身体平衡学レポート

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1 2011 年度 文京学院大学 ブラッシュアップ 1 年コース 発表会抄録 平成 24 年 1 月 8 日 文京学院大学 0

2 発表会次第開会 10:00 発表 第 1セッション 10:05~10:40 発表 7 名 5 分 10:40~11:20 ポスターディスカッション 第 2セッション 11:20~11:55 発表 7 名 5 分 11:55~12:35 第 3セッション 12:35~13:15 発表 7 名 5 分 13:15~13:55 閉会修了式授与 13:55 発表順序は次ページ通りとします 発表には質疑応答はありません パワーポイントファイル (WIN) で 4 分で発表をお願いします 朝 8 時半から 9 時半の間にこちらで用意するパソコンにパワーポイントのファイルを入力して ポスターを定められた位置に貼ってください ポスターはおおよそ縦 180cm 横 90cm 以内といたします 小さい分には構いません 1

3 第 1 セクション 第 2 セクション 第 3 セクション 2

4 脳梗塞後遺症の症例に対して荷重位でのアプローチ効果千鳥橋病院青木尚子 はじめに 今回 荷重感覚を重視したアプローチで効果が得られたので考察をふまえて報告する 尚 症例には十分な説明を行い同意が得られている 症例紹介 70 代男性現病歴 : 屋内で転倒後 左腰部痛出現 既往歴 : 糖尿病 陳旧性脳梗塞 ( 右麻痺 ) X 線所見 : 第 1-2 腰椎椎体減尐入院前生活 : 妻と 2 人暮らし 屋内伝わり歩行自立 屋外杖歩行監視レベル 理学療法評価 入院時全体像 : 基本動作修正自立 杖歩行軽介助 ~ 監視レベル 姿勢戦略の特徴として重心は常に非麻痺側後方に偏倚しており 麻痺側の大腿筋膜張筋や腓腹筋の緊張が高く後方へのモーメントに対して体幹前屈や頭部固定 上肢外転にて姿勢を保持している 歩行においては 視覚は下方を固視し Wide Base となっている 疼痛 : 左腰方形筋の収縮時痛 圧痛 BrunnstromStage:Rt 上肢 Ⅴ 手指 Ⅵ 下肢 Ⅴ Ataxia:R 鼻指鼻 test+ 踵膝 test+ 感覚検査 : 表在 深部共に正常 ROM:( 肩関節 ) 屈曲 R80 L90 ( 体幹 ) 伸展 10 / 回旋 R10 L20 ( 股関節 ) 屈曲 R100 L100 / 外旋 R20 L30 / 内旋 R5 L10 ( 足関節 ) 背屈 R-20 L-10 GMT: 上肢 4 下肢 4 体幹 2 姿勢筋緊張 :( 低緊張 ) 両側腹横筋 内外腹斜筋特に右大殿筋 外旋筋群 ヒラメ筋 Functional reach test: 立位前方 3cm Time up&go:21.37 秒 40m 歩行 :58.07 秒 問題点 # 二関節筋優位の動作戦略 # 股 関節 足関節バランス戦略低下 # 体幹 股関節 足関節 ROM 制限 # 左腰部痛 治療目標 荷重位で足底からの固有受容感覚情報を基にした股関節 足関節バランス活動を獲得することで 立位安定性限界幅の拡大や杖歩行自立獲得を目標とする 治療アプローチ # リラクゼーション # 座位での下方リーチ動作課題 #Prone Standing# 歩行訓練 変化点 入院 ~1 ヶ月後変化点のみ記載全体像 : 杖歩行監視 ~ 自立レベル 立位において 足関節制御範囲が広がり 特に前後方向への安定性限界の幅の広がりが見られる それに伴い 歩行では歩行スピードの向上と歩幅の増加が見られる 疼痛 : なし ROM: 足関節背屈 R-10 L0 Functional reach test: 立位前方 11cm 40m 歩行 :43.92 秒 考察 今回 転倒により腰部痛を呈し片麻痺後遺症を合併している症例を担当した この症例は二関節筋の活動を強めることで常に伸展パターンでのバランス戦略となり 特に足関節背屈での重心前方移動が困難であった そこで 座位にて屈曲パターンコントロールの促通と足関節やヒラメ筋へ固有受容感覚情報の入力を高めるアプローチを行った 次により荷重位で股関節の活動を活性化する目的で Prone Standing で頭部や体幹伸展の代償を除き 足関節の動きに伴った股 膝関節の協調的な運動を引き出した 1 ヶ月後 立位前後方向の重心移動幅拡大 歩行自立 歩行スピードの拡大が得られた しかし 股関節や体幹の回旋運動が乏しく 方向変換を伴った歩行変化が得られず今後の課題となった 0

5 心大血管術後患者の姿勢アライメント変化に対する徒手的介入が, 肺活量回復に与える影響社会医療法人石心会川崎幸病院浅田浩明 背景 目的 心大血管術後における呼吸器合併症の重要なリスクファクターとして肺活量低下が挙げられる. 今回, その一因として術後姿勢アライメント変化を考慮し, 徒手的介入による肺活量回復の効果を検討した. 方法 対象 2011 年 10 月 ~12 月の間に待機的に胸骨正中切開での心大血管手術を施行し, 術前後に呼吸機能検査が可能であった 15 例を対象とし無作為に 2 群に分類した. 群内訳は術後に当院で通常行っている, 腹式呼吸およびインセンティブスパイロメトリによる深呼吸訓練を行った群 ( 通常群 ; 男性 7 名, 女性 3 名, 年齢 75±7 歳 ) と, 通常訓練に加え徒手的に小胸筋ストレッチと姿勢調整を行った群 ( 介入群 ; 男性 3 名, 女性 2 名, 年齢 73±2 歳 ) とし, 術後 7 日目と 14 日目の肺活量および術前比を比較した. また介入群では, 介入効果として前後での肺活量および術前比も検討した. 肺活量は slow vital capacity(svc) を採用し, FUKUDA DENSHI 社製 SPIROSIFT SP310 を用いて測定した. 結果 肺活量( 図 1), 術前比 ( 図 2) ともに通常群と介入群間に有意差は認めなかったが, 介入群がより改善傾向にあった. また介入前後の比較でも同様に肺活量 ( 図 3), 術前比 ( 図 4) ともに有意差は認めなかったが, 介入後がより改善傾向にあった. 考察 今回, 対象数が 15 例と非常に尐数 での比較検討であり有意差を生じなかった ものと思われるが, 結果の傾向としては全 検討において姿勢アライメントに対する徒 手的介入は効果的であったと考える. また, 肺活量, 術前比ともに術後 1 週目より介入 の有無による差が生じており,2 週目では さらに拡大している. 一般的に, 術後超急 性期では術操作に伴う肺損傷や無気肺とい った肺自体の問題や, 疼痛による換気抑制 が肺活量減尐の要因と考えられているが, 今回の結果は術後数日より姿勢アライメン ト変化による影響が出現していることを示 唆しており, より早期からの理学的介入が 必要であると考える. 図 1 図 control stretching pre 1w 2w before after 1w 2w 図 3 図 w before after 1w control stretching 2w 2w 1

