平成 24 年 8 月 2 日 統計トピックス No.62 電子マネーの利用状況 - 家計消費状況調査 の結果から - 家計消費状況調査は ICT 関連の消費や購入頻度が少ない高額商品 サービスなどの消費の実態を安定的に捉えることを目的として 毎月実施しています 今回は 二人以上の世帯における電子マネーの利用状況について 平成 23 年の結果から取りまとめました 要 約 電子マネーを持っている世帯員がいる世帯の割合は 電子マネーの調査を開始した平成 2 年以降 毎年上昇 電子マネーの利用回数が最も多かった場所の割合は 全国では交通機関 ( 定期券としての利用は除く ) が最も高いが 地方別にみると 関東地方及び近畿地方以外の地方ではスーパーマーケットが最も高い 平成 23 年の電子マネーを利用した1 世帯当たり1か月間の平均利用金額は 11,116 円 1 万円以上利用した世帯の割合は 2 年の約 2 倍 家計消費状況調査年報は 電子マネーやポイントカード等の保有状況のほか 自動車や家電製品等の高額商品に対する1 世帯当たり1か月間の支出金額や インターネットを利用した支出総額等を掲載しています 1
1. 電子マネー 1 の保有状況等の推移二人以上の世帯について 電子マネーを持っている世帯員がいる世帯の割合をみると 電子マネーの調査を開始した平成 2 年以降 毎年上昇しています また 電子マネーを利用した世帯員がいる世帯の割合も上昇しており 平成 2 年には約 2 割でしたが 23 年には3 割を超えています ( 図 1 参照 ) 図 1 電子マネーの保有状況の推移 ( 二人以上の世帯 ) 4 35 3 25 2 26.3 19.3 29.7 22.3 36.5 29.7 3.6 電子マネーを持っている世帯員がいる電子マネーを持っている世帯員がいる電子マネーを利用した世帯員がいる電子マネーを利用した世帯員がいる 15 1 5 平成 2 年平成 21 年平成 22 年平成 23 年 電子マネーの利用回数が最も多かった場所の割合をみると 平成 23 年は交通機関 ( 定期券としての利用は除く )(%) が最も高く 次いでスーパーマーケット (%) コンビニエンスストア (%) などとなっています ( 図 2 参照 ) 図 2 電子マネーの利用回数が最も多かった場所 ( 二人以上の世帯 ) 交通機関 ( 定期券としての利用は除く ) スーパーマーケットコンビニエンスストア 4.9 7.3 15.8 平成 22 年平成 22 年平成 23 年平成 23 年 飲食店.3.3 インターネット上 ( ショッピング等の決済 ).3.2 ドラッグストア.1.2 自動販売機 ( 飲料等 ).1.1 大型電気店.1.1 その他 不詳.8.6 2 4 6 8 1 12 14 16 18 1 この調査での電子マネーとは 以下のカード等に現金に相当する貨幣価値を移し替えたものをいいます Edy Suica ICOCA PASMO などの IC カード型 おサイフケータイなどの携帯電話型 WebMoney BitCash クオカードなどのプリペイド型などです なお クレジットカード デビットカード ポストペイによる支払や バスカードなどの特定の商品 サービスを購入する際に使用するプリペイドカードによる支払は含みません 2
電子マネーを利用した1 世帯当たり1か月間の平均利用金額をみると 平成 2 年以降 毎年増加しており 23 年には11,116 円となっています 電子マネーを1か月当たり1 万円以上利用した世帯の割合をみると 平成 22 年には1% を超え 23 年には12.1% となり 2 年 (6.%) の約 2 倍となっています ( 図 3 参照 ) 図 3 電子マネーを利用した 1 世帯当たり 1 か月間の平均利用金額の推移 ( 二人以上の世帯 ) ( 円 ) 14, 14 12.1 12, 12 1, 6. 7.1 1 電子マネーを利用した 1 世帯当たり平均利用金額 ( 左目盛 ) 1 か月当たり 1 万円以上利用した世帯の割合 ( 右目盛 ) 8, 6, 9,588 11,116 8 6 4, 8,727 8,897 4 2, 2 平成 2 年平成 21 年平成 22 年平成 23 年 2 2. 