第3章 住宅政策上の課題(基本的課題)

Similar documents
Microsoft Word - ◆概要版.doc

表紙

定住意向で 今後も住み続けたい が過半数 ( 約 60%) を占めている 高齢者 障がい者対策で 身近なデイサービスの拡充 道路 公共施設のバリアフリー 相談窓口 等を求める意見が多い 子育て支援では 公園 保育所 児童館の整備 が多い 3) 周辺環境について より広い 地区単位の区分では以下のよう

相模原市住宅基本計画 概要版

(2) 金沢市の世帯数の動向 350, , ,000 ( 人 世帯 ) ( 人 / 世帯 ) 世帯数 世帯人員 , , , , ,1

用への助成を除くと 住宅に関する融資や助成制度等の情報提供の充実 との回答割合が高い( 子育て住み替え意識調査 ) 以上のことから 住宅が手狭であることを理由に市外へ転出する若い世代が相当数存在し また その傾向が強まっていることがうかがえる また 住み替え後は4LDKの間取りを中心とした持ち家 (

問 2. 現在 該当区域内に居住していますか 1. 居住している % 2. 居住していない % 無回答 % % 単位 : 人 1.9% 32.7% 65.4% 1. 居住している 2. 居住していない無回答 回答者のうち 居住者が約 65

一宮市住宅マスタープラン ~ 住み続けたいまち 住んでみたいまち 人々が生き生きと暮らせるまち ~ 概要版 平成 2 5 年 3 月 一宮市

大規模住宅団地の現状と活性化・再生の進め方

四国中央市住宅マスタープラン 概要版 平成 30 年 3 月四国中央市 Since

住まい まちづくりの基本目標と基本的施策の展開方向 1. 住まい まちづくりの理念と基本目標 だれもが安心して住み続けたいと感じる魅力ある とだ の住まい まちづくり を政策の基本理念とし これを実現するために次の 3 つを基本目標として総合的な施策を図るものとします 基本目標 -Ⅰ 多様なニーズに

() 土地の総面積 利用目的別面積 所有する土地の面積は 最小で 90 m 最大で,400m であり 00~400 m との回答が最も多い 駐車場としての利用では 月極駐車場が 309 台分 日貸駐車場では 5 台分となっている 所有する総面積 00m以下 m未満 m未満


資料 4 平成 29 年 1 月 27 日記者会見 土地区画整理事業に関する土地利活用意向調査の実施結果について 復興推進本部都市整備推進室 1 土地利活用意向調査の目的 市内 4 地区の土地区画整理事業は 平成 29 年度末を目標に全ての宅地引渡しが完了できるよう鋭意工事を進めております 地権者へ

<4D F736F F D2088EB8AF28E738F5A91EE837D E815B E646F63>

3章.xdw

目次 I. 転入者 転出者転出者アンケート実施概要 調査の目的 調査の内容 調査の方法等... 3 II. 調査の結果 回収の状況 転入者調査... 4 (1) 回答者の属性について... 4 (2) 転入前 転入後のお

(Microsoft Word - \216\221\227\2773)

( 資料 3) 比較検討した住宅 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資料 4) 住宅の選択理由 (%) 注文住宅取得世帯分譲戸建住宅取得世帯分譲マンション取得世帯 中古戸建住宅取得世帯 中古マンション取得世帯 ( 資

高齢者住宅施策の現状と今後の方向性

221 新潟県長岡市 齋藤氏【自治体における組織横断的な連携~精神障害者の地域移行を通して~】

<4D F736F F D D182D AB816A30372E E388EA906C95E982E782B B A838A815B83582E646F6

平成23年度

1 住みかえ派の 90.3% リフォーム派の 86.9% が シニアライフを送る住まいに 満足! シニアライフを送る 現在の住まいに対して 住みかえを行った人の 90.3% リフォームを行った人の 86.9% が 非常に満足 (100 点 ) または まあまあ満足(75 点 ) と回答し いずれも満

目 次 調査結果について 1 1. 調査実施の概要 3 2. 回答者の属性 3 (1) 主な事業地域 3 (2) 主な事業内容 3 3. 回答内容 4 (1) 地価動向の集計 4 1 岐阜県全域の集計 4 2 地域毎の集計 5 (2) 不動産取引 ( 取引件数 ) の動向 8 1 岐阜県全域の集計

