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4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

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[2] 具体的事業の内容 (1) 法に定める特別の措置に関連する事業 該当なし (2)1 認定と連携した支援措置のうち 認定と連携した特例措置に関連する事業 事業名 内容及び実施時期 実施主体 中心市街地の活性化を実現するための位置付け及び必要性 支援措置の内容及び実施時期 その他 の事項 群馬の玄

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交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

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4. 都市機能誘導区域 4.1 都市機能誘導区域設定の基本的な考え方 (1) 都市機能誘導区域とは医療 福祉 商業等の都市機能を都市の中心拠点や生活拠点に誘導し集約することにより これらの各種サービスの効率的な提供を図る区域のことです 原則として 居住誘導区域内において設定します これらの都市機能は

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目 次 1 基本方針 再開発を促進すべき地区等の整備又は開発の方針... 2 別表再開発促進地区の整備又は計画の概要... 3 都市再開発方針図 ( 総括図 )... 6 都市再開発方針附図


スライド 1

総合計画及び国土利用計画アンケート調査結果 平成 20 年度 地域別構想 土地利用の方向性について 上位3つ ①無秩序な開発を抑制し 農地等は極力保全する ②主要な沿道等への店舗の立地を進め 利便性を高める ③身近な公園 生活道路 下水道などの生活環境基盤を整備する 住みよい 25.6% 22.9%

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(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

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7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

長岡市立地適正化計画概要版目次 1. 立地適正化計画制度の概要... 1 (1) 立地適正化計画策定の背景と目的... 1 (2) 立地適正化計画制度... 1 (3) 立地適正化計画の位置付け... 2 (4) 計画の対象区域... 2 (5) 計画期間 長岡市の現状と将来見通し.

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目 次 1 背景 目的 1 2 計画の位置付け 2 (1) 計画の位置付け 2 3 現状の問題と課題 3 (1) 現状の問題 3 (2) 課題 3 4 市街化調整区域における土地利用方針 5 (1) ゾーンにおける土地利用方針 6 (2) 各ゾーンのイメージ 10 5 土地利用現況図 11 6 土地

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はじめに 深沢地域整備事業 ( 以下 本事業 という ) は 平成 22 年 9 月に策定した土地利用計画 ( 案 ) をもとにまちづくりを進めてきましたが 計画策定から既に5 年以上経過し社会情勢が大きく変化していることや より広く市民意見を反映して欲しいといった意見を踏まえ 土地利用計画 ( 案

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目 次 1 小牧駅周辺のまちづくりに関する基本的考え方 1 2 小牧駅周辺の将来像 2 3 A 街区の位置づけ 5 4 A 街区 ライフ サポート オアシス の機能構成イメージ 6 5 交通結節点 広場の再整備 7 6 A 街区整備の進め方 8 7 結び 8

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目次 Ⅰ 運用基準の策定にあたって P1 1 策定の目的 P1 2 運用基準の位置づけ P1 Ⅱ Ⅲ 土地利用のあり方 P1 地区計画の活用 P2 1 地区計画とは P2 2 地区計画の活用類型 P2 (a) 地域資源型 P3 (b) マスタープラン適合型 P3 (c) 街区環境整序型 P3 (d)

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別紙 2-4 別紙 2-4 別紙 2-8 < 地域において講ずる措置 > 1. 地域独自の税制 財政 金融上の支援措置 高松市中小企業振興助成条例補助金中心市街地の商店街が行うアーケード 街路 駐車場 駐輪場整備に対し 1 事業あたり上限 2 億円 地域コミュニティまちづくり活動支援

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姫路市及びたつの市における連携中枢都市圏形成に係る連携協約 姫路市 ( 以下 甲 という ) 及びたつの市 ( 以下 乙 という ) は 連携中枢都市圏構想推進要綱 ( 平成 26 年 8 月 25 日付け総行市第 200 号総務省自治行政局長通知 ) に基づく連携中枢都市圏である播磨圏域 ( 以下

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東海市中心市街地活性化基本計画について 東海市では 東海市総合計画 や 東海市都市計画マスタープラン において 名鉄太田川駅周辺を本市の都市拠点と定め東海市の顔 玄関口としていくため 土地区画整理事業や連続立体交差事業 ( 鉄道の高架化 ) 市街地再開発事業を進めてきました こうした都市基盤整備事業

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[2] 具体的事業の内容 (1) 法に定める特別の措置に関連する事業 (2)1 認定と連携したうち 認定と連携した特例措置に関連する事業 (2)2 認定と連携したうち 認定と連携した重点的な支援措置に関連する事業 事業名 内容及び実施時期 実施主体 中心市街地の活性化を実現するための位置付け及び必要

