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1 16 妊婦の糖代謝異常 妊婦の糖代謝異常には, 糖尿病が妊娠前から存在している糖尿病合併妊娠 (preexisting diabetes) と, 妊娠中に発見された糖代謝異常 (hyperglycemic disorders in pregnancy) とがあり, 後者には妊娠糖尿病 (gestational diabetes mellitus:gdm) と妊娠時に診断された明らかな糖尿病 (overt diabetes in pregnancy) の 2 つがある a c). GDM, 妊娠時に診断された明らかな糖尿病の診断は表 1 に基づいて行う b). 217

2 まれな妊婦の糖代謝異常として妊娠を契機に発症する劇症 1 型糖尿病がある. 妊娠前管理 妊娠初期の血糖コントロール不良により先天奇形および流産の頻度が増加する 1 4) が, 妊娠前からの厳格な血糖管理によってこれを避けることができる 5). 母体の慢性糖尿病合併症が進行していると, 分娩結果および母体の予後に影響を与える可能性がある 6). 先天奇形 流産を予防し, 児の健全な発育と母体の糖尿病長期予後を損なわないために は 妊娠前管理 ( 表 2) を十分に行い計画的な妊娠を勧める. 糖尿病網膜症 糖尿病網膜症は妊娠時に悪化する可能性があり, 妊娠前の評価と妊娠中の注意深い管理が必要である 7). 特に増殖 増殖前網膜症は悪化しやすいため, 眼科治療により鎮静 化させてから妊娠することを勧める 8). 糖尿病腎症 糖尿病腎症は, 妊娠時に尿中微量アルブミン排泄量あるいは尿蛋白量が増加し, 妊娠高血圧症候群および早産のリスクを高める可能性があるので, 注意深い管理が必要である 9). 腎機能低下例では妊娠により腎機能がさらに低下するリスクがあり, 周産期予後も不良 のため, 妊娠の是非および継続について慎重にカウンセリングを行う 10). GDM のスクリーニング GDM のスクリーニングは, リスク因子からだけでは見逃される例が多いので, 一律に血糖検査によりスクリーニングすることが望ましく 11), その時期は初診時および妊 d, e) 娠 週が勧められる ( 表 3). 陽性者に経口ブドウ糖負荷試験 (75g OGTT) を 行い診断する. 妊娠時の血糖管理 妊娠時の血糖管理の目的は周産期合併症や巨大児出生の予防であり, その目的達成のためには厳重な血糖管理が重要である 12 14). 218

3 16 妊婦の糖代謝異常 妊娠時の血糖管理は, 低血糖のリスクを最小限にとどめ, 可能な限り健常妊婦の血糖日内変動範囲に近付けることを目標とする. その基準値は空腹時血糖値 mg/dl, 食後 2 時間血糖値 120 mg/dl 未満とする. 厳格な血糖管理のためには頻回の血糖自己測定 (SMBG) が望ましい 15 17). 食事療法 食事療法は妊婦に必要十分な栄養を付加し, 胎児の健全な発育と母体の厳格な血糖コ ントロールおよび適正な体重増加を目指すものとする. インスリン療法 食事療法のみで目標血糖値が達成できない場合はインスリン療法とする. 経口血糖降下薬は妊婦に推奨はできないので f, 18), 原則としてインスリン療法に変更する. 厳格な血糖コントロール維持のために, インスリン療法は血糖自己測定を併用した強化療法が望ましい. 頻回注射と持続皮下注入療法 (CSII) の間に優劣はない 19). 超速効型インスリンアナログの母児への影響は速効型ヒトインスリンと差がないことが示されてきているが 20, 21), インスリングルリジンは安全性未確立である. 持効型インスリンアナログのインスリンデテミルは妊婦に使用できる 22) がインスリングラルギンは現段階では妊婦への安全性が確立していない. 運動療法 運動療法を糖代謝異常妊婦に推奨する根拠はない g). 分娩と分娩後 分娩の時期および様式は産科的適応による. 増殖網膜症進行例で経腟分娩を避ける場合もある. 児は糖尿病母体児として監視し, 合併症の発生およびその可能性が高い場合は NICU に収容する. 授乳は勧められる. 219

4 GDM 母体の耐糖能の再評価 GDM 母体の耐糖能は分娩後 6 12 週の間に 75g OGTT を行い再評価する d, e). 分娩後耐糖能が正常化しても,GDM 既往女性は将来の糖尿病発症のハイリスク群であり, 長期にわたる追跡管理が必要である 23, 24). 妊婦の糖代謝異常 糖代謝異常のある妊婦 ( 糖尿病合併妊娠, 妊娠中に発見された糖代謝異常 ) では母児にさまざまな合併症が生じうる. 糖尿病合併妊娠では, 母体に妊娠高血圧症候群などの産科的合併症, 網膜症などの糖尿病合併症の増悪, 児に先天奇形, 巨大児, 肩甲難産, 新生児低血糖症, 高ビリルビン血症などの周産期合併症および成長後の肥満, 耐糖能異常 糖尿病などのリスクが高まり, 妊娠糖尿病例でも巨大児 過体重児とそれに伴う分娩異常が起こりやすくなる ( 表 4). 妊娠糖尿病は元来妊娠によるインスリン抵抗性の増大のために妊娠中に一過性に出現する軽い糖代謝異常を指す. その定義には変遷がみられ, この 10 年あまりは治療の必要性という実際的見地から 妊娠時にはじめて発症または発見された糖代謝異常 と定義することが世界的傾向で, わが国でも同様な定義がなされていた h). この定義によると妊娠糖尿病には軽度から重度にわたる幅広い糖代謝異常が含まれる. 母児のリスクは血糖の上昇とともに高くなること, 妊娠初期から糖尿病域の高血糖を呈する例は妊娠前から糖尿病であった可能性が高く, 場合によってはすでに細小血管症を合併している可能性もある. そのため, 糖尿病域の高血糖を呈する例は取り扱いのうえで区別することが勧められていた.2010 年の診断基準の改訂で妊娠糖尿病は 妊娠中にはじめて発見または発症した糖尿病にいたっ 220

