Microsoft Word - 平成15年税制改正(2).doc

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(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

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Microsoft Word 役立つ情報_税知識_.doc

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

Microsoft Word - 第67号 来年からの贈与税改正と相続時精算課税を選択する際の注意点

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

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2015 年 1 月いよいよ施行! 相続税増税の影響と対策 Part 1 相続税はどう変わる? 影響は? Part 2 相続税の負担を軽減するには?

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

Microsoft Word - 第53号 相続税、贈与税に関する税制改正大綱の内容

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

相続税・贈与税の基礎と近年の改正点

法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

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投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

[2] 税率構造の見直し 相続税の税率構造が現行の6 段階から8 段階に変更されるとともに 最高税率が 50% から 55% に引き上げられることとなりました ただし 各法定相続人の取得金額が2 億円以下の場合の税率は と変わりありません この改正は 平成 27 年 1 月 1 日以後に相続または遺

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

2011年税制改正のポイント

目 次 最近における相続税の課税割合 負担割合及び税収の推移 1 地価公示価格指数と基礎控除(58 年 =100) の推移 2 最近における相続税の税率構造の推移 3 小規模宅地等の課税の特例の推移 4 相続税負担の推移( 東京都区部のケース ) 5 ( 補足資料 ) 相続税の概要 6 相続税の仕組

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

平成 25 年度税制改正解説相続税 ~ 基礎控除の引き下げ 税率構造の見直し等 法定相続人の数と基礎控除法定相続人の数と基礎控除 法定相続人の数 1 人 2 人 3 人 4 人 5 人 60,000 千円 70,000 千円 80,000 千円 90,000 千円 100,000 千円 36,000

住宅取得等資金贈与の非課税特例 教育資金一括贈与の非課税特例 結婚 子育て資金贈与の非課税特例 相続時精算課税制度 贈与者 贈与年の 1 月 1 日現在で 60 歳以上の父母または祖父母 受贈者 贈与者の直系卑属 ( 子 孫 ひ孫等 ) で贈与の年の 1 月 1 日現在 20 歳以上 受贈年の合計所

住宅取得等資金の贈与に係る贈与税の非課税制度の改正

以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

公募株式投資信託の解約請求および償還時

平成19年度分から

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

2011年度税制改正大綱(相続・贈与税)

平成29年 住宅リフォーム税制の手引き 本編_概要

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

1 1. 課税の非対称性 問題 1 年をまたぐ同一の金融商品 ( 区分 ) 内の譲渡損益を通算できない問題 問題 2 同一商品で 異なる所得区分から損失を控除できない問題 問題 3 異なる金融商品間 および他の所得間で損失を控除できない問題

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

未成年者控除 障害者控除の見直し 未成年者控除 障害者控除 6 万円 20 歳に達するまでの年数 6 万円 ( 特別障害者 :12 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 10 万円 20 歳に達するまでの年数 10 万円 ( 特別障害者 :20 万円 ) 85 歳に達するまでの年数 小規模宅地等につ

第5回基礎問題小委員会 礎5-4

平成19年度税制改正.xls

5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

【表紙】

テキスト編 第 1 章相続税 贈与税とはなにか 目次 1 相続税が課税される理由 1 2 どれくらいの遺産がある場合 相続税は課税されるか 2 3 贈与税が課税される理由 3 4 相続税と贈与税の関係 4 第 2 章相続人と相続分 1 相続人と相続順位 5 2 相続の承認と放棄 14 3 相続人の相

野村資本市場研究所|顕著に現れた相続税制改正の影響-課税対象者は8割増、課税割合は過去最高の8%へ-(PDF)

平成23年度税制改正の主要項目

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

金庫株を活用した事業承継対策 1. 概要 非上場株式を相続して相続税が発生する場合は 相続で取得した自社株を相続税の申告期限後 3 年以内に金 庫株すればみなし配当課税しない (= 譲渡所得とする ) 特例があります ( 措置法 9 条の 7) 所得税の特例の内容 ( 自己株式をみなし配当課税しない