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Transcription:

Ⅰ. 延岡駅周辺整備基本構想の位置づけ 本構想では 延岡市の中心市街地における 賑わいの再生 を目指し そのスタートである延岡駅周辺地区の整備方針や整備メニューについて定めています 構想の策定にあたっては 市民ワークショップや専門者会議 さらには アンケートや実証実験を行うなど 市民との協働を基本に進めてきました なお 本構想は 第 5 次延岡市長期総合計画 及び この総合計画をリードする 新生のべおかプロジェクト の考え方を基本としています 第 5 次延岡市長期総合計画 計画期間 : 平成 18~27 年度 第 5 次延岡市長期総合計画では 市民力 地域力 都市力が躍動するまちのべおか を目指す都市像と定めています 計画の基本目標の一つである 多彩な産業が織り成す活力ある都市づくり の取組みの目標に 中心市街地の活性化 を掲げ JR 延岡駅周辺の整備都市機能の整備やまちなか居住の推進 商業機能の向上を促し 利便性の向上によりコンパクトシティを形成し まちなかの賑わい創出を図ることとしています 新生のべおかプロジェクト 計画期間 : 平成 21~27 年度 新生のべおかプロジェクトでは 賑わい の再生と 東九州の基幹都市 への機能整備 を進めていくため 雇用創出 中心市街地 公共交通の 3 つのメインプロジェクトと 地域医療 教育振興 生活環境施設の 3 つのベースプロジェクトから構成されています 本構想につながる 中心市街地プロジェクト では JR 延岡駅とその周辺地域を中心市街地として位置づけ 民間活力との協働により バリアフリー等に配慮しながら人にやさしい賑わい空間の再生を図ることとしています 第 5 次延岡市長期総合計画 ( 新市建設計画 新市基本計画 ) 新生のべおかプロジェクト メインプロジェクト 雇用創出 中心市街地 公共交通 ベースプロジェクト 地域医療 教育振興 生活環境施設 延岡駅周辺整備基本構想 中心市街地活性化基本計画 延岡市地域交通計画 延岡市都市計画マスタープラン その他部門別計画 -1 - 適合 連携

Ⅱ. 延岡市の中心市街地の現状と課題 Ⅱ-1 全国的な中心市街地の空洞化とコンパクトシティ 地方都市における中心市街地の空洞化 全国の地方都市では モータリゼーションの進展やライフスタイルの多様化に伴い 郊外への居住や大規模集客施設の郊外立地 病院や学校など公共公益施設の郊外移転などにより 都市機能が郊外へ分散しています また 公共交通網の不十分な地方都市においては 自動車に依存する傾向が高く 街路や駐車場整備の不十分な中心市街地は空洞化が問題となっています コンパクトシティへの動き 都市機能が郊外へ拡散し 自家用車での移動が増加すると 郊外における自然破壊や排気ガスによる環境の悪化 交通弱者の増加など様々な問題が出てきます さらには 人口減少 少子高齢化社会を迎えるにあたり 都市機能の分散や無秩序なスプロール化は 市民へのサービスの低下と都市の維持管理コストの増大を招き 快適な都市生活の維持を困難にします こうしたことから 誰もが移動しやすく車に過度に頼らずに生活ができ 居住 公共公益施設 商業などが集積したまちづくり いわゆる コンパクトシティ の必要性が高まっています モータリゼーションの進展やライフスタイルの多様化 都市機能の拡散 都市基盤維持の限界 公共交通機能の低下 市街地の空洞化 少子高齢化社会の到来 高齢者生活の課題 交通事故の増加 移動困難者の増加 歩行圏生活のニーズ マイカー依存による公共交通の利用減 環境負荷問題 化石燃料の大量消費による CO2 排出の増加 -2 -

