第 1 回第 2 回第 3 回第 4 回第 5 回第 6 回第 7 回第 8 回第 9 回第 10 回第 11 回第 12 回第 13 回第 14 回第 15 回第 16 回第 17 回第 18 回第 19 回第 20 回第 21 回第 22 回第 23 回第 24 回第 25 回第 26 回第 2

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1 第 46 回臨床神経病理懇話会第 18 回日本神経病理学会近畿地方会抄録集 2018 年 11 月 17 日 ( 土 ) 18 日 ( 日 ) 会場 京都府立医科大学第一講義室, 第二講義室, 第三実習室 世話人 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学伊東恭子 事務局 : 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学 京都市上京区河原町通広小路梶井町 465 番地 TEL&FAX: cnj@koto.kpu-m.ac.jp HomePage:

2 第 1 回第 2 回第 3 回第 4 回第 5 回第 6 回第 7 回第 8 回第 9 回第 10 回第 11 回第 12 回第 13 回第 14 回第 15 回第 16 回第 17 回第 18 回第 19 回第 20 回第 21 回第 22 回第 23 回第 24 回第 25 回第 26 回第 27 回第 28 回第 29 回第 30 回第 31 回第 32 回第 33 回第 34 回第 35 回第 36 回第 37 回第 38 回第 39 回第 40 回第 41 回第 42 回第 43 回第 44 回第 45 回第 46 回 臨床神経病理懇話会世話人 岐 阜 大 京 都 府 立 医 大 岡 山 大 鳥 取 大 山 口 大 名 古 屋 大 広 島 大 金 沢 大 兵 庫 医 大 島 根 医 大 川 崎 医 大 岡 山 大 福 井 医 大 滋 賀 医 大 高 知 医 大 京 都 府 立 医 大 鳥 取 大 名 古 屋 大 近 畿 大 広 島 大 鳥 取 大 大 阪 日 赤 徳 島 大 名 古 屋 大 岡 山 大 関西医大 北野病院 広 島 日 赤 三 重 大 京 都 府 立 医 大 金 沢 大 兵 庫 医 大 京 都 府 立 医 大 金 沢 大 滋 賀 医 大 香 川 大 広島西医療センター 姫 路 中 央 病 院 山 口 大 岡山大 慈圭病院 三 重 大 愛 知 医 大 和歌山県立医大 滋 賀 医 大 大 阪 大 鳥 取 大 京 都 府 立 医 大 ( 難波 ) ( 米沢 ) ( 小川 ) ( 中村 ) ( 山田 ) ( 景山 ) ( 鬼頭 ) ( 山口 ) ( 三好 ) ( 石野 ) ( 調 ) ( 黒田 ) ( 伊崎 ) ( 挟間 ) ( 池田 ) ( 北村 ) ( 中村 ) ( 橋詰 ) ( 橋本 ) ( 山村 ) ( 大浜 ) ( 新宅 ) ( 伊井 ) ( 柴山 ) ( 田口 ) ( 日下 松本 ) ( 大田 ) ( 葛原 ) ( 伏木 ) ( 小林 ) ( 高内 守田 ) ( 安原 ) ( 山田 ) ( 岡部 ) ( 上野 峠 ) ( 片山 ) ( 東 ) ( 神田 ) ( 石津 ) ( 冨本 ) ( 吉田 ) ( 伊東 ) ( 遠山 ) ( 望月 ) ( 加藤 ) ( 伊東 ) 敬称略 - 1 -

3 会場 ( 京都府 医科 学河原町キャンパス ) までのアクセス 公共交通機関でのアクセス 出発地利 路線到着地 JR 京都駅 ( 正 ) 市バス 系統 阪急電鉄 河原町駅 京阪電鉄 三条駅 京都市営地下鉄 ( 東 線 ) 三条京阪駅 市バス 系統市バス 系統京都バス 系統 府 医 病院前 バス停で下 すぐ 京阪電鉄 神宮丸太町駅 徒歩 10 分 京阪電鉄 出町柳駅 徒歩 15 分 京都市営地下鉄 ( 烏丸線 ) 丸太町駅 徒歩 20 分 2

4 会場案内図 ( 京都府 医科 学キャンパスマップ ) 学正 より基礎医学学舎 ( 印 ) を望む 3

5 タイムテーブル 外来棟 2 階 1 階 4 階 2 階 1 階 3 階 第三実習室 1 日目 11 月 17 日 ( 土 ) 基礎医学学舎 第一 第二講義室 風花 第三実習室 2 日目 11 月 18 日 ( 日 ) 基礎医学学舎 第一 第二講義室 会議室 一般演題 (16~18) 標本展示 1~15 開会挨拶 一般演題 (1~3) ランチョンセミナー 1 八木田和弘先生 標本展示 16~30 ランチョンセミナー 2 高橋良輔先生 臨床神経病理懇話会世話人会 日本神経病理学会近畿地方会世話人会 一般演題 (4~10) 一般演題 (19~25) 一般演題 (11~15) 一般演題 (26~30) 閉会挨拶 特別講演高橋均先生 懇親会 風花

6 発表データ受付発表時間は一演題につき 10 分 討論は 5 分です 発表は全て PC を使用した発表になります Power Point で編集してください 保存ファイル名は筆頭者名で保存してください ( 例 : 京都太郎.pptx) 準備の都合上 できるだけ初日の午前中にデータを受付へ提出してください 2 日目に発表の方もお早目の提出をお願いいたします 発表の 1 時間前までには受付を済ませてください 受付にて モニターによる出力確認を行った上で データをコピーさせていただきます コピーされたデータは終了後 主催者側で責任をもって消去いたします Windows の場合は データ保存媒体として USB メモリのご使用をお願いします CD では読み込めない可能性がありますので避けてください 発表の PC の OS は Windows 7 です Power Point のバージョンは 2013 です 動画のある方と Macintosh の場合は必ずご自身の PC をお持ちください PC 本体をお持ち込みの場合は PC 本体に外部出力 (D-sub15 ピン または HDMI 端子 ) が使用できることを必ずご確認いただき 合わない形状の外部モニター出力端子の場合はご自身で変換アダプタをご用意ください 電源アダプタをお忘れなくご用意ください 受付について受付 : 基礎医学学舎 1 階講義室前午前 8 時半より受付にてネームカードを配布します 各自でご記入のうえ 会場内では必ずご着用ください 参加費について臨床神経病理懇話会参加費 :4,000 円 ( 医師 一般 ) 1,000 円 ( 技術職 ) 無料 ( 学部学生 ) ( 今回は日本神経病理学会近畿地方会の参加費は無料といたします ) プログラム抄録集について : 当日受付時に無料でお渡しいたします 複数冊ご必要な方は当日受付にて一部 1,000 円で販売いたします 昼食について : ランチョンセミナーでお弁当を用意しておりますのでぜひご参加ください クロークについて受付にお申し出下さい 貴重品はお預かりできません 5

7 呼び出しについて会場内の呼び出しは原則行えませんのでご了承ください 緊急の場合は受付にお申し出ください 会場進行係より適宜対応いたします 携帯電話に対するお願い会場内では電源を OFF にするかマナーモードに切り替え 通話は会場の外でお願いします 禁煙のお願い大学敷地内は全面禁煙です 喫煙はご遠慮ください 世話人会について会場 : 第 3 会議室 ( 基礎医学学舎 3 階 ) 臨床神経病理懇話会世話人会 11 月 18 日 ( 日 )11:00 ~ 11:30 日本神経病理学会近畿地方会世話人会 11 月 18 日 ( 日 )11:30 ~ 12:00 主なプログラム 11 月 17 日 ( 土 ) 17:00 ~ 18:00 特別講演 筋萎縮性側索硬化症 ;TDP-43 の発見までとその後 座長 : 伊東恭子先生 ( 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学 ) 演者 : 高橋均先生 ( 新潟大学理事 / 副学長 ( 前新潟大学脳研究所病態神経学部門病理学教授 )) 12:00 ~ 13:00 ランチョンセミナー 1 概日リズムと生涯健康医学 座長 : 伏木信次先生 ( 京都府立医科大学研究開発 質管理統合研究センター ) 演者 : 八木田和弘先生 ( 京都府立医科大学大学院医学研究科統合生理学教授 ) 11 月 18 日 ( 日 ) 12:10 ~ 13:10 ランチョンセミナー 2 パーキンソン病の動物モデル update 座長 : 水野敏樹先生 ( 京都府立医科大学大学院医学研究科神経内科学 ) 演者 : 高橋良輔先生 ( 京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学教授 ) 懇親会について 11 月 17 日 ( 土 )18:30 ~ 20:30 参加費 2,000 円会場 : 京都東急ホテルレストラン 風花 -KAMOGAWA- 場所 : 京都府立医科大学附属病院 外来棟 4 階懇親会は特別講演終了後に行ないます ふるってご参加ください 6

8 プログラム 第 1 日目 :2018 年 11 月 17 日 ( 土 ) 標本展示 8:30 ~ 17:00 第三実習室 開会の辞 10:55 ~ 11:00 一般演題 Ⅰ( 演題 1~3) 11:00 ~ 11:45 ランチョンセミナー 1 12:00 ~ 13:00 第一講義室 一般演題 Ⅱ( 演題 4~15) 13:20 ~ 16:45 特別講演 17:00 ~ 18:00 懇親会 18:30 ~ 20:30 風花-KAMOGAWA- 10:55 ~ 11:00 開会の辞京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学伊東恭子 一般演題 Ⅰ( 口演 ) 11:00 ~ 11:45 変性 1(TDP-43) 座長中村正孝先生 ( 関西医科大学神経内科学講座 ) *1. ALS dementia 症例の辺縁系における TDP-43 の局在 棚橋貴夫 ( タナハシタカオ ) 隅寿恵 白旗恵美 西池氏暉 小川拓也 宮下典子 衛藤昌樹 中隆市立東大阪医療センター神経内科 *2. 急速な経過をたどり 前角細胞に多数の skein-like inclusion を認めた上位ニューロン優位型 ALS の1 剖検例 新宅雅幸 ( シンタクマサユキ ) 1 矢端博行 2 田中えり 3 塩原正規 3 3 九嶋亮治 1) 滋賀県立総合病院病理診断科 2) 滋賀医科大学脳神経内科 3) 滋賀医科大学病理診断科 3. ALS の診断 2 週間後に急死した 89 歳男性例 倉重毅志 ( クラシケ タカシ ) 1 谷山大樹 2 杉浦智仁 1 倉岡和矢 2 鳥居剛 1 1) 国立病院機構呉医療センター 中国がんセンター神経内科 2) 同病理診断科 12:00 ~ 13:00 ランチョンセミナー 1 座長伏木信次先生 ( 京都府立医科大学研究開発 質管理統合研究センター ) 概日リズムと生涯健康医学 京都府立医科大学大学院医学研究科統合生理学八木田和弘先生 7

9 一般演題 Ⅱ ( 口演 ) 13:20~13:50 変性 2( シヌクレイン ) 座長 藤村晴俊先生 ( 国立病院機構刀根山病院神経内科 ) 4. 著明な起立性低血圧で発症し 緩徐経過をたどった DLB の 1 例 〇加子哲治 ( カコテツハル ) 1 野倉一也 1 蔵地万里奈 1 岩崎靖 2 吉田眞理 2 1) 藤田医科大学ばんたね病院神経内科 2) 愛知医科大学加齢医科学研究所 5. 発症早期より妄想や幻視が目立ち limbic type の Lewy 小体病理であった認知 症を伴う Parkinson 病の 1 剖検例 坂井健二 ( サカイケンシ ) 1 池田篤平 2 石田千穂 2 駒井清暢 2 山田正仁 1 1) 金沢大学大学院脳老化 神経病態学 ( 神経内科学 ) 2) 独立行政法人国立病院機構医王病院神経内科 13:50~14:35 変性 3( シヌクレイン ) 座長岩崎靖先生 ( 愛知医科大学加齢医科学研究所 ) 6. 発症から約 6 年後に症状が急速に進行し 入浴中に溺死した PDD の 1 例 両角佐織 ( モロス ミサオリ ) 1 安井敬三 1 池田知雅 2 2 吉田眞理 1) 名古屋第二赤十字病院脳神経内科 2) 愛知医科大学加齢医科学研究所 7. 診察を拒否し続けた百歳老人の一剖検例 岩瀬環 ( イワセタマキ ) 1 吉田眞理 2 橋詰良夫 3 1) 名古屋市厚生院神経内科 2) 愛知医科大学加齢医科学研究所 3) 福祉村病院神経病理研究所 8. パーキンソン病の正診率 日本病理剖検輯報に基づく検討 〇堀本佳彦 ( ホリモトヨシヒコ ) 1 稲垣亜紀 1 田島稔久 1 日比野敬明 1 蒲澤秀洋 1 稲垣 宏 2 1) 名古屋市総合リハビリテーションセンター神経内科 2) 名古屋市立大臨床病態病理学 14:35~15:05 変性 4( タウ ) 座長隅寿恵先生 ( 市立東大阪医療センター神経内科 ) 9. 発症前 PSP と考えられる所見を認めた高齢者剖検例 西田尚樹 ( ニシタ ナオキ ) 1 畑由紀子 1 吉田幸司 2,3 1) 富山大学大学院医学薬学研究部法医学講座 8

