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第6回 がん薬薬連携勉強会 平成28年12月9日 金 於 相澤病院ヤマサホール 長野県松本市本庄 Contents 当院におけるirAEマネジメントの実際 免疫療法サポートチーム Team isinc の活動を含めて Team isinc 症例経験 どう立ち向かうか 新潟県立がんセンター新潟病院 薬剤部 吉野真樹 免疫関連有害事象 immune related adverse event irae Drugs 免疫チェックポイント阻害薬の毒性 General AEs 疲労 16-37 発熱 悪寒 Infusion reaction < 1 Organ specific AEs 免疫システムのバランス Increase risk of infection & cancer Autoimmunity or idiosyncratic reaction 皮膚毒性 下痢 腸炎 内分泌毒性 肝毒性 膵毒性 肺臓炎 神経毒性 眼症状 腎毒性 Uetrect et al. Chem Res Toxicol 2009 免疫療法サポートチーム (Team isinc) 新潟がんセンター免疫療法サポートチーム Immunotherapy support in Niigata Cancer Center Team isinc 2015年12月に発足 みんなで協力し synchronize みんなで考える think をコンセプトに Key point ~他職種の連携~ 医師 薬剤師 看護師 検査技師 ~各科の連携~ 内科 呼吸器 内分泌* 消化器 血液 皮膚科 泌尿器科 * がん拠点病院で糖尿病 内分泌内 科を備える施設はごくわずか 皮膚科 消化器科 内分泌科 呼吸器科 神経内科 腎臓内科 Naidoo J et al. Ann Oncol 2015; 26; 2375-91 内分泌障害を疑った症例① 男性 59歳 肺癌 心房細動 貧血 既往 患者の訴え 治療はじまってから だるくて 食欲が出ない 体重は5 以上減った 継続内服薬 リバーロキサバン エソメプラゾール 酸化マグネシウム ロキソプロフェン オキシコドン プロクロルぺラジン プロクロルぺラジンは患者希望で長期連用中 事前検査 抗核抗体 TPO-Ab 1

一言に だるい と言われても 1 2 3 プロクロルぺラジン 甲状腺機能低下症 副腎機能低下症 体重 64 だるい 筋炎重症筋無力症 1型糖尿病 59.3 57.7 56.1 56.2 16/13 14/11 15/11 36/75 15/15 貧血 4.2 137 137 135 134 129 3.8 4 4.4 4.2 3.6 8.7 9.5 10 10 10.7 10.9 糖尿病 228 6.4 6.5 尿糖 1.320 0.861 1.3 1.32 K 4.2 Hb 8.7 血糖 HbA1c 尿pH 5 TSH 1.062 精神疾患 うつ病 肝機能障害 継続内服薬の影響 甲状腺機能 FT4 1.31 筋炎筋無力症関連 FT3 2.59 2.4 2.65 CPK 40 30 29 25 269 262 267 0.85 0.89 0.83 0.9 0.87 0.87 T-Chol 231 scre 0.92 看護師とともに悩み 患者からは繰り返し聞き取りを続け 主治医に継続的にアプローチ 7 59.8 尿ケトン体 貧血 6 14/12 14/9 Na 139 甲状腺機能亢進症 5 62.5 AST/ALT 下垂体機能低下症 4 中止 免疫関連副作用の持続期間 Weber JS et al: ASCO 2015 副腎皮質機能低下症も疑って追加検査 ACTH 16.3 pg/m (基準 7.2-63.3) コルチゾール 9.57 μg/dl (基準 6.24-18.0) 異常なし 発現率 重症筋無力症 筋炎も疑って確認 眼瞼下垂 複視 呼吸困難 嚥下障害 筋力低下 CPK上昇 いずれも所見なし 主治医より奏効評価あり 投薬は続く 内分泌障害を疑った症例② 発現時期 の中央値 消失時期 の中央値 皮膚内分泌障害は 