「新体力テスト」のよりよい活用のために(1/2)

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平成 26 年度 全国体力 運動能力 運動習慣等調査の概要 平成 27 年 1 月 四條畷市教育委員会

平成 27 年度 全国体力 運動能力 運動習慣等調査の概要 平成 28 年 3 月 四條畷市教育委員会

調査結果の概要

平成25~27年度間

平成 27 年度全国体力 運動能力 運動習慣等調査愛媛県の結果概要 ( 公立学校 ) 調査期間 : 調査対象 : 平成 27 年 4 月 ~7 月小学校第 5 学年 ( 悉皆 ) 中学校第 2 学年 ( 悉皆 ) 男子 5,909 人男子 5,922 人 女子 5,808 人女子 5,763 人 本

スライド 1

2 調査人員 体力調査 性別 15 歳 16 歳 17 歳 18 歳 合計 男子 12,746 12,471 11, ,297 女子 12,519 12,125 11, ,586 合計 25,265 24,596 23, ,883 質問紙調査 性

スライド 1

平成 28 年度全国体力 運動能力 運動習慣等調査愛媛県の結果概要 ( 公立学校 ) 調査期間 : 調査対象 : ( 悉皆 ) 平成 28 年 4 月 ~7 月 小学校第 5 学年 中学校第 2 学年 男子 5,688 人 女子 5,493 人 男子 5,852 人 女子 5,531 人 本調査は

(3) 生活習慣を改善するために

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平成20年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果(概要)

はじめに 体力は 人間のあらゆる活動の源であり 健康維持のほか 意欲や気力の充実にも大きくかかわる まさに 生きる力 の基盤になるものであることから 本県の将来を担う子どもたちの体力を向上させることは大変重要だといえます 毎年 文部科学省が行ってきた 体力 運動能力調査 によると 子どもの体力は昭和

市中学校の状況及び体力向上策 ( 学校数 : 校 生徒数 :13,836 名 ) を とした時の数値 (T 得点 ) をレーダーチャートで表示 [ ] [ ] ハンドボール ハンドボール投げ投げ H29 市中学校 H29 m 走 m 走 表中の 網掛け 数値は 平均と同等または上回っているもの 付き

全国体力調査によって明らかになったこと

p 札幌市小学校).xls

高等学校第 2 学年保健体育科学習指導案 日時 : 平成 25 年 月 日 ( ) 第 校時対象 : 東京都立 高等学校第 2 学年 組男子 名 1 単元名 体つくり運動 2 単元の目標 (1) 次の運動をとおして 体を動かす楽しさや心地よさを味わい 健康の保持増進や体力の向上を図り 目的に適した運

(1) 体育・保健体育の授業を改善するために

本年度の調査結果を更に詳しく分析するため 本道の課題となっている質問紙の項目について 継続して成果を上げている福井県 秋田県 広島県と比較した結果を示しています ( 全国を 100 とした場合の全道及び他県の状況をレーダーチャートで示したもの ) 1 福井県との比較 (~P51) 継続的に成果を上げ

学校体育と幼児期運動指針の概要について

4 調査対象者数 実施人数及び実施率 公立小学校 205 校 公立中学校 97 校 公立全日制 34 校 定時制 9 校の児童生徒全員を対 象とした 実施人数及び実施率については 次の表及び図に示すとおりである 表. 各校種別調査対象者数 実施人数及び実施率 校種 年齢項目 性別等 小学校中学校 6

1 単位対象学年 組 区分 1 年 必修 奥村秀章 黒尾卓宏 晝間久美 保健体育 保健 我が国の健康水準 健康であるための成立要因や条件について理解させ 飲酒や喫煙等の生活習慣について考える 薬物乱用 感染症 エイズの予防対策の重要性について認識させる ストレス社会への対処の仕方や身

はじめに 本県では 児童生徒の体力向上に役立てることを目的に 平成 18 年度から体力 運動能力調査の全校調査を行い これまでの調査結果とその分析から 市町村教育委員会や各学校を含めた県全体の課題が明らかになってきました 県教育委員会では この課題解決に向けて 国の事業を活用した取組を推進させ 本年

上体おこし長座体前屈反復横跳持久走三年女子 上体おこし長座体前屈反復横跳持久走三年男子 力ンド力ンド幅跳び幅跳び保健体育科学習指導案 指導者三和中学校小浦麻美日時平成 23 年 9 月 30 日 ( 金 ) 第 5 校時 ( 三良坂中学校体育館 ) 学年三和中学校第 3 学年 23 名 ( 男子 9

都立小岩高等学校 全日制

2 31名 男子17名女子14名 の合計92名であった 図1は握力の発達をみたものであるが男女と 以下第1期生とする 第1期生の身長および体 もにほとんどのプロットは埼玉県標準値範囲内に 重の平均値を学年別男女別に表1に示した 存在していた 握力に関しては身長に相応した 表1 レベルであり特別な特徴

