先天奇形は妊娠初期の器官形成期の高血糖が原因となる. 妊娠前から厳格な血糖コントロールを行うことにより児の転帰が改善することが報告されており, 妊娠前管理の有無と胎児奇形発生率との関連を検討したメタアナリシスでは, 奇形の発生率は妊娠前管理あり群では 2.1%, 管理なし群では 6.5% と妊娠前か

Size: px
Start display at page:

Download "先天奇形は妊娠初期の器官形成期の高血糖が原因となる. 妊娠前から厳格な血糖コントロールを行うことにより児の転帰が改善することが報告されており, 妊娠前管理の有無と胎児奇形発生率との関連を検討したメタアナリシスでは, 奇形の発生率は妊娠前管理あり群では 2.1%, 管理なし群では 6.5% と妊娠前か"

Transcription

1 複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 妊婦の糖代謝異常 17 CQ17-1 妊娠前 妊娠中の血糖コントロールは妊婦や児の予後を改善するか ステートメント 妊娠前および妊娠初期の血糖コントロール不良により先天奇形および流産の頻度が増加する が 妊娠前からの厳格な血糖コントロールを行えばこれらの頻度は減少する 1 推奨グレード A 合意率 95 妊娠中の血糖コントロール不良により巨大児を含む周産期合併症のリスクが増大するが 妊 娠中に厳格な血糖コントロールを継続することで これらのリスクは減少する 2 推奨グレード A 合意率 100 平成 24 年国民健康 栄養調査 2012 年 では 平成 19 年 2007 年 と比較して 糖尿病 の可能性を否定できない者 の数は減少したものの 糖尿病が強く疑われる者 の割合は 全女性人口の 9.2 と増加している a さらに 近年日本において 20 歳代の出生率が大きく 低下し 30 歳代の出生率が上昇傾向になるなど女性の晩婚化 晩産化が進んでいる b その ため 今後糖代謝異常妊婦は増加すると予想される 糖代謝異常妊娠では 正常妊娠と比較して母児合併症のリスクが高い 1 14 すなわち 母体 合併症としては妊娠高血圧症候群 流産 早産などの産科的合併症や 網膜症 腎症などの 糖尿病合併症が増悪するリスクが高くなり 児合併症としては 胎児死亡 先天奇形 巨大 児 肩甲難産 新生児低血糖 高ビリルビン血症などのリスクが高くなる 1 14, c 表 1 表1 糖代謝異常妊娠における母児合併症 母体合併症 児合併症 1 糖尿病合併症 血糖コントロール悪化 糖尿病ケトアシドーシス 糖尿病網膜症の悪化 糖尿病腎症の悪化 低血糖 インスリン使用時 1 周産期合併症 胎児仮死 胎児死亡 先天奇形 巨大児 肩甲難産 新生児低血糖症 新生児高ビリルビン血症 新生児低カルシウム血症 新生児多血症 新生児呼吸窮迫症候群 肥大型心筋症 胎児発育遅延 2 産科合併症 流産 早産症 妊娠高血圧症候群 羊水過多 巨大児に基づく難産 2 成長期合併症 肥満 IGT/ 糖尿病 文献 c より改訂 367 糖尿病診療ガイドライン2016 南江堂 2016

2 先天奇形は妊娠初期の器官形成期の高血糖が原因となる. 妊娠前から厳格な血糖コントロールを行うことにより児の転帰が改善することが報告されており, 妊娠前管理の有無と胎児奇形発生率との関連を検討したメタアナリシスでは, 奇形の発生率は妊娠前管理あり群では 2.1%, 管理なし群では 6.5% と妊娠前からの血糖コントロールの有用性が示されている. このように, 妊娠前からの血糖値を正常化し計画妊娠を指導することが肝要となる 1, 6). 妊娠経過中の母体高血糖は胎盤を経由して胎児に高血糖をもたらすが, それを是正するために胎児膵 β 細胞の過形成, 高インスリン血症が引き起こされる. 胎児の高インスリン血症は, 巨大児や新生児低血糖の原因となる 10). その一方で, 胎児の臓器は未成熟であるため, 新生児黄疸, 呼吸障害などの原因ともなる.GA(glycoalbumin) が 15.8% 以上では新生児低血糖, 多血症,heavy for date(hfd) などの頻度が増加することが報告されている 11). 妊娠中に厳格な血糖コントロールを継続することで, これらの合併症のリスクが減少することが示されている 2, 12 14). 368

3 複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 妊婦の糖代謝異常 Q17-2 妊婦の糖代謝異常をどのように診断するか ステートメント 妊娠中に取り扱う糖代謝異常 hyperglycemic disorders in pregnancy には ①妊娠糖 尿病 gestational diabetes mellitus GDM ②妊娠中の明らかな糖尿病 overt diabetes in pregnancy ③糖尿病合併妊娠 pregestational diabetes mellitus の 3 つ があり 75g 経口ブドウ糖負荷試験 oral glucose tolerance test OGTT HbA1c および臨床所見に基づいて診断する 15 GDM の定義および診断基準の変遷 日本の以前の GDM の概念では 妊娠時に耐糖能低下をきたすが 分娩後に正常化するも の とされてきたしかし この定義では分娩後まで診断が確定しないことなどの問題を認 めたため 日本産科婦人科学会では 1995 年に 妊娠中に発症したか またははじめて認識さ れた耐糖能低下 と定義された d 同様に 日本糖尿病学会でも 1999 年に 妊娠中に発症し たか はじめて発見された耐糖能低下 と定義された e しかし これらの定義では 軽度の GDM から妊娠時にはじめて発見された糖尿病患者までが GDM と診断されるという問題があ り 後者ではすでに細小血管症が進行している例も含まれるおそれがあった 16 また 日本では GDM の診断基準としては 1984 年に日本産科婦人科学会が提案した診断 指針が使用されてきたが f GDM の診断基準は国際的に統一されていなかったそのため 周産期合併症に基づく 世界共通の診断基準の作成を念頭において HAPO が行われたこれ により 母体の血糖値と HFD 児体脂肪量 臍帯血 C ペプチドとが強く相関することが明ら かとなった 15 国際糖尿病妊娠学会 International Association of Diabetes and Pregnancy Study Groups IADPSG では HAPO の結果をもとに検討を行い 75g OGTT で得られた各 時点での平均血糖値における児の出生体重 体脂肪量 臍帯血 C ペプチド値が 90 パーセンタ イルを超えるリスクを 1 とし そのそれぞれについてオッズ比が 1.75 となる血糖値を求め 3 つの平均値をカットオフ値としたその結果 負荷前血糖値 92 mg/dl 以上 負荷後 1 時間 値 180 mg/dl 以上 負荷後 2 時間値 153 mg/dl 以上となり 75g OGTT の各血糖値の独立性 を重視し このうちの 1 点以上を満たすものを GDM と診断し 妊娠時の明らかな糖尿病は GDM から除外するとした新しい診断基準を勧告した g それに併行し 日本でも 2010 年に 診断基準が変更となり 上記基準値を取り入れたしかし 本診断基準制定時に最後のすり 合わせが不十分であったため 日本糖尿病学会の診断基準と 日本糖尿病 妊娠学会および 日本産科婦人科学会の診断基準との間に一部不一致点があった h すなわち GDM の診断基 準はすべて同じであったが GDM から除外される日本糖尿病学会の 臨床診断で糖尿病と診 断されるもの と日本糖尿病 妊娠学会および日本産科婦人科学会の 妊娠時に診断された 明らかな糖尿病 との間には違いがあった h k また日本糖尿病 妊娠学会は HbA1c 6.5 未 満 かつ 75g OGTT 負荷後 2 時間値 200 mg/dl 以上の場合はハイリスク GDM とし 妊娠中 は糖尿病に準じた管理を行い 分娩後も厳重なフォローアップが必要であるとしたが 日本 糖尿病学会ではこれに関する記載はなかった i k このため 日本糖尿病学会と日本糖尿病 妊娠学会との間で合同委員会を立ち上げ 診断基準の統一化を検討し 両学会 および日本 産科婦人科学会の三学会の合意を得て 2015 年 8 月に統一案が作成された 表 2 統一案では GDM の定義は 妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常で 369 糖尿病診療ガイドライン2016 南江堂 2016

4 あり, 妊娠中の明らかな糖尿病, 糖尿病合併妊娠は含めない. と定義された h). また,75g OGTT 2 時間値 200 mg/dl 以上のみをハイリスク GDM と規定することは, 周産期の一般的 なハイリスクの概念との間に齟齬を生じさせているおそれがあることより削除された. 劇症 1 型糖尿病妊娠に関連して発症する糖尿病に劇症 1 型糖尿病がある 17, l). 劇症 1 型糖尿病は, 膵 β 細胞の急速な破壊により急激に高血糖, ケトーシスあるいはケトアシドーシスをきたし, 母児にとって致命的となることが少なくない. そのため, 妊娠経過中に口渇, 多飲, 多尿など高血糖に伴う症状や悪心, 嘔吐, 腹痛などのケトーシスに伴う症状を認めたときは本症を念頭に入れて検査を行う必要がある. 370

5 複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 妊婦の糖代謝異常 Q17-3 糖尿病患者の妊娠前管理 治療はどのように行うか ステートメント 妊娠初期の血糖コントロール不良による先天奇形 胎児死亡 流産を予防するため 1 挙児 希望のある糖尿病女性に対しては妊娠前からの厳格な血糖コントロールの重要性について十 分に説明を行う 妊娠前から低血糖を回避しつつ 可能な限り正常に近い血糖コントロールを目指す必要があ る 1 挙児希望の糖尿病女性には経口血糖降下薬を推奨できないため食事療法でコントロールが不 十分の場合にはインスリン治療を行う 1 母体の糖尿病合併症は 母体の予後および妊娠結果に影響を与えるため妊娠前から合併症の 評価および管理を行っておく 8 先天奇形 流産を予防し 児の健全な発育と母体の糖尿病長期予後を損なわないために妊娠 前から十分に管理する計画妊娠を勧め 避妊の必要性についても説明する 1 妊娠前の降圧薬や脂質異常症治療薬内服の有無 種類を再考する 妊娠前の血糖コントロール目標 妊娠前からの血糖コントロールの目的は 妊娠初期の血糖コントロール不良による先天奇 形 胎児死亡 流産を予防することにあり 妊娠が判明してから血糖コントロールを開始し ても不十分である 1, 3 6, 18 そのため 妊娠前から低血糖を回避しつつ 厳格な血糖コントロー ルを維持することが肝要であることについて 挙児希望のある糖尿病女性に対して十分に説 明を行う m, n 妊娠前の血糖コントロールとしては HbA1c 6.5 未満を維持することを目標と する o, p 日本産科婦人科学会では 7.4 未満 理想は 6.4 未満としており j アメリカ糖尿病 学会 American Diabetes Association ADA およびイギリス国立医療技術評価機構 National Institute for Health and Care Excellence NICE でも先天奇形を防ぐため 問題となるような 低血糖を避け 正常な血糖コントロールに近づけるように HbA1c 6.5 未満を目標とするよう 推奨している o, p また 妊娠前から後述する食前および食後の血糖コントロール目標値を維持 することが求められる 妊娠前の薬物療法 妊娠を希望する糖尿病患者の血糖コントロールは 経口血糖降下薬ではビグアナイド薬の 報告などがなされているが 19, 20 現時点で安全性が確立されていないため インスリン治療へ の切り替えを行う同様に GLP-1 glucagon-like peptide 1 受容体作動薬の安全性について も確立されていないため インスリン治療への切り替えを行う 妊娠中のインスリン治療は 頻回注射療法あるいは持続皮下インスリン注入 continuous subcutaneous insulin infusion CSII 療法が有用である日本では 添付文書上すべてのイン スリン製剤は妊婦に対しては慎重投与となっており 今まではアメリカ食品医薬品局 Food and Drug Administration FDA 分類で分類 B に該当する速効型インスリン インスリンア スパルト インスリンリスプロ 中間型インスリン インスリンデテミル 混合型インスリ ンが使用されてきた 表 3 その一方で インスリングルリジンおよびインスリングラルギ ンは FDA 分類 C であったしかし FDA は同分類が胎児へのリスクの程度の差を正確に伝 達するものではなかったこと 誤って解釈 使用されてきたことなどを受けて 2015 年 6 月よ 371 糖尿病診療ガイドライン2016 南江堂 2016

6 り廃止した q). 追加インスリン補充には速効型インスリンと超速効型インスリンアナログ製剤とが用いられる. 超速効型インスリン製剤のなかでも, インスリンアスパルトはランダム化比較試験 (randomized controlled trial:rct) により, リスプロはメタアナリシスにより, それぞれ速効型インスリンとの比較により児転帰に差がないこと, 重症低血糖の頻度が減少すること, 生活の質 (quality of life:qol) が改善することなどが示されている 21 24). その一方で, 妊娠中のインスリングルリジンの有用性を示した RCT はない. 基礎インスリン補充には中間型インスリンと持効型溶解インスリンとが使用される. インスリンデテミルは中間型インスリンと比較した RCT によって低血糖頻度を増加させずに空腹時血糖値が改善することなどが報告されている 25). インスリングラルギン 100 単位 /ml 製剤 372

7 17 妊婦の糖代謝異常 は十分な規模の RCT は行われていないものの, メタアナリシスで中間型インスリンと比較して周産期合併症に差がなかったことが報告されている 26). 妊娠中のインスリングラルギンバイオ後続品 ( バイオシミラー ), インスリングラルギン 300 単位 /ml 製剤およびインスリンデグルデグの有用性を示した報告はない. 今回の FDA 分類廃止に伴い, 医療従事者が各インスリン製剤の利点 欠点を評価し, インスリン治療を必要とする妊婦や家族に対して十分なインフォームドコンセントを行ったうえで治療方針を決定する. 妊娠中のインスリン製剤の変更や CSII への切り替えは思わぬ母体の高血糖やケトーシスのリスクとなりうるため, 挙児希望のある糖尿病女性には妊娠前から血糖変動の評価を行い, 治療方針を決定しておくことが重要となる. 妊娠前の糖尿病合併症および併存症管理糖尿病女性では, 妊娠前から合併症の評価および管理が重要である. 糖尿病自律神経障害である胃不全麻痺を有する症例では妊娠悪阻が強く出る可能性がある. また, 妊娠前に糖尿病網膜症が進行している例では妊娠経過中に糖尿病網膜症が悪化する可能性が高いため, 妊娠前から緩徐に血糖コントロールを行い, さらに, 網膜症が安定化してからの妊娠を許可することが望ましい 27, 28). 糖尿病腎症合併妊娠は, 母体では妊娠高血圧症候群, 早産, 腎機能悪化, 胎児では発育不全などのリスクが高い 8). また, 高血圧や甲状腺疾患などを合併している例も少なくない. 妊娠経過中にこれら疾患が増悪することもあるため, 妊娠前からの厳重な管理が必要となる. また, 糖尿病腎症を認める例や高血圧合併例では, レニン アンジオテンシン系阻害薬であるアンジオテンシン変換酵素 (angiotensin-converting enzyme:ace) 阻害薬やアンジオテンシンⅡ 受容体拮抗薬 (angiotensinⅡ receptor blocker:arb) が投与されるが, 両薬剤は妊娠中の服用に関して安全性が確立していないため投薬を中止する必要がある. その他脂質異常症に対する HMG-CoA (hydroxymethylglutaryl-coenzyme A) 還元酵素阻害薬やフィブラート系薬剤も妊婦に対して禁忌となるため, 糖尿病治療薬のみならず患者の服薬内容を正確に把握する必要がある. 以上のように母児合併症の発生を予防するためには, 妊娠前から糖尿病合併妊娠に対する知識や経験が豊富な医師, 看護師, 栄養士, 薬剤師などがチーム体制を整え, 患者本人のみならずパートナーや家族を含めて生じ得る母児合併症について十分な情報提供を行い, 厳格な血糖コントロールおよび安定した糖尿病合併症の管理を維持する計画妊娠を実現する必要がある. 373

8 Q17-4 妊娠前 妊娠中の糖尿病網膜症をどのように管理 治療するか? ステートメント 糖尿病網膜症は妊娠経過中から分娩後にかけて悪化するリスクがある. そのため, 糖尿病患者で妊娠を希望する場合は妊娠前から血糖コントロールの評価のみならず, 糖尿病網膜症の評価および管理を行う. 特に前増殖 増殖網膜症は悪化しやすいため, 眼科治療で網膜症が安定化してからの妊娠を指導する 27). 糖尿病網膜症は成人の中途失明の原因となる. 無治療の糖尿病網膜症は妊娠経過中から分娩後 1 2 ヵ月にかけて悪化するリスクがある 27, 28). また, 妊娠中の蛍光眼底造影検査は胎児への安全性が確立していないため避ける必要がある. そのため, 糖尿病患者が妊娠を希望する場合には妊娠前から血糖コントロールの評価のみならず, 糖尿病網膜症の評価および管理を行っておくことが必要である. 妊娠に伴う糖尿病網膜症の悪化は一過性のことも多く, 単純網膜症では妊娠を避ける必要はない. 妊娠前に前増殖期以降まで糖尿病網膜症が進行している例では, 急激な血糖コントロールの改善で網膜症が悪化する可能性があるため, 妊娠前から緩徐に血糖コントロールを行っておく必要があり 27), 網膜症が安定化してからの計画妊娠を指導する. 糖尿病網膜症以外にも緑内障や白内障を合併していることもあり, 眼科医による評価が必要である. 特に, 罹病期間の長い糖尿病患者, 妊娠初期に HbA1c が高値であった患者, 急激に血糖コントロールが改善した患者, 高血圧を合併した患者, 糖尿病腎症や神経障害が進行している患者では糖尿病網膜症の発症および進展リスクが高い 27). また, 健康診断を受診したことがなく, 妊娠の際にはじめて糖尿病を指摘された症例のなかには網膜症がすでに進行していることもあるため 16), そのような症例では可及的速やかに眼科受診が必要である. 妊娠中の眼底検査の頻度や治療は網膜所見の程度によって異なるが, 網膜新生血管, 黄斑浮腫などが指摘された場合においては網膜光凝固など厳重な眼科での管理が必要となる. また, 糖尿病網膜症進行例で経腟分娩を行うと重大な眼底出血のリスクを伴うことがあるため, 帝王切開を行うことも検討する. 分娩後においても糖尿病網膜症が進行する可能性があるが, 多くは一過性であるとされる 28). 最良の結果を得るためには, 妊娠前からの分娩後にかけて血糖コントロールおよび網膜症の管理が不可欠であり, 内科, 眼科, 産科の連携が不可欠である. 374

