より悪性度の高いリンパ腫への進展 ) を有する患者であった 一方 病理中央診断においては登録した全 300 名の組織診断標本を各施設から回収し 研究事務局の立会のもと血液病理医 3 人により中央診断作業を完遂した プロトコールで規 4

5 定された病理適格例は 2001 年版 World Health Organization (WHO) 分類 ( 第 3 版 ) に基づいて判定し 2001 年版 WHO 分類において成熟 B 細胞腫瘍 (mature B-cell neoplasms) のうち小リンパ球リンパ腫 ( small lymphocytic lymphoma ), リンパ形質細胞リンパ腫 (lymphoplasmacytic lymphoma), 脾辺縁帯リンパ腫 (splenic marginal zone lymphoma), 節外性辺縁帯 B 細胞リンパ腫 (MALT リンパ腫 )(extranodal marginal zone B-cell lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue (MALT lymphoma)), 節性辺縁帯 B 細胞リンパ腫 (nodal marginal zone B-cell lymphoma), 濾胞性リンパ腫 (follicular lymphoma) の indolent NHL とされた 300 名のすべてで病理中央診断に必要な病理組織標本が回収された 病理中央診断によって 不適格とされた 14 名の内訳は マントル細胞リンパ腫 (mantle cell lymphoma) 4 名 びまん性大細胞型 B 細胞リンパ腫 (diffuse large B-cell lymphoma)6 名 形質細胞腫 (plasmacytoma) 1 名 その他 3 名であった 病理中央診断適格例はこれらを除いた 286 名 (95%) であり 濾胞性リンパ腫が 265 名 (A 群 :133 名 B 群 :132 名 ) で全適格患者数のうちの 88% を占めた B 症状 : 全身の倦怠 発熱 盗汗 ( ねあせ ) 体重の減少などがみられる場合があり これらの全身症状を総称して B 症状と呼ぶ 5. 治療経過プロトコールで規定した治療を完了したのは A 群で 149 名中 147 名 (98.7%) B 群で 151 名中 144 名 (95.4%) であった プロトコール治療中止理由として 有害事象による治療中止例は A 群で 1 名 (0.7%) ( 肺臓炎 ) B 群で 4 名 (2.6%) ( 右膝窩動脈血栓症 急性胆のう炎 白血球減少遷延 出血性膀胱炎 各 1 名 ) で 有害事象に伴う患者拒否による治療中止は A 群で 1 名 (0.7%) ( コース毎の反復性発熱 ) B 群で 2 名 (1.3%) ( 嘔吐 1 名 疲労 うつ状態 1 名 ) その他 B 群で 1 名 ( 自殺による ) であった 治療のコンプライアンスについては プロトコール治療が行われた全 300 名を対象に解析された 主に 1) 予定治療期間達成割合 : 両群間で 実治療総期間を予定治療総期間で割った数値 (%) とその累積割合との関係を比較すること 2) % planned dose: リツキシマブと CHOP 療法の併用療法に用いられたすべての抗がん剤の割合 ( 実際の総投与量を予定された総投与量で割った数値 ) を両群間で比較することで検討した 1) 予定治療期間達成割合の分布については両群間で差はなかった B 群の治療間隔が A 群のそれに近づく (2 週毎の治療間隔が 3 週間隔へと延びる ) 傾向は認められなかった 2) % planned dose について 各抗がん剤の % planned dose とそれに伴う累積割合も群間で問題となる差はみられなかったが ビンクリスチン (VCR:vincristine) に関しては B 群で少ない傾向が認められた 6. 安全性 1) 血液毒性および非血液毒性プロトコール治療が 1 コースでも行われた全 300 名が評価の対象とされた Grade 4 の好中球減少は A 群で 84.6% B 群で 37.1% Grade 3 の感染症は A 群で 50 名 (33.6%) B 群で 23 名 (15.2%) と いずれも R Bi-CHOP 群の方が低かった これは B 群において計画的にコー 5

6 ス間での G-CSF 予防的投与が行われたことに起因するものと考えられる なお Grade 4 の感染症 Grade 4 の血小板減少は 両群とも認められなかった なお Aggressive lymphoma ( 中悪性度リンパ腫 ) を対象として行われた standard CHOP 療法と bi-weekly CHOP (Bi-CHOP) 療法を比較する JCOG9809 進行期 aggressive lymphoma に対する standard CHOP と dose-intensified CHOP との無作為化比較試験 では Grade 4 の好中球減少の発生頻度が CHOP 療法群では 83.6% と本試験の R S-CHOP 療法群とほぼ同等であったのに対し Bi-CHOP 群では 52.2% と本試験の R Bi-CHOP 群よりも高頻度に認められた Grade 3 の末梢神経障害は A 群で 3 名 (2.0%) B 群で 11 名 (7.3%) みられており このために VCR の累積割合が B 群で低くなったものと推定される その他 若干 B 群に多く認められたのは Grade 3 の食欲不振 便秘で それぞれ A 群に 4.0% B 群に 7.3% A 群に 4.0% B 群に 6.6% 認められた 後者も 前述した VCR による末梢神経障害の影響が考えられた 同じ理由によると思われる Grade 3 のイレウスは A 群で 1% B 群で 3% に認められた 一方 Grade 3 の AST ALT 上昇は両群とも それぞれ 3% 5% の頻度で生じていたが 腎毒性は認められなかった 他の頻度の低かった非血液毒性は いずれも両群間で差はなかった いずれの群においても治療関連死は認められなかった B 群での自殺した 1 名については 2 サイクル目の出来事であった 特記すべき既応歴や家族歴はなく また プレドニゾロン内服中 内服後とも明らかに異常な精神症状は認められず 担当医は 治療と自殺との因果関係は否定的と判断しており 班会議でも検討し治療と自殺との因果関係は否定的と判断している JCOG9809 の経験より Bi-CHOP 療法施行例におけるニューモシスティス肺炎併発の危険性に注意を喚起し B 群においては試験開始当初より ST 合剤 ( 抗菌薬 ) の予防投与を推奨していた しかし 2006 年 5 月 24 日に A 群での間質性肺炎の有害事象報告があった 2006 年度前期モニタリングでは A 群の 7 名に間質性肺炎が発症し うち 6 名はニューモシスティス肺炎であることが判明した 一方 B 群では間質性肺炎の発症はなく ST 合剤の予防投与実施による効果と考えられた このため 以後 A 群においても ST 合剤の予防投与を実施することとした (2006 年 8 月 31 日第 7 回プロトコール改訂 ) 2) リツキシマブの輸注関連毒性 ( 悪寒 発熱 掻痒感 発疹 咽頭部違和感など ) B 群ではリツキシマブ投与による輸注関連毒性が G-CSF 併用により増強される可能性を考慮し 2 回目までは入院で投与することとした しかし 実際に初回投与で Grade 3 以上の有害事象を認めたのは A 群 6 名 B 群 4 名であった これらはアレルギー反応以外に胸痛 低酸素血症 低血圧 失神 発熱 徐脈があり いずれも予期し得るものであった この件に関し モニタリング レポートからリツキシマブ投与による Grade 3 の輸注関連毒性を抽出し 今後の輸注関連毒性に対する予防策を講じるために 2006 年 11 月 18 日の班会議で検討した しかし 病変の分布を含め 輸注関連毒性の重症化を予測しうる明らかな因子を見出すことはできなかった 胸水貯留例で輸注関連毒性が重症となった例が 2 名あった その後も 通常報告の対象として検討した 3) B 型肝炎一方 リツキシマブを併用した化学療法では B 型肝炎ウイルスの再活性化による肝炎が劇症化して死亡することが散発的に報告されていた さらに 2005 年 医学誌 Leukemia に 6

7 HBs 抗原陰性の慢性リンパ性白血病患者のリツキシマブ治療後の劇症 B 型肝炎の報告があったことから 2006 年 2 月 28 日までに 230 名 (76.7%) が既に登録されていたが その時点で取り得る最善の手段として既報告を参考にし HBs 抗原 抗 HBs 抗体に加えて 治療開始前に抗 HBc HBe 抗体の測定も義務づけ 抗 HBc 抗体高力価の場合は抗 HBV ウイルス剤を予防投与することとした (2006 年 3 月 15 日第 6 回プロトコール改訂 ) しかし 早期に本試験に登録され A 群に割付られた治療前抗 HBs 抗体陽性の 1 名が プロトコール治療完了後の増悪時に 本プロトコール治療終了後の一般診療としてリツキシマブ単独投与を受けた後 B 型肝炎を併発し非代償性肝硬変に至り 腹水貯留などの症状が悪化し 腎不全を合併して死亡に至った ( この 1 名を除いて 他にはプロトコール治療中 後を通して B 型肝炎発症は認めていない ) このような B 型肝炎の既往については 現在 厚生労働省科学研究費による班研究として 治療開始前抗 HBs 抗体あるいは抗 HBc 抗体陽性の場合は B 型肝炎ウイルス量を経時的に測定し 肝炎発症前にウイルス再活性化をもって抗 HBV ウイルス剤を投与することにより肝炎発症を予防する リツキシマブ+ステロイド併用悪性リンパ腫治療中の B 型肝炎ウイルス再活性化への対策に関する研究 の多施設共同臨床試験が施行中である 4) 二次がんの可能性 A 群では骨髄異形成症候群 (MDS) 胃がん 急性骨髄性白血病(AML) 各 1 名の計 3 名 B 群では直腸がん 大腸がん 膀胱がん 胃がん 急性リンパ性白血病各 1 名の計 5 名であった JCOG9809 では二次がん (A: CHOP 群 8 名, B: Bi-CHOP 群 21 名 ) うち MDS/AML (A 群 0, B 群 5 名 ) が Bi-CHOP 群に多かった この違いは 本試験での観察期間中央値が 5.2 年 ( 最終患者の登録から 3 年 6 か月 ) に対し JCOG9809 試験では最終患者登録から 7 年と長く 観察期間の違いによる可能性も考えられる よって 本試験実施患者においても今後のさらなる慎重な経過観察の必要性が示唆される 7. 有効性 1) 完全奏効 (CR/CRu) 割合プロトコール治療完了 7 8 週後に最終的な効果判定が行われた その結果 第 II 相部分のプライマリー エンドポイントである完全奏効 (CR/CRu) 割合は 施設判定では A 群 :59.5% (22/37) B 群 :69.4%(25/36) 中央判定では A 群 :48.6%(18/37) B 群 :50.0%(18/36) であった この結果から いずれの群も閾値とした CHOP 療法単独の治療成績から期待される完全奏効割合 35% を超えており 本試験が第 III 相に移行可能と第 1 回中間解析で判断された またセカンダリー エンドポイントである奏効割合は A 群が 97.3% B 群が 97.2% と差を認めなかった なお 本試験の第 II 相部分においては 施設判定による完全奏効 (CR/CRu)47 名についてのみ 5 回にわたり効果の中央判定が施行された 効果の中央判定とは研究事務局の立会のもと参加施設とは独立した 2 人の放射線診断医からなる CT 効果判定委員による判定会である そのため 施設判定による部分奏効 (PR) が効果の中央判定で CR あるいは CRu と判定される可能性があるが PR については効果の中央判定を施行していないために低めの値となるが 第 II 相部分の完全奏効 (CR/CRu) 割合は 前述の通り 閾値を超えるものであった ちなみに 全適格例 299 名中 施設診断による完全奏効 (CR/CRu) 割合は A 群 :148 名中 7

