回答結果については 回答校 36 校の過去 3 年間の卒業生に占める大学 短大進学者率 現役 浪人含む 及び就職希望者率の平均値をもとに 進学校 中堅校 就職多数校 それぞれ 12 校ずつに分類し 全体の結果とともにまとめた ここでは 生徒対象質問紙のうち 授業外の学習時間 に関連する回答結果のみ掲

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表 回答科目数と回答数 前期 後期 通年 ( 合計 ) 科目数 回答数 科目数 回答数 科目数 回答数 外国語 ( 英語 ) 120 / 133 3,263 / 4, / 152 3,051 / 4, / 285 6,314 / 8,426 外国語 ( 英語以

本研究では A 県のある自治体における2015 年度全国学力 学習状況調査結果の小学校児童個票データを使用する 分析の対象は 公立小学校とし 言語活動に関連する取組と学力の関係について分析を行う 使用するデータは 国語 A 国語 B 算数 A 算数 Bの正答数 児童質問紙回答値 学校質問紙回答値であ

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

4 選抜方法 (1) 選抜の方法 本校の 期待する生徒像 に基づき, 学力検査の成績, 調査書, 面接の結果 等を総合的に判定して入学者の選抜を行う ア 学力検査の成績 による順位と 調査書の得点 による順位が, ともに次のパーセント以内にある者は, 入学許可候補者として内定する ( ア ) 受検者

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

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簿記教育における習熟度別クラス編成 簿記教育における習熟度別クラス編成 濱田峰子 要旨 近年 学生の多様化に伴い きめ細やかな個別対応や対話型授業が可能な少人数の習熟度別クラス編成の重要性が増している そのため 本学では入学時にプレイスメントテストを実施し 国語 数学 英語の 3 教科については習熟

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1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

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3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

2 教科に関する調査の結果 ( 各教科での % ) (1) 小学校 国語 4 年生 5 年生 6 年生 狭山市埼玉県狭山市埼玉県狭山市埼玉県 平領均域正等答別率 話すこと 聞くこと 書くこと

報道関係各位 2012 年 1 月 25 日 株式会社ベネッセコーポレーション 代表取締役社長福島保 高校受験調査 ~ 高校 1 年生は自らの高校受験をどのように振り返っているのか ~ 高校受験を通じて やればできると自信がついた 71% 一方で もっと勉強しておけばよかった 65% 株式会社ベネッ

H30全国HP

現課程の高校生の実態

フトを用いて 質問項目間の相関関係に着目し 分析することにした 2 研究目的 全国学力 学習状況調査結果の分析を通して 本県の児童生徒の国語及び算数 数学の学習 に対する関心 意欲の傾向を考察する 3 研究方法平成 25 年度全国学力 学習状況調査の児童生徒質問紙のうち 国語及び算数 数学の学習に対

高校生の学力向上要因の定量的分析 ( 概要 ) - ある県立高校の成績及び生活実態調査の個票データから - MJE15702 鈴木健 要旨 本研究の目的は ある埼玉県立高等学校の生徒の 入学から卒業までの 9 時点にわたり蓄積された模擬試験成績及び生活実態に関する個票データを用い 学力向上の要因を定

の間で動いています 今年度は特に中学校の数学 A 区分 ( 知識 に関する問題 ) の平均正答率が全 国の平均正答率より 2.4 ポイント上回り 高い正答率となっています <H9 年度からの平均正答率の経年変化を表すグラフ > * 平成 22 年度は抽出調査のためデータがありません 平

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平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

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この章のポイント 高校での指導の実態からみる高校教育の課題 Benesse 教育研究開発センター研究員 岡部悟志 解説の時間 が中心の高校での授業中学校から高校にかけて生徒が様々なとまどいを感じていることは第 1 章で確認した通りだが その背景には中学校と高校とで大きく異なる指導の実態がありそうだ

(3) 生活習慣を改善するために

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

4 選抜方法 ( 1 ) 選抜の方法 学力検査の成績 調査書の得点 第 2 日の検査 ( 面接 ) の得点 を全て合計した 総得点 により順位をつけ 各選抜資料の評価等について慎重に審議しながら 予定人員までを入学許可候補者として内定する < 総得点の満点の内訳 > 調査書の得点第 2 日の検査学力

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学生による授業評価のCS分析

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45 宮崎県

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資料1 団体ヒアリング資料(ベネッセ教育総合研究所)

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3-2 学びの機会 グループワークやプレゼンテーション ディスカッションを取り入れた授業が 8 年間で大きく増加 この8 年間で グループワークなどの協同作業をする授業 ( よく+ある程度あった ) と回答した比率は18.1ポイント プレゼンテーションの機会を取り入れた授業 ( 同 ) は 16.0

小学生の英語学習に関する調査

①H28公表資料p.1~2

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平成 26 年度生徒アンケート 浦和北高校へ入学してよかったと感じている 1: 当てはまる 2: だいたい当てはまる 3: あまり当てはまらない 4: 当てはまらない 5: 分からない 私の進路や興味に応じた科目を選択でき

小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

受付番号 宮城県小牛田農林高等学校長殿 平成 年 月 日 志願する課程, 学科, コース 部 : 全日制課程農業技術科農業科学コース 次の 1,2 のうち, 満たしている条件の にチェックをすること 2 の場合 (1)~(3) のいずれか 1 1~3 年生の全教科の評定平均値が4.0 以上の者 2

