集合は, 概念が抽象的であると同時に, 記号による取り扱いが多くなるので, 常に具体的な例での指導を心がける 命題の真偽や必要条件, 十分条件などは, 集合の包含関係の図と関連付けて直感的に理解させる 対偶を利用する証明や背理法による証明などの間接証明法は, その考え方を理解させるように丁寧に指導す

Similar documents
Microsoft Word - 数学指導案(郡市教科部会)

<4D F736F F D AAE90AC94C5817A E7793B188C481698D5D E7397A791E58A A778D5A814094F68FE3816A2E646F63>

Microsoft Word - 201hyouka-tangen-1.doc

25math3

学習指導要領

学習指導要領

○数学科 2年 連立方程式

< F2D30365F8EF68BC68CA48B E6A7464>

学習指導要領

< F31322D C8E825693FA8A778F4B8E7793B188C42E6A7464>

平成23年度東京都教育研究員  地区発表公開授業

Microsoft Word - 中学校数学(福島).doc

1 単元名 分数 ( 全 10 時間 ) 教材名 分数をくわしく調べよう ( 東京書籍 4 年下 ) 第 4 学年算数科学習指導案平成 26 年 11 月 26 日 ( 水 ) 5 校時 4 年 1 組 ( 男子 13 名 女子 10 名計 23 名 ) 指導者上田稚子 ( 学習指導要領 ) A 数

Microsoft Word - 町田・全 H30学力スタ 別紙1 1年 数学Ⅰ.doc

学習指導要領

学習指導要領

第 2 学年 理科学習指導案 平成 29 年 1 月 1 7 日 ( 火 ) 場所理科室 1 単元名電流とその利用 イ電流と磁界 ( イ ) 磁界中の電流が受ける力 2 単元について ( 1 ) 生徒観略 ( 2 ) 単元観生徒は 小学校第 3 学年で 磁石の性質 第 4 学年で 電気の働き 第 5

<4D F736F F D208FAC5F8E5A5F355F88C08C7C8D E7397A789C288A48FAC2E646F6378>

Ⅰ 指導と評価の年間計画 及び 評価規準と単元計画 の作成の手引き 1 指導と評価の年間計画 についてこれは 次の 2 の 評価規準と単元計画 の全単元について その概要を記述したものである 生徒の学習活動に対するより適正な評価 及び生徒の学習の改善に生かされる評価 ( 指導と評価の一体化 ) の実

<4D F736F F D E7793B188C D915F88E48FE38BB E646F63>

< F2D F8C8E FA90948A7789C88A778F4B8E7793B1>

Microsoft Word - 全国調査分析(H30算数)

<4D F736F F D A778F4B8E7793B188C481698D A778D5A90948A7789C8816A202E646F6378>

(Microsoft Word - 201\214\366\212J\216\366\213\3061\224N\211\271.docx)

国語科学習指導案様式(案)

能を習得したり活用したりすることの必要性について確認する グラフをかく力やグラフを読み取る力を身に付けさせるとともに, 一次関数を学ぶことに対する意欲を高めたい 小単元全体を通して主体的に学ぶ意欲を高め, 自分の考えを説明したいという気持ちにさせた上で, 目的や方法等を明確にした意図のあるペアやグル

Microsoft Word - 社会科

第4学年算数科学習指導案

< F2D A793F18CB388EA8E9F95FB92F68EAE2E6A7464>

Taro-小学校第5学年国語科「ゆる

数学○ 学習指導案

数学科学習指導案 1 次方程式 ( 中学校第 1 学年 ) 神奈川県立総合教育センター < 中学校 高等学校 > 数学 理科授業づくりガイドブック 平成 22 年 3 月 問題つくりを題材として取り上げ 身近な生活の中にある数量関係を見いだし それを基に文章題を作らせる指導によって 自ら具体的な事象

< F2D87408E7793B188C C993A190E690B6816A2E6A7464>

< F2D332093F18E9F95FB92F68EAE2E6A7464>

学習指導要領

第 3 学年 2 組算数科学習指導案 1 単元名たし算とひき算の筆算 指導者永田佳江 2 単元について (1) 単元観 該当する学習指導要領の内容 A 数と計算 A(2) 加法, 減法 (2) 加法及び減法の計算が確実にできるようにし, それらを適切に用いる能力を伸ばす 本単元で扱う たし算とひき算

