1 解剖生理学 III( 骨筋系 )1 オリエンテーション インシデント プロセス法について 11 骨格系 1 骨と骨格 医療法人こどもクリニック パパ穂の香看護専門学校非常勤講師医師 臨床心理士 日医認定産業医 高橋昌久
授業の概要 テキストナーシング グラフィカ人体の構造と機能 1 解剖生理学健康の回復と看護 5 運動機能障害 看護師国家試験該当分野 ( 配布 ) プリントを配布し 一部回収する 2
授業の概要 1 ヒトが心身ともに健康であるために必要 な医学と臨床心理学の知見を基礎に 看 護師に必要な理論と実践的配慮について 学ぶ 3
授業の概要 2 人が人らしく生きる権利 の重要性とそ の実現方途を多面的に習得し 疾病に対 して適切に行動できる看護師としての実践 力を身につけることをめざす 4
授業の目標 様々な問題について 事実 情報の収 集から解決すべき問題は何かを考え そ の解決策の立案を行うまでの基礎を身 につける 5
評価方法 1 授業への出席状況 1 積極的な授業参加 2 授業中のレポート ( プリント ) 2 単位認定試験の結果 などにより 総合的に評価する 6
インシデント プロセス法 通常のケース スタディでは あらかじめ事 件 出来事の全容を印刷したもの ( また はビデオなど ) が提示されますが インシデ ント プロセスのやり方では 情報を収集し ながら問題を解明していくプロセスに重点 が置かれるのが特徴です 7
受講生への連絡事項 様々な情報の洪水の中から 真に問題解決に役立つ情報をこちらから抜き出し 整理し 優先順位をつけて解決策を上げていく一連の流れを学ぶことは 与えられる情報を暗記する ( それはそれで重要なのですが ) これまでのステップから より実践 (= 社会 ) に近いところで の対応法を得ることになるはずです 8
インシデント プロセス法 実施の手順 第 1ステップインシデントの提示第 2ステップ事実 情報の収集 ( 一問一答 簡潔に ) 第 3ステップ解決すべき問題は何か ( 何が問題なんだ!) 第 4ステップ解決策の立案とその理由 ( 私ならこうする ) 第 5ステップこのケースから何を学んだか ( 出てよかった ) 9
穂の香看護専門学校解剖生理学 III( 骨筋系 ) 簡単なテキスト編 第 1 講 1 骨の働き次の文章中の空欄に適切な語句を入れなさい A (1 ) 作用 : 頭や内臓を支え 身体の支柱となる B 保護作用 : いくつかの骨が集まり 骨格を形成し (2) 腔 胸腔 脊柱管 (3) 腔などの腔をつくり 脳や内臓などの重要な器官を納め保護している C 運動作用 ( 受動的 ) : 付着している筋の収縮により 可動性のある (4) を支点として運動が行われる D 造血作用 : 骨内の骨髄のうち 造血機能のある (5) 骨髄において 赤血球 白血球 血小板が絶えず新生される 造血作用が衰え黄色になった骨髄を (6) 骨髄とよぶ E 電解質の貯蔵作用 : ( 7 ) リン (3) カリウムなどの電解質は骨中に蓄えられ 必要に応じて骨から引き出されて 血流によって送り出される 2 骨の形状次の文章中の空欄に適切な語句を入れなさい A (1) 骨 : 長く伸びた管状の骨で (2) 骨 上腕骨 鎖骨 脛骨 橈骨などがある B (3) 骨 : 短く不規則な形をしている骨で 有鈎骨 有頭骨などの (4) 骨 距骨 踵骨などの足根骨が含まれる C (5) 骨 : 板状の扁平な骨で (6) 骨 胸骨 肋骨 腸骨などが含まれる D(7) 骨 : 骨内部に空気を含む空洞をもつもので 前頭骨 上顎骨 筋骨 (8) 骨がある 3 骨の構造次の文章中の空欄に適切な語句を入れなさい A 骨は関節面を除いて (1 ) に包まれ (2) と髄腔内や海綿様の小腔内の (3) より構成される B 骨膜は関節軟骨におおわれた関節面を除いて骨を包む線維性結合組織の膜で シャーピー線維で骨表面に固着している 血管と神経に富み 骨を保護するとともに 骨を養い 骨の (4) や (5) にも役立つ C 骨質は (6) 質と (7) 質よりなる (6) 質は骨の表層で 骨組織が層板状に配列し その中心を栄養血管を通す血管腔が縦に走る この血管腔を (8) という そのまわりの同心円状の層板を (9) という (8) は 骨膜からの血管を導入する (10) と交通している 骨表面にできた孔を (11) という (7) 質は骨の深層や骨端にあり 海綿様の小腔をもつ その小腔は (12 ) により満たされている D 骨髄は細網組織からなり (13) 骨髄と (14) 骨髄に区別される (13) 骨髄は造血作用が盛んで 赤紅色をなし 椎骨 胸骨 肋骨 腸骨などの中にある 若いときは (13) 骨髄が多い (14) 骨髄は加齢とともに造血機能が衰え 脂肪細胞が増えて黄色を呈し 長骨骨幹部の髄腔中にある 1
穂の香看護専門学校解剖生理学 III( 骨筋系 ) 簡単なテキスト編 第 1 講 4 骨の発生と成長次の文章中の空欄に適切な語句を入れなさい A (1) 骨 (2 性骨 ) : 胎生期に骨の原型をなす軟骨が発生し その軟骨組織が壊され骨芽細胞が現れる それが骨組織に置き換わり骨化する 長骨では 骨幹の中央と両骨端と 3 か所に骨化点が生じ骨化が進む B (3) 骨 (4 性骨 ) : 結合組織内に骨芽細胞ができ 骨細胞となる 頭蓋冠や顔面骨の一部 C 骨端部の軟骨 ( 骨端軟骨 ) が増殖し骨化することにより (5) ( 増長 ) が行われる D 骨膜から骨芽細胞が出て骨膜内面に骨質をつくり 骨に付加されることにより (6) ( 増厚 ) が行われる 5 骨の連結次の文章中の空欄に適切な語句を入れなさい A(1) 結合は 結合部が不動性で 両骨間には多少の結合組織や軟骨が介在している B(2) は 頭蓋骨間にみられ 膠原線維によって結合される C(3) は 歯と ( 上 下 ) 顎骨の歯槽との間にみられ 結合は膠原線維による D(4 ) 結合は 両骨間が線維軟骨によって結合している (5) 円板とは 椎骨間の結合で 椎体間の線維軟骨をいう (6) 円板とは 恥骨結合における左右恥骨間の線維軟骨をいう E (7) 結合は 縫合や軟骨結合において 両骨間の結合組織や軟骨が二次的に骨化したものである 解答 1 骨の働き 1 支持 2 頭蓋 3 骨盤 4 関節 5 赤色 6 黄色 7カルシウム8ナトリウム (78 順不同 ) 2 骨の形状 1 長 2 大腿 3 短 4 手根 5 扁平 6 頭頂 7 含気 8 蝶形 3 骨の構造 1 骨膜 2 骨質 3 骨髄 4 成長 5 再生 (45 順不同 )6 緻密 7 海綿 3ハバース管 9ハバース層板 10フォルクマン管 11 栄養孔 12 骨髄 13 赤色 14 黄色 4 骨の発生と成長 1 置換 2 軟骨 3 付加 4 結合組織 5 長さの成長 5 太さの成長 5 骨の連結 1 不動 2 縫合 3 釘植 4 軟骨 5 椎間 6 恥骨間 7 骨 2