平成 30 年度全国学力 学習状況調査の結果について ( 速報 ) 1. 調査の概要 実施日平成 30 年 4 月 17 日 ( 火 ) 調査内容 1 教科に関する調査 ( 国語 A 国語 B 算数 数学 A 算数 数学 B 理科 (3 年に 1 回 )) A 問題 : 主として知識に関する問題 B

サーバに関するヘドニック回帰式(再推計結果)

18 歳人口予測 ( 全体 : :217~228 年 ) 年 45,961 人 228 年 4,98 人 (5,863 人減少 ) は 12 年間で 5,863 人 12.8% 減少し 全国の減少率 9.6% を 3.2 ポイント上回る 223 年に 41,13 人まで減少した後 224

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3-1. 新学習指導要領実施後の変化 新学習指導要領の実施により で言語活動が増加 新学習指導要領の実施によるでの教育活動の変化についてたずねた 新学習指導要領で提唱されている活動の中でも 増えた ( かなり増えた + 少し増えた ) との回答が最も多かったのは 言語活動 の 64.8% であった

H31 入学時アンケート 全学科 専攻 平成 31 年度入学時アンケート報告用.xlsx 平成 31 年度入学時アンケート 全学科 専攻 実施日 : 平成 31 年 4 月 3 日 ( 水 )~5 日 ( 金 ) 調査方法 : 集合法 ( 学科 / クラス ) による 自記入式質問紙調査 調査対象

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

国語の授業で目的に応じて資料を読み, 自分の考えを 話したり, 書いたりしている

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2.3.事前に調べておこう

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2 全国 埼玉県 狭山市の平均正答率 ( 教科に関する調査の結果 ) ( 単位 %) (1) 小学校第 6 学年 教科ごとの区分 教科 狭山市 埼玉県 全国 国語 A 国語 B 算数 A 算数 B 学習指導要領の

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

< F C18D E93788EF38D7590B B CC8F578C76834F E786C73>

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平成 25 年度学力定着状況確認問題の結果について 概要版 山口県教育庁義務教育課 平成 2 6 年 1 月 1 実施概要 (1) 目 的 児童生徒の客観的な学力状況の経年的な把握と分析を通して 課題解決に向けた 指導の工夫改善等の取組の充実を図る全県的な検証改善サイクルを確立し 県内す べての児童

件法 (1: 中学卒業 ~5: 大学院卒業 ) で 収入については 父親 母親それぞれについて 12 件法 (0: わからない 収入なし~ 11:1200 万以上 ) でたずねた 本稿では 3 時点目の両親の収入を分析に用いた 表出語彙種類数幼児期の言語的発達の状態を測定するために 3 時点目でマッ


平成 28 年度学校評価最終報告 教職員 :20 人生徒 :309 人保護者 :233 人 [ とてもよい 青ややよい 赤やや不十分 黄緑不十分 紫 ] < 教職員 保護者共通項目アンケート > 評価項目教職員保護者 1 学校は 様々な機会を活用して 学校の様子や学習内容を地域や保護者に伝えている

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目 次 平成 29 年度島根県公立高校入試の改善方針について 1 Ⅰ 改善方針の概要 2 1 基本的な考え方 2 改善方針の内容 3 実施の時期 Ⅱ 選抜制度の具体的内容 3 1 選抜の機会 2 検査の時期 3 選抜資料 学力検査 3-2 個人調査報告書 3-3 面接 3-4 その他の資

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

沖縄県教育庁提出資料 1

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

4 選抜方法 (1) 選抜の方法 本校の 期待する生徒像 に基づき, 学力検査の成績, 調査書, 面接の結果 等を総合的に判定して入学者の選抜を行う ア 下表のとおり合計点を算出する 学力検査 調査書 5 教科の 教科の学習の記録 出欠 行動 特別活動 部活動等 面接 得点合計 の記録 の記録 の記

教育 学びのイノベーション事業 ( 平成 23~25 年度 ) 総務省と連携し 一人一台の情報端末や電子黒板 無線 LAN 等が整備された環境の下で 教科指導や特別支援教育において ICT を効果的に活用して 子供たちが主体的に学習する 新たな学び を創造する実証研究を実施 小学校 (10 校 )

切片 ( 定数項 ) ダミー 以下の単回帰モデルを考えよう これは賃金と就業年数の関係を分析している : ( 賃金関数 ) ここで Y i = α + β X i + u i, i =1,, n, u i ~ i.i.d. N(0, σ 2 ) Y i : 賃金の対数値, X i : 就業年数. (

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

平成 30 年度授業シラバスの詳細内容 科目名 ( 英 ) 担当教員名 情報技術と職業 - 演習 (Information Technology at Work Place - 授業コード exercise ) 松永多苗子 星芝貴行 坂井美穂 足立元 坪倉篤志 科目ナンバリン 福島学 グコード 配当

2 経年変化 ( 岡山平均との差の推移 ) (1) 中学校 1 年生で比較 ( 昨年度まで中学校 1 年生のみの実施のため ) 平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度平成 29 年度 国 数 語 学 基 礎 活 用 基 礎

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

平成 21 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 21 年 10 月 2 日 ( 金 ) 教務部 平成 21 年 4 月 21 日 ( 火 )AM8:50~11:50 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (95 名 ) 教科に関す