満足度調査 単純集計結果

< E63489F AE8E5982CC8C698B4393AE8CFC82C98AD682B782E B836792B28DB88C8B89CA202E786C73>

平成13年度分譲マンションアンケート調査(簡易集計結果)

スライド 1

<4D F736F F D2088EA8B7B8E738F5A91EE837D E815B B95D2817A>

第 1 章アンケートの概要 1-1 調査の目的 1-2 対象者 1-3 調査方法 1-4 実施期間 1-5 調査結果サンプル数 第 2 章アンケート調査結果 2-1 回答者自身について (1) 問 2: 年齢 (2) 問 5: 同居している家族 2-2 結婚について (1) 問

at-research-vol02.pdf

                                   

Microsoft Word - 02_.{...i.T.v...j

【ペット&ファミリー】ペットオーナーの防災対策意識調査

. 調査概要 清里町住生活基本計画の策定にあたり 清里町民の住宅に関する意識や意向などを把握する ため 住宅アンケート調査を実施しました 調査の目的 対象 方法等は以下の通りです () 調査の目的 住宅アンケート調査は 清里町住生活基本計画策定のための基礎調査として 町民の居住意識や意向などの把握を

報道関係者各位 2019 年 2 月 1 日野村不動産アーバンネット株式会社 リリースカテゴリー 都市型コンパクトタウン 都市再生 地方創生グローバルへの取組み不動産テック 働き方改革健康 介護ニーズ社会課題定期報告 レポート 不動産情報サイト ノムコム 住宅購入に関する意識調査 ( 第 16 回

<81798E9197BF32817A91538D918C7689E682CC95CF8D5882C982C282A282C >


報道関係者各位 2015 年 9 月 1 日 アットホーム株式会社 トレンド調査 30 代 40 代男女に聞く 実家に対する思い 調査 実家が空き家になる可能性がある 29.1% 実家がなくなるのは寂しい 68.4% 不動産情報サービスのアットホーム株式会社 ( 本社 : 東京都大田区 代表取締役

平成 24 年 11 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁福島県大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 全世帯主 ( 分散避難している場合は それぞれの代表者 ) 5,378 世帯 2. 調査時期 : 平成 24 年 9 月 7 日 ( 金 )~9 月 24 日 ( 月 )

西原町 2~4 丁目地区 区域図 西原町 2~4 丁目地区 低密度住宅ゾーン 中密度住宅ゾーン 戸建ての低層住宅地を主体に落ち着いた雰囲気を持った良好な居住環境の形成を誘導します また 都市農地の保全に努め 農地と共存した良好な居住環境の形成を誘導します 低層住宅と中高層住宅が調和した良好な居住環境

Microsoft Word - 沖縄県住生活基本計画(概要版)1101

1 調査目的 今年度策定する 津山市総合戦略 で 子どもを産み 育てやすい環境づくりに 向けた取組みを進めるにあたり 出産 子育ての現状を把握するために実施した 2 調査内容の背景と設問設定理由国では 出生率を 2.07 まで高めることで 2060 年に現状の社会構造を維持できる人口 1 億人程度を

1 防災機能 東海地震防災対策強化地域 東南海 南海地震防災対策推進地域に指定され 大規模地震の危険性の高い地域となっています 平成 19 年度の住宅の耐震化率は 77% です 4m 未満の狭あい道路に接する住宅は 概ね 40% 前後で推移しています 近隣市と比較すると西尾市に次いで高く 2m 未満

公的な住宅改修制度について

目次 1. 調査の概要 調査の目的 調査対象 対象地域 調査方法 回収状況 結果の概要 住み替え 建て替え リフォームに関する事項 住み替えに関する意思決定 リフォーム

城陽市総合計画策定に係る

PowerPoint プレゼンテーション

<4D F736F F D208EE18ED28F5A91D682A68A C55F8DC58F4982E682E BA907D8DB782B591D682A65F2E646F6378>

シニア世代の住まいに関する意識調査 調査結果詳細 調査概要 調査方法 : インターネットリサーチ首都圏 ( 東京 神奈川 千葉 埼玉の 1 都 3 県 ) 調査地域 : 関西圏 ( 大阪 京都 兵庫 奈良の 2 府 2 県 ) および中部圏 ( 愛知県 ) の計 3エリア定年 ( 老 ) 後のシニア

