が消費税の課税対象となります 土地や建物を売った場合の譲渡所得の税金計算のしくみ 譲渡所得の計算のあらまし 個人が 土地や建物を売却し 利益 ( 譲渡益 ) が生じた場合には その利益に対して所得税と住民税がかかります この課税対象となる利益のことを 税法上 譲渡所得 ( 金額 ) と呼んでいます

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この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

土地建物等の譲渡損失は 同じ年の他の土地建物等の譲渡益から差し引くことができます 差し引き後に残った譲渡益については 下記の < 計算式 2> の計算を行います なお 譲渡益から引ききれずに残ってしまった譲渡損失は 原則として 土地建物等の譲渡所得以外のその年の所得から差し引くこと ( 損益通算 )

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やさしい税金教室

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

税金のいろいろ所得税の計算の税金サラリーマン20 生活の税金株式の税金事業の税金不動産の税金贈与の税金相続の税金(2) 適用を受けるための主な要件 取得又は増改築等をした日から6か月以内に居住すること 住宅の床面積が50m 2 以上で取得又は増改築後の家屋の床面積の1/2 以上が居住用であること 中

2. 適用を受けるにあたっての 1 相続発生日を起算点とした適用期間の要件 相続日から起算して 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日まで かつ 特例の適用期間である平成 28 年 4 月 1 日から平成 31 年 12 月 31 日までに譲渡することが必要 例 平成 25 年 1 月

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内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

契約をするとき 契約書に貼る印紙税不動産取引で取り交わす契約書は 印紙税の対象となります 具体的には 不動産の売買契約書や建物の建築請負契約書 土地賃貸借契約書 ローン借入時の金銭消費貸借契約書等がこれに当たります 印紙税の額は 契約書に記載された金額によって決定されます 原則として 収入印紙を課税

土地建物等の譲渡(マイホームの売却による譲渡損)編

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②業務チェックリスト 譲渡_②案_ 【修正】

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(2) 源泉分離課税制度源泉分離課税制度とは 他の所得と全く分離して 所得を支払う者 ( 銀行 証券会社等 ) がその所得の支払の際に 一定の税率で所得税を源泉徴収し それだけで所得税の納税が完結するものです 1 対象となる所得代表的なものとして 預金等の利子所得 定期積金の給付補てん金等があります

第 5 章 N

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相続税計算 例 不動産等の評価財産の課税評価額が 4 億 8 千万円 生命保険金の受取額が 2 千万円 現金 預金等が 4 千万円 ローン等の債務及び葬式費用等が 3 千万円である場合の相続税を計算します 相続人は妻と 2 人の子供の 3 人です ( 評価額を計算するには専門知識を要します 必ず概算

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

土地の譲渡に対する課税 農地に限らず 土地を売却し 譲渡益が発生すると その譲渡益に対して所得税又は法人税などが課税される 個人 ( 所得税 ) 税額 = 譲渡所得金額 15%( ) 譲渡所得金額 = 譲渡収入金額 - ( 取得費 + 譲渡費用 ) 取得後 5 年以内に土地を売却した場合の税率は30

Taro-H30/03

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

控除の種類判定 次の表に従い 対象となる控除を判定します 区分対象となる控除該当ページ 一般住宅の新築等 A 一般住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除 3 ページ 認定住宅の新築等 A2 認定住宅の新築等に係る住宅借入金等特別控除 4 ページ 中古住宅の購入 A3 中古住宅の購入に係る住宅借入金等

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#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

FX取引に係る確定申告について

相続税の節税対策としての生前贈与 相続税 贈与税はともに相手に渡る財産の金額に対して累進的な税率により税金がかかりま す そこで 相続税の税率よりも低い税率で贈与をすれば 相続税の節税になります 下の 図で相続税と贈与税税率を確認して下さい 贈与税は 相続税に比べ 基礎控除額が低く さらに税率が高く

私たちの市税

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配偶者の税額軽減特例の有利な受け方 配偶者がいる場合の 相続税の具体的な計算例は以下の通りです 1. 設例 自宅 預貯金等の相続財産の遺産額 =2 億円 法定相続人 = 配偶者 + 子 2 人の合計 3 人 実際の遺産分割は 法定相続分の通りとする 未成年者控除 外国税額控除 生命保険金の非課税枠金

図表 2 住宅ローン減税の拡充 消費税率が 5% の場合 消費税率が 8% または 10% の 場合 適用期間 ~2014 年 3 月 2014 年 4 月 ~2017 年末 最大控除額 (10 年間合計 ) 200 万円 (20 万円 10 年間 ) 400 万円 (40 万円 10 年間 ) 控