彩の国埼玉県 埼玉県のマスコット コバトン 科学的な見方や考え方を養う理科の授業 小学校理科の観察 実験で大切なことは? 県立総合教育センターでの 学校間の接続に関する調査研究 の意識調査では 埼玉県内の児童生徒の多くは 理科が好きな理由として 観察 実験などの活動があること を一番にあげています

5 単元の評価規準と学習活動における具体の評価規準 単元の評価規準 学習活動における具体の評価規準 ア関心 意欲 態度イ読む能力ウ知識 理解 本文の読解を通じて 科学 について改めて問い直し 新たな視点で考えようとすることができる 学習指導要領 国語総合 3- (6)- ウ -( オ ) 1 科学

(3) 指導観本時は 連立方程式の文章題を扱う最初の時間である 方程式の文章題は 個数と代金に関する問題 速さ 時間 道のりに関する問題 割合に関する問題 を扱う これらを解くときには図や表 線分図などを書くことが有効であることを生徒達は昨年度一次方程式の時にも経験している 一元一次方程式を利用する

学習指導要領

ホームページ掲載資料 平成 30 年度 全国学力 学習状況調査結果 ( 上尾市立小 中学校概要 ) 平成 30 年 4 月 17 日実施 上尾市教育委員会

学力スタンダード(様式1)

関数を活用することで現実世界の課題を解決できるということを通して, 生徒に関数の有用性を実感させたい そのために, 陸上競技トラックの問題 を用いて, 現実世界の課題から関数関係を見いだし, 表 式 グラフなどを用いて数学的に処理し, 現実世界の課題を解決する ことで, 関数を用いた問題解決の理解を

<4D F736F F D A778D5A95DB8C9291CC88E789C881408E7793B188C42E646F63>

Microsoft PowerPoint - syogaku [互換モード]

英語                                    英-1

学習指導要領


1. 単元名 運動とエネルギー 3 章エネルギーと仕事 南中学校第 3 学年理科学習指導案 平成 26 年 10 月 16 日 ( 木 ) 第 5 校時 3 年生徒数 3 名場所理科室授業者 2. 単元について (1) 単元観本単元は 運動の規則性やエネルギーの基礎を 身のまわりの物体の運動などの観

Microsoft PowerPoint - 中学校学習評価.pptx

4 単元構想図 ( 全 14 時間 ) 生徒の意識の流れ 表を使って解く 縦 (m) 0 8 横 (m) x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう1 ax = b (x + m) = nは平方根の考えで解くことができる x= 右辺の形に式を変形して 二次方程式を解こう2 x +

問 題

学習指導要領

H30全国HP

学年第 3 学年 2 単元名 ( 科目 ) いろいろな関数の導関数 ( 数学 Ⅲ) 3 単元の目標 三角関数 対数関数 指数関数の導関数を求めることができる 第 次導関数の意味を理解し 求めることができる 放物線 楕円 双曲線などの曲線の方程式を微分することができる 4 単元の学習計画 三角関数 対

(2) 計画学習課題 学習内容 時間 連立方程式とその解 二元一次方程式とその解の意味 2 連立方程式とその解の意味 ( 本時 1/2) 連立方程式の解き方 文字の消去の意味 加減法による連立方程式の解き方 5 代入法による連立方程式の解き方 連立方程式の利用 問題を解決するために 2つの文字を使っ

第 4 学年算数科指導案 平成 28 年 11 月 2 日 ( 水 ) 第 5 校時場所 4 年 2 組男子 22 名女子 10 名指導者垣見遥 ともなって変わる量 思考力 判断力 表現力の育成 ~ 児童の考えを引きだす算数的活動の工夫 ~ 1 単元名 ともなって変わる量 2 単元の目標 ともなって

