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宮崎医会誌第 37 巻第 1 号 213 年 3 月 扁桃摘出術 IgA 腎症患者数 ( 例 ) ステロイド療法 (ST) レニン アンシ オテンシン系阻害薬 (RAS-I) 1 8 6 4 2 経口静注パルス 1981-85 1986-9 1991-95 1996-21-5 26-1 ( 年 ) 図 2. 第一内科における IgA 腎症への初期治療の変遷. 扁桃摘出術は,198 年代初期より開始し, また, その施行率が高い (>5% で実施 ). ステロイド療法は,199 年代初期より開始し,199 年代半ばから静注パルス療法を積極的に施行している. 扁摘パルス併用群 (n = 35) パルス単独群 (n = 2) 1% 8% 6% 4% 2% % 1% 8% 6% 4% 2% % 尿潜血スコア 3 6 12 18 24 Final ( 対応する尿定性 ) 3 (>3+) 2 (2+) 1 (1+) (-or+/-) 3 6 12 18 24 Final 治療開始後期間 ( 月 ) 図 3. 扁摘パルス併用療法とステロイドパルス単独療法の非ランダム化比較試験における尿潜血の推移. 治療開始 24 ヶ月後の尿潜血陰性化率は 79.4% vs. 17.6% と, 扁摘パルス併用療法群で約 4 倍の寛解率であった. 扁桃摘出術を耳鼻咽喉科に依頼し施行してきた ( 図 2) そして, 軽症患者では尿所見が改善することを経験してきた その後, 免疫複合体病に対する治療としてステロイド療法, さらに糸球体高血圧の改善と増殖因子としてのangiotensin IIの抑制を目的にレニン アンジオテンシン系阻害薬の併用も行ってきた 1998 年, 小松ら 1) は当科のIgA 腎症 237 例を後方視的に検討し, 蛋白尿, 血清クレアチニン値, 腎組織障害度が予後因子として, 扁桃摘出術とステロイド療法が治療因子として腎生存率に寄与することを報告した その後, 生検時血清クレアチニン値 2.mg/dl 未満のIgA 腎症患者 55 例を対象に, 扁桃摘出術にステロイドパルス療法とその後の経口ステロイド薬を併用した群 ( 扁摘パルス併用群,n=35) とステロイドパルス療法とその後の経口ステロイド薬のみで治療した群 ( ステロイドパルス単独群,n =2) の非ランダム化比較試験の結果をまとめた 2) 尿蛋白および尿潜血の陰性化率は, それぞれ, 76.5% vs. 41.2%,79.4% vs. 17.6%( 図 3) と扁摘パルス群で良好であった Cox 比例ハザードモデルによる検討で, 扁摘パルス療法は, 尿蛋白寛解に寄与する有意な因子であった ( ハザード比 6.2,95% 信頼区間 1.98 19.5,p=.2) エビデンスを集めて作成されたCKD 診療ガイドライン29 3) では, 扁摘パルス併用療法は IgA 腎症の蛋白尿を減少させ, 腎機能障害の進行を抑制す る可能性がある として記載されている ( グレード C: 行うよう勧めるだけの根拠が明確でない ) しかし, その後に IgA 腎症に対する扁桃摘出術とステロイドパルス療法の有効性に関する多施設ランダム化比較試験 が進行性腎障害に関する調査研究班で行われ, 扁摘パルス併用療法の尿所見寛解に対する有効性が確認されている ( 論文投稿中 ) 難治性ネフローゼ症候群 膜性腎症を中心に成人のネフローゼ症候群の原因としては, 微小変化群と膜性腎症が多く, 二次性 ( 続発性 ) 糸球体疾患を除くと, この2つのタイプで約 3/4を占めている ( 図 4) 4) このうち, 微小変化型ネフローゼ症候群は, ステロイド薬への反応性は良好であるが, 再発が多いためにステロイド薬が長期に継続投与されている症例も少なくない ステロイドパルス療法は尿蛋白寛解までの日数を短縮できるが, 経口ステロイド薬による治療に比べて再発率が高いことを当科の福留ら 5) は報告している 一方, 膜性腎症によるネフローゼ症候群は, 緩徐な発症様式で中高年に多い 腎機能が保たれる症例と透析に至る症例が混在し, ステロイド薬への反応は遅い, あるいは抵抗性である 我が国のアンケート調査では, 治療に対する反応が不良であった症例 ( 不完全寛解 II, あるいは無効例 ) の15 年腎生存率は約 5% であったと報告されている 6) 我々は寛解 2

