新都市社会技術融合創造研究会研究プロジェクト 事前道路通行規制区間の解除のあり方に関する研究

Similar documents
近畿地方整備局 資料配付 配布日時 平成 23 年 9 月 8 日 17 時 30 分 件名土砂災害防止法に基づく土砂災害緊急情報について 概 要 土砂災害防止法に基づく 土砂災害緊急情報をお知らせします 本日 夕方から雨が予想されており 今後の降雨の状況により 河道閉塞部分での越流が始まり 土石流

1

<4D F736F F D2091E E8FDB C588ECE926E816A2E646F63>

目次 1 降雨時に土砂災害の危険性を知りたい 土砂災害危険度メッシュ図を見る 5 スネークライン図を見る 6 土砂災害危険度判定図を見る 7 雨量解析値を見る 8 土砂災害警戒情報の発表状況を見る 9 2 土砂災害のおそれが高い地域 ( 土砂災害危険箇所 ) を調べたい 土砂災害危険箇所情報を見る

22年5月 目次 .indd

Microsoft PowerPoint - 参考資料 各種情報掲載HPの情報共有

~ 二次的な被害を防止する ~ 第 6 節 1 図 御嶽山における降灰後の土石流に関するシミュレーション計算結果 平成 26 年 9 月の御嶽山噴火後 土砂災害防止法に基づく緊急調査が国土交通省により実施され 降灰後の土石流に関するシミュレーション結果が公表された これにより関係市町村は

重ねるハザードマップ 大雨が降ったときに危険な場所を知る 浸水のおそれがある場所 土砂災害の危険がある場所 通行止めになるおそれがある道路 が 1 つの地図上で 分かります 土石流による道路寸断のイメージ 事前通行規制区間のイメージ 道路冠水想定箇所のイメージ 浸水のイメージ 洪水時に浸水のおそれが

ハザードマップポータルサイト広報用資料

untitled

<4D F736F F D20967B95B681698DC58F498D D8E968C888DD A2E646F63>


<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF E894A8AFA8B7982D191E495978AFA82C982A882AF82E996688DD091D490A882CC8BAD89BB82C982C282A282C4816A48502E646F63>

ダムの運用改善の対応状況 資料 5-1 近畿地方整備局 平成 24 年度の取り組み 風屋ダム 池原ダム 電源開発 ( 株 ) は 学識者及び河川管理者からなる ダム操作に関する技術検討会 を設置し ダム運用の改善策を検討 平成 9 年に設定した目安水位 ( 自主運用 ) の低下を図り ダムの空き容量

PowerPoint Presentation

untitled

PowerPoint プレゼンテーション

浸水深 自宅の状況による避難基準 河川沿いの家屋平屋建て 2 階建て以上 浸水深 3m 以上 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 浸水深 50 cm ~3m 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難上階に垂直避難 浸水深 50 cm未満 緊急避難場所, 近隣の安全な建物へ水平避難 自宅に待

記者発表資料 平成 29 年 1 月 12 日東北地方整備局仙台管区気象台 大雪に対する緊急発表について 今週末にかけての大雪に備え ドライバー等の皆様への呼び掛けについてお知らせします 東北地方では 15 日頃にかけて大雪が継続し 猛吹雪となるところがある見込みです 14 日 ~15 日頃にかけて

平成 29 年 12 月 1 日水管理 国土保全局 全国の中小河川の緊急点検の結果を踏まえ 中小河川緊急治水対策プロジェクト をとりまとめました ~ 全国の中小河川で透過型砂防堰堤の整備 河道の掘削 水位計の設置を進めます ~ 全国の中小河川の緊急点検により抽出した箇所において 林野庁とも連携し 中

台風23 集約情報_14_.PDF

.....u..

避難開始基準の把握 1 水害時の避難開始基準 釧路川では 水位観測所を設けて リアルタイム水位を公表しています 水位観測所では 災害発生の危険度に応じた基準水位が設定されています ( 基準となる水位観測所 : 標茶水位観測所 ) レベル水位 水位の意味 5 4 ( 危険 ) 3 ( 警戒 ) 2 (

豪雨災害対策のための情報提供の推進について

<8B4C8ED294AD955C E31302E E82B782D782E892F18CBE816A2E786C7378>

Microsoft PowerPoint - 九州支部村上_平成30年7月豪雨

資料 7-1 特殊車両の通行に関する指導取締要領の一部改正について 国土交通省関東地方整備局道路部交通対策課 1 (1) 特殊車両通行許可制度 2

国土技術政策総合研究所 研究資料

PowerPoint プレゼンテーション

チェーン規制区間 < 区間 > せいよしうわちょうおおずしきたただ国道 56 号 : 愛媛県西予市宇和町 ~ 愛媛県大洲市北只 ( 延長 7.0km) ( 別紙 1~4 のとおり ) < 規制内容 > 大雪特別警報 が発表され 冬用タイヤでの走行が困難な路面状況になった場合に 従来であれば通行止めと

