2. 原理 コンデンサーに電気を蓄える作業を充電という. コンデンサーから電気を流出させる作業を放電という. コンデンサーの2つの電極に, 導線で電池の両極を接続して充電する. 最終的には, 電池の正 ( 負 ) 極と接続されたコンデンサーの電極は, 電池の正 ( 負 ) 極と同じ電位になる ( 導

Similar documents
Microsoft PowerPoint - 第5回電磁気学I 

Microsoft PowerPoint EM2_15.ppt

ÿþŸb8bn0irt

Microsoft PowerPoint EM2_15.ppt

2. コンデンサー 極板面積 S m 2, 極板間隔 d m で, 極板間の誘電率が ε F/m の平行板コンデンサー 容量 C F は C = ( )(23) 容量 C のコンデンサーの極板間に電圧をかけたとき 蓄えられる電荷 Q C Q = ( )(24) 蓄えられる静電エネルギー U J U

電磁気学 A 練習問題 ( 改 ) 計 5 ページ ( 以下の問題およびその類題から 3 題程度を定期試験の問題として出題します ) 以下の設問で特に断らない限り真空中であることが仮定されているものとする 1. 以下の量を 3 次元極座標 r,, ベクトル e, e, e r 用いて表せ (1) g

F コンデンサーの静電容量高校物理において コンデンサーは合同な 2 枚の金属板を平行に並べたものである 電池を接続すると 電圧の高い方 (+ 極 ) に接続された金属板には正の電気量 Q(C) が 低い方には負の電気量 -Q(C) が蓄積される 正負の電気量の絶対値は等しい 蓄積された電気量 Q

コロイド化学と界面化学

物理演習問題

パソコンシミュレータの現状

スライド 1

PowerPoint プレゼンテーション

補足 中学で学習したフレミング左手の法則 ( 電 磁 力 ) と関連付けると覚えやすい 電磁力は電流と磁界の外積で表される 力 F 磁 電磁力 F li 右ねじの回転の向き電 li ( l は導線の長さ ) 補足 有向線分とベクトル有向線分 : 矢印の位

Microsoft PowerPoint - 第6回電磁気学

電気基礎

<4D F736F F D20824F B CC92E8979D814696CA90CF95AA82C691CC90CF95AA2E646F63>

Microsoft Word - 第2章電磁気学編_

Microsoft PowerPoint - 基礎電気理論 07回目 11月30日

31 33

高校電磁気学 ~ 電磁誘導編 ~ 問題演習

フィードバック ~ 様々な電子回路の性質 ~ 実験 (1) 目的実験 (1) では 非反転増幅器の増幅率や位相差が 回路を構成する抵抗値や入力信号の周波数によってどのように変わるのかを調べる 実験方法 図 1 のような自由振動回路を組み オペアンプの + 入力端子を接地したときの出力電圧 が 0 と

RLC 共振回路 概要 RLC 回路は, ラジオや通信工学, 発信器などに広く使われる. この回路の目的は, 特定の周波数のときに大きな電流を得ることである. 使い方には, 周波数を設定し外へ発する, 外部からの周波数に合わせて同調する, がある. このように, 周波数を扱うことから, 交流を考える

線積分.indd

第1章 様々な運動

Microsoft PowerPoint - zairiki_3

Microsoft Word - 2_0421

ÿþŸb8bn0irt

Microsoft PowerPoint - kasuga-workshop2017料(2017) - コピー.pptx

Microsoft Word - NumericalComputation.docx

Microsoft Word - t30_西_修正__ doc

2 図微小要素の流体の流入出 方向の断面の流体の流入出の収支断面 Ⅰ から微小要素に流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅰ は 以下のように定式化できる Q 断面 Ⅰ 流量 密度 流速 断面 Ⅰ の面積 微小要素の断面 Ⅰ から だけ移動した断面 Ⅱ を流入出する流体の流量 Q 断面 Ⅱ は以下のように

ÿþŸb8bn0irt

【FdData中間期末過去問題】中学数学1年(負の数/数直線/絶対値/数の大小)

