やまぐち糖尿病療養指導士講習会  第1回 確認試験

Similar documents
Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に

わが国における糖尿病と合併症発症の病態と実態糖尿病では 高血糖状態が慢性的に継続するため 細小血管が障害され 腎臓 網膜 神経などの臓器に障害が起こります 糖尿病性の腎症 網膜症 神経障害の3つを 糖尿病の三大合併症といいます 糖尿病腎症は進行すると腎不全に至り 透析を余儀なくされますが 糖尿病腎症

日本の糖尿病患者数は増え続けています (%) 糖 尿 25 病 倍 890 万人 患者数増加率 万人 690 万人 1620 万人 880 万人 2050 万人 1100 万人 糖尿病の 可能性が 否定できない人 680 万人 740 万人

やまぐち糖尿病療養指導士講習会  第1回 確認試験

糖尿病は 初めは無症状で経過しますが 血糖値の高い状態が長く続くと口渇 多飲 多尿 体重減少 倦怠感などの症状がみられます 糖尿病は自覚症状が乏しいので 血糖値がある程度改善すると 通院しなくなる人がいます 血液検査を行わなければ糖尿病の状態を知ることはできないので 自覚症状だけに頼ってはいけません

3 スライディングスケール法とアルゴリズム法 ( 皮下注射 ) 3-1. はじめに 入院患者の血糖コントロール手順 ( 図 3 1) 入院患者の血糖コントロール手順 DST ラウンドへの依頼 : 各病棟にある AsamaDST ラウンドマニュアルを参照 入院時に高血糖を示す患者に対して 従来はスライ

資料 4 現行の保健医療計画と 疾病 事業及び在宅医療に係る医療体制について に示された糖尿病医療体制構築に係る指針 現行の保健医療計画 第 1 糖尿病医療の概況糖尿病は インスリンの働きが悪いことによって 血液中にブドウ糖があふれた状態が永く続いた結果 全身に様々な悪影響が生じる疾患であり その原

第4章:施策と目標 2:生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(3)糖尿病(4)COPD

中間とりまとめ素案(公的賃貸住宅のあり方について)

やまぐち糖尿病療養指導士講習会  第1回 確認試験

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

第三問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものには を 間違っているものには を ( ) 内に記入してください 1( ) インスリン以外にも血糖値を下げるホルモンはいくつもある 2( ) ホルモンは ppm( 百万分の一 ) など微量で作用する 3( ) ホルモンによる作用を内分泌と呼ぶ

<4D F736F F F696E74202D208E9197BF315F817582C782B182C582E0826C C B4C985E82C98AD682B782E98DEC8BC EF92868AD495F18D902E B8CDD8AB B83685D>

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

37 4

第12回 代謝統合の破綻 (糖尿病と肥満)

A9R284E

■● 糖尿病

糖尿病がどんな病気なのか 病気を予防するためにどんな生活が望ましいかについて解説します また 検診が受けられるお近くの医療機関を検索できます 健康診断の結果などをご用意ください 検査結果をご入力いただくことで 指摘された異常をチェックしたり 理解を深めたりすることができます 病気と診断され これから

糖尿病型と判定する 血糖値が糖尿病型でかつ HbA1c が 6.5% 以上で糖尿病型であれば 糖尿病と診断できる 血糖値が糖尿病型でかつ糖尿病の典型的症状があるか確実な糖尿病網膜症が確認された場合も 糖尿病と診断できる 血糖値は糖尿病型であるが HbA1c6.5% 未満で上記の症状や確実な網膜症がな

インスリンが十分に働かない ってどういうこと 糖尿病になると インスリンが十分に働かなくなり 血糖をうまく細胞に取り込めなくなります それには 2つの仕組みがあります ( 図2 インスリンが十分に働かない ) ①インスリン分泌不足 ②インスリン抵抗性 インスリン 鍵 が不足していて 糖が細胞の イン