9 17 妊婦の糖代謝異常 Q17-5 妊娠時 妊娠中の糖尿病腎症をどのように管理するか? ステートメント 糖尿病腎症合併妊娠は, 母体では妊娠高血圧症候群発症, 早産, 腎機能悪化などを, 胎児では発育不全などを引き起こし, 両者にとってハイリスクである 8). 妊娠前から尿中アルブミン, 尿中蛋白, 糸球体濾過率 (glomerular filtration rate:gfr), クレアチニンクリアランス (creatinine clearance:ccr) などを用いて腎症の評価を行っておく 29). 腎機能低下例では妊娠によって腎機能がさらに悪化するリスクがあり, 周産期予後も不良であるため, 妊娠前に十分な情報提供を行う必要がある. 妊娠に至った場合には, 妊娠継続について慎重にカウンセリングを行う 29). 糖尿病腎症の病期は,GFR, 尿中アルブミン排泄量, 尿蛋白排泄量によって評価する r). 糖尿病腎症合併妊娠は, 母体では妊娠高血圧症候群, 早産, 腎機能悪化などのリスクがあり, 胎児では発育不全などのリスクともなるため, 両者にとってハイリスクである 8, 29 31). これらの合併症で妊娠継続が困難となることがあるため, 妊娠前から腎機能の評価を行うことが求められる. さらに, 妊娠経過中に, 尿中アルブミンおよび尿蛋白は増加するリスクが高いため定期的に測定することが重要である. 糖尿病腎症 1 期 ( 腎症前期 ) は, 尿中アルブミン排泄量が 30 mg/g Cr 未満の症例である. 腎症 1 期でも, 妊娠経過中に尿中アルブミン排泄および尿蛋白排泄を認めることがある. 糖尿病腎症 2 期 ( 早期腎症 ) は尿中アルブミン排泄量が 1 日 mg/g Cr の症例である. この時期には, 妊娠中に尿中アルブミン排泄量や尿蛋白排泄量が増加することがあるが, 分娩後には妊娠前のレベルに戻ることが報告されている 29). 糖尿病腎症 3 期 ( 顕性腎症 ) は, 顕性アルブミン尿 (300 mg/g Cr 以上 ) あるいは, 持続性蛋白尿 (0.5 g/g Cr 以上 ) の症例である. 腎症 3 期以降では, 尿蛋白量の増加, 腎機能の悪化, 妊娠高血圧症候群, 早産, 胎児発育不全など母児ともにリスクが高く, 尿蛋白量の程度や高血圧の有無など病態や経過により, 妊娠継続の可否を慎重に検討する必要がある 29). また, 腎症 3 期以上ではたんぱく制限が必要となるが, 児の栄養管理にとって不適切となる可能性もある. 妊娠前や妊娠中に腎症 3 期以降であることが明らかとなった場合は患者やその家族に対して十分なインフォームドコンセントが必要であり, 新生児科のある専門施設への転院が推奨される. 妊娠中の腎症の悪化を防ぐためには, 妊娠中の厳格な血糖および血圧の管理が必要であり, 糖尿病と妊娠の専門チームを持つ施設で管理することが望ましい. 妊娠前から高血圧もしくは糖尿病腎症を合併した糖尿病女性に対しては, 血圧コントロールのみならず糖尿病腎症進展予防のために ACE 阻害薬や ARB が使用される. しかし, 両薬剤は胎児発育不全, 先天奇形などのリスクがあるため妊娠前から中止する必要がある. 日本妊娠高血圧学会では, 妊娠前から降圧薬を内服している場合は妊娠中も同様の薬剤を服用してもよいが,ACE 阻害薬や ARB やアテノロールなどの β 遮断薬は中止するように勧告している s). また, 軽症高血圧合併妊娠であれば, 妊娠初期から中期ごろまで生理的血圧低下を期待して妊娠初期に降圧薬を減量, または中止してもよいとしているが, 必ずしも血圧低下を示さない症例もあり, 厳重な管理が必要である s). 375

10 複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 Q17-6 妊娠糖尿病のスクリーニングをどのように行うか ステートメント GDM のスクリーニングは糖尿病家族歴 肥満 巨大児出産の既往 加齢などのリスクファ クターだけでは見逃される症例が多いため 一律に随時血糖値 空腹時血糖値 glucose challenge test GCT などの血糖検査を行うことが望ましい検査時期は初診時および妊 娠 週が勧められる 32 GDM のスクリーニングは糖尿病家族歴 肥満 巨大児出産の既往 加齢などのリスクファ クターだけでは見逃される症例が多いため 随時血糖値 空腹時血糖値 GCT などの血糖検 査によるスクリーニング法を併用することが望ましい 32 スクリーニングを行う時期に関し ては 国際的にはインスリン抵抗性が悪化する妊娠 週が推奨されている g その一方 で 日本は人種的に GDM に対するハイリスク群であり 妊娠初期に GDM と診断される症 例が多いこと 妊娠前から 2 型糖尿病を発症している例があること 妊娠初期の高血糖によ る母児への悪影響を避ける必要があることなどから妊娠初期から前述したスクリーニングを 行うことが必要である IADPSG では 初診時に全妊婦あるいはハイリスク妊婦に対して随時血糖値 空腹時血糖 値のいずれかを測定し 初期スクリーニング陰性者では妊娠中期に全例に 75g OGTT を施行す るように推奨している g 日本糖尿病学会では GDM のスクリーニング法に関しては 初診 時およびインスリン抵抗性の高まる妊娠中期に随時血糖検査を行い 100 mg/dl 以上の陽性 者に対して 75g OGTT を施行するとしている c 日本産科婦人科学会 日本糖尿病 妊娠学会で は GDM のスクリーニング法についての多施設共同研究である JAGS の結果をもとに 33 1 回 目は妊娠のできるだけ早い時期に随時血糖値 施設ごとに決定 ただし JAGS の結果よりカッ トオフ値は 95 あるいは 100 mg/dl のいずれかを使用することが推奨される 2 回目は妊娠 中期 妊娠 週 に随時血糖値 カットオフ値 100 mg/dl もしくは 50g GCT カットオフ 値 140 mg/dl を用い カットオフ値以上の場合は 75g OGTT を実施することとしている j このように現状では 学会ごとに GDM のスクリーニング方法が異なっている 表 4 表4 GDM のスクリーニング方法の違い 妊娠初期 対象 方法 妊娠中期 対象 方法 日本産科婦人科学会 日本糖尿病 妊娠学会 日本糖尿病学会 国際糖尿病妊娠学会 IADPSG 全妊婦 全妊婦 全妊婦 or ハイリスク妊婦 随時血糖 随時血糖 空腹時血糖 HbA1c 随時血糖のいずれか 初期スクリーニング陰性者 初期スクリーニング陰性者 初期スクリーニング陰性者 随時血糖 or 50g GCT 随時血糖 75g OGTT GCT glucose challenge test OGTT oral glucose tolerance test 参考資料 c, g, j より作成 376 糖尿病診療ガイドライン2016 南江堂 2016

11 複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 妊婦の糖代謝異常 Q17-7 糖代謝異常妊婦の血糖コントロールをどのように行うか ステートメント 妊娠時の血糖コントロールは 低血糖を避けつつ可能な限り健常妊婦の血糖日内変動に近づ けることを目標とするその基準値は 空腹時血糖値は mg/dL 食後 2 時間血 糖値 120mg/dL 未満とする 食事療法は妊婦に必要十分な栄養を付加し 胎児の健全な発育と母体の厳格な血糖コント ロールおよび適正な体重増加を目指すものとする 34 食事療法で目標血糖値が達成できない場合はインスリン療法を開始する厳格な血糖コント ロールを維持するためには血糖自己測定を併用した強化インスリン療法が望ましい 35 運動療法の有用性を示す根拠は少ないが 母体の血糖コントロール改善 過度な体重増加抑 制 気分転換など健康増進に有用である可能性がある 妊娠中の血糖コントロール目標 妊娠は母体のインスリン抵抗性増悪など血糖コントロールに大きく影響する妊娠中の血 糖コントロール悪化は母児合併症のリスクとなるため 厳格な血糖コントロールが求められ る 2, 一般的に血糖コントロール指標としては 血糖値 HbA1c および GA が使用される 正常耐糖能妊婦における妊娠末期の平均血糖値は 74.7 ± 5.2 mg/dl と報告されている 36 ま た CGM continuous glucose monitoring を用いた正常耐糖能妊婦の報告では 妊娠末期の 平 均 血 糖 値 は 83.7 ± 18 mg/dl 空 腹 時 血 糖 値 75.0 ± 12 mg/dl 食 後 1 時 間 値 ± 12 mg/dl 食後 2 時間値 97.2 ± 10 mg/dl と報告されている 37 母 体 血 糖 値 に つ い て は 平 均 血 糖 値 が 105 mg/dl 以 上 で は 巨 大 児 平 均 血 糖 値 が 86 mg/dl 以下の患者では低出生体重児の頻度が増加したとする報告や 38 空腹時血糖値が 95 mg/dl 以上で巨大児の頻度が増加したとする報告がある 39 また 食後 1 時間血糖値 140 mg/dl 以下を目標に血糖コントロールを行うほうが 空腹時血糖値 mg/dl を目 標にコントロールする群よりも周産期合併症の頻度が低下したことが示されている 39 この ように糖代謝異常妊婦では 低血糖のリスクを最小限にとどめ 可能な限り健常妊婦の血糖 日内変動に近づけることが求められるその基準値は学会ごとに異なるが 空腹時血糖値 mg/dl 食後 2 時間血糖値 120 mg/dl 未満を目標とする 表 5 c, n, t 糖代謝異常妊婦の中長期的な血糖コントロール指標としては HbA1c および GA が使用され る日本糖尿病 妊娠学会は周産期合併症と HbA1c および GA との関連を検討し 正常妊娠 の基準値として HbA1c GA と定めた 40 HbA1c は鉄代謝の影響を受 けるが 妊娠の進行とともに母体はしばしば鉄欠乏状態となるまた HbA1c は半減期も約 表5 学会ごとの母体血糖コントロール目標値 空腹時 mg/dl 日本糖尿病学会 日本産科婦人科学会 食前 mg/dl 食後 1 時間 mg/dl 食後 2 時間 mg/dl HbA1c 参考資料 c, n, t より作成 377 糖尿病診療ガイドライン2016 南江堂 2016

12 複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 表6 糖代謝異常妊婦における食事エネルギー量 妊娠時期 日本糖尿病学会 妊娠初期 非肥満 非妊時 BMI 25 標準体重 30 50kcal 肥満 非妊時 BMI 25 標準体重 30kcal 妊娠中期 非肥満 非妊時 BMI 25 標準体重 kcal 肥満 非妊時 BMI 25 標準体重 30kcal 妊娠末期 非肥満 非妊時 BMI 25 標準体重 kcal 肥満 非妊時 BMI 25 標準体重 30kcal 日本産科婦人科学会 普通体格の妊婦 非妊時 BMI 25 標準体重 kcal 肥満妊婦 非妊時 BMI 25 標準体重 30kcal 参考資料 c t より作成 30 日と長く 妊娠経過中の血糖変動を正確に評価できない可能性があるGA は半減期が約 17 日と HbA1c より短く 鉄代謝の影響も受けにくい周産期合併症と HbA1c および GA と の関連を調査した研究では HbA1c 5.8 未満の群と 5.8 以上の群では周産期合併症の発生に 両群で有意な差を認めなかった一方で GA 15.8 以上の群では 15.8 未満の群と比較して 新生児低血糖 多血症 呼吸障害 HFD の発生頻度が有意に増加したことが示されている 9 このように 妊娠経過中では GA のほうが HbA1c よりも血糖コントロールの評価において有 用となる可能性があり GA 15.8 未満を目標とする c ただし GA は肥満者では低値となる 可能性が報告されており その評価には注意が必要である 妊娠中の食事療法 母体の肥満や妊娠経過中の体重増加は巨大児のリスクとなる 34, 41 糖代謝異常妊婦に対する 栄養管理の目標は 健全な児の発育と母体の良好な血糖コントロールを維持し 過度な体重 増加をきたさないようにすることなどである非肥満妊婦の摂取エネルギーに関しては標準 体重 30 kcal を基本とし 妊娠中に増大するエネルギー需要量の増大に対しては付加量を加 える付加量に関しては 厚生労働省 日本人食事摂取基準 2015 年 の妊婦に対するエネ ルギー付加量 初期 50 kcal 中期 250 kcal 末期 450 kcal に準拠する方法と c, u 妊娠期 間中一律に 200 kcal とする方法とがあるが t その優劣に関しては日本糖尿病 妊娠学会で検 討予定である一方で 肥満妊婦に対しては標準体重 30 kcal を基本とし エネルギー付加 は行わない c, t 表 6 ただし 極端なエネルギー制限は母体ケトーシスの原因となり さら に 妊娠中の母体の低栄養に伴う子宮内環境の悪化は 低出生体重の増加や児の将来の生活 習慣病の発症リスクを高める可能性が指摘されているそのため 母体および胎児の体重変 化やケトン体を参考に状況に応じて摂取エネルギーを調節することが求められる妊婦の適 切な体重増加量に関しては 厚生労働省 妊産婦のための食生活指針 での推奨体重増加量 を参考とし 非妊娠時 BMI body mass index が 18.5 未満で 9 12 kg BMI 未満で 7 12 kg BMI 25 以上で個別対応 およそ 5 kg を目安 を参考に母体および胎児が過度な体重 増加をきたさないように調節する v 表 7 また ミネラルやビタミンなど栄養素が不足し ないように指導する 適正な食事エネルギー 栄養素の配分によっても食後血糖値が抑制できない場合は 1 回 378 糖尿病診療ガイドライン2016 南江堂 2016

13 17 妊婦の糖代謝異常 あたりの食事量を減らし, 食事回数を増やす分割食も有用である. 妊娠中の運動療法妊娠中に運動療法を行うことは, 血糖コントロール改善, 過度な体重増加抑制, 気分転換などよい影響を与える可能性がある w, x). ただし, 切迫早産 流産, 子宮頸管無力症, 妊娠高血圧症候群など産科的に問題がある場合や, 糖尿病合併症進行例, 整形外科的問題がある場合では運動が禁忌となるため, 妊娠中の運動療法に関してはメディカルチェックを受けることが必要である. また, 仰臥位を保持したり, 不動のまま長時間立位を保ったりするような姿勢をとる運動, 落下あるいは外傷のリスクのある運動は避け, 非妊時と同様に適切な心拍数の範囲を守り, 有酸素運動を行うことを指導する x). 妊娠中の薬物療法食事療法や運動療法で十分な血糖コントロールが得られない糖代謝異常妊婦では薬物療法が必要となる. 日本における糖代謝異常妊婦に対する経口血糖降下薬や GLP-1 受容体作動薬のエビデンスは不十分でありインスリン治療を行う. 糖代謝異常妊婦のインスリン治療では, 厳格な血糖コントロールを行うために頻回注射療法や CSII が有用である. 個人差が大きいものの必要インスリン量は妊娠末期にかけて増大し, 分娩後は急激に減少するため慎重な調節が必要となる. 糖尿病妊婦における頻回注射療法と CSII の有用性についての比較では, 血糖コントロールおよび母児合併症においては同等であると報告されている一方で,CSII のほうが血糖コントロールに有用とする報告や,CSII で糖尿病ケトアシドーシスのリスクが高くなるとする報告もある 42,43). ただし,CSII では頻回注射療法と比較して夜間の低血糖を避けつつ暁現象が抑制できるなど血糖変動が制御されることが報告されており, 症例ごとに適応を検討する. 糖尿病妊婦に使用するインスリン製剤については前項で述べたように, 医療従事者が各インスリン製剤の利点 欠点を評価し, インスリン治療を必要とする妊婦や家族に対して十分なインフォームドコンセントを行ったうえで治療方針を妊娠前から決定する. 妊娠中の血糖コントロール評価方法母体の血糖コントロールを評価するうえで,HbA1c や GA はあくまで中期的な血糖コントロール目標であるため, 特に児転帰に関与する食後血糖値が十分に評価されないおそれがある 9, 14, o, p). そのため, 血糖自己測定 (self-monitoring of blood glucose:smbg) を用いて食前血糖値のみならず, 食後血糖値の評価を行い, 適切な治療方針を構築する必要がある 14, 35). また, GDM に対して SMBG のみの群と SMBG に加えて CGM を施行した群で血糖コントロールおよび周産期合併症の発生について比較した検討では,SMBG と CGM 併用群では血糖変動が改善し, 巨大児出生も減少したことが示されている. このように,CGM は糖代謝異常妊婦における血糖変動の評価に有用である可能性がある 44). 379

