1 分析法 (1) 分析法概要 水質 水試料 2 ml を固相カートリッジに通水し とその分解物を濃縮し これをメタノールで溶出し 内部標準液を加えて LC/MS/MS-SRM 法で定量する 底質 底質試料 5 g( 乾泥換算 ) の湿泥を超音波洗浄機を用いてアセトンで超音波抽出する このアセトン抽

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すとき, モサプリドのピーク面積の相対標準偏差は 2.0% 以下である. * 表示量 溶出規格 規定時間 溶出率 10mg/g 45 分 70% 以上 * モサプリドクエン酸塩無水物として モサプリドクエン酸塩標準品 C 21 H 25 ClFN 3 O 3 C 6 H 8 O 7 :

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徳島県保健環境センター 4- アミノ -6-(1,1- ジメチルエチル )-3-( メチルチオ )- 1,2,4- トリアジン -5(4H)- オン 4-amino-6-(1,1-dimethylethyl)-3-(methylthio)-1,2,4-triazin-5(4H)-one ( 別名 : ) 対象物質の構造 H 3 C C H 3 C CH 3 C N O C N N C NH 2 S CH 3 Metribuzin C 8 H 14 N 4 OS CAS 番号 :2187-64-9 対象物質の分解化合物の構造 H 3 C C H 3 C CH 3 C N O C N NH C S CH O H 3 3 C C C C NH H 3 C N C NH O CH O H 3 3 C C C C N H 3 C N C NH NH 2 O CH 3 Metribuzin-desamino Metribuzin-desamino-diketo Metribuzin-diketo (DA) (DADK) (DK) C 8 H 13 N 3 OS C 7 H 11 N 3 O 2 C 7 H 12 N 4 O 2 CAS 番号 :3545-2-4 52236-3-3 5657-37- 分子量 :199.3 分子量 :169.2 分子量 :184.2 物理化学的性状 分子量融点 ( ) 蒸気圧 (Pa) 水溶解度 (mg/l) log P ow * 214.3 126 5.8 1-5 15 1.6 (21 ) * 文献値出典 : 農薬ハンドブック 25 年版日本植物防疫協会編 毒性 用途 毒性情報 : ラット ( 急性経口毒性 LD 5 )222 mg/kg コイ LC 5 >ppm 用途 : 光合成阻害型除草剤 1227

1 分析法 (1) 分析法概要 水質 水試料 2 ml を固相カートリッジに通水し とその分解物を濃縮し これをメタノールで溶出し 内部標準液を加えて LC/MS/MS-SRM 法で定量する 底質 底質試料 5 g( 乾泥換算 ) の湿泥を超音波洗浄機を用いてアセトンで超音波抽出する このアセトン抽出液をロータリーエバポレーターで濃縮し 精製水に溶解して固相カートリッジに通水し とその分解物を濃縮し これをメタノールで溶出する この溶出液をカーボン /NH2 カートリッジでクリーンアップする 内部標準液を加えて LC/MS/MS-SRM 法で定量する (2) 試薬 器具 : 関東化学社製 -デスアミノ (DA) : 関東化学社製 -デスアミノジケト (DADK) : 関東化学社製 -ジケト (DK) : 関東化学社製 シマジン-d 1 : 関東化学社製 mg/l アセトン溶液 メタノール :LC/MS 用 ギ酸 : 試薬特級 精製水 :Milli-Q 水 MILLIPORE 製 固相カートリッジ :Waters 社製 Sep-pak Plus PS2 クリーンアップ用カートリッジ :Waters 社製 Sep-pak Vac 6cc Carbon/NH2 コンセントレーター :Waters 社製 Concentrator Plus 超音波抽出機遠心機ロータリーエバポレーターエキストラクションマニホールドなす型フラスコ 2 ml 5 ml リザーバーリザーバーアダプター遠沈管 (5 ml) 目盛付共栓遠沈管 (1 ml) 試薬の安定性 毒性 比較的皮膚刺激は少ない方であるが 暴露されないよう取り扱いに注意する (3) 分析法 試料の採取及び保存 環境省 化学物質環境調査における試料採取にあたっての留意事項 に従う 1228

