Ⅳ 所得控除 Section 1 雑損控除 医療費控除 60 Section 2 生命保険料控除 地震保険料控除等 65 Section 3 寄附金控除 障害者控除等 70 Section 4 配偶者 ( 特別 ) 控除 扶養控除等 75 Ⅴ 税額の計算と税額控除 Section 1 所得税額等の計

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税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

スライド 1

FX取引に係る確定申告について

1: とは 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの ( 青色事業専従者等に該当する者を除く ) のうち 合計所得金額 ( 2) が 38 万円以下である者 2: 合計所得金額とは 総所得金額 ( 3) と分離短期譲渡所得 分離長期譲渡所得 申告分離課税の上場株式等に係る配当所得の金額 申告分

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スライド 1

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

[Q1] 復興特別所得税の源泉徴収はいつから行う必要があるのですか 平成 25 年 1 月 1 日から平成 49 年 12 月 31 日までの間に生ずる所得について源泉所得税を徴収する際 復興特別所得税を併せて源泉徴収しなければなりません ( 復興財源確保法第 28 条 ) [Q2] 誰が復興特別所

上場株式等の譲渡益に係る課税 上場株式等の税金について 上場株式等の譲渡益に係る税率は以下の通りです 平成 25 年 1 月 1 日 ~ 平成 25 年 12 月 31 日 平成 26 年 1 月 1 日 ~ 平成 49 年 12 月 31 日 平成 50 年 1 月 1 日 ~ % (

2018年 租税法基礎答練1回

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

税法実務コース 海外勤務者と外国人の出国 入国 滞在時の国際税務 学習スケジュール 回数学習テーマ内容 第 1 回 第 2 回 第 3 回 第 1 章 第 2 章 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 第 7 章 第 8 章 テーマ 1 居住者 非居住者判定テーマ 2 課税範囲についてテー

平成19年度市民税のしおり

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得等の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得等から控除)編

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分


所得控除 雑損控除 医療費控除 社会保険料控除等 旧生命保険料控除 旧個人年金保険料控除 ( 実質損失額 - 総所得金額等の合計額 10%) 又は ( 災害関連支出の金額 -5 万円 ) のうち いずれか多い方の金額医療費の実質負担額 -(10 万円と総所得金額等の 5% のいずれか低い金額 ) 限

株式等の譲渡(前年からの繰越損失を譲渡所得及び配当所得から控除)編

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

(1) 所得階級別人員 区 分 給与所得者 所得者別内訳 雑所得者 他の区分に該当しない所得者 人人人人人人人人人 70 万円 以下 25,319 1,201 20,012 54, ,063 6, , 万円 12,048 2,039 8,935 22,

以下の表のように計算されます 総 所 得 金 額 所得控除 課税総所得金額 退職所得金額 雑 損控除額 課税退職所得金額 山林所得金額 土地等に係る事業所得等の金額 土地建物等に係る譲渡所得金額 医療費 社会保険料 小規模企業共済等掛金 生命保険料 地震保険料 配偶者 配偶者特別 課税山林所得金額

経 [2] 証券投資信託の償還 解約等の取扱い 平成 20 年度税制改正によって 株式投資信託等の終了 一部の解約等により交付を受ける金銭の額 ( 公募株式投資信託等は全額 公募株式投資信託等以外は一定の金額 ) は 譲渡所得等に係る収入金額とみなすこととされてきました これが平成 25 年度税制改

3 ページ 4 ページ 5 ページ 5 6 ページ 7 ページ 8 ページ 8 ページ 9 ページ 10 ページ 2

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

必要経費の考え方 所得の種類によって 名前は異なるが 内容としては 必要経費 にあたるものを示していると考える ( 例 ) 配当所得の場合 株式取得の借入金利子給与所得の場合 給与所得控除額雑所得 ( 公的年金 ) の場合 公的年金等控除額譲渡所得の場合 取得費用などの他 特別控除額一時所得の場合

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投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

特定口座一般口座株式等の譲渡 売却などが該当 ) による所得は 申告分離課税の対象となっており 原則として お客さまによる譲渡損益の計算や申告納税の手続きが必要です 特定口座には これらの事務負担を軽減する機能があります 特定口座の機能 上場株式等の譲渡損益の計算 管理を行います 特定口座内に保管す