平成 28 年度 支笏湖特有の気象特性に対する 維持管理の検討 札幌開発建設部千歳道路事務所 新保貴広 札幌開発建設部千歳道路事務所 吉田昭幸 札幌開発建設部千歳道路事務所 樋口侯太郎 一般国道 453 号を管理する千歳道路事務所では 支笏湖の越波発生により 度々通行規制を実施している 淡水湖におけ

火山活動解説資料平成 31 年 4 月 19 日 19 時 40 分発表 阿蘇山の火山活動解説資料 福岡管区気象台地域火山監視 警報センター < 噴火警戒レベル2( 火口周辺規制 ) が継続 > 中岳第一火口では 16 日にごく小規模な噴火が発生しました その後 本日 (19 日 )08 時 24

2 6.29災害と8.20災害 空中写真による災害規模の比較 5 土石流流出位置 災害時の空中写真 3 3 平成26年8月豪雨による広島土砂災害 三入の雨量グラフ 災害時の空中写真 可部地区 山本地区 八木 緑井地区 三 入 では雨量 強度 8

分野毎の検討における体制・検討フロー(案)

資料4 検討対象水域の水質予測結果について

Microsoft PowerPoint - ◯06_出水期における防災体制

暴風雪災害から身を守るために~雪氷災害の減災技術に関する研究~

<4D F736F F F696E74202D E9197BF817C A96688DD081458CB88DD082CC8DA18CE382CC8EE682E DD2E >

22年2月 目次 .indd

Transcription:

国土交通省近畿地方整備局 Kinki Regional Development Bureau Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 近畿地方整備局 資料配布 配布日時 平成 29 年 12 月 22 日 14 時 00 分 件 名 科的根拠に基づいた通行規制基準の検討について ~ 事前通行規制区間の災害捕捉率向上に向けた取り組み ~ 近畿地方整備局では 新都市社会技術融合創造研究会において が一体となり 土中の残留水分量を考慮した新たな指標など 科的根拠に基づく通行規制基準の導入にむけた取り組みを実施しています 新都市社会技術融合創造研究会 社会資本の整備 維持 管理に関わる の連携 協力に よる新しい技術の研究 普及等に関する事業を行う研究会 http://www.kkr.mlit.go.jp/road/shintoshikenkyukai/ 概 要 近年 気象の変化から集中豪雨 (1 時間降水量 50mm 以上 ) 年間発生件数は 1.4 倍となっており 突然の大雨により土砂災害等が発生し 道路が通行止めになるなど 従来あまり見られなかった形態の災害が増えています 平成 27 年 6 月より 新しい通行規制方法 ( 連続雨量と時間雨量の組合せ ) での試行を 3 箇所で実施していますが 更なる災害捕捉率を向上するための取り組みとして 検討を進めているところです たけのくちや京 現在 連続雨量による規制を実施している兵庫県洲本市炬口ぬかた都府福知山市額田をモデルとして検討進めています 取扱い - 配布場所 近畿建設記者クラブ 大手前記者クラブ 問合せ先 国土交通省近畿地方整備局道路部たけうちともあき道路管理課課長竹内智明 たけた よしひろ 課長補佐竹田佳宏電話 06-6941-2500 FAX 06-6949-0867

新都市社会技術融合創造研究会研究プロジェクト 事前道路通行規制区間の解除のあり方に関する研究

2/10 研究目的 本研究プロジェクトでは, 事前通行規制区間において 科的根拠に基づいた通行規制の導入にむけた検討を実施しております 土中の残留水分量を考慮した新たな指標について検討することとしており 地盤工, 斜面防災, 砂防工, 気象, 現地計測, 数値解析の知見に基づいた, 時間的 空間的 解除基準の設定方法を下記の3つのWGにおいて検討を進めます 事前道路通行規制区間の解除のあり方に関する研究全体会議 WG1 WG2 WG3 研究統括 プロジェクトリーダー鳥居宣之 ( 神戸市立工業高等専門校 ) 顧問沖村孝 ( 一般財団法人建設工研究所 ) WG1: 降雨特性評価研究 WG WG リーダー谷口博 : 神戸市立工業高等専門校 WG 幹事鳥居宣之 : 神戸市立工業高等専門校 WG メンバー小泉圭吾 : 大阪大大院櫻谷慶治 : 大阪大大院 ( 株 ) 気象工研究所応用地質 ( 株 ) 明星電気 ( 株 ) 近畿地方整備局 WG2: 時間的 解除基準検討 WG WG リーダー小田和広 : 大阪大大院 WG サブリーダー小山倫史 : 関西大 WG メンバー小泉圭吾 : 大阪大大院藤本将光 : 立命館大地球観測 ( 株 ) i システムリサーチ ( 株 ) ( 株 ) アーステック東洋計測技研 ( 株 ) 近畿地方整備局 WG3: 空間的 解除基準検討 WG WG リーダー鳥居宣之 : 神戸市立工業高等専門校 WG 幹事鏡原聖史 :( 株 ) ダイヤコンサルタント WG メンバー国際航業 ( 株 ) 復建調査設計 ( 株 ) 応用地質 ( 株 ) 近畿地方整備局

