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図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

のと期待されます 本研究成果は 2011 年 4 月 5 日 ( 英国時間 ) に英国オンライン科学雑誌 Nature Communications で公開されます また 本研究成果は JST 戦略的創造研究推進事業チーム型研究 (CREST) の研究領域 アレルギー疾患 自己免疫疾患などの発症機構

今後の展開現在でも 自己免疫疾患の発症機構については不明な点が多くあります 今回の発見により 今後自己免疫疾患の発症機構の理解が大きく前進すると共に 今まで見過ごされてきたイントロン残存の重要性が 生体反応の様々な局面で明らかにされることが期待されます 図 1 Jmjd6 欠損型の胸腺をヌードマウス

難病 です これまでの研究により この病気の原因には免疫を担当する細胞 腸内細菌などに加えて 腸上皮 が密接に関わり 腸上皮 が本来持つ機能や炎症への応答が大事な役割を担っていることが分かっています また 腸上皮 が適切な再生を全うすることが治療を行う上で極めて重要であることも分かっています しかし

ISSN No.441 March RNA TOPICS

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発表内容 1. 背景感染症や自己免疫疾患は免疫系が強く関与している病気であり その進行にはT 細胞が重要な役割を担っています リンパ球の一種であるT 細胞には 様々な種類の分化したT 細胞が存在しています その中で インターロイキン (IL)-17 産生性 T 細胞 (Th17 細胞 ) は免疫反応

報道関係者各位 平成 26 年 1 月 20 日 国立大学法人筑波大学 動脈硬化の進行を促進するたんぱく質を発見 研究成果のポイント 1. 日本人の死因の第 2 位と第 4 位である心疾患 脳血管疾患のほとんどの原因は動脈硬化である 2. 酸化されたコレステロールを取り込んだマクロファージが大量に血

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八村敏志 TCR が発現しない. 抗原の経口投与 DO11.1 TCR トランスジェニックマウスに経口免疫寛容を誘導するために 粗精製 OVA を mg/ml の濃度で溶解した水溶液を作製し 7 日間自由摂取させた また Foxp3 の発現を検討する実験では RAG / OVA3 3 マウスおよび

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2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

るマウスを解析したところ XCR1 陽性樹状細胞欠失マウスと同様に 腸管 T 細胞の減少が認められました さらに XCL1 の発現が 脾臓やリンパ節の T 細胞に比較して 腸管組織の T 細胞において高いこと そして 腸管内で T 細胞と XCR1 陽性樹状細胞が密に相互作用していることも明らかにな

報道発表資料 2006 年 4 月 13 日 独立行政法人理化学研究所 抗ウイルス免疫発動機構の解明 - 免疫 アレルギー制御のための新たな標的分子を発見 - ポイント 異物センサー TLR のシグナル伝達機構を解析 インターフェロン産生に必須な分子 IKK アルファ を発見 免疫 アレルギーの有効

緑膿菌 Pseudomonas aeruginosa グラム陰性桿菌 ブドウ糖非発酵 緑色色素産生 水まわりなど生活環境中に広く常在 腸内に常在する人も30%くらい ペニシリンやセファゾリンなどの第一世代セフェム 薬に自然耐性 テトラサイクリン系やマクロライド系抗生物質など の抗菌薬にも耐性を示す傾

報道発表資料 2006 年 8 月 7 日 独立行政法人理化学研究所 国立大学法人大阪大学 栄養素 亜鉛 は免疫のシグナル - 免疫系の活性化に細胞内亜鉛濃度が関与 - ポイント 亜鉛が免疫応答を制御 亜鉛がシグナル伝達分子として作用する 免疫の新領域を開拓独立行政法人理化学研究所 ( 野依良治理事

2015 年 8 月 26 日放送 便移植の適応と有効性 慶應義塾大学消化器内科教授金井隆典腸疾患増加の原因きょうは 便移植の適応とその有効性ということについてお話しさせていただきたいと思います 私の専門であります炎症性腸疾患 クローン病とか潰瘍性大腸炎という病気が今増加しております 若者に多く発症

