調査の目的 経済の好循環 実現に向けた施策の一環として 春闘妥結結果等を踏まえた企業の賃上げ動向等を把握するため 平成 26 年から調査を実施 調査の概要 大手企業調査 調査対象 : 東証一部上場企業 2,001 社 回答企業数 :364 社 公表方法 : 集計結果に加え 個社の賃上げ状況 ( 定昇 ベア 賞与 手当など ) を公表 中小企業調査 調査対象 : 中小企業 30,000 社 回答企業数 :8,310 社 公表方法 : 集計結果のみ公表 調査自体記名は任意
東証一部上場企業 2,001 社に調査票を送り 364 社 ( 回答率 18.2%) から回答を得た 平成 29 年 10 月 23 日時点 回答企業のうち 今年度賃金の引上げを実施した企業の割合は 89.7% となり 昨年に続き多くの企業で賃上げが実施された また 賃金を引上げた企業のうち 今年度にベースアップを実施している企業は 53.9% と 半数以上の企業がベースアップを実施した また 多くの企業において 子育て 介護等 家庭環境やライフステージを重視した賃金配分 が実施されるなど メリハリの効いた賃上げ が実施された (n=362) (n=358) 平成 28 年度引上げ実績 平成 29 年度引上げ予定 回答企業に占める賃上げ企業の割合 賃上げ実施企業における賃金の引上げ方法 (n=364) 引上げる / 引上げた 90.1% (326 社 ) 89.7% (321 社 ) 引上げない / 引上げていない 9.9% (36 社 ) 10.3% (37 社 ) 賃金体系や給与原資の配分を見直す際に重視した要素 (n=304) 仕事 ( 職務 ) や役割を重視した賃金体系 給与原資の配分の見直しを行った 業績や貢献度を重視した賃金体系 給与原資の配分の見直しを行った 家庭環境やライフステージ ( 子育て 介護等 ) を重視した賃金体系 給与原資の配分の見直しを行った 0% 10% 20% 30% 40% 50% 23.8% (72 社 ) 27.8% (84 社 ) 35.1% (106 社 ) 定期昇給 賃金構造維持分 ベア ( ベースアップ ) 分 賞与 一時金分 諸手当 57.7% (188 社 ) 53.9% (173 社 ) 40.2% (131 社 ) 29.0% (93 社 ) 13.5% (44 社 ) 15.6% (50 社 ) 87.1% (284 社 ) 86.6% (278 社 ) 勤続年数の長さ 年齢 ( 年功 ) の高さを重視した賃金体系 給与原資の配分の見直しを行った の見直しを行った 賃金体系 給与原資の配分の見直しを行っていない 5.6% (17 社 ) 8.6% (26 社 ) 40.7% (123 社 ) 28 年度 (n=326) 29 年度 ( 予定を含む ) (n=321) 2
多くの企業において 非正規雇用労働者の処遇改善 が行われた 具体的には 月例給与の引上げを実施した企業は半数以上であり 育児 介護支援手当 家族手当 などを導入 拡充した企業も一定数みられた 非正規雇用労働者のキャリアアップ支援についても 正規雇用への転換を行った と回答した企業が最も多く 外部研修の補助 社内研修の拡充 ( 英語研修 IT スキル研修等 ) の実施 が続いた 総じて 非正規雇用労働者においても 賃上げ キャリアアップ支援 が実現するなど 底上げ 格差是正 が実現した 非正規雇用労働者の処遇改善の具体的内容 (n=183) 0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 非正規雇用労働者のキャリアアップ支援の具体的内容 (n=221) 月例給与の引上げ 51.4% (94 社 ) 月例給与の引上げ成果報酬制度の導入または拡充 16.9% (31 社 ) 表彰制度の導入または拡充 育児支援手当 介護支援手当 家族手当などの導入または拡充他の手当 ( レクリエーション手当など ) の導入または拡充技能 職能手当の導入または拡充業績手当 ( 賞与 一時金以外のもの ) の導入または拡充 役職手当の導入または拡充 住宅手当 勤務地手当 地域手当などの導入または拡充勤務手当 時間外労働手当などの導入または拡充 6.0% (11 社 ) 6.0% (11 社 ) 4.9% (9 社 ) 4.4% (8 社 ) 3.8% (7 社 ) 3.8% (7 社 ) 3.3% (6 社 ) 2.7% (5 社 ) 29.5% (54 社 ) 3
実質賃金の引上げにつながる取組としては 有給休暇所得の奨励 が最も多く 福利厚生の充実 勤務時間短縮による時間あたり単価の増加 などが続いた 実質賃金の引上げにつながる具体的取組 有給休暇取得の奨励 (n=310) 91.9% (285 社 ) 働き方の多様化につながる取組としては 時短勤務制度の導入 が最も多く テレワーク 在宅勤務制度等の導入 託児所等の保育施設の設置 などもあがった 働き方の多様化につながる具体的取組 時短勤務制度等の導入 (n=299) 0% 20% 40% 60% 80% 68.6% (205 社 ) 福利厚生の充実 ( 保険商品 財産形成支援など ) 勤務時間短縮による時間あたり単価の増加 時間外 休日手当の割増率の増加 10.6% (33 社 ) 9.4% (29 社 ) 10.3% (32 社 ) 