地方 都市階級別二人以上の世帯について 電子マネーを持っている世帯員がいる世帯の割合を地方別にみると 平成 23 年は関東地方 (56.1%) が最も高く 次いで東海地方 (3.7%) 近畿地方(3.1%) などとなっています 平成 2 年に比べ 全ての地方で上昇しており 北海道 東北地方 関東地方 東海地方 中国地方及び九州 沖縄地方の6 地方では 1 ポイント以上の上昇となっています また 都市階級別にみると 平成 23 年は大都市 (5.2%) が最も高く 2 年に比べ 全ての都市階級で上昇しており 大都市及び中都市では 1 ポイント以上の上昇となっています ( 図 4 参照 ) 図 4 地方 都市階級別電子マネーの保有状況 ( 二人以上の世帯 ) 6 56.1 平成 2 年 5 46. 5.2 平成 23 年 平成 2 年 ( 全国平均 ) 4 37.1 平成 23 年 ( 全国平均 ) 3 2 1 14.7 29. 14.1 25.3 3.7 3.1 26.1 24.3 19.3 2.3 14.4 15.1 16. 13.4 14.1 11.8 26.5 21.9 31.8 26.3 22.9 14.5 北海道 東北 関東 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州 沖縄 大都市 中都市 小都市 A 小都市 B 町村 2 地方区分 都市階級区分については 家計消費状況調査年報 または総務省統計局ホームページの 家計消費状況調査 用語の解説 (http://www.stat.go.jp/data/joukyou/yougo-s.htm) をご参照ください 3
平成 23 年の電子マネーを利用した世帯員がいる世帯の割合を地方別にみると 関東地方 (49.2%) が最も高く 次いで東海地方 (23.8%) 近畿地方(23.2%) などとなっています 利用回数が最も多かった場所の割合をみると 関東地方及び近畿地方では交通機関 ( 定期券としての利用は除く ) が最も高く その他の地方ではスーパーマーケットが高くなっています 都市階級別にみると 電子マネーを利用した世帯員がいる世帯の割合は大都市 (43.9%) が最も高く 利用回数が最も多かった場所の割合をみると 大都市 中都市及び小都市 Aでは交通機関 ( 定期券としての利用は除く ) が最も高くなっています ( 図 5 参照 ) 図 5 地方 都市階級別電子マネーの利用状況及び利用回数が最も多かった場所 6 ( 二人以上の世帯 ) 平成 23 年 その他 不詳その他 不詳 49.2 5 1.8 5.2 4 7.5 3.6 3 23.8 23.2 21.2 2. 1. 2.1 2 17.3.7 34.7 8.9 8. 1.8 1.7 12.4 9. 12.4 3. 9.1 1.1 9. 1 6.4.6 5.6 6.1 5.2 11.2 7.3 4.1 4.8 3.8 6.5 4.3 2.1 1.7 1.9 3.9 1.1 全国 北海道 東北 関東 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州 沖縄 注 ) 太字は電子マネーを利用した世帯員がいる割合 43.9 2.1 7. 5.9 28.9 29.9 7.9 5.4 15.1 25.1 7.9 5.8 1.4 1. 16.9 1.7 6.3 4.6 4.3 大都市 中都市 小都市 A 小都市 B 町村 スーパーマーケットスーパーマーケットコンビニエンスストアコンビニエンスストア交通機関 ( 定期券交通機関 ( 定期券としての利用は除く ) としての利用は除く ) 電子マネーを利用した1 世帯当たり1か月間の平均利用金額を地方別にみると 平成 23 年は全ての地方において利用金額が1 万円を超えており 四国地方 (17,944 円 ) が最も多く 次いで 北海道地方 (14,931 円 ) 九州 沖縄地方(12,666 円 ) などとなっています 平成 2 年に比べ 全ての地方で増加しています 都市階級別にみると 平成 23 