スライド 1

Similar documents
背部痛などがあげられる 詳細な問診が大切で 臨床症状を確認し 高い確率で病気を診断できる 一方 全く症状を伴わない無症候性血尿では 無症候性顕微鏡的血尿は 放置しても問題のないことが多いが 無症候性肉眼的血尿では 重大な病気である可能性がある 特に 50 歳以上の方の場合は 膀胱がんの可能性があり

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

耐性菌届出基準

染症であり ついで淋菌感染症となります 病状としては外尿道口からの排膿や排尿時痛を呈する尿道炎が最も多く 病名としてはクラミジア性尿道炎 淋菌性尿道炎となります また 淋菌もクラミジアも検出されない尿道炎 ( 非クラミジア性非淋菌性尿道炎とよびます ) が その次に頻度の高い疾患ということになります

泌尿器科救急

尿路結石が 突然増悪する強烈な側腹部痛で来院すると思い込んでいたのが一番の誤診の原因だったと思う 症状を説明できるような水腎が無いと一時点で思考停止してしまったのも良くなかった 夜間に腹痛が増悪し 来院時には軽減 ~ほぼ消失していることらから 繰り返し増悪するエピソードを説明できるような診断を付けな

2. 転移するのですか? 悪性ですか? 移行上皮癌は 悪性の腫瘍です 通常はゆっくりと膀胱の内部で進行しますが リンパ節や肺 骨などにも転移します 特に リンパ節転移はよく見られますので 膀胱だけでなく リンパ節の検査も行うことが重要です また 移行上皮癌の細胞は尿中に浮遊していますので 診断材料や

<4D F736F F F696E74202D20318C8E313593FA8D4C90A390E690B C8B90CE29205B8CDD8AB B83685D>

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

当院における結石性腎盂腎炎 について

スライド 1

使用上の注意改訂のお知らせ スピーゲル

<4D F736F F F696E74202D20368C8E313693FA9C4190A390E690B C8B90CE205B8CDD8AB B83685D>

メディカルスタッフのための腎臓病学2版

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

ヘルスケア・スクエア(仮称)設立に向けて

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

Official Overhead Form for Marketing Division

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

2012 年 1 月 25 日放送 歯性感染症における経口抗菌薬療法 東海大学外科学系口腔外科教授金子明寛 今回は歯性感染症における経口抗菌薬療法と題し歯性感染症からの分離菌および薬 剤感受性を元に歯性感染症の第一選択薬についてお話し致します 抗菌化学療法のポイント歯性感染症原因菌は嫌気性菌および好

スライド 1

第 7 章 腎 泌尿器領域 (a) : すべての専門医が到達すべき知識 技術 (b) : すべての専門医が, さらに高度の専門性を獲得するために到達すべき知識 技術 (c) : 該当する領域において, 専門医が到達すべき知識 技術 (d) : 該当する領域において, 専門医がさらに高度の専門性を獲得


抗菌薬の殺菌作用抗菌薬の殺菌作用には濃度依存性と時間依存性の 2 種類があり 抗菌薬の効果および用法 用量の設定に大きな影響を与えます 濃度依存性タイプでは 濃度を高めると濃度依存的に殺菌作用を示します 濃度依存性タイプの抗菌薬としては キノロン系薬やアミノ配糖体系薬が挙げられます 一方 時間依存性

Microsoft Word - CDDP+VNR患者用パンフレット doc

は減少しています 膠原病による肺病変のなかで 関節リウマチに合併する気道病変としての細気管支炎も DPB と類似した病像を呈するため 鑑別疾患として加えておく必要があります また稀ではありますが 造血幹細胞移植後などに併発する移植後閉塞性細気管支炎も重要な疾患として知っておくといいかと思います 慢性

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

<4D F736F F D B E D F28DDC82C982E682E FE18A5182C982C282A282C42E646F63>

3 尿意切迫感 : 急に起こり抑えられない強い尿意で我慢することができないという愁訴である. 水に触れたり, 流れる音を聞いたり, 水の流れを見たりすると誘発されることが多い. 正常者が感じる排尿を我慢していて徐々に増強する強い尿意とは異なり, 予測できない突然起こる強い尿意である. 4 切迫性尿失

Microsoft PowerPoint - 北摂(VCUG).ppt

<4D F736F F D204E6F2E342D F28DDC91CF90AB8BDB82C982C282A282C482CC C668DDA94C5816A F315F372E646F63>

BMP7MS08_693.pdf

Microsoft Word - todaypdf doc

前立腺の変化を知る

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

2012 年 2 月 29 日放送 CLSI ブレイクポイント改訂の方向性 東邦大学微生物 感染症学講師石井良和はじめに薬剤感受性試験成績を基に誰でも適切な抗菌薬を選択できるように考案されたのがブレイクポイントです 様々な国の機関がブレイクポイントを提唱しています この中でも 日本化学療法学会やアメ

