ポイント 河川法の法令に基づく手続きを的確に行い できるだけ早く河川整備計画を策定するよう努力 ダムについて効果が限定的という意見もあるが 実施箇所だけでなく淀川水系の上下流全体に幅広く効果があるものであり また洪水時水位をできるだけ低くし安全基準を守る上で必要不可欠なもの 治水対策は あらゆる規模

Similar documents
滋賀県知事 京都府知事 大阪府知事説明資料 淀川水系河川整備計画の策定に係る諸状況について 平成 20 年 4 月 3 日 国土交通省近畿地方整備局

現行計画 ( 淀川水系河川整備計画 ): 川上ダム案 治水計画の概要 事業中の川上ダムを完成させて 戦後最大の洪水を 中下流部では ( 大臣管理区間 ) 島ヶ原地点の流量 3,000m 3 /s に対して 川上ダムで 200m 3 /s を調節し 調節後の 2,800m 3 /s を上野遊水地や河道

の洪水調節計画は 河川整備基本方針レベルの洪水から決められており ダムによる洪水調節効果を発揮する 遊水地案 は 遊水地の洪水調節計画は大戸川の河川整備計画レベルの洪水から決めることを想定しており 遊水地による洪水調節効果が完全には発揮されないことがある 瀬田川新堰案 は 瀬田川新堰の洪水調節計画は

目 次 桂川本川 桂川 ( 上 ) 雑水川 七谷川 犬飼川 法貴谷川 千々川 東所川 園部川 天神川 陣田川

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

平成 27 年度第 1 回状況説明 ( 要望 ) 活動 平成 27 年 8 月 3 日 ( 月曜日 ) 1 国土交通省 財務省 総務省 内閣府への状況説明 ( 要望 ) 活動について国土交通省へは 岡﨑高知市長と清水大洲市長を先頭に 国土交通省幹部及び関係部局へ状況説明 ( 要望 ) 書の手渡しと要

<4D F736F F D2097A790EC90858C6E89CD90EC90AE94F58C7689E65F E646F63>

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

かつて海の底にあった大阪では 川が縦横無尽に走っていた 大阪はかつては海底 海面が後退してからは 上流からの土砂の堆積により沖積平野が形成 河川は脈流しており 水利用 舟運に適した川沿いの街では度々浸水被害が発生 約 7000 年 ~6000 年前 縄文時代前期前半 800~1700 年ごろの大阪平

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

Microsoft Word - H 記者発表_名張川3ダム演習_ .doc

<93FA8CF590EC B290AE97768D6A8250>

(Microsoft Word - \201\2403-1\223y\222n\227\230\227p\201i\215\317\201j.doc)

淀川水系流域委員会第 71 回委員会 (H20.1 審議参考資料 1-2 河川管理者提供資料

Q3 現在の川幅で 源泉に影響を与えないように河床を掘削し さらに堤防を幅の小さいパラペット ( 胸壁 ) で嵩上げするなどの河道改修を行えないのですか? A3 河床掘削やパラペット ( 胸壁 ) による堤防嵩上げは技術的 制度的に困難です [ 河床掘削について ] 県では 温泉旅館の廃業補償を行っ

パブリックコメントで頂いたご意見 資料 -1

【参考資料】中小河川に関する河道計画の技術基準について

淀川河川整備計画案に関する知事への意見照会について

<4D F736F F F696E74202D E9197BF2D32817A92B489DF8D5E908591CE8DF E815B C A >

H28秋_24地方税財源

PowerPoint プレゼンテーション

本編_淀川水系淀川右岸ブロック河川整備計画(変更)第2章.doc

水防法改正の概要 (H 公布 H 一部施行 ) 国土交通省 HP 1

Microsoft Word 最終【資料-4】.docx

™…

淀川水系流域委員会第 58 回委員会 ( 開催 ) 結果報告 開催日時場所参加者数 2007 年 8 月 29 日 ( 水 )16:30~19:45 京都市勧業館みやこめっせ B1F 第 1 展示場 A 面委員 16 名 河川管理者 ( 指定席 )21 名 一般傍聴者 ( マスコミ

<4D F736F F D2091E E8FDB C588ECE926E816A2E646F63>

<4D F736F F F696E74202D2095BD90AC E81408AD690BC8AC793E082CC8EE682E DD DC58F4994C5817A>

東日本大震災における施設の被災 3 東北地方太平洋沖地震の浸水範囲とハザードマップの比較 4

中井町緑の基本計画(概要版)