Microsoft PowerPoint - fuseitei_6

Microsoft PowerPoint - 04.誘導起電力 [互換モード]

Microsoft PowerPoint - ›žŠpfidŠÍŁÏ−·“H−w5›ñŒÚ.ppt

他の単元との連関 子どもが獲得する見方や考え方 教師の持つ指導ポイント 評価規準 小学 4 年生 もののあたたまり方 小学 6 年生 電気の利用 ~ エネルギーの工場と変身と銀行 ~ 中学 1 年生 光と音 ( 光のエネルギーを利用しよう ) 中学 2 年生 電流 ( 電気とそのエネルギー ) 電流

s とは何か 2011 年 2 月 5 日目次へ戻る 1 正弦波の微分 y=v m sin ωt を時間 t で微分します V m は正弦波の最大値です 合成関数の微分法を用い y=v m sin u u=ωt と置きますと dy dt dy du du dt d du V m sin u d dt

振動学特論火曜 1 限 TA332J 藤井康介 6 章スペクトルの平滑化 スペクトルの平滑化とはギザギザした地震波のフーリエ スペクトルやパワ スペクトルでは正確にスペクトルの山がどこにあるかはよく分からない このようなスペクトルから不純なものを取り去って 本当の性質を浮き彫

反射係数

例 e 指数関数的に減衰する信号を h( a < + a a すると, それらのラプラス変換は, H ( ) { e } e インパルス応答が h( a < ( ただし a >, U( ) { } となるシステムにステップ信号 ( y( のラプラス変換 Y () は, Y ( ) H ( ) X (

Microsoft Word - スーパーナビ 第6回 数学.docx

DVIOUT-SS_Ma

B. モル濃度 速度定数と化学反応の速さ 1.1 段階反応 ( 単純反応 ): + I HI を例に H ヨウ化水素 HI が生成する速さ は,H と I のモル濃度をそれぞれ [ ], [ I ] [ H ] [ I ] に比例することが, 実験により, わかっている したがって, 比例定数を k

Microsoft PowerPoint - 熱力学Ⅱ2FreeEnergy2012HP.ppt [互換モード]

em1_mat19-01

s ss s ss = ε = = s ss s (3) と表される s の要素における s s = κ = κ, =,, (4) jωε jω s は複素比誘電率に相当する物理量であり ここで PML 媒質定数を次のように定義する すなわち κξ をPML 媒質の等価比誘電率 ξ をPML 媒質の

DVIOUT

スライド 1

s と Z(s) の関係 2019 年 3 月 22 日目次へ戻る s が虚軸を含む複素平面右半面の値の時 X(s) も虚軸を含む複素平面右半面の値でなけれ ばなりません その訳を探ります 本章では 受動回路をインピーダンス Z(s) にしていま す リアクタンス回路の駆動点リアクタンス X(s)

周期時系列の統計解析 (3) 移動平均とフーリエ変換 nino 2017 年 12 月 18 日 移動平均は, 周期時系列における特定の周期成分の消去や不規則変動 ( ノイズ ) の低減に汎用されている統計手法である. ここでは, 周期時系列をコサイン関数で近似し, その移動平均により周期成分の振幅

交流 のための三角関数 1. 次の変数 t についての関数を微分しなさい ただし A および ω は定数とする 1 f(t) = sin t 2 f(t) = A sin t 3 f(t) = A sinωt 4 f(t) = A cosωt 2. 次の変数 t についての関数を積分しなさい ただし

第1章 単 位

数学の世界

プランクの公式と量子化

Microsoft PowerPoint - H21生物計算化学2.ppt

PowerPoint Presentation

微分方程式による現象記述と解きかた

数値計算で学ぶ物理学 4 放物運動と惑星運動 地上のように下向きに重力がはたらいているような場においては 物体を投げると放物運動をする 一方 中心星のまわりの重力場中では 惑星は 円 だ円 放物線または双曲線を描きながら運動する ここでは 放物運動と惑星運動を 運動方程式を導出したうえで 数値シミュ

