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食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

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リキスミア 添付文書改訂のお知らせ

添付文書情報 の検索方法 1. 検索条件を設定の上 検索実行 ボタンをクリックすると検索します 検索結果として 右フレームに該当する医療用医薬品の販売名の一覧が 販売名の昇順で表示されます 2. 右のフレームで参照したい販売名をクリックすると 新しいタブで該当する医療用医薬品の添付文書情報が表示され

使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) 1 2X X 重要な基本的注意 1TNF 2TNF TNF 3 X - CT X 4TNFB HBsHBcHBs B B B B 5 6TNF 7 8dsDNA d

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

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薬物動態開発の経緯 特性製品概要臨床成績副作用 mgを空腹時に単回経口投与副作用また 日本人及び白人健康成人男性において アピキサバン 薬物動態薬物動態非臨床試験に関する事項非臨床試験に関する事項1. 血中濃度 (1) 単回投与 (CV185013) 11) 日本人健康成人男性

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グルコースは膵 β 細胞内に糖輸送担体を介して取り込まれて代謝され A T P が産生される その結果 A T P 感受性 K チャンネルの閉鎖 細胞膜の脱分極 電位依存性 Caチャンネルの開口 細胞内 Ca 2+ 濃度の上昇が起こり インスリンが分泌される これをインスリン分泌の惹起経路と呼ぶ イ

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医薬品の添付文書等を調べる場合 最後に 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 特定の文書 ( 添付文書以外の文書 ) の記載内容から調べる場合 検索 をクリック ( 下部の 検索 ボタンでも可 ) 最後に 調べたい医薬品の名称を入力 ( 名称の一部のみの入力でも検索可能

用法 用量 発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制 mg mg mg mg kg 30kg 40kg 20kg 30kg 10kg 20kg 5kg 10kg 1900mg mg mg mg

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薬物動態開発の経緯 特性製品情報(3) 薬物動態に対する食事の影響 ( 外国人データ )(B66119)12) 品情報臨床成績臨床成績薬物動態薬物動態薬効薬理薬効薬理一般薬理 毒性一般薬理 毒性(2) 反復投与 (CV18546) 11) 日本人健康成人男性 6 例に アピキサバン 1 回 2.5

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シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

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ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

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トラディアンス(エンパグリフロジン/リナグリプチン配合錠)患者向医薬品ガイド

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**2019 年 6 月改訂 ( 第 4 版 ) *2018 年 2 月改訂 日本標準商品分類番号 ビグアナイド系経口血糖降下剤日本薬局方メトホルミン塩酸塩錠 METFORMIN HYDROCHLORIDE 劇薬処方箋医薬品 : 注意 - 医師等の処方箋により使用する

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タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

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られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

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別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 商品名 : イチョウ葉脳内 α( アルファ ) 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績による食経験の評価 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) 弊社では当該製品 イチョウ葉脳内 α( アルファ ) と同一処方の製品を 200

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クラリチンドライシロップ 1% クラリチン錠 10mg クラリチンレディタブ錠 10mg 第 1 部申請書等行政情報及び添付文書に関する情報 (7) 同種同効品一覧 シェリング プラウ株式会社

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

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2017 年 9 月 画像診断部 中央放射線科 造影剤投与マニュアル ver 2.0 本マニュアルは ESUR 造影剤ガイドライン version 9.0(ESUR: 欧州泌尿生殖器放射線学会 ) などを参照し 前マニュアルを改訂して作成した ( 前マニュアル作成 2014 年 3 月 今回の改訂

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あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

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この試験情報は一般公開のみを目的に作成されたものです この試験情報はあくまで単一の試験から得られた結果であり この試験の医薬品から得られるすべての情報を基にした全体的なベネフィットとリスクを反映したものではない可能性があります 医療関係者の皆様は 武田薬品の医薬品のご使用にあたり 必ずそれぞれの国ま

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本書の読み方 使い方 ~ 各項目の基本構成 ~ * 本書は主に外来の日常診療で頻用される治療薬を取り上げています ❶ 特徴 01 HMG-CoA 代表的薬剤ピタバスタチン同種同効薬アトルバスタチン, ロスバスタチン HMG-CoA 還元酵素阻害薬は主に高 LDL コレステロール血症の治療目的で使 用

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ルグリセロールと脂肪酸に分解され吸収される それらは腸上皮細胞に吸収されたのちに再び中性脂肪へと生合成されカイロミクロンとなる DGAT1 は腸管で脂質の再合成 吸収に関与していることから DGAT1 KO マウスで認められているフェノタイプが腸 DGAT1 欠如に由来していることが考えられる 実際

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はじめに カナグル ( 一般名 : カナグリフロジン水和物 ) は, 田辺三菱製薬株式会社で創製されたSGLT2 (sodium glucose co transporter 2) 阻害剤です. 2 型糖尿病においては, 高血糖状態が持続するとインスリン抵抗性やインスリン分泌不全が増悪し, さらに血

