実務特集1. 寄附修正 Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 2010 年 11 月号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 寄附修正 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステ

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Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 本号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 承前 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステータス 100% グループ内の法人からの受取配当

【問】適格現物分配に係る会計処理と税務処理の相違

法人による完全支配関係下の寄附金 1.100% グループ内の法人間の寄附 ( 法法 372) 現行税制上では 寄附金は支出法人では損金計上限度額を超える部分が損金不算入 受領法人では益金算入です 平成 22 年度税制改正により 100% グループ内での支出法人では寄附金全額を損金不算入とし 受領法人

CONTENTS 第 1 章法人税における純資産の部の取扱い Q1-1 法人税における純資産の部の区分... 2 Q1-2 純資産の部の区分 ( 法人税と会計の違い )... 4 Q1-3 別表調整... 7 Q1-4 資本金等の額についての政令の規定 Q1-5 利益積立金額についての政

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

自己株式とみなし配当 1. 自己株式取得の法務自己株式は 会計上は資本取引として認識し 純資産の部から取得価額を控除する形式で表示します ( 自己株式会計基準 7) 一方税務上では 発行法人の貸借対照表と自社株式の取引価額次第で みなし配当課税と所得税の源泉徴収が必要な場合があります 自己株式の取得

完全子会社同士の無対価合併 1. 会社法の規制 100% 子会社同士が合併する場合は 兄弟合併とも言われます 実務上は新設合併はマイナーで 法律上の許認可の関係で一方が存続する吸収合併が一般的です また 同一企業グループ内での組織再編成の場合は 無対価合併が一般的です 簡易合併に該当する場合は 存続

別表五(一) 利益積立金額及び資本金等の額の計算に関する明細書

「平成20年版 法人税申告書の記載の手引」別表五(一)

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

繰越損益金 26 欄記載要領注意事項 定により積み立てた剰余金の配当に係る利益準記載した金額を 当期の備金の額は 利益準備金 1 の 増 3 に記載増減 の 増 3 に 印します を付して記載します ( そ ⑷ 平成 22 年 10 月 1 日以後に適格合併に該当しの積立額は 翌期においない合併によ

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

投資法人の資本の払戻 し直前の税務上の資本 金等の額 投資法人の資本の払戻し 直前の発行済投資口総数 投資法人の資本の払戻し総額 * 一定割合 = 投資法人の税務上の前期末純資産価額 ( 注 3) ( 小数第 3 位未満を切上げ ) ( 注 2) 譲渡収入の金額 = 資本の払戻し額 -みなし配当金額

完全支配関係の添付書類 ( 出資関係図 ) (1) 出資関係図の記載例 (Q&A 問 1) 平成 22 年度税制改正で グループ法人税制が導入されたことに伴い 法人税の確定申告書に 内国法人との間に完全支配関係がある法人との関係を系統的に示した図 ( 以下 出資関係図 という ) を添付することが定

法人税 faq

1. みなし配当とは? A Q1. みなし配当の定義とみなし配当が生じる取引について教えてほしい みなし配当とは 以下 1~6 の事由により法人が株主へ金銭等の交付を行った場合において その交付金銭等の合計額がその法人の資本金等の額又は連結個別資本金等の額のうち交付の基因となった株式に対応する部分を

自己株式の消却の会計 税務処理 1. 会社法上の取り扱い取得した自己株式を消却するには 取締役会設置会社の場合は取締役会決議が必要となります ( 会 178) 取締役会決議では 消却する自己株式数を 種類株式発行会社では自己株式の種類及び種類ごとの数を決定する必要があります 自己株式を消却しても 会

とともに 繰越損益金 26 の 増 3 の金額に含まれることになります なお この場合に会社法第 445 条第 4 項の規定により積み立てた剰余金の配当に係る利益準備金の額は 利益準備金 1 の 増 3 に記載します ⑸ 平成 22 年 10 月 1 日以後に適格合併に該当しない合併により完全支配関

平成30年公認会計士試験

債務超過会社の吸収合併 1. 会社法の規制債務超過会社を消滅会社とする合併は 旧 商法では 資本充実の原則 に反するとして認められていませんでした つまり 合併登記が受理されませんでした このため実務上は 不動産や有価証券の含み益を計上するか営業権を認識して債務超過を解消する あるいは債務超過の子会