8 116 名 (78.4%) B 群 :151 名中 115 名 (76.2%) であった また病理中央診断適格例 286 名では A 群 :142 名中 112 名 (78.9%) B 群 :144 名中 110 名 (76.4%) であった これらの結果に比べ 第 II 相部分での完全奏効割合が低かったのは 第 II 相部分ではリツキシマブが 4 回しか投与されなかったことが一因となっている可能性が考えられる 2) 無増悪生存期間 Progression-free Survival (PFS) 全適格例 299 名を対象にして行われた最終解析の結果 無増悪生存期間中央値は A 群で 3.70 年 (95%CI, 年 ) B 群では 4.67 年 (95%CI, 3.07 年 - 推定不能 ) であった 5 年および 6 年無増悪生存割合は A 群でそれぞれ 42.5% (95%CI, %) 41.1% (95%CI, %) B 群でそれぞれ 47.9% (95%CI, %) 42.8% (95%CI, %) であった B 群の A 群に対するハザード比は (95%CI, ) 層別 log-rank 検定による両側 P 値は であり 両群間の無増悪生存期間に差は認められなかった 病理中央診断適格例 286 名を対象とした解析でも 5 年および 6 年無増悪生存割合は A 群でそれぞれ 42.9% (95%CI, %) 41.4% (95%CI, %) B 群でそれぞれ 47.3% (95%CI, %) 43.6% (95%CI, %) であり 同様の結果であった また 病理中央診断による indolent B-NHL の代表的疾患である濾胞性リンパ腫 265 名 (A 群 :133 名 B 群 :132 名 ) の結果は 無増悪生存期間の中央値は A 群 :3.98 年 (95%CI, 年 ) B 群 :4.67 年 (95%CI, 2.94 年 - 推定不能 ) で 5 年および 6 年無増悪生存割合は A 群でそれぞれ 44.2% (95%CI, %), 42.6% (95%CI, %) B 群でそれぞれ 47.3% (95%CI, %), 43.3% ( %) であった 3) 全生存期間 Overall Survival (OS) 全適格例における 5 年および 6 年全生存割合は A 群でそれぞれ 92.8% (95%CI, %) 87.0% (95%CI, %) B 群でそれぞれ 92.2% (95%CI, %) 88.0% (95%CI, %) であり 両群間で全生存期間に差を認めなかった 死因は原疾患によるものが 20 名 ( 登録例の 6.7%) (A 群 :10 名 B 群 :10 名 ) 後治療による治療関連死 5 名 (1.7%) (A 群 2 名 うち 1 名は同種移植後 B 群 3 名 いずれも同種移植後 ) 他病死 6 名 (2.0%) (A 群 3 名 B 群 3 名 A 群に 1 例 B 群に 2 例二次がんを含む ) 自殺 1 名 (B 群 ) と 死因別にみても両群間に差は認められなかった 4) サブグループ解析 FLIPI のリスク グループに従ったサブグループ解析では 全適格例での low-risk group 97 名における 5 年および 6 年無増悪生存割合は A 群でそれぞれ 46.0% (95%CI, %) 42.7% (95%CI, %) B 群でそれぞれ 53.1% (95%CI, %) 47.8% (95%CI, %) intermediate-risk group 125 名の 5 年および 6 年無増悪生存割合は A 群でともに 42.0% (95%CI, %) で変わらず B 群でそれぞれ 50.6% (95%CI, %) 43.6% (95%CI, %) high-risk group 77 名の 5 年および 6 年無増悪生存割合は A 群でそれぞれともに 38.4% (95%CI, 22.1%-54.6%) B 群でともに 37.6% (95%CI, %) であった したがって いずれのリスク グループにおいても A 群 B 群間での差は無増悪生存期間 全生存期間とも認められなかった また IPI のリスク グループに従ったサブグループ解析を low/low-intermediate-risk group と high/high-intermediate-risk group 別に行ったが いずれのサブグループにおいても無増悪生存期間 全生存期間とも両群間に差を認めなかった さらに年齢による (60 歳以下と 61 8

9 歳以上 ) サブグループ解析においても いずれの年齢層においても無増悪生存期間 全生存期間とも両群間で差を認めなかった IPI の low/low-intermediate または high/high-intermediate-risk group 別 FLIP の low と intermediate と high-risk group 別 性 bulky 病変の有無 あるいは IPI FLIPI にそれぞれ採用された因子を用いたサブグループ別に 無増悪生存期間 全生存期間それぞれにつきフォレストプロットを作成したが いずれのサブグループの点推定値の 95%CI も 1 をまたぐ結果となった このような多変量の Cox 回帰の結果 検定に用いたリスク因子によりハザード比の点推定値が変らず R Bi-CHOP 群の治療を受けた方が明らかにハザード比が低くなる因子は認められず 両群間で無増悪生存期間 全生存期間の差が認められない結果への群間における予後因子の偏りによる影響は否定的と判断された ちなみに 第 II 相部分でのセカンダリー エンドポイントの一つであった無増悪生存期間を第 II 相部分登録 73 名に限ってみてみると A 群の無増悪生存期間中央値は 3.12 年 (95%CI, 1.99 年 - 推定不能 ) B 群の中央値は 2.34 年 (95%CI, 1.50 年 年 ) で 5 年および 6 年無増悪生存割合は A 群でそれぞれ 40.5% (95%CI, %), 37.8% (95%CI, %) B 群でそれぞれ 27.8% (95%CI, 14.5%-42.8%), 22.2% (10.5%-36.7%) であった 第 II 相部分のもう 1 つのセカンダリー エンドポイントである全生存期間を同じく第 II 相部分登録例に限って解析すると A 群 B 群とも中央値は推定不能で 5 年および 6 年全生存割合は A 群でそれぞれ 97.3% (95%CI, %), 89.0% (95%CI, %) B 群でそれぞれ 97.2% (95%CI, %), 94.4% (95%CI, %) であった Cox 回帰による多変量解析を治療群 (A 群 vs. B 群 ), 年齢 (60 才以下 vs. 61 才以上 ), 性別 ( 女 vs. 男 ), bulky 病変 ( 長径 10 cm) ( なし vs. あり ), LDH 値 ( 施設基準値上限以下 vs. 超える ), Ann Arbor 病期 (III 期 vs. IV 期 ), PS (0 or 1 vs. 2), 節外病変数 (0 or 1 個 vs. 2 個以上 ), ヘモグロビン値 ( 12 g/dl vs. < 12 g/dl), 浸潤リンパ節区域数 (4 個以下 vs. 5 個以上 ) で行った 無増悪生存期間では男性 ( ハザード比 1.647; 95%CI, ; 両側 P=0.0033) だけが 全生存期間では男性 ( ハザード比 2.257; 95%CI, ; 両側 P=0.0423) と LDH 施設正常上限値より上昇 ( ハザード比 4.289; 95%CI, ; 両側 P=0.0003) が 統計学的に有意な予後不良因子として挙げられた 女性は リツキシマブ登場以前からも報告されてきた濾胞性リンパ腫の予後良好因子であるが 今回の試験でリツキシマブの登場によってもそれが世界に先駆けて確認された形となった また 来院しなくなったなどの理由により追跡が途中で不能となった 5 名を除いた 295 名については 2010 年 9 月 1 日まで追跡調査が行われている 8. プロトコール遵守プロトコール違反による治療中止はなかった 増悪前に後治療が開始されたのは A 群で 1 名 B 群で 2 名であった A 群の 1 名は CRu で腹部に 40Gy の放射線治療が増悪の判定前に施行された B 群の 1 名はリツキシマブの薬事承認範囲が 4 回の時のプロトコール治療後の効果判定で PR であったが その後追跡 CT PET で残存病変が認められたため リツキシマブが単独で追加投与された B 群のもう 1 名は 有害事象 ( 嘔吐 ) に伴う患者拒否により 2 コースでプロトコール治療中止後の効果判定が PR であったため 増悪判定前に 6 コースまで R S-CHOP 療法で治療された患者であった 本試験においては無増悪生存期間がプライ 9

10 マリー エンドポイントであり プロトコール治療完了後の効果判定で CR CRu PR のいずれかと判定された患者については無治療で経過観察することになっていたが 保険適用外で維持療法としてリツキシマブが追加投与された患者はいなかった これまでの CHOP 療法を用いた JCOG リンパ腫グループの臨床試験で最も多いプロトコール不遵守は投与量変更規準に関する逸脱であるが A 群で 43 名 B 群で 55 名 うち A 群の 1 名 B 群の 3 名はグループ検討結果により臨床的に妥当と判断された 本試験においては Grade 2 の神経毒性の出現時に VCR の減量が行われなかった事例である NCI-CTC の神経障害 Grade 3 に記載されている 日常生活に支障を来す 例を挙げて試験開始当初より具体的に予めプロトコールに定義した しかし Grade 2 の定義があいまいなためか CRF には Grade 2 の神経障害と判定されていながら 50% の VCR 減量が行われていない事例が A 群で 9 名 B 群で 10 名に認められた 現行の JCOG0601 未治療の CD20 陽性びまん性大細胞型 B リンパ腫に対する R-CHOP 療法における Rituximab の投与スケジュールの検討を目的としたランダム化第 II/III 相試験 では疼痛を加味した神経障害の評価による減量規準を導入したプロトコール改訂を行っている JCOG0203 では従来の試験と異なり 便秘ではなく イレウス ( 神経性便秘 ) のみで VCR の減量を規定したが 便秘で減量している事例がなおあった 体重減少による減量規準不遵守が目立ち 本プロトコールでは 治療前の体重に比して ± 5 kg 以内の体重の場合は投与量の補正は行わない と規定していたが カルテの電子化に伴い体重の変動を入力する毎に自動的に減量されている事例が多くあった 特にリツキシマブは体重の変動にかかわらず減量をしない規定にしていたため この点が問題となった 一方 体重が ±5 kg を超えた場合にのみ 体表面積を再計算して投与量を再度決定する と規定していた しかし 治療開始前の体重が電子カルテ上に記録されていないことや 日常診療では 多少の体重変動では実際には投与量を変更しないなど 日常診療とそぐわない面があった また 同時期に実施されていた JCOG0112 多発性骨髄腫に対する寛解導入療法有効患者を対象とした interferon-α,prednisolone による維持療法の第 Ⅲ 相ランダム化比較試験 では ±10 kg で再計算を規定していたため 同時期に異なった規準のプロトコールが同じグループ内で行われることにより混乱を招いていた可能性も考えられた 今後の臨床試験に課題を残した リツキシマブの投与回数を当時規定の 4 回より ( 第 II 相部分 ) 多く投与された患者が 4 名 (5 回 6 回各 2 名 ) プロトコール改正により 4 回から 6 回へと変更したものの その後も改正内容の周知が徹底されず 6 回投与されなかった患者が 9 名に認められた (1 名が 5 回 他はプロトコール改訂前通り 4 回 ) B 群において G-CSF の投与が 6 日間規定どおり行われていなかったが 規定の 6 日より多く投与されたのは 15 名 6 日に満たないのは 35 名であった これ以外に 最終 6 コースにおいて投与されなかったのは 6 名であった また リツキシマブは検査値にかかわらず投与でき CHOP 療法に開始規準として プロトコールでは 各 CHOP 療法開始予定日前日または当日の検査 を義務づけていたが リツキシマブ投与日は day 1 CHOP 療法開始日は day 3 と定めていたことから混乱を招き CHOP 療法開始前の検査が規定通り行われていなかった事例が多く発生した CHOP 開始 2 日前のリツキシマブ投与日に検査を施行していた施設があったが CHOP 2 日前の値で開始規準 10

11 を満していれば リツキシマブ投与で検査値異常が加わることは少ないと考えられ 2005 年度後期グループ検討結果では CHOP 開始 2 日前まで を許容とした さらに プロトコールで定めた最終コースのリツキシマブ投与日から起算して第 8 9 週 (49-62 日後 ) に行うべき効果判定のための re-staging 時期の不遵守が目立った この理由として 本試験で初めて 1999 年に Dr. Cheson らによって発表された非ホジキンリンパ腫に対する抗腫瘍効果判定規準 International Workshop Response Criteria (IWC) を採用したことが考えられる また ベースライン評価で骨髄や消化管浸潤を認めた場合には CR または CRu の可能性が出たときにのみ はじめてこれら部位の検査が必要となるため CT 以外に骨髄や内視鏡検査の不履行あるいは本来プロトコールで定められた効果判定のタイミングからの遅延が目立った 班会議などの機会を利用してプロトコール遵守を呼びかけた 8 名の内視鏡検査未施行についてはプロトコール改訂に従い 評価不能 (NE) PR 扱いとした 9. 考察本試験は JCOG リンパ腫グループが標準治療の確立のため indolent B-NHL に対して初めて施行した臨床試験である 当初 従来欧米に比してその頻度が低いことから患者登録に不安を抱きながら試験を開始したが リツキシマブが本邦の薬事法で承認され 保険が適用されるようになってから丁度 1 年後の比較的早期に試験を開始できたこともあって 順調な患者登録が行われた また Dr. Cheson らによる効果判定規準 (IWC) を適用した最初の試験であり 第 II 相試部分のプライマリー エンドポイントが完全奏効割合であったため 臨床試験を遂行しながらこの効果判定規準の feasibility を確認する形になったこともあって JCOG リンパ腫グループでは初めての試みである効果の中央判定を導入した 施設診断の CR CRu 例のみを対象としたとはいえ 頸部や鼠径部など効果判定に必要な病変部位が撮影 CT スライスに含まれていなかったり 集塊をなした腫大リンパ節病変の二方向積和に必要な長径と短径の計測方法に統一性が欠けたり 二方向積和の縮小率を過不足なく評価するうえで 原典の標的病変の選び方に問題があることを発見したりする機会となった 効果の中央判定の結果を施設にフィードバックしたり 班会議を利用して複数のリンパ節が癒合して成る病変の長径計測方法や標的病変の選び方の統一を図った 一方 病理中央診断による不適格例は 5% にとどまった 本試験開始後 FLIPI によるリスク グループ群 (low, intermediate, high-risk group) が発表され (Solal-Céligny P et al. Blood 104, , 2004) 試験開始当初予想していなかった IPI 以外のリスク グループ別サブグループ解析が最終解析時に必要になることが予想された しかし 過去の JCOG リンパ腫グループ試験の経験を生かした緻密な CRF を試験開始当初から用意していたことから 新たに CRF 改訂を必要とすることなく FLIPI に必要な 浸潤リンパ節区域数 についてデータセンターのデータマネージャーと研究事務局間でその数え方の統一ルールを作成し これらをはじめとするリスク グループ分類に必要なすべての因子を 1 例たりとも欠失値なく拾うことができた その結果 本試験において重要と考えられた無増悪生存期間 全生存期間の FLIPI リスク グループ別サブセット解析を全適格例で行うことができた 本試験施行中の 2005 年に 抗 CD20 キメラ型モノクローナル抗体であるリツキシマブと 11