5 16 妊婦の糖代謝異常 ていない糖代謝異常 と定義され, リスクのより高い妊娠時に診断された明らかな糖尿病 (overt diabetes in pregnancy) は GDM の範疇に含まれないことが明確にされている a c). 妊娠糖尿病の意義は糖尿病域に至らない軽い糖代謝異常でも児の過剰発育が起こりやすく周産期のリスクが高くなることと, 母体の糖代謝異常が出産後いったん改善しても一定期間後に糖尿病を発症するリスクが高いことにある. 年齢や肥満などの因子から独立して軽い糖代謝異常そのものが周産期のリスクを高めるか否か議論があったが, 軽度でも周産期の異常は生じ, 治療介入によりこれが改善されることが明らかになった 16, 17). これまで国際的に統一された GDM の診断基準はなく, わが国では 75g OGTT で, 負荷前値 100 mg/dl 以上,1 時間値 180 mg/dl 以上,2 時間値 150 mg/dl 以上のうち 2 点以上を満たすものとされていた g). 診断基準は元来, 母親の将来の糖尿病発症を指標として定められていたが, 近年, 周産期合併症に基づく診断基準作成のための研究が行われ 25), この結果を受けて新しい診断基準の勧告が出された c). わが国もこの基準値を取り入れ,75g OGTT で, 空腹時血糖値 92 mg/dl,1 時間値 180 mg/dl,2 時間値 153 mg/dl の 1 点以上を満たすものを妊娠糖尿病と診断し a, b), 明らかに糖尿病と診断されるものは妊娠糖尿病から除外される ( 表 1). この新基準では, 全妊婦に 75g OGTT を施行した場合の GDM の頻度は 12.08% となり, 旧基準の 2.92% の 4.1 倍の頻度になる i). また, 日常診療でスクリーニング陽性者に 75g OGTT をした場合の GDM 頻度は 7 9% と推測される. わが国の新しい診断基準に関しては,GDM は全学会同じであるが, 日本産科婦人科学会と日本糖尿病 妊娠学会の 妊娠時に診断された明らかな糖尿病 b, c) と, 日本糖尿病学会の 明らかな糖尿病 a) との間に差異がある. すなわち, 前 2 学会では International Association of the Diabetes and Pregnancy Study Groups(IADPSG) 同様, 日本糖尿病学会診断基準での糖尿病型が 1 回診断された時点で, 妊娠時に診断された明らかな糖尿病 と診断されるが, 日本糖尿病学会では糖尿病型を他日にもう一度認めた場合にはじめて, 明らかな糖尿病 と診断する. 今後, この点の調整が望まれる. 妊娠を契機に発症する劇症 1 型糖尿病例が存在する 26). 母児の予後が極めて不良であるためこのような病態があることを認識し早期に診断し迅速に対応することが求められる. 妊娠前管理 妊娠前管理の目的の第一は, 妊娠初期の血糖コントロール不良による先天奇形 流産を予防することである. 妊娠前管理の有無による奇形発生率の明らかな違い 1, 27) から, 先天奇形の予防は血糖値を正常化し計画妊娠する以外に方法はなく糖尿病妊婦管理の最重要点である. 妊娠初期の母体血糖レベルと先天奇形 流産の関連は用量反応関係的で安全閾値はみられない.HbA1c(NGSP)7.0%, あるいは初診時空腹時血糖値が 120 mg/dl を超える場合は, 先天奇形 流産のリスクが高くなる可能性がある j, 2 4). 高血糖のまま妊娠した場合, そのリスクにつき十分説明し妊娠継続か否かの決定は本人および配偶者の意志を尊重する. 第二の管理目的は, 妊娠による慢性合併症 ( 網膜症, 腎症など ) の悪化およびそれの母体長期予後に及ぼす影響を最小限に抑えるために, 糖尿病合併症の状態を評価し対処することにある. 医療者は糖尿病と妊娠に関する情報を患者に正確に伝達し, 妊娠全経過を通じて妊婦を支援するチーム医療の体制を整え, 妊娠前より表 2 に示す項目を実施する. 221 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013, 南江堂,2013

