GO26-Sat-AM-8 第 回日本地震工学シンポジウム (0) 静的非線形解析を用いた C フレーム構造の崩壊メカニズムと応力推定 ESTIMATION OF STESS AND COLLAPSE MECHANISM FO C FAME STUCTUE USING NONLINEA STATIC ANALYSIS 相羽均修 ) 木谷圭一 ) 秋田知芳 2) ) 和泉信之 Masanobu AIBA, Keiichi KIYA, Tomofusa AKITA 2, Nobuyuki IZUMI ) 千葉大学大学院工学研究科建築 都市科学専攻 博士前期課程 Graduate Student.,Dept. of Architecture, Chiba University 2) 千葉大学大学院工学研究科建築 都市科学専攻 助教博士 ( 工学 ) 2 Assistant Prof.,Dept. of Architecture, Chiba University, Dr. Eng e-mail : akita@faculty.chiba-u.jp ) 千葉大学大学院工学研究科建築 都市科学専攻 教授博士 ( 工学 ) Prof.,Dept. of Architecture, Chiba University, Dr. Eng e-mail : nobuyuki.izumi@faculty.chiba-u.jp ABSTACT: It is necessary that the collapse mechanism is formed to calculate the horizontal load-carrying capacity of C Buildings. In many cases, however, the collapse mechanism is not formed by non-linear static analysis of medium-rise C Buildings. This paper proposes that the estimation method of the collapse mechanism and member stress of C Buildings. And then the estimation accuracy of the method is examined. キーワード : 鉄筋コンクリート造 耐震設計 保有水平耐力 静的非線形解析. はじめに高さ60m 以下の鉄筋コンクリート造 (C 造 ) 建築物における耐震設計ルートでは 保有水平耐力が必要保有水平耐力以上であることを確認している ) 保有水平耐力は建築物の一部 または全体が地震力の作用によって崩壊メカニズムを形成する場合において 各階の柱 耐力壁などが負担する水平せん断力の和として求められる また 必要保有水平耐力に用いられる構造特性係数 (D S ) は崩壊メカニズム形成時の部材応力などから求められる その際 最近では 荷重増分法による静的非線形解析が原則として用いられる したがって 保有水平耐力の確認には 静的非線形解析により崩壊メカニズムが形成され 崩壊メカニズム時の部材応力を求めることが必要とされる しかし 通常の部材断面を持つ中高層 C 造フレーム構造を対象とした静的非線形解析では 上層 あるいは下層の層間変位が中間層に比べ進展しないため 解析終了時に全体崩壊メカニズムを形成しないことが多い ( 図 ) 解析終了時に想定した崩壊メカニズムを形成していない階 ( 未崩壊未崩壊層層 ) が存在する場合には 崩壊メカニズム時の部材応力を求めることができないため 必要保有水平耐力を算定することができない 梁曲げ降伏未崩壊層の応力推定方法には余耐力法 ) などが提案されているが 崩壊層そこで得られた応力分布と当初用いた外力分布とは整合しないな柱曲げ降伏どの課題が存在する そのため本研究では崩壊指標を用いた崩壊形及び部材応力の推定方法を提示し C 造フレーム構造を対象として 図 未崩壊層を有する梁降伏この推定方法の妥当性を検討する 型フレーム構造の例 -7-
