[ 症例概要 ] 報告された症例のうち主な症例概要を以下に示します 症例 1 性 年齢女 80 代 併用薬 : なし 患者背景使用理由 ( 合併症 便秘症 ( 甲状腺機能亢進症 認知症 1 日投与量 副作用 投与期間 経過及び処置 転帰 2.0 g/ 日投与期間不明 高マグネシウム血症死亡認知症にて

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医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読み下さい 2008 年 9 月酸化マグネシウム製剤製造販売会社 酸化マグネシウム製剤における高マグネシウム血症について 酸化マグネシウム製剤による高マグネシウム血症に関しては これまで 使用上の注意 の 副作用 の項等に記載しておりましたが 国内において 重篤な高マグネシウム血症が 25 例報告 ( そのうち死亡例 4 例 されております 重篤な高マグネシウム血症 ( 死亡例を含む が報告されております 長期にわたり投与する場合や高マグネシウム血症が疑われる症状が発現した場合等には 血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行ってください 本剤使用にあたっては 以下の事項及び改訂後添付文書の内容をご参照くださいますよう お願い申し上げます 2008 年 8 月末までに酸化マグネシウム製剤製造販売会社が薬事法に基づき厚生労働大臣に報告した症例のうち重複症例等を除いた症例 [ 使用上の注意 ( 主な改訂個所 : 下線部 平成 20 年 9 月 19 日付厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知 ] 改訂後改訂前 2. 重要な基本的注意本剤の投与により 高マグネシウム血症があらわれることがあるので 長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意すること ( 重要な基本的注意に関する記載なし 4. 副作用本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない (1 重大な副作用 3. 副作用本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない 頻度不明 高マグネシウム血症 : 本剤の投与により 高マグネシウム血症があらわれ 呼吸抑 注 代謝異常 高マグネシウム血症 制 意識障害 不整脈 心停止に至ることがある 悪心 嘔吐 口渇 血圧低下 徐脈 皮膚潮紅 筋力低下 傾眠等の症状の発現に注意するとともに 血清マグネシウム 注 長期大量投与により発現することがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量または休薬等の適切な処置を行うこと 濃度の測定を行うなど十分な観察を行い 異常が認められた 場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと ( その他の改訂個所を含め詳しくは 添付文書改訂のお知らせ または 改訂後添付文書 をご覧ください 各社の製品添付文書情報は 医薬品医療機器総合機構のホームページでご覧になれますのでご参照下さい ( 上記ホームページへの掲載には 各社製剤により掲載される時期が異なる場合がございますのでご了承下さい 医薬品医療機器総合機構 医薬品医療機器情報提供ホームページ http://www.info.pmda.go.jp/

[ 症例概要 ] 報告された症例のうち主な症例概要を以下に示します 症例 1 性 年齢女 80 代 併用薬 : なし 患者背景使用理由 ( 合併症 便秘症 ( 甲状腺機能亢進症 認知症 1 日投与量 副作用 投与期間 経過及び処置 転帰 2.0 g/ 日投与期間不明 高マグネシウム血症死亡認知症にて施設入所中 便秘に対して酸化マグネシウムを投与されていた 突然大量の下痢を起こし 意識消失のため救急搬送となった ショック 呼吸停止を認め 気管挿管 人工呼吸 血中マグネシウム値 17.0 mg/dl と高値 ショック状態のためカルシウム製剤投与と急性血液浄化 (HD を行った マグネシウムは徐々に低下したが 敗血症を合併 腹水から bacteria を検出 腸管壊死が疑われたが 手術に至ることなく死亡 症例 2 性 年齢女 30 代 患者背景使用理由 ( 合併症 便秘症 ( 統合失調症 1 日投与量 副作用 投与期間 経過及び処置 転帰 1.5 