スライド タイトルなし

PowerPoint プレゼンテーション

脂質異常症を診断できる 高尿酸血症を診断できる C. 症状 病態の経験 1. 頻度の高い症状 a 全身倦怠感 b 体重減少 体重増加 c 尿量異常 2. 緊急を要する病態 a 低血糖 b 糖尿性ケトアシドーシス 高浸透圧高血糖症候群 c 甲状腺クリーゼ d 副腎クリーゼ 副腎不全 e 粘液水腫性昏睡

図表 糖尿病の患者の状況等 宮城県全国出典 メタボリックシンドローム該当者 予備群割合糖尿病の総患者数 ( 人口比 ) 29.3% 26.2% 62,000 人 3,166,000 人 (2.7%) (2.5%) 特定健康診査 特定保健指導の実施状況に関するデータ ( 平成 27(2

ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

糖尿病経口薬 QOL 研究会研究 1 症例報告書 新規 2 型糖尿病患者に対する経口糖尿病薬クラス別の治療効果と QOL の相関についての臨床試験 施設名医師氏名割付群記入年月日 症例登録番号 / 被験者識別コード / 1/12

(目的)

PowerPoint プレゼンテーション

県計画

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

岡山県糖尿病性腎症 重症化予防プログラム 平成 30 年 3 月 岡山県医師会岡山県糖尿病対策推進会議岡山県糖尿病医療連携体制検討会議岡山県糖尿病対策専門会議岡山県 CKD CVD 対策専門会議岡山県国民健康保険団体連合会岡山県

はじめに徳島県における糖尿病対策は深刻な課題である そのため メディカルスタッフが糖尿病患者の健康と QOL の向上をはかるために 糖尿病とその療養指導に関する正しい知識を得ることは必須である 徳島大学病院と県立中央病院で形成する医療の拠点 ( 総合メディカルゾーン ) は 県民医療の発展 と 地域

稲熊先生-責.indd

透析看護の基本知識項目チェック確認確認終了 腎不全の病態と治療方法腎不全腎臓の構造と働き急性腎不全と慢性腎不全の病態腎不全の原疾患の病態慢性腎不全の病期と治療方法血液透析の特色腹膜透析の特色腎不全の特色 透析療法の仕組み血液透析の原理ダイアライザーの種類 適応 選択透析液供給装置の機能透析液の組成抗

PowerPoint プレゼンテーション

2015年度

Microsoft Word - 44-第4編頭紙.doc

デベルザ錠20mg 適正使用のお願い

【日常生活における注意点】

 今年のスギやヒノキ花粉の飛散は、「少なく」または「非常に少なく」なりそうです

理学療法の臨床と研究第 27 号 2018 年 総説 糖尿病患者に対する理学療法実施の際に必要な知識 * 河江敏広 要旨糖尿病は増加傾向であり 私たち理学療法士でも担当症例に合併症として存在する場合は多いと考えられる しかしながら糖尿病においては使用している薬物の種類や合併症の程度よって留意すべき事

糖尿病がどんな病気なのか 病気を予防するためにどんな生活が望ましいかについて解説します また 検診が受けられるお近くの医療機関を検索できます 健康診断の結果などをご用意ください 検査結果をご入力いただくことで 指摘された異常をチェックしたり 理解を深めたりすることができます 病気と診断され これから

目次 1. 目的 2 2. 人工透析患者の年齢等の分析 3 性別 被保険者 被扶養者 3. 人工透析患者の傷病等の分析 8 腎臓病 併存傷病 平成 23 年度新規導入患者 4. 人工透析 健診結果 医療費の地域分析 13 二次医療圏別 1

「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

PowerPoint プレゼンテーション

メディフィットプラスパンフ_通販用_ ai

14栄養・食事アセスメント(2)

福岡県糖尿病療養指導士 試験問題 (2018 年 ) 基礎問題

PowerPoint プレゼンテーション

書式・記述方法等の統一について

特定の原因によるその他の糖尿病遺伝子の異常によるもの ほかの病気や薬剤に伴って起こるものがあります 妊娠糖尿病妊娠中に初めて発見した又は発症した糖尿病に至っていない糖代謝異常のことを言います 妊娠中はわずかな高血糖でも胎児に影響を与えるため 糖尿病ではなくとも 妊娠糖尿病 と呼びます 妊娠中に胎盤が