1 基本項目 ⑴ 所轄税務署長給与の支払者の所在地 ( 住所 ) の所轄税務署名を入力します 所轄税務署が不明な場合 国税庁ホームページ にある 税務署を検索 で郵便番号等による検索ができますので 参照してください ⑵ 給与の支払者の法人番号この欄には 申告書を受理した給

第5回基礎問題小委員会 礎5-4

( 外国 ) 同上 ケース ( ) 相続人が取得した全 2 財産に対して課税 ( 外国 ) 国内財産に対しての み課税 ケース ( ) 相続人が取得した全 3 財産に対して課税 ( 外国 ) 同上 ( 平成 25 年度税制改正より ) ケース ( ) 被相続人 相続人いず 4 れも 5 年超居住の場

6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

上場株式等の配当等に対する課税

配当所得 配当所得の金額 = 収入金額 - 元本取得のための ( 源泉徴収前 ) 借入金の利子 原則 支払い時に源泉徴収 確定申告によって精算 総合課税 申告不要あり 株式の配当 株式投資信託の収益分配金 保険会社から受け取る基金利息など 申告分離課税あり 例外 非課税株式投資信託の特別分配金 (

所得控除 基礎控除 配偶者控除などの下記の表に記載されたものをいいます それぞれ一定の要件を満たしている場合は 課税所得金額を計算する際に それぞれの控除が受けられます 個人の県民税 個人の市町村民税 12

Microsoft Word - FP2級法改正情報 doc

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公募株式投資信託の解約請求および償還時

【表紙】

株式等の譲渡(特定口座の譲渡損失と配当所得の損益通算及び翌年以後への繰越し)編

(1)制度創設時の考え方

Ⅰ 年の中途で行う年末調整の対象となる人 年末調整は 原則として給与の支払者に 給与所得者の扶養控除等 ( 異動 ) 申告書 ( 以下 扶養控除等申告書 といいます ) を提出している人について その年最後に給与の支払をする時に行うことになっていますので 通常は12 月に行うこととなりますが 次に掲

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

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所令要綱

退職金についての市県民税はどうなるの? 私は平成 28 年 4 月に退職しました 勤続 30 年で退職金は 2,100 万円ですがこの退職 金に対する市県民税はいくらですか 通常の市県民税の課税は前年中の所得に対し翌年課税されるしくみになっていますが 退職金に対する課税については 他の所得と分離して

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平成16年度

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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債券税制の見直し(金融所得課税の一体化)に伴う国債振替決済制度の主な変更点について

妙高市 税に関するWEBページ

N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

第 11 表の 1 平成 25 年度個人の市町村民税の納税義務者等に関する調 所得割のみを納める者 納税義務者 ( 人 ) 所得割額 ( 千円 ) 給与所得者営業等所得者農業所得者その他の所得者給与所得者営業等所得者農業所得者その他の所得者 1 下 関 市

税金読本(3-2)住民税(所得割)の計算方法と納税

第11 源泉徴収票及び支払調書の提出

平成16年度

15 共済事業を行う農業協同組合の締結した建物更生共済契約又は火災共済契約その他これに類する共済に関する契約 ( 注 )1 確定給付企業年金法の規定による承認の取消しを受けた規約型企業年金に係る規約に基づきその取消しを受けた時以後に支払われる年金等についても 上記と同様に源泉徴収を行うこととなります

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

iii. 源泉徴収選択口座への受入れ源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

賦課の根拠となった法律及び条例(その2)

~ この操作の手引きをご利用になる前に ~ この操作の手引きでは 確定申告書の作成方法を説明しています 操作を始める前に 以下の内容をご確認ください 共通の操作の手引きの確認入力方法やデータ保存 読込方法などを説明した ( 共通 )e-tax で送信するための準備編 又は ( 共通 ) 書面提出 (

しなければならない人としたほうがいい人!平成30年分所得税の確定申告

配当所得は 他の所得と総合し 累進税率を適用して税額を計算しますが 一定の上場株式等の配当等については 他の所得と分離して税額を計算する申告分離課税を選択することができます ただし 申告分離課税を選択すると 配当控除を受けられず 確定申告をする一定の上場株式等の配当等の全てについて総合課税とするか