長く持続する 経験を踏まえて 62歳 男性 NSCLC (Sq, ct1bn2m0, stage IIIA, CRT後再発) 喫煙歴 20-62歳 20本/day 現病歴 局所進行NSCLCに対して化学療法 CDDPベース でPR 終了後8ヶ月で縦隔リンパ節再発有り 肝転移出現 ①CBDCA+nabPTX 3c 肝転移PD ②NIVO導入 3c SD 5c day1 受診時 軽度の下痢有り 元気だ 食欲もあって食べている でも体重が増えない 胃の手術してるからかな ちょっと下痢だ 臨床症状と検査値動態を併せてフォロー 低下 TSH 上昇 症状と検査データを関連して確認することが 副作用の早期発見に 上昇 FT3, FT4 低下 2

Case presentation: 62歳 男性 5c day1のスクリーニングでtsh ft3/4 あり 治療前 3c 5c day1 5c day8 6c 7c 8c TSH 0.916 0.904 <0.005 <0.005 <0.005 <0.005 0.037 ft3 0.99-7.49 6.79 - - - ft4 3.28 1.14 3.26 2.93 2.74 1.47 0.93 抗核抗体 <40 抗TPO抗体 9 サイログロブリン 甲状腺ホルモン の補充が必要 ②負のフィード バックで濃度低下 ④甲状腺ホルモンの 産生を促すが ①甲状腺の破壊に より血中濃度上昇 ③甲状腺の破壊が 進み濃度減少枯渇 608 抗Tg抗体 16 抗TSH受容体抗体 0.5 甲状腺エコーにて右葉の軽度腫大 血流はほぼ正常 Basedowでは 甲状腺組織の破壊を反映しサイログロブリン上昇 その他の自己抗体は陰性 破壊性甲状腺炎の状態と診断 免疫チェックポイント阻害剤による甲状腺機能障害 ft4 (ng/dl), ft3 (μg/ml), コルチゾール (μg/dl), ACTH (pg/ml) TSH (μiu/ml) 発症後急激にfT3/fT4が上昇しTSHが低下 その後2ヶ月程度でTSHが上昇傾向となり 補充が必要となる T4 (100μg) + ヒドロコルチゾン 10mg T4 (150μg) ACTH-cortisol系低下も疑われたためヒドロコルチゾン併用 Cortisolの動態 低下 を確認することも重要 Check Point 甲状腺 Tanaka et al. JJCO 2016 Check Point 甲状腺 TSH 下垂体ー甲状腺系が正常なら 最も信頼できる指標 <0.5 甲状腺機能亢進状態 >5.0 甲状腺機能低下状態 最低限の病態と検査項目の把握 信頼度は ft4>ft3 検査値の評価は細かく丁寧に ft4 臨床症状に最も一致 治療前のスクリーニングが重要 抗Tg抗体 抗TPO抗体 甲状腺腫の有無 甲状腺疾患の病歴家族歴 いろいろな可能性を探る 機能亢進症状にはβブロッカー 補充療法開始時にはcortisolの確認を 3

4/27 劇症1型糖尿病を疑った症例① 投薬日 自覚症状なし 男性 75歳 肺腺がん StageIV, EGFR-wild, ALK, PD-L1 転移性甲状腺腫瘍 脳梗塞 胃潰瘍 高血圧 既往 喫煙歴あり ステロイド併用なし 患者の訴え 投与日 5日目 退院 何ともない 9日目 外来受診日 風邪っぽい 黄色痰あり 熱なし 14日目 再来日 治った 黄色痰 熱なし 継続内服薬 ロキソプロフェン エソメプラゾール 酸化マグネシウム アンブロキソール タムスロシン アムロジピン イルベサルタン 体重 49.7 5/11 再来 5/13 自覚症状なし 48.4 49.3 139 K 4.6 4.5 4.2 4.6 76 74 血糖 261 112 HbA1c 5.4 尿pH 7 7 7 尿糖 (3+) TSH 0.943 FT4 突然の血糖異常 尿ケトン体 16/16 面談できず 16/16 Amylase 再来 症状改善 141 1.04 FT3 2.7 CPK 115 48 T-Chol 152 149 0.72 0.74 0.85 0.79 scre 劇症1型糖尿病の診断基準 外来受診 感冒様症状 LVFX処方 Na 141 AST/ALT 15/12 