穂の香看護専門学校解剖生理学 III( 骨筋系 ) 国家試験問題編 第 1 講 問題 1 立位で画鋲を踏んだ際, 右足を思わず引っ込めた この時の状態で正しいのはどれか 1. 右大腿四頭筋は収縮している 2. 右大腿二頭筋は弛緩している 3. 左大腿四頭筋は収縮している 4. 左大腿二頭筋は収縮している 問題 2 組織の再生能力で正しいのはどれか 1. 心筋は再生能力がない 2. 結合組織は再生能力が弱い 3. 骨格筋は再生能力が強い 4. 神経膠組織は再生能力がない 問題 3 つま先を引きずって歩行しているとき, 障害されているのはどれか 1. 前脛骨筋 2. 大腿二頭筋 3. 腓腹筋 4. ヒラメ筋 問題 4 上腕を外転させる筋肉はどれか 1. 大胸筋 2. 三角筋 3. 上腕二頭筋 4. 上腕三頭筋 問題 5 骨格筋の収縮で正しいのはどれか 1. 筋収縮のエネルギー源は ADP である 2. 収縮力は関節が伸展した状態で最大となる 3. 骨格筋は副交感神経の指令を受け収縮する 4. アクチンがミオシン上を滑走し筋収縮が起こる 問題 6 骨格筋の収縮で正しいのはどれか 1. アクチンが ATP と結合することにより生じる 2. 骨格筋の神経筋接合部の神経終末からはアドレナリンが放出される 3. アクチンフィラメントが短縮し収縮が生じる 4. 筋収縮の直前に筋小胞体から Ca2+ が放出される 問題 7 股関節の伸展にかかわる筋はどれか 1. 大腰筋 2. 腸骨筋 3. 大腿直筋 4. 大殿筋 問題 8 平滑筋はどれか 1. 心筋 2. 三角筋 3. 瞳孔散大筋 4. 胸鎖乳突筋 5. 大腿四頭筋 問題 9 筋と支配神経の組合せで正しいのはどれか 1. 僧帽筋 横隔神経 2. 上腕三頭筋 橈骨神経 3. 横隔膜 肋間神経 4. 腓腹筋 坐骨神経 問題 10 伸張反射の構成要素はどれか 2 つ選べ 1. 骨膜 2. 筋紡 3. 腱紡錘 4. 脊髄側角 5. 運動神経 問題 11 吸息時に収縮する筋はどれか 2 つ選べ 1. 腹直筋 2. 腹横筋 3. 横隔膜 4. 外肋間筋 5. 内肋間筋 問題 12 骨について正しいのはどれか 1. リンの貯蔵場所である 2. 骨髄で骨の形成が行われる 3. 骨芽細胞によって骨の吸収が行われる 4. カルシトニンによって骨からカルシウムが放出される 1
穂の香看護専門学校解剖生理学 III( 骨筋系 ) 国家試験問題解答編 第 1 講 問 No 解答 問題 5 4 問題 10 2, 5 問題 1 3 問題 2 1 問題 3 1 問題 4 2 問題 6 4 問題 7 4 問題 8 3 問題 9 2 問題 11 3, 4 問題 12 1 問題 1 [1] [2] [3] [4] 大腿四頭筋 ( 膝蓋靱帯を介して脛骨粗面に停止 ) は大腿神経 (L2~L4) に支配されている大型の筋である 大腿四頭筋は,(1) 大腿直筋 ( 直頭は下前腸骨棘が起始となり, 反転頭は寛骨臼より上方の腸骨部分が起始となる ),(2) 外側広筋 ( 大腿骨の上端付近から骨体にかけて ), (3) 内側広筋 ( 大腿骨の上端付近から骨体にかけて ),(4) 中間広筋 ( 大腿骨体の前面および外側面 ) から構成されている この筋は強力な膝関節伸展作用をもち, この筋が弱まれば膝関節脱力がただちに生じる 膝関節が体重を支える力は, 大腿骨と脛骨とを結びつける靱帯の強さと大腿四頭筋の力である これに対して, 大腿二頭筋は膝関節を屈曲させる作用があり, 坐骨神経 腓骨神経に支配されている したがって今回の状況は, 右足を引っ込めたことから右膝は屈曲し, 右の大腿二頭筋が収縮したと考えられる またこのとき, 左足のみだけで立って全体重を支えていることから, 当然左膝関節には力がはいっており, 左の大腿四頭筋が収縮していることになる 問題 2 細胞の再生能力に関する問題である [1] 出生後, 心筋細胞は再生能力を失い, 再生しない [2] 結合組織は再生能力が強く, 実質細胞が損傷され欠損した場合などは, 実質細胞にかわって結合組織が増生し, 線維化などがみられる たとえば慢性肝炎 で肝実質細胞が損傷されると, しだいに線維化が進み, やがて肝硬変となっていく [3] 骨格筋の再生能力は強くなく, 筋力トレーニングなどでみられる筋力増強は筋肥大などに由来し, 