Ⅱ-2 延岡市の中心市街地について 延岡市の都市構造 延岡市の都市構造 延岡市では 旭化成 の工場群が市街地に立地されたこともあり 住商工農が効率的に工場集約された市街地が 国道 10 号と西環状線国道 10 号に囲まれたエリア内に形成されています 今山また 市街地は川北地区 川中地区 川南川北延岡駅地区の3 地区に分けられ 川中地区は 市役川中所周辺に城山公園をはじめとする歴史 文化市役所城山エリアや商業集積エリアが形成され 景観に配慮した市街地整備が進んでいます 川南川南地区は 大型店の周辺に商業集積エリ西環状線工場アが形成され 県病院等の公共施設の周辺に 区画整理による良好な居住エリアが形成されています 県病院川北地区については 鉄道 バスなど 交通結節点であるJR 延岡駅周辺に商業集積エリアが形成されていますが 大型商業施設の撤退や 鉄道高架事業と併せた周辺整備計画の見直し等から 市街地の再整備が進んでいません 川北地区の現状 川北地区の人口は 平成 9 年から 10 年間で約 13% 減少しており 減少率は市全体の 3% よりも高くなっています また 近隣の商店街の通行量は 平成 12 年からの大型商業施設の閉店の影響もあり 平成 13 年から 14 年にかけて大幅に減少しています 空き店舗率は 延岡市全体平均では約 13% ですが 川北地区は山下新天街を除いて 20% を越えています また延岡駅に近い幸町 2 丁目の公示地価は 10 年間で 6 割近く下落していますが 住宅事情においては マンション建設が進みつつあり 駅を中心とした都市居住回帰の兆しも見えています なお 平成 14 年に策定された TMO 構想にもとづいて 商店街 商工会議所 市が一体となって活性化に取組んでおり 商店街が連携した新たなイベント みなまつり をはじめ 研究 教育機関との共同事業 地区の伝統に根付いた七夕祭りや大師祭りなど 歩行者の街の回遊を促進する歩行空間で数々の取組みが実施されています 120.00 100.00 80.00 60.00 40.00 延岡市全体人口中心市街地人口公示地価 ( 幸町 2 丁目 ) 通行量 ( サンロード栄町 ) 20.00 0.00 H9 H10 H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 平成 9 年を 100 とした場合の人口 地価 交通量の変化 ( 出典 : 延岡市 ) -3 -

中心市街地の可能性 市民が安心して暮らせ 環境負荷も小さく 効率良い公共投資が可能な コンパクトな街づくり の必要性は 全国的に高まっています コンパクトな街を形成するには 公共交通の利便性が高いことや 歩行圏内に様々な都市機能が集積していることが必要となります 川北地区は JR 延岡駅と宮崎交通 ( バス ) などの交通結節点といった 高い利便性を有しています 一方で 商業機能においては 商店街の空き店舗率は高い水準にあるが 若手商店 国道 218 号 今山 主が積極的にまちづくりに取組んでおり 賑わいの再生の兆しも見えてきています さらに 近年はマンション建設も行われ まちなかへの居住も進みつつあります また 今山といった歴史文化資産や 昭和初期から培った伝統行事 延岡の食ブランドの一つであるチキン南蛮発祥の地といった大衆文化も有しています このように 都市基盤や交通結節機能がある程度整備され 一方で 文化資産の層の厚い地区でもあることから 歩いて暮らせるコンパクトな街づくりを進めるにあたり 最も適した地区であると考えられます 今山大師 五ヶ瀬川 川北地区の模式図 全蓋アーケード 住宅群 新商業ビル 川北商業群 鉄道 駅 住宅群 住宅群 国道 10 号 ロードサイド商業 社会背景 東九州の基幹都市としての重要性 コンパクトシティとしての可能性大 歩行者の街としてのポテンシャル 将来の社会変化に対応した都市の見直しの必要性がある そのためには 既存のインフラを有効に活用したコンパクトな都市構造が求められる 宮崎県北部はもとより 九州圏域においても東九州の中心的都市としての役割を担う 地勢的に延岡市の市街地は集約的なまちづくりがなされており 都市インフラや都市文化を有効に活用できる可能性がある モータリゼーションによる郊外化が進み商業は低迷しているが 延岡駅のある川北地区は都市インフラが集約されており 歩行圏域に生活必需機能が集積し 歴史的な都市文化も継承されている 将来の社会変化に対応し コンパクトな都市が求められている時代において 延岡市は都市構造が拡大しておらず 有利な都市構造をしています なかでも 川北地区は歩いて暮らせる次世代の街としてのポテンシャルが高いことから 平成 13 年度に策定した 延岡市中心市街地活性化基本計画 の重点整備区域を 本構想における中心市街地と位置づけ JR 延岡駅周辺の整備を核とした整備方針 整備メニューを定めます -4 -