○学部 ○○科 学習指導案

第 2 学年 5 組理科学習指導案 日時平成 26 年 12 月 12 日 ( 金 ) 場所城北中学校授業者酒井佑太 1 単元名電気の世界 2 単元について (1) 教材観今日の私たちの日常生活において 電気製品はなくてはならないものであり 電気についての基礎的な知識は必要不可欠である しかし 実際

4 単元の評価規準 コミュニケーションへの関心 意欲 態度 外国語表現の能力 外国語理解の能力 言語や文化についての知識 理解 与えられた話題に対し 聞いたり読んだりした 1 比較構文の用法を理解 て, ペアで協力して積極 こと, 学んだことや経 している 的に自分の意見や考えを 験したことに基づき

第 6 学年算数科学習指導案 日時平成 25 年 月 日 ( ) 校時対象第 6 学年 組 名学校名 立 小学校授業者 1 単元名 速さ ( 学校図書 6 年上 ) 2 単元の目標速さについて理解し 求めることができるようにする 3 単元の評価規準 単元の評価規準 ア算数への関心 意欲 態度 速さを

第 3 学年算数科学習指導案 日時対象学校名授業者会場 平成 27 年 7 月 8 日 ( 水 )5 校時 13:40~14:25 第 3 学年均等割クラス 19 名町田市立町田第六小学校 2 階 3 年 1 組教室 1 単元名 かけ算の筆算 ( 学校図書 みんなと学ぶ小学校算数 3 年上 ) 2

中学校第 3 学年社会科 ( 公民的分野 ) 単元名 よりよい社会をめざして 1 本単元で人権教育を進めるにあたって 本単元は 持続可能な社会を形成するという観点から 私たちがよりよい社会を築いていくために解決すべき課題を設けて探究し 自分の考えをまとめさせ これらの課題を考え続けていく態度を育てる

中学校第 3 学年数学科学習指導案 日 時 平成 25 年 月 日 ( ) 第 校時 対 象 第 3 学年 学校名 立 中学校 1 単元名 式の計算第 1 章式の計算 2 単元の目標文字を用いた簡単な多項式について 式の展開や因数分解ができるようにするとともに 目的に応じて式を変形したりその意味を読

単元構造図の簡素化とその活用 ~ 九州体育 保健体育ネットワーク研究会 2016 ファイナル in 福岡 ~ 佐賀県伊万里市立伊万里中学校教頭福井宏和 1 はじめに伊万里市立伊万里中学校は, 平成 20 年度から平成 22 年度までの3 年間, 文部科学省 国立教育政策研究所 学力の把握に関する研究

17-年間授業計画(1年数学).xlsx

<4D F736F F D E8CA791E589EF89A198488FAC8E7793B188C42E646F63>

の 問を提示して定着度を確認していく 1 分けて計算するやり方 70 = =216 2 =6 2 筆算で計算する方法 題材の指導計画 ( 全 10 時間扱い ) ⑴ ⑵ ⑶ 何十 何百 1 位数の計算 1 時間 2 位数 1 位数

(2) -2,4,1 3 y=-x-2 をかいた ( 人 ) 4 (1) y=2x-9,y=2x,y=3x+3 (2) y=x+11 (3) 指導観校内の研究テーマが 考える力を引き出す授業のあり方 ということで, 数学科では考える力とは何かを分析し,11 項目に整理した 1 帰納的に考える力 2

2、協同的探究学習について

(3) 計画 学習課題学習内容時間 変わり方のようすをわかりやすく表すにはどうしたらよいか考えよう変わり方が大きいか小さいかを調べるにはグラフのどこに目をつけるとよいのだろう 2つの折れ線グラフからどんなことが分かるだろう折れ線グラフをかこう 変わり方を分かりやすく表す工夫 折れ線グラフの縦軸と横軸

高等学校第 2 学年保健体育科学習指導案 1 単元名生涯を通じる健康 ( 現代保健体育 大修館書店 ) 期日平成 23 年 10 月 19 日 ( 水 ) 第 5 校時場所県立宇土高等学校 2 年 2 組教室指導者教諭横田大典 2 単元について (1) 単元観本単元は 生涯の各段階において健康にかか