細胞数の変化によるものではない [4] 神経膠細胞 ( グリア細胞 ) は神経組織にみられ, 神経細胞を保護 支持し, 栄養する役割がある 神経組織の欠損などが生じたときには神経細胞は再生せず, この神経膠細胞が増生して間隙が埋められる 原発性脳腫瘍の多くは神経膠細胞の腫瘍性増殖によるものである 問題 3 [1] [2] [3] [4] つま先を引きずって歩行していることから, 歩行 ( とくに踏切期から遊脚期への移行に際して ) に必要な足関節の背屈 ( 伸展 ) ができない障害 ( 尖足位 ) が存在していると考えられる 背屈に関与する主動筋が前脛骨筋 ( 脛骨近位部に起始し, 足根骨内側縁 : 外側楔状骨 第 1 中足骨に停止 ) であり, 補助筋の長指伸筋, 長母指伸筋, 第三腓骨筋とともに深腓骨神経 (L4 L5,S1 由来 ) の支配を受けている 大腿二頭筋 ( 支配神経 : 坐骨神経 :L5,S1 S2 由来 ) は大腿屈筋群の 1 つで, 膝の屈曲や股関節の伸展に, 腓腹筋 ( 支配神経 : 脛骨神経 :S1 S2 由来 ) は足関節の底屈 ( 屈曲 ) や膝の屈曲に, ヒラメ筋 ( 脛骨神経の支配 ) は足関節の底屈 ( 屈曲 ) に関与する 1
穂の香看護専門学校解剖生理学 III( 骨筋系 ) 国家試験問題解答編 第 1 講 問題 4 [1] 大胸筋は, 起始が鎖骨の内側半, 胸肋部, 腹部で, 上腕骨の大結節 ( 稜 ) に停止する 内側 外側胸筋神経 (C5~ C8,T1) 支配で, 上腕の内転, 内旋に関与する [2] 上腕の外転は, 肩関節で上腕骨を側方に上げる動作 ( 側方挙上 ) である この運動に関与する主動筋は, 三角筋の中部線維と棘上筋である 三角筋は,C5~C6 由来の腋窩神経支配であり, 起始は鎖骨外側端 肩峰 肩甲棘で, 上腕骨の三角筋粗面に停止し, 肩のふくらみを形成する 棘上筋は, 肩甲上神経支配であり, 棘上窩 棘上筋膜に起始し, 上腕骨の大結節と肩関節包に停止する 上腕外転の弱化は, 日常生活動作 (ADL) やセルフケアを強く障害する [3] 上腕二頭筋は, 起始が長頭では肩甲骨の関節上結節, 短頭では肩甲骨の烏口突起で, 橈骨粗面と前腕の深筋膜に停止する 筋皮神経 (C5~C6) 支配で, 前腕の回外, 肘 ( 関節 ) の屈曲 ( 力こぶ ) などに関与する [4] 上腕三頭筋は, 起始が長頭では肩甲骨の関節下結節, 外側頭では上腕骨体上半の後面, 内側頭では上腕骨体下半の後面で, 尺骨の肘頭に停止する 橈骨神経 (C5~C7) 支配で, 肘 ( 関節 ) の伸展に関与する 問題 5 [1] 筋収縮のエネルギー源は ATP である エネルギー枯渇時には ADP も利用される可能性があるが, 正解とするには無理がある [2] 骨格筋の活動張力は, 筋が付着している関節を可動範囲の中位にしたときに最大となる このときの筋長を生体長という [3] 大脳皮質運動野からの指令は副交感神経ではなく, 運動神経を通って骨格筋に伝えられて筋収縮を引きおこす [4] ミオシン頭部が連結橋となり, それが首振り運動をすることによって, アクチンからなる細いフィラメントがミオシンからなる太いフィラメント上を滑走して筋収縮を生じる 問題 6 [1] ミオシン頭部がATP と結合して分解することで生じるエネルギーが用いられる [2] 神経終末からはアセチルコリンが放出され, 筋細胞膜の受容体に結合することで興奮が生じる [3] 骨格筋の収縮は筋節の短縮による フィラメントそのものは収縮しない [4] 筋細胞膜の興奮が横行小管に伝わると, 筋小胞体のチャネルが開口し,Ca2+ が放出される それにより筋収縮が引きおこされる 問題 7 [1] [2] [3] [4] 股関節の伸展はおもに殿部の [4] 大殿筋 ( 下殿神経支配 起始 : 腸骨翼外側面 仙 ~ 尾骨, 停止 : 大腿骨殿筋粗面 腸脛靱帯 ) によって行われ, ほかにハムストリングスとよばれる大腿後側の骨格筋群の大腿二頭筋 半膜様筋 半腱様筋 ( 坐骨神経支配 起始 : 坐骨結節 ~ 大腿骨, 停止 : 脛骨近位部 ) などもかかわる 一方, 腰椎が起始の [1] 大腰筋 ( 腰神経叢筋枝支配 ) と腸骨窩が起始の [2] 腸骨筋 ( 大腿神経支配 ) は腸腰筋 ( 大腿骨小転子に停止 ) を構成し, [3] 大腿直筋 ( 大腿神経支配 起始 : 下前腸骨棘, 停止 : 脛骨粗面 ), 縫工筋 ( 起始 : 上前腸骨棘, 停止 : 内側顆 ) などとともに股関節の屈曲にかかわる 問題 8 [1] 心筋は, 横紋筋に属する不随意筋 ( 自律神経支配 ) である [2] 三角筋は, 肩関節を取り囲む横紋筋かつ骨格筋で, 随意筋である [3] 瞳孔散大筋は, 虹彩に存在する平滑筋 ( 不随意筋, 交感神経支配 ) で, 驚いたときなどに収縮し, 散瞳する [4] 胸鎖乳突筋は, 側頸部の浅層を走る 2
穂の香看護専門学校解剖生理学 III( 骨筋系 ) 国家試験問題解答編 第 1 講 横紋筋かつ骨格筋で, 随意筋である [5] 大腿四頭筋は, 横紋筋かつ骨格筋で随意筋である 問題 9 [1] 僧帽筋は副神経および頸神経叢 (C2-C4) に支配されている [2] 上肢の伸筋はすべて橈骨神経 ( 上肢で最も太い神経 ) に支配され, 上腕三頭筋は肘関節の伸展と, 肩関節の内転に作用する [3] 横隔膜は横隔神経に支配されている [4] 腓腹筋は脛骨神経に支配されている 問題 10 伸張反射は負荷の増加によって筋が伸展されたときに, それに対抗して筋を収縮させる単シナプス性の脊髄反射である 伸張反射は筋の長さを一定にし, 姿勢を維持するのに役だつ [1] 骨膜は伸張反射にはまったく関与しない [2] 筋紡錘内の伸展受容器が刺激されて興奮し, その情報が求心線維 (Ia 線維 ) を通って脊髄に伝えられる [3] 腱紡錘 ( ゴルジ腱器官 ) は筋の張力をフィードバックにより安定させる役割がある [4] 脊髄の側角は, 胸 腰髄において交感神経節前線維を出す神経細胞体が集合している部分であり, 伸張反射とは関係しない [5] Ia 線維を通って脊髄に入った信号は直接, 運動神経 (α 運動ニューロン ) を刺激して, 筋収縮を引きおこ す 問題 11 [1] 前腹壁をつくる筋で, 努力呼息時に収縮して腹圧を高め, 呼息を促進する [2] 側腹壁の最も深層にある筋で, 呼吸への関与は小さい [3] 安静呼吸をしているときの吸息を引きおこす 収縮により横隔膜は下降し, 胸腔内容積が増加する [4] 安静呼吸をしているときの吸息を引きおこす 収縮により肋骨の拳上と胸骨の前方への移動を生じ, 胸腔内の容積が増加する [5] 努力呼息時に収縮し, 肋骨を引き下げることにより胸腔内の容積を減少させる 問題 12 [1] 骨はコラーゲンにリン酸カルシウムが沈着して形成されており, 体内におけるリンとカルシウムの最大の貯蔵所である [2] 骨の形成は, 骨表面部分に存在する骨芽細胞によって行われる 骨髄で形成されるのは血球成分である [3] 骨の吸収, つまり骨をとかしてカルシウムとリンを血漿中に放出するのは破骨細胞である 前述のように, 骨芽細胞は骨の形成を行う [4] カルシトニンは甲状腺から分泌され, 骨の形成を促進して血漿 Ca2+ 濃度を低下させる 骨からカルシウムを放出させて血漿 Ca2+ 濃度を上昇させるのは, パラソルモン ( 副甲状腺ホルモン ) である 3