12 CHOP 療法を併用した R-CHOP 療法群 (n = 223) と CHOP 療法単独群 (n = 205) との大規模比較試験がドイツの低悪性度リンパ腫研究グループ (GLSG) によって施行され その結果が報告された この試験では観察期間が短いながらも R-CHOP 群が CHOP 群に比べ 60% 治療不成功 treatment failure を減らし 有意に (P < 0.001) 治療不成功までの期間 time to treatment failure (TTF) を延長したと報告された 2 年生存割合は R-CHOP 群の 95% に対して CHOP 群は 90% であり 有意に R-CHOP 群が優っていた (P = 0.016) (Hiddemann W et al. Blood106, , 2005) ヨーロッパで行われた第 III 相試験では 未治療進行期濾胞性リンパ腫患者を CVP 療法群 (n = 159) あるいは R-CVP 療法群 (n = 162) にランダムに割付け R-CVP 群にプライマリー エンドポイントである time to treatment failure (TTF) の有意な延長が認められ (P < ) 4 年 OS でも 83% vs. 77% と有意に改善した (P = 0.029) (Marcus R et al. J Clin Oncol 26, , 2008) また 本試験における R S-CHOP 療法群の成績は 用いられた効果判定規準が若干異なることから正確なことはいえないが GLSG の試験における R-CHOP 療法群の成績と同等あるいはそれに勝る結果であったこと GLSG による試験に比べ R-CHOP 療法群の Grade 3/4 の好中球減少 (97% vs. 63%) および Grade 3 の感染症 (34% vs. 5%) に関しては本試験 (R S-CHOP 群 ) で多発する傾向が認められたが Grade 4 の感染症や治療関連死はなかったことから 現段階では R-CHOP 療法は比較的安全に施行可能といえる また特記すべきこととして 従来わが国では比較的頻度が低いとされた疾患群で上記 2 つの臨床試験に匹敵する患者数を登録し 観察期間ならびにイベント数から リツキシマブの登場以降濾胞性リンパ腫を対象として行われてきた第 III 相試験の中では 生存期間解析について世界で最も成熟した臨床試験結果を日本から発信できたといえる ただし GLSG の試験では 適格規準の一つである治療介入の必要性について 具体的に 1) B 症状あり 2) bulky 病変 ( 縦隔 > 7.5 cm 他 > 5 cm) 3) 正常造血の障害 4) 急速な病勢進行のいずれかを有するものとしており これに対し JCOG0203 ではこのような具体的記載がなかったことが主因と考えられる 両試験間で患者背景に大きな相違が認められた 具体的には R-CHOP 群 FLIPI high-risk group (26% vs. 45%) B 症状あり (9% vs. 40%) LDH 高値 (19% vs. 29%) 年齢 > 60 才 (25% vs. 38%) 浸潤リンパ区域数 > 4 (35% vs. 64%) と いずれも予後不良因子をもった患者の占める割合が R S-CHOP あるいは R Bi-CHOP 療法を受けた JCOG0203 の対象患者に比較すると GLSG 試験の R-CHOP 療法群を受けた患者の方に明らかに多かった これに対し男性 (48% vs. 43%) 臨床病期 IV 期 (66% vs. 70%) Hb < 12 g/dl (21% vs. 23%) はほぼ同じ割合であった ( 前者の値がすべて JCOG0203) リツキシマブが B 細胞 NHL に頻用される時代において dose-dense therapy の有用性は不明である リツキシマブが登場する以前は aggressive NHL において JCOG9809 試験総括報告書で示されたように ドイツと JCOG リンパ腫グループの試験結果からは controversial であり ましてや indolent B 細胞 NHL においては不明である さらに 本試験においては化学療法の dose-dense strategy のみならず リツキシマブの抗体治療効果を G-CSF 併用により リツキシマブの主たる作用発現機序である antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity 増強をも狙った 世界でも初めての第 III 相試験であったが 本試験で仮説を証明するには至ら 12

13 なかった 本試験は 用いられたいずれの抗がん剤の % planned dose ならびに患者背景に群間で偏りはなく 最終解析における結果は妥当なものと判断できる 加えて R Bi-CHOP 群または R S-CHOP 群の二次性 MDS/ 急性白血病発症は現在のところ合わせて 300 名中 3 名で その頻度は 1% であり 通常量の化学療法による NHL の治療後 同程度の観察期間における頻度はこれまで % と報告されており 両治療とも初期治療として比較的安全に施行可能な治療法といえる R Bi-CHOP 群では G-CSF を必須とすることで通院が煩雑になること 薬剤費が増すことなどの患者負担増がある B 細胞 NHL 治療にとってリツキシマブは必須の薬剤であり indolent B-NHL 主に濾胞性リンパ腫に対する治療成績向上のための戦略として R Bi-CHOP 療法による dose-dense therapy は有用でないと判断した 10. 結論と今後の方針本試験は R Bi-CHOP 群が無増悪生存期間 全生存期間のいずれにおいても R S-CHOP 群を上回らなかった このことから indolent B-NHL に対する治療成績改善のための戦略として化学療法の用量強度増強と G-CSF 併用による抗体療法の効果増強が期待される R Bi-CHOP 療法は有用ではないと結論する 一方 本試験においてプロトコール治療後の初回後治療を解析したところ 疾患の特性より 増悪が認められても無治療で経過観察されることもあり A 群では増悪した 82 名中 12 名 (14.6%) B 群では 78 名中 15 名 (19.2%) が追跡調査期間中後治療を受けず経過観察されたことになる 再発 再燃患者の後治療の内訳を次に示す 後治療施行 135 名中 抗体療法 + 化学療法 50 名 (A 群 :31 名 B 群 :19 名 (37.0%) 化学療法単独 25 名 (A 群 :11 名 B 群 : 14 名 ) (18.5%) 抗体療法単独 21 名 (A 群 :9 名 B 群 :12 名 ) (15.6%) 放射線療法 6 名 (A 群 :5 名 B 群 :1 名 ) (4.4%) の順であった その他が 33 名 (A 群 :14 名 B 群 :19 名 ) (24.4%) あり その中で最も多かったのが化学療法 (± 抗体療法 ) 後に大量化学療法 + 自家移植 12 名 (A 群 :4 名 B 群 :8 名 ) (8.9%) 次が治験薬であった放射性同位元素標識抗体療法 90 Y-イブリツモマブ チウキセタン 8 名 (A 群 :3 名 B 群 :5 名 ) (5.9%) 同じく治験薬である化学療法剤抱合型抗体療法 CMC 名 (A 群 :3 名 B 群 :2 名 ) (3.7%) の順であった 治験施行可能施設は限られており 当時治験薬としてしか施行できなかった 90 Y-イブリツモマブ チウキセタンは現在ではわが国でも薬事承認され保険診療下で使用できるため その後日常診療における初回治療後の最初の再発 再燃時の後治療の頻度は定かではない これらの状況を踏まえて 未治療あるいは再発時の indolent B-NHL に対する標準治療確立のための次期第 III 相試験を目下検討中である なお 本試験に関する最終結果報告は 2010 年 12 月に開催された米国血液学会にて発表し 論文は現在投稿中である さらに R-CHOP 療法後の治療効果を維持あるいは増強する方法としては これまでに報告されたものでは 2 つの試験結果が参考になる 1 つは最近報告された PRIMA 試験 (Primary RItuximab and MAintenance ) 結果である (Salles G et al. Lancet 377, 42-51, 2011) 1) 7 cm を超える bulky 病変 2) 長径 3 cm 以上の別々の 3 リンパ節 3) 症候性の脾腫 4) 腫瘍による臓器圧迫 5) 胸水または腹水貯留 13

14 6) 血清 LDH または 2 -マイクログロブリンの上昇 7) B 症状のいずれか 1 つを有することで定義された 高腫瘍量をもつ濾胞性リンパ腫患者を対象に 少なくとも R-CHOP 4 コース R-CVP 6 コース または R-FCM ( フルダラビン シクロホスファミド ミトキサントロン ) 4 コース ( いずれもリツキシマブは最低 6 回投与 ) による初期治療で CR CRu または PR を得た患者に対して リツキシマブを 8 週ごと 12 回 (2 年間 ) 維持療法を行う群と無治療経過観察群とにランダム化し リツキシマブ維持療法が 3 年無増悪生存割合を 74.9% vs. 57.6% ( ハザード比 0.55, 95%CI , p < ) と統計学的有意に延長した ただし 全生存期間では差が認められなかった わが国でも同じ対象に対してリツキシマブ維持療法の治験が現在進行中である 本試験での各群の 3 年無増悪生存割合は A 群 57.2% B 群 58.3% で PRIMA 試験のコントロール群の成績と同等であった しかし 本試験と PRIMA 試験での試験対象は上記のように若干異なった もう 1 つは FIT 試験 (First-line Indolent Trial) と呼ばれるもので クロラムブシル単剤 CVP 療法 CHOP 療法 CHOP 様療法 フルダラビン併用治療またはこれらのリツキシマブ併用療法で 寛解導入 療法を受けた後 CR CRu PR 例をランダム化して 90 Y-イブリツモマブ チウキセタンによる地固め療法のあるなしで比較した第 III 相試験である 全体で 414 名が登録され 90 Y-イブリツモマブ チウキセタン投与群が有意に無増悪生存期間を延長した ( 中央値 36.5 か月 vs か月, ハザード比 0.465, P < 0.001) ただし全生存期間においては両群に差は認められなかった 無増悪生存期間中央値はセカンダリー エンドポイントである すべての FLIPI リスク グループにおいて延長された 最も高頻度に認められた 90 Y-イブリツモマブ チウキセタンの毒性は血液毒性で Grade3-4 の感染症が 8% に認められた (Morschhauser F et al. JCO 26, , 2008) しかし わが国では 90 Y-イブリツモマブ チウキセタンは再発 再燃 難治例には薬事承認され保険適用となっているが 奏効例への地固め療法としての保険適用はなく JCOG リンパ腫グループで保険診療の範囲内で臨床試験を計画するとしたら 再発 再燃を待って投与する試験しか計画できない さらに 初期治療として濾胞性リンパ腫, indolent B-NHL, マントル細胞リンパ腫を対象とした R-CHOP 療法と R-ベンダムスチン療法の比較試験がドイツの StiL (Study Group Indolent Lymphomas) グループによって行われ 2009 年米国血液学会で発表され (Rummel MJ et al. Blood 2009; 114; [abstract 405]) CR 割合 (40% vs. 31%, P = ) 無増悪生存期間 (55 か月 vs. 35 か月, P = ) と R-ベンダムスチン群が有意に勝っていた これらの状況を踏まえて 未治療あるいは再発時の indolent B-NHL に対する標準治療確立のための次期第 III 相試験を目下検討中である 以上 14

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or 33 NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 2015 年第 2 版 NCCN.org NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) の Lugano

More information

Japan Study Group for Cell Therapy and Transplantation(JSCT) 造血器腫瘍分科会 JSCT NHL04 びまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫に対する Rituximab を併用した Biweekly CHOP 療法および大量化学療法 + 自家

Japan Study Group for Cell Therapy and Transplantation(JSCT) 造血器腫瘍分科会 JSCT NHL04 びまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫に対する Rituximab を併用した Biweekly CHOP 療法および大量化学療法 + 自家 Japan Study Group for Cell Therapy and Transplantation(JSCT) 造血器腫瘍分科会 JSCT NHL04 びまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫に対する Rituximab を併用した Biweekly CHOP 療法および大量化学療法 + 自家末梢血幹細胞移植の有効性に関する検討 多施設共同第 II 相試験実施計画概要書 研究代表者原田実根九州大学病院第一内科