6 糖尿病網膜症 糖尿病網膜症は妊娠中から出産後 1 2 ヵ月までにわたって悪化する可能性がある. 悪化は一過性のことも多く, 単純網膜症では妊娠を避ける必要はない. 妊娠に固有の内分泌 代謝, 血液凝固, 血行動態などの変化とともに, 糖尿病の罹病期間, 血糖コントロールの不良およびその急速な改善, 高血圧などが影響することが示唆されている 8). 妊娠前管理の段階で糖尿病網膜症を評価し対策を講じ, 妊娠中の検査の頻度や治療は網膜症所見による. 糖尿病腎症ほか 早期腎症の尿所見の悪化は出産後改善することが多い. しかし, 顕性腎症では妊娠高血圧症候群を併発し早産を余儀なくされる可能性が高く, 児の未熟性によるリスクが高まる 28, 29). 顕性腎症後期では腎機能は非可逆的に低下し, 透析導入の時期を早める可能性も指摘されている. ( 腎症治療の ) たんぱく制限食は児の発育の観点から勧められず,ACE 阻害薬,ARB はその催奇形性から禁忌とされている. 網膜症, 腎症は妊娠を契機に悪化することはあっても, 母体の長期予後からは妊娠が不 30, 31) 利に作用することはみられないとの報告がある. ただし, 妊娠時にすでに腎機能が低下している例は検討されていない. 1 型糖尿病では甲状腺疾患を伴うことがまれではない. このような例では妊娠, 分娩を契機に病勢が変化するので注意が必要である. GDM のスクリーニング 表 3 の方法でスクリーニングした場合のわが国の新基準による GDM の頻度は全妊婦のおよそ 7 9% と推定される. わが国は人種的に妊娠糖尿病のハイリスク群に入ること k), 尿糖陽性, 糖尿病家族歴, 肥満, 過度の体重増加, 巨大児出産の既往, 加齢などのリスク因子だけでは見逃される例が多いことから, 全妊婦にスクリーニングを行うことが望ましい e). その時期もインスリン抵抗性の高まる妊娠中期 (24 28 週 ) だけでなく妊娠初期にもスクリーニングを行うことが勧められている e). その理由は GDM の約 70% が妊娠初期に検出され 32), これらの多くは妊娠前から存在し見逃されていた糖代謝異常 ( 糖尿病を含む ) である可能性が高く, これらを早期に検出するためである. スクリーニング法には随時血糖値と 50g ブドウ糖負荷試験 ( グルコースチャレンジテスト :GCT) がある. 負荷後 1 時間のカットオフ値を 140 mg/ 日とする 50g GCT の感度, 特異度はおおむね 70 80% といわれ, 随時血糖値より優れるとされる 33). わが国では 100 mg/dl 以上を陽性とする随時血糖値によるスクリーニングが勧められており, 簡便で初診時スクリーニングには適すが, 妊娠中期以降に出現する妊娠糖尿病の検出には GCT のほうが効率がよいとの報告がある 32).GDM のスクリーニング法は各学会により若干の差異がある ( 表 3) a, c, e). 日本産科婦人科学会 産婦人科診療ガイドライン 産科編 2011 では, 妊娠初期は随時血糖法, 妊娠中期は 50g GCT か随時血糖法を用いることを推奨している. 血糖管理目標 厳格な血糖コントロール 健常妊婦の血糖値は正常非妊婦よりも低く, 連続グルコース モニタリング (CGM) によ 222 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013, 南江堂,2013

7 16 妊婦の糖代謝異常 ると妊娠末期の早朝空腹時血糖値は 75(51 99)mg/dL, 食後の最高値は約 70 分後で 110 (68 140)mg/dL との報告がある 34). 食後 1 時間血糖値 140 mg/dl 以下を目標にコント 12) 13) ロールすると周産期合併症が減少, 空腹時血糖値が 95 mg/dl 以上で巨大児が増加, し 14) かし平均血糖値 86 mg/dl 以下では低体重児が増加などの報告がみられる. 血糖レベルが糖尿病域に達しない IGT 域で治療介入により, 周産期死亡, 周産期合併症, 16) 巨大児が減少する事実から, 厳格な血糖コントロールの必要性はますます明白になってきた. しかし, 無自覚低血糖を起こしやすい例などでは母体の安全のために個々の状態に応じて目標基準を柔軟に考える必要がある. 厳格な血糖管理目標の達成 維持のために血糖のモニタリングは不可欠である. 血糖自己測定 (SMBG) の結果が遅滞なく治療の修正に反映できる患者教育と医療側の態勢が重要である. 現在,SMBG はインスリン使用症例, ハイリスク GDM, 妊娠時に診断された明らかな糖尿病に対してのみ保険適用が認められている.CGM は今後妊婦で低血糖を回避しながら厳格な血糖コントロールを維持するうえで有力なツールになることが期待される l, 35). 厳格な血糖コントロールのためのその他の指標としてグリコアルブミン (GA) が有用であることが報告された 36, 37). 日本妊娠 糖尿病学会は周産期合併症と HbA1c および GA との関連を検討し, 正常妊婦を対象に基準値を HbA1c(NGSP) %,GA % と定めた 36). 次に糖尿病合併妊娠例および GDM 例の周産期合併症を HbA1c が 5.8% 未満の群と 5.8% 以上の群および GA が 15.8% 未満の群と 15.8% 以上の群で比較検討したところ,HbA1c ではすべての合併症で有意差がつかず,GA では新生児低血糖, 多血症, 呼吸障害,large for date(lfd) で両群間に有意差を認めた 37). また, 治療に伴い GA は血糖値と並行して推移したが HbA1c は血糖値の推移と乖離した.HbA1c で有意差を認めなかった原因, および血糖値の推移と乖離した理由は,HbA1c が鉄欠乏状態の影響を受け, 血糖コントロール状態を反映しないためと考えられる 38, 39). これらのことから,GA 15.8% 未満とすることを目標にし,HbA1c は参考所見とする 36, 37).GA は月 1 回保険請求できるが, 妊婦,1 型糖尿病患者, 経口血糖下降薬の投与を開始して 6 ヵ月の患者, インスリン治療を開始して 6ヵ月以内の患者について月 1 回に限り別に算定できる. 食事療法 妊婦では標準体重 [ 身長 (m) 2 22] 30 kcal を基本にし, エネルギー, たんぱく質, ミネラルなど妊娠時に必要な付加量を加える. 非肥満妊婦では健常妊婦の必要エネルギー付加量の妊娠初期 50 kcal, 中期 250 kcal, 末期 450 kcal, 授乳期 350 kcal k) に準拠する方法と妊娠中全期間一律に 200 kcal 付加する m) 2 つの方法が行われており, 両方法の優劣に関しては日本糖尿病 妊娠学会で検討中である. さらに健常妊婦の適正体重増加, すなわち非妊娠時 BMI<18.5 で 9 12 kg,bmi 未満で 7 12 kg,bmi 25 で個別対応 ( およそ 5 kg を目安 ) n) を参考に母体および胎児が過大な体重増加をきたさないよう調節する. 肥満妊婦に対しては, ケトン体上昇の胎児に及ぼす影響はなお不明であるが, 体重減少や飢餓状態を招かないエネルギー制限にとどめ, 原則として妊娠全期間, 標準体重 [ 身長 (m) 2 22] 30 kcal とし, エネルギー付加は行わない. 巨大児の発生には空腹時血糖値のみならず食後血糖値が関連する 12) ことから, 食後の良好な血糖値維持のために 1 日の総エネルギー量の配分と摂取時刻に配慮し, 場合によっては食事の 1 回量を抑え回数を増やす分食の方法が勧められる. 223 科学的根拠に基づく糖尿病診療ガイドライン2013, 南江堂,2013