<4D F736F F D208AEE967B95FB906A967B95B65F8FAC92C890EC81698BC792B793AF88D3816A2E646F63>

<30365F30305F8E9197BF365F C7689E682CC F5F >

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

スライド 1

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

資料1 第3回災害救助に関する実務検討会における意見に対する回答

<4D F736F F D DC58F4994C5817A904D945A90EC5F8DC4955D89BF92B28F912E646F63>

資料1:地球温暖化対策基本法案(環境大臣案の概要)

ÿþ

<4D F736F F D F967B95B65F8DBB899F90EC90858C6E89CD90EC90AE94F58AEE967B95FB906A5F F4390B394C52E646F6378>

Microsoft Word - 説明本文(2307).doc


五名再評価委員会資料

ダムの運用改善の対応状況 資料 5-1 近畿地方整備局 平成 24 年度の取り組み 風屋ダム 池原ダム 電源開発 ( 株 ) は 学識者及び河川管理者からなる ダム操作に関する技術検討会 を設置し ダム運用の改善策を検討 平成 9 年に設定した目安水位 ( 自主運用 ) の低下を図り ダムの空き容量

新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川洪水浸水想定区域図 ( 計画規模 ) (1) この図は 新川水系新川 中の川 琴似発寒川 琴似川の水位周知区間について 水防法に基づき 計画降雨により浸水が想定される区域 浸水した場合に想定される水深を表示した図面です (2) この洪水浸水想定区域図は 平成

2. 急流河川の現状と課題 2.1 急流河川の特徴 急流河川では 洪水時の流れが速く 転石や土砂を多く含んだ洪水流の強大なエネルギー により 平均年最大流量程度の中小洪水でも 河岸侵食や護岸の被災が生じる また 澪筋 の変化が激しく流路が固定していないため どの地点においても被災を受ける恐れがある

<4D F736F F F696E74202D208E518D6C8E9197BF325F94F093EF8AA98D CC94AD97DF82CC94BB92668AEE8F8082C98AD682B782E992B28DB88C8B89CA2E B8CDD8AB B83685D>

一太郎 10/9/8 文書

<4D F736F F D208BD98B7D92B28DB88EC08E7B95F18D908F915F96788CA42E646F63>

<4D F736F F D20819B322D302D318E9197BF AD8DF489EF8B C8E862E646F63>

学識経験者による評価の反映客観性を確保するために 学識経験者から学術的な観点からの評価をいただき これを反映する 評価は 中立性を確保するために日本学術会議に依頼した 詳細は別紙 -2 のとおり : 現時点の検証の進め方であり 検証作業が進む中で変更することがあり得る - 2 -

【資料1】第1回学識者会議【長野圏域】290130(ヘッダーなし)

untitled

ダム事業の検証に係る検討に関する再評価実施要領細目 第 1 目的本細目は 国土交通省所管公共事業の再評価実施要領 ( 以下 実施要領 という ) に基づき 平成 22 年 9 月から臨時的にかつ一斉に行うダム事業の再評価を実施するための運用を定めることを目的とする 第 2 対象とする再評価 1 平成

近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

<4D F736F F D E E96914F955D89BF82CC906982DF95FB2E646F63>

<4D F736F F F696E74202D E9197BF A90EC95D390EC8EA CE8DF488C42E B93C782DD8EE682E890EA97705D>

<817991E591EA817A834A838B C8EAE E786477>

<ハード対策の実態 > また ハード対策についてみると 防災設備として必要性が高いとされている非常用電源 電話不通時の代替通信機能 燃料備蓄が整備されている 道の駅 は 宮城など3 県内 57 駅のうち それぞれ45.6%(26 駅 ) 22.8%(13 駅 ) 17.5%(10 駅 ) といずれも

鬼怒川緊急対策プロジェクト 鬼怒川下流域 茨城県区間 において 水防災意識社会 の再構築を目指し 国 茨城県 常総市など 7市町が主体となり ハードとソフトが一体となった緊急対策プロジェクトを実施 ハード対策 事業費合計 約600億円 ソフト対策 円滑な避難の支援 住民の避難を促すためのソフト対策を

<4D F736F F F696E74202D F093EF8A6D95DB8C7689E681768DEC90AC82CC8EE888F882AB2E B8CDD8AB B83685D>

< F31332D81798E9197BF A8B638E968E9F91E E68251>

避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

<4D F736F F D EC90858C6E817A89CD90EC90AE94F58AEE967B95FB906A E342E A2E646F63>

目次 第 1 河川の総合的な保全と利用に関する基本方針 河川及び流域の現状... 1 (1) 河川及び流域の概要... 1 (2) 治水事業の沿革と現状... 1 (3) 河川の利用及び住民との関わり... 2 (4) 河川環境 河川の総合的な保全と利用に関する基本方針.