虎ノ門医学セミナー

虎ノ門医学セミナー

激増する日本人糖尿病 ( 万人 ) 2,500 糖尿病の可能性が否定できない人 (HbA1c 6.0~6.4) 糖尿病が強く疑われる人 (HbA1c 6.5% 以上 ) 2,210 万人 2,000 1,500 1,000 1,620 万人 1,370 万人 万人 880 万人 +

食欲不振 全身倦怠感 皮膚や白目が黄色くなる [ 肝機能障害 黄疸 ] 尿量減少 全身のむくみ 倦怠感 [ 急性腎不全 ] 激しい上腹部の痛み 腰背部の痛み 吐き気 [ 急性膵炎 ] 発熱 から咳 呼吸困難 [ 間質性肺炎 ] 排便の停止 腹痛 腹部膨満感 [ 腸閉塞 ] 手足の筋肉の痛み こわばり

hanrei.xls

第三問 : 次の認知症に関する基礎知識について正しいものには を 間違っているものには を ( ) 内に記入してください 1( ) インスリン以外にも血糖値を下げるホルモンはいくつもある インスリンが血糖値を下げる唯一のホルモンです 2( ) ホルモンは ppm( 百万分の一 ) など微量で作用する

平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

病気のはなし52_2版1刷.indd

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

スライド 1

Microsoft Word - JAID_JSC 2014 正誤表_ 原稿

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

第1 総 括 的 事 項

スライド 1

減量・コース投与期間短縮の基準

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

血糖 透析開始後の血糖検査 血糖朝食前の血糖値血糖値ですです 正常範囲正常範囲は 70~ mg mg/dl) 7 回血糖検査 1 日に7 回の血糖検査血糖検査をしますをします 透析施設によりにより 検査内容検査内容が異なるなる場合場合もありますもあります ヘモグロビン A1c(HbA c

障害程度等級表 級別じん臓機能障害 1 級 じん臓の機能の障害により自己の身辺の日常生活活動が極度に制限されるもの 2 級 3 級 じん臓の機能の障害により家庭内での日常生活活動が著しく制限されるもの 4 級 じん臓の機能の障害により社会での日常生活活動が著しく制限されるもの

Microsoft Word - ◆HP用 GDMマニュアル v2 PG120上限浅間病院 糖尿病サポートマニュアル.docx

PowerPoint プレゼンテーション

名称未設定-2

<4D F736F F D C AB90748FC78F648FC789BB975C D834F E646F6378>

糖尿病性腎症に合併したネフローゼ症候群の治療

高砂報第170号                    平成18年4月26日

<4D F736F F F696E74202D2091E63589F18FC797E18C9F93A289EF205B8CDD8AB B83685D>

PowerPoint プレゼンテーション

婦人科63巻6号/FUJ07‐01(報告)       M

外科学

糖尿病

糖尿病

Microsoft Word 栄マネ加算.doc

練馬区国保における糖尿病重症化 予防事業について 平成 29 年 3 月 6 日練馬区区民部国保年金課 1 東京都糖尿病医療連携協議会配布資料

メタボリックシンドロームと鍼灸 ‐糖尿病の未病治療の可能性を探る‐

ex

Topline:

カテゴリー別人数 ( リスク : 体格 肥満 に該当 血圧 血糖において特定保健指導及びハイリスク追跡非該当 ) 健康課題保有者 ( 軽度リスク者 :H6 国保受診者中特定保健指導外 ) 結果 8190 リスク重なりなし BMI5 以上 ( 肥満 ) 腹囲判定値以上者( 血圧 (130 ) HbA1

現況解析2 [081027].indd

Module06.ec8

福井県糖尿病性腎症重症化予防プログラム福井県医師会福井県糖尿病対策推進会議福井県 1 趣旨 目的本プログラムは福井県医師会 福井県糖尿病対策推進会議および福井県の三者で策定し 県内の医療保険者 ( 以下 保険者 という ) が医療機関と連携して糖尿病性腎症等の重症化予防の対策が容易となるよう基本的な