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60 秒でわかるプレスリリース 2006 年 4 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 敗血症の本質にせまる 新規治療法開発 大きく前進 - 制御性樹状細胞を用い 敗血症の治療に世界で初めて成功 - 敗血症 は 細菌などの微生物による感染が全身に広がって 発熱や機能障害などの急激な炎症反応が引き起

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1. 腸内は腸内でも 大腸の奥の健康 まで意識したことがない人が約 6 割! 一方で約 8 割が自分の腸内環境を気にしており 約 7 割が 自分の腸内は劣化していると思う と回答 Q. あなたは 大腸の奥の健康について意識したことがありますか?( 単数回答 n=600) 日常生活において 大腸の奥の

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研究最前線 CSRS GD 乾燥に耐える植物の新戦略を発見 GD GD 20µm 1 2 ABA GD PP2C PP2C SnRK2 GD GD RIKEN NEWS 2018 September

の感染が阻止されるという いわゆる 二度なし現象 の原理であり 予防接種 ( ワクチン ) を行う根拠でもあります 特定の抗原を認識する記憶 B 細胞は体内を循環していますがその数は非常に少なく その中で抗原に遭遇した僅かな記憶 B 細胞が著しく増殖し 効率良く形質細胞に分化することが 大量の抗体産

卵管の自然免疫による感染防御機能 Toll 様受容体 (TLR) は微生物成分を認識して サイトカインを発現させて自然免疫応答を誘導し また適応免疫応答にも寄与すると考えられています ニワトリでは TLR-1(type1 と 2) -2(type1 と 2) -3~ の 10

平成 2 3 年 2 月 9 日 科学技術振興機構 (JST) Tel: ( 広報ポータル部 ) 慶應義塾大学 Tel: ( 医学部庶務課 ) 腸における炎症を抑える新しいメカニズムを発見 - 炎症性腸疾患の新たな治療法開発に期待 - JST 課題解決型基

(1) ビフィズス菌および乳酸桿菌の菌数とうつ病リスク被験者の便を採取して ビフィズス菌と乳酸桿菌 ( ラクトバチルス ) の菌量を 16S rrna 遺伝子の逆転写定量的 PCR 法によって測定し比較しました 菌数の測定はそれぞれの検体が患者のものか健常者のものかについて測定者に知らされない状態で

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報道発表資料 2006 年 6 月 21 日 独立行政法人理化学研究所 アレルギー反応を制御する新たなメカニズムを発見 - 謎の免疫細胞 記憶型 T 細胞 がアレルギー反応に必須 - ポイント アレルギー発症の細胞を可視化する緑色蛍光マウスの開発により解明 分化 発生等で重要なノッチ分子への情報伝達


報道発表資料 2007 年 4 月 30 日 独立行政法人理化学研究所 炎症反応を制御する新たなメカニズムを解明 - アレルギー 炎症性疾患の病態解明に新たな手掛かり - ポイント 免疫反応を正常に終息させる必須の分子は核内タンパク質 PDLIM2 炎症反応にかかわる転写因子を分解に導く新制御メカニ

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平成14年度研究報告

< 研究の背景と経緯 > ヒトの腸管内には 500 種類以上 総計 100 兆個以上の腸内細菌が共生しており 腸管からの栄養吸収 腸の免疫 病原体の感染の予防などに働いています 一方 遺伝的要因 食餌などを含むライフスタイル 病原体の侵入などや種々の医療的処置などによって腸内細菌のバランスが乱れると

イヌリンと消化器疾患

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博士学位論文審査報告書

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肝臓の細胞が壊れるる感染があります 肝B 型慢性肝疾患とは? B 型慢性肝疾患は B 型肝炎ウイルスの感染が原因で起こる肝臓の病気です B 型肝炎ウイルスに感染すると ウイルスは肝臓の細胞で増殖します 増殖したウイルスを排除しようと体の免疫機能が働きますが ウイルスだけを狙うことができず 感染した肝