g/ 日服用期間不明 高マグネシウム血症回復ショック 呼吸停止 低体温 不整脈にて来院 ( 心停止切迫状態 高度徐脈あり 血中マグネシウム値は15.3 mg/dl( 正常値 :1.8~2.4 HD 施行 ショックが持続し 大腸壊死を生じ 大腸全切除 人工肛門造設術を行う 併用薬 : 炭酸リチウム 症例 3 性 年齢男 30 代 患者背景使用理由 ( 合併症 便秘症 ( 小児麻痺 1 日投与量 副作用 投与期間 経過及び処置 転帰 1.0 g/ 日 9 ヵ月間 高マグネシウム血症回復酸化マグネシウム内服を開始 徐脈 呼吸停止 ショック 低体温の状態で搬入され 酸素投与や大量補液 カルチコール大量投与にて徐々に症状改善 ( 搬入時 Mg 15.7 mg/dlと高値 徐脈 呼吸停止の際に誤嚥し 誤嚥性肺炎を併発 抗生剤で加療を要した その1 週間後に退院 併用薬 : ピコスルファートナトリウム [ 酸化マグネシウム製剤の製品名及び会社名一覧 ] 製品名 会社名 製品名 会社名 重質酸化マグネシウム.OI オリエンタル薬品工業 = 岩城製薬 = 日医工 酸化マグネシウム 東洋製薬化成 = 小野薬品工業 マグミット錠 協和化学工業 = 健栄製薬 =シオエ製薬 = 重質酸化マグネシウム VFG FG ホ日本新薬 = 丸石製薬 =マイラン製薬エイ マイラン製薬 重質酸化マグネシウム ケンエー 健栄製薬 酸化マグネシウム錠 TX トライックス 酸化マグネシウム コザカイ M 小堺製薬 =ヤクハン製薬 = 日興製薬販売酸化マグネシウム日興製薬 = 中北薬品 = 純生薬品工業 重質 カマグ G ヒシヤマ ニプロファーマ =マイラン製薬 重質酸化マグネシウム 三恵 三恵薬品 酸化マグネシウム 丸石製薬 重質酸化マグネシウムシオエ シオエ製薬 = 日本新薬 酸化マグネシウム錠 モチダ 持田製薬 純生 軽カマ 重カマ 純生薬品工業 重カマ ヤクハン ヤクハン製薬 カイマックス錠 大洋薬品工業 = 日本ジェネリック 酸化マグネシウム ヤマゼン M 山善製薬 酸化マグネシウム 東海製薬 マグラックス錠 細粒 重カマ ヨシダ 吉田製薬

- 適正使用に欠かせない情報です 必ずお読みください - 使用上の注意 改訂のお知らせ 制酸 緩下剤 日本薬局方酸化マグネシウム MAGNESIUM OXIDE 2008 年 9 月 このたび 当社の制酸 緩下剤 重質 カマグ G ヒシヤマ ( 一般名 : 酸化マグネシウム の 使用上の注意 を平成 20 年 9 月 19 日付厚生労働省医薬食品局安全対策課長通知 ( 薬食安指示書 並びに自主改訂により下記のとおり改訂致しましたのでお知らせ申し上げます 本剤のご使用に際しましては 添付文書の各項を十分ご覧くださいますようお願い申し上げます < 改訂のポイント> 重要な基本的注意 : 項を新設し 本剤の投与により 高マグネシウム血症があらわれることがあるので 長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意する旨を記載 相互作用 ( 併用注意 : 本剤との併用により吸収 排泄に影響を与える薬剤として ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤 ; リセドロン酸ナトリウム ミコフェノール酸モフェチル デラビルジン ザルシタビン ペニシラミン アジスロマイシン セレコキシブ ロスバスタチン ラベプラゾール ガバペンチン フェキソフェナジン を追記し 直接的に効力の減弱又は副作用の増強を引き起こすおそれのある薬剤として ポリカルボフィルカルシウム ミソプロストール を追記 副 作 用 : 高マグネシウム血症 を その他の副作用 から 重大な副作用 へ移行し その他の副作用 として 電解質: 血清マグネシウム値の上昇 を追記 過 量 投 与 : 項を新設し 過量投与時の 徴候 症状 処置 を記載 下線 : 薬食安指示書による追加記載改訂後改訂前 ( 下線 : 削除 ( 下線 : 自主改訂による追加記載 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること 1 腎障害のある患者 [ 高マグネシウム血症を起こすおそれがある ]( 4. 副作用 1 重大な副 作用 の項参照 2~4 現行のとおり 2~4 略 2. 重要な基本的注意 ( 該当の項なし 本剤の投与により 高マグネシウム血症があらわれることがあるので 長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意すること ( 4. 副作用 1 重大な副作用 の項参照 3. 相互作用併用注意 ( 併用に注意すること 本剤は吸着作用 制酸作用等を有しているので 他の薬剤の吸収 排泄に影響を与えることがある 記 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること 1 腎障害のある患者 [ 高マグネシウム血症を起こすおそれがある ] 2. 相互作用併用注意 ( 併用に注意すること 本剤は吸着作用 制酸作用等を有しているので 他の薬剤の吸収 排泄に影響を与えることがある 1