原稿4.xls

基本資料1-平成25年税制改正ポイント(表紙).pdf

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

特定口座一般口座株式等の譲渡 売却などが該当 ) による所得は 申告分離課税の対象となっており 原則として お客さまによる譲渡損益の計算や申告納税の手続きが必要です 特定口座には これらの事務負担を軽減する機能があります 特定口座の機能 上場株式等の譲渡損益の計算 管理を行います 特定口座内に保管す

e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

第 5 章 N

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

2017 年度税制改正大綱のポイント ~ 積立 NISA の導入 配偶者控除見直し ~ 大和総研金融調査部研究員是枝俊悟

2 税額控除等の計算 ( 単位 : 円 ) 項目対象者計算過程金額 答案用紙 Chapter2 問題 3 課税価格の計算 Ⅰ 相続人及び受遺者の相続税の課税価格の計算 1 分割財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 2 みなし取得財産価額の計算 ( 単位 : 千円 ) 取得者財産の種類計算過程金額

消費税率引上げ時期の変更に伴う税制上の措置

税法入門コース 相続税 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 4 回 第 4 回 第 1 章 第 2 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 4 章 第 5 章 テーマ 1 相続税 贈与税とは? テーマ 2 用語の説明 テーマ 1 相続人となれる人は? テ

Microsoft Word - 36号事業承継.doc

平成 31 年度住宅関連税制改正の概要 ( 一社 ) 住宅生産団体連合会 平成 31 年 3 月 (1) 住宅ローン減税の拡充 ( 所得税 個人住民税 ) 消費税率 10% が適用される住宅取得等をして 2019 年 10 月 1 日から 2020 年 12 月 31 日までの間にその者の居住の用に

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金融庁の税制改正要望について(1)

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4. 平成 27 年度税制改正の概要 (1) 住宅の取得に関わる税制 登録免許税 不動産取得税 改正項目ヘ ーシ 改正内容 所有権保存登記 所有権移転登記 所有権の信託 抵当権設定の登記の軽減措置 税率の軽減措置 宅地評価土地の課税標準の軽減措置 軽減税率の適用期限を平成 27 年 3

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

Microsoft Word - FP2級法改正情報 doc

1 どちらかをご選択特定口座と客さま般口座の特定口座の概要 特定口座とは 個人のお客さまが公募株式投資信託を換金され利益が出た場合は 原則 確定申告が必要ですが お客さまの確定申告にかかる負担を軽減させるべく当金庫が納税の代行などを行う制度として 特定口座 があります 特定口座 をご利用いただくこと

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

配偶者の税額軽減特例の有利な受け方 配偶者がいる場合の 相続税の具体的な計算例は以下の通りです 1. 設例 自宅 預貯金等の相続財産の遺産額 =2 億円 法定相続人 = 配偶者 + 子 2 人の合計 3 人 実際の遺産分割は 法定相続分の通りとする 未成年者控除 外国税額控除 生命保険金の非課税枠金

間の初日以後 3 年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間 6 高額特定資産を取得した場合の納税義務の免除の特例事業者 ( 免税事業者を除く ) が簡易課税制度の適用を受けない課税期間中に国内における高額特定資産の課税仕入れ又は高額特定資産に該当する課税貨物の保税地域からの引取り ( 以下 高

である 12 遺留分とは 遺言の内容にかかわらず一定の相続人が確実に受け取ることができる一定の 割合のことである 直系尊属のみが相続人である場合は 被相続人の財産の 1/3 その 他の場合には 被相続人の財産の 1/2 である ただし 兄弟姉妹には遺留分はない 13 相続の放棄は 被相続人の生前に行