Microsoft PowerPoint _量子力学短大.pptx

<4D F736F F D E4F8E9F82C982A882AF82E98D7397F1>

材料の力学解答集

( 慣性抵抗 ) 速度の 2 乗に比例流体中を進む物体は前面にある流体を押しのけて進む. 物 aaa 体の後面には流体が付き従う ( 渦を巻いて ). 前面にある速度 0 の流体が後面に移動して速度 vとなったと考えてよい. この流体の質量は単位時間内に物体が押しのける体積に比例するので,v に比例

Microsoft PowerPoint - semi_ppt07.ppt [互換モード]

スライド 1

Microsoft PowerPoint - siryo7

Microsoft Word - 素粒子物理学I.doc

Laplace2.rtf

<8D828D5A838A817C A77425F91E6318FCD2E6D6364>

PowerPoint Presentation

(Microsoft Word - 10ta320a_\220U\223\256\212w\223\301\230__6\217\315\221O\224\274\203\214\203W\203\201.docx)

例題1 転がり摩擦

ハートレー近似(Hartree aproximation)

第 5 章復調回路 古橋武 5.1 組み立て 5.2 理論 ダイオードの特性と復調波形 バイアス回路と復調波形 復調回路 (II) 5.3 倍電圧検波回路 倍電圧検波回路 (I) バイアス回路付き倍電圧検波回路 本稿の Web ページ ht

耳桁の剛性の考慮分配係数の計算条件は 主桁本数 n 格子剛度 zです 通常の並列鋼桁橋では 主桁はすべて同じ断面を使います しかし 分配の効率を上げる場合 耳桁 ( 幅員端側の桁 ) の断面を大きくすることがあります 最近の桁橋では 上下線を別橋梁とすることがあり また 防音壁などの敷設が片側に有る

Microsoft PowerPoint - semi_ppt07.ppt

Microsoft PowerPoint - 測量学.ppt [互換モード]

スライド 1

Microsoft Word - 量子化学概論v1c.doc

Microsoft Word - 実験2_p1-12キルヒホッフ(第17-2版)P1-12.doc

人間科学部研究年報平成 24 年 (1) (2) (3) (4) 式 (1) は, クーロン (Coulomb) の法則とも呼ばれる.ρは電荷密度を表し,ε 0 は真空の誘電率と呼ばれる定数である. 式 (2) は, 磁荷が存在しないことを表す式である. 式 (3) はファラデー (Faraday)

降圧コンバータIC のスナバ回路 : パワーマネジメント

Microsoft PowerPoint - MEpractice10.ppt [互換モード]

Microsoft PowerPoint - 9.pptx

<4D F736F F F696E74202D E8EA58FEA82C982E682E997CD82C68EA590AB91CC>

Transcription:

1 回路部品としてのコンデンサー コンデンサー ( 英語ではキャパシター ) は, 電気を蓄える装置である :2 枚の導体板に正負の電荷を分離して蓄える. 2 枚の導体板を電極という. コンデンサーの祖先は, 第一章で紹介したライデン瓶である. コンデンサは, 電極間を満たす物質の種類や, 電極の構造により, 様々な名称がある. 電解コンデンサ-, フィルムコンデンサー, マイカコンデンサー, タンタルコンデンサー, チタンコンデンサー, セラミックコンデンサー, オイルコンデンサー, 可変コンデンサー また, 半導体集積回路の中にコンデンサーを構造の一部として組み込む. コンデンサーは, 電気を蓄え必要なときに放出するという, いわば電気エネルギーの貯蔵庫として使われる場合もあるが, それ以外の用途がむしろ多い. たとえば, 信号波形を変える目的で使われる ( 後で学ぶ ). EM1 07 コンデンサー 1