[2] のれんの発生原因 企業 ( または事業 ) を合併 買収する場合のは 買収される企業 ( または買収される事業 ) のおよびを 時価で評価することが前提となります またやに計上されていない特許権などの法律上の権利や顧客口座などの無形についても その金額が合理的に算定できる場合は 当該無形に配

営業活動によるキャッシュ フロー の区分には 税引前当期純利益 減価償却費などの非資金損益項目 有価証券売却損益などの投資活動や財務活動の区分に含まれる損益項目 営業活動に係る資産 負債の増減 利息および配当金の受取額等が表示されます この中で 小計欄 ( 1) の上と下で性質が異なる取引が表示され

日本基準基礎講座 資本会計

第 298 回企業会計基準委員会 資料番号 日付 審議事項 (2)-4 DT 年 10 月 23 日 プロジェクト 項目 税効果会計 今後の検討の進め方 本資料の目的 1. 本資料は 繰延税金資産の回収可能性に関わるグループ 2 の検討状況を踏まえ 今 後の検討の進め方につ

日本基準でいう 法人税等 に相当するものです 繰延税金負債 将来加算一時差異に関連して将来の期に課される税額をいいます 繰延税金資産 将来減算一時差異 税務上の欠損金の繰越し 税額控除の繰越し に関連して将来の期に 回収されることとなる税額をいいます 一時差異 ある資産または負債の財政状態計算書上の

利益積立金額第 10 章税法上の資本の部 第 2 節利益積立金額 利益積立金額とは 法人の所得の金額のうち留保されているものをいう ( 法 21 十八 ) この利益積立金額は 法人の所得として課税済みの金額であり それが株主等に配当等された場合には二重課税の調整を要し また 特定同族会社の留保金課税

3. 改正の内容 法人税における収益認識等について 収益認識時の価額及び収益の認識時期について法令上明確化される 返品調整引当金制度及び延払基準 ( 長期割賦販売等 ) が廃止となる 内容改正前改正後 収益認識時の価額をそれぞれ以下とする ( 資産の販売若しくは譲渡時の価額 ) 原則として資産の引渡

貸借対照表 (2019 年 3 月 31 日現在 ) ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 科目 金額 ( 資産の部 ) ( 負債の部 ) 流動資産 3,784,729 流動負債 244,841 現金及び預金 3,621,845 リース債務 94,106 前払費用 156,652 未払金 18,745

平成28年度 第143回 日商簿記検定 1級 会計学 解説

<4D F736F F D2095BD90AC E31328C8E8AFA8C888E5A925A904D C8E86816A2E646F63>

128 Z E I K E I T S U S H I N 10. 3

A. 受贈者に一定の債務を負担させることを条件に 財産を贈与することを 負担付贈与 といいます 本ケースでは 夫は1 妻の住宅ローン債務を引き受ける代わりに 2 妻の自宅の所有権持分を取得する ( 持分の贈与を受ける 以下持分と記載 ) ことになります したがって 夫は1と2を合わせ 妻から負担付贈

スピンオフに関する組織再編税制の改正 PwC 税理士法人 国際税務 /M&A タックスグループディレクター原嵩 はじめに 2017( 平成 29) 年度税制改正では事業再編の環境整備のために 経営戦略に基づく先を見据えたスピード感のある事業再編等を加速するため 特定事業を切り出して独立会社とするスピ

1% 子会社の清算に係る繰越欠損金の引継ぎ等 概要 平成 22 年度税制改正後においては 平成 22 年 1 月 1 日以後の解散決議により 完全支配関係がある子法人が清算した場合のその清算法人株式の譲渡損益については その清算法人株式を簿価で譲渡したものとして 親法人で譲渡損益 ( 清算損 ) を

その他資本剰余金の処分による配当を受けた株主の

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

平成25年度 第134回 日商簿記検定 1級 商業簿記 解説

連結の補足 連結の 3 年目のタイムテーブル B/S 項目 5つ 68,000 20%=13,600 のれん 8,960 土地 10,000 繰延税金負債( 固定 ) 0 利益剰余金期首残高 1+2, ,120 P/L 項目 3 つ 少数株主損益 4 1,000 のれん償却額 5 1,1