10 2) 兵庫県立姫路循環器センター 3) 富山大学付属病院神経内科 10. すくみ足で発症し MRI で Swiss cheese striatum を呈した進行性核上性麻痺の 一例 池田知雅 ( イケタ トシマサ ) 1,2 山田健太郎 3 赤木明生 1 三室マヤ 1 宮原弘明 1 岩崎靖 1 松川則之 2 吉田眞理 1 1) 愛知医科大学加齢医科学研究所 2) 名古屋市立大学大学院神経内科 3) 名古屋市立東部医療センター神経内科 Coffee Break(25min) 15:30~16:15 変性 5( タウ ) 座長 吉田眞理先生 ( 愛知医科大学加齢医科学研究所 ) 11. 視床 基底核 中脳などに強い病変を示すタウオパチーの 1 剖検例 西村広健 ( ニシムラヒロタケ ) 1 小西吉裕 2 森谷卓也 1 1) 川崎医科大学病理学 2) 鳥取医療センター臨床研究部 *12. 臨床的に CBS と診断され AD 病理を主所見とした tauopathy の一剖検例 高橋央 ( タカハシヒサシ ) 1,2 松尾宏俊 3 丹藤創 1 藤井ちひろ 2,3 細川洋平 4 伊東恭子 1 1) 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学 2) 同脳神経内科 3) 近江八幡市立総合医療センター脳神経内科 4) 同病理診断科 *13. 痙性対麻痺を呈した新規 presenilin-1 遺伝子変異による家族性アルツハイマー 病の剖検例 大井由貴 ( オオイユウキ ) 1,2 井谷理彦 1 長谷川華子 1 眞木崇州 1 葛谷聡 1 山 下博史 1,3 綾木孝 1 山内浩 4 丹羽篤 5 高屋成利 6 岡田知久 6 李方 舟 1 酒巻春日 1 澤本伸克 7 松本理器 1 池田昭夫 1 冨本秀和 5 髙橋良輔 1 1) 京都大学医学部附属病院神経内科 2) 音羽病院神経内科 3) 日本赤十字社和歌山医療センター神経内科 4) 滋賀県立成人病センター研究所 5) 三重大学医学部付属病院神経内科 6) 京都大学医学研究科附属脳機能総合研究センター 9

11 7) 京都大学人間健康科学近未来型人間健康科学融合ユニット 16:15~16:45 変性 6( シヌクレイン ) 座長 綾木孝先生 ( 京都大学脳神経内科 ) 14. Wearing-off 現象を認めた多系統萎縮症の 1 剖検例 石田千穂 ( イシタ チホ ) 1 駒井清暢 1 沖野惣一 2 3 山田正仁 1) 国立病院機構医王病院神経内科 2) おきの内科医院 3) 金沢大学大学院脳老化 神経病態学 ( 神経内科学 ) 15. 前頭葉, 側頭葉に著明な萎縮を認めた経過 18 年の多系統萎縮症 大羽知里 ( オオハ チサト ) 1 榊原聡子 2 安藤孝志 3 安井敬三 1 3 吉田眞理 1) 名古屋第二赤十字病院脳神経内科 2) 東名古屋病院脳神経内科 3) 愛知医科大学加齢医科学研究所 17:00 ~ 18:00 特別講演座長伊東恭子 ( 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学 ) 筋萎縮性側索硬化症;TDP-43 の発見までとその後 新潟大学理事 / 副学長 ( 前新潟大学脳研究所病態神経学部門病理学 ) 高橋均先生 18:30 ~ 20:30 全体懇親会会場 : 京都東急ホテルレストラン 風花 -KAMOGAWA- 場所 : 京都府立医科大学附属病院 外来棟 4 階 10

12 第 2 日目 :2018 年 11 月 18 日 ( 日 ) 標本展示 8:30 ~ 16:30 第三実習室 一般演題 Ⅲ( 演題 16~18) 10:00 ~ 10:45 第一講義室 臨床神経病理懇話会世話人会 11:00 ~ 11:30 日本神経病理学会近畿地方会世話人会 11:30 ~ 12:00 第三会議室 ランチョンセミナー 2 12:10 ~ 13:10 一般演題 Ⅳ( 演題 19~30) 13:15 ~ 16:30 第一講義室 閉会の辞 16:30 ~ 16:35 一般演題 Ⅲ( 口演 ) 10:00~10:45 変性 7(TDP-43) 座長 加藤信介先生 ( 鳥取大学医学部脳病態医科学分野 ) 16. 側坐核に高度な TDP-43 病理を認めた筋萎縮性側索硬化症の1 例 〇和泉唯信 ( イス ミユイシン ) 1 〇松原知康( マツハ ラトモヤス ) 2 瓦井俊孝 1 野寺裕之 1 村 山繁雄 2 梶龍兒 1 1) 徳島大学病院神経内科 2) 東京都健康長寿医療センター神経病理 17. 多巣性運動ニューロパチーと臨床診断され 剖検で ALS と診断した高齢女性 植松高史 ( ウエマツタカシ ) 1 両角佐織 1 安井敬三 1 加藤隼康 2 吉田眞理 3 1) 名古屋第二赤十字病院神経内科 2) 名古屋大学神経内科 3) 愛知医科大学加齢医科学研究所 *18. 在宅看取りから病理解剖を実施した筋萎縮性側索硬化症の 1 例 松尾宏俊 ( マツオコウシュン ) 1 細川洋平 2 久我正文 3 小林勇吾 4 安藤功一 4 長谷 川浩史 4 高橋央 5 丹藤創 5 伊東恭子 5 1) 近江八幡市立総合医療センター神経内科 2) 同病理診断科 3) 近江八幡市蒲生郡医師会 ( 久我内科医院 ) 4) 滋賀県立総合病院神経内科 5) 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学 11:00 ~ 11:30 臨床神経病理懇話会世話人会 ( 第三会議室 ) 11:30 ~ 12:00 日本神経病理学会近畿地方会世話人会 ( 第三会議室 ) 11

13 12:10~13:10 ランチョンセミナー 2 座長 : 水野敏樹先生 ( 京都府立医科大学大学院医学研究科神経内科学 ) パーキンソン病の動物モデル update 京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学高橋良輔先生 一般演題 Ⅳ( 口演 ) 13:15~14:00 変性 8(TDP-43,FUS) 座長 和泉唯信先生 ( 徳島大学病院神経内科 ) 19. 認知機能障害で発症し 言語障害 パーキンソニズムを呈した FTLD-TDP type A の 1 例 岩崎靖 ( イワサキヤスシ ) 1 森恵子 2 伊藤益美 2 川合圭成 1 赤木明生 1 三室 マヤ 1 宮原弘明 1 吉田眞理 1 1) 愛知医科大学加齢医科学研究所神経病理部門 2) 小山田記念温泉病院神経内科 *20. 長期の経過で著明な大脳萎縮を伴った FTLD-TDP の一剖検例 丹藤創 ( タント ウソウ ) 1 高橋央 1 水原亮 2 木村正志 2 結城奈津子 2 吉 岡亮 2, 3 伊東恭子 1 1) 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学 2) NHO 舞鶴医療センター神経内科 3) NHO 舞鶴医療センター臨床研究部 *21. 上位運動ニューロン症状で発症した神経細胞性中間径フィラメント封入体病 (NIFID) の一剖検例 村上綾 ( ムラカミアヤ ) 中村正孝 隠岐光彬 中村芳美 金子鋭 日下博文 関西医科大学附属病院脳神経内科 14:00~14:30 炎症 免疫 1( サルコイドーシス ) 座長丹藤創先生 ( 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学 ) 22. 神経サルコイドーシスによる中枢神経血管炎と考えた 78 歳男性例 佐藤亮太 ( サトウリョウタ ) 1 松尾欣也 1,2 尾本雅俊 1 神田隆 1 1) 山口大学大学院医学系研究科神経内科学 2) 山口県立総合医療センター神経内科 *23. 遠位型筋ジストロフィーとの鑑別を要し 筋病理で慢性ミオパチー型サルコイド筋炎と診断した一例 上田哲大 ( ウエタ テツヒロ ) 辻有希子 安池博美 滋賀健介 水野敏樹京都府立医科大学大学院医学研究科神経内科学 12

14 14:30~15:00 感染症 (JCV) 座長 西村広健先生 ( 川崎医科大学病理学 ) *24. 自己免疫性溶血性貧血の治療中に進行性多巣性白質脳症 (PML) を発症した 1 剖 検例 渡邉侑奈 ( ワタナヘ ユウナ ) 1 桂奏 1 宍戸- 原由紀子 2 3 伊東恭子 1) 京都第二赤十字病院病理診断科 2) 東京医科大学人体病理学分野 3) 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学 25. 画像 病理 遺伝子解析で悪性リンパ腫が疑われた 高度炎症細胞浸潤を伴う予 後良好な進行性多巣性白質脳症 (PML) 宍戸 - 原由紀子 ( シシト -ハラユキコ ) 1 大原万里恵 1 松林純 1 中道一生 4 中村 直哉 5 相澤仁志 2 秋元治朗 3 長尾俊孝 1 1) 東京医科大学人体病理学 2) 同脳神経内 3) 同脳神経外科 4) 国立感染症研究所ウイルス第一部第三室 5) 東海大学医学部基盤診療学系病理診断学 Coffee Break (15min) 15:15~16:00 炎症 免疫 2 座長 上野正樹先生 ( 香川大学医学部炎症病理学 ) 26. 脳腫瘍が疑われ摘出されたが 病理学的に Grocott 染色陽性構造物や多核巨細 胞を伴う壊死性肉芽腫を認めた一例 〇松原慶太郎 ( マツハ ラケイタロウ )¹ 島綾乃 ¹ 坂井健二 ¹ 岩佐和夫 ¹ 山田正仁 ¹ 木下雅史 ² 中田光俊 ² 1) 金沢大学脳老化 神経病態学 ( 神経内科学 ) 2) 金沢大学脳神経外科 *27. 脳生検後に臨床診断した抗 GABAa 受容体抗体陽性脳炎の 1 例 〇吉田幸司 ( ヨシタ コウシ ) 1,2 寺澤英夫 1 清水洋孝 1 上原敏志 1 喜多也寸志 1 1) 兵庫県立姫路循環器病センター神経内科 2) 富山大学附属病院神経内科 28. 肺癌治療後 小脳失調を示した 73 歳 男性 橋詰良夫 ( ハシツ メヨシオ ) 赤津裕康 兼坂岳志 小川倫弘 菱田知恵 福祉村病院神経病理研究所 13