Microsoft Word - 【資料3】表紙

<4D F736F F D E9197BF A B837D95CA8E7B8DF495FB8CFC90AB C E7396AF89EF8B A A6D >

マンション棟数密度 ( 東京 23 区比較 ) 千代田区中央区港区新宿区文京区台東区墨田区江東区品川区目黒区大田区世田谷区渋谷区中野区杉並区豊島区北区荒川区板橋区練馬区足立区葛飾区江戸川区

Microsoft Word - 3

売買 売買仲介アンケート調査結果とりまとめ Ⅰ 各社の企業概要 (1) 本社所在都道府県 2

=平成22年度調査結果の概要===============


福岡市居住支援協議会 福岡市居住支援協議会の概要 目 的 住宅困窮者の状況及び民間賃貸住宅市場の動向に関する情報 を共有するとともに, 民間賃貸住宅を活用した住宅困窮者の円滑 入居支援策の効果的な推進を図る 根拠法令 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律 ( 住宅セーフティネット

PowerPoint プレゼンテーション

スライド 1

調査概要 ゆとり世代 と 親世代 の住まいと距離に関する意識調査 調査結果詳細 調査方法 : インターネットリサーチ調査地域 : 1 都 3 県 ( 東京都 神奈川県 千葉県 埼玉県 ) (1) 1987 年度以降生まれの 22~25 歳の社会人の男女 1 都 3 県に実家があり かつ現在も圏内に在

(3) 住宅ストック の概況 1 住宅総数と空家率住宅総数は一貫して増加傾向にあり 昭和 63 年の 38,100 戸から平成 20 年の 58,570 戸へと 20 年間で 20,470 戸増加しています 空家数は昭和 63 年の 3,500 戸 ( 空家率 9.2%) から バブル後の平成 5

目 次 1. 調査の概要... 1 (1) 調査の目的... 1 (2) 調査概要... 2 (3) 回収結果 Web アンケート調査の結果 ( 単純集計結果 ) 調査の結果 ( クロス集計結果 ) (1) を選択した回答者の傾向について (2)

Microsoft Word - 報告書.doc

3. 民泊の利用経験 SQ1: あなたは 民泊 を利用したことがありますか ( いくつでも ) 回答者属性 不在民不在民利用し不在民不在民利用し H 民泊 - H 民泊 - H 民泊 - H 民泊 - 泊 - 国泊 - 海たこと泊 - 国泊 - 海たこと国内海外国内海外内外はない内外はない 100.

<4D F736F F F696E74202D AC28BAB82DC82BF82C382AD82E82E707074>

<4D F736F F D208B4C8ED294AD955C95CA8E F396EC816A2E646F63>

活動状況調査

3 地域コミュニティ活動について 地域コミュニティ活動 への参加について よく参加している 時々参加している とい う回答は 55.4% となりました また 参加したことはない と回答された方以外を対象に 地域コミュニティ団体の課題と 思うもの を尋ねたところ 回答が多かったものは 以下のとおりです

ホームページリンク用(つなぐTOWN).pptx

本報告書についての問い合わせ先 国土交通省住宅局住宅政策課経済班 TEL ( 代表 ) 内線

9月23日は不動産の日 「 不 動 産 の 日 ア ン ケ ー ト 」  - 不動産に関する意識調査結果 -

< 調査結果 > 空き家になった場合 実家は 売れる 42.9% 借り手が見つかる 31.9% もしあなたの実家が空き家になって 賃貸物件にする場合 借り手が見つかると思なたの実家が空き家になって 売却する場合 売れると思う Q. もしあなたの実家が空き家になって う (n=618) Q. もしあな

(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

地域住宅計画 計画の名称千葉市地域 (3 期 ) 都道府県名千葉県作成主体名計画期間平成 27 年度 ~ 31 年度 千葉市 1. 地域の住宅政策の経緯及び現況 千葉市は千葉県のほぼ中央部に位置し 人口は約 96 万人 世帯数は約 42 万世帯の地域で地域面積は k m2である 本市では

Microsoft Word - H29住宅市場報告書_本編0406.docx

業務のご案内HPアップ用.numbers

本報告書についての問い合わせ先 国土交通省住宅局住宅政策課経済班 TEL ( 代表 ) 内線

部門別方針 / 住宅 住環境整備の方針 Ⅲ-6 3) 住環境の状況全市の土地利用に占める住宅系土地利用の割合は 約 32% となっています ( 平成 22 年度都市計画基礎調査 ) 本市の住宅地は 地形や市街化の経緯 土地利用状況等により 鎌倉地域の戸建住宅地 大船 深沢 腰越の既成市街地の住宅地