2. 原理 コンデンサーに電気を蓄える作業を充電という. コンデンサーから電気を流出させる作業を放電という. コンデンサーの2つの電極に, 導線で電池の両極を接続して充電する. 最終的には, 電池の正 ( 負 ) 極と接続されたコンデンサーの電極は, 電池の正 ( 負 ) 極と同じ電位になる ( 導体の性質 ). 十分に時間が経つとそれ以上充電しなくなり, 導線を取り除いても ( スイッチを切っても ), コンデンサーに蓄えられた電荷は電極に留まる. コンデンサーが蓄えた電荷の量と, その電荷を蓄えるために必要だった電位差に注目する. 同じ電位差でより多くの電荷を蓄えるコンデンサーは, 電気容量 ( 単に容量という ) が大きいという. コンデンサーの能力を容量で表現する. 電荷を蓄える方法は 電池をつなぐ 以外にも考えられる. 摩擦電気で正電荷をもった棒を一方の電極に接触すると, その電極が正に帯電する. このとき他方の電極を接地 ( 大地と接続, アース ) しておくと, 正電極による静電誘導で, こちらには負電荷が現れるから, その後に接地を切り離す. 内容的には上と同じだが 絶縁体でできたベルトコンベアーに電荷をのせて, 電極に運ぶ.( バンデグラフ起電機の構造 ) コンデンサーの電極を擦って摩擦電気を起こす ( 容量の大きなコンデンサーは,2つの電極を導体でつなげて ( ショートして ) 保管する. ( 摩擦電気で非常に大きな電気エネルギーをため込むので危険 ) すでに正 ( 負 ) に帯電した電極に, さらに正 ( 負 ) 電荷を帯電させようとすると, 反発力があるので仕事が必要になる. すなわち, コンデンサーを充電するには仕事が要る. コンデンサーは外部から仕事をされて, 自らの電気的なエネルギーを増やす. 電池で充電するときは, 電池に内蔵された化学エネルギーを用いる. バンデグラフのような場合は, 力学的なエネルギーを用いる. 電気容量と, 蓄えた電荷あるいは充電電圧を使って, 蓄えた電気的なエネルギーを表すことができる. EM1 07 コンデンサー 2

3. 平行板コンデンサー コンデンサーにはたくさんの種類があることはすでに述べた. 電極の形状もさまざまだが, ここでは, 最も簡単な平行板コンデンサーの性質を調べる. 平行板コンデンサーの考察で得た考え方は, 他のコンデンサーにも適用できる. 平行板コンデンサーは,2 枚の平板電極を互いに平行に置いたものである. このコンデンサーを充電すると, 両電極の空間を挟んで対向する面 ( 内側の面 ) に, 正負の電荷が分布する. 電極の面積が小さく, 電極の間隔が広いときは, 電荷は外側の表面にまで分布するが, 電極の面積が広く, 間隔が狭いときは, ほとんどの電荷が内側の表面に分布する. 現実にはあり得ないのだが, モデルとして, 無限に広い電極を考えると, 電荷分布は均一になる. 一方, 電極の面積が十分に広くて, 間隔が十分に狭いとき 電極の縁が遠くて見えない中央付近の電荷分布は均一としてよい 縁付近の面積より, 中央付近の面積がずっと広い ほとんど全域で均一な電荷分布をもつという近似をしても, そう悪くないだろう 正負の電荷が平行な2 平面に均一に分布するときの電場 空間は真空( 空気は比誘電率がほとんど 1 なので, 真空と変わらない ) 電極面積 SS, 電極間の距離 dd, 蓄えた電荷 ±QQ 電荷密度 ±σσ, σσ = QQ/SS 2 面に挟まれた空間の電場 EE, 電極間の電位差 VV すでに学んだこと : EE = σσ εε 0, VV = EEEE = σσ dd = σσσσ dd = dd QQ QQ = (εε SS εε 0 εε 0 SS εε 0 SS 0 ) VV dd EM1 07 コンデンサー 3

