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2009年8月17日

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3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

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301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)

02 入職 (1 年目 ) 2 写真 ( 脇さん ) No.1 就活している学生の皆さんへ! 私の場合は 条件がかなり限定的だったため 決めやすかったのですが 病院の特徴と薬剤科がどのような仕事内容なのかをしっかり説明して頂ける病院にしました それは 入職後に望んだ条件ではないのが分かったとしても

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症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

④資料2ー2

2018 年 10 月 4 日放送 第 47 回日本皮膚アレルギー 接触皮膚炎学会 / 第 41 回皮膚脈管 膠原病研究会シンポジウム2-6 蕁麻疹の病態と新規治療法 ~ 抗 IgE 抗体療法 ~ 島根大学皮膚科 講師 千貫祐子 はじめに蕁麻疹は膨疹 つまり紅斑を伴う一過性 限局性の浮腫が病的に出没

Transcription:

薬物療法専門薬剤師の申請 及び症例サマリーに関する Q&A 注意 : 本 Q&A の番号は独立したものであり 医療薬学会 HP にある 薬物療法専門薬剤師制度の Q&A の番号と関連性はありません 薬物療法専門薬剤師認定制度の目的 幅広い領域の薬物療法 高い水準の知識 技術及び臨床能力を駆使 他の医療従事者と協働して薬物療法を実践 患者に最大限の利益をもたらす 国民の保健 医療 福祉に貢献することを目的 信頼される薬剤師を養成 1

日本医療薬学会薬物療法専門薬剤師 2012 年 5 月に発足 臨床現場で専門的な知識と能力で薬物療法に貢献 一定水準以上の臨床能力が求められる 臨床現場 ( 薬局から外へ出て ) で 薬剤師の職能を発揮する 薬学的観点からエビデンスに基づいた専門的介入を行う アウトカムが期待される Q1. 日本病院薬剤師会には全国大会がないが ブロック大会は認められるのか? A1. 認められる Q2. 複数査読性の論文とは 具体的にどの雑誌を示すのか? A2. 委員会が個別に判断するが 日本医療薬学会の他の認定制度と整合性をとることになっている Q3. 5 年間の研修は 研修施設に勤務する必要があるのか? A3. 研修施設での常勤は必須条件ではない ただし 研修指導薬剤師からコアカリに基づいた 5 年以上の指導を受けること 及び 研修施設長の在籍証明が必要である 2

Q4. 薬剤管理指導の要約の分類はどうするのか? A4. 4 領域の症例が各 5 症例以上あること 50 症例全体の中で 外科 内科を含むこと 入院と外来は問わないが 複数回の介入実績があることが必要 Q5. 薬剤管理指導の要約で 疾患領域はどのように決めるのか? A5. 関与した薬物療法の内容で判断する ( たとえば がん患者であっても 循環器の薬剤に関する関与であれば 心臓 血管系領域としてよい ) Q6. 症例は日付をさかのぼって書くのか? A6. 領域番号の小さい順にソートして記載する 日付は問わないが 全体を通して一貫性があることが望ましい Q7. 症例のフォーマットは変えてよいのか? A7. 症例フォーマットの変更は認めない MSP 明朝または MSP ゴシックの 10 ポイントまたは 11 ポイントで 12 行以内にまとめる Q8. 治療内容は疾患名をかけばよいのか? A8. 薬学的介入が行われた疾患に対するどのような治療が実施されたかを記載する その際 治療内容だけでなく 治療対象となる疾患名も記載する Q9. 症例サマリーの書き方について教えて欲しい A9. P: 問題点 A: 問題点についての薬学的判断 P: 問題点への薬学的介入 O: 介入による患者への利益 ( アウトカム ) について わかりやすく簡潔に 客観的に ( エビデンスを示して ) 記載する Q10. 一つの症例にプロブレムを複数加えてもよいのか? A10. プロブレムは一つに絞って記載する 薬剤師の介入がわかるように 具体的に記載する 3

症例 1 症例番号 33 領域の分類番号 13 内科 外科の別内科患者年齢 25 歳 患者性別女性治療内容強皮症に対する薬物療法 回数 5 回薬剤管理指導の要約期間 2016 年 6 月 30 日 ~2016 年 8 月 2 日 P: ステロイドパルス実施後 維持療法としてシクロスポリンエマルジョン製剤 ( 以下 ネオーラ ル ) 内服開始となった ネオーラル 140 mg 内服で トラフ値は 35 ng/ml と低く 効果が不十 分であった A: ネオーラルは食事の影響を受けにくいとされているが 食前服用に変更することで効果的 だったという報告 ( 日児腎誌, 27, 137-140, 2014) があり 食事の影響を受けて 吸収が不十 分な可能性があると考えた P: AUC 0-4 の評価を行い ピーク濃度が低いようであれば 食前投与に切り替えた方がよいこと を医師に提案した 測定の結果 食後投与の AUC 0-4 は 784(hr ng/ml) で ピークも低かった ため 食前投与に変更となった O: 食前投与に変更後 AUC 0-4 は約 3 倍に増加し 皮膚のこわばりが改善 退院可能となった 退院時には食前投与の意義を説明し 油が多い食物と一緒にとると吸収率が上がるため 水で服用するよう指導した 4