15 16:00~16:30 プリオン 過誤腫 座長 東靖人先生 ( 医療法人公仁会姫路中央病院神経内科 ) 29. 病理学的に MM1+MM2- 皮質型と診断したクロイツフェルト ヤコブ病の 1 例 加藤博子 ( カトウヒロコ ) 1 岩崎靖 2 安藤哲朗 1 赤木明生 2 三室マヤ 2 宮原弘 明 2 吉田眞理 2 1) 安城更生病院神経内科 2) 愛知医科大学加齢医科学研究所神経病理部門 *30. 頭頂部脳瘤における Radial Glia 遺残を有する過誤腫様脱出脳組織の Sox-2 免 疫組織化学的検索結果の追加報告 岡部英俊 ( オカヘ ヒテ トシ ) 1,2 伊倉義弘 2 岩井康博 2 原田敦子 3 宇都宮秀綱 3 1) 西洞院仏光寺クリニック病理診断科 2) 愛仁会高槻病院病理診断科 3) 同小児脳神経センター 16:30~ 16:35 閉会の辞京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学伊東恭子 注 : * 第 18 回日本神経病理学会近畿地方会の演題を兼ねる 14

16 特別講演 筋萎縮性側索硬化症 ;TDP-43 の発見までとその後 高橋均先生 ( 新潟大学理事 / 副学長 ( 前新潟大学脳研究所病態神経学部門病理学教授 ))

17 ランチョンセミナー 1 概日リズムと生涯健康医学 八木田和弘先生 ( 京都府立医科大学大学院医学研究科統合生理学教授 )

18 ランチョンセミナー 2 パーキンソン病の動物モデル update 高橋良輔先生 ( 京都大学大学院医学研究科脳病態生理学講座臨床神経学教授 )

19 *1 ALS dementia 症例の辺縁系における TDP-43 の局在 市立東大阪医療センター神経内科 棚橋貴夫 隅寿恵 白旗恵美 西池氏暉 小川拓也 宮下典子 衛藤昌樹 中隆 症例 死亡時 85 歳男性 現病歴 X-3 年より常にこたつで生活するようになり 注意されても改善しなかった 言葉が出にくくなり 単語の理解も難しい様子であった X-1 年 5 月より飲水時に口からこぼれやすくなった 8 月より自転車で転倒するようになり 10 月に頭部打撲のため当院を受診し 開脚歩行 認知機能低下 (MMSE 21/30 点 ) を指摘された 12 月より歩行不可能となった X 年 3 月 CO2 ナルコーシスによる意識障害のため入院となった NIPPV により意識障害は改善するも 離脱は困難であった 右優位の四肢筋力低下 筋萎縮を認め 四肢深部腱反射は低下していた 顔面失行と失語も疑われた NIPPV を継続するも 呼吸状態が徐々に悪化し 第 25 病日に死亡した 病理所見 肉眼では側頭葉前方 扁桃体 迂回回に高度の萎縮を認めた 光顕的には 下位運動ニューロンの神経細胞脱落 錐体路の髄鞘ひ薄化 側頭葉 扁桃体の高度な神経変性を認めた 上位及び下位運動ニューロンに ptdp-43 陽性の神経細胞 グリア細胞内封入体が多数 海馬歯状回に ptdp-43 陽性の円形封入体が多数観察された 扁桃体や側頭葉に ptdp-43 陽性の globular-like astrocyte と neuritic plaque が多数観察され し銀性顆粒病理と老年性変化を伴った Ballooned neuron や astrocytic plaque は明らかでなかった 考察 前頭側頭葉変性症が先行して 2 年後に ALS を発症し急速に運動症状が進行した一例 運動系における TDP-43 病理は ALS に典型的な所見で 老年性変化の高度であった辺縁系においてのみ ALS に非典型的な ptdp-43 病理を認めた ptdp-43 陽性 globular-like astrocyte や neuritic plaque はタウやアミロイド β の高発現に関与することが示唆された

20 *2 急速な経過をたどり 前角細胞に多数の skein-like inclusion を認めた上位ニューロン優位型 ALS の 1 剖検例 1) 滋賀県立総合病院病理診断科 2) 滋賀医科大学脳神経内科 3) 滋賀医科大学病理診断科 新宅雅幸 1 矢端博行 2 田中えり 3 塩原正規 3 九嶋亮治 3 [ 症例 ] 73 歳男性 死亡約 13 ヶ月前から左片麻痺 構音障害が出現 画像上 陳旧性脳梗塞を認め 経過観察していた 死亡 8 ヶ月前から四肢筋力低下 嚥下障害が出現 構音障害と併せて急速に進行した 認知障害 意識障害も出現し 従命困難となった 死亡 7 ヶ月前に誤嚥からと思われる心肺停止をきたし 自己心拍は速やかに再開したが 人工呼吸管理となった MRI では海馬を中心とした脳萎縮の進行を認めた 誤嚥性肺炎を反復するため気管切開 胃瘻造設を施行 その後尿路感染 筋膿瘍 骨膿瘍などを併発し 敗血症により死亡した [ 病理所見 ] 全身臓器では気管支肺炎 肝内胆管炎 敗血症などの所見を認めた 脊髄は錐体路変性が高度 前角細胞は中等度に脱落し 多数の ptdp-43 陽性 skeinlike inclusion (SLI) の出現を見る Bunina 小体少数 Round inclusion は見られず spheroid chromatolytic neuron も殆ど見られない 脳重は 1,312 g 側脳室の拡張と海馬の萎縮を見る 新皮質の萎縮は目立たない 皮質運動野は Betz 細胞が高度に脱落し 皮質下白質の変性も強い 海馬皮質から支脚にかけて多数の tangle thread を認めるが (Braak stage III) CA1- 支脚移行部の細胞脱落や顆粒細胞層の細胞質内封入体は見られない 新皮質全体に多数の老人斑と少数の tangle thread を見るが 運動野以外の神経細胞の脱落は軽度である [ 問題点 ] 認知症を伴い急速な経過を取る 非定型的な上位ニューロン優位型 ALS の存在が近年注目されている 但しそのような症例で前角に多数の SLI を認めたという記載はない 本症例はその亜型と関係があるか 多数の SLI の出現は経過が短いことを反映しているのか 脳における ptdp-43 の蓄積は運動野に殆ど限局していたが 本症例では tauopathy が合併しており 認知症の責任病変をどう考えるか

21 3 ALS の診断 2 週間後に急死した 89 歳男性例 1) 国立病院機構呉医療センター 中国がんセンター神経内科 2) 同病理診断科 倉重毅志 1 谷山大樹 2 杉浦智仁 1 倉岡和矢 2 鳥居剛 1 症例 死亡時 89 歳男性. 家族歴 父母とも島根県生まれ. 既往歴 生活歴 特記すべき既往歴無し. 筋力トレーニングを毎日行っていた. 現病歴 2017 年 6 月頃から歩行障害が出現し, 同年 7 月頃から両手の力が入りにくく, スプーンを使用するようになり, 自分でボタンを掛けられなくなった.MRI で頸髄病変は否定的であり, 同年 11 月, 当院紹介受診し, 同月末, 検査入院した. 入院時, 頸部屈筋 伸筋は MMT4, 上肢 下肢は MMT3~4 で, 握力は 5.5kg/6.2kg.Split finger, 手内筋萎縮を認めた. 下肢で腱反射減弱も, 下顎反射亢進 Hoffmann (+/+) Babinski (ext/ext) Chaddock (ext/ext). 舌には萎縮 fasciculation はないが,MRI で bright tongue sign を認めた. EMG では左深指屈筋 左前脛骨筋で fibrillation,fasciculation, positive sharp wave を認め,reduced recruitment であった. 肺機能検査では %VC59.5% であった.Probable ALS と診断し, エダラボンでの加療予定として同年 12 月上旬に一旦退院したが, 退院 1 週間後に誤嚥を機に CO2 ナルコーシスとなり, 永眠された. 病理所見 脳重 1340g. 両側前頭葉 側頭葉の萎縮あるが, 脳幹では, 舌下神経核の神経細胞脱落を認めた. 舌に肉眼的な萎縮は無いが, 組織学的には著明な脂肪置換を認めた. 脊髄では頸膨大 腰膨大の萎縮は目立たない. 組織学的には Bunina 小体,skein-like inclusion,round inclusion を認め, 脊髄前角細胞の減少は頸髄で著明であったが, 側索の淡明化はわずかであった. 頸髄病変により早期に呼吸障害を生じた 1 例と考えられた. 考察 本症例は頸髄での前角細胞の減少が著明であり, 急速な呼吸不全に関与したと考えられた

22 4 著明な起立性低血圧で発症し 緩徐経過をたどった DLB の 1 例 1) 藤田医科大学ばんたね病院神経内科 2) 愛知医科大学加齢医科学研究所 〇加子哲治 1 野倉一也 1 蔵地万里奈 1 岩崎靖 2 吉田眞理 2 患者 : 死亡時 82 歳男性. 臨床経過 :X-6 年 10 月に頻回の失神で神経内科へ紹介受診. Tilt 試験で著明な起立性低血圧を確認. MIBG 心筋シンチは H/M(1.6/1.32) と低下を認めたが脳血流シンチでは後頭葉は保たれむしろ前頭 前頭極に著明な血流低下を認めた. ハ ーキンソン症状は軽微で L-dopa の処方を開始したが明らかな改善がみられなかった. X-5 年秋から神経因性膀胱により尿閉を来し導尿やカテーテル留置を必要とした. この頃から非薬剤性と考えられる幻視がみられた. X 年 5 月に転倒し救急搬送され入院. 体動困難の原因は右腸骨骨折で保存的に治療した. 起立性低血圧が著明でリハヒ リが困難であった. 7 月に急激な呼吸状態悪化を認め, 胸部 Xp で右下肺野に肺炎像を認めた. MRSA 肺炎と診断したが 10 日後に呼吸状態増悪, 急激な血圧低下を来し永眠. 経過中に譫妄はあったが, 亡くなる 5 日前に HDS-R 24/30, 1 年前には 28/30 であった. 病理所見 : 脳重 1060g. 大脳は肉眼的には比較的保たれ脳幹 小脳の萎縮も明らかでなかった. 脳幹の割面では黒質に中等度, 青斑核に高度の退色がみられた. 組織学的に黒質の細胞脱落は高度, 青斑核, 迷走神経背側核の細胞脱落はきわめて高度で, 残存する神経細胞内にレヒ ー小体 (LB) を認めた. 帯状回や扁桃核には HE 染色で皮質型 LB を認めた.α シヌクレインの免疫染色では交感神経節, 中間質外側核, Meynert 核, 扁桃中心亜核, 視床下部などに LB, レヒ ー神経突起を認めたが, 辺縁系の出現は軽度であった. 病理診断はレヒ ー小体病であり, Limbic (transitional) type, Braak PD stageiv, 加齢変化は NFT: Braak stageⅡ, SP: CERAD stage A レベルであった. 考察 :6 年間の経過で最も ADL 阻害因子となったのは著明な起立性低血圧症状であり, ハ ーキンソン症状と認知症症状は比較的目立たなかった. 前頭葉の血流低下が顕著であったが, シヌクレイン沈着では説明が困難であった. 今後全身臓器の検索が課題である

23 5 発症早期より妄想や幻視が目立ち limbic type の Lewy 小体病理であった認知症を伴う Parkinson 病の 1 剖検例 1) 金沢大学大学院脳老化 神経病態学 ( 神経内科学 ) 2) 独立行政法人国立病院機構医王病院神経内科 坂井健二 1 池田篤平 2 石田千穂 2 駒井清暢 2 山田正仁 1 症例 : 剖検時 72 歳男性 家族歴に特記事項なし 47 歳時に手の震えや歩行障害で発症 発症早期より 妻が浮気をしている といった妄想や幻視を認めていた 64 歳時に嫉妬妄想から妻をバットで殴ったエピソードがあり 幻視や妻が別の男性と同衾しているといった妄想は持続していた その後の内服治療で幻視や妄想は軽減したが 運動症状が増悪し 70 歳時に金沢大学神経内科を受診 抗パーキンソン病薬に加え 抑肝散 抗精神病薬を内服していたが 幻視や妻への性的な脱抑制は残存 移動は基本的には車椅子であったが 日常生活動作は概ね自立であった その後は医王病院に入退院を繰り返し 72 歳時では 見当識に問題なし 暴力を時々振るい 同室者と口論になることあり 幻視あり 四肢筋緊張に異常なく 体幹をくねらせるような dyskinesia あり 円背が高度 筋力低下はなし 四肢腱反射に異常なく 病的反射は陰性 介助で歩行可能 内服調整を行ったが入院の 8 ヶ月後に死亡 全経過 25 年 病理所見 : 固定前脳重は 1,295 g で 肉眼的に軽度の前頭葉の萎縮と黒質および青斑の脱色が認められた 光顕では黒質や青斑核の神経細胞脱落は高度で 迷走神経背側核や Meynert 核では中等度 大脳皮質や海馬領域 扁桃核では軽度であった Lewy 小体や Lewy neurites が広範囲に認められたが 大脳皮質の Lewy 小体病理は比較的軽度であり limbic type と判断した 老人斑は diffuse plaque が主体で タウ病理は Braak NFT stage II, AT8 stage II であり 運動野や海馬領域に小梗塞がみられた 考察および問題点 :Lewy 小体型認知症における妄想の頻度は Lewy 小体病理と関連していることが報告されているが 本例では発症早期より妄想を認めたものの大脳皮質の Lewy 小体病理が軽度であった点が特徴的であった