2017 年 9 月 8 日 このリリースは文部科学記者会でも発表しています 報道関係各位 株式会社イーオンイーオン 中学 高校の英語教師を対象とした 中高における英語教育実態調査 2017 を実施 英会話教室を運営する株式会社イーオン ( 本社 : 東京都新宿区 代表取締役 : 三宅義和 以下 イ

調査概要 授業評価アンケート結果 ( 大学 ) 調査票

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調査結果の概要

平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

最近の入試改革論議紹介 大学入試は 彼 / 彼女らの学習動機になり得るか 大学入試センター研究開発部濱中淳子 佐々木隆生氏日本経済新聞 記事 入試 30 年ぶり大改革 複数回テスト検討 学力向上を大学期待 高校に戸惑いも試験 1 回で学力把握は困難 年 1 回のセンター試験で学力を

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本年度の調査結果を更に詳しく分析するため 本道の課題となっている質問紙の項目について 継続して成果を上げている福井県 秋田県 広島県と比較した結果を示しています ( 全国を 100 とした場合の全道及び他県の状況をレーダーチャートで示したもの ) 1 福井県との比較 (~P51) 継続的に成果を上げ

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(3) 面接 [300 点満点 ] 3 名の評価者が, 次の4つのごとに, 各に基づき,a( 優れている ) b( 標準である ) c( 標準をやや下まわる ) d( 標準を下まわる ) e( 問題がある ) の 5 段階で評価する aを25 点,b を20 点,c を15 点,d を5 点,e を

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

資料3 高校生を取り巻く状況について

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Ⅰ 評価の基本的な考え方 1 学力のとらえ方 学力については 知識や技能だけでなく 自ら学ぶ意欲や思考力 判断力 表現力などの資質や能力などを含めて基礎 基本ととらえ その基礎 基本の確実な定着を前提に 自ら学び 自ら考える力などの 生きる力 がはぐくまれているかどうかを含めて学力ととらえる必要があ

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1.民営化

(4) 学校の規則を守っていますか (5) いじめは, どんな理由があってもいけないことだと思いますか

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図表 1 両親年収別の高校卒業後の進路 1( 所得階級 5 区分 ) 高校生の進路追跡調査第 1 次報告書 69 頁 図 3-2 再掲

Transcription:

高校生の 授業外の学習時間 に影響を与える学校 教員の取組に 関する要因分析 埼玉県立高等学校の調査を通して 概要 MJE13702 相模 幸之 要旨 本研究は 高等学校の教育活動や取組が 高校生の 授業外の学習時間 にどのような影響を与えるかについて分析した研究である 本研究では 全日制普通科を設置する埼玉県立高等学校の 3 学年生徒と教員を対象とした質問紙調査を実施し 国語 数学 英語の 3 教科における 授業外の学習時間 に影響を与える学校や教員の取組要因について分析 考察を行い 以下のような結論を得た 生徒の 授業外の学習時間 に影響を与える要因として 学校の取組では 個人面談 興味 関心を引き出す授業 授業評価 授業アンケート などが 学校の取組以外では 学習への取組状況 家庭生活状況 教科への興味 関心 入学試験や就職試験の存在 などがあげられることが明らかになった さらに 進学校 中堅校 就職多数校 の学校のタイプが異なることによって 生徒の 授業外の学習時間 に影響を与える要因にも差異が見られることが明らかになった 以上の結論を踏まえ 生徒の 授業外の学習時間 を増加させるために 興味 関心を引き出す授業の工夫 授業評価アンケート の推奨及び指針の作成 普及 など 5 つの政策提言を行った 1. 研究の概要 1.1 研究の背景と問題意識 高等学校学習指導要領第 1 章 総則 には 生徒の主体的な学習活動を促し学習習慣を確立させることが 我が国の高校教育において極めて重要な課題であることが打ち出されている また 平成 25 年 6 月に閣議決定された 第 2 期教育振興基本計画 においても 高等学校教育段階における生徒の 学習時間の減少 学習意欲の減退 等の課題に対応する必要性が指摘されている 高校生の 授業外の学習時間 の状況については 国立教育政策研究所の調査によると 我が国の高校生の約 4 割が 平日に学校の授業時間以外にまったく またはほとんど勉強をしていないという結果が報告されている また ベネッセ教育研究開発センター 当時 の調査でも 1990 年以降 高校生の家庭学習時間が 調査の回を追うごとに減少しているという結果が示されている 1.2 先行研究 授業外の学習時間 の増減要因に関する先行研究でこれまで指摘された主な要因には テレビ視聴時間 大学入試の存在 社会階層 などがあげられている 一方 学校や教員の取組と 授業外の学習時間 との関連を扱った先行研究については 調査生徒のサンプル数が少なかったり 特定の一つの教科のみが研究対象であったりするなど 授業外の学習時間 と学校や教員の取組とを総合的に扱った研究をほとんど見ることができない 1.3 研究の目的と方法 本研究の目的は 高校生の 授業外の学習時間 に影響を与えうる学校や教員の 一般的かつ具体的な取組 を明らかにすることである なお 本研究での 授業外の学習時間 は 国語 数学 英語の 3 教科に関して 家庭学習のほか学校の補習 塾や予備校での勉強などの時間も分析の対象としている 研究の方法として 埼玉県立高等学校の 3 学年生徒 クラス担任及び国語 数学 英語担当教員を対象に質問紙調査を実施し その回答結果について 重回帰モデルを用いた分析 学校分類ごとの 授業外の学習時間 の平均値が長い学校群と短い学校群との差異に関する分析 により考察 検証する 2. 回答結果の概要 2.1 調査対象校及び調査実施時期 埼玉県が所管する全日制普通科を設置する県立高等学校 99 校のうち 地区 男女比 卒業生の進路状況等に偏りを生じないよう 40 校を抽出し 平成 25 年 11 月から 12 月にかけて質問紙調査を実施した 2.2 回答結果 調査対象校 40 校中 36 校から回答を得た ( 回答率 :90%) 内訳は 生徒 2312 名 ( 男子 1195 名 女子 1039 名 不明 78 名 ) 調査対象クラス担任 63 名 調査対象クラス国語 数学 英語担当教員 170 名であった -7-

