第 1 回 Excel の基本操作 1.1 Excel とは? Excel 表計算ソフトウェアと呼ばれるものの一つ データの集計や色々な計算を容易に行うために用いられる 給与の計算 財務計算 経済データの統計処理など Excel の機能 グラフ機能 作成した表をもとに 様々なグラフを簡単に作成できる グラフの種類 ( 棒 折れ線 円 ) 大きさ 色 模様などの設定 変更も可能 データベース機能 作成した表のデータを指定した条件にしたがって並べ替えたり 条件に合うデータだけを検索 抽出することができる 分析 / シミュレーション機能 入力したデータや計算結果のデータ群に対して統計分析 を行うことができる データの平均や標準偏差 ( 散らばりの程度 ) の計算 回帰分析など マクロ機能 様々な計算 編集処理手順を ひとつの手続きとして記録 登録 ( マクロ ) させておくことができる 1.2 Excel の起動と終了 Excel の起動 Windows のメイン画面の起動後 左下にあるスタートボタンをクリックし プログラ ムから Office の Excel を起動させる Excel の終了 Excel ウィンドウのタイトルバーの右上の ボタンを左クリックする または ワークシートの画面左上の Office ボタンにマウスポインタを移動し 左クリックする ( するとプルダウンメニューが表示される ) メニューの中にある [ 閉じる (C)] にマウスポインタを重ねて左クリックする Excel が終了し Windows の元の画面に戻る 1
1.3 画面構成 図 1.1 Excel 画面の構成 ( 出所 ) 浅利一郎他 (2008) はじめよう経済学のための情報処理第 3 版 日本評論社, p.3 ( 出所 ) 浅利一郎他 (2008) はじめよう経済学のための情報処理第 3 版 日本評論社, p.4 Excel のウィンドウ構成 リボンとタブ Excel の各種機能を実行するボタンが並んでいる部分をリボンと呼ぶ リボンは [ ホーム ] [ 挿入 ] [ ページレイアウト ] などのタブをクリックして切り替えることができる 各リボンの中には様々な機能のボタンが配置されているが その機能ごとのかたまりはグループと呼ばれる 2
1 名前ボックス 現在 編集対象となっているセルの行番号 列番号を表示する 2 数式バー シート上のセルにデータを入力する際に 実際の編集作業を行う場所 文字列 数値 数式などを入力できる 3 ワークブックウィンドウ データや図表を表示する場所 * 集計用紙のように 縦と横の薄い枠線によって仕切られたシートをワークシートと呼ぶ たくさんのマス目の一つ一つはセルと呼ばれる * 太い枠線で囲まれているセルは データの入力や編集対象となっていることを示しており アクティブセル と呼ばれる 4 行番号と列番号 一つ一つのセルは行番号と列番号によってその位置が示される 5 Office ボタン画面の最も左上の部分にあるロゴの入った丸いボタン Excel2003 までのメニューバーの [ ファイル ] メニューにあたる働きをする クリックすると 新規作成 開く 保存 印刷 などの基本的な機能を指示できる ( メニューの右側には 最近使用したドキュメントが表示される ) 6 シート見出しブックウィンドウは 実はシートが複数重なった状態になっている その各シートの名前が記されているのがシート見出しである ( 特に名前を指定しなければ Sheet1 Sheet2 Sheet3 と順番に名前がつけられている 名前が表示されているタブを左クリックすることでシートをめくれる ) 7 スクロールバー スクロールバーの中にあるスクロールボックスを動かすことで 画面に表示する部分 を上下 左右に移動することができる 3
