1. 社会資本の充実度 (1/3) 日本の社会資本整備はもう十分ではないか (1) 生産基盤分野の整備状況について円滑な物流人流を確保国際競争力の向上に必要な交通ネットワークの整備が遅れている時代に見合った機能規格をもつ空港や港湾などの拠点整備が遅れている a. 主要都市の環状道路整備状

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こうごやがい
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1 Ⅰ. 日本の現状認識に関する論点 1. 社会資本の充実度日本の社会資本整備はもう十分ではないか諸外国の水準に比べ見劣りする分野がある災害への備えなど整備が必要とされる分野がある重点的効率的な整備が必要 (1) 生産基盤分野の整備状況について p2 (2) 国土保全分野の整備状況について p3 (3) 生活基盤分野の整備状況について p4 1

1. 社会資本の充実度 (1/3) 日本の社会資本整備はもう十分ではないか (1) 生産基盤分野の整備状況について円滑な物流人流を確保

拠点的な空港港湾から高速道路等へのアクセス率日本は都市人口の多さにも関わらず整備が進んでいない日本は道路と拠点の連携が不十分東京パリロントン (%) 100 91% 90

人口は環状道路内のおおよその人口東京 : 整備率 2007 年人口 2005 年パリ : 整備率 2006 年人口 1999 年ロンドン : 整備率 2003 年人口 2004 年 50

2 1. 社会資本の充実度 (1/3) 日本の社会資本整備はもう十分ではないか (1) 生産基盤分野の整備状況について円滑な物流人流を確保国際競争力の向上に必要な交通ネットワークの整備が遅れている時代に見合った機能規格をもつ空港や港湾などの拠点整備が遅れている a. 主要都市の環状道路整備状況 b. 拠点的な空港港湾から高速道路等へのアクセス率日本は都市人口の多さにも関わらず整備が進んでいない日本は道路と拠点の連携が不十分東京パリロントン (%) % 90 84% % 整備率 40% 人口 2,857 万人整備率 84% 人口 861 万人整備率 100% 人口 906 万人 60 ( 注 ) 人口は環状道路内のおおよその人口東京 : 整備率 2007 年人口 2005 年パリ : 整備率 2006 年人口 1999 年ロンドン : 整備率 2003 年人口 2004 年 50 アメリカ (2001 末 ) 欧州 (2001 末 ) 日本 (2006 末 ) 出典 : 社会資本整備審議会 ( ) 国土交通行政をめぐる最近の状況について ( 資料集 ) より作成出典 : 国土交通省道路局中期的な計画の骨子案 ( 第 2 回 ) [ 別冊 ] より作成 2

3 1. 社会資本の充実度 (2/3) 日本の社会資本整備はもう十分ではないか (2) 国土保全分野の整備状況について日本は災害に対して脆弱な国土毎年大きな被害が発生河川の整備率等も諸外国に比べて遅れている a. 災害被害額 b. 自然災害による死者行方不明者数 c. 河川整備の計画規模と整備率世界のわずか 0.25% の国土で 13.4% の被害額が発生毎年自然災害による被害者あり ( 風水害地震雪害等 ) 日本は整備が進んでいない世界 13,167 億ドル日本 ( 注 ) 1976~2005 年における被害総額 1,765 億ドル 13.4% データ : ルーバンカトリック大学疫学研究所 (CRED) ホームページ ( 出典 : 平成 19 年版防災白書より作成 ( 注 ) 2004 年は台風豪雨等による風水害での被害者が 200 人強新潟県中越地震の被害者が 67 人 2006 年の死者行方不明者数は速報値出典 : 平成 19 年版防災白書オランダ ( 高潮計画 ) アメリカ ( ミシシッヒー川 ) イギリス ( テムス川 ) 日本 ( 荒川 ) 計画規模完成 1 回 200 年 1 回 500 年完成整備率約 45%(2004 年 ) 1 回 1,000 年整備率 88.5%(2003 年 ) 1 回 10,000 年 ( 注 ) 計画規模 : 整備の前提としている洪水の発生確率 ( グラフは 1 河川の整備が何年に一度の割合で発生する降雨量の影響による洪水時の水量を前提にしているのか 2その整備率を示している ) 出典 : 経済財政諮問会議 ( ) 公共投資改革と創造と成長のための取組参考資料 ( 冬柴臨時議員提出資料 ) より作成 3