14 Q17-8 糖代謝異常妊婦の分娩時管理をどのように行うか? ステートメント 正常分娩と同じく, 糖代謝異常妊婦の分娩においても経腟分娩が基本であるが, 胎児発育や胎児 well-being を評価し, 個別に検討する. 母体高血糖が新生児低血糖などのリスクとなるため, 分娩時の母体血糖値は 100mg/dL 以下を維持する. 正常分娩と同じく, 糖代謝異常妊婦の分娩においても経腟分娩が基本である. 日本産科婦人科学会ガイドラインでは, 胎児 well-being を適宜評価するとともに,40 週 6 日まで自然陣痛発来管理と 41 週 0 日以降の分娩誘発 ( 待機的管理 ), あるいは頸管熟化を考慮した 37 週 0 日以降の分娩誘発 ( 積極的管理 ) のいずれかを行うように推奨している. 積極的管理の目的は巨大児の発症率を低下させ, 肩甲難産と帝王切開を回避することであるが, 新生児呼吸窮迫症候群や頸管未成熟に伴う誘発分娩不成功などのリスクがある t).gdm における待機的管理と積極的管理とを比較した RCT では, 積極的管理で HFD の発症は有意に低下したものの帝王切開率, 周産期死亡などの頻度において差は認めなかったことが報告されている 45). また, 母体血糖コントロール不良例, 糖尿病合併症悪化例, 巨大児疑い合併例では分娩時期, 分娩様式を個別に検討するとしている t). 分娩時の母体血糖値と新生児仮死や新生児低血糖との関連性が報告されているが, 様々な報告があり明らかな閾値は認めない 46 48, y). 分娩時の母体血糖値と合併症の程度の差などについて検討した報告は不十分ではあるが, 分娩時の母体の血糖コントロールは 1 時間ごとの血糖測定を基本とし, 低血糖を避けつつ 100 mg/dl 以下の血糖コントロールを維持するようにする 46, q). 日本産科婦人科学会ガイドラインでは 1 から 3 時間おきに血糖測定を行い,70 から 120 mg/dl の管理を目標とすることが推奨されている t). その一方で, 分娩時は必要なエネルギーを供給する必要がある. 陣痛発来や帝王切開などで食事摂取が不能となった際に, 糖質を含まない輸液のみで管理を行うと容易に母体はケトーシスをきたし, 胎児アシドーシスの原因となる. 糖代謝異常妊婦で補液が必要な場合はブドウ糖加補液を行い, 母体血糖値 100 mg/dl 以下が維持できないときは経静脈的にインスリン投与を行う. インスリン必要量は分娩後急速に減少するため, インスリン量を妊娠前の投与量に戻す, 分娩直前の 1/2 2/3 程度のインスリン量に減量する, あるいは中止する必要がある. 380

15 17 妊婦の糖代謝異常 Q17-9 妊娠糖尿病および妊娠中の明らかな糖尿病患者の分娩後の評価 管理をどのように行うか? ステートメント 妊娠糖尿病では分娩後も耐糖能異常を発症するリスクが高く 49), 分娩後早期からの糖代謝の再評価が必要である. 産後 6~12 週時に 75g OGTT を行い, 初回の OGTT 以降も定期的なフォローアップを行い, 併せて食事 運動療法などの指導を行うことが必要である. 授乳は母子関係確立のため重要である. さらに, 授乳は将来の母体の 2 型糖尿病発症を抑制することが報告されている 50). 非肥満症例の分娩後の食事療法は, 標準体重 30 kcal を基本とし, 授乳によるエネルギー需要量の増大に対しては, 厚生労働省 日本人食事摂取基準 (2015 年に改訂 ) を参考に,+350 kcal を付加量とする c, u). 一方で, 肥満症例に対しては標準体重 30 kcal を基本とし, エネルギー付加は行わない c). 分娩後インスリン必要量は急激に低下するため妊娠経過中にインスリン注射を行っていた GDM 症例では分娩後インスリンは不要となることが多い. 糖尿病妊婦においては妊娠前のインスリン量に戻すことや, 分娩直前のインスリン量の 1/2 から 1/3 へ減量することが必要となる. 授乳期間中においても経口血糖降下薬の安全性を示した根拠は少ないため使用しない. インスリン治療中の母体においては, 授乳の際に低血糖を生じることがあるため, 授乳前の補食などを指導する. GDM 既往女性は, 将来の 2 型糖尿病発症のハイリスク群であり 49, 51), 産後数年以降のみならず, 産後早期より耐糖能異常を発症する頻度が高い.675,455 人の女性を対象にしたメタアナリシスでは, フォローアップ期間の 6 週から 28 年の間で,GDM 既往女性における 2 型糖尿病発症リスクは正常血糖女性の 7.43 倍であることが示されている 49). さらに,GDM 既往女性では次回妊娠時においても GDM を発症する可能性がある. したがって,GDM 既往女性においては, 産後早期および次回妊娠時早期の耐糖能の評価が必要となる. 特にハイリスク GDM や妊娠中の明らかな糖尿病症例は将来の 2 型糖尿病発症リスクがさらに高いと考えられ, 厳重なフォローが必要である. 妊娠中に GDM および妊娠中の明らかな糖尿病と診断された場合, 産後 6 12 週時に 75g OGTT を行い, 耐糖能の再評価を行うことが推奨されている j). さらに,GDM 既往女性は耐糖能異常のみならずメタボリックシンドロームの発症リスクが高いことが知られており 52), 分娩後初回の OGTT で正常型と判断された場合であっても定期的なフォローアップが望まれる. さらに, ライフスタイルの改善により 2 型糖尿病発症率が低下したことが示されており, 食事療法 運動療法などの指導が重要となる 53, 54). しかし, 患者本人, 家族および医療従事者の認識不足, フォローアップ体制の不備などから GDM 既往女性の産後耐糖能検査の受診率はいまだ高くない. 今後, フォローアップ体制の確立が望まれる. 381

16 文献 [ 引用文献 ] 1) Ray JG, O Brien TE, Chan WS:Preconception care and the risk of congenital anomalies in the offspring of women with diabetes mellitus:a meta-analysis. QJM 94: , ) Falavigna M, Schmidt MI, Trujillo J et al:effectiveness of gestational diabetes treatment:a systematic review with quality of evidence assessment. Diabetes Res Clin Pract 98: , ) Hughes RC, Moore MP, Gullam JE et al:an early pregnancy HbA1c 5.9% (41 mmol/mol) is optimal for detecting diabetes and identifies women at increased risk of adverse pregnancy outcomes. Diabetes Care 37: , ) Tennant PW, Glinianaia SV, Bilous RW et al:pre-existing diabetes, maternal glycated haemoglobin, and the risks of fetal and infant death:a population-based study. Diabetologia 57: , ) Macintosh MC, Fleming KM, Bailey JA et al:perinatal mortality and congenital anomalies in babies of women with type 1 or type 2 diabetes in England, Wales, and Northern Ireland:population based study. BMJ 333:177, ) Temple RC, Aldridge VJ, Murphy HR:Prepregnancy care and pregnancy outcomes in women with type 1 diabetes. Diabetes Care 29: , ) Hanson U, Persson B, Thunell S:Relationship between haemoglobin A1C in early type 1 (insulin-dependent) diabetic pregnancy and the occurrence of spontaneous abortion and fetal malformation in Sweden. Diabetologia 33: , ) Ekbom P, Damm P, Feldt-Rasmussen B et al: Pregnancy outcome in type 1 diabetic women with microalbuminuria. Diabetes Care 24: , ) Combs CA, Gunderson E, Kitzmiller JL et al:relationship of fetal macrosomia to maternal postprandial glucose control during pregnancy. Diabetes Care 15: , ) HAPO Study Cooperative Research Group:Hyperglycemia and Adverse Pregnancy Outcome (HAPO) Study:association with neonatal anthropometrics. Diabetes 58: , ) 清水一紀, 平松祐司, 大森安恵ほか : 糖尿病合併妊婦および妊娠糖尿病におけるグリコアルブミンと母児合併症に関する調査. 妊娠と糖尿病 10:27-31, ) Glinianaia SV, Tennant PW, Bilous RW et al:hba(1c) and birthweight in women with pre-conception type 1 and type 2 diabetes:a population-based cohort study. Diabetologia 55: , 2012[ レベル 2] 13) Horvath K, Koch K, Jeitler K et al:effects of treatment in women with gestational diabetes mellitus:systematic review and meta-analysis. BMJ 340:c1395, ) de Veciana M, Major CA, Morgan MA et al:postprandial versus preprandial blood glucose monitoring in women with gestational diabetes mellitus requiring insulin therapy. N Engl J Med 333: , 1995[ レベル 1] 15) Metzger BE, Lowe LP, Dyer AR et al (HAPO Study Cooperative Research Group):Hyperglycemia and adverse pregnancy outcomes. N Engl J Med 358: , ) Sugiyama T, Saito M, Nishigori H et al:japan Diabetes and Pregnancy Study Group:Comparison of pregnancy outcomes between women with gestational diabetes and overt diabetes first diagnosed in pregnancy:a retrospective multi-institutional study in Japan. Diabetes Res Clin Pract 103:20-25, ) Imagawa A, Hanafusa T, Uchigata Y et al:fulminant type 1 diabetes:a nationwide survey in Japan. Diabetes Care 26: , 2003[ レベル 4] 18) Temple R, Aldridge V, Greenwood R et al:association between outcome of pregnancy and glycaemic control in early pregnancy in type 1 diabetes:population based study. BMJ 325: , ) Dhulkotia JS, Ola B, Fraser R et al:oral hypoglycemic agents vs insulin in management of gestational diabetes:a systematic review and metaanalysis. Am J Obstet Gynecol 457:e1-e9, ) Su DF, Wang XY:Metformin vs insulin in the management of gestational diabetes:a systematic review and meta-analysis. Diabetes Res Clin Pract 104: , ) Mathiesen ER, Kinsley B, Amiel SA et al:maternal glycemic control and hypoglycemia in type 1 diabetic pregnancy:a randomized trial of insulin aspart versus human insulin in 322 pregnant women. Diabetes Care 30: , 2007[ レベル 1] 22) Hod M, Damm P, Kaaja R et al;insulin Aspart Pregnancy Study Group:Fetal and perinatal outcomes 382

17 17 妊婦の糖代謝異常 in type 1 diabetes pregnancy:a randomized study comparing insulin aspart with human insulin in 322 subjects. Am J Obstet Gynecol 198:186, e1-e7, 2008[ レベル 1] 23) González Blanco C, Chico Ballesteros A, Gich Saladich I et al:glycemic control and pregnancy outcomes in women with type 1 diabetes mellitus using lispro versus regular insulin: a systematic review and meta-analysis. Diabetes Technol Ther 13: , ) Loukovaara S, Immonen I, Teramo KA et al:progression of retinopathy during pregnancy in type 1 diabetic women treated with insulin lispro. Diabetes Care 26: , 2003[ レベル 1] 25) Mathiesen ER, Hod M, Ivanisevic M et al (Detemir in Pregnancy Study Group):Maternal efficacy and safety outcomes in a randomized, controlled trial comparing insulin detemir with NPH insulin in 310 pregnant women with type 1 diabetes. Diabetes Care 35: , 2012[ レベル 1] 26) Pollex E, Moretti ME, Koren G et al:safety of insulin glargine use in pregnancy:a systematic review and meta-analysis. Ann Pharmacother 45:9-16, ) Chew EY, Mills JL, Metzger BE et al:metabolic control and progression of retinopathy. The Diabetes in Early Pregnancy Study. National Institute of Child Health and Human Development Diabetes in Early Pregnancy Study. Diabetes Care 18: , ) Diabetes Control and Complications Trial Research Group:Effect of pregnancy on microvascular complications in the diabetes control and complications trial. The Diabetes Control and Complications Trial Research Group. Diabetes Care 23: , ) 佐中眞由実, 嶺井里美, 岩本安彦 : 糖尿病腎症に関する妊娠許容条件の検討. 糖尿病と妊娠 6: , 2006[ レベル 4] 30) Haeri S, Khoury J, Kovilam O et al:the association of intrauterine growth abnormalities in women with type 1 diabetes mellitus complicated by vasculopathy. Am J Obstet Gynecol 199:278, e1-e5, ) Young EC, Pires ML, Marques LP et al:effects of pregnancy on the onset and progression of diabetic nephropathy and of diabetic nephropathy on pregnancy outcomes. Diabetes Metab Syndr 5: , ) Griffin ME, Coffey M, Johnson H et al:universal vs. risk factor-based screening for gestational diabetes mellitus:detection rates, gestation at diagnosis and outcome. Diabet Med 17:26-32, ) 杉山隆, 日下秀人, 佐川典正ほか : 妊娠糖尿病のスクリーニングに関する多施設共同研究報告. 糖尿病と妊娠 6:7-12, ) Ludwig DS, Currie J:The association between pregnancy weight gain and birthweight:a within-family comparison. Lancet 376: , ) Langer O, Rodriguez DA, Xenakis EM et al:intensified versus conventional management of gestational diabetes. Am J Obstet Gynecol 170: ;discussion , ) Parretti E, Mecacci F, Papini M et al: Third-trimester maternal glucose levels from diurnal profiles in nondiabetic pregnancies:correlation with sonographic parameters of fetal growth. Diabetes Care 24: , ) Yogev Y, Ben-Haroush A, Chen R et al:diurnal glycemic profile in obese and normal weight nondiabetic pregnant women. Am J Obstet Gynecol 191: , 2004[ レベル 4] 38) Langer O, Levy J, Brustman L et al:glycemic control in gestational diabetes mellitus:how tight is tight enough:small for gestational age versus large for gestational age? Am J Obstet Gynecol 161: , ) Langer O, Berkus M, Brustman L et al:rationale for insulin management in gestational diabetes mellitus. Diabetes 40 (Suppl 2): , ) Hiramatsu Y, Shimizu I, Omori Y et al (Japan Glycated Albumin) Study Group:Determination of reference intervals of glycated albumin and hemoglobin A1c in healthy pregnant Japanese women and analysis of their time courses and influencing factors during pregnancy. Endocr J 59: , 2012[ レベル 3] 41) Sugiyama T, Metoki H, Hamada H et al:a retrospective multi-institutional study of treatment for mild gestational diabetes in Japan. Diabetes Res Clin Pract 103: , ) Mukhopadhyay A, Farrell T, Fraser RB et al:continuous subcutaneous insulin infusion vs intensive conventional insulin therapy in pregnant diabetic women:a systematic review and metaanalysis of randomized, controlled trials. Am J Obstet Gynecol 197: , ) Bruttomesso D, Bonomo M, Costa S et al (Italian Group for Continuous Subcutaneous Insulin Infusion in Pregnancy):Type 1 diabetes control and pregnancy outcomes in women treated with continuous subcutaneous insulin infusion (CSII) or with insulin glargine and multiple daily injections of rapid-acting insulin analogues (glargine-mdi). Diabetes Metab 37: ,

18 44) Yu F, Lv L, Liang Z et al:continuous glucose monitoring effects on maternal glycemic control and pregnancy outcomes in patients with gestational diabetes mellitus: a prospective cohort study. J Clin Endocrinol Metab 99: , ) Kjos SL, Henry OA, Montoro M et al:insulin-requiring diabetes in pregnancy:a randomized trial of active induction of labor and expectant management. Am J Obstet Gynecol 169: , 1993[ レベル 1] 46) Curet LB, Izquierdo LA, Gilson GJ et al:relative effects of antepartum and intrapartum maternal blood glucose levels on incidence of neonatal hypoglycemia. J Perinatol 17: , 1997[ レベル 4] 47) Mimouni F, Miodovnik M, Siddiqi TA et al:perinatal asphyxia in infants of insulin-dependent diabetic mothers. J Pediatr 113: , ) Kline GA, Edwards A:Antepartum and intra-partum insulin management of type 1 and type 2 diabetic women: Impact on clinically significant neonatal hypoglycemia. Diabetes Res Clin Pract 77: , ) Bellamy L, Casas JP, Hingorani AD et al:type 2 diabetes mellitus after gestational diabetes:a systematic review and meta-analysis. Lancet 373: , 2009[ レベル 1] 50) Jäger S, Jacobs S, Kröger J et al:breast-feeding and maternal risk of type 2 diabetes:a prospective study and meta-analysis. Diabetologia 57: , ) Chodick G, Elchalal U, Sella T et al:the risk of overt diabetes mellitus among women with gestational diabetes:a population-based study. Diabet Med 27: , ) Lauenborg J, Mathiesen E, Hansen T et al:the prevalence of the metabolic syndrome in a Danish population of women with previous gestational diabetes mellitus is three-fold higher than in the general population. J Clin Endocrinol Metab 90: , ) Bao W, Tobias DK, Bowers K et al:physical activity and sedentary behaviors associated with risk of progression from gestational diabetes mellitus to type 2 diabetes mellitus:a prospective cohort study. JAMA Intern Med 174: , ) Ratner RE, Christophi CA, Metzger BE et al:prevention of diabetes in women with a history of gestational diabetes:effects of metformin and lifestyle interventions. J Clin Endocrinol Metab 93: , 2008[ レベル 1] [ 参考とした資料 ] a) 厚生労働省 : 平成 24 年 国民健康 栄養調査 最終アクセス日平成 27 年 2 月 26 日 ) b) 厚生労働省 : 平成 26 年我が国の人口動態 最終アクセス日平成 27 年 2 月 26 日 ) c) 日本糖尿病学会 ( 編 ): 妊婦の糖代謝異常. 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン 2013, 南江堂, 東京,p ,2013 d) 妊婦耐糖能異常の診断と管理に関する検討小委員会 : 周産期委員会報告 ( 妊娠糖尿病について ). 日本産科婦人科学会雑誌 47: , 1995 e) 糖尿病診断基準検討委員会 : 糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告. 糖尿病 42: , 1999 f) 妊婦の糖尿病診断基準ならびに管理検討小委員会 : 栄養代謝問題委員会報告 : 糖代謝異常妊婦とくに妊娠糖尿病の診断に関する指針 ( 案 ). 日本産科婦人科学会雑誌 36: , 1984 g)metzger BE, Gabbe SG, Persson B et al (International Association of Diabetes and Pregnancy Study Groups Consensus Panel):International association of diabetes and pregnancy study groups recommendations on the diagnosis and classification of hyperglycemia in pregnancy. Diabetes Care 33: , 2010 h) 平松祐司, 羽田勝計, 安日一郎ほか : 日本糖尿病 妊娠学会と日本糖尿病学会との合同委員会報告 日本糖尿病 妊娠学会と日本糖尿病学会との合同委員会 妊娠中の糖代謝異常と診断基準の統一化について. 糖尿病 58: , 2015 i) 清野裕, 南條輝志男, 田嶼尚子ほか : 糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告 ( 国際標準化対応版 ). 糖尿病 55: , 2012 j) 日本産婦人科学会, 日本産婦人科医会 :CQ005-1 妊娠中の耐糖能検査は? 産科診療ガイドライン産科編 2014, 日本産科婦人科学会,p19-23,2014 k) 中林正雄, 平松祐司, 杉山隆ほか : 妊娠糖尿病診断基準変更に関する委員会報告. 糖尿病と妊娠 10: 21, 2010 l) 今川彰久, 花房俊昭, 粟田卓也ほか :1 型糖尿病調査研究委員会報告 劇症 1 型糖尿病の新しい診断基準. 糖尿病 55: ,