5/6 糖尿病によれば 検査値結果にとらわれすぎない 動きをみる 継続的なモニタリングが重要 テステープの提案 初期対応は重要 風邪っぽい 電解質輸液製剤などで対応 処方例多し この時もし 劇症1型糖尿病 であれば 劇症1型糖尿病の可能性も考え 主治医に評価依頼 上気道炎様の症状 該当 血糖値は急上昇するが HbA1cは低値 該当 血中Cペプチド 追加検査 4.59 該当せず 尿中Cペプチド 追加検査 29.6μg/day 基準 29.2-167 リパーゼ 追加検査 22U/L 抗GAD抗体 追加検査 基準 11-53 該当 アウト 該当せず 下限ぎりぎり 該当せず ニューキノロン系抗菌薬の血糖変動のリスク 劇症1型糖尿病を疑った症例② 経験を踏まえて 67歳 男性 対象 DM患者 高血糖リスク Adjusted OR (95% CI) Macrolides 1.00 Cephalosporins 1.36 (0.87-2.13) Moxifloxacin 2.48 (1.5-4.12) Levofloxacin 1.75 (1.12-2.73) Ciprofloxacin 1.87 (1.2-2.93) 低血糖リスク Adjusted OR (95% CI) Macrolides 1.00 Cephalosporins 0.94 (0.68-1.32) Moxifloxacin 2.13 (1.44-3.14) Levofloxacin 1.79 (1.33-2.42) Ciprofloxacin 1.46 (1.07-2.0) Lt.NSCLC (Sq, pt3bn0m0, stage IIB, 術後再発) type2 DM ピオグリダゾン内服中 現病歴 ①術後補助化学療法 ②術後再発 DOC PD ③NIVO導入 2c 尿糖2 10c 血糖上昇 BS:267 感冒様症状 おそらく既往のDMの影響 でも 疑いの目で見ると劇症1型の前駆症状 一応 劇症1型糖尿病を評価しよう 感冒に対する対症療法は評価してからにしよう 4

Case presentation: 67歳 男性 治療前 10c day1 血糖 (70-100mg/dL) 103 181 267 尿糖 - 2 4 5.6 6.6 6.4 HbA1c (4.7-5.9%) Check Point 糖尿病 劇症1型糖尿病を疑う場合は精査 診断基準を満たすか否か アミラーゼ (37-125U/L) 81 正常範囲 リパーゼ (11-53U/L) 43 正常範囲 インスリン (1.84-12.2μIU) 38.1 Cペプチド尿中 (29.2-167μg) Cペプチド血中 (0.61-2.09ng/mL) 16 該当しない 4.73 該当しない 抗GAD抗体 (<5.0U/L) 陰性 該当 劇症1型糖尿病は否定的 既往の糖尿病にて発症リスクは常に内在 感冒様症状は無関係であったが ニューキノロン系抗菌剤の適用は回避 Check Point 糖尿病 セルフマネジメントも重要 対応を誤ると致命的 受診次評価 必須 尿糖測定 原則 尿糖テステープ 週1-2回 体調不良時 胃切除後 DM患者では空腹時測定 治療前のスクリーニングが重要 DM患者では抗GAD抗体の有無を確認 DMの有無 Amylase, Lipase, Elastase-1では 発症の予測はできない ステロイド投与は回避 自己免疫機序が回復する確証はなく 一方で血糖悪化を惹起 肝機能障害症例 男性 64歳 肺腺がん StageIV, EGFR-wild, ALK 既往なし 右副腎転移にて放射線治療 NIVO開始1か月前まで 喫煙歴あり ステロイド併用なし 患者の訴え とても調子良い 継続内服薬 アズレンスルホン酸NaL-グルタミン配合顆粒 アセトアミノフェン オキシコドン 酸化マグネシウム オロパタジン 事前検査 HBV HCVはすべて陰性 4/7 NIVO-1 4/22 NIVO-2 5/10 stop 5/24 6/1 6/6 6/14 6/23 オプジーボ適正使用ガイド 自覚症状なし CT上診断 Rx肝臓炎 NIVO由来 肝炎疑い グリチルリチン酸 内服 ウルソデオキシコール酸 内服 