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

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グループ法人課税の導入 清算所得課税の廃止などの大きな実務措置がとられた平成 22 年度改正 本誌では法人税通達および質疑応答を実務に活かせる知識とするための解説を 3 回に渡りお届けしています 第 2 回の今回はグループ法人税制の対象を判断する肝となる支配関係 完全支配関係の判定のほか 寄附修正 中小特例の制限 配当に係る改正点について解説します 目 次 Ⅰ Ⅱ はじめに 25 100% グループ法人間の寄附 ( 前号からの続き ) 25 1 寄附修正 25 Ⅲ 完全支配関係の判定 29 1 概要 29 2 完全支配関係の定義 29 Ⅳ グループ法人のステータス 35 1 概要 35 2 中小企業向け特例措置の制限 35 3 制限される 100% グループ子法人の判定方法 36 Ⅴ Ⅵ 100% グループ法人からの受取配当等の益金不算入 37 100% グループ内の法人間の現物配当 38 1 概要 38 2 適格現物分配の趣旨と活用方法 38 24 スタッフアドバイザー 2010.12

実務特集1. 寄附修正 Ⅰ はじめに グループ法人税制 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べ 100% グループ内の法人間の寄附 ( 以上 2010 年 11 月号 ) 100% グループ内の法人間の寄附 ( 寄附修正 ) 支配関係 完全支配関係の判定 100% グループ内の法人のステータス 100% グループ内の法人からの受取配当等の益金不算入 100% グループ内の法人間の現物配当 ( 以上 本号 ) 受取配当等の益金不算入清算所得課税の廃止 期限切れ欠損金の損金算入 Ⅱ 100% グループ法人間の寄附 ( 前号からの続き ) 取扱い ポイント1 子会社の寄附による純資産の増減に対応して親法人の保有する子法人株式の簿価および利益積立金を修正しようとするのが寄附修正 寄附修正が設けられた背景については 寄附を行い価値の下がった子法人株式を売却して譲渡損の計上をするような租税回避を防止 親法人のみが寄附修正を行います 2010.12 スタッフアドバイザー 25

個人株主については利益積立金という概念自体が存在せず寄附修正は行いません 連結完全支配関係がある法人間の寄附についても 寄附修正は行いません 子法人間で寄附が行われた場合には 親法人は取引に直接関与しないにもかかわらず税務調整が必要 ポイント2 この制度の対象となる子法人とは 法人との間に完全支配関係がある一方の法人のことをいいます グループ法人全体として完全支配関係下にあればよい 1% しか保有していない法人株主であっても 寄附修正事由が生じた場合には寄附修正が必要 ポイント3 親法人ではこの帳簿価額の加減算につい て所得の発生は認識せずに 直接利益積立金額を増減 寄附修正についての実務上の留意点 親法人は寄附修正の対象となる子法人の行った寄 附 ( 無償 低額による貸付や役務提供も含めて ) の 相手先や金額等を確認できるようにすること 寄附修正により別表四を通さずに利益積立金額を 直接増減させる結果別表五 ( 一 ) 記載の検算式が不 一致となります 2. 具体的な会計処理 法人の別表調整 事例 1( 兄弟会社間における寄附の場合の寄附修正 ) 次のような内国法人による完全支配関係がある法 人間で寄附が行われた場合 P1 社ではどのような処 理を行うことになりますか 26 スタッフアドバイザー 2010.12

実務特集 記載例 ( 別表四 ) ( 別表五 ( 一 ) 抜粋 ) 区 分 期首現在 利益積立金額 当期の増減 減 増 翌期首現在 利益積立金額 S1 株式 ( 寄附修正 ) 100 100 S2 株式 ( 寄附修正 ) 100 100 事例 2( 親子会社間における寄附の場合の寄附修正 ) 次のような内国法人による完全支配関係がある法 人間で寄附が行われた場合 P1 社ではどのような処 理を行うことになりますか 記載例 ( 別表四抜粋 ) 区分総額 留保 処 分 社外流出 寄附金の損金不算入額 27 100 その他 100 ( 別表五 ( 一 ) 抜粋 ) 区 分 期首現在 利益積立金額 当期の増減 減 増 翌期首現在 利益積立金額 S1 株式 ( 寄附修正 ) 100 100 事例 3( 子会社 孫会社間における寄附の場合の寄附 修正 ) 次のような内国法人による完全支配関係がある法 人間で寄附が行われた場合 P1 社ではどのような処 理を行うことになりますか 2010.12 スタッフアドバイザー 27