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

各年の住宅ローン控除額の算出 所得税から控除しきれない額は住民税からも控除 当該年分の住宅ローン控除額から当該年分の所得税額 ( 住宅ローン控除の適用がないものとした場合の所得税額 ) を控除した際に 残額がある場合については 翌年度分の個人住民税において 当該残額に相当する額が 以下の控除限度額の

税法実務コース 所得税 学習スケジュール 回数 学 習 テ ー マ 内 容 第 1 章 テーマ1 所得税の仕組みテーマ2 所得税額の計算テーマ3 非課税所得 所得税の仕組み 税額計算 所得税が課税されないものについて学習します テーマ1 各種所得金額の計算の概要テーマ2 利子所得テーマ3 配当所得

公共債の税金について Q 公共債の利子に対する税金はどのようになっていますか? 平成 28 年 1 月 1 日以後に個人のお客様が支払いを受ける国債や地方債などの特定公社債 ( 注 1) の利子については 申告分離課税の対象となります なお 利子の支払いを受ける際に源泉徴収 ( 注 2) された税金

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⑷ 納税猶予の打ち切り P. 49 Q. 納税猶予の対象の農地を売却する場合 納税猶予が打ち切られてしまうのですか ⑸ 市町村合併と納税猶予 P. 54 Q.B 町が平成 3 年 1 月 1 日現在特定市であるA 市に合併される場合 旧 B 町の農地等は生産緑地の指定を受けていないと納税猶予の特例は

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総合課税の譲渡所得の入力編

収用等の特例 1. 収用特例の利用方法 個人が収用や土地区画整理事業で公共事業に不動産を収用された場合は 以下の 2 つの課税の特例があります 法人の場合も ほぼ同様の特例が措置法 64 条と 65 条の 2 に用意されています 類型個人法人 1 収用等の代替資産取得の特例措置法 33 措置法 64

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5 事業用の車両等を売却 ( 譲渡 ) した場合の売却益 ( 譲渡益 ) 売却損 ( 譲渡損 ) については 事業所得とはならない 総合課税の譲渡所得 ( 土地 建物以外 ) の扱いになり 所有期間 (5 年超か以下か ) によって長期譲渡所得 短期譲渡所得に区分される 6 使用可能期間が1 年未満

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Aさん : 何ですか 課税の繰り延べ課税の繰り延べって? 減税とは違うのですか? 税理士 : はい 買換特例には 根本的には税金は減らす効果はなく あくまで納税時期を遅らせることしかできないのです 課税の繰り延べの意味 税理士 : 今お持ちの駅前にある不動産を 2 億円で売却し 郊外の賃貸用マンショ

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の範囲は 築 20 年以内の非耐火建築物及び築 25 年以内の耐火建築物 ((2) については築 25 年以内の既存住宅 ) のほか 建築基準法施行令 ( 昭和二十五年政令第三百三十八号 ) 第三章及び第五章の四の規定又は地震に対する安全上耐震関係規定に準ずるものとして定める基準に適合する一定の既存

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住宅ローンアドバイザー会報 12 月号 住宅購入後にかかる税金にはどんなものがある? 質問住宅を購入しようと思っていますが 負担しきれないほどの税金を負担することにならないか心配です 住宅購入後に必要となる税金を教えてください 回答住宅購入後にかかる税金には 固定資産税 都市計画税があります 固定資

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5 適用手続 ⑴ 相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は 贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に 相続時精算課税選択届出書 ( 贈与者ごとに作成が必要 ) を贈与税の申告書に添付して 納税地の所轄税務署長に提出する ( 相法 21の92) なお 提出された当該届出書は撤回することができない

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6 課税上の取扱い日本の居住者又は日本法人である投資主及び投資法人に関する課税上の一般的な取扱いは 下記のとおりです なお 税法等の改正 税務当局等による解釈 運用の変更により 以下の内容は変更されることがあります また 個々の投資主の固有の事情によっては異なる取扱いが行われることがあります (1)

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2 引き続き居住の用に供している場合 とされる場合本人が 転勤などのやむを得ない事情により 配偶者 扶養親族その他一定の親族と日常の起居を共にしないこととなった場合において その家屋等をこれらの親族が引き続きその居住の用に供しており やむを得ない事情が解消した後は 本人が共にその家屋に居住することに

イ税務署へ確定申告書を提出し 所得税の住宅ローン控除の適用を受けている 退職所得 山林所得がある方 所得税の平均課税の適用を受けている方は 住宅ローン控除申告書を提出することにより控除額が大きくなる場合があります 申告書を提出される方は3 月 15 日 ( 月 ) までに申告してください 申告しなけ