24 6 発症から約 6 年後に症状が急速に進行し 入浴中に溺死した PDD の 1 例 1) 名古屋第二赤十字病院脳神経内科 2) 愛知医科大学加齢医科学研究所 両角佐織 1 安井敬三 1 池田知雅 2 吉田眞理 2 症例 症例は死亡時 74 歳男性 家族歴なし 現病歴 65 歳頃から立ちくらみの自覚あり 68 歳時に歩行障害と小字症が出現したが その後 72 歳までは L-dopa が有効であり ADL 低下は目立たずに経過した 73 歳から起立性低血圧の増悪や幻覚の出現はあるものの歩行はスムーズであった 死亡の半年前より急激な認知機能の低下 体重減少 歩行障害の悪化あり 浴槽内で溺死した状態でみつかった 神経病理所見 脳重量は 1550g 固定後割面では 大脳皮質 白質は著変なく 側頭葉内側面 基底核 視床も保たれていた 黒質 青斑核の高度褪色を認め 小脳は著変なかった 脊髄前根は保たれていた 組織学的に 黒質 青斑核 迷走神経背側核の強い神経細胞脱落とグリオーシス Lewy 小体 (LB) Lewy neurite(ln) を認め リン酸化シヌクレイ免疫染色で陽性を示した 脊髄中間質外側核の神経細胞脱落は中等度で LB の出現を認めた 末梢の交感神経節には多数の LB/LN を認め Meynert 核の細胞脱落は中等度で 多数の LB/LN を認めた 大脳は 扁桃核 海馬傍回に海綿状変化と皮質型 LB と微細な LN を多数認めた リン酸化シヌクレイン免疫染色の評価では Meynert 核 扁桃核 海馬傍回の LB/LN の出現量が多く 新皮質には出現が多くないが 中心前回にも陽性像を認め diffuse neocortical form の DLB に相当した 老人斑は Thal phase3 CERAD B NFT は AT8 stage II で AD の病理診断には相当しなかった 考察 本例では運動症状の出現から 5 年以内と比較的早期に幻覚 認知機能の低下が出現した 1 年ルールでは PDD となるが PD の自然経過としての PDD の範疇とするのか より DLB 的であるのかが臨床病理学的問題点となった

25 7 診察を拒否し続けた百歳老人の一剖検例 1) 名古屋市厚生院神経内科 2) 愛知医科大学加齢医科学研究所 3) 福祉村病院神経病理研究所 岩瀬環 1 吉田眞理 2 橋詰良夫 3 症例 死亡時 100 歳 女性 家族歴 妹に肝疾患 既往歴 80 歳代に神経痛 右膝関節痛で通院 現病歴 85 歳時に脳梗塞で他病院入院 2 ヵ月ほど傾眠 9 ヵ月で伝い歩き可能になり 86 歳から当院に入院 入所 87 歳から 93 歳まで お父さんが外に立っている などと訴えて夜間廊下を徘徊するエピソードを繰り返した 89 歳時の長谷川式 2.5 点 94 歳時パーキンソニズム 95 歳から車椅子使用 暴力的になり診察を拒否し続けた トイレ芳香剤を異食 夜間大声 幻視 96 歳時 大声で興奮し全裸に 99 歳時 手づかみ食べ 脳幹梗塞を発症し寝たきり 中心静脈栄養 気管切開 100 歳時 経管栄養 黒色便あり大腸癌 頭部から右上肢の痙攣が 3 日続き死亡 神経病理学的所見 脳重 1180g. 肉眼的に右後頭葉や脳幹に梗塞 組織学的に視床 小脳 橋に梗塞 延髄下オリーブ核に肥胖型アストロサイト集積 被殻の etat crible 老人斑 CERAD score B 神経原線維変化は Braak stage Ⅱ AT8 stage Ⅱ/Ⅲ で Alzheimer 病理は low 黒質神経細胞は脳梗塞合併あるが一部残存 Lewy 小体病理は DLB consortium の limbic type 内側側頭葉に thorn-shaped astrocytes など aging-related tau astrogliopathy 細動脈硬化 クモ膜下腔の小動脈の硬化を認める一方 脳アミロイドアンギオパチーは軽度 TDP-43 陽性封入体や嗜銀顆粒を認めず 淡蒼球 小脳歯状核などの比較的高度な石灰化を認めた 診断と考察 臨床的に脳梗塞後に特養入所し 認知症が進行して夜間不穏 幻視やパーキンソニズムを認め 診察拒否し続けた 99 歳時に脳幹梗塞 寝たきりで 100 歳になった 剖検所見は脳梗塞とレビー小体病 さらに脳内石灰化が目立つ貴重な百歳老人の剖検例であった

26 8 パーキンソン病の正診率 日本病理剖検輯報に基づく検討 1) 名古屋市総合リハビリテーションセンター神経内科 2) 名古屋市立大臨床病態病理学 〇堀本佳彦 1 稲垣亜紀 1 田島稔久 1 日比野敬明 1 蒲澤秀洋 1 稲垣宏 2 目的 パーキンソン病の正診率は 英国の運動障害専門医やフィンランドの一般神経内科医による診断について 臨床病理学的検討の報告がある ここでは 一般内科医の診断を含む日本全国での正診率を明らかにし 鑑別の上で重視すべき疾患を検討する 方法 日本剖検病理輯報を元に 2010 年から 2014 年までの全剖検例中 臨床診断にパーキンソン病を含む症例を対象とし その神経病理診断を検討した 臨床診断の取り扱いでは レビー小体型認知症などパーキンソン病以外のレビー小体病は除外したが 認知症を伴うパーキンソン病は対象に含めた また若年性パーキンソン病や 遺伝子診断が明記されていない家族性パーキンソン病も対象とした 神経病理に関わる所見が全く記載されていないか 検討中 と記載された症例は 神経病理診断がなされていないものとして扱い 除外した 神経病理診断の解釈では神経病理所見の重複を考慮 レビー小体型認知症その他全てのレビー小体病をパーキンソン病と同等に取扱い 例えば臨床診断がパーキンソン病で病理診断がレビー小体型認知症の例は正診とした 臨床神経診断の記載がなければ 神経病理診断がパーキンソン病であっても 対象からは除外した 結果 期間中の全剖検例 61,199 例中 臨床診断パーキンソン病は 369 例で 321 例 87.0% が剖検により診断確定していた 考察 日本剖検病理輯報に記載された臨床診断は 専門医に限らず 一般内科医の診断も含んだ 日本国内での臨床診断の現状と解される その前提での正診率 87.0% は 英国運動障害専門医の 90% やフィンランド一般神経内科医の 75.3% に比して 遜色のないものであった 誤診 48 例の病理診断では 進行性核上性麻痺や血管性パーキンソニズム 多系統萎縮症が多く 諸外国と同様であったが 本邦では多系統萎縮症とアルツハイマー病が少ない傾向にあった

27 9 発症前 PSP と考えられる所見を認めた高齢者剖検例 1) 富山大学大学院医学薬学研究部法医学講座 2) 兵庫県立姫路循環器センター 3) 富山大学付属病院神経内科 西田尚樹 1 畑由紀子 1 吉田幸司 2,3 症例 死亡時 81 歳独居女性. 家族歴不明. 既往歴 特発性血小板減少性死斑病 ( 死亡 3 年前寛解 ), 白内障 (3 カ月に 1 度程度通院中 ). 現病歴 某日, 自宅こたつ脇で死亡しているのを発見される. 死亡 1 年前から独居だが, 生活に支障なかった. 認知症, 歩行障害等の指摘はなく, 前日まで通常通りの日常生活を送っていたのが確認されている. 剖検所見 全身に多数の皮下出血があり, 死亡直前に頻回な転倒があったものと考えられた. 骨折, 内臓器損傷はなかった. 神経病理所見 固定後脳重量 1190g. 脳表に出血, 損傷ない. 左大脳半球の軽度腫大あり. 割面にて, 左被殻を中心に新鮮な血腫を認め, 死因と考えられた. それ以外には軽度の黒質色素脱出を認めた. 組織学的には, 基底核, 脳幹を中心に脳内小動脈に中膜の消失, 膠原繊維への置換がある. 黒質に軽度の神経細胞脱落があるが, その他では不明瞭である. 大脳皮質を中心に多数の老人斑 ( CERAD C ) と大脳辺縁系の神経原線維変化 (NFT)(Braak 3) に加え, 視床下核, 中脳黒質, 赤核, 橋核, 下オリーブ核, 小脳歯状核に少数の NFT を認める. 赤核, 下オリーブ核では左側, 小脳歯状核では右側で相対的に多い. Stage 2 相当の argyrophilic grain を認める. 大脳皮質ではごく微量の neuronal thread のみ認められる. 全体的に astrocyte 内封入体は少なく, 嗜銀性を有する典型的な tufted astrocytes は視認されない. 考察 本例は, ごく少量ながら NFT が PSP 病変好発部位のほぼ全てに出現しており, 発症前 PSP (AGD+PSP) と判断した. 本例は発症前 PSP において, astrocytic pathology が乏しい症例が存在する可能性, NFT が早期から多中心性に発生している可能性, 少なくとも赤核 - オリーブ - 歯状核回路内では神経繊維連続依存性に病変の左右差が生じている可能性を示唆した. 診断の適否等ご教授いただければと存じます

28 10 すくみ足で発症し MRI で Swiss cheese striatum を呈した進行性核上性麻痺の一例 1) 愛知医科大学加齢医科学研究所 2) 名古屋市立大学大学院神経内科 3) 名古屋市立東部医療センター神経内科 池田知雅 1,2 山田健太郎 3 赤木明生 1 三室マヤ 1 宮原弘明 1 岩崎靖 1 松川則之 2 吉田眞理 1 症例 : 死亡時 76 歳, 男性. 家族歴なし. 現病歴 :X 年 1 月頃から歩行障害を自覚, 同年 4 月に悪化して神経内科を初診. 安静時振戦や四肢の固縮は認めず, 顕著なすくみ足と小刻み歩行があり, 動作が緩慢であった. 頭部 MRI で両側基底核に点状の高信号を認め, 右被殻にラクナ梗塞が増加していたことから, 血管性パーキンソニズム (VP) と暫定的に診断しアマンタジンとリハビリテーションで経過をみた. 同年 8 月に体動困難, 高 CPK 血症で入院し, 保存的治療で一旦症状は改善傾向であったが, 入院 6 日目病室において心肺停止状態で発見され全経過約 8 か月で死亡した. 全身解剖では急性膵壊死および後腹膜の血腫を認め, 急性膵炎が直接死因と考えられた. 神経病理所見 : 脳重は 1385g で, 肉眼的に前頭葉や脳幹, 小脳の萎縮は目立たず, 割面でも淡蒼球や視床下核に明瞭な萎縮は指摘できなかった. 黒質の褪色はあるものの青斑核の色調は保たれていた. 組織学的には黒質, 視床下核, 淡蒼球を中心に細胞脱落とグリオーシス,Globose 型の NFT を認め,Gallyas-Braak 染色,4 リピートタウ陽性の Globose 型 NFT,coiled body,tufted astrocyte, threads を認めた. 一方で大脳皮質や小脳歯状核の細胞脱落は目立たず, タウ陽性構造物の出現もごく少数であった. 被殻には多数の血管周囲腔の拡大を認め, 小軟化巣やラクナ梗塞も散見された.NFT Braak/AT8 stage II/III, 老人斑 Thal phase 2,CERAD B,CAA は軽度あったが,grain や αsynuclein 陽性構造は認めなかった. 考察 : 臨床的に VP が疑われたが, 病理学的には Pallidonigro-luysian type の PSP の初期像を呈し, 脳血管病変は軽度であった. 後方視的にみれば下肢の固縮を認めなかったことから lower limb parkinsonism というよりも pure akinesia であったと考えられ, 臨床病理学的に PSPpure akinesia with gait freezing (PAGF) / progressive gait freezing (PGF) と最終診断された. ただし PAGF や PSP-PGF の臨床診断基準においては VP が除外基準となっており, 病初期において両者を如何に臨床的に鑑別するか検討する上で重要な症例であると考えた