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相互作用DB

日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人

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分類

糖尿病治療 と 検査値

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日本医薬品安全性学会 COI 開示 筆頭発表者 : 加藤祐太 演題発表に関連し 開示すべき COI 関連の企業などはありません

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目次 C O N T E N T S 1 下痢等の胃腸障害 下痢について 3 下痢の副作用発現状況 3 最高用量別の下痢の副作用発現状況 3 下痢の程度 4 下痢の発現時期 4 下痢の回復時期 5 下痢による投与中止時期 下痢以外の胃腸障害について 6 下痢以外の胃腸障害の副

記載データ一覧 品目名 製造販売業者 BE 品質再評価 1 マグミット錠 250mg 協和化学工業 2 酸化マグネシウム錠 250mg TX みらいファーマ 3 酸化マグネシウム錠 250mg モチダ 持田製薬販売 # 4 酸化マグネシウム錠 250mg マイラン マイラン製薬 # 5 酸化マグネシ

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第三問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものには を 間違っているものには を ( ) 内に記入してください 1( ) インスリン以外にも血糖値を下げるホルモンはいくつもある 2( ) ホルモンは ppm( 百万分の一 ) など微量で作用する 3( ) ホルモンによる作用を内分泌と呼ぶ

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**2018 年 8 月改訂 ( 第 12 版 ) *2018 年 3 月改訂 貯 法室温保存 使用期限外箱 容器に使用期限を表示 処方箋医薬品規制区分 ( 注意 - 医師等の処方箋により使用すること ) 胆汁排泄型選択的 DPP-4 阻害剤 - 2 型糖尿病治療剤 - 承認番号 薬価収載 販売開始 国際誕生 効能追加 日本標準商品分類番号 873969 22300AMX00605000 2011 年 9 月 2011 年 9 月 2011 年 5 月 2013 年 3 月 ( リナグリプチン製剤 ) R= 登録商標 禁忌 ( 次の患者には投与しないこと ) (1) 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者 (2) 糖尿病性ケトアシドーシス 糖尿病性昏睡又は前昏睡 1 型糖尿病の患者 [ 輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤を投与すべきでない ] (3) 重症感染症 手術前後 重篤な外傷のある患者 [ インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない ] 組成 性状 販売名トラゼンタ錠 5 mg 成分 含量 1 錠中リナグリプチン 5 mg 添 加 物 D-マンニトール 部分アルファー化デンプン トウモロコシデンプン コポリビドン ステアリン酸マグネシウム ヒプロメロース 酸化チタン タルク マクロゴール6000NF 三二酸化鉄 剤 形 淡赤色のフィルムコート錠 外 形 直径約 8mm 厚さ約 3.5mm 重さ約 185mg 識別コード 効能 効果 2 型糖尿病 D5 用法 用量 通常 成人にはリナグリプチンとして 5 mg を 1 日 1 回経口投与する 使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること ) (1) スルホニルウレア剤又はインスリン製剤を投与中の患者 [ 併用により低血糖のリスクが増加するおそれがある ( 重要な基本的注意 相互作用 及び 重大な副作用 の項参照 )] (2) 次に掲げる患者又は状態 [ 低血糖を起こすおそれがある ] 1) 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全 2) 栄養不良状態 飢餓状態 不規則な食事摂取 食事摂取量の不足又は衰弱状態 3) 激しい筋肉運動 4) 過度のアルコール摂取者 (3) 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者 [ 腸閉塞を起こすおそれがある ( 重大な副作用 の項参照 )] 2. 重要な基本的注意 (1) 本剤の使用にあたっては 患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること 特に スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合 低血糖のリスクが増加するおそれがある スルホニルウレア剤又はインスリン製剤による低血糖のリスクを軽減するため これらの薬剤と併用する場合にはスルホニルウレア剤又はインスリン製剤の減量を検討すること [ 慎重投与 相互作用 及び 重大な副作用 の項参照] *(2) 急性膵炎があらわれることがあるので 持続的な激しい腹痛 嘔吐等の初期症状があらわれた場合には 速やかに医師の診察を受けるよう患者に指導すること [ 重大な副作用 の項参照] (3) 糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮すること 糖尿病以外にも耐糖能異常 尿糖陽性等 糖尿病類似の症状 ( 腎性糖尿 甲状腺機能異常等 ) を有する疾患があることに留意すること (4) 本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法 運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること (5) 本剤投与中は 血糖を定期的に検査するとともに 経過を十分に観察し 常に投与継続の必要性について注意を払うこと 本剤を 3 ヵ月投与しても食後血糖に対する効果が不十分な場合 より適切と考えられる治療への変更を考慮すること (6) 投与の継続中に 投与の必要がなくなる場合があり また 患者の不養生 感染症の合併等により効果がなくなったり 不十分となる場合があるので 食事摂取量 血糖値 感染症の有無等に留意の上 常に投与継続の可否 薬剤の選択等に注意すること (7) 低血糖症状を起こすことがあるので 高所作業 自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること (8) 本剤とインスリン製剤との併用についての有効性及び安全性は検討されていない (9) 本剤とGLP-1 受容体作動薬はいずれもGLP-1 受容体を介した血糖降下作用を有している 両剤を併用した際の臨床試験成績はなく 有効性及び安全性は確認されていない 3. 相互作用本剤は主に糞中に未変化体のまま排泄される 尿中に排泄される割合は少量である ( 5 %) [ 薬物動態 の項参照] - 1 -