6 膝蓋骨のクリック音消失を目指して帰巖会みえ病院安藤隆一 はじめに 受傷機転が明確でない右膝前部痛を訴える症例である 症状としては両側スクワット時の疼痛 および膝蓋骨周囲の礫音である 症例 40 代男性 現病歴 11 月第 1 週目から深屈曲時の疼痛出現 第 2 週目から歩行時のクリック音が認められた 運動療法開始時所見 X 線所見 FTA :179 整形外科疾患テスト ober test : 陽性 膝蓋内側プリカテスト : クリック音 (+) plica stutter test : クリック音 (+) 形態測定 大腿周径 5cm R:42.5cm L:44.0cm Craig test R:15 L:10 Q-angle R:20 L:15 果部捻転評価 R:20 L:10 疼痛検査 両側スクワット 55 ~60 付近にかけて膝蓋骨直上の大腿直筋部に疼痛 (+)(VAS3) 姿勢観察 背臥位: 右肩峰前方突出 左腸骨挙上 右膝関節内旋 右脛骨外旋 立位 : 右肩峰挙上 左腸骨挙上 骨盤後傾 右脛骨外旋 右足部外転 フォワードランジ: 荷重時右 knee in 歩行 : 立脚中期 ~ 後期にかけて左骨盤の下制を伴いながら下半身重心が左に変移する 膝蓋骨周囲にクリック音 (+) 問題点 #1: 右大腿内旋 下腿外旋アライメント #2: 右内外側広筋の筋委縮 #3:Q-angle の増加 治療 ストレッチ( 大腿筋膜腸筋 腸脛靭帯 etc) 膝蓋骨周囲リラクセーション 殿筋群筋力増強運動 考察 滑膜ヒダに対するテストの結果から膝蓋内側滑膜ヒダの肥厚が考えられた また大腿骨前捻 脛骨外捻による Q-angle の増加から膝蓋骨は外方変位しやすい状態である 膝蓋内側滑膜ヒダのインピンジメントは 30~45 の屈曲位で起こりやすい 1 ) これらのことから膝蓋骨のクリック音は右大腿内旋 下腿外旋アライメントから起こっていると考えられた また両側スクワットでの疼痛について 市橋によると両側スクワット時の膝関節 60 では内側 外側広筋の筋活動が増加する 2) という よって内外側広筋の筋力低下が大腿直筋の負荷を増大させ 疼痛が生じると考える 右膝関節外旋を改善することにより 他動的な膝蓋骨運動に伴うクリック音が認められない 治療の流れは膝蓋骨周囲の柔軟性を高めてから 下肢アライメントを整えるようにしている 実施直後は疼痛の軽減 クリック音の軽減がみられることから継続してアプローチを実施している 参考文献 1)Tal Sznajderman, et al :Medial Plica Syndrome. IMAJ.Vol 11:54-57,2009 2) 市橋則明, 他 : 筋力低下に対する運動療法の基礎. 理学療法ジャーナル第 38 巻第 9:

7 トレーニングマシンを使った遅筋線維トレーニングで治療し得た一症例軽井沢リハビリテーションクリニック井口正史 はじめに 当クリニックでは慢性疼痛に対しトレーニングマシン (HUR 社 ) を使った低負荷 (40~50RM で 30 回 ) での遅筋線維へのトレーニングを行っている 今回 手首の酷使により狭窄性腱鞘炎になった症例に対しトレーニングを実施し良好な成績を得たので報告する 症例紹介 43 歳 女性 平成 23 年 2 月より右橈骨茎状突起付近に疼痛が出現 家事動作や 仕事に支障を感じた為 6 月に当院を受診した Eichhoff Test 陽性で右橈骨茎状突起部と長母指外転筋に圧痛 また前腕 手 手指関節に疼痛による可動域制限を呈し ドゥケルバン病 橈側手根伸筋腱炎と診断された 主訴は母指 手関節の動作時痛 HOPE は 仕事や日常生活に支障がないようになること 疼痛の軽減である 治療経過 症例は平成 23 年に左乳癌によりリンパ節摘出術を行い 左上肢浮腫軽減目的で行っていた自己マッサージや家事 仕事である郵便物の仕分けになどより右手を酷使していた為 疼痛が発生した これに対し 右上肢を中心に徒手療法等を行った 結果 可動域改善 圧痛軽減の即時効果はみられた しかし理学療法実施後 2 日 ~3 日後には実施前の状態に戻っていた そこで 日常動作や仕事動作に着目した 特徴として体幹回旋時に同側肩関節による代償があり 股関節内 外転では対側骨盤代償 ( 右 < 左 ) がみられた 歩行時には右 IC 時に右骨盤墜落があり その代償として 右肩甲骨挙上によって立ち直りを行っていた これらから 左側腹部の支持性の低下による代償であると判断した このことから支持性を向上させ 全身バランスを整える目的でトレーニングマシンを使った低負荷でのトレーニングを開始した 種類として Twist Rehab Hip Adduction Hip Abduction Leg Press を行った トレーニングでは 他部位での代償がないよう指導しながら行った 実施後 歩行 回旋動作時の肩による代償は無く 右手首の動作時痛 可動域制限も消失した また実施後の持続効果も得られた その後 週 1 回を 1 ヶ月続け 仕事や日常生活に支障がなくなった為 リハビリテーション終了となった 考察 遅筋繊維は姿勢保持筋に多い また特徴として収縮速度は遅いが酸化酵素活性が高いため疲労しにくい性質をもっている この遅筋繊維に対してのトレーニングとして無酸素性作業閾値 ( 以下 AT) レベル内で行うべき言われている 先の報告により 35%~45%MVC が AT レベルになり RM では 40~50RM にあたる 症例は左側腹筋の支持性低下を肩による代償で姿勢保持するため 上肢への力伝達が低下していた このことが右手首の酷使を起こしたと考察し 自然な姿勢保持を獲得のため遅筋繊維が十分に活動する負荷 (40~50RM で 30 回 ) でのトレーニングを行った この効果として支持性が増したことで全身バランスが良くなり 補償の為に動員されていた筋が解放されることで上肢への力伝達も増し 手首への負担が減ることによって疼痛も消失し また日常生活の中で姿勢が整ったことで持続効果が得られた 3

8 精神機能が ADL に与える影響 医療法人研水会高根台病院 石田まい はじめに 今回 生活意欲が低下してい た患者様が院内生活に関心を向け生活を再 構築していく過程に携わる事が出来たため 報告する 症例紹介 年齢:90 代半ば性別 : 女性 診断名 : 変形性腰椎症 (H17) 既往歴 : 大腸癌 食道カンジダ症 喘息 生活歴 : 農家の生まれ 仕事は奉公や製作 所に勤務 結婚後 二人の子供を授かる H20 年に施設入所 ADLはある程度行え ていた H22 年に食欲不振で受診し 活動 量低下 その後 当院入院となる 面会頻度 : 月に 1~2 回程度 精神 認知機能 : 初期 現在 NM-S 12 点 28 点 HDS-R 14 点 19 点 会話 架空と現実の内容が混合 首尾一貫性なし 自発話も尐ない 自発話も多く見られ 内容に適切な返答を行う 悲観的言動多い 見出しなみ 意識せず 離床時に自ら行う 離床意欲 離床への動機付けが低く実施困難 適宜離床可 職員に 起きたい と伝える 感情 日により興奮し 他者を受け入れられない 時々気分の落ち込みあるが概ね安定 FIM FIM:37 点 FIM:58 点 介入 会話より 1 家に帰れないこと 2 介助なく生活できないことへの不安が強 いと感じた また 悲観的言動が多い中で 過去の話しは表情が緩み記憶が鮮明に想起 されていた そこで 患者様の経験を教え て頂きつつ行える低負荷の課題 ( 端坐位で の色塗り ) を選択した また 孤独感の軽 減を目的に頻繁に足を運び世間話等の声掛 けを行った 経過 色塗りの完成物が増えると 葉の 色味 などの知識も披露され始めた 3 ヶ 月頃より悲観的言動は減尐し あんたと書 いた絵 夜起きた時に見てるよ などの発 言あり しかし あんたのいない時間は寝 てるしかない 等病棟生活に関心が向かな い様子であった その後点滴自己抜去し経 口摂取となると離床機会増加し 離床に必 要な身支度を可能な範囲で行うようになっ た 最近は 床屋はいつ来るの と病棟職 員に尋ねたり ナースコールを使用するよ うになっている また どうすれば上手く 生活していけるだろう と生活していく上 での悩みを口にされている BM ADL は 移乗 入浴動作以外に協力があり 介 助は必要ながら以前より院内生活に適応し ている 考察 今回の介入で 会話を亣えて作業 を行い 自身の知識を他者に教える事で生 活歴を再認識する機会になり その中で具 体化された悩みを他者に打ち明け不安が軽 減したと考える 結果 現在の生活を受け 入れ 精神的余裕が出来た事から残存機能 を活かせるようになり ADL が向上したと 考える 謝辞 今回 発表に際しご協力いただい た患者様とご家族様 またこのような機会 を与えて頂いた先生方に感謝いたします 4