4. 電気容量 平行板コンデンサーの充電電圧 VV とそのとき蓄えられた電荷 QQ の関係 : QQ = (εε 0 SS dd ) VV QQとVVは比例する VVが同じなら, 電極面積 SSが大きいほど, また電極間隔 ddが小さいほど,qqが大きい SS コンデンサーが電荷を蓄える能力は, 比例係数 (εε 0 ) で表される. dd 平行板コンデンサーの電気容量 ( 電荷を蓄える能力 ) SS CC = εε 0, QQ = CCCC dd 電気容量の単位 1V の電位差で 1C の電荷を蓄えるコンデンサーの電気容量を 1 F( ファラッド ) という真空の誘電率の単位を F/m とすることを既に述べた. 上式により, 単位の整合性を確認せよ. 例 : CC = 1 10 12 F = 1 pf の平行板コンデンサーの電極面積が SS = 1 cm2 のとき, 間隔 ddはどれだけか. dd = εε 0 SS/CC = (8.9 10 12 ) (10 4 /10 12 ) = 8.9 10 4 m 1 mm QQ = CCCC の一般性 どんな形でもよいが, 何個かの導体を配置して帯電させると, 静電誘導により電荷分布 ρρが自動的に決まり, 空間内の至るところで電場 EE が定まる : EE = ρρ/εε 0 2 導体 1 と 2 の間の電位差は,VV = φφ 2 φφ 1 = EE ddrr 1 導体の配置をそのままにして, どの導体に帯電した電荷もkk 倍する 電荷分布は形をたもったままkk 倍になり, 電気力線の形が変わらずに密度 ( したがって電場 ) がkk 倍になる : EE = ρρ εε 0 (kkee ) = (kkkk) εε 0 2 電位差もkk 倍になる : VV = EE ddrr 1 したがって 2 kkkk = kkee ddrr 1 QQ = CCCC という比例関係がどんなときにも成り立つ.( 例外 : 誘電体があるときは, 電場の強さにより, 誘電率が変化するかもしれない ) EM1 07 コンデンサー 4

5. 誘電率と容量 コンデンサーの電極間を誘電体で埋めると, 容量が増加する. 誘電体による遮蔽効果で, 電極の電荷が ( 本当にそこにある真電荷 ) より小さく見えるため, 電位差が小さい. 言い換えると, 同じ電位差で充電しても, 真電荷をたくさん蓄えることができる. 遮蔽の効果で, 同じ電場にたいする真電荷が比誘電率倍になるので, 電気容量はεε 0 を誘電体の誘電率 εεで置き換えた値となる. EM1 07 コンデンサー 5

6. コンデンサーに蓄えたエネルギー コンデンサーが充電されると, そこには電気的なエネルギーが蓄えられる. 電極間の電位差がすでにVVのとき, 負電極から正電極に電荷 dddd > 0 を運ぶために必要な仕事は 2 点間の電位差がVVのとき,ddddの位置エネルギーの差 VVVVVVに等しい : dddd = VV dddd この微小な仕事を, 電荷がまったく無い状態から, 蓄えた電荷が QQ 0 となるときまで寄せ集める ( 積分する ). 電位差 VV はそのときに蓄えている電荷 QQ に比例し, 電荷が移動すると電位差も変わる.dddd に注目して 積分するので,VV を QQ で表しておくと積分しやすい : VV = 1 CC QQ dddd = VVVVVV = 1 QQ dddd CC 電荷が 0 の状態から充電を始めて, 電荷が QQ 0 になるまでに必要な仕事は となる. QQ 0 UU = 1 CC QQQQQQ = 1 CC 0 QQ 0 QQQQQQ 0 = 1 QQ 0 CC 1 2 QQ2 = 1 0 2CC QQ 0 2 = 1 2 CCVV 0 2 = 1 2 QQ 0VV 0 (1/2) の起源 よく聞く説明は, 充電の過程を表すQQ VV 図の三角形の面積 = (1/2) 底辺 (QQ 0 ) 高さ (VV 0 ) の (1/2), あるいは積分のときでてくる (1/2) というもので, 正しい説明だが より一般的な議論が可能である ( 次スライド ). EM1 07 コンデンサー 6

