平成 23 年度 応用課程ビデオ 計算問題編 ビデオ問題 使用上の注意事項 1. この ビデオ問題 例題 1 ~ 例題 10 は 応用課程試験に出題される計算問題形式に基づき作成されております 2. また当該 ビデオ問題 は 平成 23 年度 応用課程ビデオ 計算問題編 用に準備された問題です 解答及び解説は当該ビデオでご確認ください 3. 視聴の際には計算器 ( 電卓 ソロバン ) をご準備してください 株式会社セールス手帖社保険 FPS 研究所
例題 1 下記の事項につき ア ~ エのうち正しいものを 1 つ 選んでください 所得税および住民税の生命保険料控除 地震保険料控除についてア. 一般の生命保険契約のみで 年間正味払込保険料が75,000 円の場合 所得税の生命保険料控除額は43,750 円となります イ. 個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金保険契約のみで 年間正味払込保険料が150,000 円の場合 所得税の生命保険料控除額は100,000 円となります ウ. 個人年金保険料税制適格特約を付加した個人年金保険契約のみで 年間正味払込保険料が60,000 円の場合 住民税の生命保険料控除額は37,500 円となります エ. 地震保険特約の付加された住宅火災保険契約が1 契約だけで 地震等損害相当部分の年間正味払込保険料が35,000 円の場合 所得税の地震保険料控除額は17,500 円となります -1-
例題 2 所得税の計算について つぎの文中の 1 ~ 5 の 中に入る適切な数値を語群から選んでください 事例 給与所得者 Aさんは年収 ( 賞与を含む )600 万円 また20 年満期の年払養老保険 ( 正味払込保険料 360 万円 ) に加入していて 満期保険金 530 万円を受け取りました ( 契約形態契約者 =Aさん 被保険者 =Aさん 満期保険金の受取人 =Aさん ) 社会保険料は 年間 45 万円を支出 終身保険の正味払込保険料として年間 28 万円 個人年金保険 ( 税制適格の契約で 傷害 入院関係特約などの特約は付加されていない ) の正味払込保険料として年間 10 万円を支出 扶養親族は 妻 ( 専業主婦 無収入 ) 長女( 大学生 19 歳 ) 長男 ( 高校生 16 歳 ) の3 人 税額控除はないものとします 給与所得控除額および所得税の税率と速算控除額は 次頁の表を使用してください 所得税の計算 (1) 給与所得控除後の給与所得金額 1 万円 (2) 満期保険金額に対する課税対象金額 60 万円 (3) 所得控除額の計算 ア. 社会保険料控除額 2 万円 イ. 生命保険料控除額 10 万円 ( 終身保険と個人年金保険との合計 ) ウ. 配偶者控除額 38 万円 エ. 扶養控除額 ( 長女分 + 長男分 ) 3 万円 オ. 基礎控除額 4 万円 上記所得控除合計額 ( ア+イ+ウ+エ+オ ) (4) 課税総所得金額 + - = A B C D A B C -2-
(5) 算出税額計算 D 税率 - 速算控除額 = 5 万円 (6) 納付所得税額税額控除はないので E となる E ( 給与所得控除額 ) 給与所得控除額は次の算式で計算した金額です 給与等の収入金額の合計額が 180 万円以下の場合 収入金額 40% (65 万円に満たない場合は65 万円 ) 180 万円を超え360 万円までの場合 収入金額 30%+18 万円 360 万円を超え660 万円までの場合 収入金額 20%+54 万円 660 万円を超え1,000 万円までの場合 収入金額 10%+120 万円 1,000 万円を超える場合 収入金額 5%+170 万円 ( 所得税速算表 ) 課税総所得金額 195 万円以下 195 万円超 ~ 330 万円以下 330 万円超 ~ 695 万円以下 695 万円超 ~ 900 万円以下 900 万円超 ~1,800 万円以下 1,800 万円超 税率速算控除額 5% 0 円 10% 9.75 万円 20% 42.75 万円 23% 63.6 万円 33% 153.6 万円 40% 279.6 万円 語群 ア.600 オ.101 ク.45 イ.426 カ.77.25 ケ.38 ウ.232 キ.45.95 コ.15.65 エ.174-3-