昭和 45 年度 月 旧吉野川河口堰建設事業に関する事業実施方針を 建設大臣が水資源開発公団に指示 ( 旧吉野川河口堰工事誌 8 頁 ) 昭和 45 年度 月 台風 10 号により吉野川で洪水 ( 吉野川水系河川 昭和 45 年度 月 旧吉野川河口堰建設事

(3) その他 全日制高校進学率の向上を図るため 更に公私で全体として進学率が向上するよう工夫する そのための基本的な考え方として 定員協議における公私の役割 を次のとおり確認する 公立 の役割: 生徒一人ひとりの希望と適性に応じて 多様な選択ができるよう 幅広い進路先としての役割を担い 県民ニーズ

平成 28 年度補正予算和歌山県における事業計画総括表 ( 単位 : 千円 ) 事業区分 負担基本額 地方負担額 河川関係 1,382, ,040 道路関係 3,651, ,314 公園関係 - - 港湾関係 ( 港湾海岸事業を含む ) 445, ,550 空港関

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

07_henkou_fuzu.pdf

資料 2 東海管内における農業水利施設の防災 減災の取組 ( 農村地域防災減災事業 海岸事業 ) 平成 27 年 2 月東海農政局整備部防災課

つに分けて契約した事態について内部牽制が機能していなかった イ 監査の状況 監事 監査室 経理課総務監査係等 公認会計士の各監査機関等において 監査対象の重複 漏れが極力生じないよう 各監査機関等が監査計画を調整するなどして 効率的 効果的な監 査を行うことが必要だが いずれの監査機関等も 本件の契

資料 2-2 財政制度等審議会財政投融資分科会 編成上の論点 地方公共団体 平成 26 年 11 月 28 日財務省理財局

JICA 事業評価ガイドライン ( 第 2 版 ) 独立行政法人国際協力機構 評価部 2014 年 5 月 1

<4D F736F F F696E74202D E9197BF2D34817A81698DC58F49816A946E95A390EC89CD90EC8E968BC682CC906992BB8FF38BB581698CA78AC7979D8BE68AD4816A2E >

883 森脇榮一氏 平成 19 年 11 月 15 日交野市住民森脇榮一淀川水系河川整備計画原案に対する意見 -1 ダムアセットマネジメントの最大の成果 * 川上ダム活用による木津川上流ダム群の長寿命化 * 1. はじめに 私は 36 年間建設省に勤務し その大半の18 年間を淀川水系の事務所に勤務

PowerPoint プレゼンテーション

Microsoft Word - 03.【参考】新旧対照表(中防災).docx


基本的な考え方 羽田空港の機能強化は 首都圏だけでなく日本全体にとって不可欠であり 機能強化の必要性やその実現方策等について 関係自治体の協力も得ながら できる限り多くの方々に知って頂くように努める 基本的な考え方 1 羽田空港の機能強化の必要性やその実現方策等について できる限り多くの方々に知って

3 参加しやすい工夫 ( 効果的な周知や会議運営 ( 開催時間 委員の構成等 ) の工夫 ) 4 名柳田委員 猪瀬委員 庄司委員 小橋委員 2 名関口副会長 高柴委員 1 名櫻井委員 関口副会長 パブリックの後の説明会 意見交換会の開催検討の方向性は 担当課の工夫がある 高柴委員 このバスを望んでい

<4D F736F F D208E518D6C8E9197BF C FE3835F83808A A8DC58F492E646F63>

Taro-導水路 


<4D F736F F F696E74202D E9197BF817C A8A778EAF8C6F8CB182F0974C82B782E98ED CC82B288D38CA92E70707

橋 梁 長 寿 命 化 修 繕 計 画

Microsoft Word - 07第2章.doc

PowerPoint プレゼンテーション

<323091E693F18FCD208E96914F959C8BBB82CC8EE F DF82E98FE382C582CC8AEE967B934982C88D6C82A695FB2D322E786477>

資料 3-1 水防災意識社会再構築ビジョン に基づく 矢作川の減災に係る取組方針 フォローアップ資料 平成 29 年 5 月 25 日 矢作川水防災協議会 岡崎市 碧南市 刈谷市 豊田市 安城市 西尾市 知立市 高浜市 幸田町 愛知県防衛省陸上自衛隊豊川駐屯地 名古屋地方気象台 国土交通省豊橋河川事