<4D F736F F D C190BC8E73817A92B28DB88C8B89CA95F18D908F E646F63>

<4D F736F F D D8297EE90A291D182CC8F5A88D38EAF92B28DB8838A838A815B83588DC58F4994C5>

<4D F736F F D2092E88F5A91A D E F C589FC816A8DC590562E646F63>

(2) 配布 回収の状況 団地 No 団地名戸数 入居年月 配布数回収数回収率駅距離地区 1 エステート落合 5-8 団地 277 S % 1km 以上 2 グリーンテラス豊ヶ丘団地 251 S % 1km 以上 3 エステート鶴牧 4

調査結果の概要 ( ) 内のページ数は本プレスリリースの詳細ページ 1 1. シニア層が分譲型シニア向け住宅 2 に望む内容 クラスターは 共用施設 & 健康サービス志向タイプ が 3 割と最も多い (p3 4) 共用施設& 健康サービス志向タイプ は現在の生活利便性の低さに不満 (p5) 介護サー

3. 申込先および問い合わせ先募集期間平成 29 年 6 月 9 日 ( 金 )~ 平成 29 年 6 月 19 日 ( 月 ) まで 土日祝日を除く毎日 午前 8 時 30 分 ~ 午後 5 時 15 分まで受付都市整備課建設 住宅係 ( 新庁舎 2 階 ) 申込先

SS過疎地問題に関する調査研究

<4D F736F F F696E74202D E9D82BF89C688EA8CCB8C9A82C48D7793FC8ED282CC8EC091D492B28DB82E B93C782DD8EE682E890EA97705D205B8CDD8AB B83685D>

能代市中心市街地活性化計画

高齢者の住まいに係る社会背景 高齢化が急速に進む中で 高齢者の単身者や夫婦のみの世帯が急増しており 介護 医療と連携して 高齢者を支援するサービスを提供する住宅を確保することが重要である 一方 高齢者住宅の供給は 欧米各国に比べて立ち後れている状況である 国土交通省 厚生労働省共管の制度として 高齢

< 調査結果 > 単身社会人 2 軒目の賃貸物件は グレードアップ した 71.4% 現在のお住まいは 1つ前のお住まいよりも グレードアップ した と思いますか? Q. 現在のお住まいは 1 つ前のお住まいよりも グレードアップ した と思いますか? ( 対象 :304 名 有効回答 :304 名

Microsoft Word - ‰L”Òfl�Ł\”‚Š¿.doc

1 調査の目的 マイナンバーカード に関するアンケート 区政運営 区政会議 に関するアンケート 区の広聴事業 に関するアンケート 防災 に関するアンケート 防犯 に関するアンケート区民の皆さんに マイナンバーカード取得に関する事や 区政会議 広聴事業の取り組み 住之江区の防災 防犯についてお伺いし

PowerPoint プレゼンテーション

平成16年度

<4D F736F F D208E9197BF AD698418C7689E682C982A882AF82E98E7B8DF E646F63>

Microsoft PowerPoint 【資料9】アンケート結果速報.pptx

< 賃貸住宅管理業者登録制度 > 国土交通省では 賃貸住宅管理業の適正化を図るため 平成 23 年から任意の登録制度として賃貸住宅管理業者登録制度を実施しています 賃貸住宅管理業者登録制度では サブリースを含む賃貸住宅管理業の遵守すべきルールを設けており 登録業者は このルールを守らなければなりませ

PowerPoint プレゼンテーション

目 次 Ⅰ. 調査の概要 1. 調査の目的 対象等 2. 有効回答数および回答者の内訳 Ⅱ. 調査結果 5 1. 住まいについて 1 -a. 現在の家賃は?( ) -b. 現在の家賃は?( ) 2 -a. 現在の間取りタイプ 建物タイプは?( ) -b. 現在の間取りタイプ 建物タイプは

Transcription:

市原市住生活基本計画 第 3 章市民ニーズの把握及び住宅市場の動向 1. 市民ニーズの把握 ( 市民アンケート調査 ) 1) 調査の概要 市民の意見を計画に反映するため 市民の住宅や住環境に対する評価 今後の住宅や住まい方についての希望 住宅施策に対する評価等を把握することを目的として アンケート調査を実施しました 実施した期間平成 20 年 10 月下旬 ~11 月下旬 調査した対象地区別年齢別の構成比を考慮し 無作為抽出した 1,000 世帯を対象としました 調査方法郵送により配布 回収しました 回収できた率回答数は 381 票 ( 回答率 38.1%) です 質問の内容については以下の通りです (1) 現在の住まいについて住宅 住環境に対する満足度 住宅の問題点 住環境の問題点 空き家の有無 間取り 居住している住宅 リフォームの実態 ( 有無 内容 実施した理由 リフォームにあたっての不安 ) 賃貸住宅の理由 持ち家取得にあたっての不安 (2) 住み替えについて住み替えの際の希望立地 住み替えの予定 住み替えの実績 住み替える理由 転居先を選択する基準 直前に住んでいた場所と住宅 (3) 少子化対策について子育てしやすい住宅の要望 子育てしやすい住環境の要望 (4) 老後の住まい方などについて老後の住まい 老後の周辺環境の要望 高齢者や障がい者が安心して暮らすための条件 (5) 地域コミュニティの形成 住民主体のまちづくりについてコミュニティ形成に向けた取り組み 住民主体のまちづくりを進めていくために必要なこと (6) 今後の住宅施策について今後の公営住宅のあり方 今後重視すべき施策 ( 今後 5 年間で優先的に取り組むべき施策 長期的な視点で継続的に取り組むべき施策 ) 36

第 3 章市民ニーズの把握及び住宅市場の動向 2) 調査の結果と考察 (1) 現在の住まいについての質問です (1)-1 満足度について 問 現在の住宅や住環境についてどの程度満足されていますか 満足している が 15.5% まあ満足している が 45.1% 合計で約 6 割が概 ね満足しいると回答しています 地区別の構成比をみると ちはら台 及び 辰 巳台 では満足度が非常に高く 8 割から 9 割となっています 0% 20% 40% 60% 80% 100% 姉崎 13.5% 54.1% 27.0% 5.4% 市原 16.4% 39.7% 37.0% 6.8% 五井 12.9% 44.1% 28.0% 15.1% 三和 10.5% 47.4% 36.8% 5.3% 市津 6.7% 53.3% 40.0% 辰巳台 33.3% 46.7% 20.0% 南総 15.2% 30.3% 51.5% 3.0% 加茂 18.2% 36.4% 36.4% 9.1% 有秋 18.2% 54.5% 22.7% 4.5% ちはら台 30.0% 60.0% 10.0% 満足まあ満足やや不満不満な点が多い 37

市原市住生活基本計画 (1)-2 住宅の問題点について 問 現在の住宅について何かお困りのことはありますか ( 複数回答 ) 最も多かったのが 防犯性 で 34.8% 続いて 結露 防災性 バリアフリー化 がそれぞれ 30% を超えています 防犯に対する不安が大きいことが特徴です (1)-3 住環境の問題点について 問 現在住んでいる場所の周辺環境について 何かお困りのことはありますか ( 複数回答 ) 交通の利便性について が 40.3% を占め 次いで 教育施設や文化施設が遠い 病院 福祉施設が遠い がそれぞれ 30% 前後と 施設利用面における不便さについてが多く その他では 買い物に不便である 等が多くなっています 38

第 3 章市民ニーズの把握及び住宅市場の動向 (1)-4 空き家の数について 問 現在住んでいる場所の周辺に空き家が見受けられますか 38.5% の人が見受けられると答えています 39

市原市住生活基本計画 (1)-5 リフォームに関する不安について 問 リフォームにあたって不安を感じたことはありますか ( 複数回答 ) 費用に関すること が 41% で最も多く 次いで 悪質業者の存在 が 31.3% と なっています 全体的にリフォームに関する情報の少なさに関連している不安がう かがえます (1)-6 持ち家取得に関する不安について 問 持ち家を取得するにあたって 不安に感じていること 又は感じたことは何です か ( 複数回答 ) 最も多いのが 資金に関すること で 38% を占めており 良い業者の選び方がわからない 情報が少ない 及び 性能や品質に関すること がそれぞれ約 25% と続いており (1)-5 リフォームに関する不安について と同様 情報の少なさや不透明さについての不安が多いようです 40

