単純集計結果に対する学生の主なコメント Q1 投票に行った と答えた回答者が 87.7% と回答者の大半の人が投票に行ったことになる しかし 平成 21 年衆議院議員総選挙の横浜市での投票率は 最終的に 68.86% となっており アンケートの回答者より少ないことが分かる このことから このアンケートに回答者は そもそも政治に対して関心があり だからこそ こういった政治に対するアンケートにも回答してもらえたと考えられる このことを念頭に置いた上で アンケート結果を考察していかなくてはならない (3 年 男 ) 投票に行った人は全体の 87.7% と 実際の横浜市の投票率 68.86%( 全国平均 69.3%) よりも高いことからして 今回のアンケートに回答した人たちはかなり政治に強い関心を持ち また一国民として責任を持って選挙に参加しているように考えられる (3 年 女 ) 投票に行った 人数が 87.7% という数字は 横浜市全体の投票率が 68.86% であったことを考えると 今回の調査結果は 政治的関心が高いという有権者の意見が反映された結果であると推測することができる (3 年 女 ) 党等の名称 得票数 横浜市計 得票率 民主党 879,038 43.78 自由民主党 490,273 24.42 公明党 179,727 8.95 みんなの党 175,815 8.76 日本共産党 142,486 7.10 社会民主党 87,407 4.35 国民新党 23,428 1.17 新党日本 20,162 1.00 幸福実現党 9,535 0.47 合計 2,007,871 100.00 Q2 回答として かなり良くなった やや良くなった との回答が全体の 27.0% やや 悪くなった かなり悪くなった は 40.4% どちらでもない が 31.8% となった
内閣解散前で内閣支持率が低かった状態から考えると 良くなった と感じている人が 全体の 27% もいることは多いように思われる Q3 の理由をみてみると 一番割合が高かった これまでの政策の見直しや中止 は どちらかといえばプラスの要素に 二番目に割合の高い 首相のリーダーシップ は逆にマイナスの要素が強いと考えられる また 政治とカネの問題 は 鳩山総理も辞任時にその理由として述べているように マイナスの要素であると思われる しかし これらは必ずしも一概には言えない 例えば 鳩山総理辞任後の普天間基地に関する沖縄県民へのインタビュー ( 毎日新聞 2010 年 6 月 2 日 大阪夕刊社会面 9 頁 ) によると 辞任は当然 などと批判的な声の一方 沖縄のために一生懸命頑張ってくれた首相なのに と惜しむ声も上がっている ( 3 年 男 ) 民主党を中心とした政権交代によって かなり良くなった やや良くなった と答えた人は 合わせて 27.0% やや悪くなった かなり悪くなった と答えた人は 合わせて 40.4% と民主党に政権になって 悪くなったと感じている人が多いことが分かる また どちらでもない という回答が全項目の中で一番多い 31.8% ということから 民主党に政権が代わっても 良くも悪くもなっていない と考えている人も相当数いると考えられる ( 3 年 男 ) かなり良くなった やや良くなった 合わせて 27.0% やや悪くなった かなり悪くなった 合わせて 40.4% で 悪くなったと思う人のほうが多い 理由としては鳩山内閣発足時の支持率の高さも関係しているのではないか 朝日新聞や読売新聞による内閣発足時の支持率をみてみると 鳩山内閣は歴代 2 位という高い支持率であった 最初の期待が大きかった分 期待外れ感が高まり 日本の政治は 悪くなった と思わせるのに繋がったのではないかと考えられる (3 年 女 ) Q3 民主党政権が行ってきた 事業仕分け が これまでの政策の見直しや中止 が 24.4% と政策についての良い影響として一番多くの回答を得ることが出来たと考えられるが 一方で 首相のリーダーシップ が 20.2% と次いで多かったのは 内閣支持率が落ちてしまった原因になったであろう鳩山首相 ( 当時 ) の発言が影響したのではないだろうか つまり 赴任当初から発言が二転三転するという首相自らの考えの甘さ ブレが大きく影響したのだと考えられる 小沢一朗民主党代表代行 ( 当時 ) に発覚した 政治とカネの問題 への対応がはっきりしない点や 沖縄県 普天間基地移設問題 においてのアメリカとの交渉 国内でのあやふやな発言などから 鳩山首相 ( 当時 ) の考えがどのようなものなのか またその考えを民主党自体はどのように捉えているのかが不透明で 政党自体を疑ってしまうことが多かったのも事実である (3 年 女 )