<819A819A94928E E738C7689E F E6169>

<4D F736F F F696E74202D FAC97A290EC835F A90E096BE8E9197BF E707074>

1

Microsoft PowerPoint - 資料-1H220830_日光川⑤(修正後HP版).ppt

22年2月 目次 .indd

<4D F736F F F696E74202D2088A295908C4790EC918D8D C6E8AC28BAB90AE94F58E968BC681408DC4955D89BF814090E096BE8E9197BF2E >

平成 29 年 8 月 18 日 ( 金 ) 記者発表資料 首都圏の水がめ 利根川及び荒川水系のダム貯水状況について 関東地方整備局および水資源機構では 利根川水系で 12 のダム ( 利根川上流域に 8 ダム 鬼怒川上流域に 4 ダム ) 荒川水系では 4 つのダムを管理しています これらのダムの

琵琶湖周辺に対する効果再開発事業の背景と目的 1: 治水 琵琶湖周辺や宇治川では これまで浸水被害が度々発生しています 再開発事業により 洪水調節機能の強化を図ります 背景 ( 過去の洪水被害 ) 発生年月起因被害状況 昭和 28 年 9 月 台風 13 号 死者 ( 不明者含 )178 人 負傷者

<8ED089EF8E91967B90AE94F5918D8D878CF095748BE0955D89BF88CF88F589EF2E786477>

PowerPoint プレゼンテーション

Transcription:

ポイント 河川法の法令に基づく手続きを的確に行い できるだけ早く河川整備計画を策定するよう努力 ダムについて効果が限定的という意見もあるが 実施箇所だけでなく淀川水系の上下流全体に幅広く効果があるものであり また洪水時水位をできるだけ低くし安全基準を守る上で必要不可欠なもの 治水対策は あらゆる規模の洪水に対応すべく 川の中で洪水を安全に流下させる 超過 ( 現況施設能力を上回る ) 洪水に対して被害を軽減させる 危機管理体制を構築する等の対策を組み合わせて行うことが基本 堤防は丈夫なほうが良いのは当然であり 計画高水位までの流水の通常の作用に対する浸透 侵食対策だけでなく 少しでも堤防が丈夫になるよう堤防天端の舗装 裏法対策等 様々な工夫を行う ダムの事業費については 消費税の新たな導入など制度に従って増加等したものを除く 計画内容の変更などによるものは全体としては増加とならないことを目標に大胆なコスト削減を実施するとともに 各年度予算の平準化を図る 1

淀川水系河川整備計画原案の概要 原案の項目 目標 具体的な取り組み例 人と川との繋がり 河川環境 治水 防災 利水 利用 維持管理 地域との連携 多くの人々が川に関心を持ち 自ら考え 直接接する川を目指す 参加型の河川整備を目指す 淀川水系特有の生物等の生息 生育 繁殖環境を保全 再生 縦横断方向の連続性を徹底的に確保 川のダイナミズムの再生 破堤による壊滅的な被害を極力回避 軽減 せめて戦後実際に経験した洪水を川の中で安全に流下 超過洪水に対しても被害を極力軽減 河川の流況を回復させる 水不足地域を解消する 地球温暖化も見すえた異常渇水対策 まちづくりと川づくりとの一体的連携 舟運の復活 身近な水緑空間として親しめる場とする 既存施設の更新時期に計画的 効率的に備える 住民参加アクションプログラム 歴史 文化の薫る川づくり 河川レンジャーを活用した住民連携の推進 情報共有の推進( 各自が水害危険度を実感できるランクマップ ) 等 琵琶湖の生態系を保全する水位変動 淀川大堰設置以前の水位変動に回復 ワンドを10 年間で倍増 高水敷の冠水頻度を上げる 全川にわたってコンクリートの見えない川にする等 水位を極力低下させるための河川整備 堤防をより丈夫にする 危機管理体制の構築( 災害対応プログラムの策定 ) 等 水需要の抑制 既存施設の効率的な運用 平時 非常時を通した情報連携による渇水調整の円滑化 異常渇水対策等 みんなが親しめる川( アクセス改善 木陰 トイレの整備 ) 船着場 航路の整備 確保 水辺の整備 環境学習等の推進( 三川合流部地域づくりなど ) 等 施設の機能と支障時の影響を勘案して対策程度を区分 維持コストの低減等 2