妙高市 税に関するWEBページ

私たちの市税



改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

概要 平成 27 年までと平成 28 年以後の証券税制の比較 平成 27 年までは 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが異なっています 平成 28 年以後は 金融所得課税の一体化 により 上場株式等 と 公社債等 の税制上の取扱いが統一されます 平成 27 年まで 上場株式等 上場株式 公募

CONTENTS 第 3 章税額控除と申告 納付 1 外国での税額や配当所得がある場合 75 ~ 住宅借入金等特別税額控除 ~ 80 ~その他の税額控除 ~ 86 2 変動所得と臨時所得 92 3 所得税の申告 納付 97 4 申告 納付手続きと国税処分 不服申立て 101 このコースは, 平成 2

平成 28 年度市民税 県民税申告の手引き 申告書を提出しなければならない人平成 28 年 1 月 1 日現在 幸手市内に住所を有する人 (1 月 2 日以降に幸手市に転入した人は従前の住所地で申告を行ってください ) ただし 次に該当する人は この申告をする必要はありません 1 平成 27 年分の

地震保険料 寡婦控除寡夫控除 あなたやあたなと生計を一にする配偶者その他の親族が所有している居住用家屋 生活用動産を保険や共済の目的とする契約で かつ 地震 噴火又は津波等を原因とする火災 損壊等による損害の額を補てんする保険金や共済金が支払われる地震保険 また平成 18 年末までに結んだ保険期間

申告所得税関係 手続名 帳票名平成年分セルフメディケーション税制の明細書 ( 次葉 ) 特定証券投資信託に係る配当控除額の計算書 平成 年分給与所得の源泉徴収票 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分特定口座年間取引報告書 ( 平成 28 年以降用 ) 平成 年分公的年金等の源泉徴収票 ( 平成

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スライド 1

平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

 

(3) 市町村民税の特別徴収義務者に関する調 ( ロ ) 年金特徴に係る分 特別徴収義務者数 ( 単位 : 人 千円 ) 納税義務者数 特別徴収税額 特別徴収税額の内訳 (b)+(c) 納税義務者数うち均等割のみ (a) 所得割額 (b) 均等割額 (c) 高知市 9 19,810 3,962 60

「2 所得税及び復興特別所得税の確定申告書データをお持ちでない方」からの更正の請求書・修正申告書作成編

(ⅲ) 源泉徴収選択口座への受入れ 源泉徴収ありを選択した特定口座 ( 以下 源泉徴収選択口座 といいます ) が開設されている金融商品取引業者等 ( 証券会社等 ) に対して 源泉徴収選択口座内配当等受入開始届出書 を提出することにより 上場株式等の配当等を源泉徴収選択口座に受け入れることができま

本資料のポイント 平成 29 年度税制改正で 上場株式等に係る配当等 について 所得税 と 住民税 で異なる課税方式を選択することが可能であると明確化されました このことにより 課税所得 900 万円以下の場合 所得税は 総合課税 住民税は 申告不要 を選択することで 納税額を抑えることが可能となり

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e. 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度 ( ジュニア NISA) 未成年者に係る少額上場株式等の非課税口座制度に基づき 証券会社等の金融商品取引業者等に開設した未成年者口座において設定した非課税管理勘定に管理されている上場株式等 ( 平成 28 年 4 月 1 日から平成 35 年 12

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

平成 31 年度 ( 平成 30 年分 ) 所得控除 雑損控除 納税義務者又はその者と生計同一の配偶者 その他親族が有する資産について 災害 盗難 横領によ る住宅 家財 現金の損害一定額 控除計算 A B いずれか多い方の金額 A:( 損失額 - 保険金等による補てん額 )-( 総所得金額等の合計

( ロ ) 出資等減少分配に係る税務個人投資主が本投資法人から受取る出資等減少分配 ( 所得税法第 24 条に定めるものをいいます 以下 本 ( ロ ) 出資等減少分配に係る税務 において同じです ) のうち本投資法人の税務上の資本金等の額に相当する金額を超える金額がある場合には みなし配当 ( 計