試料の前処理及び試料液の調製 水質 コンディショニングした PS2 固相カートリッジ ( 注 1) をコンセントレーターにセットし 試料 2 ml を 1 ml/min で通水し 濃縮する 通水終了後の固相カートリッジに精製水 1 ml を通して洗浄した後 窒素ガスを通気して間隙水を除去する 次いで 2 ml のメタノールでバックフラッシュ溶出し 1 ml の目盛付共栓遠沈管に受ける 窒素ガスを通気して 1 ml の定容にし 内部標準液 5 µl を添加し 試料液とする 底質 底質 5 g( 乾泥換算 ) の湿泥を 5 ml の遠沈管に精秤し アセトン 2 ml を加えてよく攪拌し 超音波洗浄機を用いて 1 分間超音波抽出する ( 注 2) その後 3 rpm で 1 分間遠心分離したのち アセトン層を 2 ml のなす型フラスコに分取する この操作を 2 回繰り返してアセトン層を合わせる ロータリーエバポレーターを用いて 2 ml 程度まで濃縮し 精製水を 2 ml 程度加えて 水質試料と同様にコンディショニングした PS2 固相カートリッジに全量を通水する 通水終了後の固相カートリッジに精製水 1 ml を通して塩分を除去し 窒素ガスを通気して間隙水を除去する 次いでメタノール 2 ml でバックフラッシュ溶出する この溶出液の着色が著しく 夾雑物が測定の妨害となる恐れがある場合は Carbon/NH2 カートリッジによるクリーンアップを行う 砂質で着色が少ない場合は窒素ガスを通気して 1 ml に定容し 水質試料と同様に内部標準液を 5 µl 添加し 試料液とする クリーンアップは コンディショニングした Carbon/NH2 カートリッジ ( 注 3) をエキストラクションマニホールドにセットし 受器として 5 ml のなす型フラスコをセットする 2 ml のメタノールで PS2 カートリッジからバックフラッシュ溶出した溶出液を Carbon/NH2 カートリッジに負荷し ヘッドまで下げる この溶出液も受器に受ける メタノール 3 ml で溶出し ロータリーエバポレーターで 2 ml 程度まで濃縮し 目盛付共栓遠沈管に移し 窒素ガスを通気して 1 ml に定容し 内部標準液 5 µl を添加して試料液とする 空試験液の調製 試料と同じ量の精製水を用い 試料の前処理及び試料液の調製 の項に従って操作し 得られた試料液を空試験液とする 標準液の調製 DA DADK DK をそれぞれ 1 mg ずつ精秤し mg/l の濃度になるようメタノールに溶解し 混合標準原液とする 混合標準原液をメタノールで順次希釈し.5n g/ml から ng/ml の希釈標準液を作製する 希釈標準液を 1 ml ずつバイアル瓶に採り 内部標準液 5 µl を添加して標準液とする mg/l のシマジン -d 1 をメタノールで希釈して 2 mg/l とし これを内部標準液とする 1229

測定 LC/MS 条件 ( 注 4) (LC) 機種 :Waters 2695 カラム :Mightysil RP-18 MS,15-2.(5 µm) 移動相 :A: 水 B: メタノール -5 分 A=85, B=15 A=2, B=8 linear gradient 5-13 分 A=2, B=8 13-17 分 A=85, B=15 流量 :.2 ml/min. カラム温度 :4 注入量 :1 µl (MS) 機種 :Waters Quattro micro イオン源温度 :12 脱離ガス温度 :3 物質 イオン化法 Q1>Q3 キャピラリー電圧 (kv) コーン電圧 (V) コリジョン電圧 (V) ESI+ 215.1>84. 3.5 35 2 DA ESI+ 2.1>172.1 3.5 35 18 DADK ESI- 168.>97. 4. 3 15 DK ESI- 183.>41.7 4. 35 2 内標 : シマジン -d 1 ESI+ 212.2>134.1 3.5 35 2 ( 注 5) 検量線 標準液 1 µl を LC/MS/MS に注入して分析する 得られた標準物質のピーク面積と内標準物質のピーク面積の比から検量線を作成する 定量 試料液 1 µl を LC/MS/MS に注入して分析する 得られた標準物質のピーク面積と内標準物質のピーク面積の比を検量線と照らして定量する 濃度の算出 ( 水質 ) 水質試料中の濃度 (ng/l)= 最終試料液中の濃度 (ng/ml) 最終液量 (ml) 試料量 (L) 123

( 底質 ) 底質試料中の濃度 (µg/kg-dry)= 最終試料液中の濃度 (ng/ml) 最終液量 (ml) 試料量 (g-dry) 装置検出下限 (IDL) 本分析に用いた LC/MS/MS(Waters Quattro Micro) の IDL を下表に示す ( 注 6) ( 水質試料 ) 物質 IDL(ng/mL) 試料量 (L) 最終液量 (ml) IDL 試料換算値 (ng/l).17.2 1.87 DA.88.2 1.44 DADK.67.2 1 3.4 DK.48.2 1 2.4 ( 底質試料 ) 物質 IDL(ng/mL) 試料量 (g) 最終液量 (ml) IDL 試料換算値 (µg/kg-dry).17 5 1.35 DA.88 5 1.18 DADK.67 5 1.13 DK.48 5 1.96 測定方法の検出下限 (MDL) 定量下限 (MQL) 本測定方法における検出下限及び定量下限を次に示す ( 注 7) ( 水質試料 ) 物質 試料量 (L) 最終液量 (ml) 検出下限値 (ng/l) 定量下限値 (ng/l).2 1.14.36 DA.2 1.14.36 DADK.2 1 5.3 14 DK.2 1 6.5 17 ( 底質試料 ) 物質 試料量 (g) 最終液量 (ml) 検出下限値 (µg/kg-dry) 定量下限値 (µg/kg-dry) 5 1.54.14 DA 5 1.33.85 DADK 5 1.11.29 DK 5 1.22.56 1231

