新都市社会技術融合創造研究会研究プロジェクト 事前道路通行規制区間の解除のあり方に関する研究

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平成 29 年 7 月 20 日滝川タイムライン検討会気象台資料 気象庁札幌管区気象台 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 大雨警報 ( 浸水害 ) 洪水警報の基準改正 表面雨量指数の活用による大雨警報 ( 浸水害 )

土砂災害警戒情報って何? 土砂災害警戒情報とは 大雨警報が発表されている状況でさらに土砂災害の危険性が高まったときに, 市町村長が避難勧告等を発令する際の判断や住民の方々が自主避難をする際の参考となるよう, 宮城県と仙台管区気象台が共同で発表する防災情報です 気象庁 HP より :

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あおぞら彩時記 2017 第 5 号今号の話題 トリオ : 地方勤務の先輩記者からの質問です 気象庁は今年度 (H 29 年度 )7 月 4 日から これまで発表していた土砂災害警戒判定メッシュ情報に加え 浸水害や洪水害の危険度の高まりが一目で分かる 危険度分布 の提供を開始したというのは本当ですか

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目次 1 降雨時に土砂災害の危険性を知りたい 土砂災害危険度メッシュ図を見る 5 スネークライン図を見る 6 土砂災害危険度判定図を見る 7 雨量解析値を見る 8 土砂災害警戒情報の発表状況を見る 9 2 土砂災害のおそれが高い地域 ( 土砂災害危険箇所 ) を調べたい 土砂災害危険箇所情報を見る

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Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

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資料 4 安全 安心の確保 ~ 道路の防災 震災対策 ~ Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

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~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

重ねるハザードマップ 大雨が降ったときに危険な場所を知る 浸水のおそれがある場所 土砂災害の危険がある場所 通行止めになるおそれがある道路 が 1 つの地図上で 分かります 土石流による道路寸断のイメージ 事前通行規制区間のイメージ 道路冠水想定箇所のイメージ 浸水のイメージ 洪水時に浸水のおそれが

ハザードマップポータルサイト広報用資料

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気象庁 札幌管区気象台 資料 -6 Sapporo Regional Headquarters Japan Meteorological Agency 平成 29 年度防災気象情報の改善 5 日先までの 警報級の可能性 について 危険度を色分けした時系列で分かりやすく提供 大雨警報 ( 浸水害 )

国土交通省近畿地方整備局 Kinki Regional Development Bureau Ministry of Land Infrastructure, Transport and Tourism 近畿地方整備局配布日時平成 26 年 1 月 29 日資料配布 14:00 件名 2 月は 国道

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ダムの運用改善の対応状況 資料 5-1 近畿地方整備局 平成 24 年度の取り組み 風屋ダム 池原ダム 電源開発 ( 株 ) は 学識者及び河川管理者からなる ダム操作に関する技術検討会 を設置し ダム運用の改善策を検討 平成 9 年に設定した目安水位 ( 自主運用 ) の低下を図り ダムの空き容量

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リサーチ ダイジェスト KR-051 自然斜面崩壊に及ぼす樹木根系の抑止効果と降雨時の危険度評価に関する研究 京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻特定教授杉山友康 1. はじめに 鉄道や道路などの交通インフラ設備の土工施設は これまでの防災対策工事の進捗で降雨に対する耐性が向上しつつある一方で

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試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 29 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

目次 1. はじめに 1 2. 協議会の構成 2 3. 目的 3 4. 概ね5 年間で実施する取組 4 5. フォローアップ 8

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

記者発表資料 平成 29 年 1 月 12 日東北地方整備局仙台管区気象台 大雪に対する緊急発表について 今週末にかけての大雪に備え ドライバー等の皆様への呼び掛けについてお知らせします 東北地方では 15 日頃にかけて大雪が継続し 猛吹雪となるところがある見込みです 14 日 ~15 日頃にかけて

避難勧告等の 判断 伝達マニュアル ( 土砂災害編 ) ひと 緑がかがやく田園と交流のまち 安全に安心して暮らせるまちの実現に向けて ( 概要版 ) 平成 26 年 9 月 1 日 北海道長沼町

試行の概要 試行の目的石狩川滝川地区水害タイムライン ( 試行用完成版 ) を試行的に運用することにより 対応行動や実施手順を確認するとともに 運用結果を検証し 同タイムラインを精査することを目的とする 試行の概要 実施時期 : 平成 30 年出水期 (8 月 ~10 月ごろ ) 実施場所 : 各主