8 インスリン療法 経口血糖降下薬中, スルホニル尿素薬およびビグアナイド薬については GDM 妊婦にお いて分娩結果にインスリン治療に劣らないとの報告があるが 40), 安全性が確立したとはい えず, 原則として経口血糖降下薬使用例はインスリンに変更する. 服薬中に妊娠した例には, 経口血糖降下薬が先天奇形の頻度を増加させる証拠は得られていない 18) ことを説明する. インスリン治療は厳格な血糖コントロールの必要性から, 頻回注射あるいは持続皮下注入による強化インスリン療法を行う. インスリン必要量は妊娠末期に妊娠前のおよそ 2 倍に達することが多い 41). 分娩後は速やかかつ顕著に必要量が減じ, 授乳によりさらに低下することがある 35) ので血糖値の変化に応じて投与量の調節を行う. 各種インスリンの妊娠時使用の安全性に関する米国食品医薬品局 (food and drug administration:fda) の分類を表 5 に示す. 分類 B のものは安全に使用できるが, 分類 C のものを使用する場合は, その安全性につき十分インフォームドコンセントをとって使用することが必要である. 一方, 持効型溶解インスリンのデテミルについては速効型ヒトインスリンと比較し同等の効果があることが報告され 22),FDA 分類 B になった. 一方, グラルギンについてはメタアナリシスが報告され, インスリンとの比較検討では胎児への副作用は差がみられていないが 42), 分類 C であり, わが国では妊婦への使用は認められていないため, これら製剤の使用の際には, 十分なインフォームドコンセントが必要である. 運動療法肥満妊娠糖尿病妊婦において軽い運動が勧められる場合があるが 43), 一般的には糖尿病妊婦では運動療法の効果は明らかではない g). 分娩と分娩後分娩時期と様式は母児の状態によって決定する. 糖代謝異常妊婦では巨大児を含む過体重児 (heavy for dates:hfd), 妊娠高血圧症候群の併発, 増殖網膜症の大出血切迫などのために帝王切開が選択されることがあり健常妊婦に比べ高率である 44). 224

9 16 妊婦の糖代謝異常 母乳は糖尿病妊婦においても児の心身の健康に有益で, いずれのインスリンも母乳栄養 の妨げにはならない. 授乳は授乳期間依存性に母体の 2 型糖尿病発症を減少させ 45), メタ ボリックシンドローム発症も減少させる 46). 経口血糖降下薬中, 第二世代以降のスルホニ ル尿素薬は乳汁に移行せず 47), ビグアナイド薬は乳汁に移行するも児の発育に影響しない との報告があるが 48), 原則的には妊娠中と同様に使用しない. 分娩後のフォローアップ GDM と診断された妊婦に対しては産後 6 12 週に 75g OGTT を施行する e).gdm 患者 が将来糖尿病を発症するリスクは, 血糖正常妊婦の 7.43 倍と高率である 23). このため, 分 娩後に耐糖能が正常化しても, 肥満の防止など生活指導を行い, 糖尿病発症のハイリスク 群として長期にわたる追跡管理が必要である. 妊娠時に診断された明らかな糖尿病例でも産後再評価し, 継続して治療 フォローアッ プする. 1) Steel JM, Johnstone FD, Hepburn DA et al:can prepregnancy care of diabetic women reduce the risk of abnormal babies? BMJ 301: , ) Hanson U, Persson B, Thunell S: Relationship between haemoglobin A1C in early type 1 (insulin-dependent)diabetic pregnancy and the occurrence of spontaneous abortion and fetal malformation in Sweden. Diabetologia 33: , ) Suhonen L, Hiilesmaa V, Teramo K: Glycaemic control during early pregnancy and fetal malformations in women with typeⅠ diabetes mellitus. Diabetologia 43:79-82, ) Schaefer-Graf UM, Buchanan TA, Xiang A et al:patterns of congenital anomalies and relationship to initial maternal fasting glucose levels in pregnancies complicated by type 2 and gestational diabetes. Am J Obstet Gynecol 182: , ) Ray JG, O Brien TE, Chan WS:Preconception care and the risk of congenital anomalies in the offspring of women with diabetes mellitus:a meta-analysis. QJM 94: , ) Gordon M, Landon MB, Samuels P et al:perinatal outcome and long-term follow-up associated with modern management of diabetic nephropathy. Obstet Gynecol 87: , ) Klein BE, Moss SE, Klein R:Effect of pregnancy on progression of diabetic retinopathy. Diabetes Care 13:34-40, ) Chew EY, Mills JL, Metzger BE et al:metabolic control and progression of retinopathy:the Diabetes in Early Pregnancy Study. National Institute of Child Health and Human Development Diabetes in Early Pregnancy Study. Diabetes Care 18: , ) Ekbom P, Damm P, Feldt-Rasmussen B et al:pregnancy outcome in type 1 diabetic women with microalbuminuria. Diabetes Care 24: , ) Purdy LP, Hantsch CE, Molitch ME et al:effect of pregnancy on renal function in patients with moderate-to-severe diabetic renal insufficiency. Diabetes Care 19: , ) Griffin ME, Coffey M, Johnson H et al:universal vs. risk factor-based screening for gestational diabetes mellitus: detection rates, gestation at diagnosis and outcome. Diabet Med 225