国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2015)のポイント

「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けて

平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果の概要 ( 和歌山県海草地方 ) 1 調査の概要 (1) 調査日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) (2) 調査の目的義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から 全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握 分析し 教育施策の成果と課題を検証し

(Microsoft Word -

<4D F736F F D A E497E182C694BD94E497E181762E646F6378>

けて考察し, 自分の考えを表現している 3 電磁石の極の変化と電流の向きとを関係付けて考え, 自分の考えを表現している 指導計画 ( 全 10 時間 ) 第 1 次 電磁石のはたらき (2 時間 ) 知 1, 思 1 第 2 次 電磁石の強さが変わる条件 (4 時間 ) 思 2, 技 1, 知 2

第5学年  算数科学習指導案

<4D F736F F D20979D89C88A778F4B8E7793B188C48F4390B394C581698C4696EC F838E69816A2E646F63>

Microsoft Word - ④「図形の拡大と縮小」指導案

5 主体的 対話的で深い学びの視点 (1) 主体的な学びとしての視点主体的な学びとして 本単元ではプレゼンテーションを作成する段階で 聞き手の関心を最大限ひきつけることができるようなテーマの設定を生徒たち自身に行わせたい このことにより 教師から与えられたテーマではなく 自分たち自身もより興味 関心

目 次 1 学力調査の概要 1 2 内容別調査結果の概要 (1) 内容別正答率 2 (2) 分類 区分別正答率 小学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 3 小学校算数 A( 知識 ) 算数 B( 活用 ) 5 中学校国語 A( 知識 ) 国語 B( 活用 ) 7 中学校数学 A( 知識 )

平成 0 年度高校 1 年 ( 中入 ) シラバス予定 授業計画月単元 項目内容時数 10 節三角形への応用数学 Ⅱ 1 章方程式 式と証明 1 節整式 分数式の計算 1 正弦定理 2 余弦定理 三角形の面積 4 空間図形の計量 参 内接円の半径と三角形の面積 発展 ヘロンの公式 1 整式の乗法と因

(Microsoft Word - \207U\202P.doc)

file:///D:/Dreamweaber/学状Web/H24_WebReport/sho_san/index.htm

2 図形の定義や性質を見いだすための算数的活動を取り入れる 2 枚の長方形, 長方形と三角形,2 枚の三角形を重ねて四角形を作る活動を取り入れ, 向かい合う辺の平行関係に着目させたり, 長さに着目させたりしながら, 四角形を定義できるようにする コンパスや分度器, ものさし等を使って, 四角形の構成

算数科学習指導案 広島市立 小学校教諭 1 日時平成 21 年 2 月 日 ( ) 2 学年 5 年 組 3 単元数量関係 割合とグラフ 4 単元について 本単元では, 百分率について理解し, それを用いることができるようにするとともに, 目的に応じて資料を分類整理し, それを円グラフや帯グラフを用

平成 30 年 1 月平成 29 年度全国学力 学習状況調査の結果と改善の方向 青森市立大野小学校 1 調査実施日平成 29 年 4 月 18 日 ( 火 ) 2 実施児童数第 6 学年 92 人 3 平均正答率 (%) 調 査 教 科 本 校 本 県 全 国 全国との差 国語 A( 主として知識

平成 年度佐賀県教育センタープロジェクト研究小 中学校校内研究の在り方研究委員会 2 研究の実際 (4) 校内研究の推進 充実のための方策の実施 実践 3 教科の枠を越えた協議を目指した授業研究会 C 中学校における実践 C 中学校は 昨年度までの付箋を用いた協議の場においては 意見を出

4 本単元と情報リテラシーの関わり 課題設定担任による 説明会におけるデモンストレーションを見ることを通して 本単元を貫く言語活動としての これぞ和の文化! おすすめの 和の文化 を調べて説明会を開こう を知り 見通しを持たせ学校司書による関連図書紹介を通して 和の文化への関心を高め 進んで調べよう

での生活では, 理科の学習という意識が薄くなっている 理科の学習が自分の生活に役に立っていると 感じている児童は多いが, 便利にしてくれると感じている児童は少ない このことから理科で学習した 内容が, 生活の中で生かされていることを実感できるような指導を行っていきたい ( 学習活動への意識に関するこ