第 回日本地震工学シンポジウム (0) 2. 擬似全体崩壊メカニズムと応力推定 2. 基本的な考え方と検討の流れ本研究では C 造フレーム構造の全体崩壊メカニズムとして 倒壊に対する耐震安全性が高い梁曲げ降伏型全体崩壊メカニズム 2) を想定する その際 最上階の柱頭ヒンジと 階の柱脚ヒンジは許容する なお ここでは部分崩壊メカニズムは対象としない 静的非線形解析における水平力の増加に伴う崩壊メカニズムの形成状況を表す指標として 全体崩壊率 (α) を用いる 全体崩壊率は 静的非線形解析のある荷重ステップにおいて 想定した塑性ヒンジ位置で発揮される曲げモーメントの総和を塑性ヒンジにおける終局曲げモーメントの総和で除した比率とする 未崩壊層を有する梁降伏型フレームの D S の算定には まず想定される全体崩壊メカニズム ( 擬似全体崩壊メカニズム ) を決めて 次にメカニズム形成時の応力を推定し梁降伏型の崩壊形を決める必要がある 擬似全体崩壊メカニズムは図 2 を想定し 擬似全体崩壊メカニズム形成時の部材応力 ( 擬似全体崩壊応力 ) は設計者が指定する Ds 算定時解析ステップの応力 (D S 算定時応力 ) から推定する この擬似崩壊応力に対して非ヒンジ部材の必要耐力余裕度を考慮することにより 崩壊形が確定する 2.2 応力の推定方法未崩壊層を有する梁降伏型フレームにおけるベースシア係数 (C B ) と全体変形角 ( T ) の関係について概念図を図 に示す S 点は D S 算定時解析ステップ E 点は解析終了ステップである M 点は擬似全体崩壊メカニズム形成に対応する仮想点である 全体崩壊率 (α) は 崩壊メカニズム時に対するモーメント比であるので その逆数 (/α) を用いて擬似全体崩壊メカニズム時の応力を推定する すなわち 擬似崩壊応力は D S 算定時応力に D S 算定時解析ステップにおける全体崩壊率の逆数 (/α S ) を乗じて算定する 擬似崩壊応力 =D S 算定時応力 (/α S ) (). 解析計画. 解析目的本解析は フレーム構造の応力推定精度を検討することを目的とする 具体的には (2) 式により解析中間ステップ A 点 ( 図 ) の応力から推定した解析終了ステップ E 点の応力 ( 応力 E) を解析値 ( 応力 E) と比較することにより 推定精度を検討する 応力 E= 応力 A (α E α A ) (2) 解析は まず 階建て及び 0 階建ての梁降伏型鉄筋コンクリート造フレーム構造を対象に静的非線形解析を行う ( 解析 Ⅰ) 階建建築物は全体崩壊メカニズムが形成され 0 階建建築物は解析終了時においても全体崩壊メカニズムが形成されない 次に 0 階建建築物に対して 崩壊層及び崩壊時の応力が異なるように上層あるいは下層の部材耐力を増大させ 静的非線形解析を行う ( 解析 Ⅱ).2 解析方法解析は 部材の非線形特性に立脚した荷重増分法による立体フレーム静的非線形解析である 柱及び梁部材は材端ばねモデルとして 曲げに対するスケルトンカーブは曲げひび割れ 曲げ降伏を考慮するトリリニア型とする ) 柱には曲げ軸力相関関係を考慮し 床は剛床と仮定する 水平力分布は Ai 分布として一定とする 柱曲げ降伏 梁曲げ降伏 柱曲げ降伏 注 ) : 塑性ヒンジの形成位置を表す 図 2 想定する全体崩壊メカニズム CB M 点擬似崩壊メカニズム形成時 CB E 点 S 点解析終了ステップ A 点 Ds 算定時解析ステップ ( 設計者の指定 ) 静的非線形解析から得られる CB- 関係 図 未崩壊層を有するフレーム構造の C B - T 関係 -8-
. 解析対象フレームと解析ケース解析対象フレームは 階建及び 0 階建 C 造建築物の桁行方向の純ラーメン構造である ( 図 4 5) 基本となる 階建てケース (-) 及び 0 階建てケース (-0) の部材断面は 梁曲げ降伏型全体崩壊メカニズムの必要保有水平耐力 (D S が 0. 相当 ) を満足する断面とする ( 表 2) 0 階建てではケース 以外に 崩壊層及び崩壊時の変形が異なるように梁耐力を増大したケースを計画する ケース 及び では上層 8~ 階の梁耐力を ケース 及び では上層 8~ 階に加え下層 2~4 階の梁耐力を増大させる 具体的には断面寸法は一定とし 梁の主筋強度をケース に比べてケース 及び では 5 倍 ケース 及び では.50 倍に増大する なお 非ヒンジ柱は降伏しないように主筋強度を適宜増大する 表 階建建築物断面表 (a) 柱断面表 (b) 大梁断面表階 C,, 階 G(A) G2(A) 断面 650 650 [Fc] 両端外内主筋 6D22 