併用注意 ( 併用に注意すること ) 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子 糖尿病用薬 : スルホニルアミド系薬剤 スルホニルウレア剤ビグアナイド系薬剤インスリン製剤チアゾリジン系薬剤 α-グルコシダーゼ阻害剤 糖尿病用薬との併用時には 特に低血糖症状の発現に注意すること [ 慎重投与 の項参照 ] 特に スルホニルウレア剤と併用する場合 低血糖のリスクが増加するおそれがある スルホニルウレア剤による低血糖のリスクを軽減するため スルホニルウレア剤の減量を検討すること 速効型インスリン[ 重要な基本的注意 及分泌促進薬び 重大な副作用 の項参 GLP-1 受容体作動薬照 ] SGLT2 阻害剤等インスリン製剤と併用する場合 低血糖のリスクが増加するおそれがある 低血糖のリスクを軽減するため インスリン製剤の減量を検討すること ( 外国人の高度の腎機能障害のある患者において インスリン製剤と併用した場合 低血糖のリスクの増加が認められている ) α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはショ糖ではなくブドウ糖を投与すること 血糖降下作用を増強する薬剤 : サリチル酸剤モノアミン酸化酵素阻害剤リトナビル等 血糖降下作用を減弱する薬剤 : アドレナリン副腎皮質ホルモン甲状腺ホルモンリファンピシン等 左記薬剤と本剤を併用する場合には 血糖降下作用の増強により更に血糖が低下する可能性がある ため 併用する場合には 血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること [ 薬物動態 の項参照 ] 左記薬剤と本剤を併用する場合には 血糖降下作用の減弱により血糖が上昇する可能性があるた め 併用する場合には 血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること [ 薬物動態 の項参照 ] 糖尿病用薬との併用時には 本剤の血糖コントロール改善により 低血糖のリスクが増加するおそれがある 左記薬剤との併用により血糖降下作用が増強されるおそれがあ る 左記薬剤との併用により血糖降下作用が減弱されるおそれがあ る 4. 副作用国内で実施された臨床試験では 1170 例中 134 例 (11.5%) に臨床検査値の異常を含む副作用が認められている 主な副作用は低血糖症 24 例 (2.1%) 便秘 20 例 (1.7%) 鼓腸 12 例 (1.0%) 腹部膨満 7 例 (0.6%) 等であった (1) 重大な副作用 1) 低血糖症 (2.1%): 本剤の投与により低血糖症があらわれることがある なお 他の DPP-4 阻害剤で スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症があらわれ 意識消失を来たす例も報告されている 低血糖症状が認められた場合には 糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと [ 慎重投与 重要な基本的注意 相互作用 及び 臨床成績 の項参照 ] 2) 腸閉塞 ( 頻度不明 ): 腸閉塞があらわれることがあるので 観察を十分に行い 高度の便秘 腹部膨満 持続する腹痛 嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと [ 慎重投与 の項参照 ] - 2-3) 肝機能障害 ( 頻度不明 ): AST(GOT) ALT(GPT) の上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと 4) 類天疱瘡 ( 頻度不明 ): 類天疱瘡があらわれることがあるので 水疱 びらん等があらわれた場合には 皮膚科医と相談し 投与を中止するなど適切な処置を行うこと 5) 間質性肺炎 ( 頻度不明 ): 間質性肺炎があらわれることがあるので 咳嗽 呼吸困難 発熱 肺音の異常 ( 捻髪音 ) 等が認められた場合には 速やかに胸部 X 線 胸部 CT 血清マーカー等の検査を実施すること 間質性肺炎が疑われた場合には投与を中止し 副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと * 6 ) 急性膵炎 ( 頻度不明 ): 急性膵炎があらわれることがあるので 観察を十分に行い 持続的な激しい腹痛 嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと [ 重要な基本的注意 の項参照] (2) その他の副作用 過敏症 代謝及び栄養障害神経系障害浮動性めまい呼吸器 胸鼻咽頭炎郭及び縦隔障害 * 胃腸障害 0.3% 以上頻度不明 腹部膨満 便秘 鼓腸 胃腸炎 蕁麻疹 血管浮腫 気管支収縮高トリグリセリド血症 高脂血症 咳嗽 口内炎 皮膚及び皮発疹下組織障害全身障害及浮腫び投与局所様態体重増加 膵酵素 ( 血中アミラーゼ リパー臨床検査ゼ ) 増加 肝酵素 (AST (GOT) ALT(GPT)) 上昇 5. 高齢者への投与高齢者への使用経験が少ないため 副作用発現に留意し 経過を十分観察しながら慎重に投与すること 6. 妊婦 産婦 授乳婦等への投与 (1) 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ投与を考慮すること [ 妊娠中の投与に関する安全性は確立していない また 動物実験 ( ラット及びウサギ ) で 胎児への移行が報告されている ] (2) 授乳中の婦人には投与することを避け やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること [ 動物実験 ( ラット ) で 乳汁中へ移行することが報告されている ] 7. 小児等への投与小児等に対する安全性は確立していない ( 使用経験がない ) 8. 過量投与 (1) 症状海外の臨床試験において 健康成人に 600mg( 通常の 1 日投与量の 120 倍 ) まで単回投与したところ 忍容性は良好であった ヒトにおいて 1 回 600mg を超える用量が投与された経験はない (2) 処置過量投与が生じた場合は 一般的な対症療法 ( 未吸収薬剤を消化管から除去するなど ) を行い 臨床症状をモニタリングしながら 必要に応じて適切な処置を行うこと