平成18年度地方税制改正(案)について

相続人の居住用または事業用の宅地については2 割または5 割評価にするという小規模宅地等の評価減の特例があるが 平成 22 年度税制改正により 原則として申告期限まで居住または事業を継続していなければ適用が認められなくなっている 今回 基礎控除額が引き下げられることと合わせ 都市部の独居老人が亡くな

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

相続対策としての土地有効活用

積立 NISA の創設 1. 改正のポイント (1) 趣旨 背景 1 家計の安定的な資産形成を支援する観点から 少額の積立 分散投資を促進するための 積立 NISA が創設される (2) 内容 1 積立 NISA は 20 歳以上の居住者等が金融機関に開設した非課税口座内に 積立 NISA 専用の累

債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

税金読本(8-5)特定口座と確定申告

PowerPoint プレゼンテーション

イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

2 2 上場株式等 の範囲の拡大 上場株式等には 上場株式 上場投資信託の受益権 (ETF) 上場不動産投資法人の投資口 (REIT) 公募株式等証券投資信託の受益権が含まれていた 今回の租税特別措置法の改正により 発行者の情報が一般に公開され その商品内容を入手することが容易に可能な公社債を 上場

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

ワコープラネット/標準テンプレート

2.配偶者控除の特例の適用を受ける場合(暦年課税)編

参考. 改正前の制度概要 ( 改正対象は太字 ) (1) 税の納税猶予の全体像 ( 概要 ) の要件 会社の代表者であったこと 時には代表権を有していないこと と同族関係者で決議数の 50% 超の株式を保有かつを除いた同族内で筆頭株主であったこと 認定対象会社の要件 の要件 会社の代表者であること

未成年者が口座開設者となり 原則として その親権者等が未成年者を代理して運用管理等を行います ジュニアNISA 口座に受け入れることができる上場株式等の新規投資による受入限度額 ( 非課税枠 ) は年間 80 万円です その非課税期間は最長で5 年間となります 一般のNISAの場合は 新規投資による

(3) 年金所得者公的年金等の収入金額が400 万円以下であり かつ その公的年金等の全部が源泉徴収の対象となる場合において公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20 万円以下である場合には 確定申告の必要はありません また 上記 (2) 又は (3) に該当する方であっても 医療費控除や住宅借入金

叔父から財産の贈与(1~3) を受けた場合 1/1 12/31 2/1 3/15 相選養続択与子贈時届贈精出縁与算書与 1組課提2 税出3 暦年課税相続時精算課税 養子縁組前の贈与 1については 暦年課税により贈与税額を計算し 養子縁組以後の贈与 2 及び 3は 相続時精算課税により贈与税額を計算し

Microsoft Word - NO.2 株式の譲渡 2.docx

 

Q1 市県民税 ( 住民税 ) とはどんな税金ですか? A1 その年の1 月 1 日現在 市内に住所がある個人に対し 前年中の所得 ( 給与 年金 営業 不動産 譲渡などの所得 ) に応じて課税されます また その年の1 月 1 日現在市内に住所がなくても 市内に事務所 事業所又は家屋敷があれば課税

49 年 12 月 31 日までの間 源泉徴収される配当等の額に係るの額に対して 2.1% の税率により復興 特別が源泉徴収されます b. 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る利益を超える金銭の分配 ( 分割型分割及び株式分配並びに組織変更による場合を除く 以下本 1において同じ