山梨県立白根高等学校 タバタ式補強運動 補強運動を行い体力を総合的に高める インターバルトレーニングを行い全身持久力を高める 5 月に実施した新体力テスト ( 上体起こし ) を 月に再測定して 回目では 5 月の回数よりも 月の回数が向上 維持した生徒の割合を 60% 以上にする 5 月に実施した

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H30全国HP

国民の体力・運動能力の長期的推移

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[ 中学校男子 ] 1 運動やスポーツをすることが好き 中学校を卒業した後 自主的に運動やスポーツをする時間を持ちたい 自分の体力 運動能力に自信がある 部活動やスポーツクラブに所属している 3 運動やスポーツは大切 [ 中学校女子

学習指導要領の領域等の平均正答率をみると 各教科のすべての領域でほぼ同じ値か わずかに低い値を示しています 国語では A 問題のすべての領域で 全国の平均正答率をわずかながら低い値を示しています このことから 基礎知識をしっかりと定着させるための日常的な学習活動が必要です 家庭学習が形式的になってい

School of Health &Physical Education University of Tsukuba

気仙沼市立小原木中学校の体力の向上の取組 1 校内での取組 (1) 教科体育での取組 1 準備運動の工夫体力運動能力テストの結果をもとに, 本校生徒の課題である柔軟性, 全身持久力, 瞬発力を向上させるため, 準備運動の中に課題克服のためのメニューを取り入れている できるだけ毎時間全種目を行えるよう

平成29年度体力・運動能力調査結果の概要及び報告書について

愛知教育大学保健体育講座研究紀要 No 文部科学省新体力テストのソフトボール投げにおける 巧緻性 の再考 1) 加藤玲香 2) 山下晋 平野 3) 朋枝 春日 1) 愛知教育大学非常勤講師 2) 岐阜聖徳学園大学短期大学部 3) 名古屋短期大学保育科 4) 愛知教育大学保健体育講

5 児童生徒質問紙調査 (~P23) (1) 運動に対する意識等 [ 小学校男子 ] 1 運動やスポーツを [ 小学校女子 ] することが好き 1 運動やスポーツをすることが好き H30 全国 H30 北海道 6 放課後や学校が休みの日に 運動部や地域のスポーツクラブ以外で運動やスポーツをすることが

全国調査からみる子どもの運動・スポーツの現状と課題

愛媛県学力向上5か年計画

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Taro-① 平成30年度全国学力・学習状況調査の結果の概要について

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

問 3 問 1 で複数種目を回答した場合 指導形態について該当するものを選んでください ( 問 1 で複数種目回答していない場合は回答不要 ) 1 学校が選択した複数種目をすべての生徒に履修させている 2 学校が提示した複数種目から生徒が選択して履修できるようにしている 3 その他 ( 具体的な指導

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

p.1~2◇◇Ⅰ調査の概要、Ⅱ公表について、Ⅲ_1教科に対する調査の結果_0821_2改訂

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< 調査の概要 > 1 調査の目的 (1) 子供の体力等の状況に鑑み 国が全国的な子供の体力 運動能力の状況を把握 分析することにより 子供の体力 運動能力の向上に係る施策の成果と課題を検証し その改善を図る (2) 各教育委員会 各国公私立学校が全国的な状況との関係において自らの子供の体力 運動能

する・みる・ささえるの スポーツ文化

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

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05 体育.xlsx 年間授業計画 /4 東京都立農芸高等学校平成 0 年度年間授業計画 教科 : 保健体育 科目 : 体育 単位数 : 単位 対象 : 第 学年 HABE 組 ~ HABE 組 使用教科書 : 出版社 大修館教科書名現代保健体育改訂版 使用教材 : なし 期末考査 男 女水泳体育理

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小学校の結果は 国語 B 算数 A で全国平均正答率を上回っており 改善傾向が見られる しかし 国語 A 算数 B では依然として全国平均正答率を下回っており 課題が残る 中学校の結果は 国語 B 以外の教科で全国平均正答率を上回った ア平成 26 年度全国学力 学習状況調査における宇部市の平均正答

平成20年度内部評価実施結果報告書《本編》

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沼津市スポーツ振興基本計画

-2-

平成18年度標準調査票

1 発達とそのメカニズム 7/21 幼児教育 保育に関する理解を深め 適切 (1) 幼児教育 保育の意義 2 幼児教育 保育の役割と機能及び現状と課題 8/21 12/15 2/13 3 幼児教育 保育と児童福祉の関係性 12/19 な環境を構成し 個々 1 幼児期にふさわしい生活 7/21 12/

平成23年度全国学力・学習状況調査問題を活用した結果の分析   資料

3 調査結果 1 平成 30 年度大分県学力定着状況調査 学年 小学校 5 年生 教科 国語 算数 理科 項目 知識 活用 知識 活用 知識 活用 大分県平均正答率 大分県偏差値