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平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

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風化途中でも 雨で崩れる可能性が高い 雨 風化 (Weathering)

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( 熊本県防災情報メールサービスに関すること ) 熊本県危機管理防災課電話

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学識経験者による評価の反映客観性を確保するために 学識経験者から学術的な観点からの評価をいただき これを反映する 評価は 中立性を確保するために日本学術会議に依頼した 詳細は別紙 -2 のとおり : 現時点の検証の進め方であり 検証作業が進む中で変更することがあり得る - 2 -


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国土技術政策総合研究所 研究資料

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今後の進め方について

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東日本大震災 (H ) 地震時の情報収集や提供に関する課題 国 地方公共団体などが連携した被災者や物資輸送者への交通関係情報の提供 大震災直後は 各管理者から別々に通行止め情報等が提供されたため 被災地までの輸送ルートの選定が困難な状況 国が集約して提供を始めたのは10 日以上過ぎた3/

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チェーン規制区間 < 区間 > せいよしうわちょうおおずしきたただ国道 56 号 : 愛媛県西予市宇和町 ~ 愛媛県大洲市北只 ( 延長 7.0km) ( 別紙 1~4 のとおり ) < 規制内容 > 大雪特別警報 が発表され 冬用タイヤでの走行が困難な路面状況になった場合に 従来であれば通行止めと

( 施設名 ) における 土砂災害時の避難確保計画 各施設の状況に応じて 赤字部分を修正してください 福祉施設 医療機関両方で使用できる内容にしています 不要な部分は削除してください 施設の状況に応じて内容を追加してください ( 提出時 このテキストボックスは削除してください ) 平成 年 月

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チェーン規制区間 別紙 近畿地方整備局 関東地方整備局 E19 国道 138 号 山中湖村平野 ~ 小山町須走字御登口 中央道 飯田山本 IC ~ 園原 IC 直轄国道 高速道路 直轄国道 都道府県 路線番号 箇所名 区間 延長 (km) 道路管理者 山梨県静岡県 やまなかこすばしりやまなかこむらひ

土砂災害避難 訓練ムービー 使い方マニュアル

長野県松本市松岡IC永平寺参道IC永平寺IC福井北JCT ICまつおかふくいきたえいへいじさんどうえいへいじえいへいじ中部縦貫自動車道永平寺 おおの大野 道路 ふくいきたまつおか ( 福井北 JCT IC~ 松岡 IC 間 ) の開通について 事業概要 まつもと おくえつ 国道 158 号中部縦貫自

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第三者による品質証明制度について 参考資料 Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

平成 28 年度 支笏湖特有の気象特性に対する 維持管理の検討 札幌開発建設部千歳道路事務所 新保貴広 札幌開発建設部千歳道路事務所 吉田昭幸 札幌開発建設部千歳道路事務所 樋口侯太郎 一般国道 453 号を管理する千歳道路事務所では 支笏湖の越波発生により 度々通行規制を実施している 淡水湖におけ

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実施概要 平成 5 年度第 回災害対策等緊急事業推進費 ( 主な対策の ). 梅雨前線に伴う豪雨により被害を受けた地域における対策 5 件 674 百万円 ( 国費 ) 具体的には ()~(5) のとおり () 河川 ( 補助 ) (5) 国道 ( 直轄 ) よどがわすいけいふるかわ 平成 5 年

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火山活動解説資料平成 31 年 4 月 19 日 19 時 40 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベル2( 火口周辺規制 ) が継続 > 中岳第一火口では 16 日にごく小規模な噴火が発生しました その後 本日 (19 日 )08 時 24

資料1-4気象庁資料

2 6.29災害と8.20災害 空中写真による災害規模の比較 5 土石流流出位置 災害時の空中写真 3 3 平成26年8月豪雨による広島土砂災害 三入の雨量グラフ 災害時の空中写真 可部地区 山本地区 八木 緑井地区 三 入 では雨量 強度 8

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分野毎の検討における体制・検討フロー(案)

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平成14年3月11日

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災害復旧制度の目的と沿革 目的 自然災害により被災した公共土木施設を迅速 確実に復旧する 対象施設 河川 海岸 砂防設備 林地荒廃防止施設 地すべり防止施設 急傾斜地崩壊防止施設 道路 港湾 漁港 下水道 公園 沿革 古くは明治 14 年より予算補助の形での国庫補助 明治 32 年 災害準備基金特別

