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1 小学校家庭科 1( 平成 21 年度 ) 第 5 学年 家庭科学習指導案 主張学校の掃除活動などを通して, 掃除についてよく知っていると思っている子どもに, 汚れの種類を分類させたりビデオを見せたりすることで, 汚れの正体への問題意識をもたせる さらに, 体験コーナーでいろいろな体験をさせることで, 汚れの正体に気付き, 汚れに合った掃除をしたいという意欲をもたせる 1 題材名クリーン隊出動 ~ ぴっかぴか大作戦を成功させよう ~ 2 題材の目標 清掃に関心をもち, 場所や汚れに応じた掃除の仕方を調べたり, 自分の生活に生かしたりできる 家庭生活への関心 意欲 態度 汚れや材質に応じた掃除の仕方を考えたり, 工夫したりできる 生活を創意工夫する能力 汚れや材質に応じて, 清掃用具や洗剤を適切に使い, 清掃ができる 生活の技能 汚れの原因や清掃の必要性, 汚れや材質に応じた清掃の仕方が理解できる 家庭生活についての知識 理解 3 評価規準 家庭生活への 生活を 生活の技能 家庭生活についての 関心 意欲 態度 創意工夫する能力 知識 理解 清掃に関心をも 掃除の仕方を考え 身の回りの清掃が 清掃について理解 ち, 取り組もうとし たり, 自分なりに工 できている している ている 夫したりしている 4 指導の構想 (1) 児童の実態 5 年生になり, 初めての家庭科の学習が始まった子どもたちは, 大変意欲的である 5 月には, 身の回りの整理整とんや不用品の活用 ごみの分別などについて学習した 題材の最後に ごみを減らすために自分にできること を考えさせたが, たくさんの方法を考えて, 書き込んでいた 掃除に関する事前アンケートでは, 掃除が好き どちらかといえば好き と答えた子どもは1/3 程度, 嫌い どちらかといえば嫌い は半数程度いた 1 人は, 家の掃除は好きだけれど, 学校の掃除は嫌いと答えていた 掃除が好きな理由は きれいになる, きれいになると気持ちがいい, 嫌いな理由は 面倒くさい というものが多かった スッキリするけれど面倒くさい と書いている子どもも何人もいた 調理や製作などの学習と違って, 掃除に対して少し消極的な姿が見られる 学校や家の掃除で困ること の問いには, 次のような回答があった 砂やごみを集めるときにとんでいってしまう ほこりが風で逃げる

2 風でごみがとんでいってしまう 階段の隅のごみが取れない 学校の階段の汚れが特に取れない 細かいごみが取れない 細かいところのごみが取れない 何でごみが出るのか分からない 掃除をしても 汚い と言われる 学校の掃除では時間が足りない 20 分という短い学校の清掃時間では, なかなかきれいにならないことに困っている子どもが多い その原因として, ほこりなどの軽いごみが動くこと, 階段の汚れ ( 給食の食缶を運ぶときに出た汁に汚れが付着したもの ) が簡単に落ちないことを挙げている 学校や家の掃除で工夫していること の問いには, 次のような回答があった いらないものは捨て, 必要なものは上にあげてから掃除機をかける 溝や隅を丁寧にやる 隅々まで丁寧にやる 角にほうきをあてて, 力を入れてはく 細かいごみは, 水ぶきで拭き取る どかして下もしっかりやる 窓を開ける( ほこりがたつから ) ほこりという汚れに合わせた掃除をしていることを自覚している子どもがいる反面, 毎日やっている掃除について, 困っていることも工夫していることも書けない子どもも多く見られた そこで, 授業では簡単な実験や体験を通しながら興味や関心をもたせていく また, 家庭で行っている掃除の工夫に目を向けさせたり, 調べたことやクリーン大作戦をして分かったことの発表から友達の工夫にも気付かせたりして, 実践への意欲付けをしていく (2) 指導の構想学校で毎日必ずしている掃除 しかし, なかなかきれいになっていないことが多い それは, どこにどのような汚れがあるのかを意識しないまま掃除をしてしまうために, 汚れに応じた掃除をしていないことに問題がある その結果, 子ども自身が きれいになった という満足感や達成感を感じないまま掃除の時間が終わっていることが多いという現状である このような経験からか, 調理や製作などと違って, 掃除はあまり好きではない 面倒くさい と感じている子どもが多い しかし, この題材で学習する内容は,6 年で学習する 洗濯 につながるとても大切な題材である 用具や洗剤を適切に使い, 汚れやその汚れの付いた材質に応じて作業をしなければいけないこと, 汚れを放置しておくと落としにくくなることをいう共通点がある 洗濯の学習のときに, 掃除と似ている と気付き, 清掃で学習したことを既習として生かせる子どもにしたい そこで, 面倒くさい, 苦手 と感じている子どもに, 掃除に興味をもたせ, 清掃での基礎基本をしっかりと身に付けさせるために, 本題材を次のように展開する 1 身の回りの汚れを分類するきれいに掃除をするには, どこが汚れているのか, どのような汚れがあるのかを知る必要がある 綿ぼこりや砂, ペタペタするような油汚れや, 床の黒ずみや絵の具の汚れなど, いろいろな汚れに気付かせたい まず, 子どもに普段, 目にしている汚れを分類させる 分類する活動を通して, 普段何気なく見ている汚れも, 1 床など材質の上にのっている汚れ ( ほこり, 塵など, 2 材質にくっ