回答結果については 回答校 36 校の過去 3 年間の卒業生に占める大学 短大進学者率 現役 浪人含む 及び就職希望者率の平均値をもとに 進学校 中堅校 就職多数校 それぞれ 12 校ずつに分類し 全体の結果とともにまとめた ここでは 生徒対象質問紙のうち 授業外の学習時間 に関連する回答結果のみ掲載する 図 2-1 は 生徒への質問 平日の授業外の国語 数学 英語の学習時間 の回答結果 また 図 2-2 は 休日の授業外の国語 数学 英語の学習時間 の回答結果である 表 2-1 一週間の授業外の国語 数学 英語の学習時間 : 記述統計量 単位 : 分 度数最小値最大値平均値標準偏差 一週間の授業外の学習時間 ( 全体 ) 2288 0 1890 782.69 734.530 一週間の授業外の学習時間 ( 進学校 ) 787 0 1890 1412.21 532.688 一週間の授業外の学習時間 ( 中堅校 ) 797 0 1890 650.21 662.555 一週間の授業外の学習時間 ( 就職多数校 ) 704 0 1890 228.92 412.626 次に 各学校の 一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 の平均値と 大学 短期大学進学率 卒業者数に占める大学 短期大学進学者数 現役 浪人含む の過去 3 年間 平成 22 年度 ~ 平成 24 年度 の平均値との相関を見る 図 2-3 は 両者のデータの散布状況及び線形関係について示したものである 図 2-1 平日の授業外の国語 数学 英語の学習時間 図 2-3 一週間の 授業外の学習時間 の学校ごとの平均と大学 短大進学率との相関 以上のことから 1 生徒全体では 授業以外の国語 数学 英語の勉強を まったくしない 生徒が少なからず存在している 2 授業外の国語 数学 英語の学習時間 は 生徒間の差のみならず学校間の差も大きい 3 授業外の国語 数学 英語の学習時間 は 大学 短期大学進学者数の比率と大きく関係している などのことが明らかになった 図 2-2 休日の授業外の国語 数学 英語の学習時間 授業外の国語 数学 英語の勉強 を まったくしない と回答した生徒を 0 分 0 時間 ~1 時間未満 と回答した生徒を 30 分 1 時間 ~2 時間未満 と回答した生徒を 90 分 などのように換算し 平日及び休日の 授業外の学習時間 の回答結果から 生徒の 一週間あたりの授業外の国語 数学 英語の学習時間 を算出したうえで分析を進めることとした 表 2-1 は このようにして算出した 一週間の授業外の国語 数学 英語の学習時間 の記述統計量である 3. 回答結果の分析 考察 3.1 仮説の構築 本研究の目的は 学校や教員の取組が生徒の 授業外の学習時間 にどのように影響を与えるかを総合的に分析すること であるが 分析を進める際は多角的な視点で要因を検証するため 以下のような仮説を設定する 仮説 1 学校や教員の取組が充実するほど 生徒の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 は増加する 仮説 2 勉強に対する姿勢 意識や家庭生活状況 ( 娯楽の時間 夕食開始時刻 就寝時刻など ) などは 生徒の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 に影響を与えている -8-