注 解 ( 注 1) 固相カートリッジは 5 ml のメタノールと 1 ml の精製水でコンディショニングしたものを使用する ( 注 2) 高速溶媒抽出では マトリックスが増えて 夾雑物による妨害を受けやすいので 超音波抽出が良い ( 注 3) クリーンアップ用カートリッジは.2 ギ酸メタノール溶液 1 ml で洗浄後 メタノール 1 ml で洗浄してコンディショニングしたものを使用する ( 注 4) LC/MS/MS の条件は 本測定に使用した機種 (Waters Quattro micro) 特有のものである ( 注 5) DADK と DK は ESI-positive でも検出されるが 感度が悪いので ESI-negative で測定した は 215.1>187.1 の方が感度は高いが マトリックスの影響を受けやすいので 215.1>84. を使用した ( 注 6) 装置検出下限 (IDL) は 化学物質環境実態調査実施の手引き ( 平成 17 年 3 月 ) に従って 表 1 のとおり算出した 表 1 装置検出下限 (IDL) の算出 (Waters Quattro micro) 物質名 DA DADK DK 試料量 (L).2.2.2.2 最終液量 (ml) 1 1 1 1 注入液濃度 (ng/ml).5.5 2.5 2.5 装置注入量 (µl) 1 1 1 1 結果 1(ng/mL).481.418 2.34 2.19 結果 2.395.413 2.58 2.4 結果 3.41.449 2.3 2.16 結果 4.42.476 2.43 2.39 結果 5.386.457 2.74 2.11 結果 6.47.455 2.67 2.32 結果 7.496.433 2.65 2.13 平均値 (ng/ml).437.443 2.53 2.24 標準偏差 (ng/ml).445.227.173.124 IDL(ng/mL).173.882.672.482 IDL 試料換算値 (ng/l).865.441 3.36 2.41 IDL 試料換算値 (µg/kg-dry).346.176.134.964 S/N 1 26 14 14 CV() 1.2 5.1 6.8 5.5 IDL=t(n-1,.5) σ n-1 2 1232

( 注 7) 測定方法の検出下限 (MDL) 及び定量下限 (MQL) は 化学物質環境実態調査実施の手引き ( 平成 17 年 3 月 ) により 次のとおり算出した 表 2 測定方法の検出下限 (MDL) 及び定量下限 (MQL) の算出 ( 水質試料 ) 物質名 DA DADK DK 試料量 (L).2.2.2.2 標準添加量 (ng).1.1 2.5 2.5 試料換算濃度 (ng/l).5.5 12.5 12.5 最終液量 (ml) 1 1 1 1 注入液濃度 (ng/ml).1.1 2.5 2.5 装置注入量 (µl) 1 1 1 1 操作ブランク平均 (ng/l) 無添加平均 (ng/l) 結果 1(ng/L).464.385 11. 11. 結果 2.55.42 12.9 11.6 結果 3.54.395 1.5 13. 結果 4.5.411 12.8 15.2 結果 5.468.39 11.8 11.4 結果 6.479.32 1.2 12.5 結果 7.535.386 9.15 14.9 平均値 (ng/l).55.381 11.2 12.8 標準偏差 (ng/l).364.363 1.37 1.67 MDL(ng/L).141.141 5.33 6.51 MQL(ng/L).364.363 13.7 16.8 S/N 9 13 8 11 CV() 7.2 9.5 12.3 13.1 表 3 測定方法の検出下限 (MDL) 及び定量下限 (MQL) の算出 ( 底質試料 ) 物質名 DA DADK DK 試料量乾泥換算 (g) 5 5 5 5 標準添加量 (ng).1.1 2.5 2.5 試料換算濃度 (µg/kg).2.2.5.5 最終液量 (ml) 1 1 1 1 注入液濃度 (ng/ml).1.1 2.5 2.5 装置注入量 (µl) 1 1 1 1 操作ブランク平均 (µg/kg ) 無添加平均 (µg/kg ) 結果 1(µg/kg).212.396.638.588 結果 2.194.35.612.594 結果 3.173.28.678.562 結果 4.179.264.64.68 結果 5.19.198.62.496 結果 6.26.48.678.528 結果 7.186.294.648.666 平均値 (µg/kg).192.33.642.577 標準偏差 (µg/kg).138.853.293.555 MDL(µg/kg-dry).537.332.114.216 MQL(µg/kg-dry).138.853.293.555 S/N 11 24 1 12 CV() 7.2 28 4.6 9.6 1233