19 17 妊婦の糖代謝異常 m) 日本糖尿病学会 ( 編 著 ): ライフステージごとの糖尿病 妊娠と糖尿病. 糖尿病治療ガイド , 文光堂, 東京,p89-91,2014 n) 日本糖尿病学会 : 糖尿病と妊娠. 糖尿病専門医ガイドブック, 第 6 版, 診断と治療社,p ,2014 o)american Diabetes Association: Management of diabetes in pregnancy. Diabetes Care 39 (Suppl 1): S94-S98, 2016 p)national Institute for Health and Care Excellence (NICE) guideline 最終アクセス日 2016 年 1 月 19) q)u.s. Food and Drug Administration. Pregnancy and Lactation Labeling Final Rule ucm htm( 最終アクセス日 2015 年 12 月 2 日 ) r) 糖尿病性腎症合同員会, 糖尿病性腎症病期分類の改定について /common/fckeditor/editor/filemanager/connectors/php/transfer.php?file=/uid000025_ F6E F F E672E ]( 最終アクセス日 2015 年 2 月 18 日 ) s) 日本妊娠高血圧学会 : 高血圧合併妊娠の管理 CQ3 妊娠前から降圧薬を服用している高血圧合併妊婦の対応は? 妊娠高血圧症候群 (PIH) 管理ガイドライン 2009, メジカルビュー社, 東京,p108,2009 t) 日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会 :CQ005-2 妊娠糖尿病 (GDM), 妊娠時に診断された明らかな糖尿病ならびに糖尿病 (DM) 合併妊婦の管理 分娩は? 産科診療ガイドライン産科編 2014, 日本産婦人科学会,p24-29,2014 u) 厚生労働省 : 日本人の食事摂取基準 (2015 年 ) 最終アクセス日平成 27 年 2 月 26 日 ) v) 厚生労働省 : 妊産婦のための食生活指針 健やか親子 21 推進検討会報告書 最終アクセス日 2015 年 2 月 26 日 ) w)kitzmiller JL, Block JM, Brown FM et al:managing preexisting diabetes for pregnancy:summary of evidence and consensus recommendations for care. Diabetes Care 31: , 2008 x) 日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会 :CQ107 妊娠中の運動は? 産科診療ガイドライン産科編 2014, 日本産婦人科学会,p ,2014 y)ryan EA, Al-Agha R:Glucose control during labor and delivery. Curr Diab Rep 14:450,

20 アブストラクトテーブル 論文コード対象方法結果 1)Ray JG et al, 2001 メタアナリシス コホート研究 14 論文. 妊娠前の管理の有無による胎児奇形率を検討. 奇形は妊娠前あり群で 2.1%, 妊娠前管理なしで 6.5%. 2)Falavigna M et al, 2012 システマティックレビュー 3)Hughes RC et al, 2014 ニュージーランド人,2008 コホート研究 2010 年に出産した妊婦 (16,122 人 ). 4)Tennant PW et al, 2014 コホート研究 5)Macintosh MC et al, 2006 コホート研究 RCT 7 論文,GDM(3,157 人 ). イギリス人, 年, 非糖尿病と妊娠前から存在する非糖尿病 (395,844 人 ), 妊娠前糖尿病との間で, 胎児 新生児死から存在する 1 型糖尿病 (1,206 亡率に差があるか比較. 人 ),2 型糖尿病 (342 人 ). イギリス人, 年に出産した1 型糖尿病 (1,707 人 ),2 型糖尿病 (652 人 ). GDM 治療によって周産期合併症のリスクが低下するか検討. HbA1c 5.9% 未満と HbA1c 5.9% 以上との間で, 周産期予後に差があるか検討. 先天奇形率と周産期死亡率をナショナルデータと糖尿病合併妊娠とで比較. GDM 治療により巨大児, 妊娠高血圧症候群, 肩甲難産のリスク低下. HbA1c 5.9% 未満の群と比較して HbA1c % の群では大奇形 2.67 倍, 妊娠高血圧症候群 2.42 倍, 周産期死亡 3.96 倍と発症リスクが高い. 非糖尿病と比較して糖尿病で死亡率上昇.HbA1c 6.6% 以上で死亡率上昇. 糖尿病合併妊娠において先天奇形率および周産期死亡率が高い. 6)Temple RC et al, 2006 コホート研究 イギリス人,1 型糖尿病 (290 人 ). 妊娠前管理なし (18 人 ) と妊娠妊娠前管理群で有害事象が有意前管理あり (110 人 ) との間で, に減少. 周産期合併症に差があるか比較. 7)Hanson U et al, 1990 スウェーデン人,1 型糖尿病女性コホート研究 (532 人 ), 健常女性 (222 人 ). 8)Ekbom P et al, 2001 コホート研究 9)Combs CA et al, 1992 アメリカ人, 糖尿病合併妊娠メタアナリシス (111 人 ). 10) HAPO Study Cooperative Research Group, 2009 コホート研究 11) 清水一紀ほか, 2010 ケースコントロール研究 12)Glinianaia SV et al, 2012 イギリス人, 糖尿病合併妊娠コホート研究 (1,505 例 ). 13)Horvath K et al, 2010 メタアナリシス デンマーク人,1 型糖尿病合併妊娠 (240 人 ). 日本人,1 型糖尿病合併妊娠 (47 人 ),2 型糖尿病合併妊娠 (89 人 ),GDM(57 人 ). 周産期合併症ごとに複数の RCT 論文の結果を統合. 妊娠初期 HbA1c と先天奇形率発生率との関係を検討. 腎症なし (203 人 ), 微量アルブミン尿 (26 人 ), 顕性蛋白尿 (11 人 ) のそれぞれで周産期予後を比較. 母体食前, 食後血糖値やインスリン量などと巨大児出生の関連を検討. 9ヵ国多施設, 妊婦 (23,316 人 ). 児の身長, 体重, 皮膚ひだから体脂肪量を算出し, 臍帯血 Cペプチドとの関連を検討. HbA1c,GA 値と周産期予後との関係について検討. 母体血糖コントロール, 生活歴, BMI と出生体重との関連を検討. GDM 治療の有用性を周産期合併症ごとに検討. 妊娠初期 HbA1c が平均 +8SD 以上で先天奇形率上昇. 腎症進行に伴い妊娠高血圧症候群, 早産, 低出生体重児が増加. 巨大児発生頻度とは食後血糖値のみが相関し, 食後 1 時間血糖 130mg/dL 未満が求められる. 児の体脂肪量は母体血糖値, 臍帯血 C ペプチドが高値となるほど増加する. HbA1c 5.8% 以上,GA 15.8% 以上とで比較した結果,GA のほうが周産期合併症の予測に有用. 妊娠前から妊娠を通じて血糖コントロール不良により, 胎児成長障害などの原因となる. GDM 治療群で肩甲難産のリスクが低下. 386

21 17 妊婦の糖代謝異常 論文コード対象方法結果 14)de Veciana M et al, アメリカ人,GDM(66 人 ) RCT [ レベル 1] 目標血糖値食前 mg/dl, 食後 1 時間 140mg/dL に分け, 周産期合併症の頻度を比較. 食後血糖値目標群で巨大児, 新生児低血糖, 帝王切開率などが低下. 15) HAPO Study Cooperative Research Group, 2008 RCT 16)Sugiyama T et al, 2014 後ろ向きコホート研究 17)Imagawa A et al, 2003 日本人, 年, 劇症横断研究 1 型 (161 人 ), 急性発症 1 型 [ レベル 4] (137 人 ). 18)Temple R et al, 2002 イギリス人,1 型糖尿病合併妊娠コホート研究 (158 人,242 妊娠 ). 19)Dhulkotia JS et al, 2010 システマティックレビュー 9ヵ国多施設, 妊婦 (23,316 人 ). 妊娠 週に75g OGTT を行い, 母体の耐糖能異常による不良な妊娠アウトカムのリスクを検討. 日本人,GDM( 1,267 人 ), GDMとovert diabetes との間 overt diabetes(348 人 ). で, 周産期結果に差があるか比較. RCT 6 論文,GDM(1,388 人 ). 劇症 1 型糖尿病と急性発症 1 型糖尿病の発症について後方視的に比較. HbA1c 7.5% 未満の群と 7.5% 以上に分け, 周産期合併症について差があるか比較. GDM に対して経口血糖降下薬治療とインスリン治療との間で, 治療効果と周産期合併症の発生リスクに差があるか比較. 糖尿病レベル以下の場合も, 母体の血糖値の上昇と出生時体重の増加および臍帯血中の血清 C ペプチド値の上昇とが強く相関. overt diabetes のほうが網膜症および妊娠高血圧症候群の発生頻度が高い. 妊娠可能年齢の女性において, 妊娠を契機に劇症 1 型は 21.0%, 急性発症 1 型は 1.5% であった. 血糖コントロール不良群では自然流産, 先天奇形, 胎児死亡の発生が高率. 経口血糖降下薬治療群とインスリン治療群で, 母体の血糖コントロールおよび周産期合併症発生頻度に差は認めず. 20)Su DF et al, 2014 システマティックレビュー RCT6 論文,GDM(1,420 人 ). GDM に対してメトホルミン治療とインスリン治療で周産期合併症の発生に差があるか比較. メトホルミン群で早産の発生頻度は高かったもののその他の周産期合併症の発生リスクに差なし. 21)Mathiesen ER et al, 2007 RCT [ レベル 1] 22)Hod M et al, 2008 ヨーロッパ多施設,1 型糖尿病妊 RCT 娠または妊娠計画中 (322 人 ). [ レベル 1] 23)González Blanco C, 2011 システマティックレビュー 24)Loukovaara S et al, フィンランド人,1 型糖尿病合併 2003 妊娠 (69 人 ). RCT [ レベル 1] 25)Mathiesen ER et al, 2012 RCT 1 型糖尿病. [ レベル 1] ヨーロッパ多施設,1 型糖尿病妊娠または妊娠計画中 (322 人 ). RCT もしくは観察研究 4 論文. 15 ヵ国の RCT,12 ヵ月以上インスリン療法中の妊婦あるいは 26)Pollex E et al, 2011 コホート研究 8 論文, 糖尿病妊メタアナリシス婦あるいはGDM, グラルギン (331 人 ),NPH(371 人 ) アスパルト群とヒトインスリン群との間で, 母体血糖コントロール, 重症低血糖, 分娩結果に差があるか比較. アスパルト群とヒトインスリン群との間で, 児の転帰に差があるか比較. インスリンリスプロ群とヒトインスリン群との間で, 周産期合併症の発生に差があるか比較. インスリンリスプロ群 (36 人 ) とヒトインスリン群 (33 人 ) に分け, 母体血糖コントロール, 網膜症などに差があるか比較. インスリンデテミル群と NPH インスリン群との間で, 妊娠中母体の血糖コントロールに差があるか比較. グラルギン使用群と NPH 使用群との間で, 周産期合併症の発生頻度に差があるか検討. アスパルト群でヒトインスリン群と比較して重症低血糖が減少, 分娩結果に差はなし. 両群で児奇形発生率, 出生体重, 早産の発生率に有意な差はなし. インスリンリスプロ群で LGA 発生リスクが有意に高率. その他の周産期合併症の発生に両群で有意な差なし. ヒトインスリンと比較してインスリンリスプロで有意に HbA1cが改善した. 網膜症の悪化については両群で差を認めず. 両群で同等の血糖コントロールが得られ, 低血糖頻度に差は認めず. 妊婦においてもグラルギンは NPH と同等の安全性であった. 387

22 論文コード対象方法結果 27)Chew EY et al, 1995 アメリカ人,1 型糖尿病妊婦コホート研究 (155 人 ). 28)DCCT Research Group, 2000 コホート研究 29) 佐中眞由実ほか, 2006 症例集積 [ レベル 4] 30)Haeri S et al, 2008 アメリカ人,1 型糖尿病合併妊娠後ろ向きコホート研究 (340 人 ). 31)Young EC et al, 2011 ブラジル人, 糖尿病合併妊娠コホート研究 (43 人 ). 32)Griffin ME et al, 2000 RCT アメリカ人,DCCT に参加した 1 型糖尿病患者のうち観察期間中に経妊 180 人と非経妊 500 人. 日本人, 年, 糖尿病合併妊娠 (318 人 ). アイルランド人, 妊婦 (3,742 人 ). 妊娠早期から分娩後までの網膜症の発症, 進展を検討. 経妊と非経妊の平均 6.5 年の追跡比較. 妊娠が網膜症および腎症に及ぼす影響を検討. 腎症 2 期 (14 人 ), 腎症 3 期 (7 人 ), 腎症なし (295 人 ) のそれぞれで, 腎機能, 分娩成績を比較. 糖尿病細小血管症と児発育との関連を検討. 糖尿病腎症なし (32 人 ) と腎症あり (11 人 ) との間で, 周産期合併症の頻度に差があるか比較. リスクファクターによる選択的スクリーニング 1,853 人と GCT スクリーニング法 1,299 人をランダムに分け, 比較. 網膜症なしの 10.3%, 微小動脈瘤のみの 21.1%, 軽症非増殖型 18.8%, 中等度以上の非増殖型の 54.8% に網膜症の増悪あり. 軽症の 6.3%, 中等度以上の 29% が増殖型に進展.HbA1c 高値, 血糖コントロールの急激な改善, 罹病期間がリスクファクター. 妊娠群では非妊娠群と比較して, 強化療法群で 1.63 倍, 従来治療群で 2.48 倍網膜症悪化リスクがあるが, 一時的であり, 長期予後は悪化しない. 腎症 2 期では尿蛋白は増加するものの分娩後改善, 低出生体重児高頻度. 腎症 3 期では Ccr が低下, 全例低出生体重児. SGA の発生リスクは細小血管症なしの群と比較して, 腎症を有する群で 6.11 倍, 網膜症と腎症を有する群では 倍. 糖尿病腎症ありの群で早産, 妊娠高血圧症候群の発生が有意に高頻度. リスクファクターによる選択的スクリーニングで 1.45%, ユニバーサルスクリーニング法では 2.7% と有意に高率に GDM を検出. 33) 杉山隆ほか, 2006 コホート研究 日本人, 妊婦 (4,070 人 ). 妊娠初期および中期に GCT, 随時血糖, 食後血糖, 空腹時血糖によるGDMスクリーニングを行い, 精度, コスト効果を比較. 妊娠初期は随時血糖 ( カットオフ値は 95mg/dL), 中期は GCT ( カットオフ値は 140mg/dL) を推奨. 34)Ludwig DS et al, 2010 アメリカ人, 正常妊婦コホート研究 (513,501 人 ). 妊娠中の母体体重増加と児出生体重との関連を調査. 妊娠中の母体体重が増加すると児出生体重が増加する. 35)Langer O et al, 1994 非ランダム化比較試験 アメリカ人,GDM(2,461 人 ). SMBG 群 ( 1,316 人 ) と非 SMBG 群で新生児合併症が有意 SMBG 群 (1,145 人 ) との間で, に低下, 巨大児分娩リスクは平周産期合併症に差があるか比較. 均血糖値, 年齢, 巨大児分娩歴. 36)Parretti E et al, 2001 イタリア人, 肥満, 非糖尿病妊婦ケースコントロール研究 (51 人 ). 母体血糖値と胎児発育との関連を検討. 肥満非糖尿病妊婦の妊娠第 3 期の平均血糖値は 74.7±5.2 mg/dl, 食後 1 時間と胎児腹囲が相関. 37)Yogev Y et al, 2004 アメリカ人, 妊娠 週の横断研究肥満および非肥満非糖尿病妊婦 [ レベル 4] (57 人 ). 日常生活で持続血糖モニターを用いた血糖変動を評価. 妊娠末期平均血糖値 83.7±18 mg/dl, 空腹時血糖値 75.0± 12mg/dL, 食後 2 時間 97.2± 10mg/dL. 388