株式等の譲渡(特定口座(源泉徴収なし)と一般口座)編

3 特別徴収義務者の指定及び特別徴収税額の決定手続 5. 給与所得に係る特別徴収義務者の指定等 ( 法 3の4) 市町村は 特別徴収の方法によって個人の住民税を徴収しようとする場合には 当該年度の初日においてその納税義務者に対して給与の支払いをする者のうち 所得税の源泉徴収義務がある者を 当該市町村

平成19年度分から

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税務相談コース 所得税 Ⅰ 総合課税される所得税 TEXT 1 Contents Ⅰ 所得税の基礎知識 Section 1 所得税の納税義務者と課税方法 2 Section 2 総合課税される所得の課税のしくみ 7 Section 3 非課税所得 12 Section 4 青色申告 14 Ⅱ 各種所得の金額 Section 1 配当所得 20 Section 2 不動産所得 25 Section 3 事業所得 30 Section 4 給与所得 33 Section 5 譲渡所得 ( 総合課税されるもの ) 37 Section 6 一時所得 42 Section 7 雑所得 45 Ⅲ 所得の総合と損益通算等 Section 1 所得の総合 50 Section 2 損益通算 53 Section 3 純損失の取扱い 58 (iv)

Ⅳ 所得控除 Section 1 雑損控除 医療費控除 60 Section 2 生命保険料控除 地震保険料控除等 65 Section 3 寄附金控除 障害者控除等 70 Section 4 配偶者 ( 特別 ) 控除 扶養控除等 75 Ⅴ 税額の計算と税額控除 Section 1 所得税額等の計算 82 Section 2 配当控除 86 Section 3 住宅借入金等特別控除 90 Ⅵ 確定申告と納付等 Section 1 予定納税と確定申告 102 Section 2 納付期限と延納等 107 Section 3 源泉徴収制度 111 (v)

受講にあたって ⑴ 金融業務と税務相談年々複雑化する税制を背景に お客さまから寄せられる税務相談の内容は より広範になり その需要も一層高まりを見せています 一般に 実際の税務相談においては 所得税法 相続税法 法人税法といった税法に関する質問よりも 民法 会社法 不動産登記法など 他の法令の知識を前提とした 税 に関する複合的な相談が多いようです そのため 金融機関の行職員として お客さまからの税務相談に的確に回答するためには 本コースで学習する知識だけではなくさまざまな分野の知識が必要となります たとえば 相続や贈与に関する相談では相続税法だけでなく民法の知識が 会社に関する相談では法人税法だけでなく会社法の知識もあるとよいでしょう また 損益計算に関する相談では企業会計に関する知識が 不動産に関する相談では登録免許税法 印紙税法 地方税法のみならず 不動産登記法 区分所有法 建築基準法や売買契約 請負契約 賃貸借契約などの民法の知識も重要となります そこで 本コースのテキストを精読して税金の知識を深めるとともに 上記知識についても併せて勉強されることおすすめいたします ⑵ 本コースの構成と学習の流れ本コースは 税務入門コース の上級編として 基本的な税金の知識はもちろん その知識をより実践的に活用できる応用力を身に付けるスタンダードコースとして 次のような流れで学習していきます TEXT 1 : 所得税 Ⅰ 総合課税される所得税 TEXT 2 : 所得税 Ⅱ 分離課税される所得税 不動産の税務 個人の地方税 TEXT 3 : 相続税 贈与税 財産評価 TEXT 4 : 法人税 法人の地方税 消費税 また 日常業務で役立つ知識を得るためには わが国の税法の体系を把握し 毎年行われる税制改正にも目を向ける必要があります それは 税制改正の動向が私たちの暮らしにさまざまな影響を与えるものだからです 以下は わが国の税法の体系と税制改正の成立過程を図式化したものです 税制改正の内容については 財務省のホームページの 各年度別の税制改正の内容の概要 に簡易的にまとめられていますので 参考にしてください (vi)