医療法人将優会 将優会 クリニックうしたに

10050 WS2-3 ワークショップ P-129 一般演題ポスター症例 ( 感染症 ) P-050 一般演題ポスター症例 ( 合併症 )9 11 月 28 日 ( 土 ) 18:40~19:10 6 分ポスター会場 2F 桜 P-251 一般演題ポスター療

糖尿病の薬について 糖尿病とうまく付き合うために薬を知ろう

《印刷用》ためしてガッテン:糖尿病が完治する!? すい臓を復活させる薬

小松市医師会糖尿病連携推進協議会の取り組み 受診につなげる取り組み 1) 特定健診後 小松市からの受診勧奨 2) 地区別健康懇談会 等 3) 一般社団法人小松能美薬剤師会が主導した 薬局での血糖測定のモデル事業 合併症発症予防の取り組み 4) 診療所における栄養指導 運動指導の強化ー小松市の試みー

肝疾患に関する留意事項 以下は 肝疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあたって ガイド ラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 肝疾患に関する基礎情報 (1) 肝疾患の発生状況肝臓は 身体に必要な様々な物質をつくり 不要になったり 有害であったりす

Transcription:

平成 30 年度山口県糖尿病療養指導士講習会第 3 回確認試験 療養指導の基本 ( 患者教育 ) 1. 教育目標を設定する上で正しいものはどれか a. 教育目標の設定には 過去の自己管理行動は評価する必要はない b. 教育の対象者は 患者のみに限られる c. 教育内容は 何を教えるか のみが重要である d. 個々の目標は 各患者の負担になるので設定しない e. 教育目標は 療養上必要なこと 患者が何を知りたいと思っているか どうなりたいと願っているかを理解した上で行動目標を設定する 2. 患者教育の原則で誤っているものはどれか a. 患者と医療スタッフとの信頼関係の鍵は 患者に対して否定的判断や一方的な働きかけを避け 患者の感情や考えに耳を傾け共感を示すことが大切である b. 患者と医療スタッフとの信頼関係は 患者が安心して話せる環境づくりが大切になってくる c. 糖尿病の患者教育は 昔ながらの受動的な知識授受型の教育が有効である d. 患者と医療スタッフとの信頼関係を築くには 糖尿病療養指導士はよきパートナーとして患者の立場に立ち援助することが大切である e. コミニュニケーション技術は 開かれた質問 が代表的である 3. 糖尿病患者の治療が困難な理由の 1 つは糖尿病が正しく理解されていないことであり 動機づけが困難な理由として挙げられているものはどれか 正しいものを選べ (1) 食事 運動療法の遵守不良が直ちに悪化に結びつかないため (2) 糖尿病は遺伝によるものと思っているため (3) 自覚症状が顕著に出ているため (4) 教育入院経験がないため (5) 合併症所見と代謝調整の指標とが一致しないため a.(1)(2) b.(2)(3) c.(1)(5) d.(1)(4) e.(4)(3) 1

4. 動機づけのための教材として活用されるもので 誤っているものはどれか a. ビリーフ質問表 b. 心拍モニター c. グラフ化体重日記 d. 糖尿病連携手帳 e. 体験談集 5. 療養指導士の評価で正しいものはどれか a. 糖尿病に関する新しい知識の習得を自ら得る機会を得たかは自己評価には関係がない b. 他者からの評価は 同じ職種の人からの評価のみで良い c. 客観的評価の方法として 療養指導の評価は 患者の行動変容の有無のみで評価する d. 糖尿病昏睡や合併症の悪化などの入院回数の減少は 客観的評価法にはならない e. 自己評価を行う上で 療養指導に研究的に取り組み 自ら責任をもって発表することも必要 2