23 17 妊婦の糖代謝異常 論文コード対象方法結果 38)Langer O et al, 1989 コホート研究 39)Langer O et al, 1991 コホート研究 アメリカ人,GDM(334 人 ). アメリカ人,GDM(471 人 ). 平均血糖値が 86mg/dL 以下, mg/dL,105mg/dL 以上の群に分け, 児合併症に差があるか比較. 空腹時血糖値 95mg/dL 以下, mg/dL( インスリン治療ありとなし ),105mg/dL 以上 ( すべてインスリン治療 ) の群に分け, 周産期合併症に差があるか比較. 平均血糖値 86mg/dL 以下の群で低出生体重 105mg/dL 以上で巨大児出生が増加. 空腹時血糖値 95mg/dL 以上で巨大児出生が有意に増加 mg/dL でインスリン治療群で周産期合併症頻度が減少. 40)Hiramatsu Y et al, 2012 日本人, 合併症を持たない妊婦ケースコントロール研究 (676 人 ). 非妊娠時, 妊娠各週数, 産褥における HbA1c,GA の正常値を算出 正常値は HbA1c %, GA %. 41)Sugiyama T et al, 2014 後ろ向きコホート研究 日本人,GDM(893 人 ). 無治療 542 人と 351 人の治療中の GDM との間で, 周産期予後に差があるか比較検討. 治療群で LGA の発生は有意ではないものの減少傾向. 母体体重と妊娠経過中の体重増加が LGA 発生と関連. 42)Mukhopadhyay A et al, RCT 6 論文, 糖尿病合併妊娠 2007 (213 人 ). システマティックレビュー 43)Bruttomesso D et al, 2011 後ろ向きコホート研究 44)Yu F et al, 2014 コホート研究 46)Curret LB et al, 1997 横断研究 [ レベル 4] イタリア人,CSII(100 人 ), またはMDI(44 人 ) で管理中の 1 型糖尿病妊婦. 中国人,GDM(340 人 )[ 東アジア人 ]. アメリカ人, インスリン治療中糖尿病合併妊娠 (233 人 ). MDI と CSII との間で, 母児合併症に差があるか比較. CSII と MDI との間で, 周産期合併症発症に差があるか後方視的に検討. SMBG 群と SMBG に加えて CGM を施行する群との間で, 周産期合併症発生頻度に差があるか比較. 45)Kjos SL et al, 1993 アメリカ人, インスリン治療中 積極的に分娩誘発を行う群と待 待機管理群でLGA 児の頻度お RCT 糖尿病合併妊娠 (200 人 ). 機管理群との間で児出生体重, よび肩甲難産が高値. 帝王切開 [ レベル 1] 帝王切開率などに差があるか比 率は両群で差はなし. 較. 新生児低血糖の発生と分娩時の母体血糖コントロールなどとの関連を検討. CSII で糖尿病網膜症悪化とケトアシドーシス頻度増加傾向にあるも統計学的に有意差なし. その他周産期事象に両群で有意差なし. 両群とも周産期合併症に差は認めなかったものの,CSII のほうが少量のインスリンで早期に良好な血糖コントロールが達成できる. CGM 併用群で妊娠高血圧症候群, 帝王切開頻度が低下. 新生児低血糖を認めた群では認めていない群と比較して分娩時母体血糖値が高値. 分娩時母体血糖値が 100mg/dL 未満で新生児低血糖の発生頻度が低い. 47)Mimouni F et al, 1988 ケースコントロール研究 アメリカ人,IDDM(149 例 ) 年から 1986 年までに胎児仮死があった群と胎児仮死がなかった群とに分けて検討. 胎児仮死と腎症, 分娩前母体血糖, 早産が相関. 48)Kline GA et al, 2007 後ろ向きコホート研究 49)Bellamy L et al, 2009 システマティックレビュー [ レベル 1] カナダ人, 糖尿病合併妊娠 (100 例 ) 年に調査された 2 型糖尿病発症に関する20 研究,675,455 人の女性. 新生児低血糖の発生と母体分娩時血糖値, 妊娠末期 HbA1c などとの関連を検討. 正常耐糖能,GDM 既往妊婦との間で 2 型糖尿病発症率に差があるか比較. 妊娠末期 HbA1c>6.5% では新生児低血糖のリスクが高く, HbA1c<6.5% を目指すことが必要. GDM 既往ありで正常耐糖能と比較して 2 型糖尿病発症リスクは 7.4 倍. 389

24 論文コード対象方法結果 50)Jäger S et al, 2014 コホート研究, メタアナリシス 51)Chodick G et al, 2010 コホート研究 52)Lauenborg J et al, 2005 デンマーク人, 年コホート研究にGDM 既往 (481 人 ) と対照 (1,000 人 ). 53)Bao W et al, 2014 コホート研究 ヨーロッパ, 年に出産した女性 (1,262 人 ) および,4 研究 ( 女性 220,360 人 ). イスラエル人,185,416 人の女性, そのうち 11,270 人がGDM. アメリカ人,GDM 既往のある女性 (4,554 人 ). 54)Ratner RE et al, 2008 インド人,GDM 既往女性 (350 RCT 研究人 ) と GDM 既往のない女性 [ レベル 1] (1,416 人 ). 授乳期間と 2 型糖尿病発症率について検討. GDM 群, 非 GDM 群との間で, 産後の 2 型糖尿病発症率に差があるか比較. 中央値で 9.8 年追跡し, メタボリックシンドロームの発症を比較. 生活強度の差で 2 型糖尿病発症率に差が出るか検討. ライフスタイル改善, メトホルミン投与, プラセボ群に無作為に分け, 糖尿病発症率を比較. 授乳期間が長いほど 2 型糖尿病発症リスクが低下. 10 年までの追跡での 2 型糖尿病発症率は GDM 群 15.7%, 非 GDM 群 1%. 対照群と比較して GDM 既往ではメタボリックシンドロームの発症が 3 倍高率. 生活活動強度上昇群で, 生活活動強度維持群と比較して 2 型糖尿病発症リスクが低下. ライフスタイル改善群, メトホルミン投与群でプラセボ群と比較して糖尿病発症率が改善し, 特に GDM 既往女性では有用であった. 390

37 4

37 4 妊娠中の糖代謝異常と母体 胎児への影響 産後のフォローアップ 母体 胎児への影響 妊娠糖尿病の方は 出産後に血糖値が正常化しても 将来 罹患するリスクが高い状態にあります 妊娠中の糖代謝異常 ます は成長促進作用もあることから 胎児が発育して巨大児になるなど 母体のみならず 胎児や生ま 既報では 妊娠糖尿病では 正常血糖の妊婦に比べてなるリスクが7.4倍とされています4 仮に罹患して気づかないでいると

More information

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に 糖尿病診療ガイドライン 2016 1. 糖尿病診断の指針 2. 糖尿病治療の目標と指針 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士による指導は有効か? 食事療法の実践にあたって, 管理栄養士による指導が有効である. 4. 運動療法 CQ4-2 2 型糖尿病患者に運動療法は有効か? 有酸素運動が, 血糖コントロール インスリン抵抗性 心肺機能 脂質代謝を改善し, 血圧を低下させる.

More information

日本産科婦人科学会雑誌第65巻第1号

日本産科婦人科学会雑誌第65巻第1号 N 3 糖尿病合併妊娠 妊娠糖尿病 定義の変更 Diabetic Pregnancy and Gestational Diabetes Mellitus...It s New Diagnostic Criteria わが国の糖尿病人口は急増し,40 歳以上の 3 人に 1 人が糖尿病または糖尿病予備群であり, 糖尿病はわが国の国民病といってよい状況にある. 妊婦においても妊娠糖尿病 gestational

More information

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症 2009 年 4 月 27 日放送 糖尿病診療における早期からの厳格血糖コントロールの重要性 東京大学大学院医学系研究科糖尿病 代謝内科教授門脇孝先生 平成 19 年糖尿病実態調査わが国では 生活習慣の欧米化により糖尿病患者の数が急増しており 2007 年度の糖尿病実態調査では 糖尿病が強く疑われる方は 890 万人 糖尿病の可能性が否定できない方は 1,320 万人と推定されました 両者を合計すると

More information

糖尿病GL-00.qxd

糖尿病GL-00.qxd 16 妊婦の糖代謝異常 妊婦の糖代謝異常には, 糖尿病が妊娠前から存在している糖尿病合併妊娠 (preexisting diabetes) と, 妊娠中に発見された糖代謝異常 (hyperglycemic disorders in pregnancy) とがあり, 後者には妊娠糖尿病 (gestational diabetes mellitus:gdm) と妊娠時に診断された明らかな糖尿病 (overt

More information

妊婦の糖尿病管理

妊婦の糖尿病管理 妊婦の糖尿病管理 昭和大学藤が丘病院内科 内分泌代謝 佐藤志織 糖尿病を合併した妊娠には, 妊娠糖尿病 (gestational diabetes mellitus:gdm) と糖尿病合併妊娠の 2 つがある. 前者は妊娠中に発症もしくは始めて発見された耐糖能低下のことで, 後者は妊娠前から糖尿病があって妊娠したもののことである. 糖尿病を合併した妊娠が問題となる理由は,1) 周産期合併症の増加,2)

More information

3 スライディングスケール法とアルゴリズム法 ( 皮下注射 ) 3-1. はじめに 入院患者の血糖コントロール手順 ( 図 3 1) 入院患者の血糖コントロール手順 DST ラウンドへの依頼 : 各病棟にある AsamaDST ラウンドマニュアルを参照 入院時に高血糖を示す患者に対して 従来はスライ

3 スライディングスケール法とアルゴリズム法 ( 皮下注射 ) 3-1. はじめに 入院患者の血糖コントロール手順 ( 図 3 1) 入院患者の血糖コントロール手順 DST ラウンドへの依頼 : 各病棟にある AsamaDST ラウンドマニュアルを参照 入院時に高血糖を示す患者に対して 従来はスライ 3 スライディングスケール法とアルゴリズム法 ( 皮下注射 ) 3-1. はじめに 入院患者の血糖コントロール手順 ( 図 3 1) 入院患者の血糖コントロール手順 DST ラウンドへの依頼 : 各病棟にある AsamaDST ラウンドマニュアルを参照 入院時に高血糖を示す患者に対して 従来はスライディングスケール法 ( 図 2 2) が多用されてきた スライディングスケール法は簡便で ある程度の血糖コントロールは可能である

More information

(検8)05資料4 門脇構成員 随時血糖値の判定基準について

(検8)05資料4 門脇構成員 随時血糖値の判定基準について 平成 28 年 11 月 8 日 第 8 回特定健康診査 特定保健指導の在り方に関する検討会 資料 4 保健指導対象者の選定と階層化における 随時血糖値の判定基準について 東京大学医学部附属病院糖尿病 代謝内科門脇孝 1 現行の保健指導対象者の選定と階層化における血糖関連検査の判定基準 2 血糖関連検査の判定基準に関する背景 (1) 保健指導判定値 : 空腹時血糖 100mg/dL, HbA1c 5.6%

More information

A9R284E

A9R284E 第1章 初診時とフォローアップのための アプローチ 本書は 毎日の診療ですぐに役立つ実践的な糖尿病診療ハンドブックを目 指したため 糖尿病の診断 分類 問診など通常の教科書に記載されている 総論的な内容はあえて省略した これらについては ぜひ 糖尿病治療ガイド 2016-2017 日本糖尿病学 会 編 文光堂 をご参照していただきたい また 糖尿病診療におけるエビデンスとその根拠となる論文については

More information

H26_大和証券_研究業績_C本文_p indd

H26_大和証券_研究業績_C本文_p indd インスリン非使用 2 型糖尿病患者における自己血糖測定の血糖コントロールへの影響 慶應義塾大学医学部腎臓内分泌代謝内科 目黒周 はじめに現在わが国では簡易血糖測定器を用いた自己血糖測定 (Self monitoring of blood glucose 以下 SMBG) はインスリン治療を行っていない糖尿病患者において保険適用になっておらず ほとんど行われていない 非インスリン投与 2 型糖尿病患者におけるSMBGの意義は現在でも一致した見解が得られていないが

More information

H29_第40集_大和証券_研究業績_C本文_p indd

H29_第40集_大和証券_研究業績_C本文_p indd 慢性腎臓病 (CKD) における危険因子としての食後高血糖の検討 独立行政法人国立病院機構千葉東病院臨床研究部 糖尿病研究室長関直人 はじめに 1. 研究の背景慢性腎臓病 (CKD) は 動脈硬化 腎機能低下 末期腎不全 心血管イベントなどの危険因子であることが報告されている (1) 一方で食後高血糖もまた 動脈硬化 心血管イベントの危険因子であることが報告されている (2) 食後高血糖の検出には持続血糖モニタリング

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 4-0 糖尿病の診断 (1) 糖尿病はインスリンが出にくかったり 効きにくかったりすることにより 一時的で はなく長期間 血糖値が高くなる病気の集まりです したがって糖尿病の診断に は血糖値が高いことの証明が必要になります ここで問題です 問題 ある人の血糖値が 150mg/dl でした この人は糖尿病でしょうか? 正解は 条件によっては糖尿病と診断できる です 血糖値は常に変動しています 食事によって上昇し

More information

やまぐち糖尿病療養指導士講習会  第1回 確認試験

やまぐち糖尿病療養指導士講習会  第1回 確認試験 平成 30 年度山口県糖尿病療養指導士講習会第 1 回確認試験 糖尿病の現状と課題 糖尿病の療養指導と療養指導士の役割 1. 正しい組み合わせはどれか (1) 国民健康 栄養調査の推計によると 糖尿病が強く疑われる人は増加しているが 糖尿病の可能性が否定できない人の数は現在減少傾向にある (2) 小児 1 型糖尿病の発症率は我が国と比して北欧諸国の方が高い (3) 国民健康 栄養調査によると高齢になるほど糖尿病受診率は低下する

More information

Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc

Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc 2 糖尿病の症状がは っきりしている人 尿糖が出ると多尿となり 身体から水分が失われ 口渇 多飲などが現れます ブドウ糖が利用されないため 自分自身の身体(筋肉や脂肪)を少しずつ使い始めるので 疲れ やすくなり 食べているのにやせてきます 3 昏睡状態で緊急入院 する人 著しい高血糖を伴う脱水症や血液が酸性になること(ケトアシドーシス)により 頭痛 吐き気 腹痛などが出現し すみやかに治療しなければ数日のうちに昏睡状態に陥ります

More information

日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人

日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人 糖尿病とは? 糖尿病とは ブドウ糖が血液の中に増えすぎてしまう病気です 糖尿病には 1 型と 2 型があり 2 型糖尿病の発症に生活習慣が深くかかわっています 食べ過ぎ 運動不足 日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 35 30 尿 25 病 20 35 倍 890 万人 患者数増加率 15 10 5 0 1 1370 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100

More information

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M 図 1 調査前年 1 年間の ART 実施周期数別施設数 図 4 ART 治療周期数別自己注射の導入施設数と導入率 図 2 自己注射の導入施設数と導入率 図 5 施設の自己注射の使用目的 図 3 導入していない理由 図 6 製剤種類別自己注射の導入施設数と施設率 図 7 リコンビナント FSH を自己注射された症例の治療成績は, 通院による注射症例と比較し, 差があるか 図 10 リコンビナント FSH

More information

激増する日本人糖尿病 ( 万人 ) 2,500 糖尿病の可能性が否定できない人 (HbA1c 6.0~6.4) 糖尿病が強く疑われる人 (HbA1c 6.5% 以上 ) 2,210 万人 2,000 1,500 1,000 1,620 万人 1,370 万人 万人 880 万人 +

激増する日本人糖尿病 ( 万人 ) 2,500 糖尿病の可能性が否定できない人 (HbA1c 6.0~6.4) 糖尿病が強く疑われる人 (HbA1c 6.5% 以上 ) 2,210 万人 2,000 1,500 1,000 1,620 万人 1,370 万人 万人 880 万人 + 平成 24 年 9 月 1 日 2012 年度日本臨床検査標準協議会 (JCCLS) 学術集会 HbA1cと糖尿病診療 日常診療における HbA1c 測定 標準化の意義 東京大学大学院医学系研究科糖尿病 代謝内科植木浩二郎 激増する日本人糖尿病 ( 万人 ) 2,500 糖尿病の可能性が否定できない人 (HbA1c 6.0~6.4) 糖尿病が強く疑われる人 (HbA1c 6.5% 以上 ) 2,210

More information

血糖変動を読み解く vol.1

血糖変動を読み解く vol.1 CGM/FGMデータから見る MODDの解説と日常臨床での活用 産業医科大学 医学部 第1内科学講座 准教授 岡田 洋右 先生 血糖変動の指標について 血糖変動を把握するために 実臨床下ではSMBGの値から得られる血糖値の日毎のSD値やVisit to VisitでのSD値を参考 にしています インスリンの頻回注射をされている患者さんでSMBG測定も1日に複数回されているのであれば 日内の測定 値のSD値も確認します

More information

糖尿病予備群は症状がないから からだはなんともないの 糖尿病予備群と言われた事のある方のなかには まだ糖尿病になったわけじゃないから 今は食生活を改善したり 運動をしたりする必要はない と思っている人がいるかもしれません 糖尿病予備群の段階ではなんの症状もないので そう考えるのも無理はないです しか

糖尿病予備群は症状がないから からだはなんともないの 糖尿病予備群と言われた事のある方のなかには まだ糖尿病になったわけじゃないから 今は食生活を改善したり 運動をしたりする必要はない と思っている人がいるかもしれません 糖尿病予備群の段階ではなんの症状もないので そう考えるのも無理はないです しか 糖尿病ってなに 糖尿病予備群といわれたら 糖尿病予備群 糖尿病の境界型ってなに 糖尿病予備群と言われるのは どのようなときでしょうか 2 型糖尿病の場合 ある日突然 血糖値が高くなるのではありません 多くの場合 ゆっくり 何年もかかって血糖値が高くなり 糖尿病に至ります まだ糖尿病と診断されるほど高くないけれど 正常より血糖値が高くなってきた状態を 糖尿病の境界型 や 糖 尿病予備群 と言ったりします

More information

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会 第 3 章保健指導対象者の選定と階層化 (1) 保健指導対象者の選定と階層化の基準 1) 基本的考え方生活習慣病の予防を期待できる内臓脂肪症候群 ( メタボリックシンドローム ) の選定及び階層化や 生活習慣病の有病者 予備群を適切に減少させることができたかを的確に評価するために 保健指導対象者の選定及び階層化の標準的な数値基準が必要となる 2) 具体的な選定 階層化の基準 1 内臓脂肪型肥満を伴う場合の選定内臓脂肪蓄積の程度を判定するため

More information

‡BUNITE_Studyƒv?ƒgƒR??−iFinal_Ver_−j _docx

‡BUNITE_Studyƒv?ƒgƒR??−iFinal_Ver_−j _docx 調査実施計画書 経口糖尿病治療薬 ( インクレチン関連薬関連薬を含む ) 投与に関する実態調査研究 UNITE Study (Use of a New and Innovative Therapy for diabetes: Evaluation study) 社団法人日本糖尿病協会 第 1.0 版 2010 年 3 月作成 目次 1. 研究の概要 1 2. はじめに 3 3. 調査の目的 3 4.