5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

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知って得する平成 15 年税制改正 相続税 消費税他編 平成 14 年 12 月 13 日に 平成 15 年税制改正大綱 が与党 3 党の合意を得て発表されました 現在 法案が通常国会に上程され審議中です 従って まだ詳細が決まったわけではありませんが 今回の税制改正の大枠を正しく理解し 十分にそれを活用していただければとおもいます 今回の相続税 税及び金融 証券税制の改正は減税となります 一方 消費税の改正は増税となります それぞれ納税者に対する影響は異なりますが 特に 相続税 税及び消費税は事前の検討が重要です 十分理解したうえで対応策を練る必要があります 改正項目は多岐にわたり一般的に重要でないものもあります 主要な項目のみをピックアップして以下の項目別に解説をします (1) 相続税 税 - 相続時精算課税制度の創設 相続税 税の税率変更等の減税措置により相続を容易にして子世代の消費を促進し 経済活性化を促す改正がなされています (2) 消費税 - 免税点制度及び簡易課税制度の適用上限の引き下げによる不公平の是正 いいかえれば 実質増税がなされています (3) その他 - 金融 証券税制 土地 住宅税制については 減税による経済活性化の促進 個人所得課税については配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止による課税公平化 ( 実質増税 ) が図られています (1) 相続税 相続時精算課税制度の創設 消費振興のため 生前について大幅な減税がなされました 従来のと相続それぞれ別々に課税されていた制度に加えて 一定の条件を充たした場合 財産を相続財産と合算して相続税の計算が行われる制度が創設されました ( 税は相続時に精算されます ) また この制度を選択した場合の生前には者 1 人あたり 2,500 万円の非課税枠が設けられ 合計金額が非課税枠を越える場合には超えた部分に一律 20% の税率が適用されます 1 適用対象者 2 適用手続 3 適用対象財産等 4 非課税限度額 5 税率 6 相続税額の計算 65 歳以上の親から 20 歳以上の子である推定相続人 ( 代襲相続人 ( 孫 ) を含む ) となります 最初のを受けた年の翌年の税の申告書に受贈者 ( 子 ) が 制度を利用する旨の届出書添付する必要があります 適用対象財産の種類 金額 回数に制限はありません 総額 2,500 万円となります 複数年に渡った場合 その合計額が 2,500 までは非課税となります 合計額が 2,500 万円を越える部分に一律 20% の税率が適用されます 相続時に相続財産と相続時精算課税制度の適用を受けた財産 ( 時の時価 ) を合算して相続税の計算が行われます 税の納付があった場合は相続税額から控除され 控除しきれない場合は還付されます

現在の相続税 税の課税方式のイメージ ( 非課税枠 基礎控除等は省略 ) 現行方式 ( 暦年課税 ) 選択可能 A B 納付税額 (a) 納付税額 (b) 納付税額 (c) =A 税率 ( 累進 ) =B 税率 ( 累進 ) =C 相続税率 相続 C 新制度 ( 相続時精算課税制度 ) A B 納付税額 ( ア ) 納付税額 ( イ ) 納付税額 (c) =A 税率 ( 定率 ) =B 税率 ( 定率 ) =(A+B+C) 相続税率 -( ア+イ ) A B 相続 C 時間の経過発生発生相続発生 具体的な設例 下記は理解をして頂くための例です 実際は新制度が必ずしも有利とはなりません 前提 1 親一人 子一人 2 金額 X0 年 1,000 万円 ( 累計 1,000 万円 ) X1 年 1,400 万円 ( 累計 2,400 万円 ) X3 年 1,000 万円 ( 累計 3,400 万円 ) 3 相続金額 X10 年 3,000 万円 新制度 ( 相続時精算課税制度 ) 現行制度 税額 税額計算 税額 税額計算 ( 税 ) ( 税 ) 税額 =( 金額 - 基礎控除額 ) 累進税率 - 控除額 X0 年 0 万円累計が2,500 万円以下なので無税 231 万円 =(1,000-110) 40%-125=231 万円 ( 税 ) ( 税 ) 税額 =( 金額 - 基礎控除額 ) 累進税率 - 控除額 X1 年 0 万円 420 万円 =(1,400-110) 50%-225=420 万円 ( 税 ) ( 累計 -2,500) 20% ( 税 ) 税額 =( 金額 - 基礎控除額 ) 累進税率 - 控除額 X3 年 180 万円 =(3,400-2,500) 20% 231 万円 =(1,000-110) 40%-125=231 万円 1 相続税額 =( 累計額 + 相続額 - 基礎控除額 ) 累進税率 ( 相続税 ( 還付 )) =(3,400+3,000-6,000) 10%=40 万円 ( 相続税 ) 2 精算金額 = 相続税 - 税累計 相続金額は 3,000 万円で基礎控除金額 6,000 万円より X10 年 120 万円 =40-180= 120 万円 ( 還付 ) 0 万円少ないため相続税は発生しません 非課税枠は者の父 母それぞれについて適用になると思われます 従って 両方の非課税枠を使った場合 最高 5,000 万円までが時に非課税となりますので要注意! 新制度は そんなにお金がかからない老齢世代から お金が必要な子育て世代への相続財産の早期移転をはかる制度です ライフステージにあわせた有効活用をしましょう! 新制度において 将来価額が高騰すると考えられる財産をにまわしたほうが有利となります なぜならば 財産は時の時価で相続時の精算がなされるからです 保有財産の分類表を作成してみてはいかがでしょうか? 新旧両制度の有利不利は 対象資産の種類 金額 相続人の数等の様々な条件によって判断する必要があるため 一概には言えません 十分な検討が必要です? 新制度は いったん選択した場合には他の制度に変更はできません ご注意を!

