H23_精度管理調査_臨床化学検査

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AST, ALT, LD, ALP γ ー GT, CK, AMY, ChE 日大練馬光が丘病院臨床検査部 竹島秀美

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CRP 施設番号 測定装置 試薬名 1 TBA-200FR, 200FR NEO, TBA-2000FR 東芝 ラテックス比濁法 汎用機 N-アッセイ LA CRP-T ニットーボー ニットーボーメディカル mg/dl 2 AU400, AU480, AU

平成 30 年度日臨技臨床検査精度管理調査 試薬 測定法分類コート 説明書 Ⅰ. 臨床化学検査 (Glu,TB,DB,Na,K,Cl,Ca,IP,Fe,Mg,TP,Alb,UN,Cre,UA,TC,TG,HDL-C,LDL-C, AST,ALT,ALP,LD,CK,γGT,AMY,ChE,uGlu,

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[ はじめに ] 本医師会臨床検査精度管理調査が例年通り実施されますが 本医師会より 報告の誤記 を防ぐため に検査薬メーカーにも協 が求められていますので 参考として弊社試薬の回答記 例を作成しました サーベイ調査票の 回答票 への記 に際しては 本医師会発 の調査票の参考としてご使 下さい また

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注文書 1 確定発送日 確定着日 御社名 : 部署 : 住所 : 一般社団法人検査医学標準物質機構行 FAX: ( 注文問合せ )TEL : ( 技術問合せ )TEL : 神奈川県横浜市青葉区あざみ野南 1

血糖高いのは朝食後のため検査項目 下限値上限値 単位名称 9 月 3 日 9 月 6 日 9 月 15 日 9 月 18 日 9 月 21 日 9 月 24 日 9 月 28 日 10 月 1 日 10 月 3 日 10 月 5 日 10 月 9 日 10 月 12 日 10 月 15 日 10 月

診療工房 診診連携機能説明資料 診療工房について 1. 新しい診診連携機能 2. 情報提供 ( 診診送信 ) の仕方 3. 受信確認の仕方 4. システム設定の受信設定タブ 5. 新しいログイン管理 6. 検査データコピー機能ランチャーについて 7. 県中のボタン医師署名システムについて 8. 医師

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目 次 1. 千葉県内検査値統一化について (3) 2. 検査値統一化実践のための基礎知識 (4) Ⅰ. 日常検査法の測定体系 Ⅱ. 内部精度管理の実施方法 3. 検査値統一対象項目および値づけ基準法と暫定基準範囲 ( 15) 4. 検査値統一化フローチャート (16) 5. 千臨技検査値統一化精度

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目次 Ⅰ. はじめに 1 Ⅱ. 千臨技検査値統一化事業 2007 組織体制 2 Ⅲ. 千臨技検査値統一化事業 2007 組織会員 3 Ⅳ. 臨床化学部門基幹病院施設基準 4 Ⅴ. チリトロール 2000 L 概要 ( 製造者規格 ) 5 Ⅵ. 基幹病院による試料保存安定性確認試験 7 Ⅶ. チリトロ


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AMYガイド R-008a

要旨 健診の血液検査の基準範囲は 受診者の正常 異常を判別する上に重要な指標となっている しかし 現在の血圧 BMI 血液検査などの基準範囲の表示は健診機関によりまちまちである したがって 全健診機関に適用可能な基準範囲の設定が望まれている ごく最近 日本人間ドック学会 ( 以下本学会 ) と健康保

免疫血清

,995,972 6,992,875 1,158 4,383,372 4,380,511 2,612,600 2,612, ,433,188 3,330, ,880,573 2,779, , ,

日本呼吸器学会雑誌第47巻第6号

BUN, CRP K mg/ cm, 49.6 kg, BMI /72 mmhg, 92/ Hb 6.7 g/dl PT-INR CT 1 MRI 2a, b T1 T2 T1 MRI

る試薬間差を認めた ±3SD で 2 回棄却後の変動係数 (CV) は 正常域試料 C1 は 4.2 % で昨年度 (4.2 %) 同様であったが 異常域試料 C2 は 13.7 %( 同 17.9 %) と改善が認められた C1 C2 共に C 評価 (±3SDI 以上 ) の施設は 3 施設で

LDL HbA1c6. 5% AST51 ALT51 - GT LDL180 1, mmHg 85mmHg 150mg/dL HDL 40mg/dL 100mg/dL HbA1c 5.6% mmhg mg/dl mg/

i ( 23 ) ) SPP Science Partnership Project ( (1) (2) 2010 SSH

No 検査項目名 検査方法 単位 52 血糖 240 分 Glck G-6-PDH 法 mg/dl 53 血糖 300 分 Glck G-6-PDH 法 mg/dl 54 血糖 180 分 Glck G-6-PDH 法 mg/dl 55 尿糖前 Glck G-6-PDH 法 g/dl 56 尿糖 6