9 肩甲帯 胸郭への着目腰椎椎間板ヘルニアへのアプローチ 鹿沼整形外科小田智也 はじめに 外来において腰椎椎間板ヘルニアと診断され下肢がしびれるという症例をよく診る. 今回の症例は受傷機転が珍しく, 初めは腰椎椎間板ヘルニアによる疼痛 痺れと考え理学療法を行なっていたが, 結果が出ず再考し理学療法を行なったので報告する. 症例紹介 60 歳代女性. 今年 10 月中旪に腰に違和感が出現し同月 31 日に針治療を加療. 翌日から右殿部に疼痛と下腿後面 ~345 足指, 母趾に痺れ出現.11 月 14 に当院を受信し腰椎椎間板ヘルニアの診断で理学療法処方. 主訴は長く歩けるようになりたい. 評価 静止立位時に痺れが出現し, 坐位において痺れは出現しない. 後屈時に疼痛がみられ, 後屈の際に痺れが増強することはなかった.SLR+(45 ),MMT 正常, 感覚下腿後面 ~345 足指, 母趾鈍麻. ケンプテストにおいて痺れが増強することはなかった. 左矢状面上における立位姿勢は大転子に対して肩峰が後方に位置している. 経過 理学療法初日に胸郭に対してアプローチを行い, 後屈時の疼痛消失, 痺れは軽減するものの残存.2 週にわたり胸郭に対するアプローチを行ない歩行距離が増加するものの, 痺れの軽減には至らず.3 週目からウエイトシフトによるアプローチを行うと, 歩行距離の増加と痺れが軽減した. 考察 初期評価の際に, 姿勢の影響と歩行観察から肩甲帯に着目した. 歩行では左肩甲骨の動きが出にくいために, 左立脚中期 ~ 後期にかけての前方への推進力を背筋群で得ている. そのため, 第 肋骨の動きが悪くなり機械的ストレスが腰部に加わり疼痛と痺れが出現していると考え肩甲骨と胸郭に対してアプローチを行なった. 結果, 理学療法後は痺れが軽減するものの効果は持続せず. 再考 本症例は針治療の影響があり, 特に左殿部への意識が強くある. 触れるだけでも痺れが出現することから意識していることによって左大殿筋が促通され, 過剰に収縮が入っていると考える. このことから左立脚中期 ~ 後期にかけての推進力を背筋群と左大殿筋の過剰収縮で行なっているもの考える. さらに胸郭の動きが低下していることから, 左立脚中期 ~ 後期にかけての右への重心移動がうまく行なえていないと考え, 過剰収縮の軽減, 重心移動改善, 胸郭可動性を出すために下肢の影響を除いた坐位での右へのウエイトシフトを行なった. 結果, 歩行距離の増加と痺れ軽減がみられ, 効果が持続している. おわりに 今回の症例は下行性の問題と上向性の問題があるために, 胸郭の可動性が低下している. 胸郭の中に上半身重心が存在しており, 可動性が低下しているということは上半身重心移動も制限されている. さらに肩甲骨の動きは胸郭の可動性によって左右されるため, ウエイトシフトすることによってそれぞれの動きが改善されたと考える. 5

10 歩行右ヒールコンタクト時に右大腰筋の疼痛が生じた変形性股関節症の一例田中整形外科小野克也 はじめに 変形性股関節症( 以下 : 変股症 ) への保存療法における理学療法の効果ついてガイドラインでは 短期的効果はあるが病期進行予防効果については不明 ( 推奨 GladeI) とされている しかし外来理学療法では 年齢 生活背景 患者希望を考慮し 保存療法を選択 継続してフォローする事が多い 日々の臨床の中で 変形の進行した時期の理学療法の役割は 手術の可能性を考慮して 出来る限り希望する生活を獲得し 継続する為の支援を行う事と考えている 今回 歩行右ヒールコンタクト ( 以下 :HC) 時に右大腰筋の疼痛を生じた変股症患者を担当した 現生活の継続に向け 変形進行抑制と 変形の結果生じた股関節 胸郭 体幹の筋インバランスについて着目しアプローチした結果を報告する 尚 症例に対し発表の旨説明し同意を得た 症例 既往に慢性腰痛 2009 年に右股関節炎がある 60 歳代女性 2011 年 3 月歩行時右股関節前面痛の訴えで当院受診 右変股症 ( 進行期 ) の診断を受けた X P 所見では臼蓋形成不全は認めず 右股関節上方に裂隙の狭小化 腰椎前弯減尐していた 股関節可動域は右側伸展 内転 0 内旋 5 と屈曲 外転 外旋拘縮を生じていた 疼痛は右 HC 時に股関節前面に生じ (Numeral Rating Scale7/10) 運動検査で右大腰筋の遠心性収縮時に再現 大腰筋は体幹部の触診で圧痛が確認された 立位姿勢は骨盤後傾 右大腿骨頭前方偏位 腰椎 前弯減尐 下部体幹右側屈 右回旋 上部体幹左側屈 右回旋した体幹右シフト位で重心は右後方偏位していた 姿勢筋緊張は右大腰筋 右腰部脊柱起立筋 左胸部脊柱起立筋 右腰方形筋が過緊張 右優位に腹横筋 腰部多裂筋 大殿筋 中殿筋が緊張低下し 股関節 体幹の筋インバランスを生じていた 胸郭は右回旋 右肋間開大 左狭小化し 左優位に肋間柔軟性低下 歩行は右立脚期 Duchenne 様 右 HC に右体幹前方移動が遅延し 右後方重心であった 理学療法戦略法 本症例の変形は慢性腰痛 骨盤後傾姿勢から 大腿骨頭の前方被覆率が低下し変形を生じた secondary hip-spine syndrome と考えられた 本症例は長年の体幹機能低下と 変形により生じた体幹右シフト位 右後方重心の不良立位姿勢を取っていた この姿勢により 歩行右 HC において右体幹前方移動が遅延し 大腰筋の過度な遠心性収縮による体幹の制御を余儀なくされ 疼痛出現に至ったのではと考えた アプローチは股関節周囲筋力練習の他 股関節 胸郭 体幹筋インバランス改善目的に肋間柔軟性練習 右腰方形筋 体幹伸筋ストレッチ 右外腹斜筋 体幹深部筋練習を施行 自主練習は呼吸筋 坐位左シフト 胸部左回旋練習を指導した 結果 体幹右回旋 右後方重心姿勢の改善により 歩行右 HC における体幹前方移動遅延が改善し 大腰筋の疼痛は消失した まとめ 本症例は 根本である体幹の不良姿勢に対しアプローチする事で良好な結果を得た 変形した経過を正確に推測する事により 現状の ADL 改善と 股関節変形進行の抑制が可能となり 希望する生活を継続する事に繋げる事が出来ると考えた 6

11 足関節拘縮を呈した症例に対する理学療法士としての関わり大分中村病院紙谷浩喜 はじめに 足部に拘縮があり 歩行時に疼痛を訴える症例に対して 運動療法と併せて自作のインソールを作製し使用したところ 患者の疼痛改善を認めた 症例の歩行と疼痛について評価 治療行ったので若干の考察を亣え報告させて頂く 症例紹介 診断名左内果開放粉砕骨折 左膝蓋骨骨折 左腓骨頭骨折 左第 4 5 中足骨頭骨折 左膝窩部 大腿前面内側部 下腿内側部 足部内側挫滅創現病歴平成 22 年 5 月 20 日 15tトラックに左後方から轢かれ受傷 同日中足骨部の観血的骨接合術施行 6 月 10 日 7 月 6 日に左足部内側に対して皮膚移植を施行 6 月 24 日 ベッドサイドにて理学療法開始 主訴歩けない 足がぐらぐらする歩いてる時に腰 足 膝が痛い 歩行観察 立脚初期 : 足底接地 踵骨の内反動揺立脚中期 : 膝過伸展 lateral thurst 立脚後期 : 腰椎過伸展 骨盤後方回旋 疼痛部位 立脚初 ~ 中期 : 内果部 膝窩部 鵞足部立脚後期 : 第 5 中足骨底 距腿関節前方 仙腸関節部 理学療法評価 左足関節背屈自動 (-)10 他動 0 の尖足 踵骨は 10 の内反拘縮位 立位にて左側方へ重心移動を行うと 左踵骨内反動揺が出現し股関節内転位保持が困難 立位で右下肢を前方に step すると左側の踵骨内反動揺 距骨外転 脛骨の外旋 大腿外転 内旋 左寛骨前傾 左骨盤後方回旋を呈し 鵞足部 仙腸関節部の順に疼痛が再現された 左鵞足筋 左仙腸関節には圧痛が存在し 歩行時の疼痛と似ているとのこと 距骨下関節回内 距骨の内転介助を行うと脛骨の過外旋が抑制され 第 5 中足骨部以外の疼痛は全て即時的に消失した 逆に距骨下関節回外 距骨外転を誘導すると疼痛が増悪した 考察 立脚期 足部の背屈は距骨下関節回内を伴う 本症例は左距骨下関節の回内が制限されており 左距腿関節の背屈が制限され 左下腿は外旋位となる 下腿は前方移動も制限されるため反張膝が出現し 脛骨の前内側に付着する鵞足筋は過度に伸張されると思われる 前方へ推進力を得る為 股関節伸展を強めようとした結果 左寛骨の前傾が過度に生じ左仙腸関節の疼痛が出現したと考える 足底装具 踵骨の内反に対して 外側ウェッジとフレアヒールを併用 尖足に対して踵骨部に 8 mmの補高を行った 距骨下関節回内誘導として横足根関節レベルの横アーチの修正を行った 第 5 中足骨部に過度の荷重を確認したので除圧した インソールは足袋型のサポーターに挿入して使用した 装着することで すべての疼痛は改善した 7