法の体系4 通達税1 法律 2 政令 3 省令 税法の体系 A. 税法 ( 一般法 ): 所得税法 法人税法など憲法に定める租税法律主義 ( 課税の公平 ) にもとづき 普遍的 な事柄として 頻繁な改正を 予定していない 内容を規定 B. 租税特別措置法 ( 特別法 ) 目まぐるしく変化する社会経済に対応すべく その時々の政策により 期限を設けて迅速に そして絶えず改正することが 予定される 内容を規定 所得税法施行令, 法人税法施行令, 租税特別措置法施行令法律を実施するために 内閣が制定する成文法 所得税法施行規則 法人税法施行規則 租税特別措置法施行規則 法律 政令を施行するために 各省大臣が制定する成文法 所得税基本通達, 法人税基本通達 各大臣 各庁の長官が 内部での法令の解釈を統一する ために 上級機関が下級機関に対して示す行政機関内部の文書 前年 8 月頃まで 前年 9 月 ~ 12 月中旬頃まで 前年 12 月中旬頃 前年 12 月下旬頃 本年 1 月中旬頃 税制改正成立までの流れ 財務省が各省庁からの要望を受けます 財務省と各省庁とで折衝を行います 政府税調が中長期的な視点で年度改正を位置づける改正案を首相に答申します 税制改正大綱を作成します 政府税調の答申や各省庁の要望を受けて 財務省主税局で取りまとめを行います 税制改正大綱を閣議決定し 税制改正要綱とします 税制改正要綱の閣議決定を受けて 再び財務省主税局で法案を作成します これが政府案となります 政府案を国会に提出します 毎年 3 月下旬頃に法律として成立します この成立を受けて順次 施行令 施行規則 通達が制定されます ⑶ 本コースを学習した先にあるもの本コースは わが国の主要税法に関する基本知識を習得することを主たる目的として制作しております 税金の知識は 日々の相談業務だけでなく 普段の何気ない会話の中においても お客さまからの信用を獲得する武器となります ぜひスキルアップのためのツールとしてお役立てください また 銀行業務検定試験 税務 3 級 にも対応した内容となっておりますので 本コース修了後にはぜひチャレンジし 合格されますことを期待しております それでは これから 4 か月にわたる学習を通じて得た知識と考え方を活かし ご活躍されますことを心より祈念しております (vii)

所得税の納税義務者と 1 課税方法 Section 1 所得税とは 所得税は 私たち個人の所得に課される税金 国税 です 課税の対象額である課 税標準は 原則として 毎年 1 月 1 日から12月31日までの 1 年間 暦年 の所得を合 計したものとなります この場合の 個人 とは 会社などの法人に相対する用語で あり 民法上の自然人 権利能力が認められる社会的実在としての人間 を指します 2 納税義務者の分類と課税される所得の範囲 所得税法では 日本国籍の有無および 日本での居住形態に応じて 納税義務者で ある個人を居住者と非居住者の区分に分類し それぞれ課税される所得の範囲を次の ように定めています 納税義務者の分類と課税される所得の範囲 納税義務者の分類 居住者 注 1 非永住者 国内に住所 注 2 を有し または現在まで 以外の居 引き続いて 1 年以上居所 注 3 を有する非 住者 永住者以外の個人 課税される所得の範囲 すべての所得 所 7 ①一 居住者のうち 日本国籍を有しておらず 国内源泉所得 注 4 およびこれ以外 かつ 過去10年以内の間に国内に住所また の所得のうち 国内において支払わ 非永住者 は居所を有する期間の合計が 5 年以下であ れ または国内に送金されたもの る個人 所 7 ①二 非居住者 居住者以外の個人 注 5 国内源泉所得 注 4 のみ 所 7 ①三 注 1 国内に住所があるか または現在まで引き続いて 1 年以上居所がある個人をいう 所 2 ①三 なお 居住者 は 非永住者以外の居住者 と 非永住者 に分かれる 注 2 生活の本拠である場所 注 3 生活の本拠ではないもののある程度継続して滞在している場所 注 4 発生原因が日本国内にある各種の所得 注 5 具体的には 国内に住所を有しない者で かつ 引き続いて 1 年以上国内に居所を有しない個人をいう たとえば上表から日本に住んでいるが日本国籍を有しない外国人は その居住形態 に応じて 少なくとも国内で行う事業 国内での勤務に基因する給料など 日本国内 に源泉のある所得 国内源泉所得 について 所得税を納める義務を負っていること が分かります 所 5 ② なお 日本に国籍 住所がある者は 非課税所得を除くすべての所得について 所 得税を納める義務を負うこととなっています 2

