Dharmacon sirna 製品についてよくある質問 Q 製品ラインアップ (sigenome ON-TARGETplus Accell sirna Lincode sirna) の違いを教えてほしい A 製品の特徴を以下にまとめました sigenome sirna: スタンダードな sirna です タンパク質をコードするターゲット遺伝子を低コストでノックダウンしたい場合に最適です ON-TARGETplus sirna: センス鎖 アンチセンス鎖の両鎖に対して化学修飾 (ON-TARGETplus 修飾 ) を行うことにより オフターゲット効果をさらに低減し ターゲット遺伝子のノックダウン特異性をより高めた sirna です オフターゲット効果を抑えて タンパク質をコードするターゲット遺伝子を特異的にノックダウンしたい場合に最適です Accell sirna: 独自の化学修飾により トランスフェクション試薬を使わずに細胞へ導入できる sirna です リポフェクション法では sirna 導入の難しい細胞や トランスフェクション試薬への感受性の高い細胞において タンパク質をコードするターゲット遺伝子をノックダウンしたい場合に最適です Lincode sirna: 長鎖 Non-coding RNA のノックダウン用の sirna です ON-TARGETplus 修飾により sirna の特異性を高めると同時にオフターゲット効果を低減します Q 製品フォーマット (SMARTpool Set of 4 Set of 4 upgrade Individual) の違いを教えてください A 製品フォーマットの違いを以下にまとめました SMARTpool: 1 つの遺伝子に対して配列デザインの異なる 4 種類の sirna を Pool( 混合物 ) として 1 本のチューブに入れた製品です 個々の sirna が変異遺伝子や未知 SNP 部分をターゲットとした場合には 他の sirna がそれを補うため 1 アッセイで確実なノックダウンを実現できます また Pool することにより sirna あたりの実濃度を低くできるため オフターゲット効果の低減にも効果的です Set of 4: 1 つの遺伝子に対して配列デザインの異なる 4 種類の sirna をそれぞれ個別のチューブに入れ チューブ 4 本で 1 セットとした製品です Set of 4 upgrade: 同一のターゲット遺伝子に対する SMARTpool を購入した方のために 価格を抑えたアップグレード用製品です 内容は Set of 4 と同じです Individual: Set of 4 フォーマットの 4 種類の sirna を 1 種類 ( チューブ 1 本 ) ごとの個別とした製品です Q sirna はどのように出荷されますか? A 全ての sirna は凍結乾燥状態にて室温で出荷されます これらの凍結乾燥品は室温にて 2-4 週間安定です お受け取りになりましたら -20 あるいは -80 にて保存してください 1/5 Dharmacon sirna 製品についてよくある質問 / 2018 Mar
Q sirna はどのように保存すれば良いですか? A sirna は 凍結乾燥状態あるいは ph を 7.4 から 7.6 の間に調整した RNase フリーの緩衝液 ( 凍結融解サイクル時に sirna の安定化がはかられます ) に溶かした状態で 除霜機能のないフリーザー内にて -20 あるいは -80 で保存してください sirna は 使い勝手の良いストック溶液 (20-100μM) として溶かした後 凍結融解の繰り返しを極力避けるため 小分けして保存することをおすすめします sirna 溶液を 5 回以上にわたって凍結融解することは避けてください RNase フリーとなるよう十分な注意をはらって操作し 上記のような条件下で保存した場合 sirna は通常 6 ヶ月以上安定です 分解が問題となるようでしたら 2 本鎖 sirna の完全性をポリアクリルアミドゲル電気泳動にて評価してください Q sirna の平均分子量はいくらですか? A 平均分子量は 13,300 g/mol です したがって 1 nmol の sirna は 13.3 マイクログラム 1 mg の sirna は 75 nmol となります Q RNA の分光による定量はどうすればいいですか? A RNA の定量について Beer's の法則より次式の関係があります 吸光度 (260 nm) = ε x モル濃度 (M) x 光路長 (cm) (ε: モル吸光係数は製品に含まれる Product Transfer Form に記載がありますこの式から RNA 溶液の濃度は次のように求められます モル濃度 (M) = 吸光度 (260 nm) / (ε x 光路長 (cm)) Q デザイン済み sirna( カタログ製品 ) の長さは幾らですか? また オーバーハングは付きますか? A Dharmacon のデザイン済み sirna 製品の長さは 21 mer です センス アンチセンス鎖両方の 3 末端に UU のオーバーハングが付加されています なお 製品添付書 (Product Data Sheet) に記載の Target Sequence はセンス鎖の 19mer 配列です 例えば 製品添付書に記載の Target Sequence が UCGUGGAGUCUACUGGUGU とある場合のセンス アンチセンス鎖の配列は以下となります センス鎖 :5 - UCGUGGAGUCUACUGGUGUUU 3 アンチセンス鎖 :5 ACACCAGUAGACUCCACGAUU -3 Q デザイン済み sirna は どのような処理オプションで提供されますか? A