7. 電荷系のエネルギー いくつかの点電荷が, 互いにある距離を保ちながら集まり, ある分布を形成している.( たとえば, コンデンサーの両極の電荷分布がそれである.) 電荷は互いに力を及ぼしあうから, 電荷が ( 無限遠で力を及ぼしあわない ) ばらばらにあった状態から, その分布を作り出すには仕事が必要である. 仕事は, この電荷系がもつエネルギーとして蓄えられる. 電荷が 1 個 位置エネルギーは考えない. 自分が作り出す電位のなかに自分がいるときのエネルギー ( 自己エネルギー ) は, 現在の電磁気学では取り扱わない. 電荷が 2 個 電荷 QQ 1 を点 rr 1 に固定し,QQ 2 を無限遠から近づけて来てrr 2 で止める. 電荷 QQ 1 を固定するには力が必要だが, 移動しないのでこの力がする仕事は 0. 電荷系がもつエネルギー UU 12 はQQ 2 にした仕事と等しく,QQ 1 がつくる電位の中でQQ 2 がもつ位置エネルギーと同じである. UU 12 = 1 4ππεε 0 QQ 1 QQ 2 rr 1 rr 2 電荷が 3 個 電荷 QQ 1 を点 rr 1 に固定し,QQ 2 を無限遠から近づけて来てrr 2 で止めて, 固定する. このときQQ 3 は無限遠に留めておく. UU 12 = 1 QQ 1 QQ 2 4ππεε 0 rr 1 rr 2 次に電荷 QQ 1 を点 rr 1 に,QQ 2 を点 rr 2 に固定して,QQ 3 を無限遠から近づけて来てrr 3 で止める. UU 23 = 1 QQ 2 QQ 3 4ππεε 0 rr 2 rr 3, UU 31 = 1 QQ 3 QQ 1 4ππεε 0 rr 3 rr 1 電荷系のエネルギーは, これらの和 : である. UU = UU 12 + UU 23 + UU 31 = 1 4ππεε 0 QQ 1QQ 2 rr 1 rr 2 + QQ 2QQ 3 rr 2 rr 3 + QQ 3QQ 1 rr 3 rr 1 右辺を総和記号により書き直そう. jj 番目の電荷を止めて置いてkk 番目の電荷を無限遠から近づけたときの仕事 : 1 QQ jj QQ kk 4ππεε 0 rr jj rr kk のjjとkkについて和をとる. すなわち, まず EM1 07 コンデンサー 7

1 QQ jj QQ kk = 1 QQ jjqq kk = 1 QQ jjqq 1 4ππεε 0 rr jj rr kk 4ππεε 0 rr jj rr kk 4ππεε 0 rr jj rr 1 + QQ jjqq 2 rr jj rr 2 + QQ jjqq 3 rr jj rr 3 jj=1,2,3 kk=1,2,3 jj=1,2,3 kk=1,2,3 ここでjj = 1,2,3として和をとろうと思うと, 分母が 0 になるが, これは自己エネルギーであり除外する. 二重の総和は, 外側のjjの値を決めておいて内側の総和を実行し, つぎにjjの値を変えながら外側の和を実行するしたがって,1,2,3 のなかから決められたjjと異なる値だけをピックアップしてkkについて和をとらなければならない. jj=1,2,3 このことを表す総和記号 ( 二重の和だが Σ を 1 個で表し, かわりに和をとる変数 2 個を明記する ) が下式左辺であり, その値を右辺に書くと 1 QQ jj QQ kk = 1 QQ 1QQ 2 4ππεε 0 rr jj rr kk 4ππεε 0 rr 1 rr 2 + QQ 1QQ 3 rr 1 rr 3 + 1 QQ 2QQ 3 4ππεε 0 rr 2 rr 3 + QQ 2QQ 1 rr 2 rr 1 + 1 QQ 3QQ 1 4ππεε 0 rr 3 rr 1 + QQ 3QQ 2 rr 3 rr 2 kk jj = 2 1 4ππεε 0 QQ 1QQ 2 rr 1 rr 2 + QQ 2QQ 3 rr 2 rr 3 + QQ 3QQ 1 rr 3 rr 1 となり, この系のエネルギーの 2 倍を得る. 2 倍になった理由は, 総和記号の計算では, たとえば 1と 2 の間のエネルギーと 2 と 1 の間のエネルギー の両方を取りこんでしまったことによる. いわば, 総和記号の使い方の不注意による. 外側の変数が j=1 のときは k=2,3, j=2 のときは k=3, j=3 のときは和をとらない とすればよかった. この総和を表す記号 を用いることもある. 1 QQ jj QQ kk 4ππεε 0 rr jj rr kk kk>jj こうして UU = 1 QQ jjqq kk = 1 4ππεε 0 rr jj rr kk 2 1 QQ jjqq kk 4ππεε 0 rr jj rr kk kk>jj となる. この形にしておけば, 電荷が何個あっても同じ式で表せる. 中辺の条件は, 連続分布の多重積分に移行するとき少しだけわかりにくいので敬遠し, スライドには右辺を記した. kk jj EM1 07 コンデンサー 8

