短時間正社員制度導入 定着を目指して 短時間正社員とは? なぜ今 短時間正社員が注目されるのか? 2011 年 11 月 2 日 東京大学社会科学研究所特任研究員松原光代
本日の内容 1. 短時間正社員の定義とそのタイプ 短時間正社員は多様化する正社員のうちの 1 つ 2. 短時間正社員の必要性 社会的要因 労働者側の要因 企業側の要因 3. 短時間正社員制度を機能させるための仕組み : 制度構築 雇用管理 4. 総括
本日の話のポイント 1. 短時間正社員制度は 社会的要因 労働者側の要因 企業側の要因の 3 点から不可欠な取組み 2. 短時間正社員制度を利用ながら労働生産性を向上させるには 目標管理制度 を合わせて活用することがポイント 目標管理の方法に関する詳細の調査は今後の課題であるが 一定期間の業務量 役割の達成度を明確化し評価 = 時間当たりの生産性を評価をすることは重要 3. 短時間正社員制度を利用した人材の活用の在り方 ( 人事戦略 ) を検討する必要 : 制度の適用範囲 期間などに基づき いかに人事管理をしていくか 4. 正規 非正規 の区分をなくし 多様なルートからいい人材を確保 活用できる基盤 ( キャリア管理 雇用管理 ) の構築が必要 特に 継続就労意識が高い社員 キャリア意識の高い社員 5. 職場における仕事配分 人員のやりくりを適切に行い 短時間正社員の労働生産性も維持するためには 職場マネジメントが鍵 制度を利用できる職場づくり まずは 所定労働時間内で業務をやり繰りする工夫 : 多能工化 コミュニケーションの円滑化など 適正な労働時間で業務をやり繰りできるようになれば 短時間正社員がいても職場の仕事配分 人員確保の課題が軽減する
1. 短時間正社員の定義とそのタイプ
短時間正社員とは? 短時間正社員とは? 参考参考 フルタイムフルタイム正社員正社員 パートタイマーパートタイマー等のイメージイメージ 短時間正社員とは 他の正規型のフルタイムの労働者と比較し その所定労働時間 ( 所定労働日数 ) が短い正規型の労働者であって 次のいずれにも該当する者 1 期間の定めのない労働契約を締結している者 2 時間当たりの基本給及び賞与 退職金等の算定方法等が同一事業所に雇用される同種のフルタイムの正規型の労働者と同等である者 企業内において このような働き方を就業規則等に制度化することを指して 短時間正社員制度 と呼んでいる < 短時間正社員の働き方の例 > 一日の所定労働時間が短い ( 例 :1 日 6 時間週 5 日勤務 ) 一週間の所定労働日数が短い ( 例 :1 日 8 時間週 4 日勤務 ) フルタイム正社員 労働契約の期間 : 無期契約 給与 : 月給 労働時間 :1 日 8 時間週 5 日勤務 年次有給休暇 : 労働基準法の規定による比例付与 短時間正社員 労働契約の期間 : 無期契約 給与 : フルタイム正社員の月給を時間比例で支給あるいはフルタイム正社員の時間当たりの基本給と同等の水準の時間給を支給 労働時間 : 短時間勤務 短日勤務のいずれも可 年次有給休暇 : 労働基準法の規定による比例付与 短時間正社員とはならない短時間労働者 ( パート ) 労働契約の期間 : 有期契約 給与 : フルタイム正社員の時間当たりの基本給とは異なる水準の時間給 労働時間 : 短時間勤務 短日勤務のいずれも可 年次有給休暇労働基準法の規定による比例付与
短時間正社員のタイプ 短時間正社員は その なり方 等によって3つのタイプに分類されるタイプを決定する基準 一時的な制度利用 か 恒常的な制度利用 か 社内からの転換 か 社外からの入職 か 一時的な短時間正社員制度 ( 一時的な短時間正社員制度 ( タイプ Ⅰ) 正社員が一時的に短時間勤務をするタイプ 恒常的な短時間正社員制度 ( タイプ Ⅱ) 正社員が恒常的 または期間を定めずに短時間勤務するタイプ入社の時点から フルタイム正社員ではなく短時間勤務として採用されるタイプ パートタイマー短時間正社員制度 ( タイプ Ⅲ) パートタイマーなどが 短時間勤務のまま正社員になるタイプ
短時間正社員と従来の育児 介護短時間 勤務制度の違い 従来の育児 介護短時間勤務制度 育児または介護に対処する必要がある場合にのみ 一時的に ( 一定期間 ) 短時間 ( 短日 ) 勤務をすることができる 短時間正社員 育児 介護に限定せず それ以外の事由 (ex.( 自己啓発 健康障害または希望があれば何でも ) でも必要があれば一時的または恒常的に短時間 ( または短日 ) 勤務をすることができる 正社員だけでなく パートタイマーなどのキャリアアップ策の一つとして位置づけられる 育児または介護の短時間勤務制度 短時間正社員制度
( ところで ) 正社員 とは何か 1 2 3 特に明確な定義はないが 一般的には以下の点をもって 正社員 としている 雇用契約が無期である 幅広い職務に対応できるよう職務ローテーション制度によって知的熟練度を高めながら組織の コア人材 として育成していくことが期待されている ( 一定のキャリアの展望 ) 組織が求める働く時間 場所 仕事に柔軟に対応することが期待されている 1 のみ 各社共通 正社員 に対する期待 役割は各社の規模 職種によって異なっている