平成 22 年度全国学力 学習状況調査結果の概要と分析及び改善計画 調査実施期日 平成 22 年 4 月 20 日 ( 火 )AM8:50~11:50 平成 22 年 9 月 14 日 ( 火 ) 研究主任山口嘉子 調査実施学級数等 三次市立十日市小学校第 6 学年い ろ は に組 (105 名 )

理科学習指導案

第 5 学年 社会科学習指導案 1 単元名自動車をつくる工業 2 目標 我が国の自動車工業の様子に関心を持って意欲的に調べ, 働く人々の工夫や努力によって国民生活を支える我が国の工業生産の役割や発展について考えようとしている ( 社会的事象への関心 意欲 態度 ) 我が国の自動車工業について調べた事

PowerPoint プレゼンテーション

3 単元の目標 (1) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象に進んでかかわり それらを科学的に探究するとともに 事象を日常生活とのかかわりでみようとする 自然事象への関心 意欲 態度 (2) 電流と電圧との関係及び電流の働きに関する事物 現象の中に問題を見いだし 目的意識をもって観察

1. 研究主題 学び方を身につけ, 見通しをもって意欲的に学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における算数科授業づくりを通して ~ 2. 主題設定の理由 本校では, 平成 22 年度から平成 24 年度までの3 年間, 生き生きと学ぶ子どもの育成 ~ 複式学級における授業づくり通して~ を研究主題に意欲的

知識・技能を活用して、考えさせる授業モデルの研究

<4D F736F F D E8CA791E589EF89A198488FAC8E7793B188C42E646F63>

Transcription:

高等学校第 1 学年数学科学習指導案 期日平成 25 年 10 月 1 日 ( 火 ) 第 5 校時場所熊本県立鹿本高等学校 1 年 1 組教室指導者教諭山下剛 1 単元名数学 Ⅰ 第 1 章 数と式 第 4 節 集合と命題 10. 命題と証明 < 数学 Ⅰ( 数研出版 )> 2 単元について (1) 単元観本章は高校数学のスタートであり, 高校数学の基礎が盛り込まれている 式の展開や因数分解を通して式の計算の技能を身に付けること, 中学校までに扱ってきた数を実数としてまとめ, 数の体系について理解を深めること,1 次不等式を使っていろいろな問題が考えられるようになること, 集合の考え方を導入し, ものごとを論理的に証明するための表現方法を身に付けることなどは, 今後, 数学にとどまらず, 自然科学, 社会科学を学ぶときの基礎になる大切なことである この単元では, 集合と命題について学習する 集合という概念は高校に入って初めて学習する事柄である 中学校までは集合的な考えは若干学んではいるが, それを表す用語は未習であり, 様々な用語, 記号を導入することによって, 概念の明確化, 抽象化, 一般化を図る また, 数学で扱われる多くの事項は p ならば q という命題の形をしている その真偽を意識し, 判断ができるようになる ( 対偶を用いた証明法, 背理法による証明法を含む ) ことは, 必ず身に付けさせるべきことである さらに, 論証の基礎となる必要条件, 十分条件, 必要十分条件についても, 意味を正しく理解させる必要がある (2) 系統観 中学 1 年中学 2 年中学 3 年高校 1 年 平面図形 B 図形 図形の合同 B 図形 図形の相似 B 図形 ( 本時 ) 集合と命題 数学 Ⅰ (1) 数と式 高校 1 年 場合の数と確率 数学 A (1) 場合の数と (3) 生徒観 本クラスは普通科体育コースであり, 男子 31 人, 女子 2 人, 計 33 人である 明るく元気がよく, 授業中もこちらの質問に対し, 何らかの答えを返してくれる しかし, 集中力が 継続しないことも多い クラス内での習熟度の差も大きく, 自分で問題を解き進んでいく生徒もいる 一方で, 解答の方針をこちらが示すまで全く進まない生徒もいる 9 月現在, 進学希望が 20 人, 就職 ( 公務員を含む ) 希望が 13 人である 進学先は, ほとんどがスポ ーツ関係の学科である 5 月に行った数学に関するアンケートの主な結果は, 以下のとおりである 数学の勉強が 好き :60.6% 好きではない :39.4% 数学の勉強が 得意 :36.4% 得意ではない :63.6% 友達と考えを出し合う活動が 好き :75.8% 好きではない :24.2% 数学の授業で, 充実しているのは 自分の力だけで答えを考え出すことができたとき :75.8% ( 複数回答可 ) テストをやって点数がよかったとき :69.7% やることが分かったとき :63.6% 数学の授業で, 分からないところがあったときは 友達に聞く :78.8% ( 複数回答可 ) 先生に聞く :45.5% (4) 指導観 確率

