一発合格!FP 技能士 3 級完全攻略実戦問題集 18-19 年版 別冊 FP 技能士 3 級 2018 年 9 月実施試験 解答 & 解説 実技試験保険顧客資産相談業務 ( 金融財政事情研究会 ) 問題解答解説 第 1 問 問 1 3 A さんには 国民年金の未加入期間が 35 月あるので その期間は老齢 基礎年金の年金額の計算に反映されない よって 次のようになる 779,300 万円 445 月 480 月 480 月 -35 月 妻 B さんには 国民年金の未加入期間が 33 月あるので その期間は老 齢基礎年金の年金額の計算に反映されない ( 他の期間は老齢基礎年金の 年金額の計算に反映される よって 次のようになる 779,300 万円 447 月 480 月 480 月 -33 月 問 2 1 1) 不適切 Aさんは 老後の年金収入を増やすために 国民年金基金に加入することができる 掛金の額は 加入者の年齢や性別によって異なる 2) 適切 Aさんが国民年金の定額保険料に加えて付加保険料を納付することで 65 歳から 200 円 付加保険料納付済期間の月数 の算式で計算した額を付加年金として受け取ることができる 3) 適切 小規模企業共済制度は 個人事業主が廃業等した場合に必要となる生活資金を準備しておくための共済制度である 毎月の掛金は 1,000 円から 70,000 円の範囲内 (500 円単位 ) で選択することができる 問 3 3 Aさんが個人型年金に加入した場合 拠出できる掛金の限度額は年額 81 万 6,000 円 ( 月額 68,000 円 ) となります 掛金は全額所得控除の対象となり 運用益は課税されません 個人型年金の老齢給付金は 60 歳到達時点で通算加入者等期間が 10 年以上ある場合 60 歳から受け取ることができます 老齢給付金を年金で受け取った場合 給付金は雑所得 ( 公的年金等控除の適用可 ) として課税の対象となります 個人型年金の留意点として 加入者が運用リスクを負うことが挙げられます また 国民年金基金連合会に対して 加入時に 2,777 円 掛金拠出時に収納 1 回当たり 103 円の手数料のほか 証券会社等の運営管理機関等が定める手数料を負担する必要があります
第 2 問問 4 2 < 遺族に必要な生活資金等の総額 > 生活費 30 万円 50% 12 カ月 29 年 =5,220 万円 死亡整理資金( 葬儀費用等 ) 200 万円 緊急予備資金 300 万円 住宅ローンについては団体信用生命保険に加入しているので計算に含めない合計 5,220 万円 +200 万円 +300 万円 =5,720 万円 < 遺族の収入見込金額 > 金融資産( 預貯金等 ) の金額 2,000 万円 公的年金等の総額 5,800 万円合計 2,000 万円 +5,800 万円 =7,800 万円 < 必要保障額 > 5,720 万円 -7,800 万円 = 2,080 万円 問 5 2 1) 不適切 X 社を退職すると Aさんは健康保険の被保険者資格を失うことになるが 原則として 資格喪失日から 20 日以内に任意継続被保険者の資格取得の申出をすることにより 2 年間は 引き続き健康保険に加入することができる 2) 適切 Aさんが病気などで医師の診察を受けた場合 外来 入院を問わず 医療費の一部負担金の割合は 原則 3 割となる ただし 高額療養費制度により 一医療機関の窓口で支払う同一月内の一部負担金を 所得区分に応じた自己負担限度額までとすることができる 3) 不適切 X 社を退職し Aさんが国民健康保険に加入した場合であっても 高額療養費の支給はある 問 6 3 1) 適切 必要保障額の計算結果からすると 現時点において死亡保障は必要ない ただし Aさんが要介護状態になった場合などには 預貯金等を大きく取り崩すことも想定される 要介護状態等になった場合に介護一時金や介護年金が受け取れる生前給付タイプの保障を充実させることも検討事項の1つだと思われる 2) 適切 保険会社各社は 入院給付金や手術給付金が定額で受け取れるタイプの医療保険や通院保障が手厚いものなど 最近の医療事情に合わせて さまざまなタイプの医療保険を取り扱っている 3) 不適切 現在加入している生命保険を払済保険に変更した場合 変更時点の解約返戻金をもとに 終身保険に変更される 死亡保険金額は減少し 現在付加されている入院特約は消滅する 第 3 問問 7 1 退職所得の金額 退職所得控除額は次の計算式で算出する 退職所得の金額 ( 収入金額 - 退職所得控除額 ) 1/2