12 屋内歩行の獲得に向けて ~ 立位バランス能力に着目して~ イムス板橋リハビリテーション病院清田経子 はじめに 本症例は退院後 日中は独居となるため 屋内歩行の自立が必要となる しかし 方向転換や歩行開始時に麻痺側後方へバランスを崩しやすく転倒リスクが高い為 自立に至っていない状態である 立位バランス能力は歩行能力に影響があるとされており 今回 立位バランス能力の向上により歩行能力が向上すると仮説を立て 立位バランス 歩行能力の評価を中心に行った 評価に対して 2 週間アプローチを行い 再評価を行ったので考察を加え報告する 症例紹介 73 歳女性診断名 : 皮質下出血 ( 右片麻痺 ) 現病歴 :H23 年 7 月 7 日心筋梗塞発症同月 11 日皮質下出血発症 Need: 屋内歩行自立 (4 点杖 AFO 使用 ) BRS: 下肢 Ⅳ 筋緊張 : ハムストリングス 下腿三頭筋 内転筋 亢進 ROM:( R/L)( 単位 : ) 股関節伸展 15/20 股関節外転 20/45 膝関節伸展 -5/-5 足関節背屈 10/20 高次脳機能 :HDS-R 27/30 点注意障害 方法 立位バランス能力は重心動揺計 ( アニマ社製 G650) と Functional balance scale( 以下 FBS) で評価を行った 歩行能力は 10m 歩行速度と歩行分析で評価を行った 問題点 治療アプローチ 立位バランス能力低下の原因として姿勢保持筋である腸腰筋 大殿筋 大腿四頭筋の出力低下により股 膝関節伸展位での立位保持が困難で前後方向への動揺が見られていた またステップ動作において大 中殿筋の出力低下により ハムストリングス 内転筋 下腿三頭筋の筋緊張亢進が見られていた そこで腸腰筋 大 中殿筋 大腿四頭筋の筋出力低下が立位バランス能力低下の原因と考え アプローチを行った アプローチは短縮筋のストレッチを行い 筋の伸張性の改善を図った また Kneeling などの CKC 運動を中心に腸腰筋 大 中殿筋 大腿四頭筋の促通 膝 股関節からの感覚入力を行った 結果 立位バランス能力に関しては 外周面積が cm 総軸跡長が cmと重心動揺に改善が見られた FBS は 点と向上が見られた 歩行能力に関しては 10m 歩行速度が 秒と歩行速度の向上が見られた また歩行分析から 麻痺側立脚期の延長や 麻痺側遊脚期の内転筋 下腿三頭筋の筋緊張の低下により歩隔が拡大し 歩容の改善が見られた 考察 今回 立位バランス能力の向上により歩行能力が向上すると仮説を立て 評価を行い 立位バランス能力低下の原因と考えられる事に対してアプローチを行った その結果 立位バランス 歩行能力ともに向上が見られ 両者の関連性が示唆された しかし Need である屋内歩行の自立は達成されておらず 今後も立位バランス能力に着目し 治療を継続していきたい 8

13 癌患者に対して我々はどう関わることができるか? 大船中央病院黒岩澄志 はじめに 癌は本邦では昭和 56 年から死因の第 1 位であり 2 人に1 人は癌に罹患し 3 人に1 人は癌により死に至ると言われている 現在は 早期診断 早期治療など医学技術の進歩もあり 癌の死亡率は年々減尐傾向にある しかし 癌患者は治療 治癒への不安 疼痛 治療中の嘔気 倦怠感などの副作用や活動性の低下 退院後は自宅での生活や社会復帰の問題 再発への不安と長期にわたって身体的 心理的にストレスが生じている その身体的 心理的状態を十分に把握 認識したうえで 機能的 動作能力的 心理的に低下した身体の状態を尐しでも維持 改善しようと働きかけることが重要であると思われる このなかで今後 癌の治療の過程で生じた身体障害 心理障害に対してのリハビリテーションの必要性は高まると思われる 実際 平成 22 年度よりがん患者リハビリテーション料が算定可能となっている 今回 私なりに癌患者に対し理学療法を行うに当たり心がけていることをまとめることとする < 全身状態に考慮しながら可能な範囲内で身体機能の維持 向上を図る> 癌患者は 癌の進行により徐々に痩せていき 体力がなくなり衰弱していく悪液質 (cachexia) の状態となる また 治療による副作用でも衰弱していく これにより活動性低下に伴う廃用症候群を引き起こす 原因となる 廃用症候群はさらに cachexia を加速させる因子となり 負の連鎖を引き起こす このため 可能な範囲で身体機能の維持 向上を図り 二次的な障害を招かないように心掛ける < 苦痛の緩和を図る> ここでいう苦痛とは身体的苦痛 ( 疼痛 全身倦怠感 嘔気など ) だけでなく社会的苦痛 ( 役割喪失 孤独など ) 精神的苦痛( 不安 抑うつ 否認など ) といったものまで含む 理学療法手技だけでなく時には傾聴 励ましといった心理的サポートも必要である < 全身状態が悪化しても可能な限り寄り添う> 状態が悪くても患者や家族は生活や予後に希望を持っている それらを支え一緒に目標に向かって取り組むセラピストの存在は 大きな意味があると思われる 身体機能だけでなく患者や家族への心理的効果にも目を向け 全人的苦痛の軽減につながるよう心がける おわりに 当日は 私の臨床経験のなかで印象に残っている1 症例を提示します 一見 難しいテーマのように思えますが 癌患者に対して治療を行っていない先生にもプラスになるような発表会にしたいと思っております 宜しくお願い致します 9

14 肩関節周囲炎の症例発表 ~ 胸郭 脊椎のアライメントに注目して~ 医療法人財団梅田病院鈴木章規 はじめに 肩関節周囲炎は肩関節の拘縮と痛みを主症状とする機能障害の総称である. 発症のきっかけは明らかな外傷, 腕を使っている最中に何となく, 全く不明等種々である. 私は肩関節周囲炎の治療にあたり, 肩甲骨 肩関節周囲筋の筋力強化 柔軟性の向上を図る理学療法をおこなってきたが思ったような治療効果が得られない事が多くあった. しかし, 胸郭 脊柱アライメントの崩れに注目し, 修正 安定化を図る理学療法を施行する事により治療効果の向上が認められたので発表したいと思う. 目的 肩関節周囲炎により右肩関節に疼痛を呈する症例に対して胸郭 脊柱アライメントの崩れに注目し, 修正 安定化を図る理学療法を施行し, シングルケース研究法により効果検証をおこなった. 症例 年齢:30 代. 性別 : 男性. 趣味 : テニス.Hope: 痛みをなくし, またテニスをしたい. 診断名 : 右肩関節周囲炎. 現病歴 :1 年程度前テニスをしている時に違和感があり, そのままにしていて症状が悪化し当院に来院し理学療法を開始する. 本症例は初期評価時, テニスのサーブ動作で三角筋前部線維に Numerical Rating Scale( 以下 NRS) で 10, 大胸筋胸骨付着部に NRS で 8, 肩鎖関節付近に異音が認められた. 静的評価で胸郭 脊柱のアライメントの崩れ, 肩関節 ( 屈曲 2nd 外旋 外 転 ), 頸部 ( 屈曲 回旋 側屈 ), 体幹 ( 屈曲 回旋 側屈 ) に Range Of Motion( 以下 ROM) 制限が認められ, 動的評価で体幹の安定性低下が認められた. 方法 治療期間:H ~12.2. 治療頻度 : 週 2 回. 治療時間 :40 分. 治療内容 : 胸郭 脊柱のアライメントを修正, その後, 体幹安定性向上の為, 腹腔内圧を一定に保ちながら運動をおこなった. 結果 初期評価時にあった胸郭 脊柱のアライメントの崩れ, 肩関節 ( 屈曲 2nd 外旋 外転 ), 頸部 ( 屈曲 回旋 側屈 ), 体幹屈曲 回旋 側屈 )ROM 制限, 体幹の安定性低下に改善が認められた. テニスのサーブ動作であった三角筋前部線維, 大胸筋胸骨付着部の疼痛は消失した. しかし, 肩鎖関節付近にある異音の軽減はしたが消失は認められなかった. 考察 本症例は胸郭 脊柱にアライメントの崩れ, 体幹安定性の低下をきたしていた為, 右肩関節にストレスがかかり三角筋前部線維, 大胸筋胸骨付着部に疼痛, 肩鎖関節付近に異音を呈したものと考えられる. 胸郭 脊柱のアライメントを修正し, 体幹安定性を向上する事により, それをコントロールする身体部位の筋肉や神経系の機能が良好となり疼痛消失,ROM 向上が認められたと考えられる. しかし, 肩鎖関節付近にある異音の軽減はしたが消失は認められなかった. この事から, 今後胸郭 脊柱のアライメントの修正と平行して肩甲骨 肩関節周囲筋の筋力強化 柔軟性の向上を図っていく事でさらなる改善が見込めると考えられる. 10