集合は, 概念が抽象的であると同時に, 記号による取り扱いが多くなるので, 常に具体的な例での指導を心がける 命題の真偽や必要条件, 十分条件などは, 集合の包含関係の図と関連付けて直感的に理解させる 対偶を利用する証明や背理法による証明などの間接証明法は, その考え方を理解させるように丁寧に指導する 問題を解く過程で利用する図や記号などを, ノートやプリントなどにきちんと残させ, 内的思考だけでは分かりにくい概念を可視化させておく 先のアンケートの結果から分かるように, 友達と意見を交換することが好きな生徒が, クラスの 8 割近くいる そこで, 班活動の時間を確保し, 自分の意見を発表したり, 他人の意見を聞いてまとめたりすることで, 思考力 表現力等を伸ばし, 学習内容の理解を促す しかし, そういうことが苦手な生徒もいるので, そのような生徒でも発言しやすい問題を設定する 視点 1 思考力 表現力等の育成 視点 2 学習評価と指導の改善 視点 3 情報活用能力の育成 視点 1 言葉では分かりづらい概念を, ベン図などを用いて, 視覚的に表現することで理解を深める また, 班別活動を取り入れ, 友達との意見のやりとりを行うことで, 自分の意見をきちんと述べられる力を養うことはもちろんのこと, 他の人の考えを参考にできる力も養う 視点 2 頭の中だけで考えさせるのではなく, ノートやプリントに図をかいて考えをまとめるように促す プリントに残させた思考過程や自己評価表を活用することで, 教師の実態把握に役立てる パフォーマンス評価を行い, 見えにくい学力の可視化を図り指導に生かす 視点 3 本単元での重点項目は, 論理的な思考の育成である そのために, 用語や記号を導入するが, 一般的な例ではなかなか理解が進まない 具体的な例を示すことで, 自分がこれまでに学んだ知識がどのように役立っているかに気付かせ, 本単元の学習の有用性を感じさせる 3 単元の目標と評価規準集合と命題について理解させ, 基礎的な知識の習得と技能の習熟を図り, 事象を単元の目標数学的に考察する能力を培い, 数学のよさを認識できるようにするとともに, それらを活用する態度を育てる 関心 意欲 態度集合と命題の考え方に関心を持つとともに, 数学のよさを認識し, それらを事象の考察に活用して数学的な考え方に基づいて判断しようとする 数学的な集合と命題において, 事象を数学的に考察し表現したり, 思考の過程を振り返り見方や考え方多面的 発展的に考えたりすることなどを通して, 数学的な見方や考え方を身に付けている 数学的な技能集合と命題において, 事象を数学的に表現 処理する仕方や推論の方法などの技能を身に付けている 知識 理解集合と命題の基本的な概念, 原理 法則などを体系的に理解し, 基礎的な知識を身に付けている