Q3 で回答が最も多かった項目は これまでの政策の見直しや中止 の 24.4% となっている この結果は 民主党が行った事業仕分けが マスコミで盛んに報道されたことにより 人々の注目を集めた結果ではないだろうか また 政治とカネの問題 についても同様に 不正献金などの問題がマスコミで大きく報道されていたため 11.8% と それなりに多い数字になったと考えられる これらのことから マスコミで大きく報じられた問題ほど人々の政策の評価に直結していると考えられるのではないだろうか (3 年 男 ) 特に回答が多い項目は これまでの政策の見直しや中止 と 首相のリーダーシップ である 前者は政治が良くなったと思う要因であり 後者は政治が悪くなったと思う要因だと考えられる その次に回答の多い 政治とカネの問題 も政治は悪くなったと思う要因であろう 新たな政策の立案や実施 については FNN の世論調査によると 子ども手あてなど評価が低い政策もあるため 良くなったと思う要因と悪くなったと思う要因の両方だと考えられる 問 3からは 政策がいいものかどうかだけでなく 首相をはじめとする政治家の言動も 評価に大きく関わることがうかがえる (3 年 女 ) Q4 新党結成の動きについて本調査では あまり歓迎しない が 33.3% 少し歓迎する が 26.0% となっている FNN が 2010 年 1 月 16~17 日に行った世論調査 ( 全国から無作為抽出された満 20 歳以上の 1000 人を対象に 電話による対話形式で行った ) では 新党結成について 期待する が 38.3% 期待しない が 49.1% となっている 新党結成において どちらの調査も否定的な答えが多いが肯定的な答えも少なくはない 新党結成により政治が混乱を招くのは避けたいが 何かを変えて欲しいという国民の声があるのかもしれない ( 3 年 男 ) 大いに歓迎する 少し歓迎する が全体の 27.0% あまり歓迎しない と まったく歓迎しない は全体の 48% にも及ぶ どちらでもない の回答は 15.2% と割合が低くなっている 傾向として新党結成の動きを国民は望んでいないように思える (3 年 男 ) 新党結成の動きに対して 大いに歓迎する 少し歓迎する を合わせても 36.0% しかいなかった 約半数の有権者は 新党結成に対して歓迎していないようだ 問 7 問 10 にも関わるが 離脱した議員が新党を結成しても そもそも政治家や政党に信頼がないため歓迎しないという意見が多くなっているのではないか (3 年 女 ) 新党結成の動きについて あまり歓迎しない まったく歓迎しない が 48.0% と約半数を占めている また 問 13 の結果を見ても たちあがれ日本 新党改革 日本創新党 などの新党を支持する人はごく少数であり 新党に対して期待が薄いことが
分かる (3 年 男 ) あまり歓迎しない まったく歓迎しない 合わせて約半数もの人が 新党結成を歓迎していないことがわかった しかし 大いに歓迎する 少し歓迎する を合わせた 36% の人は新党結成を歓迎しており この数字は決して低いものではない 支持政党や実際に投票した政党をみてみると みんなの党のように支持されている新党もあることなどから 実績や歴史のある政党よりも 新しい政党に期待する人も多くいることがうかがえる (3 年 女 ) Q5 政界再編による新たな枠組みでの政権 が一番多く 40.9% 獲得したことにもあるように 今の政界に求められていることは 政党の枠を超えて 政界全体で日本が置かれている状況を見つめ直し 新たな可能性や方法を探り 実行に移すことなのではないだろうか (3 年 女 ) 望ましい政権の姿として 最も多い意見は 政界再編による新たな枠組みでの政権 で約 40% であった 自民党から民主党へ政権が変わり 自民党の支持率低下や信頼性がなくなり 政権を担った民主党に期待を寄せたが 政治とカネ や首相のリーダーシップに対する不信感などから支持率が低下した かといって自民党に期待を持つこともできない こうしたことが 今回の結果につながったのではないだろうか しかし 問 4 の新党結成に対する有権者の見方は厳しく これは矛盾にも感じられるが 二大政党ではだめだ しかし新党にも期待できない といったところだろうか また 