More information

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規 論文の内容の要旨 論文題目アンジオテンシン受容体拮抗薬テルミサルタンの メタボリックシンドロームに対する効果の検討 指導教員門脇孝教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 19 年 4 月入学 医学博士課程 内科学専攻 氏名廣瀬理沙 要旨 背景 目的 わが国の死因の第二位と第三位を占める心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患を引き起こす基盤となる病態として 過剰なエネルギー摂取と運動不足などの生活習慣により内臓脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満を中心に

More information

告示番号 1 糖尿病 ( ) 年度小児慢性特定疾病医療意 書 新規申請用 病名 1 1 型糖尿病 受給者番号受診日年月日 受付種別 新規 1/2 ふりがな 氏名 (Alphabet) ( 変更があった場合 ) ふりがな以前の登録氏名 (Alphabet) 生年月日年月日意見書記載時の年齢歳か月日性別

告示番号 1 糖尿病 ( ) 年度小児慢性特定疾病医療意 書 新規申請用 病名 1 1 型糖尿病 受給者番号受診日年月日 受付種別 新規 1/2 ふりがな 氏名 (Alphabet) ( 変更があった場合 ) ふりがな以前の登録氏名 (Alphabet) 生年月日年月日意見書記載時の年齢歳か月日性別 告示番号 1 糖尿病 ( ) 年度小児慢性特定疾病医療意 書 新規申請用 病名 1 1 型糖尿病 受給者番号受診日 受付種別 新規 1/2 ふりがな 氏名 ( 変更があった場合 ) ふりがな以前の登録氏名 生意見書記載時の年齢歳か月日性別男 女 性別未決定 出生体重 g 出生週数在胎週日出生時に住民登録をした所 ( ) 都道府県 ( ) 市区町村 現在の身長 体重 身長 cm( 体重 kg( BMI

More information

系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学 母性看護学 母性看護学 目標 Ⅰ. 母性看護の対象となる人々 関連する保健医療の仕組み 倫理的問題 人間の性と生殖のしくみについての理解を問う 1 母性看護の概念 母性看護の主な概念 a 母性の概念 母性の発達 母性看護学 [1]( 母性看護学概論 ): 第 1 章 母性とは (p.2 12) 公衆衛生 : 第 5 章 C リプロダクティヴ ヘルス / ライツ (p.115 130) 家族論 家族関係論

More information

A9R9BE5

A9R9BE5 A A 1 1 1) やせ女性では切迫早産, 早産, 低出生体重児を出産するリスクが高い. 2) 肥満女性では, 妊娠高血圧症候群, 妊娠糖尿病, 巨大児の発症率, 帝王切開率が高い. 3) 神経管閉鎖障害のリスクを低減するため, 妊娠の 1 カ月以上前から葉酸をはじめとしてその他のビタミン類を多く含む食事が必要である. 4) 妊娠しても妊娠前と変わらない食生活を行う可能性が危惧されており, 健全な栄養状態を維持しながら妊娠することが重要である.

More information

神緑会学術誌 平成24年度 第29巻 2013年 神緑会研究事業年間報告書 糖尿病発症におけるインクレチン効果の疫学的研究 第2報 ー妊娠糖尿病のスクリーニングからのアプローチー 研究代表者 社会医療法人愛仁会 研究協力者 社会医療法人愛仁会 社会医療法人愛仁会 社会医療法人愛仁会 産婦人科 概 要

神緑会学術誌 平成24年度 第29巻 2013年 神緑会研究事業年間報告書 糖尿病発症におけるインクレチン効果の疫学的研究 第2報 ー妊娠糖尿病のスクリーニングからのアプローチー 研究代表者 社会医療法人愛仁会 研究協力者 社会医療法人愛仁会 社会医療法人愛仁会 社会医療法人愛仁会 産婦人科 概 要 Kobe University Repository : Kernel タイトル Title 著者 Author(s) 掲載誌 巻号 ページ Citation 刊行日 Issue date 資源タイプ Resource Type 版区分 Resource Version 権利 Rights DOI 糖尿病発症におけるインクレチン効果の疫学的研究 ( 第 2 報 ): 妊娠糖尿病のスクリーニングからのアプローチ平成

More information

胎児計測と胎児発育曲線について : 妊娠中の超音波検査には大きく分けて 5 種類の検査があります 1. 妊娠初期の超音波検査 : 妊娠初期に ( 異所性妊娠や流産ではない ) 正常な妊娠であることを診断し 分娩予定日を決定するための検査です 2. 胎児計測 : 妊娠中期から後期に胎児の発育が正常であ

胎児計測と胎児発育曲線について : 妊娠中の超音波検査には大きく分けて 5 種類の検査があります 1. 妊娠初期の超音波検査 : 妊娠初期に ( 異所性妊娠や流産ではない ) 正常な妊娠であることを診断し 分娩予定日を決定するための検査です 2. 胎児計測 : 妊娠中期から後期に胎児の発育が正常であ 胎児計測と胎児発育曲線について : 妊娠中の超音波検査には大きく分けて 5 種類の検査があります 1. 妊娠初期の超音波検査 : 妊娠初期に ( 異所性妊娠や流産ではない ) 正常な妊娠であることを診断し 分娩予定日を決定するための検査です 2. 胎児計測 : 妊娠中期から後期に胎児の発育が正常であることを確認するための検査です 3. 子宮 胎盤 臍帯 羊水等の検査 : 子宮や胎盤 臍帯 羊水量等についての異常を見つけるための検査です

More information

<4D F736F F D CC8B69898C82C68E5989C888D98FED2E646F63>

<4D F736F F D CC8B69898C82C68E5989C888D98FED2E646F63> 妊娠中の喫煙と周産期異常 日本子ども家庭総合研究所大正大学人間学部中村敬 はじめに妊娠中の喫煙が胎児に与える影響については多くの研究報告があり 低出生体重児出生率が高いこと 早産の頻度が増加することなどが知られている 今回 機会を得たので 筆者が東京都母子保健サービスセンターに在籍中に 東京都母性医療ネットワークのデータを用いて 妊娠中の喫煙と産科異常および新生児異常について分析した結果を紹介したい

More information

Microsoft Word - ◆HP用 GDMマニュアル v2 PG120上限浅間病院 糖尿病サポートマニュアル.docx

Microsoft Word - ◆HP用 GDMマニュアル v2 PG120上限浅間病院 糖尿病サポートマニュアル.docx 8 妊娠糖尿病 糖尿病合併妊娠 入院 分娩マニュアル < 妊娠糖尿病 (GDM) とは > 妊娠中に初めて発見または発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常である 妊娠中に診断された明らかな糖尿病は含めない < 糖尿病合併妊娠とは > もともと糖尿病を罹患している人が妊娠をした妊婦のことである 妊娠時に診断された明らかな糖尿病も含む 46 8-1. GDM 糖尿病合併妊娠の方の入院 ( 分娩時 ) (1)

More information

糖尿病がどんな病気なのか 病気を予防するためにどんな生活が望ましいかについて解説します また 検診が受けられるお近くの医療機関を検索できます 健康診断の結果などをご用意ください 検査結果をご入力いただくことで 指摘された異常をチェックしたり 理解を深めたりすることができます 病気と診断され これから

糖尿病がどんな病気なのか 病気を予防するためにどんな生活が望ましいかについて解説します また 検診が受けられるお近くの医療機関を検索できます 健康診断の結果などをご用意ください 検査結果をご入力いただくことで 指摘された異常をチェックしたり 理解を深めたりすることができます 病気と診断され これから 糖尿病がどんな病気なのか 病気を予防するためにどんな生活が望ましいかについて解説します また 検診が受けられるお近くの医療機関を検索できます 健康診断の結果などをご用意ください 検査結果をご入力いただくことで 指摘された異常をチェックしたり 理解を深めたりすることができます 病気と診断され これから治療を受けられる方が 納得して治療を受けられるようお手伝いをします 現在治療を受けている患者さんやご家族の方を対象に

More information

やまぐち糖尿病療養指導士講習会  第1回 確認試験

やまぐち糖尿病療養指導士講習会  第1回 確認試験 平成 30 年度山口県糖尿病療養指導士講習会第 3 回確認試験 療養指導の基本 ( 患者教育 ) 1. 教育目標を設定する上で正しいものはどれか a. 教育目標の設定には 過去の自己管理行動は評価する必要はない b. 教育の対象者は 患者のみに限られる c. 教育内容は 何を教えるか のみが重要である d. 個々の目標は 各患者の負担になるので設定しない e. 教育目標は 療養上必要なこと 患者が何を知りたいと思っているか

More information

【第6回】資料2_精神疾患と周産期3

【第6回】資料2_精神疾患と周産期3 資料 2 合併症を有する妊娠と周産期医療体制 厚生労働省医政局地域医療計画課 1 重篤な合併症を有する妊婦の割合 ( 学会登録 DB より ) 妊産婦が有する合併症は身体的疾患が多いが 疾患区分毎に比較すると精神疾患の合併も少なくない 合併症保有率 (%) 合併症の内訳と合併症保有率 (%) 6 5 4 3 2 1 0 日本産科婦人科学会 2014 年周産期統計周産期委員会報告 (2016 年 6

More information

H26_大和証券_研究業績_C本文_p indd

H26_大和証券_研究業績_C本文_p indd 持続血糖測定 (CGM) による平均血糖 血糖変動と血糖コントロール指標の関連 自治医科大学内科学講座内分泌代謝学部門 准教授長坂昌一郎 ( 共同研究者 ) 自治医科大学内分泌代謝学部門 助教出口亜希子 自治医科大学内分泌代謝学部門 研究生槌田武史 筑波大学体育科学系 助教緒形 ( 大下 ) ひとみ 筑波大学体育科学系 教授徳山薫平 はじめに平均血糖の指標であるHbA1cの低下により 糖尿病細小血管合併症は抑制される

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 第 36 回長崎県糖尿病治療研究会 症例検討会 使用したスライドは近日中に研究会の HP へ掲載いたします http://www2.nim.co.jp/ndmm/ 症例 1.41 歳 男性 1 型糖尿病または MODY 現病歴 :2014 年 2 月 業務中に転倒し受傷 S 病院に搬送され左大腿骨頸部骨折の診断を受けた 採血の結果 高血糖および尿ケトン体陽性を認め精査加療目的で内科へ紹介となった これまでに糖尿病の治療歴はない

More information

データの取り扱いについて (原則)

データの取り扱いについて (原則) 中医協費 - 3 2 5. 1. 2 3 データの取り扱いについて 福田参考人提出資料 1. 総論 1 費用効果分析で扱うデータ 費用や効果を積算する際は 様々なデータを取り扱う データを取り扱う際の考え方を整理しておく必要がある (1) 評価対象の医療技術及び比較対照の医療技術の 費用 と 効果 を別々に積算する 費用効果分析の手順 (2) 評価対象の医療技術と比較対照の医療技術との増分費用効果比の評価を行う

More information

26 氏 名 た田 なか中 せい精 いち一 学位の種類学位記番号学位授与の日付学位授与の要件 博士 ( 医学 ) 乙第 751 号平成 28 年 2 月 22 日学位規則第 4 条第 2 項 学位論文題目 Add-on treatment with teneligliptin ameliorates glucose fluctuations and improves glycemic control

More information

改訂糖尿病診断基準とHbA1cに関する記述の原則と実例

改訂糖尿病診断基準とHbA1cに関する記述の原則と実例 改訂糖尿病診断基準と HbA1c に関する記述の原則と実例 日本糖尿病学会 新しい糖尿病診断基準とその運用のポイント (Ⅰ)HbA1c をより積極的に糖尿病の診断に取り入れ, 糖尿病型の判定に新たに HbA1c 値の基準を設ける. (Ⅱ) 血糖と HbA1c の同日測定を推奨し, 血糖値と HbA1c 値の双方が糖尿病型であれば 1 回の検査で糖尿病と診断可能にして, より早期からの糖尿病の診断 治療を促す.

More information

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の [web 版資料 1 患者意見 1] この度 高尿酸血症 痛風の治療ガイドライン の第 3 回の改訂を行うことになり 鋭意取り組んでおります 診療ガイドライン作成に患者 市民の立場からの参加 ( 関与 ) が重要であることが認識され 診療ガイドライン作成では 患者の価値観 希望の一般的傾向 患者間の多様性を反映させる必要があり 何らかの方法で患者 市民の参加 ( 関与 ) に努めるようになってきております

More information

インスリンが十分に働かない ってどういうこと 糖尿病になると インスリンが十分に働かなくなり 血糖をうまく細胞に取り込めなくなります それには 2つの仕組みがあります ( 図2 インスリンが十分に働かない ) ①インスリン分泌不足 ②インスリン抵抗性 インスリン 鍵 が不足していて 糖が細胞の イン

インスリンが十分に働かない ってどういうこと 糖尿病になると インスリンが十分に働かなくなり 血糖をうまく細胞に取り込めなくなります それには 2つの仕組みがあります ( 図2 インスリンが十分に働かない ) ①インスリン分泌不足 ②インスリン抵抗性 インスリン 鍵 が不足していて 糖が細胞の イン 糖尿病ってなに 糖尿病は インスリンが十分に働かないために 血液中を流れるブドウ糖という糖 血糖 が増えてしまう病気です インスリンは膵臓から出るホルモンであり 血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています 血糖の濃度 血糖値 が何年間も高いままで放置されると 血管が傷つき 将来的に心臓病や 失明 腎不全 足 の切断といった より重い病気 糖尿病の慢性合併症につながります また 著しく高い血糖は それだけで昏睡

More information

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12 患者背景同意取得時から試験開始までの状況について記入 性別 男 女 年齢生年月日 歳 西暦年月日 身長. cm 体重. kg 腹囲. cm 糖尿病罹病期間 西暦年月 ~ 現在 喫煙 合併症 あり なし飲酒 あり

More information

虎ノ門医学セミナー

虎ノ門医学セミナー 2016 年 6 月 23 日放送 新しい糖尿病治療薬の使い方 虎の門病院内分泌代謝科部長森保道 糖尿病の 90% 以上を占める 2 型糖尿病は インスリン作用の障害とインスリン分泌不全の 2 つの病態によって血糖調節機構が破たんし 慢性の高血糖を呈する疾患です インスリン抵抗性は肥満や内臓脂肪の蓄積および遺伝体質がその要因であり 適切な体重となるような食事療法および運動療法が病態の改善に有効であります

More information

<4D F736F F D CB48D655F94928D95445F90488E9690DB8EE68AEE8F802E646F63>

<4D F736F F D CB48D655F94928D95445F90488E9690DB8EE68AEE8F802E646F63> 日本人の食事摂取基準 ( 概要 )( 抜粋 ) 1 策定の目的食事摂取基準は 健康な個人または集団を対象として 国民の健康の維持 増進 エネルギー 栄養素欠乏症の予防 生活習慣病の予防 過剰摂取による健康障害の予防を目的とし エネルギー及び各栄養素の摂取量の基準を示すものである 2 策定方針 設定指標 食事摂取基準 (Dietary Reference Intakes) として エネルギーについては

More information

中間とりまとめ素案(公的賃貸住宅のあり方について)

中間とりまとめ素案(公的賃貸住宅のあり方について) 第 4 節糖尿病 1. 糖尿病について (1) 疾病の特性 糖尿病は 血糖値を下げるホルモンであるインスリンの不足または作用不足により 血糖値が上昇する慢性疾患で 主に 原因がよくわかっておらず若年者に多い1 型糖尿病と 食生活や運動 身体活動等の生活習慣が関係する2 型糖尿病があります インスリンの作用不足等により高血糖が起こると 口渇 多飲 多尿 体重減少等の症状が 見られます しかし 糖尿病の発症早期には