2 解説 分析法 フローチャート 分析のフローチャートを図 1 に示す ( 水質試料 ) 試料水 固相抽出 脱水 溶出 濃縮 2mL PS-2 窒素ガス メタノール 1 ml 2 ml 内標添加 LC/MS/MS-SRM ESI-pos.,neg. シマジン -d 1 ( 底質試料 ) 湿泥試料 超音波抽出 遠心分離 濃縮 水添加 5g( 乾泥換算 ) 2 回 アセトン 3 rpm 1 分 約 2 ml 2 ml 2 ml,1 分 固相抽出水洗脱水溶出クリーンアップ PS-2 精製水 窒素ガス メタノール Carbon/NH2 1 ml 2 ml メタノール 3 ml 濃縮 内標添加 LC/MS/MS-SRM ESI-pos.,neg. ロータリーエバポレーターシマジン -d 1 窒素ガス 1 ml 定容 図 1 分析フロー 1234

検量線及びマススペクトル 検量線及びマススペクトル図を次に示す と DA は.5~2 ng/ml DADK と DK は 2.5~ ng/ml Compound name: metribuzin Correlation coefficient: r =.999968, r^2 =.999936 Calibration curve:.245119 * x +.261536 Response type: Internal Std ( Ref 5 ), Area * ( IS Conc. / IS Area ) Curve type: Linear, Origin: Exclude, Weighting: Null, Axis trans: None.493 Compound name: metribuzinda Correlation coefficient: r =.999776, r^2 =.999552 Calibration curve:.138237 * x +.169987 Response type: Internal Std ( Ref 5 ), Area * ( IS Conc. / IS Area ) Curve type: Linear, Origin: Exclude, Weighting: Null, Axis trans: None 2.78 Response Response.. 2. 4. 6. 8. 1. 12. 14. 16. 18. 2... 2. 4. 6. 8. 1. 12. 14. 16. 18. 2. DA Compound name: metribuzindadk Correlation coefficient: r =.999822, r^2 =.999644 Calibration curve:.622114 * x +.44 Response type: Internal Std ( Ref 5 ), Area * ( IS Conc. / IS Area ) Curve type: Linear, Origin: Exclude, Weighting: Null, Axis trans: None.62 Compound name: metribuzindk Correlation coefficient: r =.999932, r^2 =.999863 Calibration curve:.756938 * x + -1.3711e-5 Response type: Internal Std ( Ref 5 ), Area * ( IS Conc. / IS Area ) Curve type: Linear, Origin: Exclude, Weighting: Null, Axis trans: None.76 Response Response. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 DADK -. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 DK 図 2. 検量線 1235

std.5mg/l metribuzin-idl1-11 1.89 212.2 > 134.1 6.46e5 IS:simazine-d1 metribuzin-idl1-11 1.94 215.1 > 84 1.23e3 metribuzin.91.48 12 metribuzin-idl1-11 1.56 2.15 2.63 2.9 3.7 4.13 4.67 5.42 6.6 7.29 7.78 8.31 1.3 8.53 8.99.22 9.39 1.46 11.42 11.58 12.4412.87 11.16 2.1 > 172.1 5.9e3 metribuzin-da.5 1.19 1.62 9.49 1.89 12.44 2.4 12.71.59 4.13 6.7 7.51 12.87 3. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 1. 11. 12. 13. Time 図 3 IDL 算出時の DA クロマトグラム std.25mg/l metribuzin-idl3-1 1.78 212.2 > 134.1 5.47e5 IS metribuzin-idl3-1 9.95 183 > 41.7 828 metribuzin-dk 31 metribuzin-idl3-1 9.62.4.88 1.69 2.6 3.3 3.89 2.54 3.13 4.21 4.64 5.76 6.3 6.41 6.73 7.59 9.14 4.96 5.55 7.16 8.7 8.93 9.3 1.7 1.91 12.31 11.98 12.57 1.37 168 > 97 metribuzin-dadk.8.99.83 2.382.54 7.96 1. 11.7 1.74 3.19 3.56 9.19 3.89 4.42 5.12 5.55 6.14 6.57 6.94 7.69 8.77 8.87 9.57 11.93 12.52 26. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 1. 11. 12. 13. Time 図 4 IDL 算出時の DADK DK クロマトグラム 1236

std-1mg/l metribuzin-scn2 246 (1.734) 214.96 m/z=215 2: Scan ES+ 6.66e7 6 8 12 14 16 18 2 22 24 26 28 3 32 34 36 38 4 42 44 46 48 5 m/z std-1mg/l metribuzin-daughterscn1 124 (1.777) 83.83 84 215 product scan 187 187.5 215.6 2: Daughters of 215ES+ 2.7e6 56.72 57.52 61.63 73.74 81.88 88.8 96.86 13.93 114.86 144.94 17.95 5 6 7 8 9 11 12 13 14 15 16 17 18 19 2 21 22 23 24 25 m/z 図 5. マススペクトルとプロダクトスキャンスペクトル std-1mg/l metribuzin-scn2 251 (1.952) 199.99 2: Scan ES+ 8.72e7 DA m/z=2 6 8 12 14 16 18 2 22 24 26 28 3 32 34 36 38 4 42 44 46 48 5 m/z std-1mg/l metribuzin-daughterscn1 127 (11.17) DA 2 product scan 172.2 172 1: Daughters of 2ES+ 6.44e6 115.91 2.2 56.73 83.83 88.8 156.98 129.93 5 6 7 8 9 11 12 13 14 15 16 17 18 19 2 21 22 23 24 25 m/z 図 6 DA マススペクトルとプロダクトスキャンスペクトル 1237