2 改訂後下線 : 薬食安指示書による追加記載 ( 下線 : 自主改訂による追加記載 改訂前 ( 下線 : 削除 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン ミノサイクリン等ニューキノロン系抗菌剤 シプロフロキサシン トスフロキサシン等ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤 エチドロン酸二ナトリウム リセドロン酸ナトリウム等セフジニルミコフェノール酸モフェチルデラビルジンザルシタビンペニシラミンアジスロマイシンセレコキシブロスバスタチンラベプラゾールガバペンチン現行のとおりこれらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある ジギタリス製剤 ジゴキシン ジギトキシン等鉄剤フェキソフェナジン現行のとおり現行のとおり機序不明現行のとおり薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン ミノサイクリン等ニューキノロン系抗菌剤 シプロフロキサシン トスフロキサシン等エチドロン酸二ナトリウムセフジニルこれらの薬剤の吸収が低下し 効果が減弱するおそれがあるので 同時に服用させないなど注意すること 血清カリウム抑制剤 ポリスチレンスルホン酸カルシウム ポリスチレンスルホン酸ナトリウム略マグネシウムと難溶性のキレートを形成し 薬剤の吸収が阻害される 機序不明略ジギタリス製剤 ジゴキシン ジギトキシン等鉄剤等これらの薬剤の吸収 排泄に影響を与えることがあるので 服用間隔をあけるなど注意すること マグネシウムの吸着作用又は消化管内 体液の ph 上昇によると考えられる ポリカルボフィルカルシウムポリカルボフィルカルシウムの作用が減弱するおそれがある ポリカルボフィルカルシウムは酸性条件下でカルシウムが脱離して薬効を発揮するが 本剤の胃内 ph 上昇作用によりカルシウムの脱離が抑制される

下線 : 薬食安指示書による追加記載改訂後改訂前 ( 下線 : 削除 ( 下線 : 自主改訂による追加記載 薬剤名等 臨床症状 措置方法現行のとおり 機序 危険因子現行のとおり 高カリウム血症 改善イオン交換 樹脂製剤 ポリスチレンスルホン酸カルシウム ポリスチレンスルホン酸ナトリウムミソプロストー下痢が発現しミソプロストー ルやすくなる ルは小腸の蠕 動運動を亢進 させ 小腸か らの水 Naの 吸収を阻害し 下痢を生じさ せる 本剤に は緩下作用が あるので 両 者の併用で下 痢が発現しや すくなる 4. 副作用本剤は 副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない 1 重大な副作用 ( 頻度不明 高マグネシウム血症本剤の投与により 高マグネシウム血症があらわれ 呼吸抑制 意識障害 不整脈 心停止に至ることがある 悪心 嘔吐 口渇 血圧低下 徐脈 皮膚潮紅 筋力低下 傾眠等の症状の発現に注意するとともに 血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行い 異常が認められた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと ( 処置法は 6. 過量投与 の項参照 2 その他の副作用 種類 \ 頻度頻度不明消化器下痢 電解質注血清マグネシウム値の上昇 注 観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量又は休薬等の適切な処置を行うこと 3. 副作用本剤は 副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない ( 該当の項なし 種類 \ 頻度 代謝異常注消化器 頻度不明高マグネシウム血症下痢 注 長期大量投与により発現することがあるので 観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量又は休薬等の適切な処置を行うこと 3