グリチルリチン酸 注射 肝庇護剤はほぼ無効 ステロイドが著効 プレドニゾロン 1-2週ごとに漸減 30mg/日 25 /日 22.5 /日 AST 20 33 83 286 369 77 49 51 ALT 23 40 131 349 395 181 88 88 LDH 254 235 269 469 427 206 208 190 ALP 999 8 1499 1813 2145 1578 921 874 T-Bil 0.4 0.4 0.6 0.7 1.6 0.9 1.0 0.9 D-Bil 0.07 0.05 0.11 0.22 0.89 0.29 0.37 0.35 428 596 876 952 952 977 1132 1305 3.72 4.01 2.84 4.62 5.09 0.7 3.05 250 227 163 116 123 206 218 217 γ-gtp CRP Plt 自己免疫性肝炎 AIH 診療ガイドライン 2013 5

自己免疫性肝炎 AIH 診療ガイドライン2013 を参考にすると 他の要因の除外 疾病要因 肝転移なし 肝関連疾患なし アルコールなし 放射線照射後 Grade2であれば 経過観察しつつモニタリング 5 7日経っても持続する場合には治療介入 ①ステロイド全身投与 PSL 0.5 1.0 mg/kg/dayでステロイド全身投与を開始 検査および感染 HBV, HCVともに陰性 γ-gtp高値 Grade3 4であれば 直ちに治療介入 ①ステロイド全身投与 PSL 1.0 2.0mg/kg/dayでステロイド全身投与を開始 ②ステロイド無効 アザチオプリン投与 ステロイド開始から3 5日経っても改善しない場合 アザチオプリン投与 50mg/dayで開始 重症例は100mg/dayで開始 ③アザチオプリン無効 ミコフェノール酸モフェチル投与 アザチオプリン投与後も改善しない場合 ミコフェノール酸モフェチル 1g 2回/dayで開始 継続内服薬 直近で処方内容に変更なし 最近はじめた健康食品漢方なし 自己免疫性肝炎 AIH 診療ガイドライン 2013 Check Point 肝炎 適正使用ガイド 各種ガイドライン との早期連携が重要 治療法を誤るとirAEを悪化させてしまう可能性も 内分泌異常は早々に改善したが 内分泌障害と腸炎を発症した症例 59歳 女性 #1 悪性黒色腫 (stage IV) #2 うつ病 ステロイドで対応しているが 現病歴 減量する度に下痢が再燃する ① IFN ② NIVO 5c ③ Ipi導入 Day2 発疹 G3 Day4 発熱 尿路感染疑いでLVFX開始 Day11 悪心嘔吐出現 低Na血症 G4 下垂体炎 特発性副腎クリーゼ診断 mpsl40mg開始 ヒドロコルチゾン30mg切替漸減 Day41 腸炎 G3 mpsl40mg再開 ヒドロコルチゾン15mg切替漸減 Day92 下痢 G2 再燃 PSL20mg再増量 2015/12/8 2016/5/31 2016/6/13 2016/6/24 2016/6/28 2016/7/5 Na K Cl 137 144 meq/l 3.4 4.6 meq/l 99 107 meq/l CRP 0.3 4.1 101 2016/8/2 2016/9/6 2016/10/4 119 3.7 87 4 101 136 3.5 102 4.3 103 141 4.2 101 141 3.7 103 mg/dl 0.81 0.27 0.23 0.18 0.27 0.01 ACTH 7.2 63.3 pg/ml <2.0 cortisol 6.24 18.0 μg/dl 0.75 ADH 0.28 pg/ml <2.0 2.2 Renin活性 PRL 24.16 ng/ml TSH 0.50 4.30 μiu/ml 2.039 1.718 1.313 0.695 1.407 2.105 ft4 0.70 1.70 ng/dl 0.88 0.72 1.43 1.13 1.11 1.12 ft3 2.30 4.10 pg/ml 2.3 2.8 3.01 1.75 血糖 70 100 mg/dl 86 HbA1c 4.7 5.9 Nivo開始 88 125 106 88 6 5.4 5.3 Ipi開始 mpsl40mg ステロイドの 内服切替え以降 に下痢を繰り返す 6