オプション A4 処理にてお客様に提供されます オプション A4 処理では sirna の脱塩 脱保護 アニール化を行っています Q デザイン済 sirna の配列は教えてもらえますか? A sirna の配列は ご購入いただきましたら 製品添付書 (Product Data Sheet) に記載して開示いたします なお 一部のコントロール製品の配列は開示しておりませんのであらかじめご了承ください Q sirna をバッファーにとかしたところ 溶液がわずかに黄色を呈しました なにか問題がありますか? A いいえ RNA オリゴ合成の過程で塩基の脱保護を行う際に ジチオレート誘導体が使用されます 時々この誘導体がサンプルに残存することがありますが ( そのため 淡い黄色を呈します ) 遺伝子発現抑制実験にはほとんど影響がありません 2/5
Q sirna に色素標識を取り込ませる最も良い部位はどこですか? A sirna のアンチセンス鎖の 5 末端修飾により sirna の遺伝子発現抑制活性が阻害されることが示されています したがって 5 末端における修飾はおすすめできません 他の 3 つの末端における修飾は 遺伝子発現抑制活性への影響を最小限に留めるか まったく影響を及ぼさないことが示されています センス鎖の 5 末端における修飾は 最も効率的に化学合成を行うことができる部位であるため おすすめします Q Dharmacon sirna 製品を in vivo の系で使用することは可能ですか? A 弊社では モデル動物での sirna の使用をお考えの方のために in vivo 処理オプションをカスタムで提供しております 2' ACE 合成法によって合成された sirna は 合成過程で共存するアミン対イオンを保持しています 弊社では 動物への sirna の投与用に ナトリウムイオンへの対イオンの交換に引き続き透析を行うオプションを承っています Q 2'-ACE 合成法が他の RNA 合成法よりも優れる理由は何ですか? A 2'-ACE 合成法の特長は それにより高収量かつ高純度の RNA が得られるのと同時に 従来の RNA 合成法よりもはるかに長いオリゴ ( 少なくとも 80 塩基 ) の合成が可能となることです さらに 2'-ACE 合成法は カップリング反応が速く不可逆的であるため 他の RNA 合成法よりも効率的です また 2'-ACE 合成法では 2 水酸基の脱保護を使用直前に容易に行うことができます Q ON-TARGETplus 修飾と sistable 修飾を同一の sirna に組み込むことはできますか? A できません お客様の実験において オフターゲット効果の抑制と血清中のヌクレアーゼに対する耐性の向上のどちらを重要視するのか お客様自身で検討していただく必要があります Q sistable 修飾を導入した sirna の特長は? A sistable sirna には 細胞内に存在するヌクレアーゼによる分解に対して耐性をあたえるような化学修飾が導入されています in vitro 実験において長期間の遺伝子発現抑制が必要とされる場合や in vivo 実験で sistable sirna の使用をご検討ください Q sirna を細胞に導入する最適な方法はどのようなものですか? A sirna を細胞に導入する方法には 脂質ベースのトランスフェクション法 エレクトロポレーション法 リン酸カルシウム共沈殿法 マイクロインジェクション法 ベクターを用いた導入法などがあります 接着細胞を実験対象とする際には 脂質ベースのトランスフェクション法がより一般的に用いられている方法ですが 浮遊細胞へのトランスフェクションはしばしば困難であり 通常はエレクトロポレーション法により より効率的に導入することができます 弊社は 脂質ベースのトランスフェクション試薬として DharmaFECT を提供しています DharmaFECT は さまざまな細胞株へ効率よく sirna を導入するために至適化された 4 種類のトランスフェクション試薬です Q トランスフェクションにより かなりの割合の細胞が死滅します どうしたらよいでしょうか? A トランスフェクション後に著しい細胞の死滅が観察されるときには 導入条件を至適化する必要があります トランスフェクション条件を至適化するときに考慮すべき基本的な検討項目は トランスフェクション試薬のほかに 細胞株ごとの条件 例えば sirna とトランスフェクション試薬との比率 トランスフェクション試薬のロットやバッチ トランスフェクション後の培養時間 細胞継代数 トランスフェクション時の細胞密度などです トランスフェクション試薬の濃度を下げるか トランスフェクション後の培養時間を短くすることによって 細胞への毒性効果を最小限に抑えることのできる場合があります また トランスフェクション試薬の品質が ロット間でばらつきの著しいことはまれではなく それが 実験ごとの結果のばらつきの原因となる場合もあります 3/5