std-1mg/l metribuzin-scn2 237 (1.319) 167.93 1: Scan ES- 1.55e7 DADK m/z=168 96.69 6 8 12 14 16 18 2 22 24 26 28 3 32 34 36 38 4 42 44 46 48 5 m/z std-1mg/l metribuzin-daughterscn2 528 (1.568) 168.5 1: Daughters of 168ES- 6.14e5 97 96.9 DADK 168 product scan 5 55 6 65 7 75 8 85 9 95 15 11 115 12 125 13 135 14 145 15 155 16 165 17 175 18 185 19 195 2 m/z 図 7. DADK マススペクトルとプロダクトスキャンスペクトル std-1mg/l metribuzin-scn2 227 (9.883) 182.96 1: Scan ES- 1.51e7 DK m/z=183 6 8 12 14 16 18 2 22 24 26 28 3 32 34 36 38 4 42 44 46 48 5 m/z std-1mg/l metribuzin-daughterscn1 113 (9.86) 41.68 DK 183 product scan 4: Daughters of 183ES- 183.5 4.9e5 41.7 4 5 6 7 8 9 11 12 13 14 15 16 17 18 19 2 m/z 図 8 DK マススペクトルとプロダクトスキャンスペクトル 1238

夾雑物の影響について 1 移動相をアセトニトリル系とした場合のマトリックス増加による感度低下について 移動相をメタノールの代わりにアセトニトリルにした場合 マトリックスが増えるにつれて感度が低下する傾向が見られた 図 9 にそれぞれのマトリックスを固相抽出した空試験液に標準液を添加 (1 µg/ml を 5 µl 添加 ) した場合の 標準液と比較した応答率を示す 12 応答率 () 8 6 4 2 精製水河川水ヘドロ質抽出液 内標 DA DADK DK 図 9 アセトニトリル系のマトリックスによる感度低下 (* 応答率は絶対検量線法により求めたものである 内標は検量線作成時の平均を とした ) 内標とはよく似た挙動を示すが の分解物は内標とは異なる挙動を示した 又 マトリックスが増えるにつれて内標とは感度低下が大きくなったのでメタノール系を移動相とすることにした メタノール系は図 11 に示すように感度低下が少なかった 2 底質抽出法による夾雑物の影響について底質をアセトンで高速溶媒抽出法と超音波抽出法で抽出し メタノール溶出による固相抽出 次いで Carbon/NH2 カートリッジでクリーンアップした空試験液に標準液を添加し (1 µg/ml を 5 µl 添加 ) 夾雑物の影響について試験した 移動相はメタノール系である 図 1 11 に抽出法による夾雑物の影響の違いを示す 高速溶媒抽出法による空試験液に標準液を添加した場合は 特に メトリブジ DA 内標の感度低下が大きく 砂質よりもヘドロ質で大きくなった 超音波抽出法による空試験液に標準液を添加した場合は 感度低下が少なくなり 物質毎の夾雑物の影響の割合が均一化されたので超音波抽出法を採用した 1239

12 応答率 () 8 6 4 2 砂質の抽出液ヘドロ質の抽出液 内標 DA DADK DK 図 1 高速溶媒抽出液に標準液を添加した場合の応答率 12 応答率 () 8 6 4 砂質の抽出液ヘドロ質の抽出液 2 内標 DA DADK DK 図 11 超音波抽出液に標準液を添加した場合の応答率 Carbon/NH2 カートリッジのクリーンアップについて 底質の固相抽出液が着色している場合のクリーンアップを Carbon/NH2 カートリッジを用いる方法について検討した 1 Carbon/NH2 カートリッジの前処理をメタノール洗浄のみとし メタノールで溶出した場合は DA が全く溶出しない 2 カートリッジの前処理をメタノールで行い.2 ギ酸メタノールで溶出した場合は ギ酸の影響で DADK と DK の感度が上昇し 回収率が を大きく超える 3 カートリッジの前処理を.2 ギ酸メタノール 1 ml で洗浄し その後メタノール 1 ml で洗浄する前処理法では メタノールで溶出すると全項目が溶出される 標準液を前処理したカートリッジに添加し メタノールの溶出量を検討した その結果 15 ml のメタノールで溶出することが判明したが 実試料では 2 ml 程度の溶出液量が必要な場合があり 安全性を考慮して溶出液量を 3 ml とした 124