ステロイドの対応は続けているが Ipi開始 day11 day17 day24 下垂体炎 副腎不全 day31 day41 下痢(G1) 腸炎(G3) mpsl iv 40mg Day11-17 day85 day92 各種ステロイドを把握する day143 下痢(G2) mpsl iv 40mg Day41-47 ヒドロコルチゾン Day17~ 30mg Day24~ 20mg PSL po Day48~ 30mg Day55~ 20mg Day69~ 15mg ヒドロコルチゾン Day83~ 15mg ヒドロコルチゾン内服量は 下痢に対応するためのステロイド量 mpsl: 0.5-2.0mg/kg を満たしていない PSL po Day90~ 20mg Day97~ 15mg Day126~ 10mg Day141~ 7.5mg 免疫関連有害事象の分類 高 低 高 大腸炎 劇症1型糖尿病 下垂体炎/副腎クリーゼ 自己免疫性肝炎 重症度 脳炎/神経炎 筋炎 高 薬剤性肺障害 Check Point 下垂体-副腎 cortisol ACTH の定期的測定は必須 午前中採血がベター 日内変動 朝 夕 大腸炎 下痢 <6μg/dLになったらヒドロコルチゾン10mg 朝 投与開始 低Na血症を見たらcortisolの確認を 甲状腺機能障害 頻度重症度緊急性 を考慮して対応する 発熱 Infusion Reactions 皮疹掻痒感 倦怠感 低 低 SIADH 尿崩症は非常に稀 MRIで描出されやすい 低 高 頻度 Check Point 複合irAE の介入 総合的評価 複合irAEには優先順位で対応 ACTH-cortisol系が障害されても甲状腺系が 保たれる場合が多い Contents Team isinc 症例経験 どう立ち向かうか 各種ステロイドへの配慮 7

どう立ち向かうか ① いち早く気付く 患者の参加も必要 患者の 気づき シート ② アセスメントの充実を 誰でも 標準的な評価 情報の共有 ③ 素早く正しい対応 緊急時対応マニュアル 適用外使用を含めた対処法アルゴリズム整備 スタッフ誰もが 最低限の初期対応 気づいた とき どうすれば良い を支援する 患者の気づきシート 患者さんにとって なるべくわかりやすく なるべく幅広く なるべく早期の段階で 対応できるよう工夫 より簡易なトリアージマニュアル を支援する問診表 初期対応を担当するスタッフが 専門科とは限らない 患者情報の正確な吸い上げ 次のトリアージにつなげる 初期評価の標準化 これらに対応できるよう 重篤例に対する治療法 適用外使用 を院内としてどのように扱うか 適用の際に院内の然るべき委員会に審議を諮る 8

三本の矢 どうしの連携 有害事象への 迅速な対応 ① 気づきと行動シート すべての患者さんとスタッフが 同じスタンスで 免疫療法の維持 患者自身も参加して セルフチェック ② トリアージマニュアル どんなスタッフが関わっても 適正なアセスメントとアクションで ③ 適正使用マニュアル いち早く適正な診断と治療を 良質なクオリティーで 薬剤師がサポートする 体制も要求されそう アセスメント 症状マネジメント 多角的な評価 Check Points?? 一薬剤師としての今後の課題 有害事象への 迅速な対応 が不在の病院がほとんど Generalist としてやり直し 患者の参加 そうそううまくいくものではない 臨床推論 が必要そう プラス 薬剤師外来 薬薬連携 で 支援体制の向上も 患者を支える 薬剤師の工夫 ホットライン など 自己免疫疾患 との長いお付き合いを考える 未開な部分を探索 する姿勢 アセスメント 症状マネジメント より多くのスタッフで 対応した方が良いが 多様な併用療法 多様な有害事象が併発 支持療法の適正使用 副作用対策 免疫チェックポイント 阻害薬 がん治療の副作用 殺細胞性 分子標的薬 抗がん剤 患者の苦痛を緩和するための薬が ホルモン剤 患者に不利益を与えてはいけない 9