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

RNA Poly IC D-IPS-1 概要 自然免疫による病原体成分の認識は炎症反応の誘導や 獲得免疫の成立に重要な役割を果たす生体防御機構です 今回 私達はウイルス RNA を模倣する合成二本鎖 RNA アナログの Poly I:C を用いて 自然免疫応答メカニズムの解析を行いました その結果

石黒和博 1) なお酪酸はヒストンのアセチル化を誘導する一方 で tubulin alpha のアセチル化を誘導しなかった ( 図 1) マウスの脾臓から取り出した primary T cells でも酢酸 による tubulin alpha のアセチル化を観察できた これまで tubulin al

別紙 < 研究の背景と経緯 > 自閉症は 全人口の約 2% が罹患する非常に頻度の高い神経発達障害です 近年 クロマチンリモデ リング因子 ( 5) である CHD8 が自閉症の原因遺伝子として同定され 大変注目を集めています ( 図 1) 本研究グループは これまでに CHD8 遺伝子変異を持つ

論文題目  腸管分化に関わるmiRNAの探索とその発現制御解析

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Microsoft Word - 届出基準

NEWS RELEASE 東京都港区芝 年 3 月 24 日 ハイカカオチョコレート共存下におけるビフィズス菌 BB536 の増殖促進作用が示されました ~ 日本農芸化学会 2017 年度大会 (3/17~

Microsoft Word - 【広報課確認】 _プレス原稿(最終版)_東大医科研 河岡先生_miClear

長期/島本1

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平成18年3月17日

( 図 ) IP3 と IRBIT( アービット ) が IP3 受容体に競合して結合する様子

TAKATA Masaki SPring-8X X 1990 X MEM MEM 1990XMEM MEMX X MEMX X X MEM MEMMEM MEM No. 306 December 2006

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報道関係者各位

な病気を引き起こします その病気の中に 炎症性腸疾患があります 炎症性腸疾患は クローン病と潰瘍性大腸炎の二つの病気がありますが どちらも腸管の免疫システムが腸内細菌を認識し 過剰な免疫応答 ( 炎症反応 ) が起こっています その結果 患者は 腹痛 下痢 下血などに悩まされます 炎症性腸疾患は 免

Microsoft Word CREST中山(確定版)

れており 世界的にも重要課題とされています それらの中で 非常に高い完全長 cdna のカバー率を誇るマウスエンサイクロペディア計画は極めて重要です ゲノム科学総合研究センター (GSC) 遺伝子構造 機能研究グループでは これまでマウス完全長 cdna100 万クローン以上の末端塩基配列データを

< 研究の背景と経緯 > 私たちの消化管は 食物や腸内細菌などの外来抗原に常にさらされています 消化管粘膜の免疫系は 有害な病原体の侵入を防ぐと同時に 生体に有益な抗原に対しては過剰に反応しないよう巧妙に調節されています 消化管に常在するマクロファージはCX3CR1を発現し インターロイキン-10(

第6号-2/8)最前線(大矢)

報道発表資料 2002 年 10 月 10 日 独立行政法人理化学研究所 頭にだけ脳ができるように制御している遺伝子を世界で初めて発見 - 再生医療につながる重要な基礎研究成果として期待 - 理化学研究所 ( 小林俊一理事長 ) は プラナリアを用いて 全能性幹細胞 ( 万能細胞 ) が頭部以外で脳

栄養療法って必要なの クローン病は腸がやけどを起こして熱が出ているような状態です さらに 良くなった腸の状態を長く維持することもできます そんな時には 腸を休ませて しっかりと栄養を摂ることが必要です 食事の半分を栄養剤にして 腸管の負担を軽くすることで 腸を休ませながら栄養を摂るためには 食事を控

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

2006 PKDFCJ

研究の背景と経緯 植物は 葉緑素で吸収した太陽光エネルギーを使って水から電子を奪い それを光合成に 用いている この反応の副産物として酸素が発生する しかし 光合成が地球上に誕生した 初期の段階では 水よりも電子を奪いやすい硫化水素 H2S がその電子源だったと考えられ ている 図1 現在も硫化水素