12 溶出メタノール量 回収率 () 8 6 4 2 5mL 1mL 15mL 2mL DA DADK DK 図 12 carbon/nh2 カートリッジからの溶出メタノール量 添加回収実験結果 ( 水質試料 ) 河川水 ( 新町川 ) と海水 ( 播磨灘 ) への添加回収実験結果を表 4に示す 表 4. 添加回収実験結果 ( 水質 ) 物質 試料名 試料量 (ml) 添加量 (ng) 測定回数 検出濃度 (ng/l) 回収率 () 変動係数 () 河川水 2 無添加 2 ND - - 2 1 7 4.28(3.16) 86(63) 5.3(3.1) 2 1 7 46.2(33.7) 93(67) 2.9(2.4) DA 2 無添加 2 ND - - 2 1 7 4.31(3.36) 86(67) 4.6(3.5) 2 1 7 41.7(3.8) 83(62) 2.6(4.6) DADK 2 無添加 2 ND - - 2 1 7 44.6(34.5) 89(69) 6.2(5.2) DK 2 無添加 2 ND - - 2 1 7 53.4(42.5) 17(85) 5.4(5.2) 海水 2 無添加 2 ND - - 2 1 7 4.45(3.37) 89(67) 3.1(3.3) 2 1 7 46.8(36.9) 94(74) 2.1(3.6) DA 2 無添加 2 ND - - 2 1 7 4.(3.2) 8(64) 5.(5.4) 2 1 7 39.8(31.6) 8(63) 1.6(3.9) DADK 2 無添加 2 ND - - 2 1 7 43.3(38.) 87(76) 6.3(9.) DK 2 無添加 2 ND - - 2 1 7 44.1(38.3) 88(77) 7.3(7.6) () は絶対検量線法による検出濃度 回収率と変動係数 1241

( 底質試料 ) 底質 ( 東京湾 ) への添加回収試験結果を表 5に示す 表 5. 添加回収試験結果 ( 底質 ) 物質 試料量 (g) 添加量 (ng) 測定回数 検出濃度 (ng/l) 回収率 () 変動係数 () 5 無添加 2 ND - - 5 1 5 1.63(1.16) 82(58) 3.1(1.3) DA 5 無添加 2 ND - - 5 1 5 1.85(1.32) 93(66) 2.9(9.7) DADK 5 無添加 2 ND - - 5 1 5 2.25(1.63) 112(81) 8.5(7.6) DK 5 無添加 2 ND - - 5 1 5 1.96(1.39) 98(7) 1.7(9.3) () は絶対検量線法による検出濃度 回収率と変動係数 分解性スクリーニング結果 分解性スクリーニング結果を表 6 に示す 表 6. 分解性スクリーニング試験結果 物質 ph 初期濃度 1 時間後の 5 日後の残存率 () (μg/l) 残存率 () 暗所 () 明所 () 5 5 99 13 7 5 11 12 97 9 5 99 5 5 11 14 DA 7 5 12 13 12 9 5 12 12 5 5 12 15 DADK 7 5 12 98 9 5 98 98 5 5 18 DK 7 5 11 111 9 5 11 1242

環境試料分析例 ( 水質試料 ) 河川水 ( 新町川 ) 海水 ( 播磨灘 ) からは検出されなかった river-blnk metribuzin-rec1 IS 1.94 212.2 > 134.1 3.89e5 metribuzin-rec1.5 5 metribuzin-rec1.5.75 22 metribuzin-rec1.24 2.9 1.391.72 2.9 11.42 2.1 > 172.1 metribuzinda 4.96e3 12.28 1.46 11.21 9.76 8.64 9.69.39 1.3 1.89 11.96 6.977.29 7.517.838.15 12.87 9.76 9.6 metribuzin 4.45 6.87 8.47 2.68 3.163.33 5.9 3.59 4.77 4.99 5.42 6.65 7.56 7.99 8.15 8.969.28 2.6 1.4 2.22 3.51 3.724.5 4.64.77 1.26 1.95 2.76 3.4 5.55 5.12 5.716.3 6.41 215.1 > 84 1.6e3 1.57 1.8 1.89 11.75 12.6 11.26 12.93 1: MRM of 2 Channels ESmetribuzinDADK 8.77 9.36 11.23 168 > 97 8.7 9.84 1.37 11.45 11.55 399 7.5 7.21 7.96 8.39 9.19 9.62 9.95 1.96 11.93 12.9 6.57 12.63 63 metribuzin-rec1 metribuzindk 11.45 183 > 41.7 8.6 9.25 11.13 386 9.46 1.32 1.59 1.58 6.35 4.31 5.17.4.99 4.53 5.55 7.91 1.2 2.6 2.38 2.92 3.56 6.25 7.16 7.59 8.39 8.93 9.62 12.9 12.52 12.68 6.57 3.99 4.8 6.8 6.94 63. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 1. 11. 12. 13. Time 図 13 河川水無添加クロマトグラム river-1ng metribuzin-rec13 IS 1.83 212.2 > 134.1 4.45e5 metribuzin-rec13 metribuzinda 11.1 2.1 > 172.1 4.6e5 metribuzin-rec13 1.89 metribuzin 215.1 > 84 8.27e4 metribuzin-rec13 metribuzindadk 1.43 168 > 97 2.11e3.29 1.47 1.95 2.49 6.3 6.73 9.199.52 1.11 11.2 12.31 12 metribuzin-rec13 metribuzindk 9.95 183 > 41.7 2.17e3 1.36 8.5 12 4.42 5.66 7.5 7.59 8.77 1.43. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 1. 11. 12. 13. Time 図 14 河川水 1 ng 添加クロマトグラム 1243