症例番号 33 領域の分類番号 13 内科 外科の別内科患者年齢 25 歳 患者性別女性治療内容強皮症に対する薬物療法 回数 5 回薬剤管理指導の要約期間 2016 年 6 月 30 日 ~2016 年 8 月 2 日 P: ステロイドパルス実施後 維持療法としてシクロスポリンエマルジョン製剤治療内容がわかるように ( 以下 ネオーラル ) 内服開始となった ネオーラル140 mg 内服で トラフ値は35 ng/mlと低く 効果が不十 分であった A: ネオーラルは食事の影響を受けにくいとされているが 食前服用に変更することで効果的 だったという報告 ( 日児腎誌, 27, 137-140, 2014) があり 食事の影響を受けて 吸収が不十 分な可能性があると考えた P: AUC 0-4 の評価を行い ピーク濃度が低いようであれば 食前投与に切り替えた方がよいこと を医師に提案した 測定の結果 食後投与の AUC 0-4 は 784(hr ng/ml) で ピークも低かった ため 食前投与に変更となった O: 食前投与に変更後 AUC 0-4 は約 3 倍に増加し 皮膚のこわばりが改善 退院可能となった 退院時には食前投与の意義を説明し 油が多い食物と一緒にとると吸収率が上がるため 水で服用するよう指導した 症例番号 33 領域の分類番号 13 内科 外科の別内科患者年齢 25 歳 回数 5 剤管理指導の要約患者性別 女性 治療内容 強皮症に対する薬物療法 1. 投与量や血中 j 濃度は 具体的に 記載する 単位もきちんと書く 期間 2. 問題点が明らかになるよう注意 20xx 年 6 月 30 日 ~20xx 年 8 月 2 日 回薬P: ステロイドパルス実施後 維持療法としてシクロスポリンエマルジョン製剤 ( 以下 ネオーラ ル ) 内服開始となった ネオーラル 140 mg 内服で トラフ値は 35 ng/ml と低く 効果が不十 分であった A: ネオーラルは食事の影響を受けにくいとされているが 食前服用に変更することで効果的 だったという報告 ( 日児腎誌, 27, 137-140, 2014) があり 食事の影響を受けて 吸収が不十 分な可能性があると考えた P: AUC 1. 0-4 問題点に対する薬学的の評価を行い ピーク濃度が低いようであれば 食前投与に切り替えた方がよいことを医師に提案した 測定の結果 食後投与の考察をエビデンスに基づ AUC 0-4 は784(hr ng/ml) で ピークも低かったいて記載する ため 食前投与に変更となった O: 食前投与に変更後 AUC 0-4 は約 3 倍に増加し 皮膚のこわばりが改善 退院可能となった 退院時には食前投与の意義を説明し 油が多い食物と一緒にとると吸収率が上がるため 水で服用するよう指導した 5

症例番号 33 領域の分類番号 13 内科 外科の別内科患者年齢 25 歳 患者性別女性治療内容強皮症に対する薬物療法 回数 5 回薬剤管理指導の要約期間 2016 年 6 月 30 日 ~2016 年 8 月 2 日 P: ステロイドパルス実施後 維持療法としてシクロスポリンエマルジョン製剤 1. 誰に 何をどのように提案した ( 以下 ネオーラル ) 内服開始となった ネオーラルのか 具体的に記載 140 mg 内服で トラフ値は35患者のアウトカムを ng/mlと低く 効果が不十分であった わかりやすく記載 A: ネオーラルは食事の影響を受けにくいとされているが 食前服用に変更することで効果的 だったという報告 ( 日児腎誌, 27, 137-140, 2014) があり 食事の影響を受けて 吸収が不十 分な可能性があると考えた P: AUC 0-4 の評価を行い ピーク濃度が低いようであれば 食前投与に切り替えた方がよいこと を医師に提案した 測定の結果 食後投与の AUC 0-4 は 784(hr ng/ml) で ピークも低かった ため 食前投与に変更となった O: 食前投与に変更後 AUC 0-4 は約 3 倍に増加し 皮膚のこわばりが改善 退院可能となった 退院時には食前投与の意義を説明し 油が多い食物と一緒にとると吸収率が上がるため 水で服用するよう指導した 症例 2 6