4 1. 社会資本の充実度 (3/3) 日本の社会資本整備はもう十分ではないか (3) 生活基盤分野の整備状況についてまだまだ数多くの課題を抱えている生活利便性高齢化社会への対応子育て環境公園や緑地景観環境等 a. 下水道普及率 b. 無電柱化率 c. 戸あたり床面積下水道普及率も高度処理については遅れている景観問題だけでなく通行上の妨げとなっている持ち家の水準は欧米水準並みとなったが借家は低水準 100% 80% 60% 40% 20% 0% 69% 14% 日本 2005 年処理人口普及率 86% 81% スウェーテン 2000 年 95% 高度処理人口普及率 88% ドイツ 2001 年 71% 34% アメリカ 1996 年 97% イギリス 2000 年 ( 注 ) 高度処理 : 窒素やリンといった富栄養化の原因物質等を多量かつ確実に除去できる高度な処理良好な水環境の実現湖沼閉鎖性水域等の富栄養化の防止に役立つ 27% 100% 80% 60% 40% 20% 0% 100% 100% 72.1% 7.7% ロンドンパリニューヨーク東京 23 区海外は S52 年日本は H17 年度末実績 m 持家借家日本日本 ('03) アメリカアメリカ ('01) イキリスイキリス ('01) トイツトイツ ('98) フランスフランス ('02) 2003 年 2001 年 2001 年 1998 年 2002 年出典 : 経済財政諮問会議 ( ) 公共投資改革と創造と成長のための取組参考資料 ( 冬柴臨時議員提出資料 ) より作成出典 :( 財 ) 国土技術研究センター資料より作成 4 出典 : 社会資本整備審議会 ( ) 国土交通行政をめぐる最近の状況について ( 資料集 ) より作成

5 Ⅰ. 日本の現状認識に関する論点 2. 日本の国際競争力日本に国際競争力は十分にあるのではないか東アジア各国の急速な発展により相対的に低下してきている (1) 国際競争力を支えるインフラ p6 (2) 我が国の主要港の現状 p7 (3) インフラ比較 ( 東アジア ) p8-9 5

6 2. 日本の国際競争力 (1/3) 日本に国際競争力は十分にあるのではないか (1) 国際競争力を支えるインフラインフラの水準は国の競争力を決めるひとつの要因日本はインフラの水準が低く競争力を低下させる一因となっている a. 世界 50 カ国潜在競争力調査における日本の評価総合ランキングうちインフラ項目のランキングインフラの整備水準の低さは競争力強化の阻害要因中国韓国はインフラの水準が上昇日本の水準は相対的に低下潜在競争力調査で使われる指標科学企業教育国際化 IT インフラ政府金融総合ランキング 0 日本韓国中国 ( 位 ) ( 位 ) ( 注 ) 潜在競争力 : 今後約 10 年間にどれだけ 1 人当たり国内総生産 (GDP) を増加させることができるか測ったもの出典 : 日本経済研究センター (JCER) 世界 50 カ国潜在力調査 2006 年より作成韓国日本中国 6

2. 日本の国際競争力 (2/3) 日本に国際競争力は十分にあるのではないか (2) 我が国の主要港の現状資源小国であり貿易立国でもある日本にとって優れた輸出入の施設を持つことは重要現在輸出入貨物のほとんどは海上輸送だが日本は東アジアでの物流の主導権を奪われている a. 貿易量の輸送手段別シェア (2006 年 ) 上海 5 b. 東アジア主要港のコンテナ取扱量 2,171 日本の 1.