31.9% (99 社 ) テレワーク 在宅勤務制度等の導入新たな休暇制度 勤務体制の導入託児所等の保育施設の設置サテライトオフィス等の設置 8.4% (25 社 ) 15.4% (46 社 ) 21.1% (63 社 ) 34.8% (104 社 ) 46.8% (140 社 ) 実質賃金の引上げにつながる取組例 働き方の多様化につながる取組例 業種等 具体的な取組 業種等 具体的な取組 ガラス 土石製品 賞与制度見直し ( 賞与算定期間中の育児 介護休業取得者に対し 最低補償額を支給 ) 建設業 アニバーサリー休暇 子ども休暇等 取得しやすいように名称を付した年休の導入と取得の奨励男性の育児休暇取得の奨励 機械 コアタイム制 在宅勤務制の導入 社内託児所の設置 建設業 直近 10 年間の残存有給休暇を介護 育児 子の看護休暇に使用できる制度 保険業 65 歳定年制度導入最長 70 歳まで働ける嘱託継続雇用制度導入地域別乗率導入 ( 首都圏 10% 賃上げ ) 銀行業輸送用機器 企画業務型裁量労働制 2017 年度より働きがい追求を主とした部署 委員会を立上げ 4
平成 29 年 中小企業の雇用状況に関する調査 結果 ( 経済産業省実施 ) 5 中小企業 中小企業 30,000 社に調査票を送り 8,310 社 ( 回答率 27.7%) から回答を得た 今年度賃金の引上げを実施した企業の割合は 正社員で 66.1 % 非正規社員で 36.5% となり 昨年度より増加 賃金を引上げた企業の引上げ理由のうち 最も多かったものは 正社員 非正規社員ともに 人材の採用 従業員の引き留めの必要性 であったが 非正規社員では 最低賃金引上げのため が次いで多かった 正社員 非正規社員 回答企業に占める賃上げ企業の割合 (n=8,310) 回答企業に占める賃上げ企業の割合 (n=8,310) 賃上げ実施企業における賃金の引上げ理由 賃上げ実施企業における賃金の引上げ理由
平成 29 年 中小企業の雇用状況に関する調査 結果 ( 経済産業省実施 ) 6 中小企業 中小企業 30,000 社に調査票を送り 8,310 社 ( 回答率 27.7%) から回答を得た 賃金を引上げた企業のうち 平成 29 年度に月例給与を引上げた企業は 92.0% 賞与 一時金を増額した企業は 24.9% ととなり いずれも昨年度より増加 月例給与を引き上げた企業のうち ベースアップを行った企業も昨年よりも増加した 賃上げ実施企業における賃金の引上げ方法 月例給与の引上げ方法 月例給与の引上げ 91.3% 92.0% 賞与 一時金の増額 23.7% 24.9% 2.6% 2.9% 平成 28 年度 (n=4,905) 平成 29 年度 (n=5,495) 月例給与を引き上げた企業のうち 約 3 割の企業において賃金表等を含む賃金規定がないと回答 そのような場合 定期昇給 ベア 等の区分が困難なため 本グラフは 賃金表等を含む賃金規定がない企業を除いたもの
平成 29 年 中小企業の雇用状況に関する調査 結果 ( 経済産業省実施 ) 中小企業 同一労働同一賃金ガイドライン ( 案 ) の認知 (n=8,310) 同一労働同一賃金ガイドライン ( 案 ) への対応に関する懸念材料について (n=3,489) 25.2% 25.0% 40.4% 59.5% 81.3% 中小企業 30,000 社に調査票を送り 8,310 社 ( 回答率 27.7%) から回答を得た 同一労働同一賃金ガイドライン ( 案 ) について 本調査以前から 内容を含め知っていた 企業は 42.0% にとどまった 懸念材料として多かったのは 人件費の負担増 や 就業規則 賃金規定等の見直し であった 長時間労働の新たな上限規制については 本調査以前から 内容を含め知っていた 企業は 47.1% にとどまった 本調査によって内容を知った 企業も含め 新たな上限にかかる長時間労働なし と 対応できる見込み としたのは 83.0% であった また 対応が困難な企業の理由としては 人員不足 が最も多かった 同一労働同一賃金ガイドライン認知 人件費の負担増 就業規則 賃金規定等の見直し 従業員への説明責任 対応方法わからない 不安に思うことはない 42.0% 22.3% 30.7% 4.9% 内容含め知っていた本調査により知った内容は知らない無回答 時間外労働の新たな上限規制への対応 時間外労働の新たな上限規制の認知 (n=8,310) 時間外労働の新たな上限規制の認知 47.1% 24.9% 22.1% 5.9% 内容含め知っていた 本調査により知った 内容は知らない 無回答 時間外労働の新たな上限規制への対応 (n=5,940) 49.2% 33.8% 17.0% 83.0% 新たな上限にかかる長時間労働なし 対応できる見込み 対応が困難な見込み 時間外労働の新たな上限規制への対応困難な理由 (n=1,020) 人員不足 取引先からの短納期発注 急な対応の発生 0% 20% 40% 60% 80% 51.6% 61.2% 就業規則 賃金規定等の新規作成の必要性 24.4% 仕事の繁閑の差が大きい 50.0% 労使での話合いの進め方 労使での紛争 訴訟リスク 9.9% 18.8% 商慣習 業界の構造的問題利益が確保できない社内風土や文化の改善が困難 12.1% 33.3% 40.4% 5.2% 5.9% 7