第 3 章市民ニーズの把握及び住宅市場の動向 (2) 住み替えについての質問です (2)-1 希望する立地について 問 今後 もし住むとしたらどのような立地が良いと思いますか 郊外 が 33.1% 街なかや都市の中心部 が 24.5% と続く中 特にこだわらない という意見も 21.3% に上っています 年齢別構成比 ( 下図 ) によると 若い世代が 郊外 を望む傾向がある一方 年齢の高いほうが まちなかや都市の中心部 を望む傾向があります 地区別 ( 下図 ) にみると 郊外 田園 といった立地については大きな隔たり はありませんが まちなかや都市の中心部 については 10% 弱から 40% 弱と 差 が出ています 41

市原市住生活基本計画 (3) 少子化対策についての質問です (3)-1 子育てしやすい住宅についての希望について 問 子どもを育てやすい住宅として望まれることは何ですか ( 複数回答 ) 防犯対策 が最も多く 54.9% を占めています 子育てはもちろん 生活全般に おいても重要視されていることがうかがえ 少子化対策として 防犯性に優れた安 全で健康的な住宅を望んでいる傾向がうかがえます (3)-2 子育てしやすい住環境についての希望について 問 子どもを育てやすい住環境として望まれることは何ですか ( 複数回答 ) 子どもが安心して遊べる場所を作る が最も多く 72.6% を占めています 安全 な住宅だけでなく 子どもにとっても快適な環境づくりが望まれています 42

第 3 章市民ニーズの把握及び住宅市場の動向 (4) 老後の住まい方についての質問です (4)-1 老後の住環境についての希望 問 高齢者や障がい者が 安心して暮すためにはどのようなことが重要だと思われま すか ( 複数回答 ) 在宅介護サービスなど地域福祉を充実する が最も多く 72.5% を占めており 住宅の供給 ( 住宅の充実 ) や 新しい住まい方を普及させる ( 他の住宅に住み替える ) といったものよりも 現在の住宅に住みながら受けられるサービスに対する要望が多い傾向がうかがえます (5) 地域コミュニティの形成 住民主体のまちづくりについての質問です (5)-1 コミュニティ形成に向けての取組みについて 問 コミュニティ形成に向けてどのような取り組みが必要だと考えていますか ( 複数回答 ) 最も多いものは 高齢者 児童の見守り で 61.6% を占めており 次いで 地域 ぐるみのまちづくり活動に参加する が 51.5% となっています 43

市原市住生活基本計画 (6) 今後の住宅施策についての質問です (6)-1 公営住宅のあり方について 問 公営住宅の今後のあり方について どのようなことに取組むべきだと思いますか ( 複数回答 ) 高齢者や障がい者 ひとり親世帯などの入居を優遇する が最も多く 62.3% の 回答があります 子育て世帯の市営住宅への入居を優遇する と比較しておよそ 2 倍であり 社会的弱者の入居を優先させたいという意向がうかがえます 44

第 3 章市民ニーズの把握及び住宅市場の動向 (6)-2 今後の施策について 問 今後 どのような施策を重視するべきだと思いますか ( 複数回答 ) [ 今後 5 年間で優先的に取組むべき施策 ] について 地震などの災害に強い住まいづくり 高齢者などが安心して暮らせる住宅を確保する 安心して子育てできる住まいづくり がそれぞれ 60% を超えており 耐震対策やセーフティネットの拡充を重要視しています 特に 防災性 については (1)-2 住宅の問題点について や (1)-3 住環境の問題点について でも同様に挙げられています また 高齢者や子育て等の福祉関連の他 近年非常に注目を集めている 省エネや省資源に配慮した住まいづくり も 重視されていることがうかがえます 45

市原市住生活基本計画 (6)-2 今後の施策について 問 今後 どのような施策を重視するべきだと思いますか ( 複数回答 ) [ 長期的な視点で継続的に取り組むべき施策 ] について 自然環境や歴史と調和した住まい まちづくり が 61.3% 地域住民によるまちのルールづくり が 49.2% といった地域のアイデンティティーに関する項目が多くなっています また 市営住宅など住宅困窮者向けの住まいを確保する といった 格差社会の進行する現在の社会情勢を配慮した施策についても重視している傾向がうかがえます 46