29 11 視床 基底核 中脳などに強い病変を示すタウオパチーの 1 剖検例 1) 川崎医科大学病理学 2) 鳥取医療センター臨床研究部 西村広健 1 小西吉裕 2 森谷卓也 1 67 歳男性, 死亡 2 年半前 :HDS-R 19/30,3 ヶ月後にパーキンソン症状出現 1 年半前から徐々に悪化, 仮面様顔貌, 四肢硬直, 小刻み歩行,dysdiaochokinesis, 注視方向への眼振あり, 失調や振戦なし, 反射正常で病的反射なし DAT Scan: 線条体集積低下,MIBG: 早 / 後期とも正常範囲内, その 3 ヶ月後に動作緩慢が強くなり食事困難 (HDS-R 13/30) MRI: 両側海馬 / 脳幹部萎縮 死亡 9 ヶ月前 : ベッドから起き上がりふらふらながら歩ける状態 徐々に全身状態が悪化し死亡 剖検所見 脳室拡大 / 海馬萎縮傾向, 黒質色素脱 / 青斑核は保たれる 淡蒼球に粗鬆化,foamy spheroid body(fsb) あり, 尾状核 / 被殻後方外側 / 視床 / 視床下部 / 扁桃核に gliosis, 視床下核は保たれる傾向 前頭側頭葉の一部に細胞脱落 /gliosis, 中心前回も粗鬆化 /gliosis あり 海馬は比較的保たれる傾向 黒質は細胞脱落著明,gliosis,FSB/ 類でんぷん小体が目立つ 中脳 / 橋被蓋に gliosis 迷走神経背側核は保たれる傾向 小脳は白質粗鬆化あり, 皮質 / 歯状核とも細胞脱落目立たず AT8: 海馬傍回に乏しく扁桃核に軽度 基底核 / 視床 / 脳幹部 ( 中脳被蓋, 黒質 ) に強く threads/dot/pretangle 様 線条体を含めて白質に threads 目立つ 大脳皮質の陽性所見は軽いが中心前回の陽性所見あり 小脳歯状核陽性 3R 陰性 /4R 陽性で,GB では神経細胞は一部嗜銀性を示す程度で threads/coiled body 様の陽性所見が主体 典型的な tuft/astrocytic plaque 無し αs,tdp43 陰性,Aβ Braak C PSP/CBD,GGT などを含めた 4R タウオパチー,PAKN などの可能性も考えたが, ご意見をお聞きしたい

30 *12 臨床的に CBS と診断され AD 病理を主所見とした tauopathy の一剖検例 1) 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学 2) 同脳神経内科 3) 近江八幡市立総合医療センター脳神経内科 4) 同病理診断科 高橋央 1,2 松尾宏俊 3 丹藤創 1 藤井ちひろ 2,3 細川洋平 4 伊東恭子 1 症例 症例は死亡時 68 歳, 女性.X 年初頭からもの忘れが出現し, 同年 2 月に初診. 意識は清明であったが, 失行と失書を認めた.MMSE は 25/30 点, 右上肢の筋強剛を認めた. 頭部 MRI で左優位の大脳皮質の萎縮を認め, 脳血流シンチグラフィー (IMP-SPECT) で左側頭頭頂部での血流低下を認めた. これらの結果から臨床的に大脳皮質基底核変性症 ( 以下,CBD) と診断した. 緩徐に病状は進行し X+3 年 3 月に胃瘻を造設した.X+9 年 11 月頃から腎機能が悪化した.X+10 年 3 月から尿量の減少があり, 全身状態が悪化して同年 4 月に死亡した. 全経過は約 10 年. 神経病理 脳重 850g. 肉眼的に, 前頭葉, 頭頂葉を中心とした左大脳半球優位の萎縮, 両側側脳室下角の開大と海馬の萎縮あり. 小脳, 脳幹及び脊髄の萎縮, 中脳黒質の有意な色調低下は認めない. 組織学的に, 高度の AD 病理を認め,Aβ 沈着の Braak ステ - ジ分類 C,CERAD score C,Thal 分類 Phase 4,Braak AT8 ステ - ジ VI であった. 大脳皮質に神経細胞脱落とグリオ - シス及び 5, 6 層を中心に ballooned neuron を認めた. 大脳皮質 白質, 大脳基底核, 視床に AT8 染色陽性の pretangle や多数の thread を認めたが 黒質の神経細胞脱落は軽度で, RD4 染色陽性の astrocytic plaque 様構造物が極少数みられた. 問題点 臨床症状は CBS に矛盾せず, 病理学的にも CBD に特徴的な左右差のある大脳皮質の萎縮や多数の thread や pretangle の出現を認めたが, 淡蒼球, 黒質の変性は比較的軽度で 高度の AD 病理を伴っていた. 病理学的所見, 診断及び臨床症状との相関について御意見を伺いたい

31 *13 痙性対麻痺を呈した新規 presenilin-1 遺伝子変異による家族性アルツハイマー病の剖検例 1) 京都大学医学部附属病院神経内科 2) 音羽病院神経内科 3) 日本赤十字社和歌山医療センター神経内科 4) 滋賀県立成人病センター研究所 5) 三重大学医学部付属病院神経内科 6) 京都大学医学研究科附属脳機能総合研究センター 7) 京都大学人間健康科学近未来型人間健康科学融合ユニット大井由貴 1,2 井谷理彦 1 長谷川華子 1 眞木崇州 1 葛谷聡 1 山下博史 1,3 綾木孝 1 山内浩 4 丹羽篤 5 高屋成利 6 岡田知久 6 李方舟 1 酒巻春日 1 澤本伸克 7 松本理器 1 池田昭夫 1 冨本秀和 5 髙橋良輔 1 症例 剖検時 43 歳男性 現病歴 36 歳に痙性歩行が出現した 38 歳には認知機能障害 巧緻性障害が出現 42 歳に自発性の低下により 経口摂取できなくなり 胃瘻造設 この際の神経学的所見では 意思疎通は困難で 口尖らし反射 手掌頚反射といった前頭葉徴候 四肢の筋力低下を認め 深部腱反射は著明に亢進し Babinski 反射を認めた MRI で海馬の萎縮に加え 大脳 小脳のびまん性の萎縮性変化を認め SPECT では大脳のびまん性血流低下を認めた 遺伝子検査で presenilin-1 の Exon12 p.g417s (c1249g>a) に hetero 変異を認めた 43 歳の時死亡し 遺族が剖検を希望され 脳脊髄の解剖を行った 家族歴 母は 30 歳で痙性歩行 38 歳より認知機能障害出現し 39 歳時に誤嚥性肺炎で死亡 現在 39 歳で生存中の弟も同様の臨床経過をたどっており 同じ遺伝子変異が確認された 剖検所見 固定後脳重 1400g 割面では 海馬の萎縮を認めた HE 染色で大脳皮質に広汎に cotton wool plaque を認めた 運動野も高度に変性しており Betz 細胞がわずかに残るのみで KB 染色では脊髄の錐体路の変性を認めた A β 免疫染色で 基底核 脳幹 小脳にも広汎に老人斑を認め 皮質には CAA も認めた AT8 での染色でも NFT を大脳 脳幹に広汎に認めた 一方 脊髄の灰白質へのリン酸化タウや Aβ の沈着は見られなかった リン酸化 α シヌクレイン染色で 黒質に脳幹型 Lewy 小体を認め 大脳には Lewy neurite が散見した 考察 本症例の特徴として 臨床的に痙性歩行で発病したことが挙げられる 原因として アルツハイマー病理による変性が 運動野にまで及び 一方で 脊髄前角の変性は軽度であったため 上位運動ニューロン兆候が目立ったと考えた また α シヌクレイン病理を合併したのも特徴的であった

32 14 Wearing-off 現象を認めた多系統萎縮症の 1 剖検例 1) 国立病院機構医王病院神経内科 2) おきの内科医院 3) 金沢大学大学院脳老化 神経病態学 ( 神経内科学 ) 石田千穂 1, 駒井清暢 1, 沖野惣一 2, 山田正仁 3 症例 死亡時 58 歳女性. 家族歴に類症なし. 現病歴 44 歳時, 右手の振戦を自覚し,A 病院にてパーキンソン病 (PD) と診断された.L-dopa にて振戦は改善, 徐々に内服は増量され,50 歳時, 歩行障害, wearing-off 現象が出現し,51 歳時には構音 嚥下障害, 動作緩慢, 四肢 体幹の筋強剛, 姿勢反射障害, 両側錐体路徴候を認め, 協調運動は左側で拙劣であった.54 歳胃瘻造設,55 歳喉頭気管分離術を施行,58 歳時死亡した. 頭部 MRI では発症 7 年で小脳萎縮を認め, 発症 9 年で橋十字サインと被殻外縁異常信号域が出現したが, 被殻外縁の扁平化はみられなかった. 123 I- MIBG 心筋シンチでは集積低下を認めた. 臨床診断は PD および多系統萎縮症 (MSA), 全経過 14 年. 神経病理所見 脳重 1135g, 前頭葉に軽度, 小脳に中等度, 脳幹に高度の萎縮を認め, 被殻の萎縮と色調変化, 黒質と青斑核の高度な退色, 小脳白質の色調変化とボリューム低下を認めた. 神経細胞脱落とグリオーシスは, 黒質で極めて強く, 被殻, 橋核, 下オリーブ核, 迷走神経背側核で高度, 青斑核, 小脳皮質, 脊髄中間質外側核で中等度認めた. 中小脳脚と小脳白質には高度, 下小脳脚と錐体路には中等度の変性所見を認めた. リン酸化 α -synuclein 陽性 glial/neuronal cytoplasmic inclusion, neuronal nuclear inclusion が広範囲に分布し, 心筋の tyrosine hydroxylase 陽性神経は減少していた.Braak stage II, AT8 stage II, Saito stage II, Lewy 小体なし, 老人斑なし,1C2 陽性封入体なし. 考察 本症例はパーキンソン症状を主症状とし,Ldopa が有効で wearing-off 現象を認めながら,MRI では被殻異常所見が乏しく,PD との鑑別や合併が問題となったが, 病理学的には MSA であり,PD の合併はなかった. 本症例の臨床像は, 黒質変性 > 被殻変性の病理像を反映したものと考えられた

33 15 前頭葉, 側頭葉に著明な萎縮を認めた経過 18 年の多系統萎縮症 1) 名古屋第二赤十字病院脳神経内科 2) 東名古屋病院脳神経内科 3) 愛知医科大学加齢医科学研究所 大羽知里 1 榊原聡子 2 安藤孝志 3 安井敬三 1 吉田眞理 3 症例 症例は死亡時 68 歳の女性. 特記する既往, 家族歴なし. 現病歴 50 歳時, 歩行時のふらつきを自覚し受診. 失調と排尿障害, 起立性低血圧を指摘され, 頭部 MRI で脳幹の萎縮と橋に cross bun sign を認め,MSA-C と診断された. 失調と起立性低血圧が増悪し,2 年後には寝たきりとなった.5 年後には胃瘻造設, 気管切開を施行. 単語の発音も困難であった. その後はレスパイト入院を繰り返し自宅にて長期介護していた. 某日, 朝の栄養注入時には著変ないことを確認されていたが, その 1 時間後に心肺停止状態で発見され, 死亡した. 神経病理所見 脳重量は 920g. 肉眼的に前頭葉, 側頭葉の萎縮, 脳幹, 小脳の高度な萎縮を認めた. 割面では, 大脳白質は高度に萎縮し軟化していたが, 内包の有髄線維は比較的残存していた. 基底核は高度に萎縮し, 脳幹部は橋底部と中小脳脚, 小脳は皮質, 白質の強い萎縮を認めた. 組織学的には, オリーブ橋小脳系, 線条黒質体系いずれにも高度な神経細胞脱落を認めた. 橋被蓋, 延髄被蓋, 小脳歯状核には多数の a-synuclein 陽性の GCI,NCI を認めた. 大脳皮質は辺縁系を中心に神経細胞脱落を認め, 残存する細胞に多数の NCI を認めた. また, 腹腔交感神経節に a-synuclein 陽性の Lewy 小体,Lewy neurite を認めた. 左室前壁の交感神経線維の軸索は高度に脱落しており, 少数の a-synuclein 陽性像も認めた. 考察 MSA には長期経過例で前頭葉, 側頭葉に広範囲に NCI の出現を認める 1 群があり, 本例もその 1 例と考えられる. また, 末梢自律神経系に Lewy 小体の出現を認め, 心臓交感神経の変性も認めたことから,MSA の末梢自律神経系への広がりを考える上で貴重な 1 例と考えられるため, 報告する