Ⅰ 3 所得の分類 所 得 税の基 礎 知 識 所得税では 個人の 1 暦年の所得から 非課税所得や源泉分離課税扱いの所得を除 き 各所得をその発生態様 原因 に応じて10種類に分類したうえで それぞれの所 得ごとに金額を計算します これは 各種所得の多様な発生態様に適合させたうえで 必要経費等の範囲 所得の計算方法や課税方法を決める必要があるからです この10種類の各種所得のうち 山林所得と退職所得は所得税法においてもともと分 離課税扱いの所得とされていますが それ以外の所得は 原則として総合課税扱いの 所得となっています 総合課税とは 対象となる各所所得を合計し その合計額に対 して所得税の基本である超過累進税率 所得が多いほど高い税率を乗ずる方式 を乗 じて税額を計算する方式をいいます ただし 後述のとおり 土地 建物 株式に係 る譲渡所得等などは 租税特別措置法において政策的に分離課税扱いを受けることに なっていますので 留意が必要です 4 所得の金額の計算方法 10種類の所得の金額の計算方法は 次のとおりです 各種所得の種類と所得の金額の計算方法 所得の種類 所得の金額の計算方法 利子所得 所23 収入金額 配当所得 所24 収入金額 元本取得に要した負債の利子 不動産所得 所26 総収入金額 必要経費 事業所得 所27 総収入金額 必要経費 給与所得 所28 収入金額 給与所得控除額 譲渡所得 所33 総収入金額 取得費 譲渡費用 特別控除額 50万円 一時所得 所34 総収入金額 その収入を得るために支出した金額 特別控除額 50万円 雑所得 所35 公的年金等の収入金額 公的年金等控除額 総収入金額 必要経費 退職所得 所30 収入金額 退職所得控除額 山林所得 所32 1 2 総収入金額 必要経費 特別控除額 50万円 3

5 所得税の課税方法 前述のとおり所得税は 原則として 非課税所得以外の10種類の所得をすべて総合 合算 して課税されます ただし 一部の所得については 発生態様 政策目的に より他の所得から分離して課税されます 他の所得から分離して 単独で 課税される所得には 次のように 分離課税扱い の所得 と 源泉分離課税扱いの所得 の 2 つの所得があります ⑴ 分離課税扱いの所得 分離課税とは 11頁の図表 所得税の課税のしくみ 内の A. 総合課税される所 得 から分離して B. 分離課税される所得 として その所得単独で所得税額を 計算する課税方法をいいます ただし 分離課税扱いの所得であっても 損益通算や損失の繰越控除 所得控除 さらには税額控除 源泉徴収税額や予定納税額の控除 還付 などの各計算段階では 総合課税される所得と同じ基準で取り扱います したがって 確定申告も 1 枚の申告 用紙を用いて同時に行うことができます 現行では 次のような所得が 分離課税扱いの所得とされています ① 所得税法でもともと分離課税扱いの所得とされているもの 山林所得 退職所得 ② 租税特別措置法で政策的に分離課税扱いの所得とされているもの 本来は総合課税扱いの所得に区分されるものの その中に土地 建物 株式 先物 取引などの取引に関するものがあるときには 租税特別措置法 において分離課税 の対象とされています 土地 建物等にかかる譲渡所得 株式等にかかる譲渡所得等 先物取引にかかる雑所得等 ⑵ 源泉分離課税扱いの所得 源泉分離課税とは その支払を受ける際に所定の税額が源泉徴収され それによっ てすべての課税関係を完結させる課税方法をいいます つまり 源泉分離課税扱いの所得 次頁①の所得と結果的に②の所得 は 非課税 4