症例番号 30 領域の分類番号 9 内科 外科の別内科患者年齢 83 歳 患者性別男性治療内容膵頭部がん患者の閉塞性黄疸に対する治療 回数 3 回薬剤管理指導の要期間 2016 年 2 月 3 日 ~2016 年 2 月 15 日 P: 閉塞性黄疸で緊急入院した患者の検査値が ALP 3500 IU/L AST 340 IU/L ALT 566 IU/L γ-gtp 500 IU/L T-CHO 242 mg/dl TG 66 mg/dl AMY 129 IU/L T-Bil 7 mg/dlであった 持参薬にアトルバスタチンが含まれていたが 主治医から持参薬継続の指示が出された A: アトルバスタチンは 急性肝炎 慢性肝炎 肝硬変 肝癌 黄疸の患者に対し 肝障害を悪化させる恐れがあり 禁忌である ( 添付文書 ) P: コレステロール値は高いが 軽度であり 食事等で コントロール可能な状態と判断し 医約師にアトルバスタチンは肝機能が改善するまで中止するよう提案した O: アトルバスタチンは中止指示が出された 2 週間後に検査値は ALP 1100 IU/L AST 29 IU/L ALT 95 IU/L γ-gtp 213 IU/L T-Bil 1.3 mg/dlまで改善した アトルバスタチンを中止したことによるT-CHOやTGの上昇はなく 他院での手術目的に転院となった 症例番号 30 領域の分類番号 9 内科 外科の別内科患者年齢 83 歳 患者性別男性治療内容膵頭部がん患者の閉塞性黄疸に対する治療 剤管理指導の要約 期間 2016 年 2 月 3 日 ~2016 年 2 月 15 日 回数 3 P: 閉塞性黄疸で緊急入院した患者の検査値が がん患者だが 関与した疾 ALP 3500 IU/L AST 340 IU/L ALT 566 患は消化器領域 IU/L γ-gtp 500 IU/L T-CHO 242 mg/dl TG 66 mg/dl AMY 129 IU/L T-Bil 7 回薬示が出された A: アトルバスタチンは 急性肝炎 慢性肝炎 肝硬変 肝癌 黄疸の患者に対し 肝障害を悪化させる恐れがあり 禁忌である ( 添付文書 ) P: コレステロール値は高いが 軽度であり 食事等で コントロール可能な状態と判断し 医師にアトルバスタチンは肝機能が改善するまで中止するよう提案した mg/dlであった 持参薬にアトルバスタチンが含まれていたが 主治医から持参薬継続の指 O: アトルバスタチンは中止指示が出された 2 週間後に検査値は ALP 1100 IU/L AST 29 IU/L ALT 95 IU/L γ-gtp 213 IU/L T-Bil 1.3 mg/dl まで改善した アトルバスタチンを中 止したことによる T-CHO や TG の上昇はなく 他院での手術目的に転院となった 7

症例番号 30 領域の分類番号 9 内科 外科の別内科患者年齢 83 歳 回数 3 剤管理指導の要患者性別 男性 治療内容 膵頭部がん患者の閉塞性黄疸に対する治療 判断材料となる検査値は 正確に記載期間 2016 年 2 月 3 日 ~2016 年 2 月 15 日 回薬P: 閉塞性黄疸で緊急入院した患者の検査値が ALP 3500 IU/L AST 340 IU/L ALT 566 IU/L γ-gtp 500 IU/L T-CHO 242 mg/dl TG 66 mg/dl AMY 129 IU/L T-Bil 7 mg/dlであった 持参薬にアトルバスタチンが含まれていたが 主治医から持参薬継続の指示が出された A: アトルバスタチンは 急性肝炎 慢性肝炎 肝硬変 肝癌 黄疸の患者に対し 肝障害を悪化させる恐れがあり 禁忌である ( 添付文書 ) P: コレステロール値は高いが 軽度であり 食事等で コントロール可能な状態と判断し 医約師にアトルバスタチンは肝機能が改善するまで中止するよう提案した 問題点に対する判断の根拠 O: を明確にアトルバスタチンは中止指示が出された 2 週間後に検査値は ALP 1100 IU/L AST 29 IU/L ALT 95 IU/L γ-gtp 213 IU/L T-Bil 1.3 mg/dlまで改善した アトルバスタチンを中 止したことによる T-CHO や TG の上昇はなく 他院での手術目的に転院となった 症例番号 30 領域の分類番号 9 内科 外科の別内科患者年齢 83 歳 患者性別男性治療内容膵頭部がん患者の閉塞性黄疸に対する治療 剤管理指導の要約 期間 2016 年 2 月 3 日 ~2016 年 2 月 15 日 回数 3 P: 閉塞性黄疸で緊急入院した患者の検査値が ALP介入内容 予測される事態 3500 IU/L AST 340 IU/L ALT 566 も記載するとよい IU/L γ-gtp 500 IU/L T-CHO 242 mg/dl TG 66 mg/dl AMY 129 IU/L T-Bil 7 回薬示が出された A: アトルバスタチンは 急性肝炎 慢性肝炎 肝硬変 肝癌 黄疸の患者に対し 肝障害を悪化させる恐れがあり 禁忌である ( 添付文書 ) P: コレステロール値は高いが 軽度であり 食事等で コントロール可能な状態と判断し 医師にアトルバスタチンは肝機能が改善するまで中止するよう提案した mg/dlであった 持参薬にアトルバスタチンが含まれていたが 主治医から持参薬継続の指 O: アトルバスタチンは中止指示が出された 2 週間後に検査値は ALP 1100 IU/L AST 29 IU/L ALT 95 IU/L γ-gtp 213 IU/L T-Bil 1.3 mg/dlまで改善した アトルバスタチンを中止したことによるT-CHO アウトカムが 客観的にわかるよう記載やTGの上昇はなく 他院での手術目的に転院となった するとよい 8