1.4 データの入力と保存 データの入力 例題を通じて実際にデータを入力してみよう 例題 1.1 コンビニエンスストア大手各社の経営指標 (1) 表 1.1 のようなデータが用意されている これをワークシート上に入力せよ 表 1.1 大手コンビニエンスストアの店舗数と売上高 (2002) 会社名 店舗数 売上高 ( 百万円 ) セブン イレブン 9,743 2,213,298 ローソン 7,625 1,291,030 ファミリーマート 6,013 1,006,894 コンビニ総計 40,644 7,155,196 ( 出所 ) 浅利他 (2004) はじめよう経済学のための情報処理改訂版 日本評論社 データの保存 とりあえず 表 1.1 の内容を打ち込んだエクセルファイルをパソコンに保存しておく 図 1.2 保存のダイアログボックスの画面 ( 出所 ) 浅利一郎他 (2008) はじめよう経済学のための情報処理第 3 版 日本評論社, p.9 手順 1 Office ボタンのメニューにある [ 名前をつけて保存 (A)] を選択する ( すると 上の図のような [ ドキュメントのコピーを保存 ] のダイアログボックスが開く ) 手順 2 ここで Excel2013 の通常のファイルとして保存するのであれば [Excel ブック (X)] を選んでクリックする ただし そのファイルを過去のソフトウェアである Excel97, Excel2003 でも開く可能性がある場合は 互換性をとるために 4
[Excel97-2003 ブック (9)] を選択する 手順 3 保存先の場所 ( フォルダ ) を選択し ファイル名 (N) のボックスに保存するファイルの名前を入力する ( ファイル名は 情報処理 I_ 自分の名前 Lesson1 などとする ) * 正しく保存しているかを確かめるため 作業中の Excel 画面を 最小化 させて ファイルが 指定したフォルダの中にちゃんと保存されているかを見ておく * 保存が完了したら いったん作業を終了 ( 右端の ボタンを選択 ) し その後 たった今保存したファイルを再び読み込んでみる 保存したファイルの読み込み手順 1 Excel を起動する 手順 2 Office ボタンの中から [ 開く (O)] を左クリックし ファイルを開くダイアログボックスを開く 手順 3 自分のファイルを保存したフォルダを選択し ダブルクリックする 手順 4 表示されているファイルの一覧表から開きたいファイルにマウスポインタを移動し ダブルクリックする 1.5 計算とグラフの作成セルを対象とした計算式の入力 ここでは 例として コンビニ各社ごとの一店舗あたりの平均売上高を算出することを考える ( 例題 1-1 で作成したデータを利用する ) 計算式の入力手順 1 セル E2 に 一店舗あたり売上高 と入力する 手順 2 セル E3 にセブン イレブンの一店舗あたりの平均売上高を計算する式 =D3/C3 を入力する * 一般に Excel では 四則演算記号のうち + - はそのままキー入力すればよく は * は / で入力する 計算式のコピー E4, E5 のセルにも同様に計算式を定義する必要があるが Excel では 一つ一つこの部分に =D4/C4 =D5/C5 のように入力しなおす必要はない あるセルに用いた計算式を複写して他のセルにも使うことができる! これは Excel の代表的な機能の一つ!! 5
手順 1 セル E3 にマウスポインタを移動し 左クリックしてアクティブセルにする 手順 2 マウスのポインタをアクティブセルの黒枠線の右下にあわせるとポインタの形状がフィルハンドルと呼ばれる黒い十字 (+) になる ( 授業中の画面を参照 ) 手順 3 フィルハンドルの状態で E4, E5, E6 のセルにドラッグする * 正しくコピーが行われていれば セル E4 には =D4/C4 が セル E5 には =D5/C5 が セル E6 には =D6/C6 が それぞれ入っているはずである 確認せよ * セルを対象にした計算式や関数は コピー先のセルの場所に合わせて 相対的に調整されて複写される コピーした際に そのセルの場所に応じて相対的に変化する式を 相対参照 と呼ぶ 絶対参照と複合参照 コンビニ大手 3 社の店舗数 売上高がコンビニ業界全体でどのくらいのシェア ( 市場占有率を占めているかを計算する 手順 1 セル F2 に 構成比 ( 店舗数 ) セル G2 に 構成比 ( 売上高 ) と入力する 手順 2 セル F3 には セブン イレブンの店舗数がコンビニ全体の店舗数に占める割合を計算する式 =C3/C$6 と入力する 手順 3 前回と同様 フィルハンドル (+) を F4, F5, F6 のセルにドラッグする * $ をつけたあとの行番号や列番号は コピーしても元の番号が固定される これを 絶対参照 と呼ぶ 表の修飾 + 表内の数値の変更 行幅や列幅の変更 桁数の多い数字に 3 桁ごとにカンマを挿入 パーセント形 式での表示 罫線をつける などなどの作業を行う グラフの作成 データや統計の意味 性格を踏まえて ふさわしい種類のグラフを作ることが重要 例えば 例題 1-1 の場合 3 社の店舗数や売上高を比較するのであれば棒グラフを用い 構成比を比較するのであれば円グラフや積み重ね棒グラフを利用するとわかりやすい 例題 1.1 の続き (2) 表 1.1 のデータに基づき 各会社の 1 店舗当り売上高 のグラフを作成せよ 棒グラフの作成手順 1 グラフ作成の対象となるデータの範囲セル E2:E6 をドラッグして反転表示にする ( グラフにする数値データはセル E3:E6 にあるが グラフの範囲指定では数値データだけでなく項目名の範囲も指定する ) 手順 2 リボンのタブの [ 挿入 ] をクリックする そうすると テーブル 図 グラフなどのグループが表示される ( 図 1.3 グラフボタンを参照 ) 6
図 1.3 グラフボタン ( 出所 ) 浅利一郎他 (2008) はじめよう経済学のための情報処理第 3 版 日本評論社, p.21 手順 3 グラフグループから作りたいグラフを選択し ボタンをクリックする すると プルダウンメニューが表示され より詳細なグラフが選択できる ここでは [ 縦棒 ] の [2-D] 集合縦棒を選択する 図 1.4 縦棒グラフの選択 ( 出所 ) 浅利一郎他 (2008) はじめよう経済学のための情報処理第 3 版 日本評論社, p.21 手順 4 ボタンをクリックするとグラフが表示される ただし このままだと会社名が数字 表示になっているため グラフを修正する必要があることを確認する 手順 5 グラフツールの [ デザイン ] のグループから [ データの選択 ] をクリックし [ データソースの選択 ] ダイアログボックスを開く ( 授業を参照 ) 手順 6 [ 横 ( 項目 ) 軸ラベル (C)] の編集 (T) ボタンを押し 会社名が入っているセル B3 から B6 をドラッグして指定し OK ボタンを押す * これで一応グラフは完成したが たいていの場合 そのまま使えず見づらいものが多い そのため 必要に応じてグラフを編集すること ( 編集の仕方は授業を参照 ) 7
* なお 印刷の前には Office ボタンの [ 印刷 (P)] の中にある印刷プレビューボタン ( 虫眼鏡 のボタン ) で 印刷される内容のイメージをチェックすることがポイントである グラフの編集 グラフの様々な部分をクリックして選択することで編集が可能になる ( グラフ全体を選択した場合 グラフのシートが薄青色の二重線に囲まれ 編集できる状態になる ) グラフツールの [ デザイン ] のグループから [ グラフのレイアウト ] [ グラフのスタイル ] などを用いてグラフを好みのスタイルに修正する 例題 1.2 下記の表は 1971~2000 年の東京における月平均気温 ( ) と降水量 (mm) のデー タである 下記の表のデータに関して 例題 1.1 と同様にわかりやすいグラフを作成せよ 表 1.2 東京における年平均気温と年平均降水量の 2 軸グラフの作成 ( 出所 ) 浅利一郎他 (2008) はじめよう経済学のための情報処理第 3 版 日本評論社, p.32 手順 1 例題 1-1 と同様にデータを選択する まずは縦棒グラフの作成を考える 手順 2 気温を第 2 軸とするため 右に軸を追加することを考える グラフ上の気温の棒をクリックして編集対象として指定する 次に マウスの右ボタンをクリックし [ データ系列の書式設定ダイアログボックス ] を開き 使用する軸の第 2 軸を選択する 手順 3 気温を折れ線グラフに変更する 軸を追加してもそのままだと降水量の縦棒と重なったままになるので [ 系列グラフの種類の変更 ] を開き 折れ線を選択する 図 1.5 気温を折れ線に変更した 2 軸のグラフ ( 出所 ) 浅利一郎他 (2008) はじめよう経済学のための情報処理第 3 版 日本評論社, p.33 8