図 4. 一次性糸球体疾患によるネフローゼ症候群の病型分類 (n=732). 腎臓病総合レジストリー J-RBR(Japan renal biopsy registry)27 29.( 文献 3 から引用 ) 全膜性腎症 ネフローゼ症候群 ( 原発性 ) 初期治療例 膜性腎症 37.8% [I] [II] [III] 31 例 23 例 15 例 1979 1985 1987 21 経口ステロイド薬 (PSL) と, その後のシクロフォスファミド (CY) 微小変化群 85 例 57 例 28 例 PSL 隔日投与 + CY Jpn J Nephrol 3:27-31, 1988 Intern Med 43:3-34, 24 44 例 4 例 25 例 28 少量 PSL + シクロスポリン (CYS-A) 図 5. 第一内科における膜性腎症への初期治療の変遷. ステロイド薬とシクロホスファミドの併用療法から, ステロイド薬とシクロスポリンの併用療法へ移ってきた. を目指すために,197 年代より経口ステロイド薬に加え, シクロホスファミドの併用を行ってきた 7) ( 図 5) その後, ステロイド投与量の減量と入院期間の短縮を目的に, 初期治療からシクロホスファミド連日投与とプレドニゾロン隔日投与による併用療法を行った 初発例での検討では,24 ヶ月後には 9% 以上が不完全寛解 I 以上 ( 完全寛解 79%) と良好な治療成績であった 8) ( 図 6) 2 年代になって, 免疫抑制薬としてアルキル薬であるシクロホスファミドの使用は控え, 骨髄抑制作用を含めた副作用がマイルドなカルシニューリン阻害薬であるシクロスポリンが使用されるようになってきた? Cumulative percentage (%) 累積寛解率 of remission (%) a) 1 8 6 4 2 藤元 昭一 : 最近の腎疾患の治療 3 6 12 18 24 Months 治療開始後の月数 after start of therapy ( 不完全寛解 Ⅱ, 11% または, 無効 ) 11% ( 不完全寛解 Ⅰ) 79% ( 完全寛解 ) 図 6. 膜性腎症によるネフローゼ症候群に対する, プレドニゾロンとシクロホスファミド併用療法による効果.24 ヶ月後には,9% の症例が不完全寛解 Ⅰ 以上 ( 完全寛解 79%) であった. 本剤はT 細胞を介した免疫学的効果に加え, 腎上皮細胞アクチン線維束 (synaptopodin) への直接作用により, 蛋白尿抑制効果がある また, 本剤は血中濃度測定が可能なため, 効果と副作用を考えた投与量を調節できる点で, 従来の免疫抑制薬に比べると使いやすい 我々も 2 年代の後半から, シクロスポリン ( 朝 1 回空腹時経口投与 ) と少量ステロイド薬の併用療法を行っている 現在, シクロスポリンの血中濃度を, 服用直前 ( トラフ濃度 ), 服用後 1 時間および2 時間にチェックして,Absorption Profiles と治療効果の関連について検討している 急速進行性糸球体腎炎症候群 (RPGN) 抗好中球細胞質抗体(ANCA) 関連腎炎を中心に RPGNは, 急性あるいは潜在性に発症する血尿, 蛋白尿, 貧血, 急速に進行する腎不全症候群を総称している RPGNは, わが国では透析導入原疾患の第 5 位であり, その多くは, 好中球細胞質内の myeloperoxidase に対する抗体 (MPO-ANCA) を血中に認めるANCA 関連血管炎が原因である このANCA 関連腎炎は, 血尿を含む尿所見異常 ( 腎炎性尿所見 ) で始まり, しばしば全身症状 ( 発熱, 倦怠感など ) や炎症所見 ( 血沈亢進,CRP 陽性 ) を伴い, 比較的急速に腎不全へと進展する高齢者の代表的腎疾患である 早期発見が, 透析導入率の抑制, 生命予後の改善に繋がるため, 厚生労働省進行性腎障害に関する調査研究班より診断指針が示されている ( 図 7) また, 臨床所見をスコア化することに 3

宮崎医会誌第 37 巻第 1 号 213 年 3 月急速進行性腎炎症候群早期発見のための診断指針 1) 尿所見異常 ( 主として血尿や蛋白尿, 円柱尿 ) 2) egfr < 6 ml/min/1,73m 3) CRP 高値か赤沈亢進急速進行性腎炎症候群確定診断指針 1) 数週から数か月の経過で急速に腎不全が進行する. 2) 血尿, 蛋白尿, 円柱尿などの腎炎性尿所見を認める. 3) 臨床症候や腎臓超音波検査,CTなどにより, 腎のサイズ, 腎皮質の厚さ, 皮髄境界, 尿路閉塞などのチェックにより, 慢性腎不全との鑑別も含めて, 総合的に判断する. 図 7. 