例題 3 所得税 贈与税の計算について つぎの文中の 1 ~ 5 の中に入る適切な数値を語群から選んでください 事例 年収 600 万円 ( 賞与を含む ) のサラリーマンAさんは 妻 ( 専業主婦 無収入 ) 子ども2 人 ( 大学生 19 歳 高校生 16 歳 ) の4 人家族です Aさんが自分を被保険者として生命保険に加入し 正味払込保険料を1,000 万円支払ったものとします この生命保険は配当金を含んで満期保険金 ( 一時金 )2,000 万円とします 1. 満期保険金の受取人をAさんとした場合 ( 所得税が課税される場合 ) 2. 満期保険金の受取人を大学生の子とした場合 ( 贈与税 ( 暦年課税 ) が課税される場合 ) それぞれの税金について計算してください なお Aさんの給与所得 ( 給与所得控除後 ) は426 万円 所得控除合計額は232 万円 所得税額は9.7 万円とします 税額控除はありません 問題 1. 満期保険金の受取人をAさんとした場合 ( 所得税が課税される場合 ) 契約者 ( 保険料負担者 ) と受取人が同一人の場合 満期保険金は一時所得として所得税の課税対象となります ア. 課税総所得金額の計算 Aさんの給与所得 ( 給与所得控除後 ) と満期保険金の一時所得にかかわる課税総所得金額は 1 万円となります イ. 課税総所得金額に対する所得税額の計算 ( 課税総所得金額 ) ( 税率 ) ( 速算控除額 ) ( 算出税額 ) 1 万円 20% - 42.75 万円 = (a) 税額控除がないので納付所得税額は 2 万円 -4-
満期保険金 ( 配当金を含む ) がない場合のAさんの所得税額は9.7 万円ですので 満期保険金 ( 配当金を含む )2,000 万円が支払われることで 2 万円 - 9.7 万円 = 3 万円所得税額が増えることになります 2. 満期保険金の受取人を大学生の子とした場合 ( 贈与税 ( 暦年課税 ) が課税 される場合 ) 契約者 ( 保険料負担者 ) と受取人が異なる場合 満期保険金は贈与税 ( 暦 年課税 ) の課税対象となります ア. 贈与税の課税対象額の計算 ( 基礎控除額 ) 満期保険金 - 4 万円 = 基礎控除後の課税価格 (b) イ. 贈与税額の計算 ( 基礎控除後の課税価格 ) ( 税率 ) ( 速算控除額 ) ( 贈与税額 ) (b) 50% - 225 万円 = 5 万円 3. 計算の結果 満期保険金の受取人を大学生の子とした契約形態 ( 贈与税 ( 暦 年課税 ) が課税される場合 ) の方が 受取人をAさんとした場合 ( 所得税が 課税される場合 ) に比べ 5 万円 - 3 万円 =638.65 万円も税額が高くなることがわかりま す なお 住民税については考慮していません 語群 ア.35 オ.117 ク.720 イ.81.35 カ.475 ケ.950 ウ.91.05 キ.669 コ.1,890 エ.110-5-
例題 4 下記の事項につき ア ~ エのうち正しいものを 1 つ 選んでください 年金と税金について A さん ( 男性 65 歳 ) は今年 増額年金を含め年間 175 万円の個人 年金を受け取りました この場合の個人年金の雑所得金額を求める算式はどれでしょうか なお 個人年金の契約内容は以下のとおりです 契約者( 保険料負担者 ) 被保険者 年金受取人はともにAさん 10 年保証期間付終身年金 ( 定額型 ) 60 歳払込満了 60 歳年金支払開始 既払込保険料合計額 800 万円 基本年金額 100 万円 第 1 回年金額 160 万円 ( 基本年金額 100 万円 ( 余命年数 ) + 積立配当金による増額年金額 60 万円 ) 配当金は年金の増額にあてたものとします ア.175 万円 -160 万円 イ.160 万円 -175 万円 ウ.175 万円 -160 万円 エ.160 万円 -175 万円 800 万円 160 万円 10 年 800 万円 175 万円 19 年 800 万円 160 万円 19 年 800 万円 160 万円 15 年 年金支払開始日の年齢 58 歳 59 60 61 62 63 64 65 余命年数 男 20 20 19 18 17 17 16 15 女 25 24 23 22 21 20 19 18 ( 所得税法施行令別表 ) -6-
例題 5 相続税の計算について つぎの文中の 1 ~ 5 の中に入る適切な数値を語群から選んでください 事例 夫婦 子ども3 人の家庭で 夫が亡くなりました 夫の残した財産は36,000 万円 ( 死亡保険金を除く ) で 妻が 6,000 万円 長男 (25 歳 ) が20,000 万円 長女 (22 歳 ) 次男 (18 歳 ) がそれぞれ5,000 万円ずつ相続しました 契約者 = 被保険者 = 夫の生命保険の死亡保険金 4,000 万円は 保険金受取人である妻が受け取りました 債務および葬式費用 2,000 万円は長男が負担しました 夫からの妻子( 相続人 ) に対する相続開始以前の贈与財産はありません この場合の妻子の相続税額はいくらになるでしょうか 