3 ついている汚れ ( 絵の具や墨など ), 3 材質に染みついているしつこい汚れ ( 時間が経ったものや, 洗剤を使わないときれいにならない汚れ ) に分類できることに気付かせていく また, ほこりが舞う映像を見せたり, 体験コーナーで汚れの落とし方を体験させたりすることで, 汚れに応じて道具を工夫したり, 掃除の仕方を工夫したりする必要がありそうだと気付かせたい その上で, 汚れは学校でも家庭でも見られることに気付かせ, 学校で学習したことを家庭と結び付けて考え, 日常生活の中で生かせるようにしていきたい 2 クリーン作戦 考えて, やってみよう 汚れが分かっても, すぐ掃除計画を立てて掃除をさせていたのでいつもどおりの掃除をするだけになってしまう きちんと汚れに応じた掃除の仕方を教えなければなければできるようにはならない そこで, 1 材質の上にのっている汚れ 2 材質にくっついている汚れ 3 材質に染み付いている汚れ に気付いた子どもに, それぞれの場合, どのように掃除をしたらよいかを考えさせ, 調べたり簡単な試しの実験をしたりする時間をとる 板にご飯粒と油汚れを付け, 洗剤無しでふき取った場合 洗剤を使った場合を比較させたり, 汚れがついて時間がたったものと, 汚れがついてすぐのものを洗わせて違いを比較させたりする これにより, 子どもは汚れに応じた掃除の仕方が分かる さらに, 床 ヒーターの回り ガスコンロなどに分かれて実際に掃除をさせる そして, その結果を班ごとに発表させる ガスコンロの回りには の汚れが見られた よく落ちるように の道具を使って をしたら, すごくきれいになりました と自分たちの掃除の結果をまとめたり, 友達の発表を聞いたりすることで, 子どもは, 自分のやった掃除はもちろん, いろいろな汚れに対する掃除の方法が分かる 3 おそうじ名人カード を使って, 家庭で掃除をさせる 汚れに対する掃除の仕方が分かっても, 生活の中で生かせないと意味がない そこで, カードを持たせ, 何回か家庭でも掃除する機会を設ける カードにはどんな汚れがどこで見られたかを書き込むようになっている ただ掃除するのではなく, 汚れが見られるから, 学校で習ったようなやり方で掃除した と意識できるようにしたい これらの活動を通して, 子どもは, 汚れに応じて掃除をすると, とてもきれいにできることが分かった 今度の掃除から気を付けたい という意欲や満足感を感じたり, そういえば, 家の人は掃除のときに をしている なんでこのようにするのかが分かった などの身の回りの工夫に気付いたりする姿を期待する 5 指導計画 ( 全 4 時間本時 1/4) 時主な学習活動評価規準 1 よごれの正体を探ろう 汚れやすい場所や汚れ方に関心を 身の回りの汚れを分類したり, 調べたりする もって, 調べようとしている 関 本 活動を通して, 清掃に関心がもてるようにす 家庭での清掃の工夫について進んで 時 る 調べようとしている 関 ( ) 2 クリーン作戦を立てて, 実行しよう 材質や汚れに応じた掃除の仕方が分 3 素材や汚れに応じた掃除の仕方を調べ, 学校 かる 知

4 4 のクリーン作戦を立てることができるように 掃除用具を適切に使い, 材質や汚れ する に応じた掃除ができる 技 計画を基に, 素材や汚れに応じた清掃ができ 掃除の仕方を考えたり, 自分なりに るようにする 工夫したりして, 家庭での実践計画 家庭での掃除実践計画ができるようにする を立てることができる 創 6 本時の計画 (1) ねらい汚れを分類することで, 汚れの種類や正体, 汚れが見られる場所が分かる また, 映像や体験コーナーを通してそれぞれの汚れによって清掃の仕方が違うことに気付き, 汚れの種類や清掃の仕方についてもっと調べたいという意欲をもつ (2) 本時の構想毎日掃除をしている子どもだが, ほこりは飛びやすいから気を付けて掃かなければ 隅っこに綿ぼこりがたまるから, 隅までていねいに拭こう としっかり意識しているわけではない 本時では, そのような子どもに, 汚れには種類があること, 汚れの正体と, 汚れが見られる場所が分かり, それらに気を付けて掃除したいという意欲をもたせる授業である まず, 普段目にする汚れを, 