年は中都市 (11,981 円 ) が最も多くなっており 2 年に比べ 小都市 B 町村では減少しましたが その他の都市階級では増加しています ( 図 6 参照 ) 図 6 地方 都市階級別電子マネーを利用した 1 世帯当たり 1 か月間の 平均利用金額 ( 二人以上の世帯 ) ( 円 ) 2, 平成 2 年 18, 16, 14,931 11,116 17,944 平成 23 年平成 2 年 ( 全国平均 ) 平成 23 年 ( 全国平均 ) 14, 12, 1, 8,727 9,323 12,555 1,179 8,193 8,586 12,18 11,94 1,611 12,164 12,111 9,562 8,528 8,566 12,666 11,981 1,769 1,893 9,63 8,671 8,276 8,713 11,246 1,23 8, 7,26 6, 4, 2, 北海道 東北 関東 北陸 東海 近畿 中国 四国 九州 沖縄 大都市 中都市 小都市 A 小都市 B 町村 4
3. 世帯主の年齢階級別二人以上の世帯について 電子マネーを持っている世帯員がいる世帯の割合を世帯主の年齢階級別にみると 平成 23 年は 4 歳代 (52.9%) が最も高く 次いで 3 歳代 (51.1%) 3 歳未満 (46.4%) などとなっています 平成 2 年に比べ 全ての年代で上昇しており 3 歳未満及び 4 歳代から 6 歳代まででは 1 ポイント以上の上昇となっています ( 図 7 参照 ) 図 7 世帯主の年齢階級別電子マネーの保有状況 ( 二人以上の世帯 ) 6 平成 2 年 5 4 36.2 46.4 41.2 51.1 39.4 52.9 43.8 平成 23 年平成 2 年 ( 平均 ) 平成 23 年 ( 平均 ) 3 3.2 3.2 26.3 2 2.2 21.6 12.4 1 3 歳未満 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上 平成 23 年の電子マネーを利用した世帯員がいる世帯の割合をみると 4 歳代 (43.%) が最も高く 次いで 3 歳代 (39.9%) 5 歳代 (36.%) などとなっています 利用回数が最も多かった場所の割合をみると 全ての年代で交通機関 ( 定期券としての利用は除く ) が最も高くなっています ( 図 8 参照 ) 図 8 世帯主の年齢階級別電子マネーの利用状況及び電子マネーの利用回数が最も多かった場所 ( 二人以上の世帯 ) 平成 23 年 5 その他 不詳その他 不詳 43. 39.9 2.2 スーパーマーケット 4 2.1 35.6 36. コンビニエンスストア 1. 1.8 3.6 1.9 交通機関交通機関 ( 定期券 ( 定期券 3 7.1 8.2 としての利用は除くとしての利用は除く ) ) 25.1 9.7 1.1 5.3 9.8 7.2 2 6.2 18.3.9 3.4 4.6 1 2.7 21.1 17.1 14.4 11.3 平均 3 歳未満 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上注 ) 太字は電子マネーを利用した世帯員がいる割合 5
電子マネーを利用した1 世帯当たり1か月間の平均利用金額をみると 平成 23 年は 3 歳未満を除いて1 万円を超えており 6 歳代 (11,961 円 ) が最も多く 次いで 5 歳代 (11,397 円 ) 4 歳代 (1,985 円 ) などとなっています また 平成 2 年に比べ 3 歳未満では減少しましたが その他の年代では増加しています ( 図 9 参照 ) ( 円 ) 14, 12, 1, 図 9 世帯主の年齢階級別電子マネーを利用した1 世帯当たり1か月間の平均利用金額 ( 二人以上の世帯 ) 11,116 11,961 11,397 1,985 1,461 1,262 8,727 9,691 9,197 9,194 平成 2 年平成 23 年平成 2 年 ( 平均 ) 平成 23 年 ( 平均 ) 8, 8,169 7,87 7,567 7,881 6, 4, 2, 3 歳未満 3~39 歳 4~49 歳 5~59 歳 6~69 歳 7 歳以上 4. 