7 2. 日本の国際競争力 (2/3) 日本に国際競争力は十分にあるのではないか (2) 我が国の主要港の現状資源小国であり貿易立国でもある日本にとって優れた輸出入の施設を持つことは重要現在輸出入貨物のほとんどは海上輸送だが日本は東アジアでの物流の主導権を奪われている a. 貿易量の輸送手段別シェア (2006 年 ) 上海 5 b. 東アジア主要港のコンテナ取扱量 2,171 日本の 1.6 倍釜山 63 1, 倍 ( 万 TEU) 日本主要 5 港東京横浜名古屋神戸大阪 c. 日本の輸出入における海外トランシップ率日本発着のコンテナ貨物のうちアジア主要港で積み替えられて諸外国へ輸出または諸外国から輸入される貨物が増大データ : 数字で見る港湾 (2006) 出典 : 国道交通省関東地方整備局千葉港湾事務所ホームページ ( 東アジア各国でコンテナ取扱量が急増日本は主要 5 港を合計してもシンガポール香港上海に及ばない香港 147 シンガポール 2, 日本の 1.7 倍 2,479 日本の 1.8 倍データ :CONTAINERISATION INTERNATIONAL 出典 : 日経ビジネス瀬戸際のニッポン港湾より作成高雄 98 1, 年 2006 年倍は1980 年は 2006 年倍率は対日本 (2006 年 ) 注 :TEU(Twenty-foot Equivalent Unit) コンテナの本数を 20 フィートコンテナに換算した場合の単位 20.0% 15.0% 10.0% 5.0% 0.0% 2.1% 5.3% 1993 年 1998 年 2003 年海外トランシップ率 = 海外港での積替貨物 / 全輸出入貨物物流コストの上昇リードタイムの増加出典 : 国土交通省港湾局資料より作成 15.5% 積み替えによるコスト増市場の変動による在庫ロスのリスク増大等輸出入価格の上昇 7

8 2. 日本の国際競争力 (3/3) 日本に国際競争力は十分にあるのではないか (3) インフラ比較 ( 東アジア ) 大都市圏のインフラは近隣諸国に比して不十分な状態 a. 環状道路の整備状況近隣諸国の主要都市の環状道路はほとんど完成東京北京上海ソウル整備率 40% 整備率 87% 整備率 85% 整備率 96% 外郭循環出典 : 国土交通省関東地方整備局首都国道事務所 WEB マガジン ( より作成 8

9 b. コンテナターミナルの整備状況 c. 主要空港の整備状況コンテナ船の大型化が進んでいる日本は大型コンテナ船が接岸できるような高規格の港湾施設整備が遅れている各国で整備が進み競争が激化船型欧州欧州航路アジア北米航路北米超大型コンテナ船の建造状況竣工済隻数計画隻数 (2007 年以降 ) 合計隻数超大型コンテナ船の就航状況必要岸壁水深 8,000 個積クラス m 10,000 個積クラス m 合計船型投入隻数うち日本寄港 8,000 個積クラス ,000 個積クラス 28 0 合計船型投入隻数うち日本寄港 8,000 個積クラス ,000 個積クラス 0 0 合計出典 : 国土交通省港湾局資料より作成バース数 (-16m 水深 ) の供用数等 112 ( 国土交通省調べ 2006 年 4 月時点 ) 計画構想供用中中国シンカホール韓国日本台湾出典 : 経済財政諮問会議 ( ) 真に必要な社会資本整備と公共事業改革への取組 ( 参考資料 )( 冬柴臨時議員提出資料 ) より作成 9 北京首都国際空港 3,200 上海浦東国際空港 3,500 広州白雲国際空港 3,600 3,600 香港国際空港ソウル仁川国際空港 3,750 3,200 東京国際空港 ( 羽田 ) 3,000 出典 : 成田国際空港成田空港 ~ その役割と現状 ~ (2006 年 11 月 ) より作成 3,000 2,500 2,500 台北中正国際空港 3,660 3,350 (3,850) 3,850 関西国際空港 3,500 成田国際空港 2,180 (2,500) 中部国際空港 3,500 数字は滑走路延長 (m) は供用中 ( ) は延伸予定は計画中

10 Ⅰ. 日本の現状認識に関する論点 3. 社会資本の老朽化老朽化の問題はどの程度深刻なのか日本の社会資本の多くは高度成長期に整備それらが 10~20 年のうちに次々と老朽化適切な維持管理を実施しライフサイクルコストを低減させることが必要 (1) 老朽化する社会資本 p11 (2)LCC( ライフサイクルコスト ) の最適化最小化 p12 10

3. 社会資本の老朽化 (1/2) 老朽化の問題はどの程度深刻なのか (1) 老朽化する社会資本多くの社会資本が今後 10-20 年のうちに耐用年数の目安である50 年を次々と迎える適切な維持管理更新投資の確保が必要建設後 50 年以上の橋梁数現状 (2006 年 )