2D22 断面 0 700 0 700 断面 650 650 2 主筋 D25 4D25 上 8D22 5 7D22 断面 650 650 [24] 下 7D22 7 5D22 主筋 D25 4D25 断面 0 750 0 750 (c) 基礎梁断面表上 8D22 8 8D22 階 G(A) G2(A) [24] 下 5D22 5 5D22 [Fc] 両端外内断面 0 750 0 750 断面 0 0 0 0 2 基礎上 5D22 6 5D22 上 8D22 8 8D22 [24] 下 5D22 6 5D22 [24] 下 7D22 7 7D22 注 ) 主筋種別 :SD45 柱コンクリート :Fc は上階の梁に同一とする 表 2 0 階建建築物断面表 (a) 柱断面表 (b) 大梁断面表階 C, 階 G(A) 断面 750 750 750 [Fc] G2(A) 両端外内 0 断面 500 750 500 750 主筋 6D2 4D2 6D2 上 (4)5D25 4 4D25 断面 800 800 800 9 [] 下 (4)5D25 4 4D25 主筋 6D5 4D5 6D5 断面 500 750 500 750 0 断面 800 800 800 上 5D29 4 4D29 8 主筋 6D8 4D8 6D8 [] 下 5D29 4 4D29 断面 800 800 800 断面 500 750 500 750 7 9 上 5D2 (4)5 5D2 主筋 6D8 4D8 6D8 [6] 下 5D2 4 5D2 断面 800 800 800 6 断面 550 750 550 750 主筋 6D8 4D8 6D8 8 上 6D2 (4)5 5D2 断面 850 850 850 5 [6] 下 5D2 4 5D2 主筋 6D8 4D8 6D8 断面 550 750 550 750 7 断面 850 850 850 上 6D5 (5)6 6D5 4 主筋 6D8 4D8 6D8 [42] 下 6D5 4 6D5 断面 550 750 550 750 断面 850 850 850 6 上 7D5 (5)6 7D5 主筋 6D8 4D8 6D8 [42] 下 7D5 4 7D5 断面 850 850 850 2 断面 550 800 550 800 5 主筋 6D8 4D8 6D8 上 7D5 6 7D5 断面 850 850 850 [42] 下 7D5 (4)5 7D5 主筋 6D8 4D8 6D8 断面 600 800 600 800 4 上 (6)7D8 (5)6 7D8 (c) 基礎梁断面表 [48] 下 (6)7D8 (4)5 7D8 階 G(A) G2(A) 断面 600 800 600 800 [Fc] 両端外内上 (6)7D8 (5)6 7D8 [48] 下 (6)7D8 (4)6 7D8 断面 850 2900 850 2900 基礎断面 600 800 600 800 上 6D6 9 6D5 2 上 6-D8 (5)6 6D8 [6] 下 6D5 9 6D5 [48] 下 6-D8 4 6D8 注 ) 主筋種別 :SD90( ケース 以外は本文中の特記による ) 柱コンクリート :Fc は上階の梁に同一とする (b)c 通り略軸組図図 4 階建建築物の略伏図と略軸組図 D C B A D C B A スパン 5,500 =6,500 スパン 6,500 =9,500 F 0F 9F C C C C G2 G G G G2 G GA GA GA G スパン 7,000 5=5,000 2 4 5 6 7F 6F 4F C C C C スパン 7,000 5=5,000 G2 G G G G2 G GA GA GA G スパン 6,500 5=2,500 2 4 5 6 2 4 5 6 4,750 注 ) 柱 梁 :A と D,B と C の通りは同様 (a) 基準階略伏図 PHF F スパン 6,500 5=2,500 2 4 5 6 階高,850 注 ) 柱 梁 :A と D,B と C の通りは同様 (a) 基準階略伏図 階高,725,700,700 5 (b)a 通り略軸組図図 5 0 階建建築物の略伏図と略軸組図 -9-