34 16 側坐核に高度な TDP-43 病理を認めた筋萎縮性側索硬化症の 1 例 1) 徳島大学病院神経内科 2) 東京都健康長寿医療センター神経病理 〇和泉唯信 1 〇松原知康 2 瓦井俊孝 1 野寺裕之 1 村山繁雄 2 梶龍兒 1 症例 死亡時 70 歳男性 既往歴 胃十二指腸潰瘍 家族歴 同症者なし 現病歴 2014 年 7 月から右手の筋力低下が出現し右上肢全体の筋力低下に波及した さらに左上肢の筋力低下が続いた 2015 年 5 月に当科を受診した 初診時神経学的所見 握力 5/7kg 徒手筋力検査で両上肢に近位優位の筋力低下を認める 下肢は正常 深部腱反射は上肢低下 下肢正常で病的反射なし その他に異常所見なし ALSFRS-R 44/48 HDS-R 18/30 MMSE 23/30 FAB 12/18 BAD 型の筋萎縮性側索硬化症 (ALS) と考えリルテック エダラボンを投与したが上肢の筋力低下が著しく進行した 2017 年に構音障害 嚥下障害 呼吸苦も生じ頚部および下肢の筋力低下が顕著になった 同年 5 月自宅で死亡した 神経病理学的所見 固定前脳重 1,330g 肉眼的に後索の選択的保存を認め 前頭葉 側頭葉の萎縮を認める 組織学的には 脊髄前角 Ⅶ Ⅻ 神経核の高度な神経細胞脱落を認める Bunina 小体も認める Betz 巨細胞は比較的保たれているが 少数の neuronophagia を認める 非運動ニューロンでは 側坐核 中隔 対角核 扁桃体 移行嗅内野に高度なグリオーシスを認める 抗リン酸化 TDP-43 抗体免疫染色では変性部位に一致して多数の細胞質内陽性所見を認め 前頭葉 側頭葉 海馬にも細胞質内陽性所見を認める 老年性変化はいずれも軽微である 考察 全経過 35 ヶ月の経過で進行した ALS の症例 上位および下位運動ニューロンの脱落とリン酸化 TDP-43 の蓄積に加え TDP-43 病理が側頭葉を中心として大脳新皮質にも広範に拡がっており 臨床症状と合致する さらに 側坐核 対角核 中隔に特に高度なグリオーシスとリン酸化 TDP-43 の蓄積を認める点が特徴的な症例であった

35 17 多巣性運動ニューロパチーと臨床診断され 剖検で ALS と診断した高齢女性 1) 名古屋第二赤十字病院神経内科 2) 名古屋大学神経内科 3) 愛知医科大学加齢医科学研究所 植松高史 1 両角佐織 1 安井敬三 1 加藤隼康 2 吉田眞理 3 症例 症例は死亡時 85 歳女性 既往歴はうつ病 高血圧症 家族歴なし 現病歴 2006 年に転倒後両上肢の痺れがあり A 病院整形外科を受診し頚椎症性脊髄症と診断され 左上肢のしびれ感のみが残存した 2011 年頃から首下がりが生じ 2014 年から下肢遠位筋力低下による歩行障害 右手で包丁が握れないなど上肢遠位の筋力低下を来し A 病院神経内科に入院した 神経伝導検査で脱髄型の障害と抗 GM1 IgM 抗体の陽性を認め 多巣性運動ニューロパチーと診断された 4 回の γ グロブリン大量静注療法 (IVIg) を行ったが臨床的な改善は見られなかった 2015 年に独居困難となり施設入所した 2017 年に全身の浮腫と血圧低下で当院に救急搬送され 輸液 経管栄養 利尿薬投与にて治療するも胸水貯留による呼吸不全と血管内脱水が進行し 5 日目に死亡した 神経病理所見 脳重量は 1150g 外表からは粗大な病変はなく中心前回の萎縮はなかった 割面では海馬傍回 後方海馬の軽度萎縮を認めた以外は 大脳皮質 白質は保たれ 基底核 視床は著変がなかった 脊髄は C5/6 C6/7 で扁平化を認めた 前角細胞は頚髄で中等度 腰髄は軽度の脱落を認めた 頚髄前角に ptdp-43 陽性封入体を認め 腰髄前角で central chromatolysis が目立った 黒質の神経細胞の高度脱落と青斑核の中等度脱落を認めた Braak PD stage とは合わず 扁桃核 黒質優位の変性が特徴であった 考察 本例は 82 歳で発症し 病理学的に上位運動ニューロンの変性が軽度で後索変性を伴う非典型的な ALS であり 貴重な 1 例であるため報告する Lewy 小体病の合併はうつや首下がりと関係があると考えられた

36 *18 在宅看取りから病理解剖を実施した筋萎縮性側索硬化症の 1 例 1) 近江八幡市立総合医療センター神経内科 2) 同病理診断科 3) 近江八幡市蒲生郡医師会 ( 久我内科医院 ) 4) 滋賀県立総合病院神経内科 5) 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病 理学 松尾宏俊 1 細川洋平 2 久我正文 3 小林勇吾 4 安藤 功一 4 長谷川浩史 4 高橋央 5 丹藤創 5 5 伊東恭子 症例 症例は死亡時 76 歳, 男性. 現病歴 X-7 年 11 月頃から両上肢の脱力が出現し,X 6 年 2 月に他院の神経内科を受診. 神経学的には, 体幹及び右下肢での線維束収縮と腱反射の亢進を認め, 針筋電図の所見と合わせて, 筋萎縮性側索硬化症 ( 以下,ALS) と診断された. X 4 年 4 月に気管切開術を行い, 同年 6 月, 人工呼吸器を接続した状態で在宅療養に移行. 同年 9 月の当院の臨時入院以降, 当院を救急受診することはなかったが, 他院にレスパイト入院した際に糞便イレウスを併発した X 年 8 月末に自宅で死亡. 全経過は約 6 年 9 か月. 遺体を当院まで搬送して全身病理解剖を実施した. 神経病理学的所見 新鮮時脳重 ( 小脳脳幹を除いて )1,130g. 肉眼的に脊髄前根の萎縮を認めた. 組織学的には, 大脳皮質運動野の Betz 巨細胞の脱落を認めるものの, 脊髄側索の変性は軽度だった. 一方, 脳幹運動核及び脊髄前角での下位運動ニューロンの脱落は顕著であった. 更に仙髄の Onuf 核で神経細胞の脱落を認めた. TDP-43 に対する抗体を用いた免疫組織化学染色にて, 残存した神経細胞の細胞質内に封入体を認め, 神経病理学的にも ALS と診断した. 考察 本例は人工呼吸器の管理下で 7 年近い長期の経過をたどった ALS であるが, 病理像では, 脊髄側索が保たれており, 上位運動ニューロンの変性の病態が特徴的だった. 仙髄 Onuf 核の神経細胞の脱落については, 既報にもあるように膀胱直腸障害を裏付ける所見と考えられ, 本例の晩年に認められた糞便イレウスの合併はこの所見に対応するエピソードと考えられた. 在宅での看取りからの剖検が実施できたことの意義を踏まえ, 文献的考察を加えて報告する

37 19 認知機能障害で発症し 言語障害 パーキンソニズムを呈した FTLD- TDP type A の 1 例 1) 愛知医科大学加齢医科学研究所神経病理部門 2) 小山田記念温泉病院神経内科 岩崎靖 1 森恵子 2 伊藤益美 2 川合圭成 1 赤木明生 1 三室マヤ 1 宮原弘明 1 吉田眞理 1 症例 死亡時 78 歳男性 既往歴 家族歴 特記すべきことなし 現病歴 記銘力低下で発症し 易怒性も目立った 発症 3 年後の MRI で左側頭葉萎縮 脳血流シンチで左側頭葉の血流低下を認めた 発症 5 年頃から自発性低下 口唇傾向 身体を上下にゆする不随意運動 発症 6 年頃からパーキンソニズムを認め 自発語は減少した 経口摂取が減少し 発症 10 年目に胃瘻造設 全経過 13 年で心不全のため死亡 神経病理所見 脳重 860g 前頭側頭葉に目立つ左優位の大脳萎縮を認め 小脳 脳幹もやや萎縮していた 前頭側頭葉皮質の第 2 3 層優位にグリオーシスと神経細胞脱落を認めた 固有海馬は保たれていたが 海馬支脚に高度変性を認めた Betz 巨細胞は中等度に脱落 被殻に高度変性を認め 尾状核の変性はやや軽かった 淡蒼球外節 視床内側核にグリオーシスを認め 淡蒼球内節 視床外側核 視床下核 脳幹 小脳は比較的保たれていた 脊髄の錐体路変性を認め 前角細胞は軽度脱落していたが Bunina 小体は認めなかった 抗リン酸化 TDP-43 抗体による免疫染色で 大脳皮質に多数の short dystrophic neurite(dn) を認め neuronal cytoplasmic inclusion (NCI) は多くなかったが 歯状回顆粒細胞に NCI を認めた 神経原線維変化は少なく (Braak NFT stage 1) 老人斑は認めなかった 考察 初期には behavioural variant of frontotemporal dementia(bvftd) を呈し 次第に progressive non-fluent aphasia (PNFA) とパーキンソニズムを呈した 前頭側頭葉と被殻の強い変性を認める FTLD-TDP の病理像を呈し DN 主体の所見から type A と考えた 錐体路 海馬支脚の変性は高度であったが 下位運動ニューロン変性は軽かった

38 *20 長期の経過で著明な大脳萎縮を伴った FTLD-TDP の一剖検例 1) 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学 2) NHO 舞鶴医療センター神経内科 3) NHO 舞鶴医療センター臨床研究部 丹藤創 1 高橋央 1 水原亮 2 木村正志 2 結城奈津子 2 吉岡亮 2, 3 伊東恭子 1 症例 死亡時 80 歳女性 現病歴並びに経過 60 歳時に進行性の言語障害で発症し 2 年後に他医で ALS と診断された 69 歳で当科を初診 気管切開 胃瘻造設状態で 簡単な指示には眼球運動で応じた 四肢麻痺状態で 両側の錐体路徴候 両側の背側骨間筋に軽度の筋萎縮を認めた その後 locked-in 状態となった MRI では前頭側頭葉優位の著明な大脳萎縮と脳室拡張を認めた 肺炎により死亡 全経過を通じて人工呼吸器装着はなかった 神経病理所見 脳重は 870g 肉眼的に著明な脳室拡張 大脳皮質 白質の菲薄化を認めた 組織学的には 大脳皮質全層にわたり高度の神経細胞脱落 グリオ - シス 白質に髄鞘の淡明化及び CD68 陽性マクロファージの浸潤がみられた 比較的少数ではあるが リン酸化 TDP- 43 陽性の神経細胞質および突起内封入体が海馬歯状回顆粒細胞層 海馬支脚 前頭葉 側頭葉 後頭葉 運動野など広汎な領域で観察された (type 2) リン酸化 α シヌクレイン リン酸化タウ (AT8) 免疫染色では 凝集封入体は陰性 錐体路は高度に変性し 大脳脚 延髄錐体及び脊髄側索 前索の軸索脱落を認めた 脊髄前角 舌下神経核の神経細胞脱落 グリオ - シスを認めたが 顔面神経核 動眼神経核 滑車神経核は比較的良く保たれていた 脳幹 脊髄ではブニナ小体や TDP-43 陽性封入体陰性 黒質や青斑核 小脳歯状核の神経細胞は保たれていたが 小脳プルキンエ細胞 顆粒細胞の局所的な脱落があり また 右基底核に小梗塞巣を認めた 考察 約 20 年の経過の ALS としては 脳幹 脊髄病変は軽度であり 少数であるが海馬顆粒細胞層や大脳皮質に TDP-43 陽性細胞の広範な出現を認めた FTLD- TDP を疑うが 前頭側頭優位の高度の大脳萎縮と脳室拡張は この診断で説明可能か御意見を伺いたい