( 別表五 ( 一 ) 抜粋 ) 区 分 期首現在 利益積立金額 当期の増減 減 増 翌期首現在 利益積立金額 S1 株式 ( 寄附修正 ) 100 100 事例 4( 親会社の持分割合が 100% でない場合の寄附 修正 ) 次のような内国法人による完全支配関係がある法 人間で寄附が行われた場合 S1 社 P1 ではどのよ うな処理を行うことになりますか 記載例 ( 別表四 ) ( 別表五 ( 一 ) 抜粋 ) 区 分 期首現在当期の増減翌期首現在利益積立金額減増利益積立金額 S2 株式 ( 寄附修正 ) 20 20 ( 別表四抜粋 ) 区 分 総額 処分留保社外流出 寄附金の損金不算入額 27 100 その他 100 ( 別表五 ( 一 ) 抜粋 ) 区 分 期首現在当期の増減翌期首現在利益積立金額減増利益積立金額 S2 株式 ( 寄附修正 ) 80 80 28 スタッフアドバイザー 2010.12

実務特集Ⅲ 完全支配関係の判定 1. 概要 グループ法人税制は 完全支配関係のある法人に対して適用されます グループ法人税制が適用される法人と適用されない法人では 課税関係が大きく異なります ( 前号および本号参照 ) そのため 前提となる完全支配関係の有無の判定が非常に重要です 2. 完全支配関係の定義 取扱い ポイント1 (1) 当事者間の完全支配の関係 発行済株式等の全部を保有する関係 2010.12 スタッフアドバイザー 29

図表 1 図表 3 ( ケース 1) 図表 2 事例 5 一の者との間にみなし直接完全支配関係がある一の法人が他の法人の発行済株式等の全部を直接に保有する場合は 完全支配関係があるのでしょうか ( ケース 2) ( ケース 1 ) 図表 4 30 スタッフアドバイザー 2010.12

実務特集( ケース 2 ) 図表 5 事例 6 次のように子会社間で発行済株式の一部を相 互に持ち合っている場合には 完全支配関係はある のでしょうか また ある場合にはどの関係が完全 支配関係になるのでしょうか (2) 法人相互の完全支配の関係 図表 6 グループ内法人以外の者によってその発行済株式が保有されていない関係であれば 完全支配関係がある 資本関係が3 者のグループ内で完結している ポイント2 2010.12 スタッフアドバイザー 31

株主等が個人株主である場合には その個人株主のほか その個人株主と特殊の関係にある個人も一の者に含まれる ポイント3 発行済株式等とは 発行済株式等の総数からその法人の有する自己株式等を除いたもの 次の (ⅰ) および (ⅱ) の株式の合計数の占める割合が 自己株式を除いた発行済株式の 5% に満たない場合 控除した上で その全部を保有するかどうかを判定 図表 7 32 スタッフアドバイザー 2010.12

実務特集事例 7 次のように子会社の発行済株式 50,000 株の うち 親会社が 45,600 株を保有し 民法上の組合契 約に該当する子会社の従業員持株会が 1,900 株を保 有し 残り 2,500 株を子会社が自己保有している場 合には 親子会社間の関係は完全支配関係となるの でしょうか 事例 8 次のように子会社の発行済株式を 70% 保有している親会社が 第三者より子会社株式 30% を購入して保有割合を 100% にします この場合 親会社はいつの時点で完全支配関係を有することとなるのでしょうか? 株式の購入に係る契約の成立した日:10 月 25 日 株式の引渡しがあった日:11 月 1 日 ポイント4 完全支配関係を有することとなった日 完全支配関係を有するかどうかは株式の引渡し日で判定 2010.12 スタッフアドバイザー 33

ポイント5 完全支配関係がある法人との関係を系統的に示した図 ( グループの一覧を含む ) を確定申告書に添付 把握できる範囲内で作 成する 把握できていない法人との取引が偶然にあった場合でも 完全支配関係がある限りグループ法人税制は強制的に適用 完全支配関係についての実務上の留意点グループ法人税制は強制適用であることから 完全支配関係の認識違いで思わぬ課税が生じてしまうことも考えられます したがって 持分関係のほか 持合関係についても再確認することが必要です 完全支配関係に該当するかどうかは グループ法人税制の適用全体に影響します 将来の経営戦略を考慮し 完全支配関係とすべきかを検討する必要があります 完全支配関係を解消したい場合は 単純に第三者へ株式を一部譲渡する他 従業員持株会に 5% 以上保有させる手段も考えられます 図表 8 系統図例 (Q&A2 第 1 問引用 ) 34 スタッフアドバイザー 2010.12