More information

日本内科学会雑誌第96巻第4号

日本内科学会雑誌第96巻第4号 β 図 1A.rituximab による再発 indolentlymphoma に対する治療成績 (PFS)( 文献 9 より ) 図 1B. 初発濾胞性リンパ腫に対する rituximab による治療成績 ( 評価可能全 49 例の progression-freesurvival, 文献 10 より ) 図 2. 濾胞性リンパ腫に対する rituximab の単剤投与後の rituximab

More information

リンパ腫グループ:リンパ腫治療開発マップ

リンパ腫グループ:リンパ腫治療開発マップ 限局期 リンパ腫グループ : 濾胞性リンパ腫治療開発マップ 2019.03. 対象標準治療 JCOG 試験他組織の試験主な未承認薬 領域照射 (24-30 Gy) リツキシマブ / リツキシマブ併用化学療法 進行期 低腫瘍量 高腫瘍量 リツキシマブ併用化学療法 (CHOP やベンダムスチンなど ) ( 奏効例にリツキシマブ維持療法 ) リツキシマブ JCOG0203-21 vs -14 第 II/III

More information

生存率 (%) Aggressive lymphoma OS 75 歳以上 VS 75 歳未満 (2006 年 10 月 ~2011 年 3 月 154 例 ) 75 歳未満 N=89 75 歳以上 N=65 P=0.88 ( 月 )

生存率 (%) Aggressive lymphoma OS 75 歳以上 VS 75 歳未満 (2006 年 10 月 ~2011 年 3 月 154 例 ) 75 歳未満 N=89 75 歳以上 N=65 P=0.88 ( 月 ) 生存率 (%) Aggressive lymphoma OS 75 歳以上 VS 75 歳未満 (2006 年 10 月 ~2011 年 3 月 154 例 ) 75 歳未満 N=89 75 歳以上 N=65 P=0.88 ( 月 ) R-CHOP+Bevacizumab リンパ腫にも VGEFR の発現あり リンパ腫において予後不良例では血中 VGEF 高値 Stopeck AT. Et al.

More information

手術を支持する根拠とされていた また 非治癒因子が 1 つである患者が減量手術の良い対象と報告された しかしながら それらの報告には PS が良く合併症が少なく腫瘍量が少ない患者に好んで減量手術が行われている selection bias が明らかに存在し 化学療法単独でも か月の予後が

手術を支持する根拠とされていた また 非治癒因子が 1 つである患者が減量手術の良い対象と報告された しかしながら それらの報告には PS が良く合併症が少なく腫瘍量が少ない患者に好んで減量手術が行われている selection bias が明らかに存在し 化学療法単独でも か月の予後が 総括報告書 JCOG0705: 治癒切除不能進行胃癌に対する胃切除術の意義に関するランダム化比較第 III 相試験 [ 2017/08/25 ] 研究事務局 : 藤谷和正 ( 大阪府立急性期総合医療センター外科 ) 研究代表者 : 辻仲利政 ( 市立貝塚病院外科 ) 前胃がんグループ代表者 : 笹子三津留 ( 兵庫医科大学上部消化管外科 ) 胃がんグループ代表者 : 寺島雅典 ( 静岡県立静岡がんセンター胃外科

More information

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 (ICD10: C81 85, C96 ICD O M: 9590 9729, 9750 9759) 治癒モデルの推定結果が不安定であったため 治癒モデルの結果を示していない 203 10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) 71 68 50 53 52 45 47 1993 1997 1998 2001 2002 2006 2002 2006 (Period 法 ) 43 38 41 76

More information

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医 佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生 住所 M T S H 西暦 電話番号 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 家族構成 情報 医療機関名 診療科 住所 電話番号 紹介医 計画策定病院 (A) 連携医療機関 (B) 疾患情報 組織型 遺伝子変異 臨床病期 病理病期 サイズ 手術 有 無 手術日 手術時年齢 手術 有 無 手術日

More information

Microsoft PowerPoint - 市民公開講座6.pptx

Microsoft PowerPoint - 市民公開講座6.pptx 悪性リンパ腫の分類 悪性リンパ腫 非 Hodgkin リンパ腫 Hodgkin リンパ腫 細胞系統増殖スピード発生部位 T/NK 細胞性リンパ腫 T/NK cell lymphoma B 細胞性リンパ腫 B cell lymphoma 前駆細胞由来 成熟細胞由来 低悪性度リンパ腫 Indolent lymphoma 中悪性度リンパ腫 Aggressive lymphoma 高悪性度リンパ腫 Highly

More information

減量・コース投与期間短縮の基準

減量・コース投与期間短縮の基準 用法 用量 通常 成人には初回投与量 (1 回量 ) を体表面積に合せて次の基準量とし 朝食後および夕食後の 1 日 2 回 28 日間連日経口投与し その後 14 日間休薬する これを 1 クールとして投与を繰り返す ただし 本剤の投与によると判断される臨床検査値異常 ( 血液検査 肝 腎機能検査 ) および消化器症状が発現せず 安全性に問題がない場合には休薬を短縮できるが その場合でも少なくとも

More information

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ (ICD10: C91 C95 ICD O M: 9740 9749, 9800 9999) 全体のデータにおける 治癒モデルの結果が不安定であるため 治癒モデルの結果を示していない 219 10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) 52 52 53 31 29 31 26 23 25 1993 1997 1998 01 02 06 02 06 (Period 法 ) 21 17 55 54

More information

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号 資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号 ;II-231) 1 医療上の必要性の基準に該当しないと考えられた品目 本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション CHOP 療法の実際 2011 年 6 月 15 日 主催 : 福岡大学病院腫瘍センター 共催 : 福岡市薬剤師会 福岡地区勤務薬剤師会 悪性リンパ腫とは? 悪性リンパ腫とは リンパ球が がん 化して増殖し 腫瘤を形成 する悪性腫瘍の総称である リンパ節 胸腺 脾臓 扁桃 腸管のパイエル板などリンパ組 織に発生することが多いが 皮膚 脳 鼻腔 胃 骨 乳腺な ど全身のあらゆる組織から発生する 日本人の罹患率は人口

More information

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd その他 B 型肝炎 15% C 型肝炎 68% 41 706 168 66 19 12 肝 には の か 脂肪肝 の で る () という も りま の く い 肝 の肝細胞のなかに 脂肪の く がこ なにたまっ いま 類洞 正常な肝臓 腸管からの栄養や不要物が流れていく 肝細胞 正常な肝臓 脂肪肝の始まり 類洞 腸管からの栄養や不要物が流れていく 類洞 過剰な脂質 糖質の流入 肝細胞 肝細胞のなかに中性脂肪がたまり始める

More information

別紙様式第1

別紙様式第1 胃 MALT リンパ腫における API2-MALT1 t(11;18) 転座およびトリソミー 18 テトラソミー 18 症例の特徴に関する研究 へのご協力のお願い - 当院において胃 MALT リンパ腫と診断された方へ - 研究機関名岡山済生会総合病院 責任研究者岡山済生会総合病院消化器内科部長診療部長吉岡正雄 分担医師 岡山済生会総合病院内科医長齊藤俊介 研究主幹機関名 : 岡山大学病院 研究主幹機関責任研究者

More information

「             」  説明および同意書

「             」  説明および同意書 EDP( エトポシド + ドキソルビシン + シスプラチン ) 療法 説明および同意書 四国がんセンター泌尿器科 患者氏名 ( ) さん 御本人さんのみへの説明でよろしいですか? ( 同席者の氏名をすべて記載 ) ( ( はい ) ) < 病名 > 副腎がん 転移部位 ( ) < 治療 > EDP 療法 (E: エトポシド D: ドキソルビシン P: シスプラチン ) < 治療開始予定日 > 平成

More information

第 1 回改訂 (2005/2/3 承認 ): 適格規準の病理組織学的悪性度に FNCLCC system の Grade 2 を追加した 対象年齢上限を 60 歳から 65 歳に引き上げた MRI 撮影施設を追加した 第 2 回改訂 (2005/7/5 承認 ): 新規参加施設における放射線治療の

第 1 回改訂 (2005/2/3 承認 ): 適格規準の病理組織学的悪性度に FNCLCC system の Grade 2 を追加した 対象年齢上限を 60 歳から 65 歳に引き上げた MRI 撮影施設を追加した 第 2 回改訂 (2005/7/5 承認 ): 新規参加施設における放射線治療の 総括報告書 ( 主 ) JCOG0304: 高悪性度非円形細胞軟部肉腫に対する Ifosfamide Adriamycin による術前術後補助化学療法の第 Ⅱ 相臨床試験 平成 27 年 8 月 10 日研究事務局 : 田仲和宏 ( 大分大学整形外科 ) 研究代表者 : 岩本幸英 ( 九州大学整形外科 ) グループ代表者 : 岩本幸英 ( 九州大学整形外科 ) 0. 試験概要 試験の目的 : 四肢原発の切除可能

More information

<4D F736F F D B A814089FC92F982CC82A8926D82E782B95F E31328C8E5F5F E646F63>

<4D F736F F D B A814089FC92F982CC82A8926D82E782B95F E31328C8E5F5F E646F63> - 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読み下さい - 効能 効果 用法 用量 使用上の注意 等改訂のお知らせ 抗悪性腫瘍剤 ( ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤 ) ( 一般名 : イブルチニブ ) 2016 年 12 月 この度 抗悪性腫瘍剤 イムブルビカ カプセル 140 mg ( 以下標記製品 ) につきまして 再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫 の効能追加承認を取得したことに伴い

More information

JCOG0910総括報告書

JCOG0910総括報告書 総括報告書 JCOG0910: Stage III 治癒切除大腸癌に対する術後補助化学療法としての Capecitabine 療法と S-1 療法とのランダム化第 III 相比較臨床試験 作成日 :2018 年 1 月 9 日研究事務局 : 濱口哲弥 ( 埼玉医科大学国際医療センター ) 研究代表者 : 島田安博 ( 高知医療センター ) グループ代表者 : 島田安博 ( 高知医療センター ) 試験概要

More information

最終解析と総括報告書

最終解析と総括報告書 総括報告書 JCOG0209: 浸潤性膀胱移行上皮がん (T2-4aN0M0) に対する術前 MVAC 化学療法による予後改善の意義に関する第 III 相試験 [ 作成年月日 ] 2013 年 3 月 15 日研究事務局 : 塚本泰司 舛森直哉研究代表者 : 塚本泰司グループ代表者 : 筧善行 札幌医科大学医学部札幌医科大学医学部香川大学医学部 0. 試験概要 試験の目的 : 浸潤性膀胱癌に対する術前

More information

2013 年 4 月 8 日 ver 改訂 JCOG 効果 安全性評価委員会承認 4 月 8 日発効 2013 年 8 月 2 日 ver 改訂 JCOG 効果 安全性評価委員会承認 8 月 2 日発効 2014 年 8 月 13 日 ver. 1.1 改訂 JCOG 効果

2013 年 4 月 8 日 ver 改訂 JCOG 効果 安全性評価委員会承認 4 月 8 日発効 2013 年 8 月 2 日 ver 改訂 JCOG 効果 安全性評価委員会承認 8 月 2 日発効 2014 年 8 月 13 日 ver. 1.1 改訂 JCOG 効果 Japan Clinical Oncology Group( 日本臨床腫瘍研究グループ ) 脳腫瘍グループ日本医療研究開発機構委託研究開発費革新的がん医療実用化研究事業 17ck0106341h0001 中枢神経系原発悪性リンパ腫に対するテモゾロミドを用いた標準治療確立に関する研究 班国立がん研究センター研究開発費 29-A-3 成人固形がんに対する標準治療確立のための基盤研究(JCOG) 班 JCOG1114C

More information

米国で承認された エロツズマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 新潟県立がんセンター新潟病院内科臨床部長張高明先生です Q1: エロツズマブという薬が米国で承認されたと聞きましたが どのような薬ですか? エロツズマブについてエロツズマブは 患者さんで増殖しているがん

米国で承認された エロツズマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 新潟県立がんセンター新潟病院内科臨床部長張高明先生です Q1: エロツズマブという薬が米国で承認されたと聞きましたが どのような薬ですか? エロツズマブについてエロツズマブは 患者さんで増殖しているがん 米国で承認された エロツズマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 新潟県立がんセンター新潟病院内科臨床部長張高明先生です Q1: エロツズマブという薬が米国で承認されたと聞きましたが どのような薬ですか? エロツズマブについてエロツズマブは 患者さんで増殖しているがん細胞の骨髄腫細胞や 細菌やウイルスなどの人の体内に入ってきた異物 ( 抗原 ) を攻撃するナチュラルキラー細胞