下線 : 薬食安指示書による追加記載改訂後改訂前 ( 下線 : 削除 ( 下線 : 自主改訂による追加記載 6. 過量投与 ( 該当の項なし 1 徴候 症状 血清マグネシウム濃度が高値になるにつ れ 深部腱反射の消失 呼吸抑制 意識 障害 房室ブロックや伝導障害等の不整 脈 心停止等があらわれることがある ( 初期症状は 4. 副作用 1 重大な副作用 の項参照 2 処置 大量服用後の間もない場合には 催吐並 びに胃洗浄を行う 中毒症状があらわれ た場合には 心電図並びに血清マグネシ ウム濃度の測定等により患者の状態を十 分に観察し 症状に応じて適切な処置を 行うこと ( 治療にはグルコン酸カルシウ ム静注が有効であるとの報告がある なお マグネシウムを除去するために血 液透析が有効である 改訂の理由 酸化マグネシウム製剤製造販売会社において酸化マグネシウム製剤による重篤な高マグネシウム血症の症例が蓄積されたことに伴い 使用上の注意 の 副作用 の項を改訂すると同時に 重要な基本的注意 過量投与 の項を追記致しました また この機会に併せて 相互作用 の項において追記及び記載の整備を致しました 重要な基本的注意 の項企業報告に基づき 本剤の投与により 高マグネシウム血症があらわれることがあるので 長期投与をする場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意していただく旨を記載致しました 相互作用 ( 併用注意 の項マグネシウムを含有する制酸剤との相互作用の記載がある薬剤について検討した結果 本剤との併用により吸収 排泄に影響を与える薬剤として ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤 ; リセドロン酸ナトリウム ミコフェノール酸モフェチル デラビルジン ザルシタビン ペニシラミン アジスロマイシン セレコキシブ ロスバスタチン ラベプラゾール ガバペンチン フェキソフェナジン を追記し 直接的に効力の減弱を起こすおそれのある薬剤として ポリカルボフィルカルシウム また 直接的に副作用の増強を起こすおそれのある薬剤として ミソプロストール を追記致しました また 他社マグネシウム製剤の記載と整合を図るため 血清カリウム抑制剤 を 高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤 へ変更致しました 副作用 の項企業報告に基づき 高マグネシウム血症 を その他の副作用 から 重大な副作用 へ移行し その他の副作用 の項は重篤例を含む 高マグネシウム血症 には至らない電解質異常として 電解質 : 血清マグネシウム値の上昇 へ変更致しました 過量投与 の項 過量投与 の項を新設し 酸化マグネシウムの過量投与時の徴候 症状並びに処置方法を高マグネシウム血症の悪化後の状態と関連づけて追記致しました 以上 4

今後とも当社製品のご使用にあたって副作用等の有害事象をご経験の際には 当社 MR まで できるだけ速やかにご連絡くださいますようお願い申し上げます DSU( 医薬品安全対策情報 No.173 掲載 ( 平成 20 年 10 月中旬発行予定 流通の関係上 改訂添付文書を封入した製品がお手元に届くまでに日数を要することもございますので 何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます 改訂後の添付文書の情報は当社ホームページ http://www.np.nipro-pharma.co.jp/ 並びに医薬品医療機器情報提供ホームページ http://www.info.pmda.go.jp/ にも掲載されます 以下に改訂した 使用上の注意 の全文を記載しておりますので 併せてご覧くださいますようお願い申し上げます 使用上の注意 全文 使用上の注意 1. 慎重投与 ( 次の患者には慎重に投与すること 1 腎障害のある患者 [ 高マグネシウム血症を起こすおそれがある ]( 4. 副作用 1 重大な副作用 の項参照 2 心機能障害のある患者 [ 徐脈を起こし 症状が悪化するおそれがある ] 3 下痢のある患者 [ 症状が悪化するおそれがある ] 4 高マグネシウム血症の患者 [ 症状が悪化するおそれがある ] 2. 重要な基本的注意本剤の投与により 高マグネシウム血症があらわれることがあるので 長期投与する場合には定期的に血清マグネシウム濃度を測定するなど特に注意すること ( 4. 副作用 1 重大な副作用 の項参照 3. 