実務特集Ⅳ グループ法人のステータス グループ法人税制の主な相違点 グループ法人税制の内容 譲渡損益の繰延べ 寄附金の損金不算入 受贈益の益金不算入 適格現物分配 受取配当等の益金不算入 適用対象者 譲渡を行った内国法人 ( 1) 寄附を行った内国法人 寄附を受けた内国法人 現物分配を行った内国法人 ( 2) 取引当事者 相手先 完全支配関係がある他の内国法人 ( 1) 完全支配関係がある他の内国法人 完全支配関係がある他の内国法人 完全支配関係がある他の内国法人 ( 1) 完全支配関係の判定時期 資産の譲渡時点 寄付金の支出時点 寄付金の支出時点 現物分配の直前 配当を受けた内国法 完全支配関係があっ 配当金の計算期 人又は外国法人 ( 3) た他の内国法人 ( 4) 間を通じて 完全支配関係の要件個人又は法人による完全支配関係 法人による 完全支配関係 法人による 完全支配関係 個人又は法人による 完全支配関係 個人又は法人による完全支配関係 1. 概要 2. 中小企業向け特例措置の制限 取扱い ポイント1 中小企業向け特例措置が制限されるのは各事業年度終了時点において資本金の額または出資金の額が5 億円以上である法人 との間にその法人による完全支配関係がある法人 2010.12 スタッフアドバイザー 35

図表 9 措置は 5 つのみ ポイント 4 中小企業向けの特例措置が制限されるのは 平成 22 年 4 月 1 日以後に開始する事業年度から 資本金 5 億円以上の親会社と完全支配関係にあるかど うかの判定は 子法人の事業年度終了時点で行います 3. 制限される 100% グループ子法人の判定方法 事例 9 図の中小法人のうち中小企業向け特例措置が 制限される法人はどれでしょうか ポイント2 資本金の額または出資金の額が5 億円を超える外国法人の100% グループ子法人も中小企業向け特例措置が制限 ポイント3 この規定により適用が制限される中小企業向け特例 36 スタッフアドバイザー 2010.12

実務特集 事例 10 図の中小法人のうち中小企業向け特例措置 が制限される法人はどれでしょうか 事例 11 図の中小法人 B 社は中小企業向け特例措置 の制限を受けるのでしょうか Ⅴ 100% グループ法人からの受取配当等の益金不算入 2010.12 スタッフアドバイザー 37

Ⅵ 100% グループ内の法人間の現物配当 1. 概要 2. 適格現物分配の趣旨と活用方法 取扱い ポイント1 完全支配関係 がある 内国法人 間の現物分配に限定 38 スタッフアドバイザー 2010.12

実務特集 完全支配関係に該当す るかどうかは その現物分配の直前において判定 事例 12 外国法人 S1 は内国法人 S2 の発行済株式を 100% 保有し 内国法人 S3 の発行済株式を 30% 保有 しています また S2 は内国法人 S3 の発行済株式 を 70% 保有しています この場合において S3 が S1 および S2 に現物分配を行った場合には 適格現 物分配として取り扱われるのでしょうか 完全支配関係がある内国法人間の現物分配に限定 被現物分配法人が複数ある場合には その現物分配全体で適格現物分配に該当するかどうかを判定 ポイント2 資本の払戻し等または自己株式の取得等の事由 2010.12 スタッフアドバイザー 39

事例 13 次のように内国法人 S1 は内国法人 S2 の発行済株式の全部を保有しています この場合において S2 が S1 に対して剰余金の配当により S1 株式の現物分配を行った場合には 適格現物分配として取り扱われるのでしょうか 事例 14 次のように内国法人 S1 は内国法人 S2 の発行済株式の全部を保有しています この場合において S2 が S1 に対して剰余金の配当により現金および土地の現物分配を行った場合には 適格現物分配として取り扱われるのでしょうか 適格現物分配に該当するかどうかの判定はそれぞれの資産ごとに判定 ポイント3 現物分配法人では譲渡損益を認識せずに資産の減少を利益積立金額の減少として調整 被現物分配法人では受贈益を認識せず 40 スタッフアドバイザー 2010.12