仮説 3 進学校 中堅校 就職多数校 の学校分類が異なれば 生徒の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 に影響を与える要因にも差が生じる 業だと思う X24: 生徒の興味 関心を引き出す授業だと思う X25: 生徒によく発言させる授業だと思う X26: グループで課題について考えたり調べたりする授業だと思う i: 生徒 ε: 誤差項 3.2 重回帰モデルを用いた分析 考察重回帰モデルを用いた分析の際は 生徒対象質問紙の回答結果に関する推定モデル モデル 1 クラス担任対象質問紙の回答結果に関する推定モデル モデル 2 国語 数学 英語担当教員対象質問紙の回答結果に関する推定モデル モデル 3 をそれぞれ構築した 生徒対象質問紙の回答結果に関する推定モデルの被説明変数は 前章で算出した生徒の 一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 とし 説明変数として属性をコントロールしたうえで 家庭生活状況 国語 数学 英語の学習状況等 国語 数学 英語の学習に対する効用感 国語 数学 英語の授業に対する評価 などの変数を投入した このようにして構築された回帰式を最小二乗法により推定し 各説明変数が被説明変数である 一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 に与える影響を 統計的な有意性の有無により分析した 回帰式 Yi = αi+β1x1i+β2x2i+β3x3i+β4x4i +β5x5i+β6x6i+ +β26x26i+εi 各変数の内訳 Yi: 生徒 i の一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 X1: 大学 短期大学進学者率 ( 平成 22 年度 ~ 平成 24 年度の平均 : 現役 浪人含む ) X2: 性別ダミー変数 X3: 一週間の娯楽 ( ゲーム テレビ メールなど ) の時間 X4: 夕食開始時刻 X5: 就寝時刻 X6: 宿題の実施状況 X7: 受験勉強を 予備校 塾 でする ダミー変数 X8: 受験勉強を 自宅 でする ダミー変数 X9: 受験勉強を 学校の補習 でする ダミー変数 X10: 国語 数学 英語への興味 関心 X11: 中学校のときの学習状況 X12: 高校 1 年生 ~2 年生のときの学習状況 X13: 勉強は 将来 仕事をするうえで役に立つ ダミー変数 X14: 勉強は 入学試験や就職試験に役に立つ ダミー変数 X15: 勉強は 人格形成に役に立つ ダミー変数 X16: 勉強は 生きるために必要な基本的知識に役に立つ ダミー変数 X17: 勉強は 論理的な思考力を高めるうえで役に立つ ダミー変数 X18: 勉強は 金銭的成功や名誉獲得に役に立つ ダミー変数 X19: 今している勉強は役に立たない ダミー変数 X20: 高校卒業時の進路目標の有無 X21:10 年後の自分の目標の有無 X22: 予習 復習をするよう言われる授業だと思う X23: 教科書の内容を講義形式で教える授 すべての変数を投入したモデルの推計を行った結果を 表 3-1 に示す 表 3-1 生徒対象質問紙結果に関する重回帰分析結果 変数モデル 1-5 大学 短期大学進学者率 (H22~24の平均: 現役 浪人含む ) 10.633 *** (.487) 性別ダミー 54.355 ** (20.614) 一週間の娯楽 ( ケ ーム テレヒ メールなど ) の時間 -.134 *** (.019) 夕食開始時刻 ( 一週間の平均 ) 40.992 *** (9.039) 就寝時刻 ( 一週間の平均 ) 43.459 *** (10.819) 宿題の実施状況 32.341 ** (11.173) 受験勉強を 予備校 塾 でする ダミー 506.055 *** (28.570) 受験勉強を 自宅 でする ダミー 290.747 *** (23.965) 受験勉強を 学校の補習 でする ダミー 78.531 ** (28.723) 国語 数学 英語への興味 関心 45.951 ** (14.771) 中学校のときの学習状況 -22.625 * (10.757) 高校 1 年生 ~2 年生のときの学習状況 15.730 (12.712) 勉強は 将来 仕事をするうえで役に立つ ダミー 10.452 (21.802) 勉強は 入学試験や就職試験に役に立つ ダミー 71.163 ** (24.263) 勉強は 人格形成に役に立つ ダミー 10.061 (26.602) 勉強は 生きるために必要な基本的知識に役に立つ ダミー -47.307 * (21.252) 勉強は 論理的な思考力を高めるうえで役に立つ ダミー 29.667 (24.143) 勉強は 金銭的成功や名誉獲得に役に立つ ダミー 12.273 (26.413) 今している勉強は役に立たない ダミー -128.275 ** (46.330) 高校卒業時の進路目標の有無 2.802 (17.231) 10 年後の自分の目標の有無 2.594 (11.597) 予習 復習をするよう言われる授業だと思う 5.046 (12.606) 教科書の内容を講義形式で教える授業だと思う -2.779 (9.645) 生徒の興味 関心を引き出す授業だと思う 43.970 *** (11.478) 生徒によく発言させる授業だと思う -30.545 ** (11.285) グループで課題について考えたり調べたりする授業だと思う -20.071 (15.719) 定数項 -515.265 *** (87.446) サンプル数 2086 補正 R 2.630 F 値 137.430 上段は非標準化係数 β 下段括弧内は標準誤差 -9- 推計結果の係数の符合及び有意性から 娯楽の時間が少ないこと 夕食開始時刻や就寝時刻が遅いこと 受験勉強によく取り組んでいること 宿題によく取り組んでいること 勉強は 入学試験や就職試験に役立つと考えていること 教科への興味 関心が高いこと 興味