これまでの経緯昭和 46 年 3 月淀川水系工事実施基本計画改定 ( 平成 6 年 6 月まで適宜部分改定 ) 平成 13 年 2 月淀川水系流域委員会設立 ( 学識者から意見を聴く場として設立 ) 平成 15 年 1 月淀川水系流域委員会提言 新たな河川整備を目指して 発表 平成 16 年 5 月淀川水系河川整備計画基礎案公表 ( 河川整備基本方針が策定されていない中で 当面実施する事業の一つの案として河川管理者が作成 ) 平成 16 年 12 月利水者から撤退 縮小の見込みについて聴取 平成 17 年 7 月淀川水系 5 ダムについての方針公表 ( 各府県の費用負担を考え 整備順序を検討 ) 丹生ダム 流水型で整備 大戸川ダム 必要性に変わりはないが当面実施しない 大戸川の治水対策の関係があり滋賀県と調整 淀川水系河川整備計画の流れ (1) 余野川ダム 狭窄部 ( 銀橋 ) 上流の治水対策として 当該狭窄部の開削を先行して実施 必要性に変わりはないが当面実施しない 滋賀県意見 丹生ダムについては 水面のある約 1 億トン規模のダムとすること 大戸川ダムについては 河川整備計画に明確に位置づけること 川上ダム 利水を縮小して継続 天ヶ瀬ダム再開発 継続 大阪府意見 余野川ダムを当面実施しない場合において 府管理区間の治水計画との整合を図ること 利水撤退 事業中止が決定される場合において ダム周辺の地域整備について地方財政に過度の負担を及ぼさないようにすること この方針はたたき台であり 河川整備計画の策定過程において 住民や学識経験者 関係自治体等の意見をよく聴取した上で その対応方針を決定 3

及的各府県知事経由可速やかに淀川水系河川整備計画の流れ (2) 河川法に基づき以下の手続きを実施平成 19 年 8 月 16 日河川整備基本方針の策定 ( 各府県知事も参加した社会資本整備審議会での審議を経て河川管理者が作成 ) 平成 19 年 8 月 28 日河川整備計画原案 ( 意見聴取のためのたたきき台 ) の作成 学識者の意見聴取 ( 流域委員会 ) 流域住民の意見聴取 自治体の長の意見聴取 地元住民との対話プロセス ( ダムについて ) 関係府県との調整 委員会を 19 回開催 住民意見交換会を 41 会場で実施 約 1,500 名の方が出席 新聞折り込み HP 等様々な方法により約 3,600 名から意見等 流域市町村長懇談会を計 3 回実施し延べ 75 市町村が参加 H19.12.28 に 82 市町村長からの意見書 個別意見聴取として 301 意見 大津市 伊賀市 木之本町等で 14 回開催 約 300 名が参加 6 府県の会議を 7 回開催 その他 個別の問い合わせ等に随時に対応 河川整備計画 ( 案 ) の作成 府県知事への意見照会 市町村長への意見聴取 河川整備計画の策定 4

琵琶湖 淀川流域市町村長による懇談会 の開催状況 3 回開催で 延べ75 市町村出席 淀川水系河川整備計画原案と今後の河川整備に関する意見書 (H19.12.28) 琵琶湖 淀川流域全 82 市町村長からの意見書 ( 参考資料参照 : 全体意見と市町村個別意見 ) 全体意見の概要 流域市町村長からの意見聴取について 1. 流域住民の安全で安心できる暮らしの実現 河川環境の保全と水源地の保全 再生などの流域対策及び河川整備を一層推進 2. 当面の目標を戦後最大洪水対応に留めることは止むなし 水害 土砂災害対策は河川整備の根幹であり最優先 河道の適正な管理 ( 樹木伐採等 ) 並びに既存洪水調節施設の有効利用及び長寿命化 計画的な河川整備やダム整備等を推進 3. まちづくりと一体となった河川整備にあたっては各市町村の特徴と自主性に十分配慮 河川敷の利用については 利用者の意見も踏まえた上で 適切な利用が行われる仕組みを構築 4. 緊急時の情報提供 技術的助言などの支援等を行い 流域一体となった水害に強い地域づくりの構築を支援 5. 安定的な水資源の確保と異常渇水に対する対策を確実に実施 6. 琵琶湖 淀川流域の市町村と河川管理者が一堂に会して意見交換を行う場を設立 このほか 別途市町村長から個別に延べ26 回にわたり御意見をいただき さらに97 市長村長からは意見書をいただいている ( すべてホームページで公開 ) 5