年間収入階級別二人以上の世帯について 平成 23 年の電子マネーを持っている世帯員がいる世帯の割合を年間収入階級別にみると 125~15 万円未満 (61.1%) が最も高く 次いで 15~2 万円未満 (59.5%) 1~125 万円未満 (59.3%) などとなっており 年間収入が 8 万円以上の世帯では 5% を超えています ( 図 1 参照 ) 図 1 年間収入階級別電子マネーの保有状況 ( 二人以上の世帯 ) 平成 23 年 7 平均 6 53.2 54.2 59.3 61.1 59.5 5 5 46.7 49.8 4 38.4 33.6 3 29.8 22.7 2 1 2 万円未満 2~ 3 万円 3~ 4 万円 4~ 5 万円 5~ 6 万円 6~ 7 万円 7~ 8 万円 8~ 9 万円 9~ 1 万円 1~ 125 万円 125~ 15 万円 15~ 2 万円 2 万円以上 6
5 4 3 2 1 平成 23 年の電子マネーを利用した世帯員がいる世帯の割合をみると 15~2 万円未満 (55.3%) が最も高く 次いで 2 万円以上 (53.1%) 1~125 万円未満 (52.%) などとなっています 利用回数が最も多かった場所の割合をみると 2 万円未満では交通機関 ( 定期券としての利用は除く ) 及びスーパーマーケットが同水準で最も高くなっており その他の階級では交通機関 ( 定期券としての利用は除く ) が最も高くなっています ( 図 11 参照 ) 6 3.6 平均 図 11 年間収入階級別電子マネーの利用状況及び電子マネーの利用回数が最も多かった場所 ( 二人以上の世帯 ) 平成 23 年 15. 1. 5.8 5.8 2 万円未満 2.4 18.1 1.2 5.7 8.9 2~ 3 万円 2.3 26.9 24.1.9 1. 8.1 7. 3.6 4.4 3.6 1.7 7.6 6.5 1 13.5 14.8 3~ 4 万円 4~ 5 万円 5~ 6 万円 38. 9.2 7.5 6~ 7 万円 注 ) 太字は電子マネーを利用した世帯員がいる割合 41.9 4 9.1 9.3 7.7 22.6 7~ 8 万円 2.3 8. 22.9 8~ 9 万円 45.3 2.4 7.9 8.3 26.7 9~ 1 万円 52. 51.6 2. 1.9 8.4 9.1 5.3 11.7 3 32.7 1~ 125 万円 125~ 15 万円 55.3 1.6 9.1 14.7 29.9 53.1 5.3 1.6 34.7 15~ 2 万円 2 万円 以上 その他 不詳 スーパーマーケット コンビニエンスストア 交通機関 ( 定期券 ( 定期券としての利用は除く ) ) 家計消費状況調査とは 個人消費動向のより的確な把握に資するため 近年増加が著しいICT 関連の消費や購入頻度が少ない高額商品 サービスなどの消費の実態を安定的に捉えることを目的に 総務省統計局が平成 13 年 1 月以来毎月実施している統計調査です 調査結果は 個人消費動向の分析のための基礎資料として利用されるとともに 我が国の景気動向を把握するための基礎資料として利用されています 調査の詳しい結果を御覧になる場合は 次の URL を御参照ください http://www.stat.go.jp/data/joukyou/index.htm 家計消費状況調査 検索 このトピックスは 次の URL から御覧になれます http://www.stat.go.jp/data/topics/index.htm 統計トピックス 検索 このトピックスに掲載されている解説文 図等の情報を引用 転載する場合には 出典の表記をお願いします ( 例 ) 家計消費状況調査 ( 総務省統計局 ) 問合せ先 総務省統計局統計調査部消費統計課家計消費状況調査係 162-8668 東京都新宿区若松町 19 番 1 号 Tel :( 3) 5273-111 Fax :( 3) 5273-1495 E-mail : w-kakeijoukyou@soumu.go.jp 7