住宅税制の概要 1 住宅の取得に係る税制 ( 注 ) を付した部分は 平成 22 年度税制改正により改正されたもの ( 1) 所得税 住宅ローン減税 ( 租 41) ( 国税 ) 住宅の新築 取得又は増改築等をした場合 10 年間 住宅ローン等の年末残 個人住民税 高の1.0%( 長期優良住宅につい

(2) 父母 ( 祖父母 ) から子 ( 孫 ) への住宅取得等資金の贈不 父母 ( 祖父母 ) など直系尊属から その子 ( 孫 ) へ居住用の家屋の新築 取得または増改築のための金銭 ( 住宅取得等資金 ) を贈不した場合 表の通りの金額について贈不税が非課税となります また 贈不税の基礎控除

東京太郎様 Inheritance Report 相続診断書 弁護士法人 税理士法人リーガル東京 平成 30 年 8 月 20 日作成

退職金についての市県民税はどうなるの? 私は平成 28 年 4 月に退職しました 勤続 30 年で退職金は 2,100 万円ですがこの退職 金に対する市県民税はいくらですか 通常の市県民税の課税は前年中の所得に対し翌年課税されるしくみになっていますが 退職金に対する課税については 他の所得と分離して

( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

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2. 控除の適用時期 Q. 12 月に取得した自宅の所在地に 年末までに住民票を移しましたが 都合で引っ越しが翌年になってしまった場合 住宅ローン控除はいつから受けることになりますか A. 住宅ローン控除の適用を受けるためには 実際に居住を開始することが必要です したがって 住民票を移した年ではなく

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2. 改正の趣旨 背景 (1) 問題となっていたケース < 親族図 > 前提条件 1. 父 母 ( 死亡 ) 父の財産 :50 億円 ( すべて現金 ) 財産は 父 子 孫の順に相続する ( 各相続時の法定相続人は 1 名 ) 2. 子 子の妻 ( 死亡 ) 父及び子の相続における相次相続控除は考慮

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平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

A. 受贈者に一定の債務を負担させることを条件に 財産を贈与することを 負担付贈与 といいます 本ケースでは 夫は1 妻の住宅ローン債務を引き受ける代わりに 2 妻の自宅の所有権持分を取得する ( 持分の贈与を受ける 以下持分と記載 ) ことになります したがって 夫は1と2を合わせ 妻から負担付贈

Z-64-A 簿記論〔第一問〕-解 答-

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なぜ法人化するのか? 所得税 住民税 事業税 社会保険 医療費が高い! それは 所得 (= 収入 - 経費 ) が高いからです すべてにかかわります 特に所得税は超過累進税率です 住民税 :10% 事業税 ( 不動産 ):5% どういう場合に法人化するのか? 相続税対策が終わった場合 相続税が発生し

所得税関係 ( 住宅ローン控除の特例 ) の改正 ⑵ 震災税特法の制度 ( 適用期間の特例 ) の概要東日本大震災によって被害を受けたことにより 住宅ローン税額控除の適用を受けていた家屋 ( 以下 従前家屋等 といいます ) を居住の用に供することができなくなった居住者については その居住の用に供す

たりなどといった理由で 建築基準法違反となることがあります 接道義務違反都市計画区域内の物件の敷地は 原則として建築基準法上の道路 ( 幅員 4m 以上の道路 ) に 2m 以上の接道義務があり これに違反した場合 一度建物を壊すと再建築ができません また 接道義務をはたしていない敷地は担保価値がな

経 ViewPoint 営相談 相続時における小規模宅地等の特例の改正 谷口敬三相談部東京相談室 小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例 ( 以下 小規模宅地等の特例 ) は 一定の要件を満たす宅地等 ( 特定事業用等宅地等 特定居住用宅地等 貸付事業用宅地等 ) につ

不動産特例の利用方法 個人がマイホームを売買する時に利用できる譲渡所得の特例は 多数あります 各特例の詳細は 次節以降を参 照下さい 1. マイホームを買う時 新築一戸建マイホームを購入する時にかかる税金は 以下の通りです 総額 4,000 万円 ( 土地 2,000 万円で 100 m2 建物 2

1. 固定資産税 都市計画税について 固定資産税は 毎年 1 月 1 日 ( 賦課期日 といいます ) 現在に土地 家屋 償却資産 ( こ れらを総称して 固定資産 といいます ) を所有している人が その固定資産の所在する 市町村に納める税金です 都市計画税は 下水道 街路 公園などの都市計画事業

左記に該当しない方 ボタンを選択した場合 ( 特定増改築等 ) 住宅借入金等特別控除 というリンクになった文字をクリックすると 住宅借入金等特別控除の入力画面が表示されます 所得 所得控除等入力 画面で ( 特定増改築等 ) 住宅借入金等特別控除 というリンクになった文字をクリックすると 3 ページ