9. 適用上の注意薬剤交付時 PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること [PTP シートの誤飲により 硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し 更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている ] 薬物動態 1. 血中濃度 (1) 単回投与 1) 日本人健康成人男性に 本剤 1 2.5 5 10mg を空腹時単回経口投与したときの血漿中濃度推移を図 1 に 血漿中未変化体の薬物動態パラメータを表 1 に示す Cmax 及び AUC0-tz は用量比以下の上昇を示した ( 本剤の国内承認用量は 5 mg である ) 図 1 表 1 健康成人男性に空腹時単回経口投与後の平均血漿中濃度推移 ( 算術平均値 + 標準偏差 ) 健康成人男性に空腹時単回経口投与後の血漿中薬物動態パラメータ パラメータ名 [ 単位 ] 1 mg 2.5mg 5 mg 10mg AUC0-tz [nm h] 196(28.8) 404(15.7) 582(32.8) 8 4 7( 2 1. 5 ) Cmax [nm] 4.27(32.1) 5.92(18.3) 9.00(40.6) 23.1(32.1) tmax [h] 1.77(1.50-4.00) 2.00(1.00-8.00) 6.00(2.00-8.00) 1.50(1.00-6.00) t1/2 [h] 1 0 4( 1 4. 0 ) 96.9(13.3) 105(8.26) 1 1 3( 1 8. 4 ) 幾何平均値 ( 幾何変動係数 %) tmax は中央値 ( 最小値 最大値 ) (2) 反復投与日本人健康成人男性に 本剤 5 mg を空腹時 1 日 1 回 12 日間反復経口投与したときの血漿中濃度推移を図 2 に示す 投与 3 日後には見かけ上一定濃度となり Cmax 及び AUCτ から算出した累積係数は 1.4 以下であった 1) 図 2 健康成人男性に 5 mg 空腹時反復経口投与後の平均血漿中濃度推移 ( 算術平均値 ± 標準偏差 ) 日本人 2 型糖尿病患者 (159 例 ) に本剤 5 mgを 1 日 1 回 26 週間投与したときのトラフ時の血漿中濃度の幾何平均値 ( 幾何変動係数 %) は6.42nM(33.0%)~7.15nM(30.5%) であった 2) (3) 食事の影響 ( 外国人データ ) 3) 健康成人に 本剤 5 mgを食後に単回投与したとき Cmaxは約 15% 低下した 空腹時投与に比べてtmaxは延長し AUC0-72hには食事の影響はみられなかった 表 2 本剤 5 mgを単回経口投与したときの薬物動態パラメータ パラメータ名 [ 単位 ] 空腹時 n=31 食後 n=32 AUC0-72h [nm h] 229(25.9) 236(20.0) Cmax [nm] 7.04(34.0) 5.97(19.5) tmax [h] 1.02(0.517-8.00) 2.99(0.500-8.00) 幾何平均値 ( 幾何変動係数 %) tmax は中央値 ( 最小値 最大値 ) 2. 吸収 ( 外国人データ ) 4) 外国人健康成人男性に 本剤 10mg を錠剤として経口投与したとき及び 5 mg を静脈内投与したとき ( 各 10 例 ) のデータを用いて絶対バイオアベイラビリティを算出した結果 約 30% であった ( 母集団薬物動態解析による推定値 )( 本剤の国内承認用量は 5 mg である ) - 3-5) 3. 分布リナグリプチンのin vitro 血漿蛋白結合率は濃度依存的であり 2 nmでの98.8% から20nMでの84% へと減少した 30nM 以上では蛋白結合率はほぼ一定であった 4. 代謝 (1)(in vitroデータ ) ヒト肝ミクロソーム及びヒト肝細胞による 14 C- リナグリプチンの代謝は極めて弱いが 主たる代謝物の生成にはCYP3A4が関与しており 他のCYP 酵素の関与はなかった 6) リナグリプチンはヒト肝ミクロソームのCYP3A4 活性を競合的に阻害するがその程度は弱く (Ki=115μM) CYP1A1 1A2 2A6 2B6 2C8 2C9 2C19 2D6 2E1 4A11を阻害しなかった また ヒト肝ミクロソームのCYP3A4を弱 ~ 中程度に不可逆的に阻害した 7) 酵素誘導試験においてCYP1A2 2B6 3A4の誘導はみられなかった 8) (2)( 外国人データ ) 健康成人に 14 C-リナグリプチン10mgを経口投与したとき ( 6 例 ) 血漿中には主に未変化体が認められ( 血漿中放射能に対する割合は約 62%) 主な代謝物はCYP3A4によって生成するピペリジニル基の水酸化体であった ( 血漿中放射能に対する割合は約 5 %) 9) ( 本剤の国内承認用量は 5 mgである ) 5. 