C1,C2 血液凝固 (PT APTT フィブリノーゲン ) はじめに 血液凝固検査は 昨年同様 日臨技の精度管理調査に倣い PT,APTT, フィブリノーゲンの 3 項目のみの調査を実施した 同一地域内で ほぼ例年参加施設 ( 母集団 ) が一定である点を生かし 出来るだけ経年的な変化を施設毎にモ

基準値一覧 ( 平成 24 年 6 月 1 日 ) 独立行政法人国立病院機構東京医療センター 臨床検査科

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高 1 化学冬期課題試験 1 月 11 日 ( 水 ) 実施 [1] 以下の問題に答えよ 1)200g 溶液中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 整数 ) 2)200g 溶媒中に溶質が20g 溶けている この溶液の質量 % はいくらか ( 有効数字 2 桁 ) 3) 同じ

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本日の内容 HbA1c 測定方法別原理と特徴 HPLC 法 免疫法 酵素法 原理差による測定値の乖離要因

125 2 P 1st washout 2 PB P mg/dL nd washout 2 P 5.5mg/dL< mg/dL <2.5mg/dL P P 2 D D 3 Ca 10

72 20 Ope / class Alb g/ cm 47.9kg : /min 112/60m

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

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生化学検査 臨床検査基準値一覧 近畿大学病院 (1) 検査項目 基準値 単位 検査項目 基準値 単位 CRP mg/dl WBC /μl Na mmol/l M RBC K mmol/l F 3.86-

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Transcription:

平成 24 年 3 月 17 日平成 23 年度愛知県臨床検査精度管理調査報告会 平成 23 年度精度管理調査報告 臨床化学検査部門 藤田保健衛生大学病院 齊藤翠

調査項目および試料 o 参加施設 102 施設 ( 昨年度 :104 施設 ) o 調査項目全 29 項目 グルコース 血清鉄 中性脂肪 γ-gt 総ビリルビン マグネシウム HDL-コレステロール AMY 直接ビリルビン 総蛋白 LDL-コレステロール ChE ナトリウム アルブミン AST CRP カリウム 尿素窒素 ALT ヘモグロビンA1C クロール クレアチニン ALP カルシウム 尿酸 CK 無機リン 総コレステロール LD : 参考調査 o 調査試料 試料 11 凍結乾燥試料 ( 日水製薬 ) 全項目測定用 試料 12 13 プール血清 全項目測定用 試料 14 15 EDTA 加全血試料 HbA1C 測定用

評価方法 相対評価 SDI 評価同一グループ ( 測定方法 ) による統計 SDI=( 測定値 - 平均値 )/SD 絶対評価 目標値 ± 評価幅 A B C D 評価

目標値 目標値設定協力施設の平均値を目標値として用いた項目 参加施設の平均値を目標値として用いた項目 メーカー測定値を目標値として用いた項目 Glu Na K Cl Ca IP Fe TP BUN UA Cre TC TG AST ALT ALP CK LD γ-gt AMY ChE CRP TB Na( 試料 11 直接法 ) K( 試料 11 直接法 ) Cl( 試料 11) Alb HDL-C LDL-C HbA1c ドライケミストリー 外れ値除去後 平均値を目標値として算出

評価基準 A: 正確さの許容誤差限界 (Ba%) 生理的変動をもとに算出した施設間の許容誤差限界の指標 B C D: 現在の技術水準から算出した施設間許容誤差限界 現実の施設間差等が加味された達成可能な施設間差評価の目標になり得る指標

評価基準の決め方 A 評価 Ba% を基に A 評価を設定, 上限は ±5% B 評価 2004 年から 2008 年の日臨技精度管理調査の技術水準から求めた幅 または体外診の性能確認幅に基づいた許容幅のいずれか広い幅とし 原則上限は ±5% C 評価 B 評価幅を超え この幅の最大 1.5 倍まで 昨年度 B 評価幅が 5% を超える項目は A 評価と C 評価の中央値を B 評価とした

ドライケミストリーの評価の問題 メーカー 参加施設数 富士フイルム 3 ビトロス 1 ア-クレイ 0 目標値設定における問題点 1 2 3 ドライケミストリ-は測定原理の違いから ReCCS 等の標準血清やJC ERM 等で正確さを確認することができない 参加施設数が少数であるため参加施設の平均値を目標値として設定することができない ドライケミストリーについては 参加施設数が少ないうえ試料に対するマトリックス効果が大きく 技術水準を算出することが困難なため 昨年同様の評価幅を用いた Fujita Health University Hospital

プール血清の全施設 CV(%) 18% 30% 15% 25% Ba and CV(%) 12% 9% 6% 20% 15% 10% CRP Ba and CV(%) 3% 5% 0% 0% 日本臨床化学会施設間 Ba 日臨技基準域施設間試料 12 全施設 CV(%)

項目別評価割合 100% 99% 98% 97% 96% 95% D% C% A%+B% 94% 93% Glu K TP TC Cl Na HbA1c BUN ChE HDLC Cre AST Fe TG TB LDLC IP AMY ALB GGT ALT UA LD CK CRP ALP Ca H22/H23