所得と同様に 最初からなかったものとみなされ 11頁の図表 所得税の課税のしく Ⅰ 所 得 税の基 礎 知 識 み の計算から除外されます ① 租税特別措置法の規定により 一律の税率で源泉分離課税 扱いを受けるもの 本来であれば 総合課税される所得に区分されるものの 源泉徴収により分離課税 を行うことで課税関係を完結させることを 租税特別措置法 が強制する次のような 所得をいいます 利子所得 国内において支払を受けるべき 特定公社債以外の公社債の利子等 定期積金の給付補てん金 抵当証券の利息 金貯蓄口座 金投資口座による利益 外貨建預貯金の為替差益 約定した率により円換算して支払われるもの 為替予約を 付したもの 保険期間等が 5 年以下または 5 年以内に解約した一時払養老保険 一時払損害保険等 の差益 懸賞金付預貯金等の懸賞金等 上記のものは その支払を受ける際に収益等に対する所得税および復興特別所得税 15.315 住民税 5 が源泉徴収されることで課税関係が完結します ② 租税特別措置法の規定により 結果的に源泉分離課税 扱いとなるもの 本来は源泉分離課税扱いの所得ではないものの 租税特別措置法において 申告不 要 が規定されているため これを選択すると結果的に 源泉徴収が行われるだけで すべての課税関係が完結する 次のような所得をいいます 特定口座内保管上場株式等 源泉徴収あり を売却した場合の譲渡所得 譲渡益につき所得税および復興特別所得税15.315 住民税 5 による源泉徴収を受 けます この際に申告不要を選択すると 課税関係を完結させることができます 上場株式の配当金や公募株式投資信託の収益分配金にかかる配当所得 配当金等の金額の多寡にかかわらず 所得税および復興特別所得税15.315 住民税 5 による源泉徴収を受けます この際に申告不要を選択すると 課税関係を完結させ ることができます 5

参 考 非課税所得 本来は課税対象である所得であるものの政策上または課税技術上の見地から所得税を 課さないこととしているものをいいます 10種類に分類された所得の中に非課税とされ るものがあり その所得を非課税所得といいます たとえば給与所得であれば 通勤手 当 などが非課税所得となります 詳細はⅠSection 4 を参照のこと 6

総合課税される所得の 2 課税のしくみ Section 1 総合課税される所得 総合課税される所得については 11頁の図表 所得税の課税のしくみ の A 総合課税される所得 を中心に 計算の流れを⑴ ⑻の順番に沿って解説していき ますので 総合課税の概略 全体像 をイメージしながら読み進めてください 総合課税の概略 ⑴ 各種所得の金額 ⑵ 課税標準 ⑶ 所得控除額 ⑷ 課税所得金額 ⑸ 税 額 ⑺ 所得税額 ⑻ 確定申告による納付税額 還付税額 ⑹ 税額控除額 ⑴ 各種所得の金額の計算 まず 最初に各種所得の金額の計算を行います なお 所得の分類は10種類に分か れますが 実際の所得計算にあたっては 総合課税される所得と分離課税される所得 に分けて計算を進めます 次頁の算式中の 注意事項 を参照 ⑵ 課税標準の計算 次に 総合課税扱いになる各種所得を合計して 総所得金額 を算出します これ が総合課税扱いをする所得の課税標準になります この際に 長期 資産の保有期間が 5 年超のもの の譲渡所得と一時所得について は その所得金額の 2 分の 1 を課税対象とします ① 損益通算 次頁の算式において 各種所得の金額がすべて黒字であれば これらを合計すると 総所得金額 総合課税の対象となる所得の合計額 が求められます ただし 各種所 得の金額に損失 赤字 がある場合には 一定のルールに従って他の黒字の所得金額 と損益通算 相殺 して総所得金額を算出します この損益通算においては 一時所 得と長期譲渡所得の金額は それぞれ 2 分の 1 をする前の所得間で行います ② 合計所得金額 課税標準 このように計算した 総所得金額 は 山林所得 株式等にかかる譲渡所得等など 分離課税扱いを受ける他の所得の金額と合算することで 課税標準の計算上 合計 7