分類させる 次に, 汚れを書いたカードを用意して, 班で活動させる 汚れが見られる場所 ( 部屋や廊下, 玄関, 台所などガス台のあるところ, 洗面台など蛇口のあるところ ) や使う道具 ( ほうきを使えば取れる汚れ, 雑巾を使って取れる汚れ, 雑巾やほうきだけでは取れず, もっと別の道具も使う汚れ ) で分けたり, 1 床や壁など材質の上にのっている汚れ ( ほこり, 塵など ), 2 材質にくっついている汚れ ( 絵の具や墨など ) 3 材質にしみついているしつこい汚れ ( 時間がたったもの ) など, 汚れの種類で分けたりすることが考えられる 班で分類したものを見せて, どんな観点で分類したか, 予想させる ペタペタする汚れ 綿ゴミなどの汚れは, 消しゴムのカスや紙屑などと違っていくつかのものが交ざった汚れである そこで, このような汚れが出てきた場合は, その汚れの正体は何だろう と問い, 汚れの正体についても考えさせる 普段, 何気なく見ていた汚れにもいろいろな種類があることに気付いた子どもに, 種類さえ分かればきれいに掃除ができるのだろうか と問い掛ける そして, ほこりが舞い上がる様子 ( ビデオ ) を見せ, ほこりを取るにはほうきの使い方も工夫する必要があることに気付かせる また, 家庭科室の中に, いろいろな汚れの体験コーナーをつくり, 自由に見て回る時間をとる 粉塵観察器で空気中のほこりを見たり, マジックスポンジで汚れ落としをしたりすることで, 掃除に興味 関心をもたせ, 汚れによって清掃の仕方が違いそうだということに気付かせたい (3) 展開 時間教師の働き掛け (T) と予想される児童の反応 (C) 指導上の留意点 20 T: 今日は掃除名人なるための勉強をしましょう 事前アンケートで出てきた汚れを取り上げる T: みんなが気付いた汚れを仲間分けしてみましょう 消しゴムのカス, 砂, 絵の具, 髪の毛, 綿ぼこり, 汚れを書いたカードとホ カビ, 東階段の黒い汚れ, 食べ物のカス, 紙くず, ワイトボートを各班ごと

5 消毒液の汚れ, 糸くず, くつの跡, 墨, ガスコンロの汚れ に用意して,3~4くらいを目安に, 分類させる T: この班は, どうやって分けたのでしょう 1 消しゴムのカス, 砂, 髪の毛, 綿ぼこり, 食べ いくつかの班を取り上げ 物のカス, 糸くず, 紙くず, て, どのような観点で分 2 カビ, 絵の具, 油汚れ, 黒い汚れ, 墨くつの跡, 類したか, 予想させる 消毒液の汚れ, ガスコンロの汚れ 汚れが見られる場所で分 C: 簡単に取れる汚れと取れない汚れ 類したものが出てこない T: この班は, どうやって分けたのでしょう 場合は, 教師が出す 1 消しゴムのカス, 砂, 髪の毛, 綿ぼこり, 食べ 物のカス, 糸くず, 消毒液の汚れ, 紙くず 2 砂, 綿ぼこり, 髪の毛 3 絵の具, 墨, カビ 4 ガスコンロの汚れ, カビ 評 1 汚れには種類がある C:4は台所で見られる汚れかな 3は水飲み場で,1は教 ことや, 汚れの見られ 室や廊下,2は玄関かな る場所が分かる T: 汚れは, 観点によっていくつかの種類に分けられるそう ですね C: 汚れにはいろいろな分け方があるんだ 20 この汚れは, もともと何だったんだろう 汚れの正 ためしてガッテン の 体を探ろう 映像を流す 全員でビデオを見た後, 汚れの正体を探るために, 体験 ( 内容 :10gのごみを掃除 コーナーを回らせる しても約 4gしか取れない 残り6gは空中に舞い上がっ 体験コーナー てしまう ) 1 粉塵観察器コーナー 時間がなければ, 口頭で 空気中に舞っているほこりを観察 説明する 2 わたぼこりコーナー 家庭科室のまわりに, い ルーペで観察して, どんなものが交ざっている くつかの体験コーナーを のか観察 作り, 自由にまわる時間 3 ガスコンロの汚れコーナー をとる 触ったり, においをかいだりする 実際に汚れを落としてみる 5 T: 汚れの正体は何でしたか? C: ガスコンロのペタペタは, 油とほこりかな ま C: ほこりもよく見ると, 髪の毛や細かい糸, 虫の死がいが と 交ざっていた め T: いろいろな汚れに対して, 同じような掃除をしていても 家の人がどんな工夫をし よいのかな この次は, 汚れに合った掃除の仕方につい ているか調べてくるよう て考えてみましょう 促す ワークシートの下の部分 T: 今日の授業で分かったことを書きましょう に感想を書かせる C: 普段, 掃除をしているときには, 汚れに種類があるとは思わなかった 今度は掃除をするときは, 気を付けて見 評 3 汚れや掃除の工夫を てみたい 調べたいという意欲を C: 階段掃除の人が, 濡らした新聞紙をばらまいて掃いてい 書くことができる るけれど, 本当に効果があるのか, やってみたい