排泄 (1) 日本人健康成人 ( 6 例 ) に本剤 5 mgを単回経口投与したときの投与 24 時間後までの尿中未変化体排泄率は約 0.6% であった 腎クリアランスは 単回経口投与時は7.09mL/minであった 1) (2) ( 外国人データ ) 外国人健康成人 ( 6 例 ) に 14 C-リナグリプチン10mg を単回経口投与したとき 9) 投与後 96 時間までに投与放射能の約 5 % が尿中に 約 80% が糞中に排泄された 尿及び糞中に排泄された放射能に対する未変化体の割合はそれぞれ71% 及び91% であった 10) ( 本剤の国内承認用量は 5 mgである ) (3)(in vitroデータ ) リナグリプチンはP- 糖蛋白の基質であり 弱い阻害剤であった (IC50: 約 55μM) 11) 6. 腎機能障害患者 ( 外国人データ ) 12) 健康被験者及び軽度 中等度腎機能障害患者に本剤 5 mg 単回及び反復投与 ならびに高度及び末期腎機能障害患者に本剤 5 mg 単回投与を行った ( 表 3 ) 単回投与後のAUC0-24hは健康被験者に比べて 軽度 中等度 高度 末期腎機能障害患者でそれぞれ約 1.3 倍 1.6 倍 1.4 倍 1.5 倍であり Cmaxはそれぞれ約 1.3 倍 1.6 倍 1.5 倍 1.5 倍であった 反復投与後のAUCτ,ssは健康被験者に比べて 軽度及び中等度腎機能障害患者でそれぞれ約 1.1 倍及び1.7 倍であり Cmax,ssはそれぞれ約 1.0 倍及び1.5 倍であった 腎機能正常及び高度腎機能障害を有する 2 型糖尿病患者に本剤 5 mg 反復投与を行った ( 表 4 ) 高度腎機能障害を有する 2 型糖尿病患者における反復投与後のAUCτ,ss 及びCmax,ssは腎機能正常 2 型糖尿病患者に比べて ともに約 1.4 倍であった 腎機能障害患者の累積係数は健康被験者と同程度であり 尿中排泄率は腎機能障害の程度によらず全群で低かった 表 3 健康被験者及び腎機能障害患者に本剤 5 mg 単回投与後の薬物動態パラメータ パラメータ [ 単位 ] AUC0-24h [nm h] Cmax [nm] fe0-24h [%] CLR,0-24h [ml/min] 健康被験者注 ) 軽度腎機能障害注 ) 中等度腎機能障害注 ) 高度腎機能障害注 ) 末期腎機能障害注 ) 101(32.6) 1 3 0( 1 1. 0 ) 1 5 8( 4 4. 3 ) 142(26.3) 155(16.8) 7.32(62.7) 9.20(18.1) 11.5(89.1) 10.8(55.0) 11.0(28.6) 0.232(183) 0.332(117) 0.368(391) 0.308(104) --- 4. 0 6( 1 1 9 ) 4.50(132) 4.12(208) 3.83(77.0) --- 幾何平均値 ( 幾何変動係数 %) ---: 算出せず注 ) 健康被験者 : クレアチニンクリアランス (Ccr)>80mL/min 軽度腎機能障害 :Ccr>50~ 80mL/min 中等度腎機能障害 :Ccr>30~ 50mL/min 高度腎機能障害 :Ccr 30mL/min 末期腎機能障害 :Ccr 30mL/minで血液透析が必要表 4 腎機能正常及び高度腎機能障害を有する 2 型糖尿病患者に本剤 5 mg 反復投与後の薬物動態パラメータ パラメータ [ 単位 ] ) 腎機能正常注 n=11 高度腎機能障害注 ) n=10 AUCτ,ss[nM h] 185(22.8) 262(43.8) Cmax,ss[nM] 16.7(32.1) 22.6(60.8) 幾何平均値 ( 幾何変動係数 %) 注 ) 腎機能正常 :Ccr>80mL/min 高度腎機能障害:Ccr 30mL/min 7. 肝機能障害患者 ( 外国人データ ) 13) 健康被験者 (n=8) 及び軽度 (Child-Pughスコア 6 n= 8 ) 中等度 (Child-Pughスコア 7 ~ 9 n= 9 ) 高度 (Child-Pughスコア 10~15 n= 8 ) 肝機能障害患者に本剤 5 mg 単回投与 ならびに健康被験者及び軽度 中等度肝機能障害患者に本剤 5 mg 1 日 1 回 7 日間反復投与を行った 反復投与後のAUCτ,ssは健康被験者に比べて軽度及び中等度肝機能障害患者でそれぞれ約 0.8 倍及び0.9 倍