実務特集に資産の増加を利益積立金額の増加として調整 現物分配法人の期首帳簿価額から適格現物分配の日の前日までの減価償却費 ( 現物分配法人に帰属 ) を控除した金額 減価償却超過額がある場合には 償却超過額も引き継がれる 事例 15 完全支配関係がある親子会社間において 子会社が親会社に対して剰余金の配当により建物を現物分配した場合について 親会社および子会社の会計上 税務上の処理はどのようになるのでしょうか なお この建物については 時価 2,000 会計上の期首帳簿価額 1,100 税務上の期首帳簿価額 1,200( 減価償却超過額 100) であり 期首から適格現物分配の日の前日までの償却額は 50 とします 会計処理例 借方金額貸方金額減価償却費 50 建物 50 繰越利益剰余金 1,050 建物 1,050 税務上の取扱い 借方金額貸方金額減価償却費 50 建物 50 利益積立金額 1,150 建物 1,150 別表調整 借方金額貸方金額 利益積立金額 100 建物 100 ( 別表四抜粋 ) 当期利益又は当期欠損の額 その他加算小計 13 減区分総額 算小計 25 所得金額又は欠損金額 44 ( 別表五 ( 一 ) 抜粋 ) 区 分 1 期首現在利益積立金額 留保 当期の増減 処 分 社外流出 配当 1,150 翌期首現在利益積立金額 建物減価償却超過額 100 100 0 繰越損益金 1,050 1,050 差引合計額 会計処理例 借方金額貸方金額 建物 1,050 受取配当金 1,050 税務上の取扱い 借方金額貸方金額 建物 1,150 受取配当金 1,150 別表調整 借方金額貸方金額 建物 100 受取配当金 100 ( 別表四抜粋 ) 区分総額留保社外流出加算配当収益計上もれ 100 100 小計 13 100 100 減算適格現物分配に係る益金不算入 減 増 処 分 1,150 1,150 小計 25 1,150 1,150 所得金額又は欠損金額 44 2010.12 スタッフアドバイザー 41

( 別表五 ( 一 ) 抜粋 ) 区 分 期首現在利益積立金額 当期の増減 減 増 翌期首現在利益積立金額 建物 ( 配当収益計上もれ ) 100 100 繰越損益金 1,050 1,050 差引合計額 ポイント 4 簿価で移転された資産を第三者に時価 で譲渡したときに 繰り延べられた譲渡損益が実現 事例 16 上記事例 15 により建物を受け入れた事業年度の翌事業年度において 親会社は この建物を時価の 2,000 で外部の第三者に譲渡しました その結果 翌事業年度の所得は 3,200 となりましたが 親会社は支配関係前に生じた青色欠損金を 3,000 有しています この場合において 青色欠損金 3,000 全てを繰越控除の対象とすることができるのでしょうか なお 親会社は子会社株式の全部を 適格現物分配が行われた前々事業年度において取得しています 制限がかかる欠損金を移転資産の含み益の範囲内 42 スタッフアドバイザー 2010.12

実務特集 適格現物分配についての実務上の留意点非適格になると譲渡損益が認識されるため グループ内でどの法人に損益を帰属させるかにより 適格にすべきか非適格にすべきかの有利不利の検討が必要になります 内国法人以外に現物分配をするかしないかで 適格か非適格かが変わります 適格かどうかは 被現物分配法人が複数いる場合には現物分配全体で判定しますが 交付する資産が複数ある場合には個々の資産ごとに判定するため 混同しないように注意が必要です 同じ繰り延べであっても 100% グループ内の法人間での譲渡損益の繰り延べのように 譲渡損益が実現したときに戻し入れにより移転元法人に帰属する場合とは異なり 譲渡損益は移転先法人で計上するため 損益の実現をどの法人で認識するかの事前の検討が必要となります 適格による場合には 移転先法人の欠損金や含み損が利用できるかを十分検討する必要があります 現物分配契約書等確定申告書への添付が必要とされる書類を整理しておく必要があります 2010.12 スタッフアドバイザー 43