(3) 生徒観本クラスは 全体的に明るく活発で 指示されたことには素直に取り組む生徒が多い また 準備や片付け等も用具係や体育委員を中心に自主的に行う様子が伺える しかし ちょっとした困難にぶつかったり おもしろくないと感じるとすぐに投げ出してしまう生徒もいる また 運動能力や体力についてはやや差が

(6) 調査結果の取扱いに関する配慮事項調査結果については 調査の目的を達成するため 自らの教育及び教育施策の改善 各児童生徒の全般的な学習状況の改善等につなげることが重要であることに留意し 適切に取り扱うものとする 調査結果の公表に関しては 教育委員会や学校が 保護者や地域住民に対して説明責任を果

2 今年度の結果と取組みについて (1) 全国学力 学習状況調査 国語 国語 A 1 話すこと 聞くこと 2 書くこと 3 読むこと良好な結果であった 4 言語事項 国語 B 1 話すこと 聞くこと良好な結果であった 2 書くこと 3 読むこと 4 言語事項該当設問無し 1 選択式 2 短答式 3

3 睡眠時間について 平日の就寝時刻は学年が進むほど午後 1 時以降が多くなっていた ( 図 5) 中学生で は寝る時刻が遅くなり 睡眠時間が 7 時間未満の生徒が.7 であった ( 図 7) 図 5 平日の就寝時刻 ( 平成 1 年度 ) 図 中学生の就寝時刻の推移 図 7 1 日の睡眠時間 親子

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

Taro-07_学校体育・健康教育(学

(2) 国語 B 算数数学 B 知識 技能等を実生活の様々な場面に活用する力や 様々な課題解決のための構想を立て実践し 評価 改善する力などに関わる主として 活用 に関する問題です (3) 児童生徒質問紙児童生徒の生活習慣や意識等に関する調査です 3 平成 20 年度全国学力 学習状況調査の結果 (

中学校保健体育科シラバス 3 年間のねらい学習目標本校の体育は6 年間一貫教育をふまえて 中学 1 年 2 年においては基本技能を学び 安全に体育を実施していく基礎作りを行う また 中学 3 年 高校 1 年においては中学 1,2 年で学んだ基本技能を基に応用技能を身につけ さらに高度な身体運動 ス

(2) 学習指導要領の領域別の平均正答率 1 小学校国語 A (%) 学習指導要領の領域 領 域 話すこと 聞くこと 66.6(69.2) 77.0(79.2) 書くこと 61.8(60.6) 69.3(72.8) 読むこと 69.9(70.2) 77.4(78.5) 伝統的な言語文化等 78.3(

2 調査結果 (1) 教科に関する調査結果 全体の平均正答率では, 小 5, 中 2の全ての教科で 全国的期待値 ( 参考値 ) ( 以下 全国値 という ) との5ポイント以上の有意差は見られなかった 基礎 基本 については,5ポイント以上の有意差は見られなかったものの, 小 5 中 2ともに,

(2) 国語科 国語 A 国語 A においては 平均正答率が平均を上回っている 国語 A の正答数の分布では 平均に比べ 中位層が薄く 上位層 下位層が厚い傾向が見られる 漢字を読む 漢字を書く 設問において 平均正答率が平均を下回っている 国語 B 国語 B においては 平均正答率が平均を上回って

Microsoft Word - 05出力帳票詳細

解禁日時新聞平成 30 年 8 月 1 日朝刊テレビ ラジオ インターネット平成 30 年 7 月 31 日午後 5 時以降 報道資料 年月日 平成 30 年 7 月 31 日 ( 火 ) 担当課 学校教育課 担当者 義務教育係 垣内 宏志 富倉 勇 TEL 直通 内線 5

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

1. 調査結果の概況 (1) の児童 ( 小学校 ) の状況 < 国語 A> 今年度より, ( 公立 ) と市町村立の平均正答率は整数値で表示となりました < 国語 B> 4 国語 A 平均正答率 5 国語 B 平均正答率 ( 公立 ) 74.8 ( 公立 ) 57.5 ( 公立 ) 74 ( 公立

2 経年変化 ( 岡山平均との差の推移 ) (1) 中学校 1 年生で比較 ( 昨年度まで中学校 1 年生のみの実施のため ) 平成 26 年度平成 27 年度平成 28 年度平成 29 年度 国 数 語 学 基 礎 活 用 基 礎

策定にあたって 中央教育審議会答申 ( 平成 20 年 (2008 年 )1 月 17 日 ) では 体力は人間の活動の源であり 健康の維持のほか意欲や気力といった精神面の充実に大きくかかわっており 生きる力 の重要な要素である 子どもたちの体力の低下は 将来的に国民全体の体力低下につながり 社会全