であり Cmax,ss は約 0.6 倍及び 0.9 倍であった また 高度肝機能障害患者の AUC0-24h は健康被験者に比べて 1.0 倍 Cmax は 0.8 倍であった 肝機能障害患者におけるリナグリプチンの曝露は健康被験者よりやや低く ( 最大 36%: 軽度肝機能障害患者の Cmax,ss) 肝機能の低下に伴う曝露の増加はみられなかった 8. 高齢者 2) 日本人 2 型糖尿病患者 (159 例 ) に本剤 5 mg を 1 日 1 回 26 週間投与したときのトラフ時の血漿中濃度の幾何平均値 ( 幾何変動係数 %) は 65 歳未満で 6.57nM(31.1 %) 65 歳以上で 7.66nM(26.9 %) であった 9. 薬物相互作用薬物相互作用の in vitro における評価については 4. 代謝の項を参照 in vivo における結果 (1) リトナビルとの併用 ( 外国人データ ) 14) 健康成人 (12 例 ) に本剤 5 mg とリトナビル ( 強力な P- 糖蛋白及び CYP3A4 の阻害剤 )200mg 1 日 2 回を併用投与した場合 リナグリプチンの AUC0-24h 及び Cmax は本剤単独投与に比べて 2 倍及び 3 倍上昇した (2) リファンピシンとの併用 ( 外国人データ ) 15) 健康成人 (16 例 ) に本剤 5 mg 1 日 1 回及びリファンピシン ( 強力な P- 糖蛋白及び CYP3A4 の誘導剤 )600mg 1 日 1 回 6 日間併用投与した場合 リナグリプチンの AUCτ,ss 及び Cmax,ss は それぞれ 40% 及び 44% 低下した (3) シンバスタチンとの併用 ( 外国人データ ) 16) 健康成人 (20 例 ) に本剤 10mg 1 日 1 回とシンバスタチン (CYP3A4 の基質 )40mg 1 日 1 回 6 日間併用投与した場合 シンバスタチン及びシンバスタチン酸の AUCτ,ss 及び Cmax,ss は本剤併用投与により 10% ~34% 上昇した ( 本剤の国内承認用量は 5 mg である ) (4) メトホルミンとの併用 ( 外国人データ ) 17) 健康成人 (16 例 ) に本剤 10mg 1 日 1 回とメトホルミン ( 有機カチオントランスポーターで輸送される )850mg 1 日 3 回 (2550mg/ 日 )3 日間併用投与した場合 メトホルミンの AUCτ,ss に本剤併用投与の影響はみられなかったが Cmax,ss は 11% 低下した リナグリプチンの Cmax,ss にメトホルミン併用投与の影響はみられなかったが AUCτ,ss は 20% 上昇した ( 本剤の国内承認用量は 5 mg である ) (5) ピオグリタゾンとの併用 ( 外国人データ ) 18) 健康成人 (20 例 ) に本剤 10mg 1 日 1 回とピオグリタゾン (CYP2C8 及び 3A4 で代謝される )45mg 1 日 1 回 7 日間併用投与した場合 リナグリプチンの薬物動態に対するピオグリタゾン併用投与の影響はみられなかった ピオグリタゾンの AUCτ,ss に本剤併用投与の影響はみられなかったが Cmax,ss は 14% 低下した ピオグリタゾンの活性代謝物である M-Ⅲ 及び M-Ⅳ の AUCτ,ss 及び Cmax,ss に本剤併用投与の影響はみられなかった ( 本剤の国内承認用量は 5 mg である ) (6) グリベンクラミドとの併用 ( 外国人データ ) 19) 健康成人 (20 例 ) に本剤 5 mg 1 日 1 回とグリベンクラミド (CYP 2C9 で代謝される )1.75mg 単回併用投与した場合 リナグリプチンの薬物動態に対するグリベンクラミド併用投与の影響はみられなかった グリベンクラミドの AUC0- 及び Cmax は本剤併用投与により 14% 低下した (7) その他の薬剤との併用 ( 外国人データ ) ワルファリン (CYP2C9 の基質 ) 20) ジゴキシン (P- 糖蛋白で輸送される ) 21) 経口避妊薬 ( エチニルエストラジオール及びレボノルゲストレル ) 22) との薬物相互作用試験の結果 本剤との併用投与による これらの薬剤の薬物動態に対する影響はみられなかった 臨床成績 2) 1. 単独療法試験日本人の 2 型糖尿病患者で グリタゾン系薬剤以外の経口血糖降下薬 ( 1 剤または 2 剤 ) を中止し ウオッシュアウトした患者 もしくは経口血糖降下薬による治療を受けていない患者を対象とした 本剤 5 mgまたは10mgを 1 日 1 回 12 週間及び26 週間投与したときの有効性 安全性 忍容性のプラセボ及びボグリボースとの比較検討及び52 週継続投与時の長期安全性の検討を行った 投与 12 週後のHbA1c(NGSP) のベースラインかは 下表のとおりであり 本剤 5 mg 群はプラセボ群に対して 統計学的に有意な差が認められた 表 5 投与 12 週におけるHbA1c(NGSP)(%) のベースラインか リナグリプチン 5 mg 群 n=159 プラセボ群 n=80 ベースラインか (SE) 0.49(0.06) 0.39(0.10) リナグリプチ調整平均値 (SE) a) 0.87(0.09) ン群とプラセ 95% 信頼区間 ( 