More information

untitled

untitled twatanab@oncoloplan.com http://www.oncoloplan.com I II - III IV Fig 3. Survival curves overall and according to response Bruzzi, P. et al. J Clin Oncol; 23:5117-5125 25 Copyright merican Society of Clinical

More information

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6> 2012 年 4 月更新作成者 : 宇根底亜希子 化学療法看護エキスパートナース育成計画 1. 目的江南厚生病院に通院あるいは入院しているがん患者に質の高いケアを提供できるようになるために 看護師が化学療法分野の知識や技術を習得することを目的とする 2. 対象者 1 ) レベル Ⅱ 以上で各分野の知識と技術習得を希望する者 2 ) 期間中 80% 以上参加できる者 3. 教育期間 時間間 1 年間の継続教育とする

More information

○○グループ:○○がん治療開発マップ

○○グループ:○○がん治療開発マップ リンパ腫グループ : ホジキンリンパ腫治療開発マップ 対象標準治療 JCOG 試験他組織の試験 適応外薬 限局期臨床病期 I 縦隔バルキー病変なし臨床病期 II ABVD(4 コース ) + 領域照射 (30 Gy) 予後不良因子なし ABVD(2 コース ) + 領域照射 (20 Gy) の選択も可能 進行期縦隔バルキー病変あり臨床病期 II 臨床病期 III 臨床病期 IV ABVD(6, 8

More information

エムプリシティ点滴静注用 300 mg エムプリシティ点滴静注用 400 mg に係る医薬品リスク管理計画書 本資料に記載された情報に係る権利及び内容についての責任はブリストル マイヤーズスクイブ株式会社にあります 当該情報を適正使用以外の営利目的に利用することはできません ブリストル マイヤーズスクイブ株式会社 医薬品リスク管理計画書 平成 29 年 10 月 16 日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構理事長殿

More information

がん化学 ( 放射線 ) 療法レジメン申請書 記載不備がある場合は審査対象になりません * は記入不要です 申請期日 2013/6/17 受付番号 診療科名 脳神経外科 がん腫 ( コード ) 診療科長名 申請医師名 レジメン登録ナンバー 登録申請日 審査区分 ( 下記をチェックしてください ) 登

がん化学 ( 放射線 ) 療法レジメン申請書 記載不備がある場合は審査対象になりません * は記入不要です 申請期日 2013/6/17 受付番号 診療科名 脳神経外科 がん腫 ( コード ) 診療科長名 申請医師名 レジメン登録ナンバー 登録申請日 審査区分 ( 下記をチェックしてください ) 登 がん化学 ( 放射線 ) 療法レジメン申請書 記載不備がある場合は審査対象になりません * は記入不要です 申請期日 2013/6/17 受付番号 診療科名 脳神経外科 がん腫 ( コード ) 診療科長名 申請医師名 レジメン登録ナンバー 登録申請日 審査区分 ( 下記をチェックしてください ) 登録確認日 通常審査を希望 登録削除日 迅速審査を希望 注 1) 注 1) 迅速審査は患者限定となります

More information

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について ( 別添様式 1-1) 未承認薬の要望 要望者 日本てんかん学会 優先順位 2 位 ( 全 12 要望中 ) 医薬品名 成分名 ルフィナマイド 販売名 Inovelon( 欧州 ) Banzel( 米国 ) 会社名 エーザイ 承認国 欧州 29 カ国 ( 英国 独国 仏国を含む ) 米国 効能 効果 レノックス ガストー症候群 (4 歳以上 ) に伴う発作に対する併用 療法 用法 用量 欧州 小児患者

More information

頭頚部がん1部[ ].indd

頭頚部がん1部[ ].indd 1 1 がん化学療法を始める前に がん化学療法を行うときは, その目的を伝え なぜ, 化学療法を行うか について患者の理解と同意を得ること ( インフォームド コンセント ) が必要である. 病理組織, 病期が決定したら治療計画を立てるが, がん化学療法を治療計画に含める場合は以下の場合である. 切除可能であるが, 何らかの理由で手術を行わない場合. これには, 導入として行う場合と放射線療法との併用で化学療法を施行する場合がある.

More information

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32 白血球増加の初期対応 白血球増加が 30,000~50,000/μL 以上と著明であれば, 白血病の可能性が高い すぐに専門施設 ( ) に紹介しよう ( 図 1) 白血球増加があれば, まず発熱など感染症を疑う症状 所見に注目しよう ( 図 1) 白血球増加があれば, 白血球分画を必ずチェックしよう 成熟好中球 ( 分葉核球や桿状核球 ) 主体の増加なら, 反応性好中球増加として対応しよう ( 図

More information

1)表紙14年v0

1)表紙14年v0 NHO µ 医師が治療により回復が期待できないと判断する 終末期 であると医療チームおよび本人 家族が判断する 患者の意志表明は明確であるか? いいえ はい 意思は文書化されているか? はい 患者には判断能力があるか? 医療チームと患者家族で治療方針を相談する 患者の意思を推量できる場合には それを尊重する はい はい 患者の意思を再確認する はい 合意が得られたか? はい いいえ 倫理委員会などで議論する

More information

試験デザイン :n=152 試験開始前に第 VIII 因子製剤による出血時止血療法を受けていた患者群を 以下のい ずれかの群に 2:2:1 でランダム化 A 群 (n=36) (n=35) C 群 (n=18) ヘムライブラ 3 mg/kg を週 1 回 4 週間定期投与し その後 1.5 mg/k

試験デザイン :n=152 試験開始前に第 VIII 因子製剤による出血時止血療法を受けていた患者群を 以下のい ずれかの群に 2:2:1 でランダム化 A 群 (n=36) (n=35) C 群 (n=18) ヘムライブラ 3 mg/kg を週 1 回 4 週間定期投与し その後 1.5 mg/k 各位 2018 年 5 月 21 日 ヘムライブラ の 2 本の第 III 相国際共同治験の成績を世界血友病連盟 (WFH)2018 世界大会で発表 中外製薬株式会社 ( 本社 : 東京 代表取締役社長 CEO: 小坂達朗 ) は 血友病 A 治療薬ヘムライブラ [ 一般名 : エミシズマブ ( 遺伝子組換え )] について 第 III 相国際共同治験である HAVEN 3 試験 (NCT02847637)

More information

Microsoft Word - tmp_input.doc

Microsoft Word - tmp_input.doc アバスチン 2.7.3 臨床的有効性の概要 Page 19 2.7.3.2.4 NO16966 試験 (FOLFOX-4 療法及び XELOX 療法との併用による無作為化比較試験, 一次治療 ) 本試験は転移性結腸 直腸癌の一次治療例を対象とした第 Ⅲ 相臨床試験であり, 当初,XELOX 療法 (L-OHP/ カペシタビン ) と FOLFOX-4 療法 (L-OHP/5-FU/LV) の非盲検比較試験として開始されたが

More information

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案)

第1回肝炎診療ガイドライン作成委員会議事要旨(案) 資料 1 C 型慢性肝疾患 ( ゲノタイプ 1 型 2 型 ) に対する治療フローチャート ダクラタスビル + アスナプレビル併用療法 ソホスブビル + リバビリン併用療法 ソホスブビル / レジパスビル併用療法 オムビタスビル / パリタプレビル / リトナビル併用療法 (± リバビリン ) エルバスビル + グラゾプレビル併用療法 ダクラタスビル / アスナプレビル / ベクラブビル 3 剤併用療法による抗ウイルス治療に当たっては

More information

未承認薬 適応外薬の要望に対する学会見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名 要望され た医薬品 シンバイオ製薬株式会社要望番号成分名ベンダムスチン塩酸塩 ( 一般名 ) 販売名トレアキシン点滴静注用 100mg 未承認薬 2009 年 4 月以降に FDA 又は EMA で承認

未承認薬 適応外薬の要望に対する学会見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名 要望され た医薬品 シンバイオ製薬株式会社要望番号成分名ベンダムスチン塩酸塩 ( 一般名 ) 販売名トレアキシン点滴静注用 100mg 未承認薬 2009 年 4 月以降に FDA 又は EMA で承認 未承認薬 適応外薬の要望に対する学会見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名 要望され た医薬品 シンバイオ製薬株式会社要望番号成分名ベンダムスチン塩酸塩 ( 一般名 ) 販売名トレアキシン点滴静注用 100mg 未承認薬 2009 年 4 月以降に FDA 又は EMA で承認されたが 国内で承認されていない医薬品 未承認薬 適応 外薬の分類 ( 該当するものにチェックする )

More information

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習 ABC-123 臨床試験進行または再発胃癌患者に対するプラセボを対照薬とした無作為化二重盲検比較試験症例報告書 治験実施計画書番号 P123-31-V01 被験者識別コード 割付番号 治験実施医療機関名 ご自分の医療機関 お名前を記載して下さい 症例報告書記載者名 症例報告書記載者名 治験責任医師 ( 署名又は記名 押印 ) 治験責任医師記載内容確認完了日 印 2 0 年 月 日 1 症例報告書の記入における注意点

More information

C 型慢性肝炎に対するテラプレビルを含む 3 剤併用療法 の有効性 安全性等について 肝炎治療戦略会議報告書平成 23 年 11 月 28 日

C 型慢性肝炎に対するテラプレビルを含む 3 剤併用療法 の有効性 安全性等について 肝炎治療戦略会議報告書平成 23 年 11 月 28 日 C 型慢性肝炎に対するテラプレビルを含む 3 剤併用療法 の有効性 安全性等について 肝炎治療戦略会議報告書平成 23 年 11 月 28 日 C 型慢性肝炎に対するテラプレビルを含む 3 剤併用療法の 有効性 安全性等について 1. 有効性及び対象について セログループ 1 のC 型慢性肝炎に対する ペグインターフェロン リバビリン及びテラプレビル3 剤併用療法 ( 以下単に 3 剤併用療法 という

More information

ダラツムマブってどんな薬? 初発の患者さん ( 初めて治療を受ける患者さん ) の治験募集についてー 米国で承認された ダラツムマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 名古屋市立大学病院血液 腫瘍内科診療部長飯田真介先生です Q1 ダラツムマブという薬が米国で承認され

ダラツムマブってどんな薬? 初発の患者さん ( 初めて治療を受ける患者さん ) の治験募集についてー 米国で承認された ダラツムマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 名古屋市立大学病院血液 腫瘍内科診療部長飯田真介先生です Q1 ダラツムマブという薬が米国で承認され ダラツムマブってどんな薬? 初発の患者さん ( 初めて治療を受ける患者さん ) の治験募集についてー 米国で承認された ダラツムマブ という新薬について Q&A 形式でご紹介します Q&A の監修は 名古屋市立大学病院血液 腫瘍内科診療部長飯田真介先生です Q1 ダラツムマブという薬が米国で承認されたと聞きました どのような薬ですか? ダラツズマブはどのような薬? 私たちの体は 病原菌などの異物 (

More information

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

がん化学(放射線)療法レジメン申請書 申請期日 がん化学 ( 放射線 ) 療法レジメン申請書 記載不備がある場合は審査対象になりません * は記入不要です 受付番号 診療科名呼吸器外科がん腫 ( コード ) 診療科長名 申請医師名 審査区分 ( 下記をチェックしてください ) レジメン登録ナンバー 登録申請日 登録確認日 通常審査を希望 登録削除日 迅速審査を希望 注 1) 注 1) 迅速審査は患者限定となります がん種レジメン名実施区分使用分類適応分類

More information

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類 未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類 ( 該当するものにチェックする ) 効能 効果 ( 要望された効能 効果について記載する ) ( 要望されたについて記載する

More information

95_財団ニュース.indd

95_財団ニュース.indd NO. 95 平成 21 年 7 月 1 日発行 No.95 日本リウマチ財団ニュース 表 1 ACR-EULAR 関節リウマチ診断基準 分類基準 試案 eular 2009, 岡田正人 訳 上を診断とするかはこれから決 score 0 22 34 定され また この項目と点数 0 6 印象も受けるが 時代とともに PIP,MCP,MTP, 手関節 4箇所以上非対称性 4箇所以上対称性 10

More information

はじめに 日本で最初の造血幹細胞移植が行われたのは 1974 年ですが 199 年代に入ってから劇的にその件数が増え 近年では年間 5, 件を超える造血幹細胞移植が実施されるようになりました この治療法は 今日では 主に血液のがんである白血病やリンパ腫 あるいは再生不良性貧血などの根治療法としての役