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション の使用例 DPP-4 阻害剤からへの切り替え 57 歳女性糖尿病罹病期間 5 年 主訴 : 体重増加 身長 :165 cm 体重 :70.3 kg B M I:25.8kg/m 2 HbA1c:6.5 % 家族歴 : 無し TG:141mg/dl LDL-C:122mg/dl HDL-C:48mg/dl 尿 Alb 8.3mg/g cre 合併症 : 脂質異常症 DM 治療 :DPP-4 阻害剤 合併症治療薬

More information

News Release 報道関係各位 2015 年 6 月 22 日 アストラゼネカ株式会社 40 代 ~70 代の経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんと 2 型糖尿病治療に従事する医師の意識調査結果 経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんは目標血糖値が達成できていなくても 6 割が治療

News Release 報道関係各位 2015 年 6 月 22 日 アストラゼネカ株式会社 40 代 ~70 代の経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんと 2 型糖尿病治療に従事する医師の意識調査結果 経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんは目標血糖値が達成できていなくても 6 割が治療 報道関係各位 2015 年 6 月 22 日 アストラゼネカ株式会社 40 代 ~70 代の経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんと 2 型糖尿病治療に従事する医師の意識調査結果 経口薬のみで治療中の 2 型糖尿病患者さんは目標血糖値が達成できていなくても 6 割が治療に満足していると回答 - 目標血糖値を達成する重要性への認識の低さが明らかに - 目標血糖値が達成できていない患者さんでは 9

More information

第三問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものには を 間違っているものには を ( ) 内に記入してください 1( ) インスリン以外にも血糖値を下げるホルモンはいくつもある 2( ) ホルモンは ppm( 百万分の一 ) など微量で作用する 3( ) ホルモンによる作用を内分泌と呼ぶ

第三問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものには を 間違っているものには を ( ) 内に記入してください 1( ) インスリン以外にも血糖値を下げるホルモンはいくつもある 2( ) ホルモンは ppm( 百万分の一 ) など微量で作用する 3( ) ホルモンによる作用を内分泌と呼ぶ 糖尿病 ( テスト ) テストは難しめに作成しています テキストや講義 解答と照らし合わせて復習していただけれ ばと思います なお 採点を目的としていないので点数は設定していません また 記述式の解答は答えが一つとは限りません 私の答案よりも良い解答があることは十分に 考えられますので 参考解答として認識していただければと思います 第一章. 糖尿病の生理学 第一問 : 次の問いに対して 下枠に解答を記入してください

More information

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF315F817582C782B182C582E0826C C B4C985E82C98AD682B782E98DEC8BC EF92868AD495F18D902E B8CDD8AB B83685D>

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF315F817582C782B182C582E0826C C B4C985E82C98AD682B782E98DEC8BC EF92868AD495F18D902E B8CDD8AB B83685D> どこでも MY 病院 糖尿病記録に関する作業部会中間報告 資料 1 検討対象とアウトプット 検討対象 Ⅰ どこでも MY 病院 糖尿病記録として取り扱う具体的な情報について どこでも MY 病院 糖尿病記録として取り扱う具体的情報 ( データセット ) について検討 他疾病を考慮したデータセット拡張の検討 Ⅱ どこでも MY 病院 糖尿病記録の具体的利用イメージについて どこでも MY 病院 糖尿病記録がどのように利活用されるかのユースケースの検討

More information

■● 糖尿病

■● 糖尿病 (4) 糖尿病 施策の現状 課題 本県の糖尿病疾患による死亡者数は 平成 23 年は654 人で 人口 10 万対の年齢調整死亡率 * は10.7と 全国平均 11.6を下回っていますが 平成 23 年度には死因順位の第 9 位となり 年々増加傾向にあります 千葉県の糖尿病患者数は男性が58 万人 女性が45 万人 ( 平成 14 年度糖尿病実態調査からの推計値 ) で増加傾向にあります 糖尿病の重症例は重篤な合併症

More information

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1 3 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 性別 年齢別人数 性別 年齢 集計 男性 40 歳代 1 50 歳代 5 男性計 37 女性 40 歳代 15 50 歳代 6 女性計 77 総計 114 女性 50 歳代 54% 性別 年齢別調査人数 男性 50 歳代 % 男性 40

More information

要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品

要望番号 ;Ⅱ-183 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者学会 ( 該当する ( 学会名 ; 日本感染症学会 ) ものにチェックする ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 1 位 ( 全 8 要望中 ) 要望する医薬品 要望内容 成分名 ( 一般名 ) 販売名 会社名 国内関連学会 未承認薬 適応 外薬の分類 ( 該当するものにチェックする )

More information

第12回 代謝統合の破綻 (糖尿病と肥満)

第12回 代謝統合の破綻 (糖尿病と肥満) 第 12 回代謝統合の破綻 ( 糖尿病と肥満 ) 日紫喜光良 基礎生化学講義 2018.6.26 1 糖尿病とは インスリンの相対的 もしくは絶対的な不足に起因する 空腹時の血糖値上昇で さまざまな疾患からなる症候群 2 図 25.1 より 1 型糖尿病と 2 型糖尿病 1 型糖尿病 2 型糖尿病 発症年齢 通常 小児期や思春期 症状の急性的進行 通常 35 歳以降 症状の慢性的進行 発症時の栄養状況栄養不足が多い肥満のことが多い

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 2014 年 11 月 8 日 ( 土 ) 血糖値管理に関する栄養指導研究会 セミナー於 ) 野村コンファレンスプラザ日本橋 実践! 血糖管理のポイント ~ カーボカウント法と食品交換表第 7 版との連携 ~ 京都大学医学部附属病院 疾患栄養治療部しでけんいちろう 幣憲一郎 本日の話題 食事療法の重要性は誰もが理解している エネルギー管理を中心とした体重管理で 糖尿病治療効果を上げてきた時代があることも事実

More information

ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症 糖尿病ってなに メタボってなに メタボリックシンドロームってなに メタボ という言葉は テレビや新聞 インターネットで良く見かけると思います メタボは メタボリックシンドロームの略で 内臓脂肪が多くて糖尿病をはじめとする生活習慣病になりやすく 心臓病や脳などの血管の病気につながりやすい状況をいいます 具体的には糖尿病の境界型や 高血圧 脂質異常症 肥満などは 糖尿病の発症や心臓や血管の病気につながりや

More information

Microsoft Word - cjs63B9_ docx

Microsoft Word - cjs63B9_ docx 日本人の年齢別推算糸球体濾過量 (egfr) の検討 ~ 協会けんぽ東京支部 76 万人の健診データから ~ 渋谷区医師会 望星新宿南口クリニック院長高橋俊雅 協会けんぽ東京支部保健グループ岡本康子 尾川朋子 目的 企画総務グループ馬場武彦 概要 推算糸球体濾過量 (egfr) は 慢性腎臓病 (CKD) の診断 治療に広く利用さ れているが 個々人の egfr を比較できる年齢別 egfr( 標準値

More information

虎ノ門医学セミナー

虎ノ門医学セミナー 2017 年 1 月 5 日放送 高齢者の糖尿病治療の進め方 東京都健康長寿医療センター理事長井藤英喜 わが国は 65 歳以上の高齢者の人口が 26% を超えるという超高齢社会を迎えております 糖尿病は加齢と共に その頻度が増加する疾患です 従いまして 高齢化の進行したわが国では 高齢者糖尿病の患者数 全糖尿病患者にしめる高齢者糖尿病の比率も ともに高くなってきております 2012 年の厚生労働省健康栄養調査結果を用いて各年代の糖尿病患者数を推計しますと

More information

やまぐち糖尿病療養指導士講習会  第1回 確認試験

やまぐち糖尿病療養指導士講習会  第1回 確認試験 平成 30 年度山口県糖尿病療養指導士講習会第 2 回確認試験 食事療法 1. 食事療法について 正しいものはどれか a. 糖尿病治療の基本であり 出発点である b. 肥満者での体重の通常減量速度は 1 か月間に 5kg が良い c. 食事療法で重要なことは 適正なエネルギー量の食事と規則的な食事習慣の 2 つである d. 食事療法だけの人は指示エネルギー以内であれば 朝食を抜いても問題はない e.

More information

<4D F736F F D2092E18F6F90B691CC8F648E998F6F90B682CC919D89C182CC94778C692E646F63>

<4D F736F F D2092E18F6F90B691CC8F648E998F6F90B682CC919D89C182CC94778C692E646F63> 1975 1980 1979 1992 38 10 19862000 2 12 12 1990 1998 http://www.jti.co.jp/jti/outline/tobacco/kituenj.html http://www.mhlw.go.jp/toukei/toukeihp/index.html 1000 1000 1000 1000 1000 15002500 1000 1000 1979

More information

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡 糖尿病 内分泌内科 ( 必修 1 ヶ月 ) GIO(General Instructive Objective: 一般目標 ) 医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ 診療を受ける者に対応する医師としての人格をかん養し 一般的な診療において頻繁にかかる負傷または疾病に適切に対応できるよう 基本的な診療能力を身に付ける SBO(Specific Behavioral. Objectives:

More information

14栄養・食事アセスメント(2)

14栄養・食事アセスメント(2) 14 5. 栄養 食事アセスメント 2 ④成果 アウトカム outcome の予測 合併症 死亡 5. 栄養 食事 アセスメント 2 率 ケア必要度 平均在院日数などの成果が予測出来 るかどうか 疾患別に検討されている 一般病棟の高 齢患者では総蛋白質 血清アルブミン リンパ球数と 1. 栄養状態の評価 判定の定義と目標 術後合併症併発 一般病棟内科疾患患者ではアルブミ ① 栄養状態の評価 判定 栄養状態が過剰あるいは欠乏

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 3-0 糖尿病の分類 糖尿病とはどんな病気なのでしょうか 糖尿病治療ガイドによると 糖尿病はインス糖尿病は疾患群 ( 同じようなことが起こる病気の集まり ) です ここでは糖尿病の分類について考えてみましょう 糖尿病は表 2のように 大きく4つに分類できます 表 2 糖尿病の分類 Ⅰ.1 型糖尿病 A. 自己免疫性 B. 特発性 Ⅱ.2 型糖尿病 Ⅲ. その他の特定の原因によるもの A. 遺伝子に原因のあるもの

More information

2

2 2008 No.236 2 4 5 6 7 9 8 11 10 12 [ ESSAY ] MY HOBBY IS RADIO PROGRAMS PRODUCTION 13 85 81 82 83 84 90 85 86 87 88 90 89 91 92 メタボ対策にもってこい 特定健診 特定健診 異常値を早期発見し 早期治療 へ導くための健診でした 異常値になる前にそのリスク対象者を発見して 生活習慣を改善し健康へ導くための健診です

More information

Microsoft PowerPoint - ACOG TB PDF19

Microsoft PowerPoint - ACOG TB PDF19 Management of Postterm Pregnancy 過期妊娠の管理について 過期妊娠 定義 42 週 (294 日 または分娩予定日 [EDD]+ 14 日 ) 以降に伸びた妊娠 頻度 : 約 7% 正確な妊娠週数の決定週数の決定が重要 目的 過期妊娠の管理方法 妊娠中の検診 分娩誘発 これら 2つの管理方法についてエビデンスを調べ 勧告を提供する 過期妊娠の要因 延長した妊娠の原因として最も多いものは

More information

心房細動1章[ ].indd

心房細動1章[ ].indd 1 心房細動は, 循環器医のみならず一般臨床医も遭遇することの多い不整脈で, 明らかな基礎疾患を持たない例にも発症し, その有病率は加齢とともに増加する. 動悸などにより QOL が低下するのみならず, しばしば心機能低下, 血栓塞栓症を引き起こす原因となり, 日常診療上最も重要な不整脈のひとつである. 1 [A] 米国の一般人口における心房細動の有病率については,4 つの疫学調査をまとめた Feinberg

More information

満 ) 測定系はすでに自動化されている これまで GA を用いた研究は 日本 中華人民共和国 (PRC) および米国で実施され GA 値が糖尿病の診断に有用という結果が日本とアメリカで報告された 本研究ではその普遍性を追求するため 台湾人での検討を行った 同時に台湾における GA の基準範囲を新規に

満 ) 測定系はすでに自動化されている これまで GA を用いた研究は 日本 中華人民共和国 (PRC) および米国で実施され GA 値が糖尿病の診断に有用という結果が日本とアメリカで報告された 本研究ではその普遍性を追求するため 台湾人での検討を行った 同時に台湾における GA の基準範囲を新規に 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 許博文 論文審査担当者 主査小川佳宏 副査沢辺元司 下門顯太郎 論文題目 A Comparison of Glycated Albumin and Glycosylated Hemoglobin for the Screening of Diabetes Mellitus in Taiwan ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > グリコアルブミン (GA) は

More information

日産婦誌58巻9号研修コーナー

日産婦誌58巻9号研修コーナー Department of Obstetrics and Gynecology, Tokyo Medical University, Tokyo ( 表 1) Biophysicalprofilescoring(BPS) 項目 呼吸様運動 Fetalbreathingmovements (FBM) 大きい胎動 Grossbodymovements 胎児筋緊張 Fetaltone ノン ストレステスト

More information

2008年10月2日

2008年10月2日 2008 年 10 月 16 日 日本小児内分泌学会 成長ホルモン委員会 SGA 性低身長症における GH 治療の実施上の注意 SGA 性低身長症における成長ホルモン (GH) 治療が 2008 年 10 月 16 日に承認されました 詳細については 改訂されたジェノトロピン ( ファイザー株式会社 ) の添付文書により確認して下さい 日本小児内分泌学会では SGA 性低身長症におけるGH 治療に関するガイドライン

More information

cover

cover 糖尿病レクチャー (2010.05) 1 巻 1 号 :51~59. 新しい経口糖尿病薬療法インクレチン薬をめぐって 糖尿病治療の指標とは 藤田征弘, 羽田勝計 糖尿病治療指標とは 旭川医科大学内科学講座病態代謝内科学分野 藤田征弘 羽田勝計 POINT 糖尿病における治療目標は 慢性合併症である糖尿病細小血管合併症および動脈硬化性疾患の発症を阻止し, 進展を抑制することある 血糖コントロールの指標は

More information

妊婦甲状腺機能検査の実施成績 東京都予防医学協会母子保健検査部 はじめに て乾燥させたろ紙血液を検体とする 検体は本会の 妊婦の甲状腺機能異常による甲状腺ホルモンの 過不足は 妊娠の転帰に影響を与えるばかりでなく 代謝異常検査センターに郵送される 2 検査項目と検査目的および判定基準 生まれてくる子

妊婦甲状腺機能検査の実施成績 東京都予防医学協会母子保健検査部 はじめに て乾燥させたろ紙血液を検体とする 検体は本会の 妊婦の甲状腺機能異常による甲状腺ホルモンの 過不足は 妊娠の転帰に影響を与えるばかりでなく 代謝異常検査センターに郵送される 2 検査項目と検査目的および判定基準 生まれてくる子 115 妊婦甲状腺機能検査の実施成績 東京都予防医学協会母子保健検査部 はじめに て乾燥させたろ紙血液を検体とする 検体は本会の 妊婦の甲状腺機能異常による甲状腺ホルモンの 過不足は 妊娠の転帰に影響を与えるばかりでなく 代謝異常検査センターに郵送される 2 検査項目と検査目的および判定基準 生まれてくる子どもに直接的 あるいは間接的な影 検査項目とその目的を表1に示す 全検体につい 響を及ぼす可能性がある

More information

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2 ロスバスタチン錠 mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロスバスタチンは HMG-CoA 還元酵素を競合的に阻害することにより HMG-CoA のメバロン酸への変更を減少させ コレステロール生合成における早期の律速段階を抑制する高コレステロール血症治療剤である 今回 ロスバスタチン錠 mg TCK とクレストール 錠 mg の生物学的同等性を検討するため

More information

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い 2014 年 3 月作成薬価基準未収載 - 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 使用前に必ずお読みください - 適正使用のお願い 処方せん医薬品 : 注意 - 医師等の処方せんにより使用すること 製造販売元 販売元 適応となる患者さんとデベルザ錠の使い方 本剤を投与する前に 以下のことを確認してください 2 型糖尿病の患者さんですか 本剤の効能 効果は 2 型糖尿病 です 1 型糖尿病の患者さんは

More information

53巻6号/TNB06‐10(委員会報告)

53巻6号/TNB06‐10(委員会報告) β l l ll l l l l l l l l l l l l l l β β β β Fig.1 糖尿病における成因 ( 発症機序 ) と病態 ( 病期 ) の概念右向きの矢印は糖代謝異常の悪化 ( 糖尿病の発症を含む ) をあらわす. 矢印の線のうち, の部分は, 糖尿病 と呼ぶ状態を示す. 左向きの矢印は糖代謝異常の改善を示す. 矢印の線のうち, 破線部分は頻度の少ない事象を示す. 例えば

More information

理学療法の臨床と研究第 27 号 2018 年 総説 糖尿病患者に対する理学療法実施の際に必要な知識 * 河江敏広 要旨糖尿病は増加傾向であり 私たち理学療法士でも担当症例に合併症として存在する場合は多いと考えられる しかしながら糖尿病においては使用している薬物の種類や合併症の程度よって留意すべき事