急速進行性腎炎症候群 (RPGN ; Rapidly Progressive Glomerulonephritic Syndrome) の診断. 上記は実地医家のため, 下記は専門医のための診断指針を示している.( 急速進行性腎炎症候群診断指針第 2 版より引用 ) 図 9. 日本 ( 宮崎 ) と英国 (Norfolk) の ANCA 関連血管炎発症率の比較.25 年 29 年の発症率に差異はなかったが, 原因疾患は宮崎では顕微鏡的多発血管炎,Norfolk では多発血管炎性肉芽腫症 (GPA) の頻度が高いという違いが見られた. 累積生存率 (%) 1 8 6 累積生存率 4 2 Grade I (n=14) Grade II (n=26) Grade III + IV(n=16) 1 2 3 4 5 6 7 時間 死亡までの月数 MPO-ANCA 陽性の顕微鏡的多発血管炎による RPGNが極めて多いことを, 我々は英国との国際比較研究で明らかにしている 1, 11) ( 図 9) すなわち, 欧米の標準治療を日本の症例に当てはめることには問題があり, わが国における適切な治療法の確立が必須と思われる 日本では高齢者が多く, 死亡例の多くは感染症であること, 欧米と比べると腎予後が悪い可能性があることなども含め, 従来の免疫抑制療法に変わる新たな治療法の開発 ( 例えば, アフェレーシス療法の併用など ) も必要と考えている 図 8. 臨床所見学的重症度別の生存率の比較.Grade が高くなるほど, 生命予後は悪かった (p<.1, Kaplan-Meier 法 ). より ( 血清クレアチニン, 年齢, 肺病変の有無, CRPの4 項目を 3 点にスコア化 ), 臨床所見重症度 (Grade I IV) を評価すると, 生存率は Gradeが高くなるほど, 悪いことが示されている 当科の上園ら 9) の検討でも,Grade III, IVでは予後は悪く, 早期発見と感染症対策の重要性が認識された ( 図 8) 欧州では, 多くのランダム化比較試験に基づき, 重症度別の標準治療が確立されつつある しかし, 欧米ではPR3-ANCA( 好中球のprotease 3に対する抗体 ) 陽性の多発血管炎性肉芽腫症 ( ウェゲナー肉芽腫症 ) が多いのに対し, わが国では 腎疾患の進展における point of no return(pnr) 我々腎臓専門医の大きな使命の一つは, 患者の腎不全への進展を食い止めることである 多くの腎臓病は, 原因は何であれ, ある一点を越えると共通経路を辿って末期腎不全まで進展すると考えられている 例えば, 慢性の薬剤性腎障害で血清クレアチニン値が5mg/dlとなった時点で, 原因としての薬剤を中止しても末期腎不全への進展は防げない 数多くの治療も, 早期に行わなければ, 有効でない可能性がある 当科の佐藤ら 12), 小松ら 13) は, ある一点を越えると腎機能が後戻りできない, いわゆる point of no return(pnr) の存在と腎機能障害進展に関与する因子について検討を行った 初診時, 腎機能障害を認め,3 年以上末期腎不全に至ることなく観察できた患者の腎機能の経過を調べた その 4

藤元 昭一 : 最近の腎疾患の治療 血清クレアチニ (mg/dl) 8. 7. 6. 5. 4. 3. 2. 1. 5 1 15 2 25 ( 月 ) 図 1. 初診時, 軽度の腎機能障害 ( 血清クレアチニン ; SCr 1.2 2.mg/dl) を認め,3 年以上末期腎不全に至ることなく観察できた IgA 腎症患者 47 例の長期にわたる腎機能の経過.SCr が 2.mg/dl を超えると, 腎機能は元に戻ることができない可能性がある (IgA 腎症の Point of No Return は SCr 2.mg/dl). 結果,IgA 腎症においても ( 図 1), その他の疾患においても,PNRは血清クレアチン値 2.mg/dlと推定され, そのレベルに達するまでの血圧コントロールが腎機能障害の進展予防のために重要であることが示唆された おわりに 糸球体腎炎においても, さらにはCKD 全般においても, 早期に発見し, 早期に適切な治療をすることで, 腎不全への進展を食い止めることができる時代となってきたと言える 今後も, さらに副作用も少なく, 患者への負担も少ない有効な治療であるかを考えながら, エビデンスのある治療法を目指していきたい 参考文献 1) Komatsu H, Fujimoto S, Hara S, et al. Multivariate analysis of prognostic factors and effect of treatment in patients with IgA nephropathy. Ren Fail. 25 ; 27 : 45-52. 