このうち 申告納税額がある方 ( 納税人員 ) は640 万 8 千人で は41 兆 4,298 億円 申告納税額は3 兆 2,037 億円となっており 平成 28 年分と比較すると 人数 (+0.6%) (+ 3.4%) 及び申告納税額 (+4.6%) はいずれも増加しました 所得者区分別の状況イ

第一住宅関係税制 1. 住宅税制の抜本的な検討 次期消費税引上げまでの期間を活用し 消費税を含めた住宅に係る多重な課税について 抜本的な検討が必要である 良質な住宅ストックの形成に向けて 住宅の取得 保有に係る既存税制と消費税のあり方について 国民にわかりやすい恒久的かつ抜本的な見直しが必要である

Transcription:

不動産を売った時の税金 譲渡所得に対する所得税及び住民税 事業所得に対する所得税及び住民税 法人税及び住民税? どんな税金がかかるのか? 住宅の取得は一生に一度の大仕事 とは一昔前のはなし 最近では 一度どころか二度三度と買換え よりグレードの高い住宅へ買替えるという人が増えています そのとき問題となるのが 不動産を売った時の税金です 不動産は価格が高いですから これを売った時の税金も負担が大変です しかし 特例制度もいろいろとありますので その制度をうまく利用することをおすすめします さて 不動産を売った時の税金ですが 誰がどの程度保有していた不動産を売ったかによって税金の種類や課税内容が違います ここではその分類をしておきましょう 個人 ( サラリーマン 譲渡所得に対する所得税及び住民税 等一般の人 ) が ( 長期保有のものの売却益にあっては軽課 土地 建物を売った 短期保有のものの売却益にあっては重課されます ) 個人の不動産業者 事業所得に対する所得税及び住民税 ( 会社組織でないもの ) ( 短期保有土地の売却益にあっては短期所有土地譲渡益重課税制度が商品である土地をが設けられていますが 平成 29 年 3 月 31 日までの間 その重課の売った場合適用が停止され 通常の事業所得と同様に総合課税により課税されます ) 法人 ( 有限会社 株式会社等で不動産業者に限らない ) が土地を売った場合 法人税及び住民税 ( 長期保有土地の売却益にあっては一般重課税が また短期保有土地の売却益にあっては短期所有土地譲渡益重課税がそれぞれ設けられていますが 平成 29 年 3 月 31 日までの間 その特別課税による重課の適用が停止され 通常の法人税や住民税だけが課税されます ) なお これらの課税については 居住用財産を譲渡した場合や買換えた場合 優良住宅の造成等のために土地を 譲渡した場合など一定の場合には 特例がみとめられています 以下のほかにも 次のような税金が関係してきます 不動産を売るときには売買契約書を取り交わしますが 契約書には印紙税を貼らなければなりませんので印紙税がかかります 抵当権の抹消登記をして不動産を売る場合には登録免許税( 不動産 1 個につき 1,000 円 ) を納めなければなりません 不動産業者の仲介により不動産を売る場合の仲介手数料 登記を要するときの司法書士に支払う登記手数料

が消費税の課税対象となります 土地や建物を売った場合の譲渡所得の税金計算のしくみ 譲渡所得の計算のあらまし 個人が 土地や建物を売却し 利益 ( 譲渡益 ) が生じた場合には その利益に対して所得税と住民税がかかります この課税対象となる利益のことを 税法上 譲渡所得 ( 金額 ) と呼んでいます 少々むずかしい言葉ですが これから何度も登場してくる言葉ですので 是非ここで覚えておいて下さい 土地建物を売った場合の税金 は まずこの 譲渡所得( 金額 ) を正確に計算することから始めます そして売却した土地建物の所有期間の区分 (5 年超か 5 年以下か ) に応じた税額計算の方法によって 実際に納める税額を計算することになります ( 注 ) 土地 : 借地権を含めてこの章では 土地 と記述しています 土地の譲渡の特例のある場合は 借地権を譲渡した場合にも適用されます 第一段階 : 譲渡所得( 金額 ) を計算する 第 2 段階 : 売却した土地建物の所有期間が 5 年超か 5 年以下か 所有期間の区分に応じた税金計算の方法によって税額を計算する 以下 譲渡所得 ( 金額 ) の計算方法と納税額の算出方法について 順を追って説明していきます 課税譲渡所得金額 はどのように計算するのか? 譲渡所得金額 は 譲渡による収入金額( 譲渡価格 ) から その不動産を取得した時の価格や取得に要した費用 ( これらを取得費といいます ) および譲渡に要した費用( 譲渡費用といいます ) を差し引いて計算されます この 譲渡所得金額 から さらに特別控除の適用がある場合にはその特別控除額を控除して求めたものが 税額計算の基礎とされる 課税譲渡所得金額 といわれるものです この言葉も重要ですので覚えておいて下さい 取得費あるいは譲渡費用として差し引けるものについては 下記を参考にしてください 課税譲渡所得金額の計算式 課税譲渡所得金額 = 譲渡価格 - 取得費 - 譲渡費用 - 特別控除 取得費 売却した土地や建物の購入価額 ( 建物は減価償却後 )/ 購入の際の仲介手数料 / 購入の際に支払った立退き料 移転料 / 売買契約書に貼付した印紙税 / 登録免許税や登記手数料 / 搬入費や据付費 / 建物等の取壊し費用などがあります 購入時の契約書 領収書によって確認します 実際の取得費が不明の場合 譲渡価額の 5% となります