PowerPoint プレゼンテーション

活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

①H28公表資料p.1~2

< 先生方へ > 長崎県学力向上推進協議会では 子どもに確かな学力をつけていくためには 何 が大切か また 学力の向上を阻害している要因は何かなどについて 検討を重ね ています その中から次のようなことが指摘されました 1 家庭で毎日決まった時間に学習をする習慣をつけることが大切である 2 食事や睡

領域別正答率 Zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz んんんんんんんんんんんんん 小学校 中学校ともに 国語 A B 算数( 数学 )A B のほとんどの領域において 奈良県 全国を上回っています 小学校国語 書く B において 奈良県 全国を大きく上回っています しかし 質問紙調査では 自分

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研究組織 研究代表者西山哲成 日本体育大学身体動作学研究室 共同研究者野村一路 日本体育大学レクリエーション学研究室 菅伸江 日本体育大学レクリエーション学研究室 佐藤孝之 日本体育大学身体動作学研究室 大石健二 日本体育大学大学院後期博士課程院生

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今年度は 創立 125 周年 です 平成 29 年度 12 月号杉並区立杉並第三小学校 杉並区高円寺南 TEL FAX 杉三小の子

Ⅰ 平 成 24 年 度 全 国 体 力 運 動 能 力 運 動 習 慣 等 調 査 について 1 調 査 の 概 要 (1) 目 的 子 どもの 体 力 が 低 下 している 状 況 にかんがみ 国 が 全 国 的 な 子 どもの 体 力 の 状 況 を 把 握 分 析 することにより 子 どもの

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

磐田市水道事業ビジョン

平成 28 年度全国学力 学習状況調査の結果伊達市教育委員会〇平成 28 年 4 月 19 日 ( 火 ) に実施した平成 28 年度全国学力 学習状況調査の北海道における参加状況は 下記のとおりである 北海道 伊達市 ( 星の丘小 中学校を除く ) 学校数 児童生徒数 学校数 児童生徒数 小学校

学校名 実践プログラム 体力向上 480 秒 全校長縄跳び 体育の授業前の持久力 筋力トレーニング 球技の授業での遠投力トレーニング 合同部活動での全身持久力 筋力アップトレーニング 1 全身持久力を高める 甲府市立北西中学校 重点項目 目標指標目標数値 ハンドボール投げ ( 巧

CONTENTS

体育に関するアンケート (8 月 24 名実施 ) では 体をうごかすことやうんどうはすきですか という質問に対して はい まあまあすき と答えた児童は 22 名 あまりすきではない と答えた児童が 2 名で きらい と答えた児童はいなかった どんなうんどうがすきですか という質問では 水遊び ボー

1 1,200m ,482,620m 1 323,825m 1 205,988m 114,988m 60,000m 31,000m ,837m ,158,795m ,340m 1 48,006m 1 33,016m 1,125m

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Transcription:

第 4 章 新体力テスト の よりよい活用のために 子どもの体力向上のための取組の成果は 新体力テスト を活用して評価することができます 全国体力 運動能力 運動習慣等調査 ( 全国体力調査 ) は 平成 10(1998) 年から実施されている 新体力テスト を用いて 子どもの体力の状況を把握分析し 子どもの体力向上のための継続的な PDCA( 計画 実行 評価 改善 ) サイクルを確立し 学校における体育 健康に関する指導に役立てることを目的としています この章では 新体力テストとは何か? 何を測定して 何を評価するのか? 取組の成果を評価するためには 新体力テストをどのように活用するのか? 計画的で継続的な取組を実行するために PDCA サイクルをどのように活用するのか? などについて解説します 新体力テスト を活用して 昭和 60(1985) 年頃の子どもの体力水準を上回るための新しい取組を あなたの学校から始めましょう! 1 子どもの体力 運動能力の向上の意義と新体力テストの活用 142 2 体力 運動能力を測定するテストの構成 145 3 新体力テストを用いて体力 運動能力を測る 147 4 新体力テストを実施する上での安全の確保 148 5 新体力テストを用いた全国体力調査の測定と評価 150 新体力テストは 基礎的運動要因である体力と 基礎的運動能力である運動能力を測定するために 統合し 構成されたものです 第 4 章では 測定項目等の解説を行う上で 体力と運動能力を区別して 体力 運動能力と表記しています