15 高齢者に対して側方リーチテストを用いた評価から体幹にアプローチした一症例片岡整形 形成外科棚町暁彦 はじめに 当院は整形外科疾患 主に慢性疾患を扱っているクリニックである 高齢者の体幹機能低下 ( 筋力 柔軟性 平衡感覚 ) は加齢とともに著明に現れる 木藤は高齢者の身体機能障害 転倒モデルにおいて 頭部 体幹での立ち直り不可能が転倒につながると示している 今回 体幹での立ち直りと動的な機能評価をする目的で端座位での側方リーチテストを中心に分析し 体幹の安定性改善を狙った治療を行った結果 変化が得られたので報告する 症例 84 歳 女性診断名 : 腰部脊柱管狭窄症現病歴 :5,6 年前より症状発生するが 当院で保存的治療中 既往歴 : 昭和 61 年開腹での胆嚢手術 平成 22 年 7 月腰椎圧迫骨折主訴 : 右大腿部痛 長時間歩行困難 生活像 : 息子と二人暮らし ADLは全て自立している 評価 座位姿勢 : 頭部前方凸 胸椎後弯 腰椎前弯減尐 骨盤後傾位 ROM: 体幹側屈右 25 左 20 右股関節外旋右 25 左 20 MMT: 体幹屈曲 2 回旋左右 2 筋緊張 : 頚部 肩甲帯の筋緊張亢進 リーチ動作 ( 側方リーチ動作の評価は端座 位で両肩関節外転位から 左右にリーチを行う ): 頚部 体幹の立ち直りがみられず ( 右 > 左 ) 左右ともに骨盤後傾し 体幹が倒れる様に回旋していく 下肢はリーチ方向と反対側への釣り合いをとる動きが見られず 骨盤誘導によるリーチでは体幹の立ち直りが見られやすい 治療アプローチ 評価から頚部 肩甲帯周囲の過緊張 胸郭 骨盤のマルアライメント 右股関節の可動域制限 下部体幹の不安定性が問題であると考え 体幹の正中化を意識した骨盤 胸郭のアライメントの改善 頚部 股関節の ROMex 体幹のスタビリィティトレーニングを行った 結果 座位姿勢 : 頭部前方凸 胸椎後弯 骨盤後傾減尐し座位姿勢改善した リーチ動作 : 右リーチでは体幹の若干の立ち直りがみられ 骨盤後傾 体幹回旋での代償が減尐 両下肢での体幹との釣り合いをとる運動も出現した 考察 本症例のリーチ動作での改善した要因は円背姿勢によるマルアライメントの改善と下部体幹の協調性改善により 左右ともに頚部 肩甲帯周囲の緊張が減尐し 下部体幹の立ち直りが見られたと考える 今後の課題としては 高齢で経過が長い慢性疾患と言うことを踏まえて介入する事が必要であると思われる 具体的にはアライメントの改善だけではなく 抗重力位での知覚探索などのより運動学習の視点を取り入れたアプローチも検討したいと思う 11

16 正座がしたい ~ 膝窩部に疼痛を訴える一症例 ~ のぞみ整形外科クリニック冨永渚 はじめに 今回, 左内側半月板損傷と診断され, 正座の際に膝窩部に突っ張り感を訴える症例を担当した. 突っ張り感の原因を局所より追究し, 治療を行うことにより主訴の改善を認めたので報告する. 症例紹介 性別 : 女性, 年齢 :60 歳代, 職業 : 主婦 ( 以前は立ち仕事 ), 診断名 : 左内側半月板損傷 左変形性膝関節症, 現病歴 :4ヵ月ぐらい前より正座困難.2ヶ月前に他院受診. 内側半月板損傷と診断され電気治療開始.1ヶ月前より近くの接骨院にて整体と電気治療を継続. 整体を始めて腫脹が見られるようになり,H23.9 に当院受診.H より理学療法開始となる. 既往歴 : 子宮筋腫,H22.7 左上腕骨大結節剥離骨折 (OP なし ) 治療経過 関節可動域テストにおいて, 膝関節屈曲 130 において主訴である膝窩部の突っ張り感が生じた. 膝窩筋に圧痛と触診より筋の硬さが認められた. 下肢のアライメントは大腿骨に対し, 脛骨は後方位, 外旋位にあった. 脛骨大腿関節の mobility は内側 外側ともに前後方向への動きが低下. 膝関節屈曲時の運動においては, 脛骨の内側コンパートメントが前方に出てくる動きがみられた. 患者が訴える部位と痛みの種類, 正座を行う際の膝関節の動きより, 痛みの原因を膝窩筋の伸張痛であると考えた. 膝窩筋を伸張させる要因として, 脛骨大腿関節の joint play の低下による膝関節屈曲時の内側コンパートメントの異常運動. 大腿骨に対し脛骨が後方位である, 下肢アライメントの崩れが挙げられた. そこで, 膝窩筋の伸張性の向上のみでなく, 膝窩筋を伸張位にする原因を排除していくようアプローチを行った. 異常運動やアライメントの崩れを引き起こす stiffness の筋に対しては, 運動の改善を目的にリリースやストレッチ. 脛骨大腿関節に対しては, 膝関節屈曲時に必要な関節内運動の改善を目的に関節モビライゼーション. 膝関節屈曲時に正しい運動をコントロールしていくために膝関節屈筋群の筋再教育を実施した. その結果, 踵は殿部に接触するようになり屈曲時の膝窩部の突っ張り感は消失した. 屈曲時に内側コンパートメントが前方に引き出される異常運動においては, 軽減された. しかし, 外側コンパーメントの運動は不十分なままである. そのため, 正座において全体重をかけた際の深屈曲時に軽度突っ張り感が生じることがある. 結論 本症例は膝関節の異常運動により, 膝窩筋が伸張され正座時における膝窩部の突っ張り感が生じていた. 膝窩筋の伸張性の向上のみでなく, 膝窩筋が伸張されにくい状態に運動を改善することにより, 症状の軽減に繋がった. 痛みの原因を局所より追究し治療を行った. 何による痛みであるかを知ることにより, 治療が明確になるとともに, 痛みを軽減していくだけでなく痛みが出現しにくい状態が獲得できるように治療を展開していくことが予防的観点からも重要である. 12