クリックしてタイトルを入力

生理学 1章 生理学の基礎 1-1. 細胞の主要な構成成分はどれか 1 タンパク質 2 ビタミン 3 無機塩類 4 ATP 第5回 按マ指 (1279) 1-2. 細胞膜の構成成分はどれか 1 無機りん酸 2 リボ核酸 3 りん脂質 4 乳酸 第6回 鍼灸 (1734) E L 1-3. 細胞膜につ

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

Microsoft PowerPoint - 18年10月15日舛森先生(排尿機序).pptx

57巻S‐A(総会号)/NKRP‐02(会長あいさつ)

<4D F736F F F696E74202D204E6F2E395F8FC78CF390AB AB490F58FC75F E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

腹腔鏡下前立腺全摘除術について

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

第10回 感染制御部勉強会 「症例から考える感染症診療」

第16回日本臨床腫瘍学会学術集会 共催セミナー報告集

Microsoft Word - sa_niflec_ doc

血尿診断ガイドライン


尿検査のみかた、考えかた


60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起

検査項目情報 1223 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4E. 副腎髄質ホルモン >> 4E040. メタネフリン分画 メタネフリン分画 [ 随時尿 ] metanephrine fractionation 連絡先 : 3495 基本情報 4E040 メタネフリン分画分析物

< A815B B83578D E9197BF5F906697C38B40945C F92F18B9F91CC90A72E786C73>

Microsoft Word - 31荒川_尿路感染症.doc

改訂の理由及び調査の結果直近 3 年度の国内副作用症例の集積状況 転帰死亡症例 国内症例が集積したことから専門委員の意見も踏まえた調査の結果 改訂することが適切と判断した 低カルニチン血症関連症例 16 例 死亡 0 例

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

PowerPoint プレゼンテーション

プライマリーケアのためのワンポイントレクチャー「抗菌薬③」(2017年5月17日開催)

ふくじゅおもて面1

2009年8月17日

2014 年 10 月 30 日放送 第 30 回日本臨床皮膚科医会② My favorite signs 9 ざらざらの皮膚 全身性溶血連鎖球菌感染症の皮膚症状 たじり皮膚科医院 院長 田尻 明彦 はじめに 全身性溶血連鎖球菌感染症は A 群β溶連菌が口蓋扁桃や皮膚に感染することにより 全 身にい

スライド 1

検査項目情報 6154 一次サンプル採取マニュアル 4. 内分泌学的検査 >> 4E. 副腎髄質ホルモン >> 4E016. カテコールアミン3 分画 カテコールアミン3 分画 [ 随時尿 ] catecholamines 3 fractionation 連絡先 : 3764 基本情報 4E016

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd

TDMを活用した抗菌薬療法

5. 乳がん 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専門 乳房切除 乳房温存 乳房再建 冷凍凝固摘出術 1 乳腺 内分泌外科 ( 外科 ) 形成外科 2 2 あり あり なし あり なし なし あり なし なし あり なし なし 6. 脳腫瘍 当該疾患の診療を担当している診療科名と 専

Transcription:

腎 泌尿器 ( 教科書 380-381 ページ ) 腎の血管系心臓から排出された血液の約 1/4 が 腹部大動脈 腎動脈 腎臓 ( ネフロン ) 腎静脈 下大静脈 尿路系 : 生成された尿を体外へ排出する 腎髄質 ( 尿細管と集合管 ) 腎杯 腎盂 腎盂尿管移行部 尿管 ( 教科書 380 ページ ) 膀胱膀胱平滑筋 ( 排尿筋 ) 内尿道括約筋 外尿道括約筋交感神経 ( 蓄尿 ): 排尿筋弛緩内尿道括約筋収縮副交感神経 ( 排尿 ): 排尿筋収縮内尿道括約筋弛緩 1

尿路感染症 ( 教科書 433~437 ページ 今日の治療薬 25 ページ ) 一般的には 急性に経過するものは大部分が単純性で 慢性に経過するものの多くは複雑性である 原因菌 大腸菌 ( 約 70 %) ブドウ球菌 腸球菌 クレブシエラ プロテウス 2

診断尿路に感染があることの確認 感染部位の決定 基礎疾患の診断 尿検査 尿培養検査 尿沈渣を 400 倍視野で観察したときに 1 視野に 5 個以上の白血球が認められる 尿 1 ml 中の細菌が 10 5 個以上ある 急性膀胱炎 尿路感染症の中で最も多い 大腸菌によるものが大多数である 3 主徴 : 排尿痛 ( 軽症では排尿時不快感程度 ) 頻尿 ( ひどいと 10 分おきになり 1 回排尿量は少なく残尿感が強い ) 尿混濁腎盂腎炎を合併しない限りは 発熱 白血球増多などの全身症状は伴わない 3