2) Komatsu H, Fujimoto S, Hara S, et al. Effect of tonsillectomy plus steroid pulse therapy on clinical remission of IgA nephropathy : a controlled study. Clin J Am Soc Nephrol 28 ; 3 : 131-7. 3) エビデンスに基づく CKD ガイドライン 29,9. IgA 腎症. 日本腎臓学会編. 東京医学社, 東京,29 : 15-113. 4) 厚生労働省難治性疾患調査研究進行性腎障害に関する調査研究班, 難治性ネフローゼ症候群分科会. ネフローゼ症候群診療指針. 日腎会誌 211 ; 53 : 78-122. 5) Fukudome K, Fujimoto S, Sato Y, et al. Comparison of the effects of intravenous methylprednisolone pulse versus oral prednisolone therapies on the first attack of minimal-change nephrotic syndrome in adults. Nephrology 212 ; 17 : 263-8. 6) Shiiki H, Saito T, Nishitani Y, et al. Prognosis and risk factors for idiopathic membranous nephropathy with nephrotic syndrome in Japan. Kidney Int 24 ; 65 : 14-7. 7) 藤元昭一, 山本良高, 脇坂治, 他. 膜性腎症によるネフローゼ症候群の予後の検討. 日腎会誌 1988 ; 3 : 687-93. 8) Fujimoto S, Hara S, Sato Y, et al. Nephrotic syndrome caused by membranous nephropathy : response to a short course of cyclophosphamide alternating with prednisolone. Intern Med 24 ; 43 : 3-4. 9) Uezono S, Sato Y, Hara S, et al. Outcome of ANCA-associated primary renal vasculitis in Miyazaki Prefecture. Intern Med 27 ; 46 : 815-22. 1) Fujimoto S, Uezono S, Hisanaga S, et al. Incidence of ANCA-associated primary renal vasculitis in the Miyazaki Prefecture : the first populationbased, retrospective, epidemiologic survey in Japan. Clin J Am Soc Nephrol. 26 ; 1 : 116-22. 11) Fujimoto S, Watts RA, Kobayashi S, et al. Comparison of the epidemiology of anti-neutrophil cytoplasmic antibody-associated vasculitis between Japan and the U.K. Rheumatology 211 ; 5 : 1916-2. 12) 佐藤祐二, 藤元昭一, 山田和弘, 他. 初診時に腎機能障害を有する患者の腎予後に関与する因子の検討. 日腎会誌 23 ; 45 : 372-7. 13) Komatsu H, Fujimoto S, Sato Y, et al. Point of no return (PNR) in progressive IgA nephropathy : significance of blood pressure and proteinuria management up to PNR. J Nephrol 25 ; 18 : 69-5. 5