4 指導 評価の計画 (10 時間取扱い本時 8/10) 次時 学習活動 指導上の留意点 三つの視点から 評価の観点 ( 評価方法 ) B 基準 具体的な例を通して, 集合外延的記法は具体的な要素がの定義を理解する また, 要並ぶので生徒にも分かりやす 関心 意欲 態度 ( 観察 ) 条件を満たすものを集合の要素 素を記号を用いて表す いが, 内包的記法では代表元をとしてとらえることができる 集合を, 次の二つの方法で用いて表すというところで分 数学的な技能 ( ノート ) 表す かりにくさを感じると思われ 集合の特徴によって, 要素を 1 要素をすべて列挙する るので丁寧に指導する ( 外延的記法 ) 要素の満たす条件, あるいは性質を示す ( 内包的記法 ) 二つの集合の包含関係や相等を考え記号を用いて表す 列挙する方法と要素の満たす条件を示す方法を使い分けて, 集合を表すことができる 2つの集合の関係を記号を用いて表すことができる 二つ ( または三つ ) の集合共通部分, 和集合, 補集合 ( こ数学的な技能 ( 学習シート ) をベン図に表す の後に学ぶ ) は, 命題や条件にベン図などを用いて, 集合を視 共通部分と和集合についておける かつ または で覚的に表現して処理することが 理解し, 記号を用いて表す ない の理解につながるので, できる 2 確実に理解させる 知識 理解 ( ノート ) 視点 1 共通部分や和集合を共通部分, 和集合, 空集合につ 求めるときに, 単に要素を拾いいて理解している 上げるのではなく, きちんとベ 3つの集合の共通部分, 和集合 ン図をかかせる について理解している 全体集合や補集合について数学では考察の対象となるも理解し, 記号を用いて表す のの集合をはっきりとさせて 集合ベン図に記入し,A おくことが重要であることを 3 B,A B などを求める 強調する 知識 理解 ( ノート ) 補集合について理解している ド モルガンの法則を理解し, 利用できる 上の結果を利用して, ド 視点 1 ベン図をもとにド モルガンの法則を理解する モルガンの法則に気付かせる 具体的な例を通して, 命題論理を正面から取り上げるの 関心 意欲 態度 ( 観察 ) の定義を理解する また, そは初めてである 論理的な考え命題と条件の違いや, 命題と集 の真偽を求める 方の基礎となる事項であるた 合との関係について, 積極的に 条件, 仮定や結論などの用め具体例を通して丁寧に指導 理解しようとする 語の意味を理解する する 数学的な見方や考え方 ( ノート ) 命題の真偽と集合の関係が命題が真のときは証明し, 偽の命題の真偽を, 集合の包含関係 分かる ときは反例を挙げればよいこ に結び付けてとらえることがで 第 4 命題が偽であることを示すとを指導する には反例を一つ示せばよいこ きる 知識 理解 ( ノート ) 4 節 とを, 集合と関連付けて理解する 命題の真偽, 反例の意味を理解し, 命題が偽であることを示すには反例を一つ挙げればよいことが理解できている 集合の包含関係や反例などを調べることで, 命題の真偽を決定 することができる

集合 5 と命題 6 7 8 本時 9 具体的な条件の否定を求める かつ または の否定を求める 例題を解き, 必要条件, 十分条件, 必要十分条件をきちんと理解する 具体的な例を通して, 逆, 対偶, 裏の定義をきちんと理解する もとの命題と逆の真偽が必ずしも一致しないことを理解する もとの命題と対偶の真偽が必ず一致することを理解し対偶を用いて命題を証明する 課題学習 として, 命題についての様々な問題に取り組む パフォーマンス課題に取り組む 背理法のしくみを理解し, 命題を証明する 10 問題演習 かつ の否定, または の否定は, 前回学習した, ド モルガンの法則と関連させて指導する 視点 3 かつ 及び または の否定は, 集合で学習した ド モルガンの法則 と関連していることに気付かせる 論理の山場ともいえる事項であるので, 具体例を通して丁寧に指導する 真である命題の逆は真になることもあるし, 偽になることもあるということを十分理解させる 視点 1 班別活動を取り入れ自分の意見を述べたり, 他の人の考えを参考にしたりする場面を設定する 視点 2 パフォーマンス評価と自己評価表を基に, これまでに学習した内容がきちんと身に付いているか確認し, 今後の指導に生かす 視点 3 これまで学習した内容を, どのように活用しているかに気付かせる 間接証明法は生徒にとって初めてで分かりにくいところがあると思われるので, 証明の手順を丁寧に説明する 結論を否定したとき, 矛盾する事項が導けない生徒が見受けられるので, その点にポイントをおいて指導する 知識 理解 ( ノート ) 条件の否定を表す記号を理解している 条件の否定, ド モルガンの法則を理解しており, 複雑な条件の否定を求めることができる 知識 理解 ( ノート ) 必要条件, 十分条件, 必要十分条件, 同値の定義を理解している 関心 意欲 態度 ( 観察 ) 直接証明法では難しい命題も, 対偶を用いた証明法を用いると容易に証明できることに興味関心を示す 知識 理解 ( ノート ) 命題の逆, 対偶, 裏の定義と意味を理解しており, それらの真偽を調べることができる 対偶を適切に利用し, 命題を証明できる 関心 意欲 態度 ( 学習シート ) 命題についての様々な問題に興味関心を示す 関心 意欲 態度 ( 観察 ) 直接証明法では難しい命題も, 背理法を用いると証明できることに興味 関心を示す 知識 理解 ( ノート ) 背理法のしくみを理解し, 適切に利用し, 命題を証明することができる