1 子どもの体力 運動能力の向上の意義と新体力テストの活用 (1) 運動習慣と生活習慣の改善を通して 体力 運動能力の向上を実現する 全国体力 運動能力 運動習慣等調査 ( 以下 全国体力調査 ) は 平成 10 年から実施さ れている 新体力テスト を用いて子どもの体力の状況を把握するとともに 日常生活に おける運動習慣及び基本的な生活習慣などの状況を把握し その改善を通して 体力 運 動能力を向上させることを目的としている 子どもの体力 運動能力の向上の目標は 子 どもの体力が過去において最も高かった 昭和 60 年頃の体力 運動能力水準 に回復させ さらに上回る水準に到達させることである そのためには 日常生活における運動習慣と 生活習慣の改善をさらに促進させることが必要となる 生活習慣の改善は 健康の三原則である 運動 食事 休養 ( 睡眠 ) を中心とした生 活習慣を見直すことである また 運動習慣の改善は 運動やスポーツを実践することを 中心として 運動時間を増大すること である そして 家庭においても スポーツをす ること スポーツを見る ( 観る ) こと や スポーツについて話すこと を生活の中に取 り込み 日常化 を促進することである 図 4-1 は 生涯にわたる体力 運動能力の平均的な推移と体力 運動能力向上の取組効果 の模式図である 横軸は年齢であり 出生時の 0 歳から 80 歳頃までの範囲である 縦軸は体 力 運動能力水準である 図 4-1 体力向上の取組と年齢による体力 運動能力の変化 赤い実線のグラフは 現状の 体力 運動能力の推移を示して いる 体力 運動能力は出生後 の 20 年間で発達するが 20 歳か ら 40 歳の 20 年間で緩やかに低下 し 40 歳以降では低下傾向が顕 著になる 緑の点線は 目標水準である 昭和 60 年水準を示している ま た 青い実線は 昭和 60 年水準を上回る体力 運動能力の生涯にわたる推移を示している 黄色の矢印は 赤い実線の推移が青い実線の推移となるような体力 運動能力向上の取 組を示している 小学生から中学生年代は 体格 体力 運動能力が大きく発達する時期 なので 体力 運動能力向上の取組を実施することにより 子どもの体力 運動能力の発 達が促進される その結果 体力 運動能力の大きな向上が可能となる この模式図が示すように 小学生から中学生年代における体力 運動能力水準の向上は 昭和 60 年以降の子どもの体力 運動能力低下問題を解決するだけに留まらず 生涯におけ る体力 運動能力の維持増進や 自立した活動的な生活を可能にすることとなる このこ とから小学生や中学生年代における運動習慣と生活習慣の改善を通した体力 運動能力向 上のための取組は 極めて重要な役割を果たすと言える 142/ 第 4 章 新体力テスト のよりよい活用のために

新体力テスト のよりよい活用のために子どもの体力向上のための取組ハンドブック /143 (2)PDCA サイクルで取組の目標の達成状況を評価する学校での体力 運動能力向上のための継続的な取組を推進し 取組の目標の達成を評価するために PDCAサイクルを実施し その評価に新体力テストを用いた全国体力調査を活用することができる 図 4-2に示されるように 子どもの体力向上のためのPDCA サイクルは Plan( 計画 ) Do ( 実行 ) C h e c k( 評価 ) Action( 改善 ) から構成されている 取組の目標と計画を立て 計画した取組を実行し 取組の目標の達成状況を評価し 評価に基づいて取組全体を改善する このようなPDCA サイクルを行うことで 学校が一丸となった取組を企画 運営していくことができる 図 4-2 子どもの体力向上のための PDCAサイクル 1)Plan( 計画 ) PDCAサイクルは 一般的には Plan( 計画 ) から始める 前年度の評価の結果や意見 要望 及び調査 アンケート等の結果の検討を踏まえ 学校における教育課程の編成やそれに基づいた具体的かつ明確な目標を設定する そして その目標を達成するために必要第4 章な評価の計画等を含めた実施計画を作成する また 授業においては具体的な指導計画や 指導案等を作成するなどの計画を立案する 子どもの体力 運動能力の向上を展開する実施計画では 図 4-3 に示す 7 つの要因から検 討することが効果的である 図 4-3 計画に必要な 7 つの要因 1 人的要因は 仲間 教員 保護者 地域のスポーツ指導者などである 2 空間的要因は 運動場 体育館 水泳プールなどの体育施設 スポーツ施設 運動遊び空間などである 3 時間的要因は 運動やスポーツなどの時間である 4 活動的要因は 実施する活動内容 スポーツ活動のプログラムなどである