Ⅲ. 延岡駅周辺整備の課題と取組みのポイント 延岡駅周辺地域における 東九州の中心的都市にふさわしい都市機能の向上 と 賑わいの再生 を創出するための課題を検討し 市民ワークショップや専門者会議等で出された意見を踏まえて整備の方針をまとめます Ⅲ-1 課題の整理と取組みのキーワード 東九州の中心的都市にふさわしい都市機能向上 と 賑わいの再生 を進めるためには 長期的な視点に立ちながら 街の居心地を良くすることや周辺地域との間での活発な交流を進めていくこと また 地域経済の循環を促すことが重要であると考えられます さらに 市民が街づくりを意識し 行政と連携を図りながら自発的な活動を行う地域コミュニティの存在も大切になってきます そこで 様々な課題を 街の居心地 広域交流 街の経済活性 コミュニティのちから というキーワードで整理を行い 取組みのポイントを抽出します 課題 キーワード 歩いて暮らせる街づくりを創出するため 行政サービスや医療 福祉など 生活を支援する機能を向上させ 街なかの居住人口や街なかを訪れる人を増やしていくことが必要です また 街なかに住む人が快適に暮らせるよう 都市としての機能を向上させていくことも重要になります 街の居心地 駅周辺の地域特性を生かし 鉄道 バスなど交通結節点の利便性を向上させることや 観光 物産など延岡の情報発信機能を高めるなど 東九州の基幹都市としてふさわしい玄関口の整備が必要です 広域交流 まちなか居住の推進と併せて これまで実施してきた商業振興の支援策を充実させ 商業者の活躍の場を創出し 大型店には無い魅力的なエリアを形成することが必要です また 新たなニーズに対応した医療 福祉などの生活を支える産業を誘導し 地域内の経済を活性化させることも必要です 街の経済活性 商店街の人々や地域の住民が協力して力を合わせながらコミュニティを形成し 地域としての力を備えるための仕組づくりが必要です コミュニティのちから -5 -

Ⅲ-2 キーワードから導かれる取組みのポイント 前項で出された課題とキーワードをもとに それぞれの取組みにおけるポイントを整理していく 取組みのポイント まちの居心地 障がい者や高齢者にも優しく 歩いて楽しい空間の創造 まちなかに住む人を増やしながら 快適な居住環境を整備 市の玄関口としての市民が誇れる景観づくり 広域交流 交通結節点の利便性を向上させ 東九州の基幹都市としてふさわしい玄関口の整備 豊かな地域資源を集め まちの魅力を高める仕組みづくり 街の経済活性 魅力ある商業エリアを形成し 回遊性のあるまちづくり 整備された都市基盤を生かしつつ まちなか居住を踏まえ 新たな産業等を創出 コミュニティのちから まちへの愛着と 活動の場となる環境づくり 市民によるまちづくり活動を支援するシステムの構築 -6 -

Ⅳ. 延岡駅周辺地区の整備方針と整備メニュー 課題から導かれた取組みのポイントから 延岡駅周辺整備の整備方針を下記に示します Ⅳ-1 整備方針 整備方針 1 東九州の中心的都市にふさわしい 都市の顔 づくり 延岡の玄関口にふさわしい 交通結節点の利便性の向上を図ります バリアフリーに配慮した 歩いて楽しい都市空間の整備を目指します 市民が自慢できる都市景観整備を目指します 整備方針 2 賑わい再生の基点となる複合施設の整備 周辺に波及効果が生まれるよう 民間資本 活力を活用した賑わい再生のモデル事業として施設整備を目指します 付加価値のある居住環境を整備して まちなか居住を推進します 観光 物産などの機能を強化し 延岡の情報発信力を高めます 周辺商業集積エリアと回遊性のあるまちづくりを目指します 整備方針 3 市民協働によるまちづくり ワークショップ等を開催し 景観の形成や賑わいの再生などを 市民と一緒に駅周辺整備を行います 駅周辺整備を通して 将来のまちづくりを担える人材育成に努めます -7 -

Ⅳ-2 整備メニュー 整備方針 に基づき延岡駅周辺地区の整備メニューを下記のとおり示します 整備方針 1: 東九州の中心的都市にふさわしい 都市の顔 づくり 延岡駅舎の建て替え バリアフリーに配慮し 駅利用者の歩行動線の向上を図ります 本市を訪れる人に 延岡の伝統や文化等が伝わる玄関口として整備を図ります 東西自由通路の架け替え 駅の東西の市街地をつなぐ良好な歩行者専用の通路を バリアフリーに配慮して整備を図ります 西口広場の再整備 駅前空間の居心地のいい景観に配慮し 市民に憩いの場として再整備を図ります 東口広場の再整備 駐車場としての機能から 駅前広場としての機能の向上を図ります 整備方針 2: 賑わい再生の起点となる複合施設の整備 民間活力を活用した複合施設の整備 まちなか居住の推進及び福祉機能を中心としたパブリックサービスの向上を目的として 民間事業者の資本を活用した民間発案による整備を図ります 周辺への波及効果が期待できるモデル事業の推進を図ります 整備方針 3: 市民協働によるまちづくり 市民 関係者が一緒になったまちづくり 景観等に配慮した駅周辺整備を行うためワークショップ等を開催し 市民の意見を広く取り入れた整備を目指します 市民の利便性の向上を図るための空間や 市民団体等の活動の場を 市民と一緒に創っていきます -8 -