資料4 検討対象水域の水質予測結果について

1. 災害の発生を未然に防止するため 防災事務に従事する者の安全確保にも留意した上で 職員の参集や災害対策本部の設置等適切な災害即応態勢の確保を図り 関係機関との緊密な連携の下に 特に以下の取組について万全を期すること 1 危険箇所等の巡視 点検の徹底河川等の氾濫 がけ崩れ 土石流等災害発生のおそれ

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土砂災害防止法ホームページの改造について

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国土交通省近畿地方整備局 Kinki Regional Development Bureau Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 近畿地方整備局 資料配布 配布日時 平成 29 年 12 月 22 日 14 時 00 分 件 名 科的根拠に基づいた通行規制基準の検討について ~ 事前通行規制区間の災害捕捉率向上に向けた取り組み ~ 近畿地方整備局では 新都市社会技術融合創造研究会において が一体となり 土中の残留水分量を考慮した新たな指標など 科的根拠に基づく通行規制基準の導入にむけた取り組みを実施しています 新都市社会技術融合創造研究会 社会資本の整備 維持 管理に関わる の連携 協力に よる新しい技術の研究 普及等に関する事業を行う研究会 http://www.kkr.mlit.go.jp/road/shintoshikenkyukai/ 概 要 近年 気象の変化から集中豪雨 (1 時間降水量 50mm 以上 ) 年間発生件数は 1.4 倍となっており 突然の大雨により土砂災害等が発生し 道路が通行止めになるなど 従来あまり見られなかった形態の災害が増えています 平成 27 年 6 月より 新しい通行規制方法 ( 連続雨量と時間雨量の組合せ ) での試行を 3 箇所で実施していますが 更なる災害捕捉率を向上するための取り組みとして 検討を進めているところです たけのくちや京 現在 連続雨量による規制を実施している兵庫県洲本市炬口ぬかた都府福知山市額田をモデルとして検討進めています 取扱い - 配布場所 近畿建設記者クラブ 大手前記者クラブ 問合せ先 国土交通省近畿地方整備局道路部たけうちともあき道路管理課課長竹内智明 たけた よしひろ 課長補佐竹田佳宏電話 06-6941-2500 FAX 06-6949-0867

新都市社会技術融合創造研究会研究プロジェクト 事前道路通行規制区間の解除のあり方に関する研究

2/10 研究目的 本研究プロジェクトでは, 事前通行規制区間において 科的根拠に基づいた通行規制の導入にむけた検討を実施しております 土中の残留水分量を考慮した新たな指標について検討することとしており 地盤工, 斜面防災, 砂防工, 気象, 現地計測, 数値解析の知見に基づいた, 時間的 空間的 解除基準の設定方法を下記の3つのWGにおいて検討を進めます 事前道路通行規制区間の解除のあり方に関する研究全体会議 WG1 WG2 WG3 研究統括 プロジェクトリーダー鳥居宣之 ( 神戸市立工業高等専門校 ) 顧問沖村孝 ( 一般財団法人建設工研究所 ) WG1: 降雨特性評価研究 WG WG リーダー谷口博 : 神戸市立工業高等専門校 WG 幹事鳥居宣之 : 神戸市立工業高等専門校 WG メンバー小泉圭吾 : 大阪大大院櫻谷慶治 : 大阪大大院 ( 株 ) 気象工研究所応用地質 ( 株 ) 明星電気 ( 株 ) 近畿地方整備局 WG2: 時間的 解除基準検討 WG WG リーダー小田和広 : 大阪大大院 WG サブリーダー小山倫史 : 関西大 WG メンバー小泉圭吾 : 大阪大大院藤本将光 : 立命館大地球観測 ( 株 ) i システムリサーチ ( 株 ) ( 株 ) アーステック東洋計測技研 ( 株 ) 近畿地方整備局 WG3: 空間的 解除基準検討 WG WG リーダー鳥居宣之 : 神戸市立工業高等専門校 WG 幹事鏡原聖史 :( 株 ) ダイヤコンサルタント WG メンバー国際航業 ( 株 ) 復建調査設計 ( 株 ) 応用地質 ( 株 ) 近畿地方整備局