はじめに 日本で最初の造血幹細胞移植が行われたのは 1974 年ですが 199 年代に入ってから劇的にその件数が増え 近年では年間 5, 件を超える造血幹細胞移植が実施されるようになりました この治療法は 今日では 主に血液のがんである白血病やリンパ腫 あるいは再生不良性貧血などの根治療法としての役 日本における 造血幹細胞移植の実績 216 年度 はじめに 日本で最初の造血幹細胞移植が行われたのは 1974 年ですが 199 年代に入ってから劇的にその件数が増え 近年では年間 5, 件を超える造血幹細胞移植が実施されるようになりました この治療法は 今日では 主に血液のがんである白血病やリンパ腫 あるいは再生不良性貧血などの根治療法としての役割を担っています 特に同種造血幹細胞移植では 2 年以降

More information

情報提供の例

情報提供の例 145 ヒアルロン酸 2( 肝硬変 ) 平成 22 年 6 月 21 日新規 平成 26 年 9 月 22 日更新 平成 30 年 2 月 26 日更新 取扱い原則として 肝硬変に対するヒアルロン酸は認められない 取扱いを定めた理由 肝硬変 では 既に肝の線維化が認められるものであり ヒアルロン酸の測定は 疾患の経過観察の参考とならない 39 リウマトイド因子 (RF)

More information

青焼 1章[15-52].indd

青焼 1章[15-52].indd 1 第 1 章統計の基礎知識 1 1 なぜ統計解析が必要なのか? 人間は自分自身の経験にもとづいて 感覚的にものごとを判断しがちである 例えばある疾患に対する標準治療薬の有効率が 50% であったとする そこに新薬が登場し ある医師がその新薬を 5 人の患者に使ったところ 4 人が有効と判定されたとしたら 多くの医師はこれまでの標準治療薬よりも新薬のほうが有効性が高そうだと感じることだろう しかし

More information

(別添様式1)

(別添様式1) 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 日本呼吸器学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 2 位 ( 全 6 要望中 ) 要望する医薬品 成 分 名 ( 一般名 ) 販 売 名 会 社 名 国内関連学会 シクロスポリンネオーラルノバルテイス ファーマ ( 選定理由 )

More information

要旨 平成 30 年 2 月 21 日新潟県福祉保健部 インターフェロンフリー治療に係る診断書を作成する際の注意事項 インターフェロンフリー治療の助成対象は HCV-RNA 陽性の C 型慢性肝炎又は Child-Pugh 分類 A の C 型代償性肝硬変で 肝がんの合併のない患者です 助成対象とな

要旨 平成 30 年 2 月 21 日新潟県福祉保健部 インターフェロンフリー治療に係る診断書を作成する際の注意事項 インターフェロンフリー治療の助成対象は HCV-RNA 陽性の C 型慢性肝炎又は Child-Pugh 分類 A の C 型代償性肝硬変で 肝がんの合併のない患者です 助成対象とな 要旨 平成 30 年 2 月 21 日新潟県福祉保健部 インターフェロンフリー治療に係る診断書を作成する際の注意事項 インターフェロンフリー治療の助成対象は HCV-RNA 陽性の C 型慢性肝炎又は Child-Pugh 分類 A の C 型代償性肝硬変で 肝がんの合併のない患者です 助成対象となる薬剤 セログループ ( ジェノタイプ ) 診断名 治療期間は以下のとおりです 薬剤名セログループ (

More information

2013 年 4 月 12 日 ver1.02 改訂 JCOG 効果 安全性評価委員会承認 4 月 12 日発効 2013 年 4 月 17 日 ver1.03 改訂 JCOG 効果 安全性評価委員会承認 4 月 17 日発効 2013 年 9 月 3 日 ver1.1 改訂 JCOG 効果 安全性

2013 年 4 月 12 日 ver1.02 改訂 JCOG 効果 安全性評価委員会承認 4 月 12 日発効 2013 年 4 月 17 日 ver1.03 改訂 JCOG 効果 安全性評価委員会承認 4 月 17 日発効 2013 年 9 月 3 日 ver1.1 改訂 JCOG 効果 安全性 Japan Clinical Oncology Group( 日本臨床腫瘍研究グループ ) リンパ腫グループ 厚生労働科学研究費補助金がん臨床事業 (H22- がん臨床 - 一般 -031) 厚生労働科学研究費補助金がん臨床事業 (H25- がん臨床 - 一般 -011) 成人 T 細胞白血病リンパ腫に対するインターフェロン α とジドブジン併用療法の有用性の検証 班厚生労働科学研究委託費革新的がん医療実用化研究事業

More information

モニタリング計画書・報告書

モニタリング計画書・報告書 0 ... 2... 2... 2... 3 4.1.... 3 4.1.1.... 3 4.1.2.... 4 4.1.3.... 4 4.1.4.... 5 4.2.... 5 4.3.... 6 4.4.... 6... 6 5.1.... 6 5.1.1.... 7 5.1.2.... 8 5.1.3.... 9 5.1.4.... 9 5.2.... 15 5.2.1.... 15 5.2.2....

More information

Microsoft Word - ③中牟田誠先生.docx

Microsoft Word - ③中牟田誠先生.docx RA 治療と肝炎 中牟田誠国立病院機構九州医療センター肝臓センター (2012 年 第 13 回博多リウマチセミナー ) はじめに RA 治療の基本は免疫抑制をかけることになると思われるが そのためには種々の薬剤 ステロイド メトトレキサートを代表として 特に最近は生物学的製剤と呼ばれ強力な免疫抑制効果を持つ インフリキシマブ エタネルセプトなどが使用されている これらの治療経過中に肝障害が出現してくることも稀なことではなく

More information

- 1 - - 2 - - 3 - - 4 - - 5 - - 6 - - 7 - - 8 - - 9 - - 10 - - 11 - - 12 - - 13 - - 14 - - 15 - - 16 - - 17 - - 18 - - 19 - - 20 - - 21 - - 22 - - 23 - - 24 - - 25 - - 26 - - 27 - - 28 - - 29 - - 30 -

More information

スライド 1

スライド 1 厚生労働科学研究費補助金 ( 医療技術実用化総合研究事業 ) 高悪性度骨軟部腫瘍に対するカフェイン併用化学療法の臨床使用確認試験 研究代表者 : 土屋弘行金沢大学大学院医学系研究科 医薬保健学域医学類がん医科学専攻機能再建学講座 ( 整形外科 ) 高悪性度骨軟部腫瘍に対して有効とされる薬剤は限られており ( アドリアマイシン イホマイド シスプラチン メソトレキセート ) 現在はこれらの薬剤を組み合わせた治療が試みられているが

More information

現況解析2 [081027].indd

現況解析2 [081027].indd ビタミン D 製剤使用量と予後 はじめに 2005 年末調査の現況報告において 透析前血清カルシウム濃度 透析前血清リン濃度が望ましい値の範囲内にあった週 3 回の血液透析患者のみを対象に 各種リン吸着薬そしてビタミンD 製剤と生命予後との関係を報告した この報告では ビタミンD 製剤の使用の有無と生命予後との関係が解析されたのみであった そこで 今回の解析では 各種ビタミンD 製剤の使用量と予後との関係を解析した

More information

一般名 : オファツムマブ ( 遺伝子組換え ) 製剤 はじめに ( 適正使用に関するお願い )4 治療スケジュール6 投与に際しての注意事項 7 7 8 8 9 1 1 11 12 13 14 15 重大な副作用とその対策 18 18 28 32 34 36 4 42 44 45 参考資料 5 付録 55 55 55 64 3 1 はじめに4 はじめ 5 に1 2 治療スケジュール6 対象患者の選択インフォームドコンセント投与準備

More information

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd L FO AT E VI TAMI NB12 医療関係者用 葉酸 とビタミンB ビタミンB12 アリムタ投与に際して 警告 1 本剤を含むがん化学療法に際しては 緊急時に十分対応できる医療施設において がん化学療 法に十分な知識 経験を持つ医師のもとで 本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投 与すること 適応患者の選択にあたっては 各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること また 治療開始に先立ち

More information

配偶子凍結終了時 妊孕能温存施設より直接 妊孕能温存支援施設 ( がん治療施設 ) へ連絡がん治療担当医の先生へ妊孕能温存施設より妊孕能温存治療の終了報告 治療内容をご連絡します 次回がん治療の為の患者受診日が未定の場合は受診日を御指示下さい 原疾患治療期間中 妊孕能温存施設より患者の方々へ連絡 定

配偶子凍結終了時 妊孕能温存施設より直接 妊孕能温存支援施設 ( がん治療施設 ) へ連絡がん治療担当医の先生へ妊孕能温存施設より妊孕能温存治療の終了報告 治療内容をご連絡します 次回がん治療の為の患者受診日が未定の場合は受診日を御指示下さい 原疾患治療期間中 妊孕能温存施設より患者の方々へ連絡 定 - がん治療を担当される妊孕性温存支援施設の医療者の方々へ - 患者が妊孕能温存を希望する時 適応の確認担当されている患者の妊孕能温存の適応を確認して下さい ( ホームページ内 男性の皆様へ 女性の皆様へ にあります男性 女性各々の化学療法および放射線療法の性腺毒性によるリスク分類を参照 ) 妊孕能温存施設への紹介 1. 妊孕能温存施設 ( 生殖医療施設 ) へ直接紹介することを希望する場合ホームページ内

More information

Microsoft Word - all_ jp.docx

Microsoft Word - all_ jp.docx 平成 28 年 11 月 18 日 小児急性リンパ性白血病における超高感度な微小残存病変の検査法を確立 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 小児科学の小島勢二 ( こじませいじ ) 名誉教授 村松秀城 ( むらまつひでき ) 助教 関屋由子 ( せきやゆうこ ) 大学院生らの研究グループは 小児急性リンパ性白血病 (acute lymphoblastic leukemia; ALL)

More information

1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認め

1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認め 1 8 ぜ 表2 入院時検査成績 2 諺齢 APTT ALP 1471U I Fib 274 LDH 2971U 1 AT3 FDP 125 6 7 alb 4 2 BUN 16 Cr K4 O Cl g dl O 7 137 DLST 許 皇磯 二 図1 入院時胸骨骨髄像 低形成で 異常細胞は認められない PAIgG 177 3ng 107 cell meq 1 砂糖水試験 一 Fe 236 μg

More information

TTP 治療ガイド ( 第二版 ) 作成厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 血液凝固異常症等に関する研究班 ( 主任研究者村田満 ) 血栓性血小板減少性紫斑病 (thrombotic thrombocytopenic purpura:ttp) は 緊急に治療を必要とする致死的疾患である

TTP 治療ガイド ( 第二版 ) 作成厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 血液凝固異常症等に関する研究班 ( 主任研究者村田満 ) 血栓性血小板減少性紫斑病 (thrombotic thrombocytopenic purpura:ttp) は 緊急に治療を必要とする致死的疾患である TTP 治療ガイド ( 第二版 ) 作成厚生労働科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業 血液凝固異常症等に関する研究班 ( 主任研究者村田満 ) 血栓性血小板減少性紫斑病 (thrombotic thrombocytopenic purpura:ttp) は 緊急に治療を必要とする致死的疾患である 原因不明の血小板減少と溶血性貧血を認めた場合に本疾患を疑うことが重要である 指定難病の診断基準では ADAMTS13

More information

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

がん化学(放射線)療法レジメン申請書 がん化学 ( 放射線 ) 療法レジメン申請書 申請期日診療科名診療科長署名申請医師署名登録確認日 2010 年 11 月 2 日 受付番号がん腫 ( コード ) レジメン登録ナンバー * 記入不要です * * * 登録削除日 がん種レジメン名実施区分使用分類適応分類 入院 日常診療 ( 試験以外 ) 術前補助化学療法 非ホジキ ンリンパ腫 非ホジキンリンパ腫 MTX-AraC 療法 外来 単施設自主研究

More information

094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少

094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少 執筆者倉田宝保 松井薫 094 小細胞肺がんとはどのような肺がんですか んの 1 つです 小細胞肺がんは, 肺がんの約 15% を占めていて, 肺がんの組 織型のなかでは 3 番目に多いものです たばことの関係が強いが 小細胞肺がんは, ほかの組織型と比べて進行が速く転移しやすいため, 手術 可能な時期に発見されることは少なく, 手術が行われることはまれです 手術療 法は通常,Ⅰ 期 ( ほかの臓器にはもちろん,

More information

【座長】先進医療総括報告書(旧告示B53金大131)

【座長】先進医療総括報告書(旧告示B53金大131) 平成 30 年 12 月 12 日 131I-MIBG を用いた内照射療法 ( 旧告示 53) の総括報告書に関する評価について 先進医療評価委員会座長山口俊晴 金沢大学附属病から提出のあった総括報告書について 先進医療評価委員会で評価を行い その結果を以下のとおりとりまとめたので報告いたします 1. 先進医療の概要等先進医療の名称 :131I-MIBG を用いた内照射療法 適応症等 : 難治性褐色細胞腫