3/10 研究計画 WG2 WG3 WG1 平成 28 年度 平成 29 年度 平成 30 年度

検討箇所 検討箇所 国道 9 号京都府福知山市額田国道 28 号兵庫県洲本市炬口 テレメータデータならびに通行規制区間近傍の気象庁アメダスデータなどと通行規制実績データを用いて, 通行規制区間の規制実績とその際の降雨状況 ( 降雨継続時間と総降水量の関係, 降雨波形の特徴 ) などから通行規制区間の降雨特性を明らかにするとともに 土中の水分量計測データと数値シミュレーション技術を連携し 通行規制区間の新たな基準の検討を実施 あわせて 災害発生危険箇所と被災規模等を定量的に評価しその結果に基づく区間の解除の検討を実施 国道 9 号京都府福知山市額田国道 28 号兵庫県洲本市炬口 本研究会での検討箇所新都市社会技術融合創造研究会 : 事前道路通行規制区間の解除のあり方に関する研究 4/10

5/10 今後の検討方針 時間的 解除基準の検討 ( 降雨による法面の水分量の考慮し規制時間を必要最小限にする ) 通行止め時間の適正化を図るためには, 現状の降雨量のみを指標とした解除基準ではなく, 降雨中および降雨後の斜面 のり面の水分環境を考慮 した解除基準の設定が必要 土中の水分環境を把握するためには, 現地計測や計測結果に基づく数値シミュレーションが必要不可欠 降雨の観測 予測データならびに土中の水分量計測データと数値シミュレーション技術を連携させることで土中の水分情報と安定度評価を組み合わせた通行止めの解除基準を提案 空間的 解除基準の検討 ( 道路区域外からのもらい災害の評価について ) 空間的 解除を図る上で, 国土交通省通達の三要件 ( 対策完了 安全確認 降雨経験 ) に加えて, 管理区域外からのもらい災害に対する安全性の 評価も必要 通行規制区間の道路沿いだけでなく, 道路に影響を及ぼす可能性のある範囲も含めた落石, 表層崩壊, 土砂流出などの斜面災害に対して, その災 害発生危険箇所と被災規模等を定量的に評価 ( 平成 29 年度 ) するとともに, それらに対する対策工の定量的評価結果に基づく解除基準を提案 通行規制区間の降雨特性の把握と雨量観測体制の評価 ( 降雨特性の把握と通行規制について ) 通行規制区間における近年の降雨特性の検討 実地観測データを活用して, 雨量観測体制の現状評価と課題抽出 連続雨量とは異なる規制 解除雨量指標の検討 土壌雨量指数 ( 土砂災害警戒情報 ) や実効雨量と連続雨量に基づく通行規制 解除の比較

平成 23 年 (2011) 台風第 15 号の際の降雨の状況すもとしたけのくち < 国道 28 号兵庫県洲本市炬口 > 連続雨量 (mm) 400 400 300 300 200 200 100 100 連続雨量 土壌雨量指数 事前通行規制基準 ( 連続雨量 ) の関係 連続雨量 土壌雨量指数 事前通行規制基準 ( 連続雨量 ) の関係 連続雨量 ( 兵庫国道事務所のデータより ) 事前通行規制基準事前通行規制基準 ( 連続雨量連続雨量 :160mm)) :160mm)) 土壌雨量指数土壌雨量指数 ( 気象庁のデータ気象庁のデータより ) 土壌雨量指数は先行降雨の影響が加味される 連続雨量では 災害発生までの時間が短い 先行降雨を考慮した土壌雨量指数を利用するとより安全に通行止めができる可能性がある 土砂災害警戒情報の発表基準 (CL) を超過 規制雨量 ( 連続 160mm) を超過 9 月 20 日 10 時頃盛土崩壊発生 400 400 300 300 200 200 100 100 土壌雨量指数 0 2011/9/16 0:00 2011/9/16 6:00 2011/9/16 12:00 2011/9/16 18:00 2011/9/17 0:00 2011/9/17 6:00 2011/9/17 12:00 2011/9/17 18:00 2011/9/18 0:00 2011/9/18 6:00 2011/9/18 12:00 2011/9/18 18:00 2011/9/19 0:00 2011/9/19 6:00 2011/9/19 12:00 2011/9/19 18:00 2011/9/20 0:00 2011/9/20 6:00 2011/9/20 12:00 2011/9/20 18:00 2011/9/21 0:00 2011/9/21 6:00 2011/9/21 12:00 2011/9/21 18:00 2011/9/22 0:00 0 1 全面通行止め 実績 :9/20 9:20~9/21 11:10(26 時間 ) 2 土砂災害警戒情報発表基準超過 : 9/20 6:00~9/20 17:00(12 時間 ), 9/21 4:00(1 時間 ) 3 時間程度の差がある 新都市社会技術融合創造研究会 : 事前道路通行規制区間の解除のあり方に関する研究 その後に 1 時間超過している時間があるが 18 時間程度の差がある 6/10