3/10 研究計画 WG2 WG3 WG1 平成 28 年度 平成 29 年度 平成 30 年度

検討箇所 検討箇所 国道 9 号京都府福知山市額田国道 28 号兵庫県洲本市炬口 テレメータデータならびに通行規制区間近傍の気象庁アメダスデータなどと通行規制実績データを用いて, 通行規制区間の規制実績とその際の降雨状況 ( 降雨継続時間と総降水量の関係, 降雨波形の特徴 ) などから通行規制区間の降雨特性を明らかにするとともに 土中の水分量計測データと数値シミュレーション技術を連携し 通行規制区間の新たな基準の検討を実施 あわせて 災害発生危険箇所と被災規模等を定量的に評価しその結果に基づく区間の解除の検討を実施 国道 9 号京都府福知山市額田国道 28 号兵庫県洲本市炬口 本研究会での検討箇所新都市社会技術融合創造研究会 : 事前道路通行規制区間の解除のあり方に関する研究 4/10

5/10 今後の検討方針 時間的 解除基準の検討 ( 降雨による法面の水分量の考慮し規制時間を必要最小限にする ) 通行止め時間の適正化を図るためには, 現状の降雨量のみを指標とした解除基準ではなく, 降雨中および降雨後の斜面 のり面の水分環境を考慮 した解除基準の設定が必要 土中の水分環境を把握するためには, 現地計測や計測結果に基づく数値シミュレーションが必要不可欠 降雨の観測 予測データならびに土中の水分量計測データと数値シミュレーション技術を連携させることで土中の水分情報と安定度評価を組み合わせた通行止めの解除基準を提案 空間的 解除基準の検討 ( 道路区域外からのもらい災害の評価について ) 空間的 解除を図る上で, 国土交通省通達の三要件 ( 対策完了 安全確認 降雨経験 ) に加えて, 管理区域外からのもらい災害に対する安全性の 評価も必要 通行規制区間の道路沿いだけでなく, 道路に影響を及ぼす可能性のある範囲も含めた落石, 表層崩壊, 土砂流出などの斜面災害に対して, その災 害発生危険箇所と被災規模等を定量的に評価 ( 平成 29 年度 ) するとともに, それらに対する対策工の定量的評価結果に基づく解除基準を提案 通行規制区間の降雨特性の把握と雨量観測体制の評価 ( 降雨特性の把握と通行規制について ) 通行規制区間における近年の降雨特性の検討 実地観測データを活用して, 雨量観測体制の現状評価と課題抽出 連続雨量とは異なる規制 解除雨量指標の検討 土壌雨量指数 ( 土砂災害警戒情報 ) や実効雨量と連続雨量に基づく通行規制 解除の比較

平成 23 年 (2011) 台風第 15 号の際の降雨の状況すもとしたけのくち < 国道 28 号兵庫県洲本市炬口 > 連続雨量 (mm) 400 400 300 300 200 200 100 100 連続雨量 土壌雨量指数 事前通行規制基準 ( 連続雨量 ) の関係 連続雨量 土壌雨量指数 事前通行規制基準 ( 連続雨量 ) の関係 連続雨量 ( 兵庫国道事務所のデータより ) 事前通行規制基準事前通行規制基準 ( 連続雨量連続雨量 :160mm)) :160mm)) 土壌雨量指数土壌雨量指数 ( 気象庁のデータ気象庁のデータより ) 土壌雨量指数は先行降雨の影響が加味される 連続雨量では 災害発生までの時間が短い 先行降雨を考慮した土壌雨量指数を利用するとより安全に通行止めができる可能性がある 土砂災害警戒情報の発表基準 (CL) を超過 規制雨量 ( 連続 160mm) を超過 9 月 20 日 10 時頃盛土崩壊発生 400 400 300 300 200 200 100 100 土壌雨量指数 0 2011/9/16 0:00 2011/9/16 6:00 2011/9/16 12:00 2011/9/16 18:00 2011/9/17 0:00 2011/9/17 6:00 2011/9/17 12:00 2011/9/17 18:00 2011/9/18 0:00 2011/9/18 6:00 2011/9/18 12:00 2011/9/18 18:00 2011/9/19 0:00 2011/9/19 6:00 2011/9/19 12:00 2011/9/19 18:00 2011/9/20 0:00 2011/9/20 6:00 2011/9/20 12:00 2011/9/20 18:00 2011/9/21 0:00 2011/9/21 6:00 2011/9/21 12:00 2011/9/21 18:00 2011/9/22 0:00 0 1 全面通行止め 実績 :9/20 9:20~9/21 11:10(26 時間 ) 2 土砂災害警戒情報発表基準超過 : 9/20 6:00~9/20 17:00(12 時間 ), 9/21 4:00(1 時間 ) 3 時間程度の差がある 新都市社会技術融合創造研究会 : 事前道路通行規制区間の解除のあり方に関する研究 その後に 1 時間超過している時間があるが 18 時間程度の差がある 6/10