17 股関節外旋筋群の出力強化により後側方不安定性が減尐した一例イムス板橋リハビリテーション病院原裕史 はじめに 股関節安定化には 腸腰筋と共に閉鎖筋群 双子筋群による回転軸の形成が必要とされている 外旋筋群は ほぼ水平な走行を持ち 回転中心に近い安定筋である これらの機能不全により筋収縮の不均衡が生じると 回転軸が定まらず動的安定化機構の破綻を引き起こすと考えられている 今回 外旋筋群へのアプローチをきっかけに動作場面での改善が得られた症例をここに報告する 症例紹介 81 歳女性疾患名 : 右大腿骨頸部骨折現病歴 : 自宅で転倒し救急搬送 12 日後に右股関節人工骨頭挿入術施行 ( 前方 ) 病前の生活 : 介護保険を利用し独居 1 年前から転倒を繰り返す ( 月 2 回程度 ) HOPE: とにかく転ばないでほしい NEED: 安全な施設内移動 立位動作の安定 経過 9/ 22 当院入院 (OPE 後 3 週 ) 11/4 病棟 pick up walker( 以下 PUW) 監視で進めていたが 早朝に監視が外れ転倒 12/3 日中 PUW 自立し 9 日後に施設退院 理学療法評価 初期 最終 HDS-R:18 点 nc ROM: 股伸展 -15/-10 0/10 外旋 30/35 40/40 内旋 25/20 nc 膝伸展 -5/-15 np/-10 足背屈 5/np np MMT: 体幹 2 4 右下肢 2( 中殿筋 1 大腿四頭筋 3) 4( 殿筋群 外旋筋群 3) 左下肢 4( 大殿筋 中殿筋 腸腰筋 3) 4~5( 中殿筋 3) 基本動作 : 起立 立位軽介助 自立疼痛 : 術創部に圧痛 左膝荷重時 NRS 4/10 左膝荷重時 NRS 0~1/10 FBS:15/56 点 47/56 点歩行 :PUW 軽介助 15m PUW 自立独歩 20 m 監視 治療プログラム ROMex MSex 立ち上がり ex( 腸腰筋 殿筋群 大腿四頭筋の出力や各分節の調節など ) 立位 ex( 立位 kneeling での重心移動 動的動作課題など ) 移動 ex( 機能回復に伴い //bar 独歩での歩行練習 後方への能動的な step 調節など ) 外旋筋群 : 股関節の分離運動 (OKC CKC) 考察 本症例は 入院から 1 ヵ月半が経過し 中殿筋や大殿筋の筋出力が増加したが 動作場面での反映が尐なく 立位での動的動作課題や BOS が狭小した状態での姿勢制御が不十分な状態であった 追加情報から姿勢や動作場面での右外旋運動域が乏しく 外旋筋群の出力低下が残存していた 外旋筋群に着眼した上で包括的に介入した結果 介入後 2 週間で動作場面での改善が見られた その後 筋出力の増加に伴いバランス能力が向上し 動的立位や移動時の後側方への不安定さが改善され 施設内での移動自立に至った 今回 術式から短外旋筋群の切開がないため早期に効果が得られたと考えられる 股関節安定性に外旋筋群が重要な役割を果たしていると考えられるため 今後は外旋筋群への早期からのアプローチを考慮する必要があると考える 13

18 上腕骨近位端骨折後 可動域制限を呈した症例さいとうクリニック原口勇介 はじめに 右上腕骨近位端骨折後 肩関節可動域制限を呈した症例に対して肩甲帯アライメント 肩甲上腕リズムに着目し アプローチを行った結果 改善がみられたためここに報告する 症例紹介 性別 : 女性年齢 :76 歳利き手 : 右主訴 : 右肩が痛くて挙がらない Need: 家事 整容動作現病歴 :7 月下旪 段差に躓き転送した際に打撲し受傷 他院に入院され 三角巾 + バストバンド固定 3 週 三角巾のみ1 週固定後 9 月中旪に退院となる 入院施設からの情報として受傷時の転位は小さく 退院時骨折部の骨癒合は良好 生活背景 : 娘 孫との3 人暮らし 家事等は自分でほとんど行う 理学療法評価 疼痛は前方 側方挙上 外旋運動で肩前面に再現痛 (VAS 7/10) 起床時 夜間時痛(VAS 5/10) 時折 右肘 手関節痛の訴えあり 筋緊張は右の小 大胸筋 僧帽筋上部繊維 大円筋に筋緊張亢進あり ROM-T( 右肩 ) は屈曲 75 外転 55 外旋 20 Joint play では後方関節包の硬さが確認される 肩甲帯アライメントは左側と比較し右側肩甲骨が外転 挙上 前傾しており関節窩は前方を向いている また上腕骨頭が関節窩に対して前方へ変位し 肘窩は内側を向いている 挙上動作は初期から肩甲骨が外転位に位置し winging が観察される 以降肩甲骨を過度に挙上させ 上腕骨の挙上に伴い上方回旋 後傾運動が起きず骨頭の滑り込みがみられない 統合と解釈 本症例は転倒後 右上腕骨近位端骨折を受傷した症例である 他院での入院期間 ( 約 45 日間 ) を経て肩関節可動域改善目的で当院を受診された 骨折部位の疼痛は消失していたが 防御性の筋の過緊張によるアライメント不良と肩甲上腕リズムの破綻から二次的な可動域制限を引き起こしていた 挙上動作において大胸筋 大円筋の緊張により挙上初期から肩甲骨が外転している そのため前鋸筋による肩甲骨の制御能力が低下し 加えて小胸筋の過緊張による肩甲骨の後傾運動の減尐から winging を引き起こし 上方回旋が不足していると考えた 肩甲骨の上方回旋 後傾運動の減尐また大胸筋 大円筋の緊張と後方関節包の硬化により前方へ偏位した上腕骨頭の影響から骨頭の滑り込みが生じず 可動域制限を生じていると推察した 理学療法アプローチ 1. 小 大胸筋 僧帽筋上部繊維 大円筋リリース 2. 後方関節包ストレッチ 3. 肩甲上腕リズム再学習 結果 肩関節の運動時痛消失 時折肘関節や手関節の疼痛を訴える 可動域は屈曲 135 外転 130 外旋 1st60 2nd85 に改善 整容動作や家事動作が可能となった 14

19 脳梗塞片麻痺患者の歩行自由度向上に対するアプローチ ~ 障害物跨ぎ動作を中心に~ 新戸塚病院藤永祐人 はじめに 脳梗塞により右片麻痺を呈した症例を担当した 家屋環境により 屋内移動時に障害物の跨ぎ動作 ( 以下 跨ぎ動作 ) を行う必要があったが 麻痺側遊脚期で障害物に引っかかり軽介助を要していた これを改善するために 実際の動作時の姿勢に着目しプレーシングと徒手誘導による介入で下肢関節運動を促したところ 即時効果が得られた 介入を継続したところ 院内のみならず 実際の自宅環境での跨ぎ動作も安定して可能となった 今回の経験を若干の考察を加えて報告する 症例紹介 72 歳男性 H 脳梗塞 ( 左基底核 ~ 放線冠 ) 発症 9.29 当院へ入院 入院時 Br-Stage 上肢 手指 下肢全てⅤ 感覚は表在 深部共に軽度鈍麻 端座位保持は自立 立位保持は把持物もしくは四点杖を使用し自立 歩行能力は四点杖歩行三動作前型にて監視 経過 介入 介入当初の跨ぎ動作では 麻痺側遊脚初期に障害物への引っかかりが生じ 麻痺側前方へのふらつきが観察され軽介助を要す場面もみられた この時 麻痺側遊脚期で下肢の関節肢位を保つことができず性急な動作となっていた 臥位 座位 立位の各姿勢での麻痺側下肢屈曲動作においては 体幹伸展 非麻痺側の過剰努力が観察され 下肢屈曲位での動作や歩行における遊脚期の拙劣さが示唆された そこで 跨ぎ動作時 特に麻痺側遊脚期の下肢関節肢位に着目し 臥位 座位 立位の各姿勢で プレーシングと徒手誘導による下肢関節肢位の保持 関節運動の促通を主に展開した プレーシングは 背臥位でセラピストの動きを足底面で感じ取る課題とした 徒手誘導は座位 立位で実施 患者は姿勢保持と共にセラピストの誘導による関節運動を知覚する課題とした その結果 即時効果が得られ 引っかかる回数が減尐し介助を要さずに課題を遂行する事が可能となった 介入を継続したところ 遊脚時間の延長により動作の性急さにも改善がみられた 障害物の高さの変化に対する対応も可能となり 自宅での跨ぎ動作も安定し可能となった 考察 本症例は 下肢が屈曲位をとる際に一定の動作パターンとなっていた そこで プレーシングと徒手誘導による介入で能動的な関節運動を促した プレーシングでは セラピストの動きの変化を感じ取り それに対する能動的な関節運動により外受容の活性化を図った 一方徒手誘導では セラピストが起こす関節肢位の変化を感じ取りながらの動作を行うことで 内受容の活性化を図った これら二つは 各姿勢や跨ぎ動作などで観察された一定の動作パターンを考慮したアプローチであったため即時効果に繋がり 継続的な介入により動作の安定化が図られたと考えられる また 外受容 内受容を同時に介入することで 環境の変化 自身の関節運動に対する知覚が賦活されたため 院内の環境のみでなく自宅での動作獲得に至ったと考えられる 15