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12 b) 中林正雄, 平松祐司, 杉山隆ほか : 妊娠糖尿病診断基準変更に関する委員会報告. 糖尿病と妊娠 10:21, 2010 c) Metzger BE, Gabbe SG, Persson B et al(international Association of Diabetes and Pregnancy Study Groups Consensus Panel):International association of diabetes and pregnancy study groups recommendations on the diagnosis and classification of hyperglycemia in pregnancy. Diabetes Care 33: , 2010 d)american Diabetes Association:Standards of medical care in Diabetes-2010:Detection and diagnosis of gestational diabetes mellitus(gdm). Diabetes Care 33(Suppl 1):S11-S61, 2010 e) 日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会 :CQ005 妊娠中の耐糖能の検査は?. 産科診療ガイドライン産科編 2011, 日本産科婦人科学会,p16-20,2011 f) 日本糖尿病学会 ( 編 ): 経口薬療法. 糖尿病治療ガイド , 文光堂, 東京,p46-53, 2013 g) Ceysens G, Rouiller D, Boulvain M:Exercise for diabetic pregnant women. Cochrane Database of Systematic Reviews, CD004225, John Wiley & Sons, Ltd, 2006 h) 葛谷健, 中川昌一, 佐藤譲ほか : 糖尿病の分類と診断基準に関する委員会報告. 糖尿病 42: , 1999 i) 日下秀人, 杉山隆, 豊田長康ほか :JAGS trial による新基準 GDM スクリーニング法に関する検討. 日本産科婦人科栄養 代謝研究会誌 17:24, 2011 j) 佐中眞由実, 豊田長康, 鮫島浩ほか : 糖代謝異常妊娠全国調査の概要 年. 糖尿病と妊娠 5:37-41, 2005 k) 厚生労働省 : 日本人の食事摂取基準 [2010 年版 ]( 第 2 版 ), 第一出版, 東京,2010 l) Byrne EZ, Zisser HC, Jovanovic L:Continuous glucose monitoring:is it helpful in pregnancy? Curr Diabetes Rev 4: , 2008 m) 日本産科婦人科学会, 日本産婦人科医会 :CQ314 妊娠糖尿病 (GDM), 妊娠時に診断された明らかな糖尿病ならびに糖尿病 (DM) 合併妊婦の管理 分娩は? 産科診療ガイドライン産科編 2011, 日本産科婦人科学会,p ,2011 n) 厚生労働省 : 妊産婦のための食生活指針 健やか親子 21 推進検討会報告書 最終アクセス日時 :2013 年 4 月 9 日 ) 228

13 16 妊婦の糖代謝異常 論文コード対象方法結果 1)Steel JM et al, 1990 非ランダム化比較試験 英国.1 型糖尿病女性 (239 人 ) 2)Hanson U et al, 1990 スウェーデン.1 型糖尿病女性 (532 妊娠 ), 健常女性 (222 妊娠 ) 妊娠前管理 (143 人 )vs 妊娠前管理なし (96 人 ) を比較 妊娠初期 (9 10 週 )HbA1c を比較 妊娠前管理群で妊娠初期 HbA1c 2.1% 低, 低血糖頻度高, 先天奇形発生率低. 前管理なし群の奇形のリスクは 7.4 倍 妊娠初期 HbA1c が平均 +8 SD 以上で, 有意に流産および先天奇形発生率上昇 3)Suhonen L et al, 2000 フィンランド.1 型糖尿病女性 (488 人,691 妊娠 ), 健常女 性 (706 人,729 妊娠 ) 妊娠初期 HbA1c を比較 大奇形 : 糖尿病群 4.2%, 非糖尿病群 1.4%, 非糖尿病を 1.0 とすると, RR は妊娠初期 HbA1c( NGSP)< 5.6% で 1.6, % で 3.0, HbA1c( NGSP)> 9.4% で 4.8 4)Schaefer-Graf UM et al, 2000 米国.GDM(3,764 妊娠 ),2 型糖尿病 (416 妊娠 ) 初診時 ( 主に 週 ) 空腹時血糖値を比較 奇形は FPG< 120mg/dL で 2.1%, で 5.9%,> 200 で 12.9% 5)Ray JG et al, 2001 メタアナリシス 14 の 妊娠前の管理の有無による胎児奇形発生率を検討 奇形は妊娠前管理あり群で 2.1%, 妊娠前管理なしで 6.5% 6)Gordon M et al, 1996 米国. 糖尿病 White 分類クラス F,45 人 (46 妊娠 ) 周産期予後を検討 クレアチニン 15mg/dL, 尿蛋白 3g/ 日以上になると 53% で妊娠高血圧症候群を合併. CCR 90mL/min, 尿蛋白 < 1g/ 日群の平均 2.8 年のフォローアップで 24% は尿蛋白 3g/ 日 7)Klein BE et al, )Chew EY et al, )Ekbom P et al, )Griffin ME et al, 2000 米国. 網膜症を有する 1 型糖尿病女性 (374 人 ) 米国.1 型糖尿病妊婦 (155 人 ) デンマーク.1 型糖尿病合併妊婦 (240 人 ) 10)Purdy LP et al, 1996 米国. 中 高度腎機能の低下ケースコントロール研究 (Cr>1.4mg/dL) 糖尿病腎症 合併妊婦 (11 人 ) アイルランド. 妊婦 (3,742 人 ), スクリーニング法をランダムに分けて比較 妊娠 133 人, 非妊娠 241 人で, 妊娠初期と分娩後を比較 前向き試験, 妊娠前管理から分娩 1 ヵ月後まで追跡.2 段階以上の悪化 腎症なし (203 人 ), 微量アルブミン尿 (26 人 ), 顕性腎症 (11 人 ) の周産期予後を調査 同程度腎機能低下の非閉経前妊娠糖尿病腎症女性 (11 人 ) と比較 リスク因子による選択的スクリーニング (1,853 人 ), および GCT によるユニバーサルスクリーニング (1,299 人 ) 妊娠により網膜症は有意に進行 ( オッズ比 2.3).HbA1c の影響も大 悪化ハイリスクは, 妊娠時 HbA1c 高, 急速コントロール, 糖尿病罹病長, 受胎時中等度以上の網膜症. 増殖網膜症は悪化しやすい 腎症カテゴリーの進行に伴い妊娠高血圧症候群, 早産, 低体重児が増加 妊娠により 40% 以上の確率で腎機能の悪化が促進される 選択的およびユニバーサルスクリーニングの GDM の検出率と検出時期 :1.45%,33 週 vs 2.7%,30 週, ユニバーサルで周産期異常のリスク減 229