5 環境的要因は 交通のアクセシビリティなどの社会環境要因と気温 湿度 天候などの自然環境などである 6 経費的要因は 活動を実施するための予算 資金調達などである 7サービス 情報要因は 教育委員会や地域の関係団体などから受けるサービス インターネットから入手できる情報 家庭や地域との連携のための情報などである 2)Do( 実行 ) PDCAサイクルの Do( 実行 ) 段階では 計画を踏まえた教育活動や取組を実施する ここでは 実施に関する情報等についても日常的 組織的に収集 整理する また 実施中に 計画段階で検討した7つの要因や取組の状況を確認しながら 実施内容を修正したり変更したりすることが求められる 授業においては 計画を踏まえて実際に教育活動を行う その中では 児童生徒の反応等を見ながら 目標を達成するために修正を行うことが求められる 3)Check( 評価 ) PDCAサイクルの Check( 評価 ) 段階では 計画された目標の達成状況や達成に向けた取組の状況を把握 整理し これまで進めてきた取組が適切かどうか等を評価する 体力向上の取組の達成状況を評価するには 新体力テストを用いた全国体力調査を活用することができる これにより 子どもの体格 体力 運動能力 及び運動 スポーツの習慣 基本的な生活習慣 学校の取組状況などに関して 取組による改善の効果や体力 運動能力向上の目標に対する達成状況を評価することができる また 新体力テストの評価では 5 段階の総合評価の (A+B) (D+E) 率 を指標として活用することが効果的である D 段階 と E 段階 が減少し A 段階 と B 段階 が増加することで 学校における体力 運動能力の向上の成果を評価することができる 4)Action( 改善 ) PDCAサイクルの Action( 改善 ) 段階では 取組の達成状況についての評価結果を基に 学校における取組全体について 修正や変更を行うなど 向上に必要な改善を行う つまり 取組の計画全体における人員 施設 設備 経費 日程などの要因に加えて 児童生徒の現状に応じた授業改善や課題に応じた指導など 一層取組の効果が上げられるように 修正 改善することが重要である 5) 活用シート 子どもの PDCA サイクル全国体力調査では 活用シート を児童生徒に配布している 活用シート は 児童生徒一人一人が運動習慣や生活習慣を改善することを通して 体力 運動能力を向上するために用いることを目的としている 活用シート を使用して 児童生徒は1 週間の総運動時間 朝食摂取状況 睡眠時間の現状を記入して観察し 改善点を見つけて 運動時間を増やすことを目標とした生活習慣の見直しを計画することができる 目標達成を評価して 再度 新しい改善点を見つけることで 児童生徒自身が PDCAサイクルを活用することにつながる 144/ 第 4 章 新体力テスト のよりよい活用のために

力テスト のよりよい活用のために子どもの体力向上のための取組ハンドブック /145 こうした活動によって 運動習慣や生活習慣の改善を通した体力 運動能力の向上が図 られるとともに 活用シート が教材として使用されることで 児童生徒の問題解決能力 も育成することができる 2 体力 運動能力を測定するテストの構成 (1) 体力 運動能力を測る実技テスト図 4-4は 運動能力の領域と各種テストとの対応関係を示している 運動能力の領域は 上位の領域から順に スポーツ技能 基礎的運動能力 基礎的運動要因 身体の構造と諸器官の機能から構成される 階層的に構成された運動能力の 4つの領域に対応して 4つのテストが構成された 上位の領域から順に対応するテストは次のとおりである スポーツ技能を測定する実技テストは 競技種目別テスト である バスケットボールの シュートテストやドリブルテストなどであり 各競技種目別の スキルテスト として活用 されている 第4 章 図 4-4 運動能力の領域と各種テストとの対応関係 基礎的運動能力を測定する実技テストは 運動能力テスト であり 基礎的運動要因を 測定する実技テストは 体力診断テスト である 昭和 39 年から平成 9 年まで実施されてい たスポーツテストは この運動能力テストと体力診断テストから構成されていた このスポー ツテストをもとに 体力要素が重複する項目を整理し 対象年齢を拡大することを目的とし て 新しい科学的根拠に基づいて作成されたのが 新体力テスト である 身体の構造と諸器官の機能を測定するテストは 形態測定 器官の機能テスト である 新体

(2) スポーツテストと新体力テストとの対応関係表 4-1は スポーツテスト項目と新体力テスト項目との対応関係を示している 平成 10 年から新しく実施されている新体力テストは スポーツテストの運動能力テストと体力診断テストを統合した 体力 運動能力を測定する 8 項目から構成されている スポーツテストと新体力テストにおいて共通する実技テスト項目は 小学 5 年生では握力 50m 走 ソフトボール投げ 反復横とび (100cm) であり 中学 2 年生では握力 50m 走 ハンドボール投げ 持久走 ( 男子 1500m 女子 1000m) である 表 4-1 スポーツテストと新体力テストとの対応関係 (6 19 歳 ) スポーツテスト (~ 平成 9 年度 ) 新体力テスト ( 平成 10 年度 ) 6~9 歳 ( 昭和 58 年度 ~) 10 11 歳 ( 昭和 40 年度 ~) 6 ~ 11 歳 握力立位体前屈 50m 走 50m 走立ち幅とび走り幅とびソフトボール投げソフトボール投げ反復横とび (100cm) 踏み台昇降運動とび越しくぐり持ち運び走斜懸垂腕屈伸ジグザグドリブル連続さか上がり垂直とび背筋力伏臥上体そらしスポーツテスト 12 ~ 19 歳 ( 昭和 39 年度 ~) 握力立位体前屈 50m 走走り幅とびハンドボール投げ反復横とび (120cm) 持久走 ( 男子 1500m 女子 1000m) 踏み台昇降運動垂直とび背筋力伏臥上体そらし懸垂腕屈伸 ( 斜懸垂 ) 握力上体起こし長座体前屈 50m 走立ち幅とびソフトボール投げ反復横とび (100cm) 20mシャトルラン ( 往復持久走 ) 12~19 歳握力上体起こし長座体前屈 50m 走立ち幅とびハンドボール投げ反復横とび (100cm) 持久走 ( 男子 1500m 女子 1000m) または 20mシャトルラン ( 往復持久走 ) ( 注 ) 赤字はテスト項目の継続を表す 146/ 第 4 章 新体力テスト のよりよい活用のために