20 非荷重 (OKC) における股関節機能評価 治療の一手法の考案国立国際医療研究センター松下祐也 Ⅰ はじめに股関節に何らかの問題を抱える患者は 二関節筋の過剰収縮にて運動遂行しているのを臨床場面で多く遭遇する 二関節筋優位で股関節を運動させると生理的な軸回旋運動が破綻し 股関節機能低下が生じると考えられる OKC での評価 治療は急性期から愛護的に行え 回復期の治療に有益な情報を齎すと考えられる Ⅱ 股関節機能評価 股関節屈曲 test( 腸腰筋評価 ) 被検者は 背臥位股関節 90 屈曲位 膝関節 90 屈曲位 足関節背屈位とし 検者は上前腸骨棘 鼠径部付近を触察し 体幹を視診する この状態から被検者に股関節屈曲自動運動を行って頂き触察部位に過剰に収縮する筋 腱や収縮のタイミングを触察し 体幹がどのような動きをするのかにも注目をする 小栢 1) らの解析では 股関節屈曲 90 伸展最終域で腸腰筋の発揮トルクが高まると報告されている また Cara L.Lewis 2) らによると SLR 時の腸腰筋の筋出力を 50% 低下させることで大腿筋膜張筋 ( 以下 TFL) や縫工筋の筋出力が増大したとしている この test は 腸腰筋を評価する一つの方法であると考えている 股関節屈曲評価実施する中で 屈曲自動運動時に1 股関節屈曲に内外旋運動が伴わず かつ二関節筋に過剰収縮が起こらないパターン2 屈曲に内旋が伴い TFL が過剰収縮するパターン3 屈曲に外旋が伴い縫工筋が過剰収縮するパターンを経験する 2 3に関しては 腸腰筋機能低下が原因として考えられる また 腸腰筋は骨頭求心作用があり 機能低下は股関節不安定性の要因となる 臨床の中で右股関節評価時に TFL の過剰収縮を多く経験する これは 骨形態学的に右大腿骨前捻角が左と比較して大きいことが一つの要因だと考えられる Ⅲ 治療( 例 :TFL 過剰収縮 ) TFL の遠位は腸脛靭帯 ( 以下 ITT) の前方線維に移行し 大殿筋は後方線維に移行している TFL が過剰収縮することで後方線維は弛緩してしまい ITT を含む TFL が前上方に偏位してしまうと考えられる これに対して 前上方偏位を正す方向にリリースを行う また 大殿筋などの等尺性収縮や骨盤帯からの治療も有効だと感じる 治療後 TFL の過剰収縮が低下し 腸腰筋エクササイズが行いやすくなることや疼痛軽減 関節可動域増大を経験する Ⅳ おわりに皆様のご意見を頂き今後 医学的根拠のある評価 治療を行うために筋電図などを使用し更なる検討を行っていきたい Ⅴ 参考文献 1) 小栢進也 他 : 関節角度の違いによる股関節周囲筋の発揮筋力の変化. 理学療法学 38(2): ,2011 2)Cara L.Lewis:Effect off position and alteration in synergist muscle force Contribution on hip forces when Performing hip strengthening exercises. Clinical Biomechanics 24:35-42,2009 Ⅵ 参考資料 柿崎藤泰: 理学療法士臨床ブラッシュアップコース 胸郭の理学療法 配布資料,

21 投球障害により肘部管症候群を招いた症例 ~ 上肢帯機能不全が肘関節に与える影響 ~ 高島平中央総合病院的場大地 はじめに 投球動作に起こる肘関節障害は多関節の影響を受け メカニカルストレスが発生した結果となる場合が多いと感じる 今回は肘関節機能のみならず 上肢帯関節機能を含めた評価および治療を行い考察したのでここに報告する 症例紹介 年齢 :15 歳 ( 中学三年生 ) 性別 : 男性種目 : 硬式野球 ( 週 2~3 回 )Position: 投手診断名 : 投球障害による肘部管症候群現病歴 : 連日の試合で右肘痛 : 当院受診後上記診断となる Dr より投球禁止を指示される 理学療法評価 圧痛 : 上腕骨内側上顆周辺 遠位後内側周辺 前腕屈筋群回内筋群 肩関節前面疼痛出現 Phase:Cocking~accelaretion 疼痛誘発テスト :elbow flexion test(+) ROM: 肩関節 2nd 外旋 105 内旋 20 肘関節伸展 0 前腕回内 70 ( 抵抗感 +) 手関節尺屈 60 ( 掌屈を伴う ) 橈屈 10 外転筋テスト :empty can test( 左 > 右 ) 姿勢 : 右肩甲骨 winging 右肩甲上腕関節外旋位 ( 上腕骨後捻?) 上腕骨頭前方移動動作観察 ( 特徴 ) 1arly cocking 相 : 上腕骨頭前方突出 2late cocking 相 : 肩関節挙上不十分 3accelaretion 相 : 肩 ( 下制 ) 手 ( 回内背尺屈 ) 問題点抽出から理学療法アプローチ 1 相では小胸筋短縮による肩鎖関節前方突出 GH の軸回旋機能低下 肩甲胸郭関節安定性低下を挙げる その為 骨頭求心保持能力低下から GH 間前方動揺増大を招くと推察する 2 相では 肩甲骨後傾および上方回旋減尐から肩甲胸郭関節での安定性欠如により腱板筋群の遠心性収縮保持能力低下と推察 その為 3 相では上肢の急激な下制および肘関節伸展 手関節回内 背尺屈での投球となる この動作が腕尺関節を外反増大させ 尺骨神経に伸張ストレスを与えたと考える よって治療アプローチを GH および肩甲胸郭関節機能改善 肘関節周囲機能改善を目的に #1 肘関節周囲モビライゼーション #2 肩関節前後面のリラクゼーション #3 腱板筋群協調的筋収縮 ex #4 動的安定化 (CKC) 機能促通 ex とした 結果および考察 本症例は投球動作における肩関節安定化機構の破綻により 3 相で肘関節に軽微な外反ストレスが繰り返され 尺骨神経に伸張ストレスを招いたと考えた その為 今回は上肢帯中心にアプローチを行ったが 3 相のみ改善を図っても 痛みに変化はなかった為 前相の投球を含め理学療法を行った よって 1 相での肩甲骨下制内転および GH 間の軸回旋機能促通により骨頭前方突出減尐を図り 2 相では肩関節挙上の早期獲得がみられた 3 相においても肩甲帯および腱板筋群の促通により上肢の急激な下制減尐がみられ肘下がり投球が改善された しかし 動作統一化は難しく肘関節に違和感が残る 今後は下肢運動連鎖にも着目する必要があると感じた 17