慢性膀胱炎急性膀胱炎と同様の症状 所見がみられるが 一般に軽度である 前立腺肥大症 神経因性膀胱 膀胱結石などの基礎疾患を伴い 高齢者に多い 急性腎盂腎炎 急性単純性腎盂腎炎は 多くは女性に起こる 膀胱からの菌の逆行性波及 血行性到達が主な経路である 起因菌の大部分は大腸菌である 腎盂腎炎の誘因 : 膀胱尿管逆流症 糖尿病 尿路結石など症状 : 悪寒 戦慄 発熱 腰痛 膀胱炎症状など検査所見 : 末梢血白血球増多 血沈亢進 CRP 陽性など 慢性腎盂腎炎 尿路に基礎疾患があるために起こる 原因菌は大腸菌以外が多い 急性憎悪期には急性腎盂腎炎と同様の症状 所見を示すが それ以外の時期には発熱も軽度で 尿中白血球数も少ない 4

基礎疾患の診断 1 前立腺肥大症や前立腺がん 尿道狭窄などの下部尿路通過障害 2 水腎症や膀胱尿管逆流症などの上部尿路通過障害 3 神経因性膀胱のように残尿を発生させる疾患 4 尿路結石 腫瘍のように尿路に対して異物として作用する疾患 5

尿路感染症の治療主体は抗菌化学療法である 1 原因菌に対して強い抗菌力を有する薬 2 腎組織内 尿中濃度が高い すなわち腎排泄型の薬 3 腎への副作用が少ない薬 単純性尿路感染症は化学療法のみで治癒可能複雑性尿路感染症は化学療法のみでなく 基礎疾患に対する治療を行う必要がある 薬剤感受性試験 最少発育阻止濃度 (MIC) ディスク感受性試験 : 臨床で広く用いられている 6

治療薬の選択 1 急性単純性膀胱炎ニューキノロン薬 経口ペニシリン薬 経口セフェム薬 2 急性単純性腎盂腎炎ニューキノロン薬 ( トスフロキサシン フレロキサシン レボフロキサシンなど ) 新経口セフェム薬 ( セフジニル セフテラムピボキシルなど ) の経口投与を行う 全身状態不良または経口摂取が困難なとき 菌血症を併発していると考えられる症例では 入院の上 セファゾリンなどの第一世代またはセフメタゾールなどの第二世代の注射用セフェム薬を用いる 3 複雑性尿路感染症治療前に尿培養を行い 起因菌を同定する 起因菌の種類 薬剤感受性試験の成績を参考に治療薬を選択する 7

抗菌薬ペニシリン系薬 : 細胞壁のペプチドグリカンの合成を阻害アンピシリン バカンピシリン アモキシシリン セフェム系薬 : 細胞壁のペプチドグリカンの合成を阻害第一世代 : セファレキシン セフロキサジン セファクロル第二世代 : セフロキシム セフォチアム第三世代 : セフジニル セフチブテン セフィキシム テトラサイクリン系薬 : タンパク質合成阻害テトラサイクリン ドキシサイクリン ミノサイクリン クロラムフェニコール系薬 : タンパク質合成阻害クロラムフェニコール アミノグリコシド系薬 : タンパク質合成阻害カナマイシン ゲンタマイシン トブラマイシン ジベカシン アミカシン マクロライド系薬 : タンパク質合成阻害エリスロマイシン クラリスロマイシン アジスロマイシン キノロン系薬 : トポイソメラーゼ阻害ナリジクス酸 ピペミド酸 ニューキノロン系薬 : トポイソメラーゼ阻害ノルフロキサシン オフロキサシン レボフロキサシン シプロフロキサシン 8

( 教科書 436 ページ ) 9

尿路結石 ( 教科書 438~443 ページ ) 腎 尿路結石に罹患する患者は 日本では年間約 11 万人であり 生涯罹患率は 約 20 人に 1 人である 男性に多くみられる疾患である 尿路結石の形成機序尿路結石の成因は非常に複雑で まだ不明な点が多い 腎尿細管や集合管で結晶が析出して核ができ 尿流の停滞やさまざまな要因でこの核が成長 凝縮して大きくなり 結石が形成されると考えられている 10