4. 解析結果 4. 全体崩壊率と全体変形角の関係全体崩壊率 (α) と全体変形角 ( T, 外力重心位置の水平変形角 ) の関係を図 6 に示す 解析 Ⅰ において 階建て 0 階建てともに T の増大に伴い α が増大しており 階建ての解析終了時の α は 0 0 階建ての解析終了時の α は 0.98 である 解析 Ⅱ において 全ケースとも T の増大に伴い α が増大しており 解析終了時の α は 0.9( ケース )~0.98 ( ケース ) であり ケース では α は 7 である 4.2 崩壊メカニズムと荷重変位関係解析終了時の崩壊メカニズムを図 7 に 層せん断力 (Q) と層間変形角 () の関係を図 8 に示す 階建てでは T =/70 程度で全体崩壊メカニズムが形成される 0 階建てでは ケース や は ケース -0 に比べて中間層の変形角の進展が大きい また 各ケースとも全体崩壊メカニズムは形成しておらず未崩壊層が存在している ケース では 8~ 階 ケース では下層に未崩壊層が残る (a) 解析 Ⅰにおけるα- T 関係 0 0.2 0.0 0 0.0 0.02 0.0 0.04 (a) 解析 Ⅰにおけるα- T 関係 α α (b) 解析 Ⅱにおけるα- T 関係 0 0.2 0.0 0 0.0 0.02 0.0 0.04 (b) 解析 Ⅱにおけるα- T 関係図 6 全体崩壊率と全体変形角の関係 5 0 5 0 0F 0 0 (a) ケース - (b) ケース -0 0 0.0 0.02 0.0 0.04 0.05 0 0.0 0.02 0.0 0.04 0.05 (a) ケース - (b) ケース -0 0 0 0F 0F (c) ケース (d) ケース 0 0 0 0.0 0.02 0.0 0.04 0.05 0 0.0 0.02 0.0 0.04 0.05 (c) ケース (d) ケース 0 0 0F 0F (e) ケース (f) ケース 0 0 注 ) : T が /00 時点での塑性ヒンジを表す 0 0.0 0.02 0.0 0.04 0.05 0 0.0 0.02 0.0 0.04 0.05 : T が / 時点での塑性ヒンジを表す (e) ケース (f) ケース 図 7 解析終了時の崩壊メカニズムの例 図 8 層せん断力と層間変形角の関係 --
5. 解析結果の考察 5. 全体崩壊率によるベースシア係数の推定ベースシア係数の推定値 (C B ) とベースシア係数 (C B ) の比率を図 9 に示す 階建てでは C B /C B は 0.97~2 であり 0 階建てでは C B /C B は全ケースの T が /0 程度以上で 0.99~0 である C B は C B に非常に良く対応していることがわかる 5.2 解析 Ⅰ における柱応力の推定ケース - における柱応力の推定値と解析値の比率を図 0 に示す 柱せん断力の解析値 (Q) に対する推定値 (Q) の比は 階建てでは T が /50 以上では 0.98~ であり Q は Q に良く対応している 0 階建てでは 崩壊層の T が /00 以上において Q/Q は 0.9~4 である 未崩壊層では 8~.45 であり 崩壊層と比べて未崩壊層では推定精度はやや劣る 柱曲げモーメントの解析値 (M) に対する推定値 (M) の比は 階建てでは T が /50 以上では 8~.5 であり M は M に良く対応している 一方 0 階建てでは T が /00 以上において M/M は 0.55~ であり 未崩壊層を含む上層階での推定精度がやや劣っている これは外力分布一定下の静的非線形解析における変形の増大に伴う柱反曲点の移動が生じるためと考えられる また 変動軸力が圧縮力となる外柱 ( 圧縮側外柱 ) を見ると 未崩壊層である 0 階では内柱に比べて柱せん断力の推定精度が劣っていることがわかる 5. 解析 Ⅱ における柱応力推定ケース -0~ における柱応力の推定値 (Q M) と解析値 (Q M) の比率を図 2 に示す 内柱せん断力の推定値は各ケースとも解析値に比較的良く対応しており (2) 式により内柱せん断力が推定できることがわかる 圧縮側外柱では 柱 CB/CB Q/Q ( 階建 - 内柱 ) 全体崩壊形形成 Q/Q( 階建 - 外柱 ) 全体崩壊形形成 0 0.00.0.0.04 0 0.00.0.0.04 (0 階建 -0 内柱 ) (0 階建 -0 外柱 ) Q/Q Q/Q 0F.6 0F.4 0 0.00.0.0.04 0 0.0 0.02 0.0 0.04 図 0 解析 