新体力テスト のよりよい活用のために子どもの体力向上のための取組ハンドブック /147 3 新体力テストを用いて体力 運動能力を測る (1) 新体力テストが測定する体力 運動能力表 4-2は 新体力テストのテスト項目と 運動能力評価 体力評価 運動特性のそれぞれの対応関係を示している この表から 新体力テスト 8 項目が測定する体力 運動能力と運動特性を総合して理解することができる 表から分かるように 8 項目の実技テスト項目に対応して 運動能力評価では 走跳投に関わる 走能力 跳躍能力 投球能力 の3つの運動能力を評価する また 体力評価では スピード 全身持久力 瞬発力 巧緻性 筋力 筋持久力 柔軟性 敏捷性 の8つの体力要因を評価する 表 4-2 新体力テスト項目と評価内容の対応関係 テスト項目運動能力評価体力評価運動特性 50m 走走能力スピードすばやく移動する能力すばやさ力強さ 持久走走能力全身持久力運動を持続する能力ねばり強さ 20m シャトルラン走能力全身持久力運動を持続する能力ねばり強さ 立ち幅とび跳躍能力瞬発力すばやく動き出す能力力強さタイミングの良さ ボール投げ 投球能力 巧緻性 瞬発力 運動を調整する能力すばやく動き出す能力 力強さ タイミングの良さ 握力 筋力 大きな力を出す能力 力強さ 上体起こし筋力大きな力を出す能力筋持久力筋力を持続する能力 力強さ ねばり強さ 長座体前屈 柔軟性 大きく関節を動かす能力 体の柔らかさ 反復横とび 敏捷性 すばやく動作を繰り返す能力 すばやさ タイミングの良さ ねばり強さ : 動きを持続する能力 小学生では 20m シャトルラン 中学生では持久走と 20m シャトルランのどちらかを選択 (2) 新体力テスト項目の運動特性 第4 章表 4-2に示すテスト項目と運動特性の関連について 運動特性のまとまりごとに示したの 図 4-5 新体力テストが測定する運動特性 ( 活用シートから ) できる が図 4-5である 新体力テスト 8 項目の運動特性 ( 動きの特性 ) は すばやさ 動きを持続 する能力 ( ねばり強さ ) タイミングの良さ 力強さ 体の柔らかさ の 5 つに整理する ことができる この運動特性の観点から体力を捉え 指導に活用することができる 5つの運動特性ごとに見てみると すばやさ は 反復横とびと 50m 走の測定値から評 価することができる 同様に 動きを持続する 能力 ( ねばり強さ ) は 上体 のうり く 起こし 20m シャトルラン 持 久走 ( 中学生では 20m シャト は くは くは ルランと持久走 男子 1500m 女子 1000m から選択 ) で評 や 価することができる タイミングの良さ は ち う たい くつ あくり く は 反復横とび 立ち幅とび ボール投げの 3 項目から評価