図アレルギーぜんそくの初期反応の分子メカニズム

遺伝子の近傍に別の遺伝子の発現制御領域 ( エンハンサーなど ) が移動してくることによって その遺伝子の発現様式を変化させるものです ( 図 2) 融合タンパク質は比較的容易に検出できるので 前者のような二つの遺伝子組み換えの例はこれまで数多く発見されてきたのに対して 後者の場合は 広範囲のゲノム

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糖鎖の新しい機能を発見:補体系をコントロールして健康な脳神経を維持する

Microsoft Word - 最終:【広報課】Dectin-2発表資料0519.doc

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2 News & Topics

研究の背景 ヒトは他の動物に比べて脳が発達していることが特徴であり, 脳の発達のおかげでヒトは特有の能力の獲得が可能になったと考えられています この脳の発達に大きく関わりがあると考えられているのが, 本研究で扱っている大脳皮質の表面に存在するシワ = 脳回 です 大脳皮質は脳の中でも高次脳機能に関わ

研究の詳細な説明 1. 背景細菌 ウイルス ワクチンなどの抗原が人の体内に入るとリンパ組織の中で胚中心が形成されます メモリー B 細胞は胚中心に存在する胚中心 B 細胞から誘導されてくること知られています しかし その誘導の仕組みについてはよくわかっておらず その仕組みの解明は重要な課題として残っ

いることが推測されました そこで東京大学医科学研究所の氣駕恒太朗特任研究員 三室仁美 准教授と千葉大学真菌医学研究センターの笹川千尋特任教授らの研究グループは 胃がんの発 症に深く関与しているピロリ菌の感染現象に着目し その過程で重要な役割を果たす mirna を同定し その機能を解明しました スナ

消化器病市民向け

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平成 29 年 6 月 9 日 ニーマンピック病 C 型タンパク質の新しい機能の解明 リソソーム膜に特殊な領域を形成し 脂肪滴の取り込み 分解を促進する 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長門松健治 ) 分子細胞学分野の辻琢磨 ( つじたくま ) 助教 藤本豊士 ( ふじもととよし ) 教授ら

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PowerPoint プレゼンテーション

です また 下痢の時は 腸内に留まる時間が短いため胆汁が化学変化をおこさないため黄色くなります 一方 肉などたんぱく質が多い食事だったり 便秘をしていると 悪玉菌によって腐敗がおこり 腸内はアルカリ性となり 便は黒ずんだ褐色となります 白っぽい便は 胆汁の通り道が胆道や膵臓の癌あるいは胆石でふさがれ

No. 2 2 型糖尿病では 病態の一つであるインスリンが作用する臓器の慢性炎症が問題となっており これには腸内フローラの乱れや腸内から血液中に移行した腸内細菌がリスクとなります そのため 腸内フローラを適切に維持し 血液中への細菌の移行を抑えることが慢性炎症の予防には必要です プロバイオティクス飲

14栄養・食事アセスメント(2)

かし この技術に必要となる遺伝子改変技術は ヒトの組織細胞ではこれまで実現できず ヒトがん組織の細胞系譜解析は困難でした 正常の大腸上皮の組織には幹細胞が存在し 自分自身と同じ幹細胞を永続的に産み出す ( 自己複製 ) とともに 寿命が短く自己複製できない分化した細胞を次々と産み出すことで組織構造を

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60 秒でわかるプレスリリース 2008 年 5 月 2 日 独立行政法人理化学研究所 椎間板ヘルニアの新たな原因遺伝子 THBS2 と MMP9 を発見 - 腰痛 坐骨神経痛の病因解明に向けての新たな一歩 - 骨 関節の疾患の中で最も発症頻度が高く 生涯罹患率が 80% にも達する 椎間板ヘルニア