1.04, 0.70) ボ群の比較 p-value <0.0001 a) 共分散分析 : 薬剤 ベースラインHbA1c(NGSP) 糖尿病の前 治療薬の数をモデルに含む - 4 - 投与 26 週後のHbA1c(NGSP) のベースラインかは 本剤 5 mg 群 (n=159) 及びボグリボース群 (n=162) で それぞれ- 0.44±0.07%( 平均値 ± 標準誤差 ) 及び 0.10±0.08%( 平均値 ± 標準誤差 ) であった 本剤 5 mg 群のボグリボース群に対する調整平均変化量の差は -0.32±0.09%( 調整平均値 ± 標準誤差 [95% 信頼区間 :-0.49~ 0.15%]) であった 本剤 5 mgを52 週間投与した時のHbA1c(NGSP) は 投与開始 4 週後から有意な低下が認められ 18 週後まで更に低下し (-0.55± 0.09%[ 平均値 ± 標準誤差 ]) 52 週後でも効果が持続していた 23) 2. 併用療法長期投与試験既存の経口血糖降下薬であるビグアナイド薬 速効型インスリン分泌促進薬 チアゾリジン薬 スルホニルウレア剤又はα-グルコシダーゼ阻害薬による治療にもかかわらず 血糖コントロールが不十分な日本人 2 型糖尿病患者に本剤 5 mg 1 日 1 回 52 週間投与したときの安全性及び有効性を評価した このうちスルホニルウレア剤 又はα-グルコシダーゼ阻害薬を基礎治療薬とし スクリーニング時のeGFRが60mL/ 分以上の患者を対象として メトホルミンが投与される対照群を設け 本剤の安全性及び有効性をメトホルミンと比較した 主要評価項目は長期投与時の安全性を確認することとした 低血糖症の副作用発現率は ビグアナイド薬併用時 0 %( 0 例 /82 例 ) 速効型インスリン分泌促進薬併用時 0 %( 0 例 /66 例 ) チアゾリジン薬併用時 1.4%( 1 例 /74 例 ) スルホニルウレア剤併用時 11.9%(17 例 /143 例 ) α-グルコシダーゼ阻害薬併用時 1.2%( 1 例 / 85 例 ) であった その他の安全性は 各基礎治療薬群でほぼ同等であった また いずれの群においても 本剤の追加投与 52 週後のHbA1c (NGSP) の平均値及びベースラインかは 下表のとおりであり 52 週にわたって効果が持続していた 表 6 投与 52 週におけるHbA1c(NGSP)(%) のベースラインか 併用薬剤 ビグアナイド薬 n ベースライン 82 7.98(0.75) 投与 52 週後 82 7.10(0.82) HbA1c(NGSP)(%) 95% 信頼区間平均値 (SD) ベースラインか 82 0.88(0.64) ( 1.02, 0.74) ベースライン 63 7.92(0.82) 速効型インス投与 52 週後 63 7.19(0.75) リン分泌促進薬ベースラインか 63 0.73(0.65) ( 0.89, 0.57) チアゾリジン薬 スルホニルウレア剤 α グルコシダーゼ阻害薬 ベースライン 73 7.86(0.83) 投与 52 週後 73 7.07(0.74) ベースラインか 73 0.79(0.50) ( 0.90, 0.67) ベースライン 140 8.12(0.78) 投与 52 週後 140 7.42(0.91) ベースラインか 140 0.70(0.70) ( 0.82, 0.59) ベースライン 85 7.87(0.75) 投与 52 週後 85 6.96(0.75) ベースラインか 85 0.91(0.61) ( 1.04, 0.78) 薬効薬理 1. 作用機序リナグリプチンはジペプチジルペプチダーゼ -4(DPP-4) の競合的かつ可逆的な選択的阻害剤である DPP-4 は膜結合型プロテアーゼのひとつで 腎臓 肝臓 腸 リンパ球及び血管内皮細胞など多くの組織において広く発現している DPP-4 の生理的基質のうち重要なものはインクレチンと呼ばれるグルカゴン様ペプチド 1(GLP-1) とグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド (GIP) である DPP-4 のペプチダーゼ活性を阻害することにより これらの内因性インクレチンホルモンレベルの上昇によりインスリン分泌が上昇し グルカゴン放出が抑制される 24) GLP-1 と GIP はいずれも 強力なグルコース依存性インスリン分泌刺激作用を発揮し この作用により食後の血糖コントロールを改善する 2. 薬理作用 (1)DPP-4 阻害作用 1) ヒト DPP-4( 血漿 Caco-2 細胞由来 ) の活性を選択的に阻害する (IC50 値 : 1 ~3.6nM)(in vitro) 25) 2) リナグリプチンの持つ薬物動態特性により 血漿中の DPP-4 活性に対する阻害作用 (80% 以上 ) は 24 時間持続する 1) (2) 耐糖能及び糖代謝改善作用 1) 正常動物において GLP-1 とインスリンの分泌を増大し グルコース負荷試験による血糖値上昇を有意に抑制した 25) 2)2 型糖尿病を示す数種の糖尿病モデル動物 (db/db マウス 肥満 Zucker Fatty ラット ZDF ラット ) においても グルコース負荷試験による血糖値上昇を有意に抑制した 25)