住宅取得資金等に係わる相続字精算課税制度の特例の創設 住宅取得資金又は自宅の増改築等の資金のについて 相続時精算課税制度の特例として以下の 2 点が設けられました 1 非課税枠が 1,000 万円増額され合計者 1 人あたり 3,500 万円となります 2 65 歳未満の親からのも適用対象とされます 1 適用期間 平成 15 年 1 月 1 日から平成 17 年 12 月 31 日までのにより取得する金銭について適用があります 平成 15 年 1 月 1 日以後に 従来の生前にかかわる住宅資金特例 (*2) を受けた人はその後 5 年間相続時精算課税制度の選択ができません 従って 相続時精算課税制度の特例も使えなくなってしまいますので要注意! (*2)550 万円までのが無税となり 1,500 万円までのに軽減税率が適用される現行の制度 取得家屋及び増改築等の要件は詳細に決まっています 事前に十分にチェックしてください! 特例を受ける場合 財産は金銭に限定されますので要注意! その他の相続税 税の改正 相続税の税率構造の見直しがなされました 税率区分が 9 6 区分に簡素化され 最高税率も 70 50% に引き下げられました 税の税率構造の見直しがなされました 税率区分が 13 6 区分に簡素化され 最高税率も 70 50% に引き下げられました 養子となっている孫への 2 割加算が適用されることになりました 相続税において 原則 1 親等の血族でない者が相続等をした場合 その人の相続税に 20% の加算がなされます 従来 孫を養子とした場合には民法上 1 親等の血族にあたるため 20% 加算から除外されていました 生命保険契約に関する評価方法が変更されました 生命保険契約の権利の評価が 払込保険料ベース評価から解約返戻金評価への変更がなされました これは 保険の運用損益を保険契約の評価に反映させるための措置としておこなわれたものです 特定同族会社株式等特例の要件が緩和されました 一定の同族会社株式等の相続税評価額について 事業継承を考慮して減額する特例の適用範囲が若干広がりました 特定同属会社株式等特例と小規模宅地特例の併用が一定の範囲で認められました