Q sirna のノックダウン機能性を評価する最良の方法は? A sirna による遺伝子発現抑制は ターゲット mrna の認識と切断の結果として起こりますので ターゲット mrna の発現レベルの測定が最良の評価方法です 細胞内では 個々のタンパク質の安定性やターンオーバー速度が そのタンパク質のおかれた細胞内環境によって変動するため タンパク質の減少の時間経過や程度が mrna のそれとは異なる可能性があります したがって タンパク質レベルの測定により重要な情報を引き出すことは確かにできますが mrna レベルでの遺伝子発現抑制効果の測定が sirna による遺伝子発現抑制効率の最も信頼性の高い指標となります sirna による遺伝子発現抑制を ターゲット mrna とタンパク質のレベルの双方を測定することによって mrna レベルの減少と表現型との間の相互関係を明らかにすることがより容易になることがあります sirna による遺伝子発現抑制をタンパク質レベルで調べる場合は タイムコース実験をおこなって タンパク質の発現抑制効果の最大となる時間を調べる必要があります Q ターゲット遺伝子の発現抑制を定量 RT-PCR によって確認する計画をたてています プライマーをデザインする際に考慮すべきことはありますか? A sirna 切断部位の 1 つを挟むようにプライマーをデザインすることをおすすめします ( プライマーの 1 つを切断部位の上流に もう片方のプライマーを切断部位の下流にデザインする ) 切断部位の 5 あるいは 3 領域を増幅するようなプライマー対を使用すると バイアスが実験系に生じる可能性があります なぜなら 切断された mrna が どれほどの時間にわたって分解を免れるか予測することができないためです PCR による増幅領域に切断部位が含まれると sirna がその機能を発揮してターゲットとなる mrna を切断すると 増幅は起こりません Q SMARTpool フォーマットの sirna 製品を使用する利点は何ですか? A 個々の sirna が変異遺伝子や未知 SNP 部分をターゲットとした場合には 他の sirna がそれを補うため 1 アッセイで確実なノックダウンを実現できます また Pool することにより sirna あたりの投与濃度を低くできるため オフターゲット効果の低減にも効果的です Q ON-TARGETplus 修飾により 全てのオフターゲット効果が排除されますか? A いいえ しかし ON-TARGETplus 修飾や SMARTpool テクノロジーに加えて 弊社研究開発スタッフらによる オフターゲット効果に関する最新の研究成果に基づく Seed 領域フィルターも配列デザイン時に採用しています このフィルターは sirna の Seed 領域 ( アンチセンス鎖のポジション 2-7) が mrna の 3 -UTR に対して mirna と類似した相互作用をすることに起因するオフターゲット効果を可能な限り排除します Q Dharmacon sirna はオフターゲット効果の抑制が保障されていますか? A 細胞内のパスウエイはあまりに複雑であり また 真のオフターゲットを同定あるいは定量化するのは困難であるため オフターゲット効果の抑制については保障していません Q Accell sirna の実験で 培養時に血清が必要な細胞です Accell sirna delivery media に血清を添加することはできますか? A 1 3% 程度の血清を Accell sirna delivery media に添加することができます ただし 血清の添加は Accell sirna の効果を低くする可能性があります Accell sirna の導入後 (72 時間 ) 速やかに通常の培地に戻す方法もあります Q Accell sirna の実験で細胞数の最適化は必要ですか? A 標準プロトコールでは幅広いレンジの細胞数で Accell sirna を導入できることを確認していますが 必要に応じて細胞数を変えて Accell sirna の導入条件を検討してください 4/5
Q Accell sirna 導入後どのくらいの時間で Accell sirna delivery media から増殖用培地へ交換すれば良いですか? A 標準プロトコールでは 72 時間 Accell sirna delivery media で培養を続けることをおすすめします Q 推奨投与濃度である 1 μm 以下の濃度で Accell sirna を使っても良いですか? A Accell sirna の細胞内への遺伝子導入は 細胞膜の受動輸送によってとりこまれるため 最初の実験では 1 μm 濃度で行ってください Q Accell sirna delivery media に抗生物質を添加しても良いですか? A 抗生物質を添加しても導入効率 ノックダウン効率 細胞の生存率には影響ないことを確認しています Q Accell delivery mix(accell sirna delivery media で希釈した Accell sirna) はどのくらい安定ですか? A 4 で少なくとも 90 日安定です Q sirna をデザインするウェブツールはありますか? A 弊社の sidesign Center は 公的に入手可能な sirna 配列デザインツールの中でもユニークなもので 先進的な SMARTselection アルゴリズムに基づいています sidesign Center で設計した sirna のカスタム合成を承っています ホライゾン ディスカバリー株式会社 150-0036 東京都渋谷区南平台町 16-28 グラスシテイ渋谷 6 階 Tel: 03-4360-5160 Email: rnai.jp@horizondiscovery.com Web site: www.horizondiscoverykk.com 2018 ホライゾン ディスカバリー株式会社本書の全部または一部を無断で複写複製することは 著作権法上の例外を除き 禁じられています 掲載されている製品は試験研究用以外には使用しないでください 掲載されている内容は予告なく変更される場合がありますのであらかじめご了承ください 掲載されている社名や製品名は 各社の商標または登録商標です お問い合わせに際してお客様よりいただいた情報は お客様への回答 弊社サービスの向上 弊社からのご連絡のために利用させていただく場合があります 5/5