税率および速算控除額は次頁の表を使用してください 相続税額の計算 (1) 各人の課税価格は 相続財産 +みなし相続財産 + 相続時精算課税の対象となる財 1 産 - 非課税財産 - 債務控除 - 葬式費用 + 被相続人 ( 夫 ) からの相続開始前 3 年以内の贈与財産 2 = 各人の課税価格 の算式で計算されます 1 相続時精算課税制度 を選択した場合 2 相続時精算課税制度 を選択した場合は その対象財産を重複して加算しない その結果 妻の課税価格は 1 万円長男の課税価格は18,000 万円長女と次男の課税価格は各 5,000 万円となります (2) 課税遺産総額は 各人の課税価格の合計額- 遺産にかかる基礎控除額 = 課税遺産総額 の算式で計算されます 遺産にかかる基礎控除額は 2 万円 +1,000 万円 法定相続人の数 で計算されます (3) 相続税総額は 課税遺産総額 各人の法定相続分 ( 割合 ) 税率 - 速算控除額 = 各人の仮の相続税額 の合計額となり 本例の場合 相続税総額は 3 万円となります -7-
(4) 各人の納付税額は 各人の算出相続税額 - 税額控除 の算式で計算されます 各人の算出相続税額は 相続税総額 各人の負担率 ( 各人の課税価格各人の負担率 = 課税価格の合計額 ) で求められます ( 負担率は 小数点第 3 位を四捨五入する ) 税額控除の適用を受けるのは本例の場合 妻と次男です その結果 各人の納付する税額は 妻 0 円 長男 4 万円 長女 812 万円 次男 5 万円となります ( 注 ) 税額は 100 円未満切り捨て ( 相続税速算表 ) 課税価格 税率 速算控除額 1,000 万円以下 10% 3,000 万円以下 15% 50 万円 5,000 万円以下 20% 200 万円 10,000 万円以下 30% 700 万円 30,000 万円以下 40% 1,700 万円 30,000 万円超 50% 4,700 万円 語群 ア.200 オ.2,900 ク. 8,000 イ.700 カ.5,000 ケ.9,000 ウ.800 キ.5,800 コ.18,000 エ.812-8-
例題 6 下記の事項につき ア ~ エのうち正しいものを 1 つ 選んでください 相続時精算課税制度選択による贈与税額について住宅取得以外のために親から子に3,500 万円を贈与し 子が相続時精算課税制度を選択し 適用された場合の贈与税額はいくらになるでしょうか ア.300 万円イ.200 万円ウ.100 万円エ. 60 万円 -9-
例題 7 下記の事項につき ア ~ エのうち正しいものを 1 つ 選んでください 経営者保険の課税関係について経営者保険の契約形態が次のとおりであったとき 被保険者である社長が業務外で死亡し 企業が受け取った経営者保険 ( 定期保険 ) の死亡保険金 1 億円を 企業が遺族に対して弔慰金として支払いました なお この社長の死亡時の普通給与 ( 賞与を除く ) は月額 150 万円でした 契約形態 : 契約者 = 企業被保険者 = 社長受取人 = 企業この場合 遺族が受け取った弔慰金のうち相続税が非課税となる金額の限度額 ( 目安 ) はいくらになるでしょうか ア.6,300 万円イ.5,400 万円ウ. 900 万円エ. 450 万円 -10-
例題 8 下記の事項につき ア ~ エのうち正しいものを 1 つ選んでください 現価計算について年利率 3% の1 年複利で運用する場合 10 年後に100 万円にするための現価はいくらになるでしょうか ( 計算過程の数値は小数点第 6 位を四捨五入し 解答は円未満を四捨五入 ) ア.766,419 円イ.744,092 円ウ.722,423 円エ.701,459 円 例題 9 下記の事項につき ア ~ エのうち正しいものを 1 つ 選んでください 金融商品の年平均利回りについて元本 100 万円を年利率 3%(1 年複利 ) で 5 年間運用した場合 年平均利回りは何 % になるでしょうか ( 計算過程の数値は円未満を四捨五入し 解答は小数点第 3 位を四捨五入 ) ア.3.06% イ.3.19% ウ.3.88% エ.5.31% -11-
例題 10 下記の事項につき ア ~ エのうち正しいものを 1 つ 選んでください 金融商品の税引き後利回りについて元本 100 万円を年利率 1.65% の金融商品 (1 年複利 ) に2 年間預け入れた場合 税引き後の利回りは何 % になるでしょうか 利息は満期時に20% 源泉分離課税されるものとします ( 計算過程の数値は円未満を四捨五入し 税金は円未満を切り捨て 解答は小数点第 3 位を四捨五入 ) ア.1.01% イ.1.33% ウ.1.43% エ.2.01% -12-