関心を引き出す授業が実践されていること などの要因が 生徒の 授業外の学習時間 に有意に正の影響を与えるという結果を得た 一方 勉強は生きるために必要な知識に役立つと思うこと 生徒によく発言させる授業が実践されていること などの要因は 有意に負の影響を与える結果となった 授業外の学習時間 が長い生徒ほど 勉強は 生きるためというよりも受験に必要 と捉える傾向があったり 授業外の学習時間 が短い生徒が多く在籍する学校ほど 授業工夫の一環として生徒に発言を促すよう取り組んでいたりする可能性があると推察される クラス担任対象質問紙の回答結果に関する推定モデルの被説明変数は クラス担任が勤務する学校の生徒の 一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 の平均値とした 説明変数は 勤務校の属性をコントロールしたうえで 質問紙項目のうち 個人面談の実施状況 学習の効用に関する指導状況 進路指導の重点内容 などの変数を用いた 推計結果から 各説明変数が被説明変数に与える影響を 統計的な有意性の有無により分析した 回帰式 Yi = αi+β1x1i+β2x2i+β3x3i+β4x4i +β5x5i+β6x6i+ +β20x20i+εi 各変数の内訳 Yi: クラス担任 i の勤務校での生徒の一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 の平均値 X1: 大学 短期大学進学者率 ( 平成 22 年度 ~ 平成 24 年度の平均 : 現役 浪人含む ) X2:1 年間に予定している個人面談の回数 X3: 必要に応じた個人面談の実施状況 X4: 個人面談の話題 学習状況や成績 ダミー変数 X5: 個人面談の話題 学校での生活状況 態度 ダミー変数 X6: 個人面談の話題 友人関係 人間関係 ダミー変数 X7: 個人面談の話題 部活動 ダミー変数 X8: 個人面談の話題 家庭での生活状況 態度 ダミー変数 X9: 勉強は 将来 仕事をするうえで役に立つと話す ダミー変数 X10: 勉強は 入学試験や就職試験に役に立つと話す ダミー変数 X11: 勉強は 人格形成に役に立つと話す ダミー変数 X12: 勉強は 生きるために必要な基本的知識に役に立つと話す ダミー変数 X13: 勉強は 論理的な思考力を高めるうえで役に立つと話す ダミー変数 X14: 勉強は 金銭的成功や名誉獲得に役に立つと話す ダミー変数 X15: 進路指導で 自己理解を深めさせる ダミー変数 X16: 進路指導で 高校卒業時の進路目標を持たせる ダミー変数 X17: 進路指導で 将来のキャリアを設計させる ダミー変数 X18: 進路指導で 体験授業や職業体験への参加を促す ダミー変数 X19: 進路指導で 進路対策補習への参加を促す ダミー変数 X20: 進路指導で 資格取得や検定受検を促す ダミー変数 i: クラス担任 ε: 誤差項 すべての変数を投入したモデルの推計を行った結果を 表 3-2 に示す 表 3-2 クラス担任対象質問紙結果に関する重回帰分析結果 変 数 モデル2-4 大学 短期大学進学者率 (H22~24の平均: 現役 浪人含む ) 17.262 *** (1.092) 1 年間に予定している個人面談の回数 62.860 ** (22.444) 必要に応じた個人面談の実施状況 107.800 ** (35.348) 個人面談の話題 学習状況や成績 ダミー -12.798 (50.245) 個人面談の話題 学校での生活状況 態度 ダミー 36.824 (49.147) 個人面談の話題 友人関係 人間関係 ダミー -32.127 (71.265) 個人面談の話題 部活動 ダミー -102.464 (111.644) 個人面談の話題 家庭での生活状況 態度 ダミー -150.137 (119.804) 勉強は 将来 仕事をするうえで役に立つと話す ダミー 47.426 (52.931) 勉強は 入学試験や就職試験に役に立つと話す ダミー 91.197 (58.903) 勉強は 人格形成に役に立つと話す ダミー -30.721 (50.126) 勉強は 生きるために必要な基本的知識に役に立つと話す ダミー -33.724 (47.572) 勉強は 論理的な思考力を高めるうえで役に立つと話す ダミー -63.478 (42.308) 勉強は 金銭的成功や名誉獲得に役に立つと話す ダミー -162.386 (136.098) 進路指導で 自己理解を深めさせる ダミー -49.810 (62.847) 進路指導で 高校卒業時の進路目標を持たせる ダミー -33.003 (51.699) 進路指導で 将来のキャリアを設計させる ダミー 38.702 (54.391) 進路指導で 体験授業や職業体験への参加を促す ダミー -124.778 (76.897) 進路指導で 進路対策補習への参加を促す ダミー -19.149 (54.930) 進路指導で 資格取得や検定受検を促す ダミー -17.486 (73.873) 定数項 -673.093 *** (149.569) サンプル数 60 補正 R 2.932 F 値 41.988 上段は非標準化係数 β 下段括弧内は標準誤差 -10- 推計結果から 1 年間に予定している個人面談の回数 が多いほど また 必要に応じた個人面談の実施状況 が良いほど 生徒の一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 が有意に長くなることが明らかになった しかし 個人面談で話題にする内容 学習の効用に関する指導状況 進路指導の重点内容 などの変数については 生徒の 一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 と有意な関連を見ることができなかった 国語 数学 英語担当教員対象質問紙の回答結果に関する推定モデルの被説明変数も クラス担任と同様 自身が勤務する学校の生徒の 一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 の平均値とした 説明変数については 属性をコントロールしたうえで 質問紙項目のうち 学習