譲渡費用 土地や建物を売却するために要した費用で 売却の際の仲介手数料 / 売却に伴う広告費や測量費 / 売 買契約書に貼付した印紙税 / 売却に伴い支払う立退き料 / 建物等の取壊し費用などがあります 特別控除 これは 国の政策的な配慮によって設けられているもので 居住用財産を売った場合の 3000 万円の 特別控除 特定住宅地造成事業等のために土地を売った場合の 1500 万円の特別控除などがあります 土地や建物を売買する際 売買代金とは別に 売主 買主間で日割計算により固定資産税等を分担するのが一般的です この固定資産税は 税務申告上 売主が受領したものは 譲渡収入となり 買主が支払ったものは取得費となります また 売主又は買主が消費税の課税事業者ですと 建物の固定資産税は 消費税の課税対象となりますので注意が必要です 取得費が不明な場合の概算取得費について 上記で説明したように 土地建物等の課税譲渡所得を計算する際に 取得費が不明な場合 例えば取得時期が古く契約書等を紛失しているような場合には 取得費を譲渡価額の 5% として計算します ( 概算取得費 ) 厳密には そのように 計算して差し支えない とされているだけであって法的に共用されているわけではありませんが 5% に代わる合理的な計算が実際には難しく ほとんどの場合概算取得費 5% で計算しています この 5% に代わる 合理的な計算方法 に関して 平成 12 年 11 月 16 日 国税不服審判所で裁決された事例があります 紙面の関係上詳細は省きますが 取得費が不明な土地建物について 建物を一般財団法人建物価調査会が公表している着工建築物構造別単価によって計算し 宅地を一般財団法人日本不動産研究所が公表している市街地価格指数に基づいて算出する方法が 市場価格を反映した近似値を示すものとして合理的であると判定されました あくまでも一判決であって この方法がいかなるケースでも認められるとは限りません また 取得時期によっては 上記の指数を使うよりも 5% の概算取得費の方がむしろ有利になるケースも考えられ 一概には言えませんが 取得費不明の土地建物を譲渡する場合には一考の余地があるかもしれません 実際の検討にあたっては 税理士や税務署に相談してみてください 長期 短期の区別前述の算式によって課税譲渡取得税金額を求めたら 次に譲渡した土地建物の所有期間の区分 (5 年超か 5 年以下か ) に応じた税額計算の方法によって税額を計算することになります そこでまず 譲渡した土地建物の所有期間を区分する必要があります 具体的には 土地建物の譲渡した年の 1 月 1 日において 所有期間が 5 年を超える場合を長期譲渡所得 5 年以下の場合を短期譲渡所得と区分されます なおここで注意して欲しいのは 所有期間 5 年というのは その土地や建物を購入した日から売った日までの期間で計算するのではありません 譲渡した日の属する年の 1 月 1 日現在で判定するということです 平成 27 年中の譲渡ですと 平成 27 年 1 月 1 日に判断しますので 平成 21 年 12 月 31 日以前に取得したものが長期譲渡所得 平成 22 年 1 月 1 日以後に取得したものは短期譲渡所得ということになります 取得の日と譲渡の日 上記によって 長期譲渡所得と短期譲渡所得とを区別するわけですが そうした場合に 取得した日とか譲渡