39 *21 上位運動ニューロン症状で発症した神経細胞性中間径フィラメント封入体病 (NIFID) の一剖検例 関西医科大学附属病院脳神経内科 村上綾 中村正孝 隠岐光彬 中村芳美 金子鋭 日下博文 症例 死亡時 63 歳男性 家族歴なし 現病歴 57 歳頃から構音障害を認め 次第に嚥下障害が出現した 58 歳時には右上下肢の痙性麻痺が出現するも 頭部 MRI は正常で 針筋電図でも異常はなかった その後 右上肢の線維束攣縮 左上下肢の痙性麻痺と共に垂直眼球運動制限 仮面様顔貌といった錐体外路症状も出現し 発語不能となった しかし言語理解は良好で 情緒面も安定しており仕事もできていた その後仮性球麻痺が進行し 強制泣きや強制笑いも出現するようになり 頭部 MRI では進行性に大脳萎縮を認めた 59 歳時には自発性の低下 感情表現の平板化が進みほぼ寝たきりの状態となり 60 歳時には経管栄養となった 63 歳時に左尿管癌からの大量出血で死亡した 神経病理所見 脳重量は 1120g 固定後割面では 前頭葉の著明な萎縮 橋 延髄の萎縮を認め 尾状核 被殻 淡蒼球の萎縮 変色が著明で 前頭葉白質も変色していた 組織学的に Betz 巨細胞の高度脱落と錐体路変性を認めたが 下位運動神経細胞の脱落は軽度であった 前頭葉 尾状核 被殻 黒質の高度の神経細胞脱落 淡蒼球の中等度の神経細胞脱落も認めた 淡蒼球と黒質に多数の FUS 陽性の神経細胞内封入体 (NCI) 及び α- インターネキシン陽性の NCI を認め 神経細胞性中間径フィラメント封入体病 (NIFID) と診断した 考察 本例は 臨床的には上位運動ニューロン障害が先行し その後前頭側頭型認知症を呈した 病理学的には 前頭葉及び基底核 錐体路に高度の変性をきたし 既報告の NIFID の病理学的特徴と合致していた NCI は広範囲に認めたが 萎縮の高度であった淡蒼球と黒質に多数認め 既報告で NCI が多いとされる前頭葉や海馬にはほとんど認めなかった 文献的考察を加えて報告する

40 22 神経サルコイドーシスによる中枢神経血管炎と考えた 78 歳男性例 1) 山口大学大学院医学系研究科神経内科学 2) 山口県立総合医療センター神経内科 佐藤亮太 1 松尾欣也 1,2 尾本雅俊 1, 神田隆 1 症例 78 歳男性 既往歴 糖尿病 主訴 左視野障害, 頭痛 現病歴 2016 年 6 月から視野の左側が歪んでみえるようになり,7 月から頭痛が持続するため,8 月に近医脳神経外科を受診した. 頭部 MRI で右後頭葉に T2WI 高信号域がみられ, 脳腫瘍が疑われた. 頭痛が増悪するため, ベタメタゾン 2mg/day の内服が開始された.8 月下旬に精査目的に当科に入院した. 現症 JCS1 桁, 脳神経では左視野障害以外に異常なし. 四肢の粗大な筋力は保たれ, 感覚障害や小脳性運動失調はなかった. 両下肢で腱反射が低下していた.HDSR 12/30 点. 検査所見 血液検査では特記事項なし. 脳脊髄液検査では蛋白上昇 (282mg/dl),sIL-2R 高値 (790U/ml), 細胞数の増加 (24/ μl) を認めた. 末梢神経伝導検査で伝導ブロックを含む脱髄所見があり, 気管支肺胞洗浄液で CD4/8 が 3.1 であった. 画像所見 頭部 MRI で右側頭後頭葉の皮質と白質に T2WI 高信号域があり, 軟膜に造影効果を認めた. 全身 CT ではリンパ節腫大はなかったが, 肺門部リンパ節には PET-CT で FDG の集積が亢進 (SUV max 6.6) していた. 大脳病変の FDG や MET の集積は亢進していなかった. 右後頭葉生検 多くの血管で多核巨細胞, リンパ球, 好酸球の浸潤がみられ, 一部の血管で fibrinoid necrosis がみられた. 免疫染色では B 細胞は血管周囲に限局し,T 細胞は血管周囲に加えて脳実質にも浸潤していた. 非乾酪性類上皮肉芽腫はなかった. 考察 本例は組織学的に非乾酪性類上皮肉芽腫を証明できなかったが, 中枢神経に血管炎をきたし, 末梢神経に伝導ブロックを伴う脱髄がみられたことから, 神経サルコイドーシスである可能性が高いと考えた.IVMP 療法とシクロホスファミドパルス療法に加えて,PSL と MTX の内服療法で再発なく経過している

41 *23 遠位型筋ジストロフィーとの鑑別を要し 筋病理で慢性ミオパチー型サルコイド筋炎と診断した一例 京都府立医科大学大学院医学研究科神経内科学 上田哲大 辻有希子 安池博美 滋賀健介 水野敏樹 症例 52 歳男性家族歴なし 現病歴 35 歳で肺サルコイドーシスと診断され 無治療で経過観察していた 30 歳代後半より右上肢の挙上しにくさを自覚した 48 歳から歩きづらくなり 49 歳からつま先立ちが困難となった 徐々に症状は進行し階段昇降が困難となった 52 歳で精査目的に入院 神経学的には右優位の両側翼状肩甲を認め 両側大胸筋 両側下腿三頭筋の顕著な筋力低下がみられた 血液検査では CK 566 U/L と上昇し ACE と sil2r は正常範囲内で抗 ARS 抗体や抗核抗体は陰性であった 心サルコイドーシスの所見は見られなかったが 眼科診察ではサルコイドぶどう膜炎が疑われた 筋超音波検査では両側下腿三頭筋 大腿二頭筋 外側広筋に筋萎縮と脂肪変性があり 右外側広筋より筋生検を施行した 筋病理所見 HE 染色で筋線維の大小不同 ( 直径 μm) を認め ほとんどは丸みを帯びていた 肥大した線維では中心核が増加していた 少数の壊死再生線維あり 筋周膜と筋内膜周囲の間質成分の増大あり 炎症性単核球は筋周膜 および筋内膜への浸潤を認めた 非乾酪性肉芽腫 ( 中心部は CD4 CD68 陽性 周囲は CD8 陽性 ) をごく少数認めた ゴモリ変法染色では 縁取り空胞や赤色ぼろ線維と断定できる所見はなし ATPase 染色では typeⅡb 線維の萎縮が目立った ジスフェルリン染色では欠損なし 考察 本例では慢性進行性の筋疾患の臨床経過であり 障害筋の選択性 ( 特に下腿三頭筋 ) がみられることから 遠位型筋ジストロフィーが疑われた しかし 筋病理では非乾酪性肉芽腫を認め 肺サルコイドーシスの既往とサルコイドぶどう膜炎の所見を伴うことから 慢性ミオパチー型サルコイド筋炎と考えた 臨床診断のみでは鑑別が困難であり 筋生検が診断に大きく寄与し 治療方針の決定に影響した 比較的稀な疾患であり 文献的考察を加えて報告する

42 *24 自己免疫性溶血性貧血の治療中に進行性多巣性白質脳症 (PML) を発症した 1 剖検例 1) 京都第二赤十字病院病理診断科 2) 東京医科大学人体病理学分野 3) 京都府立医科大学大学院医学研究科分子病態病理学 渡邉侑奈 1 桂奏 1 宍戸- 原由紀子 2 3 伊東恭子 症例 65 歳 女性 現病歴 死亡約 6 年前に自己免疫性溶血性貧血と診断され 同年よりステロイド治療を開始され その後も長期に渡りステロイド治療が継続されていた 死亡約 8 か月前に意識障害を発症し その後 髄液検査で JC virus(jcv) DNA が検出され MRI 画像でも右小脳半球から中小脳脚 橋にかけて異常信号が見られたことと併せて病変の主座が典型的ではないが PML を否定できないと考えられ 免疫グロブリン補充療法を行い反応性改善が見られた その後原疾患悪化に対して Rituximab の投与がなされ 溶血は改善したものの神経活動性の改善は見られず その後除皮質硬直肢位が固定化 発語困難となり 呼吸状態が悪化し死亡した 神経病理所見 脳重量は 1288g 固定後割面では 小脳において歯状核が不明瞭となっており 組織の脆弱性が見られたが 中脳 橋 延髄 大脳皮質 白質には肉眼的に著変がなかった 病理組織学的には 小脳白質 一部小脳皮質 中脳 橋 延髄に多発性の脱随巣が見られ リンパ球浸潤を伴う部位もあった 脱随巣および近傍には封入体 (full inclusion dot-shaped inclusion) を有する oligodendrocyte や astrocyte bizarre astrocyte が見られ これらは免疫組織化学 in situ hybridization (ISH) で JCV 陽性を示した 大脳ではこれらの病変を指摘できなかった 考察 近年 自己免疫性疾患や分子標的薬治療を背景に発症した PML 例が報告されており 本症例もこれに当てはまると考えられる 本症例は生前より JCV DNA が検出され さらに剖検脳において免疫組織化学 ISH で JCV が証明された貴重な症例であり 病変の主座が典型的な大脳になかったことも非常に興味深い これらの点について詳細な病理学的所見に若干の文献的考察を含めて報告する

43 25 画像 病理 遺伝子解析で悪性リンパ腫が疑われた 高度炎症細胞浸潤を伴う予後良好な進行性多巣性白質脳症 (PML) 1) 東京医科大学人体病理学 2) 同脳神経内科 3) 同脳神経外科 4) 国立感染症研究所ウイルス第一部第三室 5) 東海大学医学部基盤診療学系病理診断学 宍戸 - 原由紀子 1 大原万里恵 1 松林純 1 中道一生 4 中村直哉 5 相澤仁志 2 秋元治朗 3 長尾俊孝 1 背景 進行性多巣性白質脳症 (PML) は JC ウイルス (JCV) 感染による脱髄脳症で 宿主の免疫能低下に伴い JCV が再活性化して発症する 1980 年代 AIDS 合併症として症例数が増加し HAART 療法が施行されると 免疫再構築症候群 (IRIS) が新たな問題となった 近年では 多発性硬化症の治療に伴う PML 発症が深刻な問題であるが 早期診断と炎症のコントロールができれば 良好な予後も期待できると言われている 今回 皮膚筋炎合併の PML で 悪性リンパ腫類似の高度炎症反応を伴った症例を経験したので報告する 症例 72 歳女性 皮膚筋炎でステロイド治療中 パソコン操作ができなくなった 頭部 MRI で 左前頭葉の腫瘍様病変と 造影効果を伴う T2/FLAIR 高信号の斑状病変が認められ 悪性リンパ腫または膠原病関連血管炎の疑いで 脳生検が施行された 病理組織では T 細胞 B 細胞 形質細胞の高度浸潤があり 遺伝子解析で CD4>CD8 PCR で TCRβ IgH に clonality が示唆されたことから 悪性リンパ腫の疑い と暫定報告された MTX 大量療法を 2 コース施行し 画像と臨床症状は軽快した しかしその後 脳生検検体から JC ウイルス 10,000 copy/cell が検出 病理所見が見直され 免疫組織化学と in situ hybridization で JC ウイルス感染細胞が多数検出されたことより PML の確定診断となった 予後良好で 外来 follow 中 考察 予後良好な PML では 宿主炎症反応を伴うことが知られているが T 細胞系 B 細胞系の clonality が示唆された報告はない 本例では ウイルス抗原特異的なリンパ球細胞が出現し 免疫応答を担っていたと考えられる 一方 過剰な免疫応答 (fatal PML-IRIS) は致死的であることから 今後 脳生検では炎症の質と量を評価することが重要と思われた