( ( 指導の実施状況 学習の効用に関する指導状況 学習指導に関する組織的な取組状況 などの変数を投入及び推定モデルを構築し 推計結果を分析した 回帰式 Yi = αi+β1x1i+β2x2i+β3x3i+β4x4i +β5x5i+β6x6i+ +β20x20i+εi 各変数の内訳 Yi: 国語 数学 英語担当教員 i の勤務校での生徒の一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 の平均値 X1: 大学 短期大学進学者率 ( 平成 22 年度 ~ 平成 24 年度の平均 : 現役 浪人含む ) X2: 国語担当ダミー変数 X3: 数学担当ダミー変数 X4: 予習 復習をやらせる授業 X5: 教科書の内容を講義形式で教える授業 X6: 生徒の興味 関心を引き出す授業 X7: 生徒によく発言させる授業 X8: グループで考えさせたり調べさせたりする授業 X9: 宿題を出す頻度 X10: 勉強は 将来 仕事をするうえで役に立つと話す ダミー変数 X11: 勉強は 入学試験や就職試験に役に立つと話す ダミー変数 X12: 勉強は 人格形成に役に立つと話す ダミー変数 X13: 勉強は 生きるために必要な基本的知識に役に立つと話す ダミー変数 X14: 勉強は 論理的な思考力を高めるうえで役に立つと話す ダミー変数 X15: 勉強は 金銭的成功や名誉獲得に役に立つと話す ダミー変数 X16: シラバスなどによる学習目標や学習計画などの提示 X17: 生徒への家庭学習計画作成の指示 X18: 生徒による 授業評価 授業アンケート の実施 X19: 授業力向上のための研修会の実施 X20: 授業力向上のための教員相互の授業見学の実施 i: 国語 数学 英語担当教員 ε: 誤差項 すべての変数を投入したモデルの推計を行った結果を 表 3-3 に示す 推計結果から 国語 数学 英語担当教員が 生徒の興味 関心を引き出す授業 の実践に心掛けるほど また 国語 数学 英語担当教員の 生徒による 授業評価 授業アンケート の実施状況が良好であるほど 生徒の 一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 が有意に長くなることが明らかになった 興味 関心を引き出す授業 の実践が生徒の 授業外の学習時間 を増加させる有意な要因となることは 生徒対象質問紙結果に関する重回帰分析からも得られた結果である しかし 上記 2 点以外の 学習指導の実施状況 学習の効用に関する指導状況 学習指導に関する組織的な取組状況 などの変数については 生徒の 一週間の 授業外の国語 数学 英語の学習時間 に有意に影響を与える結果とならなかった 表 3-3 国語 数学 英語担当教員対象質問紙結果に関する重回帰分析結果 変 数 モデル3-4 大学 短期大学進学者率 (H22~24の平均: 現役 浪人含む ) 18.235 *** (.588) 国語担当ダミー -19.767 (35.260) 数学担当ダミー 35.490 (34.748) 予習 復習をやらせる授業 2.222 (15.158) 教科書の内容を講義形式で教える授業 16.315 (15.918) 生徒の興味 関心を引き出す授業 41.846 * (17.352) 生徒によく発言させる授業 -15.257 (16.934) グループで考えさせたり調べさせたりする授業 -3.160 (20.825) 宿題を出す頻度 -18.019 (15.716) 勉強は 将来 仕事をするうえで役に立つと話す ダミー -24.898 (27.580) 勉強は 入学試験や就職試験に役に立つと話す ダミー -29.378 (26.437) 勉強は 人格形成に役に立つと話す ダミー 20.321 (30.836) 勉強は 生きるために必要な基本的知識に役に立つと話す ダミー -32.761 (26.725) 勉強は 論理的な思考力を高めるうえで役に立つと話す ダミー -19.876 (27.735) 勉強は 金銭的成功や名誉獲得に役に立つと話す ダミー 25.866 (82.885) シラバスなどによる学習目標や学習計画などの提示 -25.404 (15.785) 生徒への家庭学習計画作成の指示 -.367 (18.077) 生徒による 授業評価 授業アンケート の実施 59.554 ** (17.070) 授業力向上のための研修会の実施 -31.639 (21.173) 授業力向上のための教員相互の授業見学の実施 -23.843 (20.331) 定数項 -291.529 ** (89.044) サンプル数 160 補正 R 2.918 F 値 90.433 上段は非標準化係数 β 下段括弧内は標準誤差 3.3. 生徒対象質問紙の回答結果に関する学校分類ごとの 授業外の学習時間 の平均値が長い学校群と短い学校群との差異に関する分析 考察 次に 進学校 中堅校 就職多数校 ごとに 授業外の国語 数学 英語の学習時間 が長い学校群 1 群 と短い学校群 2 群 との回答平均値の有意差をt 検定により分析した 表 3-4 授業外の国語 数学 英語の学習時間 の長い学校群と短い学校群との比較 変 数 度数平均値標準偏差 1 群 2 群 1 群 2 群 1 群 2 群 t 値 一週間の娯楽の時間 ( 算出値 ) 372 417 531.45 709.57 386.654 441.552-5.995 *** 夕食開始時刻 ( 一週間の平均 ) 374 414 3.61 3.21 1.359 1.156 4.397 *** 就寝時刻 ( 一週間の平均 ) 372 416 4.88 4.71.868.929 2.594 ** 宿題以外の学習の実施状況 375 419 3.70 3.41.596.776 5.770 *** 中学校のときの学習状況 373 418 2.82 2.65 1.027.974 2.342 * 一週間の娯楽の時間 ( 算出値 ) 398 400 877.09 1018.88 544.290 598.062-3.502 *** 宿題の実施状況 395 396 3.20 3.05.952.938 2.186 * 宿題以外の学習の実施状況 397 397 2.89 2.08 1.079.977 11.138 *** 一週間の娯楽の時間 ( 算出値 ) 386 317 1133.47 1295.68 626.198 605.643-3.468 *** 宿題の実施状況 386 319 2.89 2.52 1.068 1.165 4.342 *** 宿題以外の学習の実施状況 381 317 1.97 1.63.996.834 4.790 *** 中学校のときの学習状況 383 311 2.04 1.77 1.017.959 3.610 *** 高校 1 年生 ~2 年生のときの学習状況 382 310 2.20 1.93.983.927 3.801 *** 高校卒業時の進路目標の有無 386 315 3.48 3.33.757.909 2.411 * 進学校 ) 中堅校 ) ( 就職多数校 ) -11-