した日というのはどういった基準で判定するのかが問題となってきます 取得の日は 原則として次の基準とされます イ : 購入の場合 引渡しの日 ( 売買契約の効力発生の日によることもできます ) ロ : 請負工事により建物を建築した場合 引渡しの日ハ : 自営工事により建物を建築した場合 建築の完了の日 なお 贈与とか相続による取得は 取得時期を引継ぐこととされています また 譲渡の日は 原則として土地 建物を買主に引渡した引渡しですが 売買契約の効力発生の日によるこ ともできます 長期譲渡取得の税金の計算長期譲渡取得 ( 所有期間 5 年超 ) にかかる税金は 課税長期譲渡取得金額に 一律 20%( 所得税 15% 住民税 5%) の税率を乗じて計算されます なお 平成 25 より復興特別所得税として 所得税額の 2.1% が別途かかります 課税長期譲渡取得金額 20%( 所得税 15% 住民税 5%)= 所得税額および住民税額 短期譲渡取得に税金の計算短期譲渡取得 ( 所有期間 5 年以下 ) にかかる税金は 課税短期譲渡取得金額に 39%( 所得税 30% 住民税 9%) の税率を乗じて計算されます なお 平成 25 年より復興特別所得税として 所得税額の 2.1% が別途かかります 課税短期譲渡取得金額 39%( 所得税 30% 住民税 9%)= 所得税額および住民税額 なお 国等に対する土地等の譲渡の場合には税率が 20%( 所得税 15% 住民税 5%) となります この場合も 平成 25 年より復興特別所得税として 所得税額の 2.1% が別途かかります 譲渡損失が生じたケースここまではいずれも土地や建物を売って利益 ( 譲渡利益 ) がでたときのお話ですが 必ずしも買った時より高く売れるとは限りません 赤字 ( これを譲渡損失といいます ) がでるケースもあるかと思います こんなときは 平成 15 年までは確定申告をすることにより譲渡損失と給与所得等の他の取得とが通算 ( これを損益通算といいます ) されて税金が戻ってくる場合がありましたが 平成 16 年 1 月 1 日以降の譲渡から そのほかの取得との通算及び青色申告者に認められていた 3 年間の繰越控除 ( 居住用財産の譲渡を除く ) が適用されなくなりました ただし 一定の要件を満たす居住用財産の譲渡損失については他の所得との通算及び 3 年間の繰越控除の適用を受けることができる場合があります 譲渡取得の申告手続き譲渡取得がある場合には 翌年の 3 月 15 日までに所轄の税務署に申告し 税金を納めることになります この場合の申告書は所得税の確定申告書 B( 第一表 第二表 ) 及び第三表 ( 分離課税用 ) というものを用います そのほか 税務署へは譲渡取得を計算するための 譲渡取得の計算明細書 特例の適用を受けるときには特例ごとに定められた書類等を提出することになっています

また 住民税については 税務署に申告した場合は その申告書の内容が市区町村へ回りますので 手続きは 不要です ~Case Study~ 千葉県柏市に住まいを持つ F さんは 平成 27 年 8 月に東京都江東区の土地 建物を 9200 万円で売却しました 譲渡費用は 300 万円 購入時の取得費 ( 建物については償却した後 ) は 1800 万円でした 購入が平成 21 年 11 月の場合 ( 長期譲渡取得 ) と平成 22 年 8 月の場合 ( 短期譲渡取得 ) とで所得税額 復興特別所得税額及び住民税は 長期譲渡取得の場合 (1) 課税長期譲渡取得金額 9200 万円 -1800 万円 -300 万円 =7100 万円 (2) 譲渡取得に係る所得税額 7100 万円 15%=1065 万円 (3) 復興特別所得税額 1065 万円 2.1%=223,650 円 (4) 合計額 (2)+(3) 1065 万円 +223,650 円 =10,873,650 円 10,873,600 円 (5) 譲渡取得に係る住民税額 7100 万円 5%=355 万円 短期譲渡取得の場合 (1) 課税短期譲渡取得金額 9200 万円 -1800 万円 -300 万円 =7100 万円 (2) 譲渡取得に係る所得税額 7100 万円 30%=2130 万円 (3) 復興特別所得税額 2130 万円 2.1%=447,300 円 (4) 合計額 (2)+(3) 2130 万円 +447,300 円 =21,747,300 円 (5) 譲渡取得に係る住民税額 7100 万円 9%=639 万円この例題でおわかりいただけたように 長期と短期ではその税負担がずいぶん違います ここでは 短期はソンキ と覚えておいて下さい 特定の不動産を売った場合の軽減の特別措置 譲渡した土地建物が自分の居住している住宅やその敷地である場合 優良住宅地の造成事業等のために土地を譲渡した場合など特定の場合については 一般の譲渡の場合にくらべて 税金が軽減される特例が設けられています