スライド 1

統合失調症モデルマウスを用いた解析で新たな統合失調症病態シグナルを同定-統合失調症における新たな予防法・治療法開発への手がかり-

どく拡張する ( 中毒性巨大結腸症 ) こともあります. このような場合には緊急に手術が必要です. また 大腸癌になった場合にも手術が必要になります. 内科的治療が効きにくい難治例や重症例の場合にも 内科的治療のバランスの点から手術を選択することがあります. 手術の方法は 大腸全摘ですが 肛門を残す

神経細胞での脂質ラフトを介した新たなシグナル伝達制御を発見

研究成果報告書

DNA/RNA調製法 実験ガイド

PowerPoint プレゼンテーション

娠中の母親に卵や牛乳などを食べないようにする群と制限しない群とで前向きに比較するランダム化比較試験が行われました その結果 食物制限をした群としなかった群では生まれてきた児の食物アレルゲン感作もアトピー性皮膚炎の発症率にも差はないという結果でした 授乳中の母親に食物制限をした場合も同様で 制限しなか

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ISSN 1349-1229 No.392 February 2014 2 SCIENCE VIEW SPOT NEWS T FACE TOPICS

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STUDIO CAC 1952 2007 2011 20111 21 121 1 Photosystem PS PS PS 2011 SPring-8X PS 1.9Å1Å1001m PS 41 54 2H 2O O 2 S 4 e S 0 2H H S 3 e H e S 1 S 2 1PS e PS 2 H2O1O2 H e S0S4 RIKEN NEWS 2014 February 05

1 H2O O2 O2 3 H2O OEC O2 H2O 2-2 H 2-1 2 PS PS PS 12-23 2-1 X PS 11 120300K271 10110 1 PS 2 2 PS 2013 Journal of the American Chemical Society PS 100 5 PS 2013 X PS 06 RIKEN NEWS 2014 February

RIKEN NEWS 2014 February 07 2 1 1 1 S 1 PS 1 1234 20131211

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RIKEN NEWS 2014 February 09 ncrna ncrna GDRNA DNA RNA 1 20134 GD RNA ips ips 1 ips 1iPS 400 ips ips 100 ips GD GD 20 20 ATGCTCGTCGAACCCGCTCGCGCACGTCCGGCACCATAGCACCCCGGTTCTTAAATTATATACCCTCTATACATCATCACCCGCGCGCGCCCGGACG DNA GGUUCUUAAAUUAUAUACCCUCUAUACAUCAUCACCCGCGCGCGCCCGGA RNA 1 DNA RNA 2,000 1960 1998 2013 STUDIO CAC

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RIKEN NEWS 2014 February 11 ips ips RNA GD2013RNA CAGE RNA RNA EGF 3 3 GDU0126 U0126 U0126 1990RNA 3 EGFEGFR U0126 2013103 2012314 ips U0126 EGFR EGF Ras Pl3K Akt Raf MEK1/2 Pi Pi Pi Pi ERK