More information

<4D F736F F D D B838B837D836A B FCD817A E3191CE899E94C58F9182AB8D9E82DD

<4D F736F F D D B838B837D836A B FCD817A E3191CE899E94C58F9182AB8D9E82DD 11. 効果判定とエンドポイントの定義 (RECISTv1.1 対応 ) 11.1. 効果判定 固形がんの腫瘍縮小効果判定は原則として New response evaluation criteria in solid tumours(revised RECIST guideline (version 1.1)) に従って行う 悪性リンパ腫等 RECIST 以外に疾患特異的な国際規準がある場合には

More information

< F2D C D838A8BDB92CA926D2E6A7464>

< F2D C D838A8BDB92CA926D2E6A7464> 保医発 0221 第 31 号平成 25 年 2 月 21 日 地方厚生 ( 支 ) 局医療課長都道府県民生主管部 ( 局 ) 国民健康保険主管課 ( 部 ) 長都道府県後期高齢者医療主管部 ( 局 ) 後期高齢者医療主管課 ( 部 ) 長 殿 厚生労働省保険局医療課長 ヘリコバクター ピロリ感染の診断及び治療に関する取扱いについて の一部改正について 今般 ヘリコバクター ピロリ感染の診断及び治療に使用する医薬品の効能

More information

速報 海外で行われた CLASSIC 試験 国内で行われた J-CLASSIC-PII 試験および胃癌術後補助化学療法におけるオキサリプラチン併用療法に関する日本胃癌学会ガイドライン委員会のコメント 試験名 :CLASSIC 試験文献 : Adjuvant capecitabine and oxal

速報 海外で行われた CLASSIC 試験 国内で行われた J-CLASSIC-PII 試験および胃癌術後補助化学療法におけるオキサリプラチン併用療法に関する日本胃癌学会ガイドライン委員会のコメント 試験名 :CLASSIC 試験文献 : Adjuvant capecitabine and oxal 速報 海外で行われた CLASSIC 試験 国内で行われた J-CLASSIC-PII 試験および胃癌術後補助化学療法におけるオキサリプラチン併用療法に関する日本胃癌学会ガイドライン委員会のコメント 試験名 :CLASSIC 試験文献 : Adjuvant capecitabine and oxaliplatin for gastric cancer after D2 gastrectomy (CLASSIC):

More information

の主要な治療薬として日本ならびに世界で広く使用されている MTX の使用により 関節リウマチの臨床症状の改善 関節破壊進行抑制 QOL 改善のみならず 生命予後の改善や心血管合併症リスクが軽減されることが示されており 現在の関節リウマチ治療においては必要不可欠な薬剤である 1990 年前後から MT

の主要な治療薬として日本ならびに世界で広く使用されている MTX の使用により 関節リウマチの臨床症状の改善 関節破壊進行抑制 QOL 改善のみならず 生命予後の改善や心血管合併症リスクが軽減されることが示されており 現在の関節リウマチ治療においては必要不可欠な薬剤である 1990 年前後から MT 多施設共同研究 : 関節リウマチ患者におけるリンパ増殖性疾患に関する研究 についてのお知らせ 刀根山病院では上記の研究を実施しています この研究は代表施設東京女子医科大学附属膠原病リウマチ痛風センターの倫理審査及び当院の臨床研究審査委員会での承認を得て当院病院長の許可を得て実施しています 本研究では 研究対象者に直接文書 口頭で説明 同意をいただく必要は無いと判断していますが 情報を公開することで研究の実施について周知させていただいています

More information

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望中 ) 要望する医薬品 成 分 名 ( 一般名 ) 販 売 名 会 社 名 国内関連学会 ロペラミドロペミンヤンセンファーマ株式会社

More information

150800247.indd

150800247.indd ヘリコバクター ピロリ ピロリ菌 感染症について 消化器内科 藤澤 聖 1983 年に胃の粘膜からピロリ菌が発見されて以来様々な研究がなされ ピロリ菌と胃の関係や 種々の病気との関連について明らかになってきました ピロリ菌が胃に感染すると長い年月をかけて 萎縮性胃炎 腸上皮化生という状態を惹き起こし そこから大部分の胃癌が発生すると言われてい ます また胃潰瘍 十二指腸潰瘍や胃 MALT リンパ腫など胃腸疾患のみならず

More information

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを 薬生薬審発 0525 第 3 号薬生安発 0525 第 1 号平成 30 年 5 月 25 日 都道府県各保健所設置市衛生主管部 ( 局 ) 長殿特別区 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬品審査管理課長 ( 公印省略 ) 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬安全対策課長 ( 公印省略 ) トファシチニブクエン酸塩製剤の使用に当たっての留意事項について トファシチニブクエン酸塩製剤 ( 販売名 : ゼルヤンツ錠

More information

MTX を使用している患者に発症するリンパ増殖性疾患は WHO 分類では 移植後リンパ増殖性疾患や HIV 感染に伴うリンパ増殖性疾患と類縁の Other iatrogenic immunodeficiency associated LPD に分類されている 関節リウマチの治療は 近年激変し 早期の

MTX を使用している患者に発症するリンパ増殖性疾患は WHO 分類では 移植後リンパ増殖性疾患や HIV 感染に伴うリンパ増殖性疾患と類縁の Other iatrogenic immunodeficiency associated LPD に分類されている 関節リウマチの治療は 近年激変し 早期の 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 市川理子 論文審査担当者 主査北川昌伸副査神奈木真理 東田修二 論文題目 Methotrexate/iatrogenic lymphoproliferative disorders in rheumatoid arthritis: histology, Epstein-Barr virus, and clonality are important predictors

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Insulin-like growth factor ( 以下 IGF)

More information

ダクルインザ・スンベブラの使用経験とこれからの病診連携

ダクルインザ・スンベブラの使用経験とこれからの病診連携 第 6 回大分肝疾患診療教育セミナー ~ コーディネーター育成セミナー ~ 2015 年 1 月 22 日ホルトホール大分 C 型肝炎の最新治療 大分大学医学部消化器内科 本田浩一 C 型慢性肝炎治療の歴史 インターフェロン (IFN)α 承認 IFN+ リバビリン (RBV) 併用 コンセンサス IFN 製剤承認 IFN 再投与および投与期限の撤廃 ダグラタスビル + アスナプレビル承認 IFN

More information

がん登録実務について

がん登録実務について 平成 28 年度東京都がん登録説明会資料 2-1 がん登録届出実務について (1) 1. 届出対象 2. 届出候補見つけ出し 3. 診断日 4. 届出票の作成例示 東京都地域がん登録室 1 1. 届出対象 1 原発部位で届出 2 入院 外来を問わず 当該腫瘍に対して 自施設を初診し 診断あるいは治療の対象 ( 経過観察を含む ) となった腫瘍を届出 3 届出対象となった腫瘍を 1 腫瘍 1 届出の形で届出

More information

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに

はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに を服用される方へ 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 使用開始日年月日 ( 冊目 ) はじめに この 成人 T 細胞白血病リンパ腫 (ATLL) の治療日記 は を服用される患者さんが 服用状況 体調の変化 検査結果の経過などを記録するための冊子です は 催奇形性があり サリドマイドの同類薬です は 胎児 ( お腹の赤ちゃん ) に障害を起こす可能性があります 生まれてくる赤ちゃんに被害を及ぼすことがないよう

More information

<303491E592B BC92B08AE02E786C73>

<303491E592B BC92B08AE02E786C73> ( 注意 ) : 複数選択 : 単一選択 * 複数治療がある場合は 別シートをご利用下さい 担癌状態の評価 今回の血清採取時 ( 登録時または追跡調査時 ) に担癌状態 ( がんが存在する状態 ) か ( 医師への確認を はい いいえ 前提として下さい ) はい の場合( 複数回答可 ) 手術前 非根治手術後 手術不能 化学療法または放射線治療中 もしくは治療後 ホルモン療法中もしくは治療後 治療後の再燃

More information

Microsoft Word - JCOG9906総括報告書081215_m KN【福田加筆】

Microsoft Word - JCOG9906総括報告書081215_m KN【福田加筆】 総括報告書 (Clinical Summary Report) 2008 年 10 月 23 日 JCOG9906: stage II,III 進行食道がんに対する放射線化学療法同時併用療法の第 II 相臨床試験 消化器がん内科グループ代表者静岡県立静岡がんセンター朴成和研究代表者国立がんセンター東病院大津敦研究事務局国立がんセンター中央病院加藤健愛知県がんセンター中央病院室圭 1. 試験経過切除可能な食道癌に対しては

More information

<4D F736F F F696E74202D BC8CC389AE8E7397A791E D E690B6>

<4D F736F F F696E74202D BC8CC389AE8E7397A791E D E690B6> 第 15 回医薬品レギュラトリーサイエンスフォーラムバイオシミラーへの期待と課題 2018 年 12 月 14 日日本薬学会長井記念館 B2F バイオシミラーの使 に関する現状と課題 ( がん関連 ) 医師の視点から 名古屋市 学 学院医学研究科 液 腫瘍内科学分野飯 真介 米国規制当局におけるバイオシミラー承認のプロセス 分析研究構造と機能 各ステップで FDA はバイオシミラーと先行薬の間に存在する不確定要素を解決するために追加解析

More information

中医協総 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適

中医協総 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適 中医協総 - 3 3 1. 3. 2 7 再生医療等製品の医療保険上の取扱いについて 再生医療等製品の保険適用に係る取扱いについては 平成 26 年 11 月 5 日の中医協総会において 以下のとおり了承されたところ < 平成 26 年 11 月 5 日中医協総 -2-1( 抜粋 )> 1. 保険適用に係る今後の対応について 再生医療等製品の保険適用に関する当面の間の対応 薬事法改正後に承認 ( 条件

More information

1. ウイルス性肝炎とは ウイルス性肝炎とは 肝炎ウイルスに感染して 肝臓の細胞が壊れていく病気です ウイルスの中で特に肝臓に感染して肝臓の病気を起こすウイルスを肝炎ウイルスとよび 主な肝炎ウイルスには A 型 B 型 C 型 D 型 E 型の 5 種類があります これらのウイルスに感染すると肝細胞

1. ウイルス性肝炎とは ウイルス性肝炎とは 肝炎ウイルスに感染して 肝臓の細胞が壊れていく病気です ウイルスの中で特に肝臓に感染して肝臓の病気を起こすウイルスを肝炎ウイルスとよび 主な肝炎ウイルスには A 型 B 型 C 型 D 型 E 型の 5 種類があります これらのウイルスに感染すると肝細胞 わかりやすい ウイルス性肝炎のおはなし 宮崎大学医学部附属病院 肝疾患センター 1. ウイルス性肝炎とは ウイルス性肝炎とは 肝炎ウイルスに感染して 肝臓の細胞が壊れていく病気です ウイルスの中で特に肝臓に感染して肝臓の病気を起こすウイルスを肝炎ウイルスとよび 主な肝炎ウイルスには A 型 B 型 C 型 D 型 E 型の 5 種類があります これらのウイルスに感染すると肝細胞が破壊されていきますが

More information

リンパ球は 体内に侵入してきた異物を除去する (= 免疫 ) 役割を担う細胞です リンパ球は 骨の中にある 骨髄 という組織でつくられます 骨髄中には すべての血液細胞の基になる 造血幹細胞 があります 造血幹細胞から分化 成熟したリンパ球は免疫力を獲得し からだを異物から守ります 骨髄 リンパ球の

リンパ球は 体内に侵入してきた異物を除去する (= 免疫 ) 役割を担う細胞です リンパ球は 骨の中にある 骨髄 という組織でつくられます 骨髄中には すべての血液細胞の基になる 造血幹細胞 があります 造血幹細胞から分化 成熟したリンパ球は免疫力を獲得し からだを異物から守ります 骨髄 リンパ球の リンパ球は 体内に侵入してきた異物を除去する (= 免疫 ) 役割を担う細胞です リンパ球は 骨の中にある 骨髄 という組織でつくられます 骨髄中には すべての血液細胞の基になる 造血幹細胞 があります 造血幹細胞から分化 成熟したリンパ球は免疫力を獲得し からだを異物から守ります 骨髄 リンパ球の成り立ちとはたらき B 細胞は 抗体 をつくります T 細胞などは抗体を目印にして異物を攻撃します ウィルスに感染した細胞や