力強さ は 握力 上体起こし ボール投げ 50m 走 立ち幅とびの 5 項目から評価できる 体の柔らかさ は 長座体前屈で評価できる このように 新体力テスト項目の測定値を これらの運動特性ごとの状況で把握することにより 体育 保健体育での学習や日常生活における運動やスポーツ活動を通した効果的な指導改善に役立てることができる 表 4-3は 学習指導要領における体育及び保健体育の運動の領域と新体力テスト項目の運動特性との関連を示している 例えば 中学校 1 2 年生の体育の授業では 運動特性の一つである動きの すばやさ は 主として 体つくり運動 陸上運動 水泳 球技 武道の領域により向上することが考えられる その中の球技の領域の内容の一つであるゴール型では 攻撃と守備における対人的な運動の中で 動きの すばやさ が高められることが期待されるなど 授業における指導の中で運動特性を理解した上での工夫をすることが望まれる また 表のように 運動特性は一つの領域や動きのみで高められるものではなく 例えば タイミングの良さ のように すべての領域によって高められるものもあるなど 発達の段階や学校 地域の特性などを踏まえて 運動領域全体において総合的に指導することが求められる また 授業以外の体力向上の取組においても 実施する内容の特性を理解し 5つに分類された運動特性の観点を指導に生かしていくことが重要である 表 4-3 学習指導要領における運動の領域と新体力テスト項目の運動特性との関連 動きを持続する能力学年運動の領域すばやさタイミングの良さ力強さ体の柔らかさ ( ねばり強さ ) 体つくり運動 器械運動 小学陸上運動 5 6 年水泳 ボール運動 表現運動 体つくり運動 器械運動 陸上運動 中学水泳 1 2 年球技 武道 ダンス 4 新体力テストを実施する上での安全の確保 学校における児童生徒の安全の確保を図るためには 学校保健安全法の規定等を踏まえて 危険の防止と事故等の発生時に適切に対処する必要がある また 体育活動中の事故防止のためには 危険性の事前確認や用具等の安全確認を行い 万一に備えた救急処置の明確化や危機管理の体制の確立が必要である ここで 新体力テストを実施するに当たり 事故を防止するために 事前の準備 当日の準備 実施中に分けて その留意点について解説する (1) 新体力テスト実施までの準備 新体力テストの測定では 児童生徒が良好な健康状態と体調で臨み 持てる能力を発揮 148/ 第 4 章 新体力テスト のよりよい活用のために

新体力テスト のよりよい活用のために子どもの体力向上のための取組ハンドブック /149 するとともに 安全に実施することが極めて重要である スポーツ活動時での 突然死 を含む事故が起きた事例では 循環器の異常に起因する場合が多い 事故を未然に防止して 新体力テストを安全に実施するためには 1 健康診断を実施すること 2 前日及び数日前の運動 食事 睡眠などの生活習慣と体調管理の指導と確認 3 新体力テスト実施要項 を基に 新体力テスト項目に関する十分な説明と 計画的な準備などの実施が重要である (2) テスト当日の準備安全に新体力テストを実施するために テスト当日は 体調を確認することが重要である 体調を確認する項目としては 1 熱は出ていないか ( 発熱 かぜ症状 顔色 ) 2 下痢はしていないか ( 排便 脱水症状 ) 3からだの痛みはないか ( 関節痛 筋肉痛 頭痛 胸痛 腹痛 ) 4だるさはないか ( 倦怠感 疲労感 ) 5やる気はあるか ( 意欲低下 悩み ) 6 昨日はよく眠れたか ( 睡眠不足 ) 7 昨日の夕食と今日の朝食はいつもどおりに食べたか ( 食欲不振 ) などである 加えて 十分な準備運動を実施して 再度 実施直前に体調の不良がないかを確認することが重要である (3) テスト実施中の留意点新体力テスト実施中の安全のための留意点は 1 水分を適切に摂取する 2テスト間で適切な休憩をとり 回復を待つ 3 体調が悪化した場合には すみやかにテストを中止する 4 過度な競争はしない などが重要である 水分摂取は運動時の体温調節に効果があり 熱中症 を予防することができる 新体力テストの実施による体調の悪化を確認する観察ポイントは 1 気持ちが悪くなった ( 気分不良 ) 2 顔色が悪くなった ( 顔色 ) 3 呼吸がはやくなった ( 呼吸状態 ) 4 脈拍がはやくなった ( 脈拍数 ) 5 動きがにぶくなった ( 動作の状態 ) などである 測定者や補助等をする人は テストを実施する人の動作や顔色に注意して 少しでも異 常を感じた時には体調を確認することが重要である 第4 章

図 4-6 新体力テストを用いた全国体力調査の内容構成 5 新体力テストを用いた全国体力調査の測定と評価 (1) 新体力テストを用いた全国体力調査の内容構成図 4-6に示されるように 全国体力調査は 新体力テストを用いて 児童生徒を対象とする運動習慣 生活習慣 体育 保健体育授業などに関する調査内容と 学校を対象とする調査内容から構成されている その内容は 継続して調査する項目と 各年度ごとに異なる項目がある (2) 新体力テストで体力 運動能力を測る 1) 実技テストで 力を出し切って 体力 運動能力を測る表 4-4は 全国体力調査で用いている新体力テストの調査項目記録票 ( 小学校 ) である 握力以下 8 項目の測定値と得点 得点合計 そして総合評価を記入する 上体起こし 20mシャトルラン ( 往復持久走 ) 50m 走と中学生の持久走は1 回の測定値を記録し 他の項目では 2 回の測定値を記録する 測定を2 回行う実技項目では 十分な休息をはさんで 力を出し切って の測定を 2 回実施し 良い方の測定値を採用する そのうち握力は 左右を2 回ずつ測定し 左右各々の良い方の測定値の平均値を記入する これらの記録を項目別得点表に基づいて得点化する なお 実技テスト実施の際には 安全の確保について十分な注意を払うことに留意する 150/ 第 4 章 新体力テスト のよりよい活用のために