ライフステージ別の課題と療養指導 6. 高齢期糖尿病患者の診療において正しいものはどれか (1) 高齢者では特別な運動がない限りは標準体重 1 kg当たり 35~40kcal が適当 (2) 患者本人の理解力が低下していても 個人情報保護に抵触するため介護者に対して療養指導をしてはならない (3) 口渇など自覚症状の訴えが少なく 高血糖により容易に脱水に陥る (4) 高齢者では動悸 冷汗などの低血糖症状が出現しにくい (5) 高齢者の糖尿病昏睡は糖尿病性ケトアシドーシスによる昏睡が多く 高血糖高浸透圧症候群はまれである 7. 学齢期の糖尿病患児およびその指導について誤っているものはどれか (1) 小学校低学年の目標は 自分で異常 ( 低血糖 ) を周囲に訴えることができることである (2) 小学校高学年の目標は 自己血糖測定やインスリン自己注射ができることである (3) 中学生の目標は 病気を正しく理解し 病気や自己管理について周囲に説明できることである (4) 厳格な食事療法のため 特別メニューの給食を用意してもらうかまたは弁当を持参する (5) 特別な疾患なので 修学旅行やクラブ活動には参加すべきではない 8. 下記のうち正しいものはどれか (1) 妊娠糖尿病 (GDM) の定義は 妊娠中に初めて発見または発症した糖尿病 である (2) 妊娠糖尿病 (GDM) のスクリーニングとして 妊娠各期に繰り返し空腹時血糖値を測定する (3) 糖尿病合併妊娠では 妊娠中のインスリン需要量は増大する (4) 妊娠糖尿病 (GDM) の母体は将来糖代謝異常や糖尿病になる率が高い (5) 糖尿病合併妊娠では 妊娠時に糖尿病網膜症は改善することが多い 3

9. 思春期の糖尿病患者ならびにその指導について誤っているものはどれか (1) 成人期以降の療養行動のあり方や 合併症リスクに重要な影響を与える時期である (2) 希望校への進学を糖尿病であることを理由に諦める必要はない (3) 低血糖発作で人身に危険が生じる職業を避けることが賢明であることを伝える (4) 進学や就職にあたっては 糖尿病であることを必ず公表するよう強く指導する (5) 男性には摂食障害や食行動の異常が起こりやすい 10. 高齢期糖尿病患者の管理法について 正しいものはどれか (1) 血糖コントロール目標は患者の特徴や健康状態を考慮して個別に設定する (2) 重症低血糖が危惧される場合は HbA1c の目標下限値を設定し 絶対にそれを下回ってはならない (3) ビグアナイド剤は egfr(ml/ 分 /1.73m 2 )60 未満では禁忌である (4)SGLT2 阻害剤は高齢期患者でも若年患者と同様 安全に使用できる (5) 高齢糖尿病患者の認知症リスクは 非糖尿病患者の 2~4 倍である 4

急性合併症 11. 低血糖に関する指導で適切でないのはどれか a. 低血糖症状がブドウ糖の補給により一旦改善すれば再び低血糖になることはまれである b. 外出時や車の運転時にはブドウ糖など甘いものを携行するよう指導する c. 糖尿病手帳を携帯させ 家族や必要に応じて友人 同僚などに低血糖時の処置を説明し協力が得られるよう指導する d. 低血糖から回復した後は その誘因 原因 早期症状 対応の可否など 再発防止策について考える e. 意識障害がある場合 誤嚥や窒息の危険があるため無理やり食物を口に入れないよう指導する 12. 低血糖について誤っているのはどれか a.su 薬やアルコールが関与した低血糖は遷延 再発することが多い b. 低血糖時における冷汗や手指振戦の症状は交感神経の刺激症状に起因する c. 重症低血糖は心血管病のリスクを上昇させると考えられている d. 無自覚性低血糖の直接的な原因として腎機能低下が最も重要である e. 普段の血糖値がかなり高い人では 急激な血糖値の低下に伴い 70mg/dl 以上でも低血糖症状を示すことがある 13. 糖尿病ケトアシドーシスについて誤っているものはどれか a. インスリンの絶対的欠乏により肝より重炭酸イオンが過剰に放出されるため代謝性アシドーシスに陥る b.1 型糖尿病の初発症状である場合もあり 特に小児では注意を要する c. 激しい口渇 意識障害 消化器症状 クスマウル大呼吸 アセトン臭などの所見を呈する d. インスリン治療の中断や感染症の併発などが発症誘因として重要である e.sglt2 阻害薬投与開始や投与時の口渇に伴う清涼飲料水の多飲により発症しうることに注意する 5