結石形成を促進する因子 尿流の停滞 尿路感染症 長期臥床 食事 内分泌 代謝異常 薬剤性 結石形成阻止因子 クエン酸 マグネシウムイオンが尿中に存在 11

尿路結石の成分 1 カルシウム結石 ( シュウ酸 Ca, リン酸 Ca) 日本では 85% を占める 特発性が多い 副甲状腺機能亢進症 2 感染結石尿素分解菌によりアンモニア生成 ( 尿がアルカリ性 ) リン酸マグネシウム アンモニウム形成 ( 不溶性 ) 3 尿酸結石酸性尿では尿酸の溶解度が低下し 結晶化しやすい 男性に多い 4 シスチン結石シスチン尿症 ( 常染色体劣性遺伝による疾患 ) 12

尿路結石の病態尿路結石症が臨床症状 疼痛 ( 仙痛発作 ) 尿路感染症 腎機能障害 早期診断 早期治療が大切 13

尿路結石の診断 症状からみた診断 1 疼痛 ( 背部から側腹部 下腹部への痛み = 仙痛発作 ) 2 血尿 3 結石排出 尿管の生理的狭窄部 1 腎盂尿管移行部 2 総腸骨動脈との交差部 3 膀胱壁内尿管 結石が尿路を塞ぐ 腎で生成された尿の通過障害 腎盂内圧が上昇して腎被膜が進展し疼痛をきたす 14

臨床検査 レントゲン所見 1 尿所見血尿 (20 % が肉眼的血尿 80 % が顕微鏡的血尿 ) 尿路感染症合併時には 尿沈渣に白血球がみられる リン酸マグネシウムアンモニウム結晶 ( アルカリ尿 ) 尿酸 尿酸塩 ( 酸性尿 ) 15

2 レントゲン所見 腹部単純 X 線撮影 (KUB): 腎部 (Kidney) 尿管 (Ureter) 膀胱 (Bladder) 排泄性尿路造影 (IVP: 静脈性腎盂造影 ) 超音波検査 ( 腎エコー ) CT 約 85 % の尿路結石を検出可尿酸結石 シスチン結石などは X 線透過性が良いので描出されない (X 線陰性結石 ) 静脈投与された造影剤が腎から排泄される際に 腎盂 尿管 膀胱を造影 X 線陰性結石の診断にも適している 結石は音響陰影を生じることで診断可能 低侵襲でくりかえし検査できる 小さい結石 (2-3 ミリ以下 ) や X 線陰性結石 水腎症を診断できる 16

3 血液 尿検査所見尿路結石は再発しやすいので その原因を診断することが重要である 原因を診断する方法 結石成分分析 尿 ph 血液 尿の生化学的 内分泌検査 血中カルシウム値 カルシウム代謝に関与する上皮小体ホルモンの測定畜尿中のカルシウム濃度測定による 1 日排泄量測定尿酸結石では血中尿酸測定 17

4 尿路の基礎疾患尿路の通過障害は 尿流の停滞を起こし 結石形成の原因となる 上部尿路の通過障害 下部尿路の通過障害 画像診断によって確認する 腎盂尿管移行部狭窄 前立腺肥大症 尿道狭窄 神経因性膀胱 18

尿路結石の治療 救急処置 仙痛発作 仙痛発作抑制薬 抗コリン薬アトロピン ( 尿管攣縮抑制 ) 非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) ジクロフェナク ロキソプロフェン酸ナトリウム 麻薬拮抗性鎮痛薬 ペンタゾシン ( 疼痛がひどい時 ) 発熱ー腎盂腎炎の合併が考えられるので 入院治療を行う 抗生物質の点滴治療 悪心 嘔吐ー経口的に水分補給できない時には 点滴により水分補給 19

自然排石促進 結石が長径 10 mm 短径 6 mm 以下なら自然排石が期待できる 1 日尿量が 2 L 以上になるように水分を摂取する 外科的治療 体外衝撃波結石破砕術 (ESWL): 外科治療の第一選択法 90% 以上がこの単独治療で治癒 経皮的腎結合摘除術 (PNL) 尿路結石摘除術 (TUL) 再発予防 尿路結石の 70~80 % を占めるカルシウム結石は ほとんどが特発性で 再発予防の決め手はない 結石予防のため 食事療法を行う 20

その他 結石排出促進薬 結石再発予防薬 漢方 植物製剤 サイアジド系利尿薬 アドレナリン α 1A 受容体遮断薬 酸性尿改善薬 ウラジロガシエキス ヒドロクロロチアジド トリクロルメチアジド体液量減少 Ca 再吸収増加 管腔内 Ca 濃度低下 尿中 Ca 排泄抑制 タムスロシン ( 保険適用外 ) クエン酸 K クエン酸 Na 尿酸結石 シュウ酸カルシウム結石の再発予防 ( 保険適用外 ) 痛風ならびに高尿酸血症における酸性尿の改善 ( 保険適用 ) 21