22 橈骨神経と腋窩神経の損傷による痛みと痺れに対し治療した一症例のぞみ整形外科クリニック三宅智子 [ はじめに ] 頸椎由来の症状改善を目的に通院中, 橈骨神経を損傷した患者を担当した. 神経の修復を促すとともに, 橈骨神経を圧迫する要因に対しアプローチしたことで症状の改善に結びついた症例について述べる. なお本論文はその主旨を本人に説明し, 了承を得た上で作成している. [ 症例紹介 ] 性別 : 女性, 年齢 :45 歳, 職業 : 主婦, 診断名 : 頸椎症, 合併症 : 腹圧性尿失禁, 既往歴 : 虫垂炎 ope(10 歳 ), 右足関節捻挫 (17 歳 ), 右肩関節脱臼 ope(boytchev 法,22 歳 ), 再脱臼 (36 歳 ), 現病歴 : 平成 23 年 10 月上旪, 上方へのリーチ動作にて右肩 上腕に疼痛出現. 頸椎への注射と理学療法にて症状ほぼ消失.30 日, 便座の冷たさにびっくりし飛び上がった際, 腋窩部に抉られるような痛みが生じた. その後腋窩部の鈍痛と, 橈骨神経に沿った灼熱感, 痺れが出現した. [ 治療経過 ] 安静時, 腋窩部に鈍痛, 橈骨神経に沿った灼熱感, 橈骨神経領域に痺れを呈しており, 夜間痛はなかった. 疼痛 痺れは体幹右回旋, 肩関節外転, 外旋, 前傾姿勢での肩関節屈曲で増強し, ヴェルポーの角孔に圧痛を認めた. 筋力テストは疼痛により実施不可能であった. また Spurling test 陰性, ULTTⅡb(Upper Limb Tension Test, 橈骨神経を主としたテスト ) 陽性であり, 訴える症状に同じであったことから, 橈骨神経と 腋窩神経の損傷 ( ニューラプラキシア型, アクソノトメーシス型 ) と判断し, その修復に数日 ~ 数週間かかると予測した.ULTTⅡb において前傾 下方回旋した右肩甲骨を中間位へ戻す操作や肩関節外転時に前方突出してくる上腕骨頭を制御する操作で陰性となったことから, 肩甲骨の alignment と肩甲上腕関節の異常運動が橈骨神経と腋窩神経を圧迫し損傷の要因となったと推察した. そこで1 神経修復促通,2 肩甲上腕関節の正常運動獲得,3 肩甲骨の alignment 改善を目的に, 橈骨神経と腋窩神経のマニピュレーション, 筋緊張の亢進していた右小胸筋, 右上腕二頭筋 ( 短頭 ), 右烏口腕筋, 右肩甲挙筋, 右上腕三頭筋, 右内斜筋の筋 筋膜リリース, さらに弱化していた腹横筋, 骨盤底筋群の促通を中心に治療を展開した. 2 週間後 ULTTⅡb 陰性となり症状はほぼ消失した.ULTTⅡb に肩関節外転 145 を付加した変法で陽性となったことから腋窩部 前胸部の影響が大きいと考え, 皮膚の伸張と橈骨神経と接する筋の筋 筋膜リリースを追加した.7 週 10 回の徒手にて変法は陰性となり症状消失した. また肩甲骨の前傾 下方回旋は中間位に近づき, 外転時, 肩甲上腕関節の正常な関節運動を認めた. [ 結論 ] 本症例は 3 度の脱臼と亜脱臼により肩甲上腕関節付近における橈骨神経と腋窩神経は脆弱となっており飛び上がった際に損傷した. 神経の修復を促すとともに, 肩甲骨の alignment と肩甲上腕関節の異常運動が橈骨神経と腋窩神経を圧迫し損傷する要因となっていたことから神経が過剰に圧迫されない状態を維持できるよう介入したことで症状の消失に繋がった. 18

23 起居動作困難を呈した肺炎の症例 胸郭の回旋要素に着目して 新葛飾病院安廣重伸はじめに今回 起居動作困難を呈した肺炎の症例に対し 胸郭の回旋要素について着目し 評価 治療を展開したので 報告する 症例紹介年齢 性別 /93 歳 男性身長 体重 /145cm 50kg 主訴 / 体が思うように動かない HOPE/ 自分で起き上がりたい NEED/ 胸郭の回旋可動性向上 医学的情報診断名 / 肺炎既往歴 / 頚椎狭窄 CI(2 日間入院 ) 現病歴 /H より発熱 8 日まで下がらず入院となる 他部門情報 /Dr: 退院まで ADL 上げる Ns: 熱 傾向 夜間体亣あり 血液データ /CRP:3.94 WBC:3200 社会的情報家族構成 / 三男と同居 キーパーソン三男 家屋環境 / ベッド ポータブルトイレあり 介護サービス / 通所 1/w 訪問介護 7/w 理学療法評価 (12 月 1 日 ) 全体像 / 自発性は低いがリハには積極的 ADL/ 寝返り= 軽介助起き上がり= 中等度介助移乗 トイレ= 近位監視バイタル /Spo2:95~99% KT:37,0 呼吸 / 腹式優位 胸郭は吸気位で固定的 特に右上部胸郭の前方回旋 姿勢 / 臥位 : 体幹屈曲 右側屈 左回旋 起居動作 / 背臥位 ~ 右 on elbow が努力的 上部体幹右回旋 筋緊張 / 高 = 腹筋群 胸筋群 ( 右 > 左 ) 低 = 背筋群 ( 右 < 左 ) ROM/ 体幹 : 屈曲 30 伸展 -15 回旋右 10 左 15 MMT/ 体幹屈曲 3 回旋左右 2 伸展 2 肩甲骨内外転 3( 右 < 左 ) 統合と解釈体幹前面筋の過緊張に伴い胸郭の前後の回旋が制限され 同時に脊柱 肩甲帯の水平面上の可動性が低下 起居動作困難に影響していると考える 問題点抽出機能障害 /1 体幹前面筋過緊張 2 胸郭前方回旋 3 体幹回旋 ROM 制限能力低下 /1 起居動作困難 2 移乗 トイレ動作要監視活動制限 / 自宅復帰困難目標設定 STG/ 胸郭の回旋可動性向上 LTG/ 起居動作自立 自宅復帰治療プログラム 1 腹筋群リラクセーション 2 右上部胸郭前方回旋 EX 3 体幹回旋 EX 効果判定 EX 前 / 起き上がり : 中等度介助レベル EX 後 / 起き上がり : 監視レベル考察自宅復帰に必要とされる起居動作の獲得を目的に 胸郭の前後の回旋要素に着目し 体幹の回旋可動性の向上を行った 背臥位 ~on elbow においては胸郭の前方回旋の可動性の獲得が重要であると考える 19

24 脳梗塞発症 7 ヶ月より通所リハを開始し 生活の幅が拡大した一症例中伊豆リハビリテーションセンター柚本直美 はじめに 今回 多発性脳梗塞と診断され 発症 7 ヶ月経過した利用者様に週 3 回の 20 分以上の個別リハビリと自主訓練を実施した 症例紹介 症例 :50 代前半男性 ( 要介護 3) 病名 : 感染性心内膜症 ( 平成 22 年 8 月 ) 多発性脳梗塞障害名 : 左片麻痺 左半側空間無視注意障害 記憶力低下 HOPE: 独歩獲得 調理の参加 復職 ADL: 入浴動作見守り 上衣着脱軽介助生活 : 主にテレビを見て過ごす 時折 家族と散歩を行う 理学療法評価 Brunnstrom stage 下肢 Ⅳ 上肢 Ⅲ 動作時に左下肢伸展パターンが出現しやすい 左側感覚中等度鈍麻 座位姿勢は左骨盤挙上 後傾位 腰椎伸展位で重心右後方変位 頚部 体幹の立ち直り反射は出現しない 歩行は T 字杖にて見守りレベル 2 動作揃え型 常に体幹伸展位 左股関節屈曲 外転位 左膝関節伸展位 前足部離床し 歩幅を広くとる 左立脚中期から後期にかけて左踵を軸とし骨盤の左側が後退する 重心移動は左側と前後が尐ない 治療アプローチ平成 23 年 4 月 ~10 月 麻痺側への荷重量を認知することで 姿勢改善を図り 麻痺側の筋緊張亢進を抑制するよう以下の訓練と自主訓練を実施した 1 鏡を利用し立ち直り反射誘発訓練 2 臀部 足底感覚刺激を促し左側荷重訓練 結果 左膝関節屈曲位での荷重量が増え 左立脚後期に下腿前傾が出現し 前方への推進力が向上した 10m 速度 (15 秒 9 秒 ) TUG(35 秒 10 秒 ) 耐久性が向上し 2 動作前型での自宅内独歩を獲得したことで歩行への自信が増加した さらに ADL は自立し 外出機会は増え 掃除を家庭内役割として得た 考察 先行研究より TUG が 13.5 秒以下であると転倒の危険性は低いと言われており この具体的数値をフィードバックしたことで 歩行への自信につながったと思われる さらに身体機能と自信の向上により 外出機会の増加につながった 通所リハビリは脳卒中発症 7 ヶ月以降の在宅生活を送る方が多いが 本症例のように目的を明確にしたアプローチと自主訓練の実施によって 身体機能と ADL の向上が図れると考える しかし 生活や歩行に対して自信がついたことで 社会や地域に目が向き これらの参加に対する不安が出現した 今後は 通所リハとして 社会や地域に参加を促すようなアプローチが必要であると思われる 20

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