朝日新聞 (2010 年 3 月 24 日 ) の政治意識世論調査では 政界再編を期待すると回答した人は 62% また 政界再編が起きるとすれば どうなってほしいかについては 民主 自民ともに分裂 が 56% と半数を超えている こうしたことからも有権者は自民党 民主党の二大政党に捉われない 新しい政権の形を望んでいるようだ (3 年 女 ) 回答は 政界再編による新たな枠組みでの政権 が 40.9% と一番多く 自民党の単独政権 が 3.1% と一番少ない このことから 人々の自民党への期待度の低さがうかがえる (3 年 男 ) 政界再編による新たな枠組みでの政権 が 40.9% で圧倒的に回答が多い 今までと同じような政権では日本の政治が良くなることに期待できない と思っている人がとても多いことがうかがえる Q2では政権交代によって政治が悪くなったと思う人が約 40% いたが 政権交代をしても良くはならなかったから また別の新しいものに期待するしかないという考えの人が多いのではないだろうか ( 3 年 女 )
Q7 政治家への信頼について あまり信頼してない という答えが 56.4% と 1 番多い 次いで 少し信頼している が 21.3% となっている 読売新聞が 2002 年 6 月 22~23 日に実施した全国世論調査 ( 面接方式 ) によると 政治家を 信頼している と答えた人は 17% で 信頼していない は 82% であった 政治家に対する国民の信頼感の低さは以前から続いていることがわかる (3 年 男 ) 政治家をどの程度 信頼しているかに対して あまり信頼していない まったく信頼していない を合わせた回答が 7 割以上に達した 政治家に対しては 責任感のなさ 不誠実と感じている有権者が多い (3 年 女 ) あまり信頼してない と まったく信頼してない を合わせると 7 割以上もの人が 政治家に対する信頼がないことがわかった これは問 6 にも関連していると考えられる Q6 の 8 項目の印象の全てにおいて マイナスの印象を持たれてしまっている 信頼がないから印象が悪くなる あるいは印象が悪いから信頼が持てないのだろう (3 年 女 ) 7 割以上の人が あまり信頼していない あるいは 全く信頼していない と答えている Q6 をみると 責任感 親しみ 誠実な という項目で 人々が政治家に強い負のイメージを抱いていることが見てとれる このことから 政治家を信頼できない要因として 責任感がない 親しみがない 不誠実 だという印象を国民が抱いていることが挙げられるのではないだろうか また政党に関しても同じことが言える Q10 では 約 7 割の回答者が政党を あまり信頼していない あるいは 全く信頼していない と答えている Q9 を見ると 責任感 尊敬 親しみ 誠実な という項目で 5 割以上の回答者が負の印象を持っていることが分かる これらの印象が 政党を信頼できない要因として挙げられるのではないだろうか (3 年 男 ) Q10 政党に対する信頼も低く 政治家の場合と同様に7 割以上の有権者は 信頼していない と回答している 政党に対しては 責任感のなさ 不誠実 尊敬できないといった意見が多い (3 年 女 ) 政党への信頼も Q7 と同じように あまり信頼していない と かなり信頼していない を合わせると 7 割以上の人が信頼していないことが分かった Q9 の政党の印象についても 政治家の印象と同様の結果だった 政治家や政党に対して信頼がなくなると 打ち出す政策や方針への信頼も低くなり そのことがまた政治家や政党の信頼を低くし 政権が安定せず 政治に対する不満が募っていくという悪循環が起こると考えられる (3 年 女 )
Q12 各政党に対してほとんどの回答者が これらのイメージはない という結果であったが その理由として 各政党が何を行っているのかが分からない 違いが分からないという意見が多数あるのではないだろうか 実際に各政党のホームページを見ても 難しい表現や抽象的な表現が多いため なかなか理解できない 政党のホームページを見てその政党を理解するのは難しいであろう こうしたことから 各政党は党の方針を広く認知してもらうことが課題なのではないだろうか (3 年 女 ) 政党へのイメージとして自民党は 保守的である というイメージが 1 番多く 他の党ではすべて これらのイメージはない という答えが 1 番多くなっている FNN が 2009 年 8 月 22~23 日に行った世論調査 ( 全国から無作為抽出された満 20 歳以上の 1000 人を対象に 電話による対話形式 ) では 政党におけるイメージとして 親しみが持てるのは クリーンなのは 頼りになるのは 等をあげ これらに該当する政党として民主党や自民党とする回答率が高くなっている 一方で あてはまる政党はない という答えも多く 民主 自民以外の党の印象の無さが原因と考えられる 政党としての結束感の無さもまとまったイメージが浮かばない理由かもしれない (3 年 男 ) Q12 の回答は Q7 や Q10 とも関わっているように思う 各政党に対して持っているイメージを選んでもらうという質問だが 多くの政党で これらのイメージはない という意見が最も多かった 新党に対してはまだ印象を持っていない有権者が多いのだろうが 民主党や自民党ではマイナスイメージしか持っていないという解釈も出来るのではないだろうか 政治家や政党に対する信頼の低さが反映されたようにも思う 自民党に対するイメージで最も多かったのが 保守的である という意見で約 44% であった 保守政党としてのイメージが強いためか 革新的である はわずか 0.5% であった 長く政権を担ってきた自民党に対して 革新的な政策をしてこなかったというイメージなのだろうか だからこそ 有権者が革新を求めた結果 民主党に政権交代が実現したのであろう ( 3 年 女 ) Q12 の各政党のイメージだが まず民主党に注目すると 実行力がある との回答が 2.4% と非常に少ない これは 普天間基地移設問題などに対する鳩山首相の発言や公約通り県外移設が実現しなかったことが影響しているのではないかと考えられる 自民党は 革新的である 新鮮な の回答が極端に低いが 今まで通りの自民党の政策では何も変わらないと感じている人が多いのではないかと考えられる 社民党とみんなの党は 理念がある が高いが これは 普天間問題に対して一貫して自分の党の意見を主張していたことが影響しているのではないだろうか (3 年 男 ) 全体的に 民主党 自民党 公明党 共産党 社民党の歴史があり政権を担うような大きな政党には 保守的である や まじめな という保守的でクリーンなイメージが強く 比較的新しい政党には 革新的である 実行力がある 理念がある 力強い など革新的でエネルギッシュなイメージが強い傾向がみられる ただし 新党結
成を歓迎しない人が多いため 比較的新しい党について後ろ向きなのか これらのイメージはない を選ぶ人が圧倒的に多い 民主党や自民党は 保守的である というイメージをもつ人が多く 選挙の投票率は民主党や自民党が大半を占めるので 日本人は保守的なものを選択する傾向があると言えるのではないか (3 年 女 ) Q13 支持する政党があるかに対して 支持する政党はない は 53.8% 支持する政党がある は 43.0% となった いわゆる無党派の有権者が多い結果になった Q1と合わせて考えると無党派の有権者も昨年の衆院選選挙では民主党に投票していたと考えられる また 自民党支持者でも民主党に投票した有権者もいたのではないか つまり それだけ民主党への有権者の期待は大きかったのである 一方で Q7 や Q10 の結果からは政治家や政党に対して信頼を持てないことが無党派を増やす原因になっていると考えられる 支持する政党では 民主党が 36.6% と最も多く 次いで自民党が 22.6% みんなの党が 16.5% となった 二大政党に対する支持はまだ多いが ここで注目したいのは次いで支持率が高い みんなの党 である (3 年 女 ) 注目すべきは 16.5% の回答者が支持している みんなの党 である みんなの党は発足後まだ 1 年も経過していない若い政党である しかし 代表である渡辺喜美衆議院議員をはじめ自民党 民主党という絶対的政党から離れ 同じ 日本の課題に対する行動計画 の元に集まり まず国会議員に関するお金を軽減していこうという方針から これまででは考えられない国会議員に対するコストの削減を公約として掲げている また 政治家同士でも間違っていることは正そうという姿勢も見られる 政治家は誰しも多額のお金を当たり前にもらっているのではないかという不信感が強い中で 今まで政治家自身は給料を減らすという発言をあまりしてこなかった さらに 政党自体が積極的に行動に起こすことは珍しいだろう このように 国民が不満に思っていることを主として活動しているみんなの党が 支持を集める結果になったのではないだろうか (3 年 女 )