14 論文コード対象方法結果 12)de Veciana M et al, )Langer O et al, 1991 米国.GDM(66 人 ) 米国.GDM(471 人 ) 目標血糖値 : 食前 mg/dl 群 (33 人 ), 食後 1 時間 140mg/dL 群 (33 人 ). すべてインスリン治療 空腹時血糖値 95mg/dL 以下, mg/dL( インスリン治療なしとあり ),105mg/dL 以上 ( すべてインスリン治療 ) 食後血糖値目標群で巨大児, 新生児低血糖, 帝王切開率などが有意に低下 空腹時血糖値 95mg/dL 以上では巨大児の頻度が有意に上昇 ではインスリン治療の有無で分娩結果に差.> 95mg/dL から要インスリン治療 14)Langer O et al, 1989 米国. NDDG 基準による GDM(334 人 ) 平均血糖値 86mg/dL 以下 ( 69 人 ), mg/dL (180 人 ),105mg/dL 以上 (85 人 ) 平均血糖値 86mg/dL 以下群で低体重児,105mg/dL 以上群で巨大児頻度上昇. インスリン治療の有無は関係なし 15)Langer O et al, 1994 非ランダム化比較試験 米国.GDM(2,461 人 ) 血糖自己測定群 (1,316 人 ), 非測定群 (1,145 人 ). 空腹時値 95mg/dL, 食後 2 時間値 120mg/dL 以上でインスリン投与 血糖自己測定群で新生児合併症が有意に減少. 巨大児リスク因子は平均血糖値, 年齢, 巨大児分娩歴 16)Crowther CA et al, 2005 オーストラリア.GDM(1,000 人 ) 治療介入 ( 血糖自己測定と栄養指導 ) 群 (490 人 ) と非介入群 (510 人 ) の周産期合併症 介入群で周産期合併症 ( 出生時体重, 児の脂肪,large-fordate 児, 巨大児, 肩甲難産, 帝王切開率, 妊娠高血圧症候群 ) が有意に減少 17)Landon MB et al, 2009 米国.Mild GDM(958 人 ) 治療介入 ( 食事療法で血糖管理できないときはインスリン療法 )(485 人 ), 非介入群 (473 人 ) 両群で胎児死亡なし. 介入群で周産期合併症 ( 死亡, 肩甲難産, 骨折, 神経麻痺 ) 有意に低く, 母体 QOL 良 18)Hellmuth E et al, )Mukhopadhyay A et al, 2007 システマティックレビュー 20)Mathiesen ER et al, )Hod M et al, )Mathiesen ER et al, 2012 デンマーク. 糖尿病妊婦 (160 人 ) 6 論文 ( 米国, フィンランド, イタリア, ドイツ ) の検討 欧州多施設.1 型糖尿病妊婦または妊娠計画中 (322 人 ) 欧州多施設.1 型糖尿病妊婦または妊娠計画中 (322 人 ) 15 ヵ国の.12 ヵ月以上インスリン療法妊娠例あるいは妊娠 8 12 週の 1 型糖尿病 メトホルミン (50 人 ), スルホニル尿素 (68 人 ), インスリン (42 人 ) CSII, 頻回注射計 213 人につき, 母体インスリン用量, 低血糖, ケトアシドーシス, 早産, 帝王切開, 網膜症, 児体重, 新生児低血糖の比較 アスパルト群 (157 人 ), ヒトインスリン群 (165 人 ) につき, 母体血糖コントロール, 重症低血糖, 分娩結果の比較 アスパルト群 (157 人 ), ヒトインスリン群 (165 人 ) の分娩結果の比較 インスリンデテミル群 (152 人 ),NPH インスリン群 (158 人 ). 妊娠 36 週時の HbA1c を比較 妊娠高血圧症候群 : メトホルミン 37%, スルホニル尿素 7%, インスリン 10%, 周産期死亡率 : メトホルミン 11.6%, 他剤 1.3% ケトアシドーシスと網膜症の悪化が CSII 群で高い傾向みられるも統計的に有意差なし アスパルトはヒトインスリンに比し母体重症低血糖少傾向, 妊娠初期食後血糖上昇軽度, 分娩結果に差なし アスパルトはヒトインスリンに比し, 先天奇形, 分娩週数, 児体重に差なく, 周産期死亡, 早産の低傾向 インスリンデテミルは NPH インスリンと同等の効果があり, 低血糖発現を増加させず妊娠 24 週,36 週の空腹時血糖を有意に低下させた 230