Ⅰにおける柱せん断力の推定 0 0 0.0 0.02 0.0 0.04 0 0.0 0.02 0.0 0.04 (a) 解析 Ⅰ (b) 解析 Ⅱ 図 9 ベースシア係数の推定 M/M ( 階建 - 内柱 ) M/M ( 階建 - 外柱 ) 全体崩壊形形成 全体崩壊形形成 0 0.00.0.0.04 0 0.00.0.0.04 M/M (0 階建 -0 内柱 ) 0F M/M(0 階建 -0 外柱 ) 0F CB/CB 0 0 0.00.0.0.04 0 0.00.0.0.04 図 解析 Ⅰにおける柱曲げモーメントの推定 Q/Q (0 階内柱 ) 0 0.0 0.02 0.0 0.04 Q/Q (0 階外柱 ).8.6.4 0 0.0 0.02 0.0 0.04 Q/Q (8 階内柱 ) Q/Q (5 階内柱 ) Q/Q ( 階内柱 ) 0 0.00.0.0.04 0 0.0 0.02 0.0 0.04 0 0.0 0.02 0.0 0.04.4 Q/Q (8 階外柱 ) Q/Q (5 階外柱 ).4.4 Q/Q ( 階外柱 ) 0 0.0 0.02 0.0 0.04 0 0.0 0.02 0.0 0.04 図 2 解析 Ⅱにおける柱せん断力の推定 0 0.0 0.02 0.0 0.04-2-
M/M (0 階内柱 ) 0 0.00.0.0.04 M/M (0 階外柱 ) 0 0.0 0.0.0 0.04 M/M (8 階内柱 ) M/M (5 階内柱 ) M/M ( 階内柱 ) 0 0.00.0.0.04 0 0.00.0.0.04 0 0.0 0.02 0.0 0.04 M/M (8 階外柱 ) M/M (5 階外柱 ) M/M ( 階外柱 ) 0 0.0 0.02 0.0 0.04 0 0.00.0.0.04 図 解析 Ⅱにおける柱曲げモーメントの推定 0 0.0 0.02 0.0 0.04 せん断力の推定値は 内柱に比べて解析値に対する対応がやや劣っており T が /50 程度では崩壊層で 割 未崩壊層で 2~4 割程度異なる 内柱曲げモーメントの推定値は 柱せん断力に比べてケースによる違いが見られ T が /50 程度では解析値に対して崩壊層では 2 割 未崩壊層では最大 4 割程度異なる 外柱曲げモーメントの推定値は 内柱と同様に解析値に対して 推定精度が劣る 図 4 に曲げモーメントの推定精度と層間変形角 () との関係を示す 未崩壊層は変形が進んでおらず 最上層の 0 階では は /00 以下であり 他の階に比べ小さい また 8 階では上層部分に未崩壊層が多い の変形が最も進んでおらず 解析終了ステップ ( T =/) においても は /00 程度であり 未崩壊層の推定精度は層間変形角の進展により異なる M/M 0 0.0 0.02 0.0 0.04 (a)0 階内柱 M/M 0 0.00.0.0.04 (c)0 階外柱 M/M 0 0.0 0.02 0.0 0.04 (b)8 階内柱 M/M 0 0.00.0.0.04 (d)8 階外柱 図 4 解析 Ⅱ における M/M と の関係 6. まとめ 階建及び 0 階建 C 造梁降伏型フレーム構造を対象に静的非線形解析を行い 応力推定法について検討した その結果 以下の知見を得た () 解析終了時のベースシア係数及び内柱のせん断力は 解析中間値と全体崩壊率を用いた方法により精度良く推定できる (2) 解析終了時の圧縮側外柱のせん断力は 解析中間値と全体崩壊率による推定値に比較的良く対応するが 内柱と比べて推定精度がやや劣る () 解析終了時の内柱曲げモーメントは 崩壊層では解析中間値と全体崩壊率によりある程度推定できるが 変形の増大に伴う反曲点の移動に注意が必要である なお 本研究は全体崩壊率を用いた応力推定法 4) を 0 階建建築物のほか 階建建築物にも適用して 推定精度の検討を進めたものである 参考文献 ) 国土交通省住宅局建築指導課ほか : 建築物の構造関係技術基準解説書 pp.449-454 07 2) 日本建築学会 : 鉄筋コンクリート造建築物の靭性保証耐震設計指針 同解説 999 ) 日本建築学会 : 鉄筋コンクリート構造計算基準 同解説 999 4) 和泉信之ほか : 未崩壊層を有する C 造梁降伏型フレーム構造の必要保有水平耐力算定用崩壊形及び応力に関する研究 コンクリート工学年次論文集 Vol.2 pp.4-48 0.7-22-