sea-blnk metribuzin-rec2 IS 1.89 212.2 > 134.1 3.76e5 metribuzin-rec2 11.37 metribuzinda11.16 8.53 9.49 1.8 9.1 9.23 7.51 7.94 7.19 8.15.5 2.9 6.81.8 2.31 2.47 6.54 1.23 3.6 3.75 4.134.45 4.72 5.74 5.85 7 metribuzin-rec2 9.28 9.12 metribuzin 6.49 6.76 9.98 2.9 7.88 3.11 3.49.11 2.152.47.59.91 1.34 1.93 4.83 3.814.13 4.72 5.58 6.176.33 6.92 7.56 8.1 8.31 11.16 9.82 1.35 11.85 8.58 12.7 12.44 5.47 36 metribuzin-rec2 65 metribuzin-rec2.45 2.17 5.1.99 1.2 2.81 3.8 3.62 4.85 1.69 2.1.29 4.15.8.67 1.361.53 2.6 2.33 3.62 2.92 3.89 3.3 5.49 5.87 6.46 6.84 7.48 6.86.25 5.44 4.58 4.96 5.87 6.35 7.16 7.43 7.53 7. metribuzindadk 8.87 7.8 8.2 9.46 9.95 8.55 9.3 metribuzindk 8.44 8.93 9.3 9.19 1.43 11.23 1.8 1.96 11.77 1.32 9.57 1.16 2.1 > 172.1 12.17 3.26e3 11.64 12.66 12.82 215.1 > 84 685 11.39 11.55 12.47 168 > 97 45 12.63 183 > 41.7 43 11.39 12.79 12.4 12.9 63. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 1. 11. 12. 13. Time 図 15 海水無添加クロマトグラム sea-1ng metribuzin-rec26 IS 1.83 212.2 > 134.1 4.9e5 metribuzin-rec26 11.5 metribuzinda 2.1 > 172.1 4.37e5 metribuzin-rec26 1.89 metribuzin 215.1 > 84 1.7e5 metribuzin-rec26 metribuzindadk 1.43 168 > 97 1.83e3 14 metribuzin-rec26 1.53 3.51 4.8 5.71 6.8 7.1 7.64 8.34 9.3 metribuzindk 9.89 9.95 11.7 11.77 12.41 183 > 41.7 1.97e3 13 3.67 7.69 8.71 1.37 12.4. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 1. 11. 12. 13. Time 図 16 海水 1 ng 添加クロマトグラム 1244

( 底質試料 ) 吉野川 東京湾とも検出されなかった teisitu-hedoro-blnk metribuzin-tei-recov-1 IS 1.73 212.2 > 134.1 2.82e5 metribuzin-tei-recov-1.5 1.66 3 metribuzin-tei-recov-1 2.15 8.26 2.47 2.9 3.59 7.3 7.67 8.47 8.8 metribuzinda 9.98 9.39 metribuzin 9.98 2.9 7.83 8.58.21 9.12.16.59.86 1.34 2.41 2.79 3.75 4.61 9.65 9.76 5.2 1.66 3.11 3.97 4.34 5.74 5.95 6.76 7.56 14 metribuzin-tei-recov-1 metribuzindadk 8.5 8.77 9.39.46 1.11 1.3711.18.51 1.2 1.47 2.6 4.64 6.46 7.16 8.7.94 2.28 2.76 4.1 3.353.67 5.1 6.19 5.33 5.49 6.94 7.32 2.1 > 172.1 12.7 3.97e3 11.69 12.34 1.62 11.5 12.66 1.41 215.1 > 84 655 11.1 11.64 11.21 12.12 12.76 12.55 168 > 97 248 11.77 11.55 43 metribuzin-tei-recov-1.2.35 1.1 7.85metribuzinDK 183 > 41.7 12.79 183 9.95 1.86 5.1 7.16 3.99 1.79 2.44 2.71 4.21 3.35 4.42 5.55 6.57 8.6 8.82 9.36 1.43 11.66 9.84 12.68 5.87 6.73 7.64 8.7 54. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 1. 11. 12. 13. Time 図 17 底質 ( 東京湾 ) 無添加クロマトグラム teisitu-hedoro-1ng-rec metribuzin-tei-recov-3 IS 1.73 212.2 > 134.1 4.33e5 metribuzin-tei-recov-3 11.5 metribuzinda 2.1 > 172.1 5.3e5 metribuzin-tei-recov-3 1.83 metribuzin 215.1 > 84 6.72e4 metribuzin-tei-recov-3 metribuzindadk 1.32 168 > 97 2.52e3 4 metribuzin-tei-recov-3 2.6 8.55 metribuzindk 9.89 1.86 12.47 183 > 41.7 2.2e3 5 2.1 3.67. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 1. 11. 12. 13. Time 図 18 底質 1 ng 添加クロマトグラム 1245