15 16 妊婦の糖代謝異常 論文コード対象方法結果 23)Bellamy L et al, 2009 システマティックレビュー 24)Kim C et al, 2002 システマティックレビュー 年に調査された GDM 後 2 型糖尿病発症に関する 20 種々の ethnicity の GDM 後 2 型糖尿病発症に関する調査 675,455 女性中,2 型糖尿病発症 10,859 人.GDM 既往と発症の関連を検討 NDDG の GDM 診断基準を満たす 7 論文で経年と累積糖尿病発症率を検討 GDM 既往ありで, なしに比べ 2 型糖尿病発症のリスクは 7.4 倍 分娩後 10 年で約 70% が糖尿病を発症 25)Metzger BE et al(hapo study), ヵ国の妊婦 (25,000 人 ) 妊娠 週時に 75g OGTT, 治療介入なしで血糖値と分娩結果との関連を検討 糖尿病診断域以下の耐糖能異常で母体血糖レベルと児の過体重, 臍帯血 C ペプチドの間に強い連続的な関連 26)Imagawa A et al, 2003 横断研究 27)Fuhrmann K et al, 1983 非ランダム化比較試験 28)Reece EA et al, 1988 米国.1 型糖尿病腎症合併妊婦前後比較試験 (31 人 ) 29) 佐中眞由実ほか, 2006 症例集積 30)DCCT Research Group, 2000 日本 年, 全国 1 型糖尿病患者記録を後方視的に検討 東ドイツ 年, 1 型糖尿病妊婦 (420 人 ) 日本 年, 糖尿病合併妊婦 (318 人 ) 米国.1 型糖尿病女性 (680 人 ) 劇症型 (161 人 ) と急性発症自己免疫型 (137 人 ) の比較 妊娠前管理群 (128 人 ) と妊娠後管理群 (292 人 ) における先天奇形の発生率の比較 妊娠時および分娩後の比較 年のデータを後方視的に調査 31)Rossing K et al, 2002 デンマーク. 糖尿病腎症発症後 妊娠経験あり (26 人 ) となし ケースコントロール研究 3 28 年追跡した 1 型糖尿病 (67 人 ) の腎機能の比較 女性患者 (93 人 ) 腎症 2 期 (14 人 ),3 期 (7 人 ) 蛋白尿 :2 期では増加, 分娩後と腎症なし (295 人 ) の腎機能, 改善,CCr:3 期で低下, 早分娩成績の比較産 :2 期で高率,3 期で全例, 低体重 :3 期で全例 試験中妊娠の (180 人 )(270 分娩 ) と非妊娠 (500 人 ) の平均 6.5 年間の追跡比較. 妊娠中は全例強化療法 妊娠可能年齢女性中, 妊娠を契機に発症した例は自己免疫型群で 1.5% に対し劇症型群で 21.0% 妊娠前管理群 0.8%, 妊娠後管理群 7.5% 妊娠時尿蛋白増加, 血圧上昇あるも分娩後改善し natural course をたどる.3 年後透析 (4 人 ), 腎移植 (2 人 ). 分娩結果 : 児死亡 (2 人 )(6%), 帝王切開 70%, 腎機能低母体児は低体重 妊娠で網膜症悪化, そのリスクは強化療法群で 1.63 倍, 通常療法群で 2.48 倍. 長期観察では妊娠の有無で有意差なし 受胎時腎機能低下のない例では妊娠の有無で腎機能, 生命予後に差なし 32) 杉山隆ほか, 2006 日本. 妊婦 (4,070 人 ) 妊娠初期および妊娠中期に 精度 コスト 簡便性から, 妊 GCT, 随時血糖, 食後血糖, 娠初期は随時血糖 ( カットオフ 空腹時血糖による GDM スク 値 95mg/dL), 中期は GCT リーニングを行い, 精度, コスト効果を比較 ( カットオフ値 140mg/dL) が望ましい 33)McElduff A et al, 1994 ケースコントロール研究 妊娠糖尿病 (28 人 ) GCT と食後血糖値による妊娠糖尿病の検出を比較 GCT の検出感度が優 34)Yogev Y et al, 2004 横断研究 35)Murphy HR et al, 2008 米国.2003 年, 妊娠 週の肥満および非肥満非糖尿病妊婦 (57 人 ) 英国. 糖尿病妊婦 :1 型 (46 人 ),2 型 (25 人 ) 平常の生活下で CGM 皮下組織間液ブドウ糖濃度 5 分ごと 72 時間連続測定. 食後 3 時間までの血糖値を分析 空腹時血糖値 75±12mg/dL, 平均血糖値 83.7±18, 食後最高値 110±16, 最高値は食後 70±13 分 妊娠 8 32 週に CGM 7 日間 CGM 群で母体血糖 ( 妊娠末期を 4 6 週間隔で使用 (38 人 ) HbA1c), 児体重, 巨大児頻度と非使用例 (33 人 ) の比較が有意に低い 231