7/10 平成 23 年 (2011) 台風第 15 号に伴う被災状況 盛土崩壊 (1 箇所 ) 土砂流出 (5 箇所 ) が発生 盛土崩壊土砂流出 写真 1 写真 2 写真 3 事前通行規制区間 ( 炬口 ) L=2.9km 写真 1 写真 2 写真 3 番号 距離標 18 41.60 路面に少量の土砂流出出水による上流の崩壊地からの土砂流出が原因 番号 距離標 17 41.18 表層崩壊 ( 高さ 5m, 幅 8m, 深さ 2.5m, 発生土量 100 m3 ) 路面に崩土流出 大型土嚢設置済 番号 距離標 16 40.82 路面に少量の土砂流出表流水による表土流出が原因 里道沿いに流出

8/10 平成 29 年 (2017) 台風第 21 号の際の降雨の状況すもとしたけのくち < 国道 28 号兵庫県洲本市炬口 > 連続雨量 土壌雨量指数 事前通行規制基準 ( 連続雨量 ) の関係 1 通行止め 実績 :10/22 18:30~10/23 3:30(9 時間 ) 連続雨量では通行止めを実施しているが 土壌雨量指数では 土砂災害警戒情報発表基準 を超過していない

9/10 事前通行規制基準と土砂災害警戒情報 (CL) の超過状況比較 < 国道 28 号兵庫県洲本市炬口 > 事前通行規制基準と土砂災害警戒情報 (CL) の超過状況比較 (2011 年の連続雨量 160mm を超えた降雨について比較 ) 国道 28 号の炬口の雨量計 土砂災害警戒情報発表基準 (CL) 年連続 160mm を超過した期間災害の有無 最大時間雨量 (mm) 連続雨量 (mm) 連続 160mm を超過した継続時間 (H) 最大土壌雨量指数左時刻の時間雨量 (mm) CL 超過の継続時間 (H) 5 月 29 日 ~ 5 月 30 日無し 23 204 17 165 12 0 2011 年 9 月 2 日 ~ 9 月 4 日無し 20 229 9 60 8 0 9 月 19 日 ~ 9 月 20 日災害有り 55 394 26 260 34 13 1 土砂災害警戒情報の発令と通行規制時間に差異があり 安全性を確保しつつ最小限にする検討が必要 2 規制雨量を超過しているが 土砂災害警戒情報の発令基準に至っていない

10/10 参考 土壌雨量指数について < 気象庁 HP より > 土壌雨量指数とは土壌雨量指数とは 降った雨による土砂災害危険度の高まりを把握するための指標です 大雨に伴って発生する土砂災害 ( がけ崩れ 土石流 ) には 現在降っている雨だけでなく これまでに降った雨による土壌中の水分量が深く関係しており 土壌雨量指数は 降った雨が土壌中に水分量としてどれだけ溜まっているかを タンクモデルを用いて数値化したものです 土壌雨量指数は 大雨警報 ( 土砂災害 ) や土砂災害警戒情報等の判断基準に用いています 土壌雨量指数そのものは相対的な土砂災害危険度を示した指標ですが 土壌雨量指数を大雨警報等の判断基準と比較することで土砂災害発生の危険度 ( 重大な土砂災害が発生するおそれがあるかどうかなど ) を判断することができます これらの判断基準は過去の土砂災害発生時の土壌雨量指数等を調査した上で設定しているため 指数計算では考慮されていない要素 ( 地盤の崩れやすさの違いなど ) も判断基準には一定程度反映されています 土砂災害発生の危険度を判定した結果は 土砂災害警戒判定メッシュ情報 で確認できます

平成 30 年度道路関係予算概算要求概要 ( 平成 29 年 8 月 ) より抜粋 機密性 2 情報