主な特例としては 次のものがあります 居住用財産を売った場合の特例 居住用財産を譲渡した場合の 3000 万円特別控除 所有期間 10 年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例 特定の居住用財産の買換え特例 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の繰越控除等の特例 居住用財産の譲渡損失の繰越控除等の特例 優良住宅地の造成等のために土地を売った場合の税率軽減の特例 中高層耐火建築物等の建設のための買換えの特例 特定事業用資産の買換えの特例 平成 21 年 22 年中に土地等を取得した場合の課税の特例 特定住宅地造成事業等のために土地を譲渡した場合の 1500 万円特別控除 それでは 各特例について順を追って説明していきます 居住用財産を売った場合の特例 居住用財産を売った場合の特例とは 居住用財産を譲渡した場合には 通常 譲渡益 ( 譲渡収入から取得費と譲渡費用を差し引いて黒字になったもの ) が生じたときは 3000 万円特別控除 軽減税率 買換特例といった特例を用いて税金の軽減を受け 譲渡損 ( 赤字になったもの ) が生じたときは 特定の場合には そのほかの所得との通算や繰越控除の特例を受けることができます 譲渡益が生じた場合 3000 万円特別控除 居住用の財産を譲渡した場合に 所有年数に関係なく 適用を受けることができます 所有期間 10 年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減の特例 その譲渡した年の 1 月 1 日において所有期間が 10 年を超える居住用財産を譲渡した場合に 通常の場合 の税率 (20%) が軽減されます 特定の居住用財産の買換え特例その譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が 10 年超で 居住期間が10 年以上の居住用財産を譲渡して 新たに居住用財産を購入した場合に 課税の繰延べが受けられます 譲渡損が生じた場合 居住用財産の買換えに係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例その譲渡した年の 1 月 1 日において所有期間が 5 年超の居住用財産を譲渡して 譲渡損失が生じた場合に 買換えを前提として その譲渡した年に控除しきれない損失が 3 年間にわたって繰越して控除されます 居住用財産に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例 その譲渡した年の 1 月 1 日において所有期間が 5 年超の居住用財産を譲渡して 譲渡損失が生じた場合に

買換えをしなくても 譲渡損失のうち 住宅借入金等の金額からその譲渡資産の譲渡価格を控除した残額 を限度として 他の所得との通算及び翌年以降 3 年間の繰越控除ができます (1) 居住用財産とは 居住の用に供している家屋とその敷地をいいます (2) 特例の対象となる居住用財産の譲渡とは 1 現に居住している家屋やその家屋とともに譲渡する敷地の譲渡をいいます 2 転居してから 3 年後の 12 月 31 日までに 居住していた家屋やその家屋とともに譲渡する敷地を譲渡する場合も特例の対象となります 3 災害などにより居住していた家屋が滅失してしまったときは 災害のあった日から 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日までに その敷地だけ譲渡しても 特例の対象になります 4 転居後に家屋を取壊した場合には 転居してから 3 年後の 12 月 31 日までか 取壊し後 1 年以内か いずれか早い日までに譲渡すれば特例の対象になります ( なお 取壊し後にその敷地を貸し付けたり 事業の用に供したりすると特例の適用は受けられなくなります ) (3) 特定の親族や同族会社への譲渡は適用になりません 1 配偶者 直系血族 ( 親 子 孫など ) 生計を一にする親族 譲渡後にその家屋に居住する親族 2 本人 配偶者 直系血族や生活を一にする親族が主宰している同族会社 (4) 特例の適用は 3 年に 1 度だけ 居住用財産の特例は 3 年に 1 度だけしか適用を受けることはできません ( 注 ) 譲渡の日 : 原則として引渡した日ですが 契約した日を譲渡の日とすることもできます 各特例の要件と計算方法 居住用財産を譲渡して譲渡益が発生する場合の特例には 3 種類ありますが このうちどの特例を適用すべきか迷うところです そこで ここからは各特例の適用を受けるための要件と特例を受けた場合の計算方法について順次説明していきます これらの特例をよく検討して最も適した特例を利用していただきたいものです 特例を受けるための要件 (1)3000 万円特別控除この特別控除は 居住用財産の譲渡をした場合に 3000 万円の特別控除が受けられるというもので 譲渡益から控除されます また 長期保有 短期保有に関係なく 利用することができます なお 収用等の特別控除または買換えなどの他の特例の適用を受ける場合やこの特例の適用を受けるためのもの目的で入居したと認められる場合には適用されません