16 論文コード対象方法結果 36)Hiramatsu Y et al, 2012 日本. 合併症を持たない妊婦ケースコントロール研究 (676 人 ) 37) 清水一紀ほか, 2010 ケースコントロール研究 日本. 妊娠に合併した 1 型糖尿病 (47 人 ),2 型糖尿病 (89 人 ),GDM(57 人 ) 非妊娠時, 妊娠各週数, 産褥における HbA1c, グリコアルブミンの正常値を算出 HbA1c, グリコアルブミン値と周産期予後との関係を検討 HbA1c(JDS) の正常値 %, グリコアルブミンの正常値 % HbA1c(JDS)5.4%[HbA1c (NGSP)5.8%] 以上, グリコアルブミン値 15.8% 以上での合併症出現率はグリコアルブミンのほうが鋭敏であった 38)Hashimoto K et al, 2008 観察研究 日本. 非糖尿病妊婦 (47 人 ) 妊娠各時期で HbA1c, グリコアルブミンを測定. 同時に鉄代謝を検討 HbA1c は妊娠末期に貧血の影響を受け上昇. グリコアルブミンのほうが妊娠中はよい指標になる 39)Hashimoto K et al, 2010 日本. 糖尿病合併妊婦 (17 人 ) 妊娠 週に HbA1c, 観察研究 (GDM 6 人,1 型糖尿病 7 人, グリコアルブミンと鉄代謝を検 2 型糖尿病 4 人 ) 討 40)Rowan JA et al, )Davies HA et al, 1989 ケースコントロール研究 42)Pollex E et al, 2011 メタアナリシス 43)Brankston GN et al, )Feig DS et al, 2006 ケースコントロール研究 オーストラリア ニュージーランド ( 妊娠 週の GDM 751 人 ) 英国.1 型 (21 人 24 分娩 ), うち 16 分娩例で母乳継続 年の論文. インスリン治療した pregaetational diabetes,gdm(702 人 ) ( インスリングラルギン 331 人,NPN インスリン 371 人 ) カナダ.GDM, 妊娠 週 (32 人 ) カナダ 年の 776,500 分娩 メトホルミン群 (363 人 ) とインスリン群 (370 人 ) の新生児合併症, 母体血糖コントロール, 高血圧などを比較 インスリン用量, 血糖値, HbA1c の妊娠初期, 妊娠末期, 出産 1 週後,6 週後の比較 巨大児, 低血糖,NICU 収容率, 分娩時障害, 先天性奇形, 早期産, 周産期死亡, 呼吸窮迫症候群, 高ビリルビン血症を比較 食事単独群 (16 人 ), 食事 + 運動 ( 週 3 回のレジスタンス運動 ) 群 (16 人 ), 食後血糖値によりインスリン開始 対象中に 7,948 人の糖尿病合併妊娠 ( 1996 年 0.8%, 2001 年 1.2%) 糖尿病と非糖尿病の分娩結果の対比 糖尿病妊婦において HbA1c は妊娠末期に貧血の影響を受け上昇. グリコアルブミンのほうが妊娠中はよい指標になる 周産期合併症頻度はメトホルミン群 ( 必要例にはインスリン併用 ) でインスリン群より高いことは認められず 出産 1 週後におけるインスリン用量の妊娠前に対する低下は母乳群で 11.6 単位, 人工栄養群で 5.2 単位 インスリングラルギン使用例で,NPN インスリン使用例に比較し, 周産期予後の悪化はみられなかった インスリン必要例の頻度に差なし, 必要量は食事 + 運動群で有意に少ない 帝王切開 : オッズ比 1996 年 2.56,2001 年 肩甲難産, 妊娠高血圧などのリスクも糖尿病合併妊娠で高い 45)Stuebe AM et al, 前向き 2 後向き 米国.1 前向きコホート 年の 83,585 妊婦. 2 後向きコホート 年の 73,418 妊婦 授乳なし群と各授乳期間での 2 型糖尿病発症率を比較 授乳期間が長くなればなるほど, 母体の 2 型糖尿病発症率は減少 46)Gunderson EP et al, )Feig DS et al, 2005 症例観察研究 48)Briggs GG et al, 2005 症例観察研究 米国 年をベースに 1,399 人の 歳女性を 7,10,15,20 年フォローアップ 授乳中の 2 型糖尿病母体. カナダ (8 人 ), 米国 (13 人 ) 米国. 出産後 2 日目からメトホルミンを開始した 2 型糖尿病母体 (7 人 ) 非 GDM 群 (620 人 ),GDM 群 (84 人 ) につき授乳期間とメタボリックシンドロームの発生を検討 母体の血中および乳汁中のグリブライド, グリピザイドの測定 母体の血中および乳汁中のメトホルミン濃度 ( 頂値と最低値 ) および児の血糖値の測定 非 GDM,GDM 妊婦とも授乳期間が長くなるほどメタボリックシンドローム発生率が減少. 特に GDM 妊婦で有効 グリブライド, グリピザイドともに乳汁中に検出されず, 児に低血糖みられず メトホルミンは乳汁に移行, 乳汁 / 血中濃度比 0.63, 児への移行用量推定 0.65%, 児血糖値に影響なし 232

37 4

37 4 妊娠中の糖代謝異常と母体 胎児への影響 産後のフォローアップ 母体 胎児への影響 妊娠糖尿病の方は 出産後に血糖値が正常化しても 将来 罹患するリスクが高い状態にあります 妊娠中の糖代謝異常 ます は成長促進作用もあることから 胎児が発育して巨大児になるなど 母体のみならず 胎児や生ま 既報では 妊娠糖尿病では 正常血糖の妊婦に比べてなるリスクが7.4倍とされています4 仮に罹患して気づかないでいると

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