8 電荷系のエネルギー (2) 前スライドの最終の式 UU = 1 2 1 QQ jjqq kk 4ππεε 0 rr jj rr kk を 他の電荷がつくる電位の中に電荷がある という表現に変える. kk jj それには, 電位 QQ kk φφ(rr ) = 1 4ππεε rr rr 0 rr rr kk kk が見えるように, 式を変形すればよい. もういちど総和を 2 重に書くと UU = 1 2 1 QQ jjqq kk = 1 4ππεε 0 rr jj rr kk 2 QQ jj 1 QQ kk = 1 4ππεε 0 rr jj rr kk 2 QQ jjφφ(rr jj ) 連続電荷分布のとき, jj kk jj kk jj kk jj jj となる. UU = 1 2 ρρ(rr )φφ(rr )dddd VV コンデンサーに蓄えられたエネルギー UU = 1 2 QQ 0VV 0 負極の電位を φφ, 電荷密度を σσ_ 正極の電位を φφ +, 電荷密度を σσ + とすると, UU = 1 2 ρρ(rr )φφ(rr )dddd VV = 1 2 σσ + SS( 正電極 ) φφ + dddd + 1 2 σσ SS(ff 負電極 ) φφ dddd = 1 2 φφ + σσ + SS dddd + 1 2 φφ σσ dddd SS = 1 2 φφ + QQ 0 + 1 2 φφ ( QQ 0 ) = 1 2 (φφ + φφ )QQ 0 = 1 2 VV 0QQ 0 EM1 07 コンデンサー 9

9. 電場のエネルギー密度 コンデンサーに蓄えた電気的エネルギーを 充電に要した仕事 電荷系のエネルギーとして理解することを学んだ. ここでは, このエネルギーを電極間の空間の電気的な歪み, すなわち電場のエネルギーと, とらえる. 電極間の空間には がある. コンデンサーに蓄えられたエネルギー EE = σσ 0 εε 0 となる. UU = 1 2 CCVV 0 2 = 1 εε 0 SS 2 dd EE dd 2 = 1 2 εε 0EE 2 (SSSS) = 1 2 εε 0 電場があるところの体積 これより, 電場のエネルギー密度 ( 単位体積当たりのエネルギー ) を と考えることができる. uu = 1 2 εε 0EE 2 EM1 07 コンデンサー 10

10 容量の合成 2 個のコンデンサーを並列あるいは直列に接続にしたときの, 全体の容量を求める. 並列 コンデンサーの電極面積が広がったのだから, 容量が増える ( 和になる ). 並列に接続した2 個のコンデンサー ( 容量 CC 1 とCC 2 ) を電位差 VVで充電する. 各コンデンサーに蓄えられる電荷は QQ 1 = CC 1 VV, QQ 2 = CC 2 VV となる. 全体として蓄えた電荷と充電電圧の関係は QQ = QQ 1 + QQ 2 = (CC 1 + CC 2 )VV = CCCC, CC = CC 1 + CC 2 直列 コンデンサーの電極間隔が広がったのだから, 容量が減る. 直列に接続した 2 個のコンデンサー ( 容量 CC 1 とCC 2 ) を電位差 VVで充電する各コンデンサーの充電電圧は VV 1 + VV 2 = VV. が蓄えた電荷は, 静電誘導を考慮すると, 同じQQである. QQ = CC 1 VV 1, QQ = CC 2 VV 2 VV = QQ + QQ QQ = 1 + 1 1 1 CC 1 CC 2 VV CC = CC 1 CC 2 CC 1 CC 2 1 CC + 1 = CC 1 + CC 2 1 CC 2 EM1 07 コンデンサー 11