Ca ヒストグラム O-CPC 法 (17) 1)OCPC キレ ~ MXB 法 (10) 2)MXB キレ ~ アルセナゾ Ⅲ 法 (26) 21) アルセ ~ クロロホスホナソ Ⅲ 比色法 (4) 22) クロロ ~ 酵素法東洋紡 (8) 31) 酵素法 ~ 酵素法シノテスト (20) 33) 酵素法 ~ イオン選択電極法 (1) 41) イオン ~ 富士ドライケム (3) 81) ドライ ~ 12.0 12.4 12.8 13.2 13.6 13.8 試料 11 試料 12

Ca 測定法の推移 45% 40% 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% 0% H19 H20 H21 H22 H23 o-cpc 法 40% 41% 33% 26% 20% MXB 法 16% 15% 13% 8% 12% アルセナゾⅢ 法 19% 19% 23% 31% 31% クロロホスホナゾⅢ 比色法 0% 0% 1% 2% 5% 酵素法 25% 25% 31% 33% 33%

ALB 測定法推移の経緯 BCG 法 グロブリンなどのタンパク質の影響を受けるため 測定法間の互換性はない 測光ポイントの時期によりグロブリン類の影響を大きく受ける BCP 法 還元型アルブミン (HMA) との反応性が酸化型アルブミン (HNA) よりも低いため HMA が大きく低下している慢性腎不全 ネフローゼ 透析 肝疾患などでは高い傾向を示す BCP 改良法 BCG 法 BCP 法における問題点は解消

ALB 測定法の推移 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% H19 H20 H21 H22 H23 BCG 法 52% 56% 44% 36% 39% BCP 法 18% 7% 9% 6% 2% BCP 改良法 29% 36% 46% 57% 59%

クレアチニン Jaffe rate assay 法 Cre 酵素法 1 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% Jaffe 反応は 反応条件 ( アルカリ濃度 ピクリン酸濃度 温度 ph など ) によって影響を大きく受け またアセトンやピルビン酸 アスコルビン酸 グルコース アルブミン 各種治療薬による影響も受ける 特異性を向上させた rate assay 法でも酵素法に対し 0.1~0.2mg/dL 程度高値を示す

中性脂肪 JSCC/ReCCS 基準以外 TG JSCC/ReCCS 基準 2 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 本当に JSCC/ReCCS 基準以外ですか? 思い込みから間違った選択肢を選ぶことにより妥当な評価が得られないことがあります

JSCC 標準化対応法採用頻度 AST ALT 1 1 JSCC 標準化対応法 IFCC 標準化対応法 2 従来法 ALP CK LD γ-gt AMY 3 ChE 2 90% 92% 94% 96% 98% 100%

検量方法採用頻度 AST ALT ALP CK 3 3 2 2 1 1 1 1 1 6 6 5 5 検量用 ERM 実測 K 指定ファクター管理血清その他未回答 LD 3 6 γ-gt 2 3 6 AMY 2 1 6 ChE 2 2 2 4 80% 85% 90% 95% 100%

酵素測定体系 校正 材料 値付け 操作法 実施 非 SI 単位 JSCC 常用基準法 JCCLS-SOP 法 常用酵素標準物質 (JCCLS CRM-001) JCCLS/JSCC/RLs ( 共同研究 ) 製造業者社内標準測定操作法 製造業者製品校正物質 ( 検量用 ERM) Manufactur 日常測定操作法 (JSCC 標準化対応法 ) 日常試料 End-user 測定結果 検量用 ERM はヒト血清中の酵素反応性のみ JC ERM の反応性に従っているため 日常検査キットが指定する検量用 ERM を用いた時 JC ERM の値が正確に伝達される

報告桁数 UN( 回答率 80.0%) Cre( 回答率 81.9%) 20% 30% 80% 小数第一位 整数 70% 小数第二位 小数第一位 CRP( 回答率 77.1%) 1% 65% 34% 小数第一位 小数第二位 小数第三位 Fujita Health University Hospital

AiCCLS 統一化基準値 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 全項目採用率 49.6% 47.1% 50.0% 50.0% 33.3% 20.0% 10.0% 12.3% 0.0% H18 H19 H20 H21 H22 H23

AiCCLS 統一化基準値 CRP 総蛋白コリンエステラーゼグルコースアミラーゼ無機リン尿素窒素中性脂肪カルシウム HDL-コレステロール LD ALP 尿酸総ビリルビンアルブミンナトリウム γ-gt クレアチニンクロールカリウム総コレステロール CK AST ALT 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% Fujita Health University Hospital

まとめ 外部精度管理調査の中で 思い込みから間違った選択肢を選ぶことにより 妥当な評価が得られないことや 思わしくない評価を得たことで 原因を追及し初めて気付くことがある 日常の操作を再確認する意味でも 外部精度管理調査を最大限活用していただきたい

まとめ 今年度は 近年の技術水準の向上に伴い 評価幅の見直しを行った 酵素をはじめ B 評価幅が 5% を超える項目については評価幅を大幅に狭めることとなったが 全体の評価割合としては例年と大きく変わることはなかった 評価の悪かった施設は基幹施設を大いに活用していただき データの改善に努めていただきたい