5 本時の学習 (1) 目標前回学習した対偶をとることの有用性を確認し, 三段論法と合わせて命題についての考えを深める (2) 展開 過程学習活動主な発問 指示等指導上の留意点及び評価 導入 5 分 1 問題 1( 暗号 ) (1) 自力解決 (2) 解答解説 2 問題 2( 対偶 ) (1) 自力解決 (2) 班に分かれ, 解答の 手順を確認する どのような規則を見つ けましたか 三人ずつの班に分かれ るように指示する まず, 一人で考えてみよ う 班に分かれ, 自分の考え を述べよう の考えをまとめよう 三つの視点から どうしてそのような結果になっ たか, きちんと説明できるように解 答を残させる ( 以下の問題も同じ ) 視点 1 班内での交流を通して自 分の考えを深めさせる 視点 3 答えを導くために使った 手順が, 前回学習した内容 ( もとの (3) 班長に発表させる 解けなかった人は, 友達命題と対偶の真偽は必ず一致する ) 言語活動 自分の意見を発表したり, 他人の意見を聞いて考えをまとめたりする であることに気付かせる 備考 展開 40 分 3 問題 3( 三段論法 ) どのように答えを導きますか 4 問題 4 まず, 一人で考えてみよ ( 対偶 + 三段論法 ) う (1) 自力解決 班に分かれ, 自分の考え (2) 班に分かれ, 解答のを述べよう 手順を確認する 解けなかった人は, 友達 (3) 班長に発表させる の考えをまとめよう 5 問題 5( 背理法 ) まず, 一人で考えてみよ (1) 自力解決 う (2) 班に分かれ, 解答の 班に分かれ, 自分の考え手順を確認する を述べよう (3) 班長に発表させる 解けなかった人は, 友達の考えをまとめよう 席を元に戻すように指示する 三段論法について説明する 視点 1 班内での交流を通して自分の考えを深めさせる 視点 3 対偶をとること, 三段論法を利用することの有用性を感じさせる 視点 1 班内での交流を通して自分の考えを深めさせる 背理法 という証明方法があることを説明する

6 チャレンジ問題 まず, 一人で考えてみよ 視点 1 他人の説明を聞かせるこ (1) 自力解決 う とで, 自分の考えを深めさせる (2) 発表させる 答えまでたどり着かな 視点 2 パフォーマンス評価によ くてもいいから, 自分の考 り, 学習した内容がきちんと身に付 えはきちんと残そう いているか確認する 解けなかった人は, 友達 視点 3 対偶をとること, 三段論 の考えをまとめよう 法を利用すること, 矛盾を導くこと の有用性を感じさせる 評価 : 関心 意欲 態度 ( 学習シート ) B 基準命題に関する基本的な概念に関心を持ち, それらを事象の考察に活用しようとしている A 基準命題に関する基本的な概念に関心を持ち, それらを事象の考察に活用し, 答えを求めている B 基準に達しない生徒への手立て 個別に既習事項を見直すよう支援する 整理 7 今日の学習で分か 自己評価をしよう 視点 2 言葉かけなどにより, 正 自己 5 分 ったことをまとめ自 次回は背理法について 確に自己評価ができるようにする 評価 己評価を行う 学習します 表