第 3 章市民ニーズの把握及び住宅市場の動向 2. 住宅市場の動向 ( 不動産事業者ヒアリング調査 ) 1) 調査の概要 (1) ヒアリングの目的統計データ等からでは把握の困難な現場の声を施策に反映していくため 不動産事業者等に対するヒアリング調査を行いました 調査により 市場動向の現状 課題を明確にし 持ち家取得支援 ( 供給サイド 需要サイド ) の方策 ファミリー世帯の市内居住と市内住み替え ( 持ち家取得 ) 支援の方策 高齢者の安定的な住まいの確保策等を検討する基礎資料とします (2) 調査対象五井駅 姉ヶ崎駅 八幡宿駅周辺の他 ちはら台地区において不動産取引を行っている事業者を対象としました 調査の実施にあたっては 地域によって傾向が異なることを考慮し 宅建協会から 各地域において事業を行っている地域の事情に詳しい事業者の紹介により実施しました (3) 質問内容の概要 分譲住宅 分譲住宅の市場全般について分譲物件の供給動向 物件概要 購入者のニーズ 土地所有者の意向 今後の住宅供給について供給エリア 土地活用の動向 需要喚起に必要なこと 賃貸住宅の市場全般について賃貸ストックの近年の変化等 分譲物件の影響 高齢者や障がい者の賃貸住宅事情について入居の動向 入居制限等の現実 バリアフリー化への対応 ファミリー世帯の賃貸住宅事情について物件概要と賃料水準 居住期間 ( 住替えの動向 ) 空き家の状況 社宅の状況他 47

市原市住生活基本計画 2) 調査の結果と考察 問 1 市場動向について 全般的に 分譲 賃貸市場とも冷え込んでいる傾向はありますが 駅の徒歩圏内や 環境整備 インフラ整備が整っているところでは住宅需要は十分に期待できます 住宅市場は 分譲 賃貸とも全般的には少し冷え込んでいる傾向が感じられる マンション市場では 値下げする物件もあります 戸建て住宅のニーズは全般的に低下傾向にあるものの 駅徒歩圏内では需要があり 駅前の区画整理事業によるインフラ整備で 需要は十分に期待できます 賃貸市場では ファミリー層の需要はまだあり 部屋の収納スペースや 駐車場 公園等設備面や環境面が良い戸建て感覚の良い物件であれば需要があると感じています 問 2 高齢者について 高齢者に対応した市場環境は整っていないと感じています ただし 今後の需要増は明らかであり バリアフリー仕様等高齢者に対応した環境整備が望まれます 高齢者等に対しては 現実として賃貸市場は敬遠している傾向がうかがえます 高齢者については 特に千葉市方面からの需要が期待でき バリアフリー等高齢者仕様での物件が必要になります 問 3 空き家について 住宅の空き家は確実に増えていることが感じられます ( 大学移転 経済状況等 ) 貸し手側としては何らかの工夫をしていくことが必要です 空き家は確実に増えていると感じています 帝京平成大学の一部移転により 賃貸アパートの空き室が増えました 空き家については 家賃等経済条件の問題はもとより 立地条件や防犯対策 設備面での対応が遅れている物件が多いことがうかがわれます 現在は借り手市場であり 供給過多の状況にあると感じられます 空き家にならないためには ペットが飼えるなど 何らかの工夫をしていくことが必要であると考えられます 48

第 3 章市民ニーズの把握及び住宅市場の動向 問 4 外国人について 外国人の需要は明らかに増加していますが 言葉や習慣の問題でトラブルとなる場合もあります 外国人に対しては 昔と違い 入居制限することはほとんどありません 貸主側の事情もあるが 借主側も保証人をたてるなど準備を行っています 最近は外国人にも仲介しており 支払いもしっかりしています 言葉と習慣等の問題でトラブルになるケースも時々あります 問 5 社宅について 企業側の事情を背景に 社宅は民間サイドへ確実に移行しています 社宅も民間住宅へ移行してきており 会社側は 社宅から民間住宅への移行を進めている傾向がみえます 今の社宅は全体として仕様が古く 狭いものが多いため 今の住民のニーズに合わず 現入居者もいずれ退去すると考えられます 社宅用地は広さもあり 分割して戸建て住宅用地に変わっています 問 6 その他 良い物件は 駅に近く 買い物に便利で セキュリティなどがしっかりしています インフラ整備が第一です ちはら台は地区計画により 環境の良い街であり まだ新しい 市原市の顔 文教都市として位置づけ PR して欲しいと考えます 49