理学療法の臨床と研究第 27 号 2018 年 総説 糖尿病患者に対する理学療法実施の際に必要な知識 * 河江敏広 要旨糖尿病は増加傾向であり 私たち理学療法士でも担当症例に合併症として存在する場合は多いと考えられる しかしながら糖尿病においては使用している薬物の種類や合併症の程度よって留意すべき事 理学療法の臨床と研究第 27 号 2018 年 総説 糖尿病患者に対する理学療法実施の際に必要な知識 * 河江敏広 要旨糖尿病は増加傾向であり 私たち理学療法士でも担当症例に合併症として存在する場合は多いと考えられる しかしながら糖尿病においては使用している薬物の種類や合併症の程度よって留意すべき事柄が多数ある また 糖尿病の重症化を予防するためには理学療法実施中に患者に対して療養指導を行うことが重要であると考えられるが

More information

(別添様式1)

(別添様式1) 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 日本呼吸器学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 2 位 ( 全 6 要望中 ) 要望する医薬品 成 分 名 ( 一般名 ) 販 売 名 会 社 名 国内関連学会 シクロスポリンネオーラルノバルテイス ファーマ ( 選定理由 )

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 第 3 回佐賀糖尿病療養指導士認定研修会 糖尿病の食事療法指導と支援聴き取りの方法 佐賀大学医学部附属病院古賀茜 2016.6.5 佐賀大学 糖尿病の食事療法とは 糖尿病の食事療法糖尿病治療に従事する医療スタッフとして 糖尿病治療の基本であり 出発点 第 1 2 の目的 そして意義 糖尿病患者が 健常者と同様の日常生活を営むのに必要な栄養素を摂取し 糖尿病の代謝異常を是正 合併症予防の発症や進展を抑制すること

More information

第4章:施策と目標 2:生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(3)糖尿病(4)COPD

第4章:施策と目標 2:生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(3)糖尿病(4)COPD 4章(3) 糖尿病 第 4 章施策と目標第 糖尿病は すい臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが悪くなったり 量が少なかったりすることが原因で 血液中のブドウ糖 ( 身体を動かすエネルギー源 ) が正常に利用されず 結果的に血糖値が高くなる病気です 肥満や過食 運動不足などの生活習慣もその原因の一つになります 初期段階では特異な自覚症状もなく 放置すると心筋梗塞や脳梗塞をはじめとする様々な合併症を引き起こします

More information

系統看護学講座 クイックリファレンス 2013年7月作成

系統看護学講座 クイックリファレンス 2013年7月作成 母性看護学 母性看護学 目標 Ⅰ. 母性看護の概念および人間の性と生殖について基本的な理解を問う 大項目中項目小項目系統看護学講座の該当箇所 1 母性看護の概念 A 母性看護の主な概念 a 母性 父性 母性看護の概念 母性看護学 [1]( 母性看護学概論 ): 第 1 章 A 母性とは (p.2 12) 公衆衛生 : 第 5 章 C リプロダクティヴ ヘルス / ライツ (p.115 130) 家族論

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 第 32 回長崎県糖尿病治療研究会 症例検討会 使用したスライドは近日中に研究会の HP へ掲載いたします http://www.mh.nagasaki-u.ac.jp/ndmm/ 症例 1.72 歳 男性 2 型糖尿病 胃癌術後 現病歴 :30 歳頃に糖尿病と診断され経口血糖降下薬による治療を開始 平成 20 年 7 月胃癌と診断され胃全摘術が施行された 術前よりインスリン治療へ変更となり術後もそのまま継続されていた

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 第 40 回長崎県糖尿病治療研究会 症例検討会 使用したスライドは近日中に研究会の HP へ掲載いたします http://www2.nim.co.jp/ndmm/ 症例 1.41 歳 男性 2 型糖尿病 慢性心不全 CKD 現病歴 : 平成 20 年の初診時から体重 123.8kg と著明な肥満を認めたが 空腹時血糖 99mg/dl と正常範囲で 平成 24 年 11 月の食後血糖も 134mg/dl

More information

Microsoft PowerPoint 臨床腎移植学会_NODAT

Microsoft PowerPoint 臨床腎移植学会_NODAT 日本臨床腎移植学会腎移植認定医第 12 回集中教育セミナー, 神戸 移植後発症糖尿病 (NODAT) と移植後糖尿病 (PTDM) 田中伸枝, 馬場園哲也, 内潟安子 東京女子医科大学糖尿病センター内科 本日の内容 腎移植後糖尿病 (PTDM) と腎移植後糖尿病 (NODAT) 疫学 発症に関わる病態 診断とスクリーニングの時期 腎移植患者における血糖管理 検査 治療 診療の実際 血糖管理の留意点

More information

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx 薬物療法専門薬剤師の申請 及び症例サマリーに関する Q&A 注意 : 本 Q&A の番号は独立したものであり 医療薬学会 HP にある 薬物療法専門薬剤師制度の Q&A の番号と関連性はありません 薬物療法専門薬剤師認定制度の目的 幅広い領域の薬物療法 高い水準の知識 技術及び臨床能力を駆使 他の医療従事者と協働して薬物療法を実践 患者に最大限の利益をもたらす 国民の保健 医療 福祉に貢献することを目的

More information

?????21? ????????

?????21? ???????? 7 糖尿病 1. はじめにわが国の糖尿病患者数は 生活習慣と社会環境の変化に伴って急速に増加している 糖尿病はひとたび発症すると治癒することはなく 放置すると網膜症 腎症 神経障害などの合併症を引き起こし 末期には失明したり透析治療が必要となることがある さらに 糖尿病は脳卒中 虚血性心疾患などの心血管疾患の発症 進展を促進することも知られている これらの合併症は患者のQOLを著しく低下させるのみでなく

More information

T O P I C S 食後高血糖改善薬を用いた BOT の有効性 SMBG のデータを治療へのモチベーションとして活かす 東大介先生 関西労災病院糖尿病内分泌内科 < 略歴 > 2002 年香川医科大学医学部医学科卒業香川医科大学医学部附属病院研修医 2005 年香川県済生会病院内科 2007 年

T O P I C S 食後高血糖改善薬を用いた BOT の有効性 SMBG のデータを治療へのモチベーションとして活かす 東大介先生 関西労災病院糖尿病内分泌内科 < 略歴 > 2002 年香川医科大学医学部医学科卒業香川医科大学医学部附属病院研修医 2005 年香川県済生会病院内科 2007 年 vol.29 特集 活動報告 TOPICS 糖尿病腎症糖尿病腎症の病態と食事療法糖尿病腎症の病態とその治療 糖尿病透析予防指導管理の有用性についての検討 食後高血糖改善薬を用いた BOT の有効性 SMBG のデータを治療へのモチベーションとして活かす T O P I C S 食後高血糖改善薬を用いた BOT の有効性 SMBG のデータを治療へのモチベーションとして活かす 東大介先生 関西労災病院糖尿病内分泌内科

More information

会社名

会社名 未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項会社名サノフィ アベンティス株式会社要望番号 Ⅱ-110 成分名スピラマイシン Spiramycin ( 一般名 ) Rovamycine 1500000 IE 錠要望され販売名 Rovamycine 1500000 UI 錠た医薬品 Rovamycine3000000 UI 錠 要望内容 未承認薬 適応外薬の分類

More information

尿試験紙を用いたアルブミン・クレアチニン検査の有用性

尿試験紙を用いたアルブミン・クレアチニン検査の有用性 Clinical effectiveness of the Urine Test Strip for albumin and creatinine Masataka Suzuki Eiken Chemical has newly developed the Urine Test Strip, ''URO PAPER TM '', for albumin and creatinine testing.

More information

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より 平成 20 年 10 月 30 日 ( 木 ) 第 19 回上越地域職域健診懇談会 特定保健指導対象者を減少させるために 肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より 危険因子が重なるほど脳卒中

More information

95_財団ニュース.indd

95_財団ニュース.indd NO. 95 平成 21 年 7 月 1 日発行 No.95 日本リウマチ財団ニュース 表 1 ACR-EULAR 関節リウマチ診断基準 分類基準 試案 eular 2009, 岡田正人 訳 上を診断とするかはこれから決 score 0 22 34 定され また この項目と点数 0 6 印象も受けるが 時代とともに PIP,MCP,MTP, 手関節 4箇所以上非対称性 4箇所以上対称性 10

More information

現況解析2 [081027].indd

現況解析2 [081027].indd ビタミン D 製剤使用量と予後 はじめに 2005 年末調査の現況報告において 透析前血清カルシウム濃度 透析前血清リン濃度が望ましい値の範囲内にあった週 3 回の血液透析患者のみを対象に 各種リン吸着薬そしてビタミンD 製剤と生命予後との関係を報告した この報告では ビタミンD 製剤の使用の有無と生命予後との関係が解析されたのみであった そこで 今回の解析では 各種ビタミンD 製剤の使用量と予後との関係を解析した

More information

TDM研究 Vol.26 No.2

TDM研究 Vol.26 No.2 測定した また Scrは酵素法にて測定し その参考基 r =0.575 p

More information

hyoushi

hyoushi 2 栄養バランスに配慮した食生活にはどんないいことがあるの? 栄養バランスに配慮した食生活を送ることは 私たちの健康とどのように関係しているのでしょうか 日本人を対象とした研究から分かったことをご紹介します 主食 主菜 副菜を組み合わせた食事は 栄養バランスのとれた食生活と関係しています 病気のリスク低下に関係している食事パターンがあります バランスのよい食事は長寿と関係しています 主食 主菜 副菜のそろった食事ってどんな食事?

More information

福井県糖尿病性腎症重症化予防プログラム福井県医師会福井県糖尿病対策推進会議福井県 1 趣旨 目的本プログラムは福井県医師会 福井県糖尿病対策推進会議および福井県の三者で策定し 県内の医療保険者 ( 以下 保険者 という ) が医療機関と連携して糖尿病性腎症等の重症化予防の対策が容易となるよう基本的な

福井県糖尿病性腎症重症化予防プログラム福井県医師会福井県糖尿病対策推進会議福井県 1 趣旨 目的本プログラムは福井県医師会 福井県糖尿病対策推進会議および福井県の三者で策定し 県内の医療保険者 ( 以下 保険者 という ) が医療機関と連携して糖尿病性腎症等の重症化予防の対策が容易となるよう基本的な 福井県糖尿病性腎症重症化予防プログラム福井県医師会福井県糖尿病対策推進会議福井県 1 趣旨 目的本プログラムは福井県医師会 福井県糖尿病対策推進会議および福井県の三者で策定し 県内の医療保険者 ( 以下 保険者 という ) が医療機関と連携して糖尿病性腎症等の重症化予防の対策が容易となるよう基本的な考え方を示すものである このため 各地域における取組内容については 地域の実情に応じ柔軟に対応することが可能であり

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 教授教授 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 教授 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 花房俊昭 宮村昌利 副査副査 朝 日 通 雄 勝 間 田 敬 弘 副査 森田大 主論文題名 Effects of Acarbose on the Acceleration of Postprandial Hyperglycemia-Induced Pathological Changes Induced by Intermittent

More information

甲状腺機能が亢進して体内に甲状腺ホルモンが増えた状態になります TSH レセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺にも影響します 母体の TSH レセプター抗体の量が多いと胎児に甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性が高まります その場合 胎児の心拍数が上昇しひどい時には胎児が心不全となったり 胎児の成

甲状腺機能が亢進して体内に甲状腺ホルモンが増えた状態になります TSH レセプター抗体は胎盤を通過して胎児の甲状腺にも影響します 母体の TSH レセプター抗体の量が多いと胎児に甲状腺機能亢進症を引き起こす可能性が高まります その場合 胎児の心拍数が上昇しひどい時には胎児が心不全となったり 胎児の成 甲状腺機能亢進症が女性に与える影響 1) バセドウ病と生理 ( 月経 ) バセドウ病になると生理の周期が短くなったり 生理の量が少なくなったりします バセドウ病では 甲状腺機能亢進症の状態となります 甲状腺ホルモンは卵胞の成長にも影響しますので 甲状腺機能亢進症の状態では 卵胞の成長が早くなり生理の周期が短くなることがあります そのため生理が頻回に生じる頻発月経になったりしますが 逆に全身状態が悪くなったり

More information

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査 平成 28 年度糖尿病実態調査の概要 糖尿病実態調査 とは 県 の 20 歳 50 歳代においては 糖尿病受療率が高くなっており 働き盛りの若い世代からの発症は 罹患期間の 期化や治療中断等による糖尿病の重症化が危惧されています このような中 糖尿病対策の検討のため 平成 20 年度以来 8 年ぶりとなる糖尿病の実態調査を実施したものです 本調査では 医療機関における糖尿病療養指導体制の整備状況と各機関との連携状況

More information

Microsoft Word _ボグリボースお知らせ

Microsoft Word _ボグリボースお知らせ 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読み下さい 効能 効果 用法 用量 の追加及び 使用上の注意 改訂のお知らせ 平成 26 年 3 月製造販売元大原薬品工業株式会社お問い合わせ先 : 安全管理部 TEL : 03-6740-7701 FAX : 03-6740-7703 注 1) 注意 - 医師等の処方せんにより使用すること この度 弊社製品 ボグリボース錠 0.2 0.3 OME につきまして

More information

糖尿病は 初めは無症状で経過しますが 血糖値の高い状態が長く続くと口渇 多飲 多尿 体重減少 倦怠感などの症状がみられます 糖尿病は自覚症状が乏しいので 血糖値がある程度改善すると 通院しなくなる人がいます 血液検査を行わなければ糖尿病の状態を知ることはできないので 自覚症状だけに頼ってはいけません

糖尿病は 初めは無症状で経過しますが 血糖値の高い状態が長く続くと口渇 多飲 多尿 体重減少 倦怠感などの症状がみられます 糖尿病は自覚症状が乏しいので 血糖値がある程度改善すると 通院しなくなる人がいます 血液検査を行わなければ糖尿病の状態を知ることはできないので 自覚症状だけに頼ってはいけません 1. 糖尿病とは糖尿病とは 高血糖状態が長い間続き いろいろな合併症を起こす病気です 血液中のブドウ糖のことを血糖といいます インスリンは 膵臓のランゲルハンス島の β ( ベータ ) 細胞から分泌され 血糖を下げることのできる唯一のホルモンです 膵臓から分泌されたインスリンは 血液中にあふれたブドウ糖を肝臓 筋肉 脂肪組織の細胞の中に取り込み 血糖値を一定に保つように働いています 膵臓の働きが悪くなって

More information

WHO Library Cataloguing in Publication Data 2003, Wilkinson,Richard Marmot,Michael Social determinants of health SDH The social gradient Stress Early life Social exclusion Work Unemployment Social support

More information

書式・記述方法等の統一について

書式・記述方法等の統一について 在宅生活ハンドブック No.28 糖尿病の方の食事内容 1 別府重度障害者センター ( 栄養部門 2015) はじめに 1 Ⅰ 糖尿病とは 1 1. 糖尿病発症の原因 2 Ⅱ 糖尿病と合併症 2 1. 合併症とは 2 2. 合併症を予防するためには 3 Ⅲ 糖尿病の方の食事の摂り方 3 1. 食事は適正なエネルギー量にしましょう 3 2.1 日 3 食に分けて摂りましょう 4 3. 栄養バランスのよい食事をしましょう

More information

5 患者数(万人52 15 Vol. 53 No. 2 わが国における高齢者認知症の患者数の推計要介護 ( 認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅱ 度以上 ) 認定者 4 3 認知症有病率の全国調査 受診者数 :5,386 人受診率 :68% 有病率 :15% 患者数 :462 万人 2 )22 年 21

5 患者数(万人52 15 Vol. 53 No. 2 わが国における高齢者認知症の患者数の推計要介護 ( 認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅱ 度以上 ) 認定者 4 3 認知症有病率の全国調査 受診者数 :5,386 人受診率 :68% 有病率 :15% 患者数 :462 万人 2 )22 年 21 216. 4 149 51 53 27 11 5 C&C : 51 2 4 18 : 36 1. 4 1 22 5 患者数(万人52 15 Vol. 53 No. 2 わが国における高齢者認知症の患者数の推計要介護 ( 認知症高齢者の日常生活自立度 Ⅱ 度以上 ) 認定者 4 3 認知症有病率の全国調査 受診者数 :5,386 人受診率 :68% 有病率 :15% 患者数 :462 万人 2 )22

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 第 12 回子どもの食育を考えるフォーラム 新しい授乳 離乳の支援ガイドについて - 授乳の支援ー - 順天堂大学大学院小児思春期発達 病態学清水俊明 新しい授乳 離乳の支援ガイドについて - 授乳の支援ー (1) 授乳 離乳の支援ガイドラインについて (13:40~) 座長 : 清水俊明 ( 順天堂大学医学部小児科教授 ) 玉井浩 ( 大阪医科大学小児科教授 ) 1 小児科医からみたガイドライン

More information

-3- Ⅰ 市町村国保の状況 1 特定健康診査受診者の状況 平成 23 年度は 市町村国保 (41 保険者 )98,439 人の特定健康診査データの集計を行った 市町村国保の診者数は男性 女性ともに 歳の割合が多く 次いで 歳 歳の順となっている 男性 女性 総数

-3- Ⅰ 市町村国保の状況 1 特定健康診査受診者の状況 平成 23 年度は 市町村国保 (41 保険者 )98,439 人の特定健康診査データの集計を行った 市町村国保の診者数は男性 女性ともに 歳の割合が多く 次いで 歳 歳の順となっている 男性 女性 総数 -3- Ⅰ 市町村国保の状況 1 特定健康診査受診者の状況 平成 23 年度は 市町村国保 (41 保険者 )98,439 人の特定健康診査データの集計を行った 市町村国保の診者数は男性 女性ともに 70-74 歳の割合が多く 次いで 60-64 歳 65-69 歳の順となっている 男性 女性 総数 男性 女性 総数 市町村国人 3,197 3,314 4,258 5,562 9,527 8,548

More information