S P OT N E W S 食物繊維の多い食事が 大腸炎を抑える 酪酸化でんぷんを与えていないマウス 酪酸化でんぷんを与えたマウス 腸内細菌がつくる酪酸が制御性T細胞へ分化誘導 2013年11月14日プレスリリース 小腸から大腸 肛門に至る長さ 7 9 mほどの腸管には 500 図 1 酪酸化でんぷん摂取による大腸炎の抑制 種以上 100 兆個を超える細菌 腸内細菌 がすみ着いている 大腸炎を起こしたマウスに酪酸化でんぷんを与えると 大腸粘膜の炎症性細胞 緑色 が抑制された その中にはビフィズス菌や乳酸菌などいわゆる善玉菌もいる が 大腸菌などのいわゆる悪玉菌もいて ときに感染症の原 食物繊維 因菌となることがある 腸管にはパイエル板に代表される腸 に特有のリンパ組織が存在し 体内の免疫細胞の 60 70 が クロストリジウム目の腸内細菌 集まり独自の免疫システム 腸管免疫系 を形成している 腸 内細菌や食物など無害な異物は攻撃しないが 病原体など有 酪酸 害な異物は攻撃する このような腸管免疫の働きに 実は腸 腸管内 内細菌が深く関わっている 例えば 腸管免疫の働きが強過ぎて消化管に炎症を引き起 こす炎症性腸疾患 潰瘍性大腸炎やクローン病 は その働き 腸管上皮細胞 を抑制する制御性 T 細胞の数が少ないことが一因とされてい るが 最近の研究でクロストリジウム目の腸内細菌が制御性 T 細胞を増やすことが分かってきた また 炎症性腸疾患の 未成熟な T 細胞 患者では 酪酸をつくる腸内細菌の割合が著しく低下するこ 体内 Foxp3 ヒストン とも分かっている 理研統合生命医科学研究センター 粘膜シ アセチル化の促進 ステム研究グループの大野博司 グループディレクター 東京 大学の長谷耕二 特任教授 慶應義塾大学の福田真嗣 特任准 制御性 T 細胞 教授を中心とする共同研究グループ は 炎症性腸疾患にお いて腸内細菌が腸管免疫をどのように調節しているのか そ の分子メカニズムの解明に取り組んだ まず クロストリジウム目の細菌群だけを腸に持つマウスを 炎症の抑制による疾病の防止 図 2 腸内細菌がつくる酪酸と制御性 T 細胞への分化誘導 作製し 食物繊維を多く含む食事を与えた場合と ほとんど 含まない食事を与えた場合を比較すると 前者で制御性 T 細 胞が大きく増加した 次に 腸内細菌が食物繊維を分解して 子の発現がオンに切り替わることを発見した 以上の結果から 食物繊維の多い食事を取ると 腸内細菌 つくるさまざまな代謝産物を未成熟な T 細胞の培養液に入れ の活動が高まり その代謝産物である酪酸が増加する それ どれが制御性 T 細胞への分化を誘導するかを調べ 酪酸であ により過剰な免疫応答を鎮める制御性 T 細胞の分化が誘導さ ることを発見 酪酸濃度を高める酪酸化でんぷんを 離乳し れ 大腸炎が治まることが明らかとなった 図 2 炎症性腸疾 たばかりのマウスに食べさせたところ 食べていないマウスに 患の発症メカニズムの解明に寄与するとともに 腸内細菌に 比べ大腸の制御性 T 細胞の割合が約 2 倍に増加 また 大腸 着目した新たな治療法の開発に役立つ成果である 炎を起こしたマウスに酪酸化でんぷんを与えたところ 与えて いないマウスに比べ制御性 T 細胞の数が 1.5 2 倍に増加し 大腸炎の症状が抑制された 図 1 最後に 酪酸を未成熟な T 細胞の培養液に入れると 制御性 T 細胞への分化誘導に重要 な Foxp3 遺伝子領域のヒストンのアセチル化が促進され 遺伝 12 R I KE N NE WS 2014 Feb ru a r y Nature オンライン版 11 月 13 日 掲載 共同研究グループ 理研統合生命医科学研究センター 東京大学医科学 研究所 慶應義塾大学先端生命科学研究所 理研環境資源科学研究セン ター オーストラリア CSIRO Food and Nutritional Sciences 静岡大 学農学部

SPOT NEWS Btbd3 2013111 1 Btbd3 Btbd3 Btbd3 Btbd3 Science1031 20131211 V 6 IrO 2NiFeAg IrO 2 NiFe IrO2 IrO 2 Nature Communications1211 Ag NiFeAg IrO2 RIKEN NEWS 2014 February 13

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TOPICS 199910 1987 DNA 2012112 200911 20011 197579 2 910 10201311 23 -SIOM 1961 RIKEN NEWS 2014 February 15

11 11 10 1 a. 46 111 b. c. a11b d. 45 2 12 2 2 1 1 No.392 February 2014 2625 351-019821 Tel048-467-4094Emailriken_news@riken.jp http://www.riken.jp RIKEN 2014-002 Tel048-462-4955 Emailkifu-info@riken.jp http://www.riken.jp/