14. 高浸透圧高血糖状態について誤っているものはどれか a. 高度の脱水 高ナトリウム血症のほか種々の程度の意識障害が特徴的である b. 誘因があれば軽症糖尿病や耐糖能異常でも発症する可能性がある c. ステロイド投与 高カロリー輸液 経管栄養など医原性の原因であることも少なくない d. 治療においては大量輸液による心不全の発症に注意を要する e. インスリン欠乏の程度はケトアシドーシスの場合より軽度であるため一般に予後は良好である 15. 急性感染症および偶発症の病態や対応について不適切なものはどれか a. 発熱を伴う時はインスリン抵抗性の増大するため 高血糖が増悪しやすい b. 高熱があり食欲がないときは 炭水化物の摂取を極力減らすことが重要である c. 心筋梗塞を併発しても胸痛を伴わない場合があり注意を要する d. 感染巣として尿路 呼吸器 胆嚢 皮膚などが多い e. 手術時の高血糖に対しては 原則としてインスリンを用いる 6

慢性合併症 1( 細小血管症 ) 16. 糖尿病合併症について誤っているのはどれか a. 糖尿病神経障害の有病率は 80% と高い b. 神経障害 網膜症 腎症の有病率はいずれも糖尿病罹病期間が長くなるにつれて高くなる c. 網膜症の重症化による失明は年間約 3,000 人である d. 糖尿病腎症による新規透析導入患者は年間 16,000 人程度である e. コントロール不良の糖尿病に白内障や歯周病を伴うことがある 17. 糖尿病神経障害について誤っているのはどれか a. 広汎性左右対称性多発神経障害が最も多い b. 糖尿病では動眼神経麻痺などの単神経障害は来さない c. 糖尿病胃無力症は自律神経障害による d. 自律神経障害による交感神経障害があると 低血糖を自覚しにくい e. 神経因性膀胱で用手圧迫でも排尿が困難な場合には 自己導尿を指導する 18. 糖尿病網膜症について誤っているのはどれか a. 網膜症は初期には周辺部に出現することが多いので 散瞳して十分観察する必要がある b. 蛍光眼底検査では黄色蛍光物質は尿中に排泄される c. 増殖前期 ~ 増殖期では汎網膜光凝固療法が有用である d. 急に血糖を下げると 網膜症の急激な悪化を来すことがある e. 増殖停止網膜症では眼科検査の間隔は 2 週間 ~1 か月が適切である 7

19. 糖尿病腎症について誤っているのはどれか a. 顕性腎症期 ( 腎症第 3 期 ) には 尿中アルブミンは 300mg/g Cre 以上になるが 自覚症状は乏しい b. カリウム制限は早期腎症 ( 腎症第 2 期 ) から必要になる c. 腎不全期 ( 腎症第 4 期 ) の蛋白摂取量は 0.6~0.8g/kg( 標準体重 )/ 日が適切である d. ARB や ACEI は Cre>2.0mg/dL 以上では慎重に使用する e. 摂取エネルギーの不足によりたんぱく異化が亢進するため腎症第 4 期以降ではエネルギーは 25~35kcal/kg/ 日とする 20. 透析療法について誤っているのはどれか a. 血液濾過 (HF) は除水効果にすぐれ 溢水や浮腫に有効である b. 持続的腹膜灌流 (CAPD) は感染 ( 腹膜炎 ) や 腹膜硬化による透析効率の低下が問題となる c. 血液透析 (HD) は腎不全の維持透析に用いられる d. 糖尿病腎症による透析導入患者の予後は その他の腎疾患による透析導入患者より良好である e. 維持透析中の血糖管理は原則としてインスリンを使う 8