相互作用併用注意 ( 併用に注意すること 本剤は吸着作用 制酸作用等を有しているので 他の薬剤の吸収 排泄に影響を与えることがある 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子 テトラサイクリン系抗生物質 テトラサイクリン ミノサイクリン等ニューキノロン系抗菌剤 シプロフロキサシン トスフロキサシン等 ビスホスホン酸塩系骨代謝改善剤 エチドロン酸二ナトリウム リセドロン酸ナトリウム等 セフジニル ミコフェノール酸モフェチル デラビルジン ザルシタビン ペニシラミン アジスロマイシン セレコキシブ ロスバスタチン ラベプラゾール ガバペンチン これらの薬剤の吸収が低下し 効果が減弱するおそれがあるので 同時に服用させないなど注意すること これらの薬剤の血中濃度が低下するおそれがある マグネシウムと難溶性のキレートを形成し 薬剤の吸収が阻害される 機序不明 薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子 ジギタリス製剤 ジゴキシン ジギトキシン等鉄剤 フェキソフェナジン ポリカルボフィルカルシウム 高カリウム血症改善イオン交換樹脂製剤 ポリスチレンスルホン酸カルシウム ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 活性型ビタミン D3 製剤 アルファカルシドール カルシトリオール 大量の牛乳カルシウム製剤 これらの薬剤の吸収 排泄に影響を与えることがあるので 服用間隔をあけるなど注意すること ポリカルボフィルカルシウムの作用が減弱するおそれがある これらの薬剤の効果が減弱するおそれがある また 併用によりアルカローシスがあらわれたとの報告がある 高マグネシウム血症を起こすおそれがある milk- alkali syndrome( 高カルシウム血症 高窒素血症 アルカローシス等 があらわれるおそれがあるので 観察を十分に行い このような症状があらわれた場合には投与を中止すること マグネシウムの吸着作用又は消化管内 体液の ph 上昇によると考えられる ポリカルボフィルカルシウムは酸性条件下でカルシウムが脱離して薬効を発揮するが 本剤の胃内 ph 上昇作用によりカルシウムの脱離が抑制される マグネシウムがこれらの薬剤の陽イオンと交換するためと考えられる マグネシウムの消化管吸収及び腎尿細管からの再吸収が促進するためと考えられる 機序 : 代謝性アルカローシスが持続することにより 尿細管でのカルシウム再吸収が増加する 危険因子 : 高カルシウム血症 代謝性アルカローシス 腎機能障害のある患者 5

薬剤名等臨床症状 措置方法機序 危険因子 ミソプロストール下痢が発現しやすくなる ミソプロストールは小腸の蠕動運動を亢進させ 小腸からの水 Na の吸収を阻害し 下痢を生じさせる 本剤には緩下作用があるので 両者の併用で下痢が発現しやすくなる 4. 副作用本剤は 副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない 1 重大な副作用 ( 頻度不明 高マグネシウム血症本剤の投与により 高マグネシウム血症があらわれ 呼吸抑制 意識障害 不整脈 心停止に至ることがある 悪心 嘔吐 口渇 血圧低下 徐脈 皮膚潮紅 筋力低下 傾眠等の症状の発現に注意するとともに 血清マグネシウム濃度の測定を行うなど十分な観察を行い 異常が認められた場合には投与を中止し 適切な処置を行うこと ( 処置法は 6. 過量投与 の項参照 2 その他の副作用種類 \ 頻度頻度不明消化器下痢 電解質注血清マグネシウム値の上昇注 観察を十分に行い 異常が認められた場合には 減量又は休薬等の適切な処置を行うこと 5. 高齢者への投与一般に高齢者では生理機能が低下しているので 減量するなど注意すること 6. 過量投与 1 徴候 症状血清マグネシウム濃度が高値になるにつれ 深部腱反射の消失 呼吸抑制 意識障害 房室ブロックや伝導障害等の不整脈 心停止等があらわれることがある ( 初期症状は 4. 副作用 1 重大な副作用 の項参照 2 処置大量服用後の間もない場合には 催吐並びに胃洗浄を行う 中毒症状があらわれた場合には 心電図並びに血清マグネシウム濃度の測定等により患者の状態を十分に観察し 症状に応じて適切な処置を行うこと ( 治療にはグルコン酸カルシウム静注が有効であるとの報告がある なお マグネシウムを除去するために血液透析が有効である 7. その他の注意長期 大量投与により胃 腸管内に結石を形成し 腸閉塞を起こしたとの報告がある 6