総所得金額 配当所得 不動産所得 事業所得 給与所得 短期譲渡所得 長期譲渡所 1 1 得 一時所得 雑所得 2 2 注意事項 1 利子所得は 租税特別措置法により源泉分離課税や申告分離課税 特定 公社債の利子など 扱いとされている 2 利子所得に類似する金融商品等の収益は 租税特別措置法により源泉分 離課税扱いとされている 3 山林所得 退職所得は 所得税法によりもともと分離課税扱いとされて いる 4 譲渡所得 事業所得 雑所得のうち土地建物等 株式等に係るものは 租税特別措置法により分離課税扱いとされている 5 事業所得 雑所得のうち先物取引にかかるもの 商品先物取引 金 大 豆 ガソリンなど 有価証券先物取引 市場デリバティブ取引など は 租税特別措置法により分離課税扱いとされている 6 上場株式等の配当所得は 総合課税と分離課税のいずれかを選択するこ とができる 所得金額 損益通算後の所得の合計額 と呼ばれます この合計所得金額 総所得金額およびその他の分離課税される各所得の総称 から 純損失 雑損失の繰越控除を行うと 課税標準 総所得金額等ともいう となります ⑶ 所得控除額の計算 所得税では 所得控除といって 個々の家計の負担などを考慮して税負担の調整を 図るために 総所得金額等から控除することができる金額を設けています 所得控除 は 現在 次の14種類が設けられています 雑損控除 障害者控除 医療費控除 寡婦 寡夫 控除 社会保険料控除 勤労学生控除 小規模企業共済等掛金控除 配偶者控除 生命保険料控除 配偶者特別控除 地震保険料控除 扶養控除 寄附金控除 基礎控除 ⑷ 課税所得金額の計算 所得控除は 総所得金額等 課税標準 のうち まず総所得金額から控除します そして その控除後の金額を 課税総所得金額 といいます なお 課税総所得金額 8

およびその他の分離課税される各課税所得の総称を課税所得金額といいます 課税総 Ⅰ 所 得 税の基 礎 知 識 所得金額は総所得金額から所得控除額を控除して算出しますが 控除する順番は上記 14種類のうち 雑損控除から控除します 雑損控除をしても課税総所得金額に残額が あるときは 医療費控除などその他の所得控除の合計額を一括して控除します 課税 所得金額が限度 なお 分離課税扱いの所得がないときは 結果として 課税総所得金額 課税所 得金額 となります そして 総合課税における税額は この課税総所得金額をもと に計算することとなります 課税総所得金額 総所得金額 所得控除額 ⑸ 税額 算出税額 の計算 税額は 算出した課税総所得金額に税率を乗じて計算します 税額 課税総所得金額 総合課税の税率(超過累進税率) ⑹ 税額控除額の計算 上記⑸の税額から控除できるものがいくつか設けられています これらは税額から 控除することとなるため 税額控除 と呼ばれています 主な税額控除は 配当控除 と住宅借入金等特別控除の 2 つです ⑺ 所得税額の計算 上記⑸で算出された税額から⑹の税額控除額を控除した金額をもって その年分の 納付すべき所得税額となります 所得税額 算出税額 税額控除額 ⑻ 確定申告による納付税額 還付税額 の計算 前払してある源泉徴収税額や予定納税額がある人は 上記⑺により算出した所得税 額からこれらの税額を差し引くことで 確定申告による納付税額を求めます この際 に 上記⑺の所得税額よりも前払した税額のほうが大きいときには その差額分を還 付してもらうことができます 納付税額 または還付税額 所得税額 源泉徴収税額 予定納税額 9

① 源泉徴収税額 配当 給与 年金などの支払者 会社など に天引きされた税額を源泉徴収税額と いいます これは 源泉徴収された側 配当 給与などの受取人 からみると ある 意味で税金の前払になります したがって 確定申告の際にはこれを精算することが できます ただし 源泉徴収により課税関係が完結する源泉分離課税扱いの所得や 申告不要を選択した所得は精算できません ② 予定納税額 確定申告による申告納税額 所得税額 源泉徴収税額 が一定額 15万円 以上の 人は 翌年の確定申告時期までの間に その 3 分の 2 相当額をあらかじめ 2 回に分け て前納することになっています これを予定納税といい 前納した税額が予定納税額 です これもある意味で税金の前払となるため 確定申告の際に精算します 10

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