退職所得控除額( 勤続年数 20 年超 ) 800 万円 +70 万円 ( 勤続年数 -20 年 ) よって 次のようになる 退職所得控除額 800 万円 +70 万円 (30 年 -20 年 )=1,500 万円 退職所得の金額 (5,000 万円 -1,500 万円 ) 1/2=1,750 万円 問 8 1 1) 不適切 現在加入している逓増定期保険の解約返戻金は 逓増率変更年度から上昇し 保険金額のピーク前後とともにピークを迎える ピークを過ぎるとその後は徐々に下がっていき 保険期間満了時には解約返戻金が 0 になる よって 解約返戻金のピーク時に解約をすることを検討するべきである 2) 適切 現在加入している生命保険を払済終身保険に変更することもできる Aさんが勇退する際に 契約者をAさん 死亡保険金受取人を Aさんの相続人に名義変更することで 当該払済終身保険を役員退職金の一部として支給することができる 3) 適切 急な資金需要の発生により X 社が当該生命保険から契約者貸付制度を利用した場合 契約者貸付金の全額を借入金として負債に計上する必要がある 問 9 1 本問における逓増定期保険の支払保険料は 保険期間の前半 6 割の期間は 2 分の1を定期保険料として損金に算入し 2 分の1を前払保険料として資産計上する よって 5,600 万円 1/2=2,800 万円を前払保険料として資産計上している 逓増定期保険の解約時の経理処理は 解約返戻金から解約時点で資産計上している前払保険料を差し引いた金額を雑収入として益金処理をする 本問では 4,600 万円 ( 解約返戻金 )-2,800 万円 ( 前払保険料 ) =1,800 万円を雑収入とする 5,600 万円 1/2 4,600 万円 -2,800 万円 第 4 問 問 10 1 ⅰ)Aさんが適用を受けることができる長女 Cさんに係る扶養控除の控除額は 38 万円である 長女 Cさんは一般の控除対象扶養親族に該当する ⅱ) 長男 Dさんの合計所得金額は 38 万円を超えるため Aさんは長男 Dさんに係る扶養控除の適用を受けることはできない
扶養控除は 扶養親族の年間の合計所得金額が 38 万円以下であることが要件となっている ( 給与のみの場合は給与収入が 103 万円以下 ) ⅲ) 雑損控除 医療費控除および寄附金控除の3 種類の所得控除については 年末調整では適用を受けることができない Aさんが ふるさと納税に係る寄附金控除の適用を受けるためには 所得税の確定申告が必要となる 問 11 2 1) 不適切 Aさんが受け取った一時払変額個人年金保険の解約返戻金は 総合課税の対象となる 2) 適切 総所得金額に算入される一時所得の金額が 20 万円を超えるため Aさんは所得税の確定申告をしなければならない 3) 不適切 解約返戻金は総合課税の対象となる 問 12 2 所得税における総所得金額は次のように計算する 給与所得の金額給与所得控除額 900 万円 10%+120 万円 =210 万円給与所得の金額 900 万円 -210 万円 =690 万円 一時所得の金額 750 万円 -500 万円 -50 万円 ( 特別控除額 )=200 万円 総所得金額 690 万円 +200 万円 1/2=790 万円 一時所得の金額は その2 分の1が総所得金額に算入される 第 5 問問 13 3 ⅰ) 孫 Eさんの法定相続分は 8 分の1である 法定相続分は配偶者 2 分の1 子 2 分の1 子は2 人いるので4 分の 1ずつ さらに孫は2 人いるので8 分の1ずつとなる ⅱ) 配偶者に対する相続税額の軽減の適用を受けた場合 妻 Bさんが相続により取得した財産の金額が 配偶者の法定相続分相当額と1 億 6,000 万円とのいずれか多い金額までであれば 納付すべき相続税額は算出されない ⅲ) 相続税の申告書は 原則として 相続の開始があったことを知った日の翌日から 10 カ月以内に提出しなければならない 申告書の提出先は 原則として 被相続人の死亡の時における住所地の所轄税務署長となる 問 14 3 遺産に係る基礎控除額は 3,000 万円 +600 万円 法定相続人の数 の算式によって算出する 法定相続人は4 人 ( 妻 Bさん 長男 Cさん 孫 Eさん 孫 Fさん ) なので 次のようになる 3,000 万円 +600 万円 4 人 =5,400 万円 問 15 2 1) 不適切 Aさんが平成 30 年分の所得税について確定申告書を提出し なければならない者に該当する場合 相続人は 原則として 相続の開
始があったことを知った日の翌日から4カ月以内に納税地の所轄税務署長に準確定申告書を提出しなければならない 2) 適切 妻 Bさんが受け取る死亡保険金は みなし相続財産として相続税の課税対象となるが 死亡保険金の非課税金額の規定の適用を受けることで 相続税の課税価格には算入されない 死亡保険金の非課税金額 500 万円 法定相続人の数 3) 不適切 妻 Bさんが相続により取得する予定の自宅の敷地は 特定居住用宅地等 に該当し その敷地のうち 330 m2までの部分について 通常の価額から 80% 相当額を減額した金額を 相続税の課税価格に算入すべき価額とすることができる