More information

針刺し切創発生時の対応

針刺し切創発生時の対応 1. 初期対応 1) 発生直後の対応 (1) 曝露部位 ( 針刺し 切創等の経皮的創傷 粘膜 皮膚など ) を確認する (2) 曝露部位を直ちに洗浄する 1 創傷 粘膜 正常な皮膚 創傷のある皮膚 : 流水 石鹸で十分に洗浄する 2 口腔 : 大量の水でうがいする 3 眼 : 生理食塩水で十分に洗浄する (3) 曝露の程度 ( 深さ 体液注入量 直接接触量 皮膚の状態 ) を確認する (4) 原因鋭利器材の種類

More information

No.6 セルジーン株式会社の依頼による未治療のびまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫患者を対象 とした CC-5013( レナリドミド ) の第 3 審議内容 : 安全性報告および治験実施状況報告に関して 治験継続の妥当性が審議された No.7 アステラス製薬株式会社依頼の急性骨髄性白血病を対象とす

No.6 セルジーン株式会社の依頼による未治療のびまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫患者を対象 とした CC-5013( レナリドミド ) の第 3 審議内容 : 安全性報告および治験実施状況報告に関して 治験継続の妥当性が審議された No.7 アステラス製薬株式会社依頼の急性骨髄性白血病を対象とす 平成 30 年度第 6 回治験審査委員会会議の記録の概要 日時 : 平成 30 年 10 月 18 日 ( 木 ) 15:30 ~ 16:00 場所 : 独立行政法人国立病院機構仙台医療センター第二会議室 出席者 : 鵜飼克明 ( 委員長 ) 篠崎 毅 ( 副委員長 ) 上之原 広司 江面正幸 手島 伸 鈴木 靖士 木村憲治 後藤 達也 遠藤 和美 青山満理子 菅原 幸子 多田 恭子 長澤良相 坂田

More information

最終解析と総括報告書

最終解析と総括報告書 総括報告書 JCOG0602: III 期 /IV 期卵巣癌 卵管癌 腹膜癌に対する手術先行治療 vs. 化学療法先行治療のランダム化比較試験 [2018 年 10 月 1 日 ] 研究事務局 : 恩田貴志 ( 北里大学医学部産婦人科 ) 研究代表者 : 吉川裕之 ( 茨城県立中央病院産婦人科 ) 婦人科腫瘍グループ代表者 : 八重樫伸生 ( 東北大学医学部産科婦人科学講座 ) 0. 試験概要 試験の目的

More information

悪性リンパ腫(DLBCL)

悪性リンパ腫(DLBCL) 原三信病院血液内科勉強会 悪性リンパ腫 ( 低悪性度 ) Version 1.0 2016 年 1 月 13 日原三信病院血液内科 梅野毅史作成 悪性リンパ腫 (Malignant Lymphoma) とは 悪性リンパ腫とは 血液細胞であるリンパ球が がん化 して無制限に増殖し リンパ系組織から発生する腫瘍であり 血液のがんの一種である リンパ系組織とは 体の免疫システムを構成するもので リンパ節

More information

スライド 1

スライド 1 感染と CRP 感染と CRP メニュー 1.Sepsis 1 診断的 価値 Intensive Care Med 2002 2 重症度 3 治療効果 予後判定 判定 Crit Care 2011 Infection 2008 2.ICU Patients 3.VAP Crit Care 2006 Chest 2003 Crit Care Med 2002 Heart & Lung 2011

More information

診療情報を利用した臨床研究について 虎の門病院肝臓内科では 以下の臨床研究を実施しております この研究は 通常の診療で得られた記録をまとめるものです この案内をお読みになり ご自身がこの研究の対象者にあたると思われる方の中で ご質問がある場合 またはこの研究に 自分の診療情報を使ってほしくない とお

診療情報を利用した臨床研究について 虎の門病院肝臓内科では 以下の臨床研究を実施しております この研究は 通常の診療で得られた記録をまとめるものです この案内をお読みになり ご自身がこの研究の対象者にあたると思われる方の中で ご質問がある場合 またはこの研究に 自分の診療情報を使ってほしくない とお 診療情報を利用した臨床研究について 虎の門病院肝臓内科では 以下の臨床研究を実施しております この研究は 通常の診療で得られた記録をまとめるものです この案内をお読みになり ご自身がこの研究の対象者にあたると思われる方の中で ご質問がある場合 またはこの研究に 自分の診療情報を使ってほしくない とお思いになりましたら 遠慮なく下記の相談窓口までご連絡ください 対象となる方 1982 年 9 月 2016

More information

Hairy cell leukemia Hepatosplenic T-cell lymphoma Mycosis fungoides Sézary syndrome Lymphomatoid papulosis Primary cutaneous gd T-cell lymphoma Peripheral T-cell lymphoma, NOS Angioimmunoblastic T-cell

More information

CQ29. Indolent 群に対して放射線療法は勧められるか 推奨文 : Indolent 群 (PCMZL, PCFCL) では放射線療法が勧められる. 解説 : Indolent 群 (PCMZL, PCFCL) に対する放射線療法の効果に関するランダム化及び非ランダム化比較試験は存在しない

CQ29. Indolent 群に対して放射線療法は勧められるか 推奨文 : Indolent 群 (PCMZL, PCFCL) では放射線療法が勧められる. 解説 : Indolent 群 (PCMZL, PCFCL) に対する放射線療法の効果に関するランダム化及び非ランダム化比較試験は存在しない 追補情報 皮膚リンパ腫診療ガイドライン 2011 年改訂版 日本皮膚科学会雑誌 122(6): 1513-1531, 2012. 本追補情報は本診療ガイドラインの臨床設問 (CQ) 推奨度と解説である 本文は日本皮膚科学会 HP(http://www.dermatol.or.jp/upfile/1372907289_2.pdf) を参照 5. 原発性皮膚 B 細胞リンパ腫 概説皮膚 B 細胞リンパ腫は,2005

More information

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E834E838D838A E3132>

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E834E838D838A E3132> 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読み下さい 効能 効果 用法 用量 使用上の注意 改訂のお知らせ 2013 年 12 月 東和薬品株式会社 このたび 平成 25 年 8 月に承認事項一部変更承認申請をしていました弊社上記製品の 効能 効果 用法 用量 追加が平成 25 年 11 月 29 日付にて 下記の内容で承認されました また 使用上の注意 を改訂致しましたので 併せてお知らせ申し上げます

More information

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果 審査報告書 平成 23 年 4 月 11 日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 承認申請のあった下記の医薬品にかかる医薬品医療機器総合機構での審査結果は 以下のとおりで ある 記 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年

More information

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について 日医発第 617 号 ( 保 154) 平成 30 年 8 月 29 日 都道府県医師会長殿 日本医師会長横倉義武 医薬品医療機器等法上の効能 効果等の変更に伴う留意事項の一部改正等について 平成 30 年 8 月 21 日付け保医発 0821 第 1 号厚生労働省保険局医療課長通知により 添付資料の通り保険適用上の取扱いに関する留意事項が一部改正されましたのでお知らせ申し上げます 今回の改正は 同日付けで添付資料の医薬品の効能

More information

医師主導治験 急性脊髄損傷患者に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いたランダム化 プラセボ対照 二重盲検並行群間比較試験第 III 相試験 千葉大学大学院医学研究院整形外科 千葉大学医学部附属病院臨床試験部 1

医師主導治験 急性脊髄損傷患者に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いたランダム化 プラセボ対照 二重盲検並行群間比較試験第 III 相試験 千葉大学大学院医学研究院整形外科 千葉大学医学部附属病院臨床試験部 1 医師主導治験 急性脊髄損傷患者に対する顆粒球コロニー刺激因子を用いたランダム化 プラセボ対照 二重盲検並行群間比較試験第 III 相試験 千葉大学大学院医学研究院整形外科 千葉大学医学部附属病院臨床試験部 1 顆粒球コロニー刺激因子 (Granulocyte Colony-Stimulating Factor: G-CSF) 一般名 : フィルグラスチム 調達法 国内企業より無償提供 製造元または供給元の名称協和発酵キリン

More information

審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ]

審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ] 審査報告書 平成 26 年 2 月 7 日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 承認申請のあった下記の医薬品にかかる医薬品医療機器総合機構での審査結果は 以下のとおりである 記 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所

More information

<4D F736F F F696E74202D2095BD90AC E937891E63189F1836F E94C789EF8B BD90EC90E690B65F8CF68A4A97702E B93C

<4D F736F F F696E74202D2095BD90AC E937891E63189F1836F E94C789EF8B BD90EC90E690B65F8CF68A4A97702E B93C 過去 10 年間における 骨髄バンクコーディネートの実態把握調査 難治性疾患等政策研究事業平成 28 年度免疫アレルギー疾患等政策研究事業 ( 移植医療基盤整備研究分野 ) 骨髄バンクコーディネート期間の短縮とドナープールの質向上による造血幹細胞移植の最適な機会提供に関する研究 ( 福田班 ) 平成 27 年度日本骨髄バンクデータ 試料利用申請 骨髄バンクコーディネートにおける患者 ドナー側からみた実情の把握を目的とした研究

More information

がんの治療

がんの治療 資料 1-1 がんの治療 1 がんとは 正常な細胞は 増殖や分裂が制御され 増えすぎないようになっている がんは 制御が外れ 制限なく増殖するようになった細胞のこと がん細胞は 体の異なる場所に 転移 したり 臓器の境を越えて 浸潤 する がんが進行すると 死亡に至る 日本人の死因のトップである ( 昭和 56 年から ) 高齢者に多い 国立がん研究センターがん対策情報センターホームページより抜粋

More information

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

がん化学(放射線)療法レジメン申請書 申請期日 がん化学 ( 放射線 ) 療法レジメン申請書 記載不備がある場合は審査対象になりません * は記入不要です 受付番号 診療科名呼吸器外科がん腫 ( コード ) 診療科長名 申請医師名 審査区 ( 下記をチェックしてください ) レジメン登録ナンバー 登録申請日 登録確認日 通常審査を希望 登録削除日 迅速審査を希望 注 1) 注 1) 迅速審査は患者限定となります がん種レジメン名実施区使用類適応類

More information

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ 2012 年 12 月 5 日放送 尿路感染症 産業医科大学泌尿器科学教授松本哲朗はじめに感染症の分野では 抗菌薬に対する耐性菌の話題が大きな問題点であり 耐性菌を増やさないための感染制御と適正な抗菌薬の使用が必要です 抗菌薬は 使用すれば必ず耐性菌が出現し 増加していきます 新規抗菌薬の開発と耐性菌の増加は 永遠に続く いたちごっこ でしょう しかし 近年 抗菌薬の開発は世界的に鈍化していますので

More information

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品 薬食機参発 0918 第 4 号薬食安発 0918 第 1 号 ( 別記 ) 殿 テムセル HS 注については 本日 造血幹細胞移植後の急性移植片対宿主病 を効能 効果又は性能として承認したところですが 本品については 治験症例が限られていること 重篤な不具合が発現するリスクがあることから その 使用に当たっての留意事項について 御了知いただくとともに 貴会会員への周知方よろしくお願いします なお

More information

第71巻5・6号(12月号)/投稿規定・目次・表2・奥付・背

第71巻5・6号(12月号)/投稿規定・目次・表2・奥付・背 μ μ μ μ μ γ 1 4 3 クリゾチニブが奏効した PS 不良 ALK 肺癌の1例 図2 入院時胸部 CT a 左鎖骨上窩 縦隔リンパ節腫大を認めた 矢印 b 左腕頭静脈から上大静脈内まで続く血栓 を認めた 矢印 c 左下葉に腫瘤影を認めた d 右肺に内部に空洞を伴う結節影を多数認めた 矢印 率は蛍光 in situ ハイブリダイゼーション FISH 法で 6 8 1 5 であり ALK 蛋白の免疫組織化学染色

More information

Microsoft Word KDIGO_GN_ES_J docx

Microsoft Word KDIGO_GN_ES_J docx KDIGO Clinical Guideline for Glomerulonephritis 糸球体腎炎のための KDIGO 診療ガイドライン [推奨条文サマリーの公式和訳] 1 章 ӧ 紫斑病性腎炎 ӧ 2 A B C D 3 Kidney International Supplements (2012) 2, 139; doi:10.1038/kisup.2012.9 /KDIGO, Kidney

More information

‡BUNITE_Studyƒv?ƒgƒR??−iFinal_Ver_−j _docx

‡BUNITE_Studyƒv?ƒgƒR??−iFinal_Ver_−j _docx 調査実施計画書 経口糖尿病治療薬 ( インクレチン関連薬関連薬を含む ) 投与に関する実態調査研究 UNITE Study (Use of a New and Innovative Therapy for diabetes: Evaluation study) 社団法人日本糖尿病協会 第 1.0 版 2010 年 3 月作成 目次 1. 研究の概要 1 2. はじめに 3 3. 調査の目的 3 4.

More information