7/10 平成 23 年 (2011) 台風第 15 号に伴う被災状況 盛土崩壊 (1 箇所 ) 土砂流出 (5 箇所 ) が発生 盛土崩壊土砂流出 写真 1 写真 2 写真 3 事前通行規制区間 ( 炬口 ) L=2.9km 写真 1 写真 2 写真 3 番号 距離標 18 41.60 路面に少量の土砂流出出水による上流の崩壊地からの土砂流出が原因 番号 距離標 17 41.18 表層崩壊 ( 高さ 5m, 幅 8m, 深さ 2.5m, 発生土量 100 m3 ) 路面に崩土流出 大型土嚢設置済 番号 距離標 16 40.82 路面に少量の土砂流出表流水による表土流出が原因 里道沿いに流出

8/10 平成 29 年 (2017) 台風第 21 号の際の降雨の状況すもとしたけのくち < 国道 28 号兵庫県洲本市炬口 > 連続雨量 土壌雨量指数 事前通行規制基準 ( 連続雨量 ) の関係 1 通行止め 実績 :10/22 18:30~10/23 3:30(9 時間 ) 連続雨量では通行止めを実施しているが 土壌雨量指数では 土砂災害警戒情報発表基準 を超過していない

9/10 事前通行規制基準と土砂災害警戒情報 (CL) の超過状況比較 < 国道 28 号兵庫県洲本市炬口 > 事前通行規制基準と土砂災害警戒情報 (CL) の超過状況比較 (2011 年の連続雨量 160mm を超えた降雨について比較 ) 国道 28 号の炬口の雨量計 土砂災害警戒情報発表基準 (CL) 年連続 160mm を超過した期間災害の有無 最大時間雨量 (mm) 連続雨量 (mm) 連続 160mm を超過した継続時間 (H) 最大土壌雨量指数左時刻の時間雨量 (mm) CL 超過の継続時間 (H) 5 月 29 日 ~ 5 月 30 日無し 23 204 17 165 12 0 2011 年 9 月 2 日 ~ 9 月 4 日無し 20 229 9 60 8 0 9 月 19 日 ~ 9 月 20 日災害有り 55 394 26 260 34 13 1 土砂災害警戒情報の発令と通行規制時間に差異があり 安全性を確保しつつ最小限にする検討が必要 2 規制雨量を超過しているが 土砂災害警戒情報の発令基準に至っていない

10/10 参考 土壌雨量指数について < 気象庁 HP より > 土壌雨量指数とは土壌雨量指数とは 降った雨による土砂災害危険度の高まりを把握するための指標です 大雨に伴って発生する土砂災害 ( がけ崩れ 土石流 ) には 現在降っている雨だけでなく これまでに降った雨による土壌中の水分量が深く関係しており 土壌雨量指数は 降った雨が土壌中に水分量としてどれだけ溜まっているかを タンクモデルを用いて数値化したものです 土壌雨量指数は 大雨警報 ( 土砂災害 ) や土砂災害警戒情報等の判断基準に用いています 土壌雨量指数そのものは相対的な土砂災害危険度を示した指標ですが 土壌雨量指数を大雨警報等の判断基準と比較することで土砂災害発生の危険度 ( 重大な土砂災害が発生するおそれがあるかどうかなど ) を判断することができます これらの判断基準は過去の土砂災害発生時の土壌雨量指数等を調査した上で設定しているため 指数計算では考慮されていない要素 ( 地盤の崩れやすさの違いなど ) も判断基準には一定程度反映されています 土砂災害発生の危険度を判定した結果は 土砂災害警戒判定メッシュ情報 で確認できます

平成 30 年度道路関係予算概算要求概要 ( 平成 29 年 8 月 ) より抜粋 機密性 2 情報