中期的な計画の骨子案 ( 第 2 回 ) [ 別冊 ] より作成トラス橋鋼材の破断 ( 昭和 38 年建設 ) 塩害による主桁の損壊 ( 昭和 41 年建設 ) 橋進む高齢化耐用年数切れ 10 年で 33% 55% 都によると都道に架かる長さ 2 メートル以上の橋は 4

11 3. 社会資本の老朽化 (1/2) 老朽化の問題はどの程度深刻なのか (1) 老朽化する社会資本多くの社会資本が今後年のうちに耐用年数の目安である50 年を次々と迎える適切な維持管理更新投資の確保が必要建設後 50 年以上の橋梁数現状 (2006 年 ) 10 年後 (2016 年 ) 20 年後 (2026 年 ) 老朽化する道路構造物が約 8,900 橋 (6%) 約 28,700 橋 (20%) 約 68,200 橋急増する (47%) 対象 :15m 以上の橋梁 ( 約 15 万橋 ) 出典 : 国土交通省道路局中期的な計画の骨子案 ( 第 2 回 ) [ 別冊 ] より作成トラス橋鋼材の破断 ( 昭和 38 年建設 ) 塩害による主桁の損壊 ( 昭和 41 年建設 ) 橋進む高齢化耐用年数切れ 10 年で 33% 55% 都によると都道に架かる長さ 2 メートル以上の橋は 4 月現在で 1239 本このうち 33% が架設後 50 年以上の橋で 10 年後には 50% に達し ( 中略 ) さらに 20 年後には 74% になるという ( 中略 ) 都は全国より 10 年早いペース ( 建設局道路建設部 ) になる産経新聞 ( 朝刊 ) より 11

3. 社会資本の老朽化 (2/2) 老朽化の問題はどの程度深刻なのか (2) ライフサイクルコスト (LCC) の最適化最小化土木構造物のライフサイクルを通してのコストの最適化最小化が強く求められる今ある社会資本ストックを延命化させ長期的に使い続けていく必要もある a.lcc の最適化最小化を図る一連の取り組み土木構造物 b.

12 3. 社会資本の老朽化 (2/2) 老朽化の問題はどの程度深刻なのか (2) ライフサイクルコスト (LCC) の最適化最小化土木構造物のライフサイクルを通してのコストの最適化最小化が強く求められる今ある社会資本ストックを延命化させ長期的に使い続けていく必要もある a.lcc の最適化最小化を図る一連の取り組み土木構造物 b. 青森県の取り組み既設適切な補修による長寿命化 LCC を考慮した更新新設イニシャルコスト ( 初期投資 ) 重視から LCC 重視へ 50 年間で LCC26 億円の節約が可能に ( 注 ) 将来予測 LCC 予測ライフサイクルアセスメントリスクアセスメント計画設計補修計画設計更新計画設計施工品質管理省力化省資源化耐久性の向上建設補修更新点検調査診断健全度評価維持管理 LCC 環境負荷安全性耐久性使用性景観品質等を考慮リサイクルリユース解体撤去廃棄出典 : 経済財政諮問会議 ( ) 真に必要な社会資本整備と公共事業改革への取組 ( 参考資料 )( 冬柴臨時議員提出資料 ) エンジニアリング業務点検健全度評価橋梁 DB 劣化予測劣化予測 DB LCC 算定 LCC DB 維持管理シナリオ選定予算シミュレーション中長期予算決定中期事業計画中期事業進捗管理事後評価青森フリッシマネシメントシステム(BMS) の導入様々な条件によって異なる橋の劣化現象を予測しコスト面も考慮しながら効率的効果的な維持管理計画を策定することができる点検支援システム ( 注 ) 青森県橋梁アセットマネジメントアクションプランに沿った初年度 2006 年度の結果より補修工事 90 橋のうち床版防水耐震補強のみを除く完了橋梁数は 24 橋でこれにより今後 50 年間で LCC を約 26 億円縮減できるという試算結果を明らかにした建設通信新聞 (2007 年 11 月 20 日 ) 12 マネジメント業務

スライド 1

スライド 1 参考資料 2 国際競争力の強化に係る社会資本に関する国際比較平成 24 年 5 月 28 日 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 道路分野の国際比較 ( 諸外国の環状道路の整備状況 ) 1 2-1 世界的な競争に打ち勝てる大都市や国際拠点空港港湾の機能拡充強化とアクセス性の向上や官民連携による海外プロジェクトの推進