表 3-4 は t 検定の結果 有意差の認められた変数のみ学校分類ごとにまとめたものである この表が示すように 生徒の 授業外の学習時間 に影響を与える要因は 学校のタイプが異なることによって差異が見られる項目があることも明らかになった 3.4. 仮説の検証と結論 回答結果の分析を通して 本章冒頭で構築した仮説 1~ 3は概ね立証されたものと考える 仮説の検証を通して 以下の結論が得られる (1) 生徒の 授業外の学習時間 に影響を与える学校や教員の取組に関する要因として 個人面談の実施状況 生徒の興味 関心を引き出す授業の実践 生徒による 授業評価 授業アンケート の実践 などがあげられる (2) 生徒の 授業外の学習時間 に影響を与える学校や教員の取組以外の要因として 宿題 宿題以外の勉強 受験勉強など への取組状況 家庭生活状況 教科に対する興味 関心 入学試験や就職試験の存在 などがあげられる (3) 進学校 中堅校 就職多数校 の学校のタイプによって 生徒の 授業外の学習時間 に影響を与える要因にも異なる点がある 例 : 就職多数校 では 高校 1 年生 ~2 年生のときの学習状況 や 高校卒業時の進路目標の有無 なども 授業外の学習時間 への影響要因として認められたなど 4. 政策提言及び課題 4.1 政策提言 (1) 県立高等学校への提言 1 県立高等学校は クラス担任による個人面談を充実させる校内体制 支援体制づくりにさらに取り組むことが必要である 今回の分析では クラス担任による個人面談が充実するほど 生徒の 授業外の学習時間 が有意に増加する結果を得た クラス担任による個人面談の実施をサポートする校内体制 支援体制づくりに さらに一層取り組むことが必要である 2 県立高等学校は 授業を実践するうえで 生徒の 興味 関心を引き出す工夫 に最も重点的に取り組むことが必要である 生徒 教員双方の質問紙回答結果に関する重回帰分析から 興味 関心を引き出す授業の実践 が 授業外の学習時間 を増加させる要因であることが明らかになった 一方 授業形態の工夫 などの要因は 授業外の学習時間 を有意に増加させる結果とならなかった 授業形態の工夫 は 生徒の興味 関心を引き出すための手段に過ぎないことを再確認する必要がある -12-3 県立高等学校は 生徒に勉強するよう説諭する以上に 生徒が 授業外の学習活動 に取り組むようなシステムづくりにさらに力を入れることが必要である 今回の分析では 生徒に勉強するよう説諭することは 授業外の学習時間 に影響を与える結果とならなかった 生徒に勉強するよう説諭するよりも 計画的に宿題を与えるなど 生徒が 授業外の学習活動 に取り組むようなシステムづくりにさらに力を入れることが必要である (2) 埼玉県教育委員会 教育局 への提言 1 埼玉県教育委員会 教育局 は 生徒による 授業評価 授業アンケート の実施を全県的に強く推奨し 効果的な 授業評価 授業アンケート の指針の作成及び普及に一層取り組むことが必要である 今回の分析では 生徒による 授業評価 授業アンケート の実施が生徒の 授業外の学習時間 に有意に影響を与えることが明らかになった したがって 授業評価 授業アンケート の全県的な実施の推奨及びその指針の作成 普及に一層取り組むことが必要である 2 埼玉県教育委員会 教育局 は 就職多数校 等に対して 生徒の 授業外の学習時間 の増加に向けて さらなる支援に一層取り組むことが必要である 生徒の 学習習慣の確立 は 就職多数校 で大きな課題である 教育委員会 教育局 は 重点項目を絞り 効果的な指導の在り方を研究するとともに 就職多数校 への支援に一層取り組むことが必要である 4.2 課題 本研究の課題として 1 授業外の学習時間 に影響を与える要因をさらに詳細に分析するには パネルデータ等を用いた経年変化の分析 検証が必要であること 2 質問紙調査の対象生徒の範囲の拡大や調査実施時期の変化などによって 今回の分析で有意な取組要因として認められた事項が変わりうる可能性を含むこと 3 生徒の 学習到達度 や 進路希望実現率 など 他の教育成果に係る指標とのさらなる関連付けについて 研究の余地が残されていること などがあげられる < 参考文献 資料等 > 国立教育政策研究所 2007 平成 17 年度高等学校教育課程実施状況調査結果の概要 埼玉県教育局 教育政策課 教育に関する調査統計 高等学校卒業者の進路状況調査 http://www.pref.saitama.lg.jp/page/kosotu.html 文部科学省 2010 高等学校学習指導要領 ベネッセ教育総合研究所ホームページ 2008 第 4 回学習基本調査報告書 ( 高校生版 ) http://berd.benesse.jp/berd/center/open/report/gak ukihon4/hon/pdf/kou/data_02.pdf