関係住民からの意見聴取について 意見聴取の方法 住民意見交換会の開催 :41 会場で開催 約 1,500 名の方々に参加頂いた ご意見募集チラシの配布 ( 返信用葉書添付 ): 約 1,000 名の方々からご意見を頂いた 淀川水系河川整備計画ホームページの開設 : 約 100 名の方々からご意見を頂いた アンケートの実施 :WEB モニターの方々約 2,500 名に実施 主な意見 ( 中間分析 意見数の多いものから上位 5 つを抽出 ) ( ) は意見数 人と川との繋がり 川をもっと知り 好きになってもらうことが大切 (64) 河川管理者と住民との意見の交流が大切 (16) 上下流 本支川の交流 調整が必要 (12) 河川レンジャーを有効に活用すべき (7) 美しい川を将来へ残すことが重要 (5) 河川環境 生物の生息 生育環境の改善が重要 (387) 水質の改善を望む (139) ワンドの整備を望む (59) 景観の保全が大切 (52) 外来種対策が必要 (51) 治水 防災 ダムによる治水整備を望む (127) 河道整備 護岸 築堤を進めて欲しい (114) 防災意識の向上 ソフト対策の推進が重要 (76) 治水対策は必要だが自然環境への影響を最小限に (61) 関係機関の連携が重要 (47) 利用 運動公園などの整備を引き続き進める (196) 人が水辺に親しみ 近づける整備が必要 (177) ウォーキンク サイクリンク 等ができる整備を望む (108) 舟運を復活させるべき (48) 河川でしかできない利用の促進を望む (37) 利水 水力発電を進めて欲しい (13) 新たな水源の確保が必要 (11) 節水型社会への転換を進めて欲しい (10) 新たな水源が必要か疑問 (7) 渇水への備えを進めて欲しい (6) 維持管理 ゴミ対策のきめ細かな対応を進めて欲しい (127) 違法行為 迷惑行為を是正して欲しい (89) 河川の樹木をしっかり管理して欲しい (88) 河川内の除草をしっかりやって欲しい (69) 河床掘削 浚渫を行って欲しい (18) 6

淀川水系の河川整備の現状と治水対策の基本的な考え方 人口 資産が高度に集積している大阪平野をはじめとした淀川沿川の平野部は堤防で守られており 一旦破堤すれば壊滅的な被害が発生する 破堤による壊滅的な被害は極力回避したいが 絶対に壊れない堤防を築造することはできない このため 確実に効果が得られる対策として 洪水調節施設により同じ降雨でも河川に流れ出す量を減らす方策や 河道を大きくして同じ洪水でも低い水位で流下させる方策により洪水時の水位を下げ 堤防への負荷を少なくし破堤による壊滅的な被害をできる限り回避することが治水の基本的な考え方である このことは 万一破堤した場合でも氾濫量を少なくし氾濫被害を軽減することにもつながる 一方 洪水規模にかかわらず河川の堤防はより丈夫なほうが良いのは当然であることから 少しでも堤防が丈夫になるような工夫を可能な限り取り組んでいく必要がある 淀川水系では 浸透 侵食対策として全川にわたる堤防補強を整備計画期間中に完成させることとしており さらに 本川では高規格堤防の整備も推進することとしている また その他の区間でも堤防が少しでも丈夫になるよう堤防天端の舗装 裏法対策等 様々な工夫を行っていくこととしている 併せて 万が一破堤した場合においても被害をできる限り最小化するよう 洪水予報の充実や 住民 自治体等の関係機関と連携した危機管理体制の構築等のソフト対策を更に進めていくこととしている 7

ダムの費用 ダム概算事業費 直轄ダム 水資源機構ダム ( 単位 : 億円 ) 大戸川ダム 天ヶ瀬ダム再開発 川上ダム 1 現計画における事業費 740 330 850 (S63 価格 ) (H6 価格 ) (H3 価格 ) 2 変更後の事業費 1080 430 1230 3 残事業費 480 360 770 4 変更額 (=2-1) 340 増 100 増 380 増 (A) 制度や基準の改正等による増減 370 増 25 増 180 増 (B) 内容の変更等による増減 30 減 75 増 200 増 事業費については 半ば自動的に変更となるもの (A) 以外については 3 ダムの合計で増額とならないことをめざし努力 年度予算についても 府県と十分に調整して 平準化を図る 20