(2) 消費税 消費税の免税点の引下げ及び簡易課税の適用縮小 消費税の免税点が課税売上高 3,000 万円以下から 1,000 万円以下に引き下げられました また 簡易課税の適用上限の課税売上高が 2 億円以下から 5,000 万円以下に引き下げられます 免税点及び簡易課税の適用上限の引き下げは 一般的には 実質増税となる上 事務手間の増大をもたらします この対象となる事業者は十分な注意が必要となります 適用時期 平成 16 年 4 月 1 日以後開始する事業年度からの適用となります 3 月決算法人の場合は 基準期間である前々期の平成 15 年 3 月期が免税 或は 簡易課税適用可否の基準となります 個人事業者の場合は 基準期間は平成 15 年 ( 平成 15 年 1 月 1 日 ~12 月 31 日 ) が免税 或は 簡易課税適用可否の基準となります [ 新たに納税義務者となる場合の留意点 ] 売上と仕入れに関する事務処理を必ず行わなければならず 事務負担も増えますので事前に対策が必要となります 上記にからみますが 消費税の課税のしくみを理解する必要があります 納税業者になった場合 原則課税方式と簡易課税方式の選択適用ができます どちらが得か事前に検討する必要があるでしょう 簡易課税が有利な場合 適用する事業期間の開始する前日までに 簡易課税制度選択届出書 を税務署に提出する必要がありますのでご注意を! [ 簡易課税の適用がなくなる場合の留意点 ] 売上と仕入れに関する事務処理を必ず行わなければならず 事務負担も増えますので事前に対策が必要となります その他消費税の改正 平成 16 年 4 月 1 日以後開始する事業年度から 直前の課税期間の年間消費税額が国税 地方税合わせて 6,000 万円を越える事業者は 従来 3 ヶ月毎であった申告納付が毎月となります 納付する税額は原則前年の確定税額の 1/12 相当額となります 平成 16 年 4 月 1 日から 消費者への商品販売やサービスの提供における表示方式が 消費税を含めた価格を表示することが義務づけられます 表示方法の検討及びシステム対応等が必要となってくることが考えられますので事前に十分検討を行ってください!

(3) その他 - 金融 証券税制 個人所得課税 土地税制他 金融証券課税の軽減 金融証券市場の活性化のための期間限定の減税及び将来の利子 配当 株式譲渡益に対する課税の一体化を目指し 以下の改正がなされました 上場株式等の配当 公募株式投信の収益分配金及び上場株式等の譲渡益について 20% ので納税が完了することとなりました ( 現状の確定申告制度も残ります ) 公募株式投資信託の償還 ( 解約 ) 損と株式等の譲渡益との損益通算が可能となりました 投資市場の活性化のため 上場株式等の配当 公募株式投信の収益分配金及び上場株式等の譲渡益に対して 今後 5 年間 10%( 所得税 7% 住民税 3%) の優遇税率が適用されます 適用時期等の概要を示せば以下の通りとなります平成 15 年分 16 年分 17 年分 18 年分 1/1~3/31 4/1~12/31 20 年分 19 年分 21 年分 1/1~3/31 4/1~12/31 上場株式等 20% 10% 10% の配当課税 所得税 所得税 ( 所得税 7% 住民税 3%) (35%) 源泉分離選択課税 株式投信の収益分配金課税 20% 10% ( 所得税 7% 住民税 3%) 20% 20% 上場株式等の譲渡益課税 10% ( 所得税 7% 住民税 3%) 20% 土地 住宅税制 不動産取引活性化のための減税措置として以下の改正がなされました 不動産の登記にかかわる登録免許税の税率が引き下げられました 特に 平成 15 年 4 月 1 日から平成 18 年 3 月 31 日に登記されたものにはさらに軽減された税率の適用があります 新増設にかかわる事業所税が平成 15 年 3 月 31 日をもって廃止されます 不動産取得税の軽減が 平成 15 年 4 月 1 日から平成 18 年 3 月 31 日に行われた不動産の取得に適用されます 転勤等によって住宅ローン控除の要件を充たさなくなったため控除を受けられなくなっていた人が 再びその住居に入居した場合には一定の条件の下 再入居以降再び控除の適用を受けることができるようになりました

個人所得課税 平成 16 年度分から 配偶者特別控除のうち配偶者控除の対象者に対する上乗せ部分 ( 控除対象配偶者の収入が年間 103 万円以下の場合に認められていた上乗せ部分 ) が廃止されます