1 更地で売っても 3000 万円の特別控除が受けられる場合この特別控除は 災害等により住宅が滅失した場合以外は 原則として 敷地のみの譲渡には適用されないこととされていますが 次の12の要件のすべてを満たすときには 3000 万円の特別控除が認められています 1その敷地の譲渡に関する契約が 住居を取り壊した日から 1 年以内に締結され かつ その住宅を居住の用に供さなくなった日以後 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日までにその敷地を譲渡したものであること 2その住宅を取り壊した後 譲渡に関する契約を締結した日まで その敷地を貸付け等の業務の用に供していないこと また その12の要件を満たすことに加え その敷地の所有期間がその住宅の取り壊した年の 1 月 1 日において 10 年を超える場合には 後述の 所有期間 10 年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例 の適用を受けることができます 2 お得な共有名義住宅とその敷地のそれぞれを夫と妻との共有名義で登記し 夫婦で居住用に使用しているものであれば これを売ったときには 夫と妻のそれぞれの持分について 3000 万円の特別控除が受けられます こんな場合どうなるの? 期間内に確定申告をしなかった場合 3000 万円特別控除の適用は? 不動産を譲渡した場合の税務の特例にはいろいろありますが これらの特例の適用を受けるためには確定申告が必要です 確定申告とは 譲渡年の翌年 2 月 16 日から 3 月 15 日までの期間に所轄税務署に対し 申告書を作成の上一定の書類を添付して提出する手続きをいいます B さんは平成 27 年中に自宅を売却しましたが 平成 28 年の 2 月中旬から 3 月中旬にかけて仕事が多忙のため 確定申告ができませんでした B さんの自宅の売却は短期譲渡にあたりますが 計算してみると譲渡所得金額は約 1000 万円です 3000 万円特別控除の適用があれば 税負担はゼロですが 適用がなければ約 390 万円の税負担 ( 所得税と住民税 ) が生じます このほか 無申告加算税と延滞金が課せられる可能性があります B さんは 3000 万円特別控除の適用を受けられるでしょうか 答えは 確定申告をしなかった場合でも やむを得ない事情があると税務署長が認めるときは 遅れて確定申告を提出することにより 特例の適用が認められる場合もあります B さんの場合 たとえば確定申告期間中に海外出張で申告書の提出ができなかったというような事情であれば 特例の適用が認められる可能性が高いと思われます 何はともあれ 税務署に足を運び相談してみることです 特定事業用資産の買換えの特例や中高層耐火共同住宅の建設のための買換えの特例などにおいても 確定申告が適用条件とされていますが 確定申告をしなかった場合であってもやむを得ない事情があると税務署長が認めるときは 特例の適用が認められます 但し 内容によっては認められない場合もありますので 注意が必要です (2) 所有期間 10 年超の居住用財産を譲渡した場合の軽減税率の特例この制度は 個人が その年の 1 月 1 日において所有期間が 10 年を超える次の居住用財産を譲渡した場合に適用されます 1 現に自分が住んでいる住宅 2 以前に自分が住んでいた住宅で 自分が住まなくなった日から 3 年後の 12 月 31 日までに譲渡したもの 31や2の住宅およびその家屋とともに譲渡された敷地

4 災害によって滅失した 1 の住宅の敷地で その住宅が滅失しなかったならば その年の 1 月 1 日における所 有期間が 10 年を超えている住宅の敷地 ただし その災害があった日以後 3 年を経過する日の属する年の 12 月 31 日までに譲渡したものに限ります この特例は前で説明した 3000 万円特別控除とセットで利用することができます 所有期間 10 年超という条件以 外は 3000 万円特別控除の要件と同じです 計算方法 3000 万円特別控除後の譲渡益について 次の税率で課税されます なお 平成 25 年より復興特別所得税として 所得税額の 2.1% が別途かかります 3000 万円特別控除後の譲渡所得のうち 6000 万円以下の部分 ---------------10% ( ほかに住民税 4%) 3000 万円特別控除後の譲渡所得のうち 6000 万円を超える部分 ------------15% ( ほかに住民税 5%) ~Case Study~ G さんは 昭和 41 年に千葉県松戸市にある居住用の土地と建物を 1000 万円で購入し 平成年 6 月に 11500 万円で売却しました なお G さんには その他の課税所得が 600 万円あり 売却した意の譲渡費用として 400 万円かかりました また 住宅の減価の額は 200 万円でした この場合の住宅財産の売却にかかる譲渡所得の所得税額及び復興特別所得税額と住民税額は (1) 所得税額イ :11500 万円 -(1000 万円 -200 万円 )-400 万円 =10300 万円ロ :10300 万円 -3000 万円 ( 特別控除 )=7300 万円ハ :6000 万円以下の部分 6000 万円 10%=600 万円 6000 万円超の部分 (7300 万円 -6000 万円 ) 15%=195 万円 600 万円 +195 万円 =795 万円 所得税額 (2) 復興特別所得税額 795 万円 2.1%=166,950 円 (3)( 1)+(2) 795 万円 +166,650 円 =8,116,960 円 8,116,900 円 (4) 住民税額 6000 万円 4%=240 万円 (7300 万円 -6000 万円 ) 5%=65 万円 240 万円 +65 万円 +=305 万円 住民税額 注意 : 居住用財産の買換えの方は 買換え独自の特例がありますので 税務局又は当社スタッフに お気軽にご相談ください