44 26 脳腫瘍が疑われ摘出されたが 病理学的に Grocott 染色陽性構造物や多核巨細胞を伴う壊死性肉芽腫を認めた一例 1) 金沢大学脳老化 神経病態学 ( 神経内科学 ) 2) 金沢大学脳神経外科 〇松原慶太郎 ¹ 島綾乃 ¹ 坂井健二 ¹ 岩佐和夫 ¹ 山田正仁 ¹ 木下雅史 ² 中田光俊 ² 症例 59 歳男性 尋常性白斑症 甲状腺機能亢進症 慢性副鼻腔炎の既往あり 現病歴 X-1 年 6 月に徐々に増悪する頭部全体が締め付けられるような頭痛と 37 度台の発熱を認めた 血液検査では特に異常は指摘されず解熱鎮痛剤が処方されたが症状は改善しなかった 7 月には 38 度台の発熱を認めたが 近医での血液検査で異常は指摘されなかった 頭部 MRI の FLAIR 画像で右側頭葉に内部が結節状 (9 4mm) の低信号で 周囲が高信号を呈する病変が認められ 造影 MRI ではリング状に造影効果を呈する病変を複数認めた 頭部 CT では石灰化を疑う高吸収域を認め 乏突起膠腫が疑われた 脳脊髄液検査では IgG index の上昇や オリゴクローナルバンドを認めたが 各種真菌抗原は陰性で ADA の上昇は認めなかった 経過で頭蓋内病変は増大しなかったが X 年 5 月に右側頭葉病変摘出術が施行された 神経病理所見 肉眼的に病変は周囲よりやや白黄色に変化し やや固い性状を示していた 白黄色にみられた部位の HE 染色は多核巨細胞を伴う壊死性肉芽腫が認められ その周囲の脳実質及び血管周囲には炎症細胞の浸潤を認めた 一部の軟膜にも炎症細胞浸潤を認めた 免疫染色では B 細胞が血管周囲に集簇し T 細胞は血管周囲 脳実質ともに集簇していた Grocott 染色で球状に黒染する構造物や 細胞内に砂粒状に黒染する構造物 一部に菌糸状の構造物を認めた しかし Grocott 染色にて陽性になった構造物は HE 染色 PAS 染色 KB 染色 Ziehl-Neelsen 染色では確認出来なかった 考察 本症例は発熱と頭痛にて発症し 右側頭葉を主体に多発性の脳実質病変が認められた 壊死性肉下種形成などの病態の原因として 病理所見から真菌感染症を疑ったが病原体は特定出来ていない

45 *27 脳生検後に臨床診断した抗 GABAa 受容体抗体陽性脳炎の 1 例 1) 兵庫県立姫路循環器病センター神経内科 2) 富山大学附属病院神経内科 〇吉田幸司 1,2 寺澤英夫 1 清水洋孝 1 上原敏志 1 喜多也寸志 1 症例 症例は 76 歳女性で既往症に悪性リンパ腫と食道癌がある 現病歴 急性発症の頭痛および右上肢のミオクローヌスで当科へ受診した 頭部 MRI では右側頭葉に病変を認めた アシクロビルや初回のステロイドパルス療法には効果が無く 痙攣性てんかん重責状態を合併したことから抗てんかん薬も併用したが 緩徐に無言無道状態となった為 臨床診断が難しく 右頭頂葉の開頭脳生検を行った その後 発症約 2 ヶ月後に自然経過で徐々に症状および画像所見が改善し 短文の会話は可能となった 同時期に抗 GABAa 受容体抗体が陽性であることが判明し 経過や脳生検病理も含めた各種検査所見の結果も併せて抗 GABAa 受容体抗体陽性脳炎と診断した 病理所見 同一の脳回内において 正常に近い組織像を呈する部位と 強い変化を認める部位が比較的明瞭な境界をもって連続している 後者では基質の粗鬆化 軽度から中等度の海綿状態に加えて強い反応性星細胞の増生を認める 神経細胞の層性構築は失われ 細胞体の腫大 核の偏在 極性の消失なども顕著であった 明らかな炎症所見や脱髄性所見は認めず 腫瘍性病変も疑われなかった 考察 抗 GABAa 受容体抗体陽性脳炎は稀な疾患だが治療可能な疾患であり 臨床診断が重要である 本発表時点で抗 GABAa 受容体抗体は迅速な測定が行えず 本例の様に診断に迷う症例では生検による病理診断が有用となる可能性があるが 本疾患の病理所見についての報告は少ない 既報告でも その病理所見はグリオーシスや血管周囲のリンパ球浸潤といった非特異的所見の報告のみである 本例の病理所見では異常部位と正常部位の境界が明瞭であった点と 神経細胞脱落が軽度であった点が特徴的であり 本疾患を徴表する病理所見である可能性がある 今後 更なる症例の集積が必要である

46 28 肺癌治療後 小脳失調を示した 73 歳 男性 福祉村病院神経病理研究所 橋詰良夫 赤津裕康 兼坂岳志 小川倫弘 菱田知恵 死亡時年齢 73 歳 性別 男性 臨床診断 肺癌 傍腫瘍性神経症候群 現病歴 2016 年 4 月腰痛を主訴に近医を受診し 左肺下葉に結節影を認めたために 浜松の病院の呼吸器科受診し 肺癌と診断された 8 月から嘔気 ふらつきが強くなり 転倒することが出てきた 9 月に入り亜急性に進行する四肢 体幹失調と衝動性眼球運動 手指の企図振戦あり 9 月 8 日同病院の神経内科入院となった 髄液検査では細胞数の微増 蛋白正常であった 脳 MRI では脳全体の萎縮と脳室拡大 拡散強調画像で前頭葉と頭頂葉の皮質高信号あり 傍腫瘍性神経症候群による亜急性小脳変性症が疑われた 入院後 嘔気 嘔吐があり 次第に見当識障害 構音障害が出現してきた 治療不能と判断され 11 月 28 日当院入院となった 経口摂取不可で中心静脈栄養開始となった 発熱 喀痰増加 呼吸不全進行し 2017 年 12 月 6 日死亡された 神経病理所見 脳重量 1290g 肺癌による髄膜癌腫症で髄膜への高度の腫瘍細胞の浸潤 大脳皮質へのびまん性の血管周囲性の腫瘍細胞の浸潤 小脳溝 小脳皮質への浸潤とプルキンエ細胞 顆粒細胞の脱落 腫瘍細胞の浸潤に伴う皮質の循環障害 限局性の壊死と石灰沈着 神経根障害による後索変性 全身臓器では肺癌 ( 左下葉原発 中分化腺癌 ) 転移 : 肺 胸壁 横隔膜 肝に認めた まとめ 臨床的には肺癌治療後 小脳失調を示し 傍腫瘍性神経症候群が疑われたが 病理所見は肺癌による著明な髄膜癌腫症の所見であった

47 29 病理学的に MM1+MM2- 皮質型と診断したクロイツフェルト ヤコブ病の 1 例 1) 安城更生病院神経内科 2) 愛知医科大学加齢医科学研究所神経病理部門 加藤博子 1 岩崎靖 2 安藤哲朗 1 赤木明生 2 三室マ ヤ 2 宮原弘明 2 吉田眞理 2 症例 死亡時 82 歳女性 既往歴 糖尿病 高血圧 現病歴 視覚異常で発症し 認知機能障害が急速に進行した 発症 1 ヶ月後の MRI 拡散強調像で大脳皮質に高信号を認め CJD が疑われた 髄液の総タウ蛋白と 蛋白は高値を示し RT-QuIC 法陽性だった 脳波で周期性同期性放電は認めなかった 歩行や経口摂取が困難となりつつあった発症 2 ヵ月後に急死 無動性無言状態に至っておらず ミオクローヌスも軽度だった 全身病理所見 心タンポナーデ 左室前壁に心破裂の所見を認めた 神経病理所見 脳重 1100g 肉眼的に大脳萎縮は軽度で 小脳 脳幹は保たれていた 割面では側脳室の拡大は軽度で 大脳皮質 白質 基底核 視床 海馬は保たれていた 組織学的には大脳皮質 線条体 小脳皮質に小型で境界明瞭な海綿状変化 (fine vacuole) を広範に認めたが グリオーシスや肥胖性アストロサイトの増生は軽く 神経線維網の粗鬆化や神経細胞脱落は明らかでなかった 大脳皮質の一部に 大型で癒合する海綿状変化 (large confluent vacuole) の混在を認めた 免疫染色では 大脳皮質や線条体 視床 小脳皮質などに広範な PrP 沈着を認め fine vacuole を呈する部位は 微細顆粒状のシナプス型沈着 (synaptic-type) large confluent vacuole を呈する部位は 空胞周囲に強い沈着 (privacuolar-type) を認めた PrP 遺伝子解析で変異を認めず codon 129 は Met/Met だった プロテアーゼ抵抗性 PrP のウエスタンブロット解析は 1 型 PrP を示した 考察 本症例は神経病理学的に MM1+2 皮質型と診断したが ウエスタンブロット解析では 1 型 PrP のみが検出された このような症例の分類については一定のコンセンサスがなく 今後の議論が必要である

48 *30 頭頂部脳瘤における Radial Glia 遺残を有する過誤腫様脱出脳組織の Sox-2 免疫組織化学的検索結果の追加報告 1) 西洞院仏光寺クリニック病理診断科 2) 愛仁会高槻病院病理診断科 3) 同小児脳神経センター 岡部英俊 1,2 伊倉義弘 2 岩井康博 2 原田敦子 3 宇都宮秀綱 3 我々は第 43 回の本会にて 手術切除された頭頂部の過誤腫様ヘルニア脳組織に多数の basal radial glial cell (brg) の遺残を伴う症例について報告したが その後の追加免疫組織化学検索により 新たな知見を得たので追加報告する 症例 ) 生後 1 日男児 ( 手術時 ) 家族歴なし 現病歴 ) 在胎 22 週に 超音波検査にて左後頭部に脳瘤が認められ 34 週 6 日目の胎児 MRI にて大脳半球の Asymmetry と左後側頭部脳瘤が認められた 出生時の事故回避のため 37 週 5 日に古典的帝王切開にて子宮体部を切開し 頭部より分娩された 脳瘤以外の奇形無く体重 2,666g で Apgar Score 9/10 であった 生後 1 時間で脳瘤の一部を切除して頭頂部の骨欠損部を閉鎖した その後軽度の水頭症が認められたため 10 日目に VP Shunt を設置して 生後 33 日で退院したが 退院時までに特別な運動機能異常は認めなかった 羊水染色体検査では異常はみとめられていなかった 神経病理所見 ; 前回報告したとおり 脱出脳組織全体が比較的構築の乱れが乏しい Hypercellular な領域と小型類円形の未熟神経細胞蜂巣と細胞密度の低いより小さい Glia の蜂巣からなる奇形腫様の領域からなりこれらの領域には GFAP, Nestin, Vimentin 陽性の長い Mono- または Bi-polar の突起を有する basal radial glia(bgr) の特徴的な分布様式が認められた 今回胎児 brg のマーカーである Sox-2, Pax-6 を追加検索した結果 Sox-2 が bgr のみならず 神経細胞蜂巣周囲に多数みられ 奇形的な領域の小さい疎な Glia の蜂巣にも陽性所見が認められたものの PAX-6 陽性細胞は全く認めず bgr の分化異常の存在が伺えた また 神経細胞の形態は Hypercellular な領域と Hamartomatous な領域では大きくことなっていたが いずれの領域でも Tbr-1 陽性の Cortical Projecting Neuron への分化の兆しのあるものが多数認められ 両部位での神経細胞の形態の差異は分化の方向性の違いよりも 成熟度の違いが大きい要素であると推定された

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