3) 重度のインスリン抵抗性を持つ db/db マウスにおいて HbA1c を有意に低下した 26) 4) 日本人の 2 型糖尿病患者において 血中 GLP-1 濃度を増加させ 血糖値を低下させた 27) 有効成分に関する理化学的知見 一般名 : リナグリプチン (JAN) Linagliptin(JAN,INN) 化学名 :8-[(3R)-3-aminopiperidin-1-yl]-7-(but-2-yn-1-yl) -3-methyl-1-[(4-methylquinazolin-2-yl)methyl] -3, 7-dihydro-1H-purine-2, 6-dione 化学構造式 : ** 16-01 12 分子式 :C25H28N8O2 分子量 :472.54 性状 : 白色 ~ 帯黄白色の粉末である 融点 :202~209 分配係数 :logd=0.4(ph7.4) 包装 トラゼンタ錠 5 mg:100 錠 (10 錠 10)PTP 500 錠 (10 錠 50)PTP 700 錠 (14 錠 50)PTP 500 錠瓶 主要文献 1 ) 林直之ほか : 社内資料健康成人を対象とした単回および反復投与試験 2 ) 林直之ほか : 社内資料検証試験 3 )Graefe-Mody U. et al.:clin Ther. 2011;33(8):1096-1103. 4 )Retlich S. et al.:clin Pharmacokinet. 2010;49(12):829-840. 5 )Fuchs H.: 社内資料非臨床薬物動態試験 ( 血漿蛋白結合 ) 6 )Ludwig-Schwellinger E. et al.: 社内資料非臨床薬物動態試験 ( 代謝 ) 7 )Ludwig-Schwellinger E. et al.: 社内資料非臨床薬物動態試験 ( 代謝 ) 8 )Zhang G.: 社内資料非臨床薬物動態試験 ( 代謝 ) 9 )Hüttner S. et al.: 社内資料健康成人を対象とした 14 C 標識体単回投与試験 10)Blech S. et al.: 社内資料ヒトでの代謝物検討試験 11)Flototto T.: 社内資料非臨床薬物動態試験 ( トランスポーター ) 12)Graefe-Mody U. et al.:diabetes Obes Metab. 2011;13(10): 939-946. 13)Graefe-Mody U. et al.:br J Clin Pharmacol. 2012;74(1):75-85. 14)Brand T. et al.: 社内資料リトナビルとの薬物相互作用試験 15)Gießmann T. et al.: 社内資料リファンピシンとの薬物相互作用試験 16)Graefe-Mody U. et al.:int J Clin Pharmacol Ther. 2010;48(6): 367-374. 17)Graefe-Mody EU. et al.:curr Med Res Opin. 2009;25(8): 1963-1972. 18)Graefe-Mody EU. et al.:int J Clin Pharmacol Ther. 2010;48(10): 652-661. 19)Graefe-Mody U. et al.:drug Metab Pharmacokinet. 2011;26(2): 123-129. 20)Graefe-Mody EU. et al.:int J Clin Pharmacol Ther. 2011;49(5): 300-310. 21)Friedrich C. et al.:eur J Drug Metab Pharmacokinet. 2011;36 (1):17-24. 22)Friedrich C. et al.:clin Drug Investig. 2011;31(9):643-653. 23) 村井雅子ほか : 社内資料併用療法長期投与試験 24)Rauch T. et al.:diabetes Ther. 2012;3(1):10. 25)Tadayyon M. et al.: 社内資料非臨床薬効薬理試験 26)Blüher M. et al.: 社内資料非臨床薬効薬理試験 27)Horie Y. et al.:clin Ther. 2011;33(7):973-989. 文献請求先 主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社 DIセンター 141-6017 東京都品川区大崎 2 丁目 1 番 1 号 ThinkPark Tower 0120-189-779 ( 受付時間 )9:00~18:00 ( 土 日 祝日 弊社休業日を除く ) - 5 -

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