評価 本法により 水質中の.14 ng/l 及び底質中の.54 µg/kg-dry レベルの測定が可能である の分解化合物については 水質中の.14~6.5 ng/l 底質中の.33~.22 µg/kg-dry レベルの測定が可能である 担当者氏名 連絡先 担当 徳島県保健環境センター 住所 77-941 徳島市万代町 5-71 TEL:88-625-7751 FAX:88-625-1732 担当者 大野ちづ子 織田まゆみ E-mail:oono_chiduko_1@pref.tokushima.lg.jp :oda_mayumi_1@pref.tokushima.lg.jp 1246

4-amino-6-(1,1-dimethylethyl)-3-(methylthio)-1,2,4-triazin-5(4H)-one (Metribuzin) An analytical method was developed for metribuzin and the decomposed compounds of Metribuzin in water and sediment by liquid chromatography-tandem mass spectrometry (LC/MS/MS). [Water sample] The target compounds in 2 ml of water were extracted using a solid phase extraction cartridge (Sep-Pak Plus PS-2) at the flow rate of 1 ml/min, and then eluted with 2 ml of methanol. The sample solution was concentrated to 1 ml under a gentle nitrogen flow. Simazine-d 1 was added to the extracts as an internal standard, and the resulting mixture was analyzed by positive and negative ion ESI-LC/MS/MS-SRM. The method detection limit (MDL) of metribuzin was.14 ng/l. The MDL of metribuzin DA was.14 ng/l. The MDL of metribuzin DADK was 5.3 ng/l. The MDL of metribuzin DK was 6.5 ng/l. [Sediment sample] The target compounds in 5 g of sediment were extracted and centrifuged twice with 2 ml of acetone. The extracts were evaporated to about 2 ml under reduced pressure, and 2mL of water was then added to the residue. The target compounds were extracted using a solid phase cartridge (Sep-Pak Plus PS-2). The PS-2 cartridge was eluted with 2 ml of methanol, and the solution was applied to a Carbon/NH2 cartridge. The target compounds adsorbed on the cartridge were eluted with 3 ml of methanol. The extracts were evaporated under reduced pressure and then the sample solution was concentrated to 1 ml under a gentle nitrogen flow. Simazine-d 1 was added to the extract as an internal standard, and the resulting mixture was analyzed by ESI-LC/MS/MS-SRM. The MDL of metribuzin was.54 microg/kg-dry. The MDL of metribuzin DA was.33 microg/kg-dry. The MDL of metribuzin DADK was.11 microg/kg-dry. The MDL of metribuzin DK was.22 microg/kg-dry. Flow chart [Water sample] Water sample Solid Phase Dehydration Elution 2mL Extraction PS-2 Nitrogen Methanol 2 ml Concentration Addition of LC/MS/MS-SRM (1mL) internal standard ESI-pos.,neg Nitrogen Simazine-d 1 1247

[Sediment sample] Wet Sediment Ultrasonic Extraction Centrifugation Evaporation Sample 5 g (dry) about 2 ml 2 times Acetone 3 rpm 2 ml 1 min 1 min Addition Solid phase Washed with Dehydration Elution of Water Extraction Water 2 ml PS-2 1 ml nitrogen Methanol 2 ml Clean up Evaporation and Addition of LC/MS/MS Concentration internal standard SRM Carbon/NH2 1 ml Simazine-d 1 Methanol 3 ml 1248

物質名 分析法フローチャート 備考 水質 とその 試料水 固相抽出 脱水 溶出 分解物 2mL 底質 PS-2 窒素ガス メタノール 2 ml 濃縮 内標添加 LC/MS/MS-SRM ESI-pos.,neg. 1 ml シマジン -d 1 湿泥試料 超音波抽出 遠心分離 濃縮 水添加 5g( 乾泥 換算 ) 2 回 アセトン 3 rpm 1 分 約 2 ml 2 ml 2 ml,1 分 固相抽出水洗脱水溶出クリーンアップ LC/MS/MS ESI-positive DA ESI-positive DADK ESI-negative DK ESI-negative カラム Mightysil RP-18 MS (2. mm φ 15 mm 5 µm) PS-2 精製水 窒素ガス メタノール Carbon/NH2 1 ml 2 ml メタノール 3 ml 濃縮 内標添加 LC/MS/MS-SRM ESI-pos.,neg. ロータリーシマジン -d 1 エバポレーター窒素ガス 1 ml 定容 検出下限 (MDL) 水質 :.14 ng/l 底質 :.54 µg/kg-dry DA 水質 :.14 ng/l 底質 :.33 µg/kg-dry DADK 水質 :5.3 ng/l 底質 :.11 µg/kg-dry DK 水質 :6.5 ng/l 底質 :.22 µg/kg-dry 1249