短時間正社員制度の導入状況 全体的には 一時的な短時間正社員 の導入企業 ( 運用も含む ) が2 割強 恒常的な短時間正社員制度 や パートタイマー短時間正社員制度 の導入企業は少ない n=2811 一時的な短時間正社員 恒常的な短時間正社員 パートタイマー短時間正社員 1 制度あり 2 制度はないが運用している 3 制度導入を検討中 4 制度なし 5 無回答 合計 1+2 制度があるまたは運用している % 17.5 2.7 2.7 73.4 3.7 100.0 20.2 n 491 76 77 2062 105 2811 567 % 4.0 3.0 2.6 85.7 4.7 100.0 7.0 n 113 83 73 2410 132 2811 196 % 1.1 0.9 2.4 89.6 6.0 100.0 2.0 n 30 25 67 2519 170 2811 55 9 アイデム (2008) 短時間正社員と人事管理等に関する調査 データを元に筆者が再分析したもの
参考 すでに多様化している正社員 勤務地限定社員 転居を伴う異動をしない ( 特定のエリア内のみの異動しか生じない ) 正社員 職務限定社員 特定の業務しか行わない正社員 短時間正社員 所定労働時間 ( 所定労働日数 ) が短い正社員 特定の仕事内容に限定して活用する正社員の雇用 ( 職種限定社員 ) そうした雇用形態がある そうした雇用契約がある そうした雇用慣行がある いずれもない 全体 (n=869) 28.0 9.2 13.3 55.9 9 人以下 (n=13) 7.7 0.0 0.0 92.3 10~29 人 (n=70) 15.7 7.1 18.6 58.6 30~49 人 (n=79) 22.8 11.4 12.7 64.6 50~99 人 (n=126) 24.6 7.1 11.9 60.3 100~299 人 (n=317) 28.1 8.8 15.1 53.6 勤務地限定の正社員の雇用 ( 勤務地限定社員 ) 300~999 人 (n=210) 33.3 11.4 11.9 52.9 1000 人以上 (n=28) 42.9 7.1 10.7 46.4 全体 (n=871) 18.7 7.1 13.3 64.5 9 人以下 (n=13) 7.7 0.0 0.0 92.3 10~29 人 (n=70) 8.6 4.3 24.3 64.3 30~49 人 (n=80) 17.5 5.0 10.0 71.2 50~99 人 (n=126) 16.7 7.9 7.1 72.2 100~299 人 (n=318) 17.9 6.3 14.5 64.5 300~999 人 (n=210) 21.4 10.0 12.4 61.0 1000 人以上 (n=28) 35.7 10.7 21.4 39.3 出所 ) 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング (2011) 多様な雇用形態と産業界への影響に関する実態調査
2. 短時間正社員の必要性
短時間正社員の必要性 1. 社会的要因 1 法改正 育児 介護休業法 高齢者雇用安定法 2 労働力人口の減少 2. 労働者側の要因 1 正社員のニーズ 価値観の変化 2 正社員以外の社員のニーズ 価値観の変化 3. 企業側の要因 1 組織内で働く社員社員の変化 正社員正社員 の雇用管理雇用管理への変化 正社員以外正社員以外の社員社員 の雇用の実態実態と管理管理へのへの変化 2 グローバル化に伴う人材競争力向上の必要性
社会的要因 1. 育児 介護休業法改正への対応 短時間勤務制度の措置義務化 (2010 年 6 月 ~) 子が 3 歳まで 1 日の所定労働時間 6 時間を原則とする 2. 高齢者雇用安定法改正への対応 継続雇用制度や定年の引き上げ 廃止といった高年齢者雇用確保措置を講じる必要性 趣旨を踏まえたものであれば 常用雇用のみならず 短時間勤務や隔日勤務なども含めた対応策可
労働者側 ( 正社員 ) の要因 : ライフステージ 別短時間正社員へのニーズ いろいろなライフステージの場面で 短時間勤務を必要とする社員の増加 子どもが未就学時 時に女性で6 割強 家族の介護 時に男性で約 3 割 女性で約 5 割 60 歳代前半 や 学習活動時 で男女ともに3 割程度 夫婦の就業の組み合わせが 夫婦ともに正社員 の場合 子どもが未就学時 と 家族の介護 時でニーズが高い 入社からから退職退職までまで フルタイムフルタイム勤務勤務 だけでだけで働き続けることができるけることができる社員社員の減少 単位 :% 希望しない どちらかといえば希望しない どちらかといえば希望する 希望する 無回答 どちらかといえば希望する + 希 子どもが未就学児男性 41.3 14.5 24.6 17.2 2.5 41.8 女性 10.5 6.1 18.9 61.4 3.1 80.3 子どもが小 中学生男性 46.8 21.0 20.6 8.7 2.8 29.3 女性 8.8 9.2 41.7 36.4 3.9 78.1 子どもが高校 大学男性 60.2 22.5 10.0 4.2 3.0 14.2 女性 30.7 27.2 24.6 14.0 3.5 38.6 子どもが経済的に自立男性 59.2 17.8 13.8 6.1 3.0 19.9 女性 50.4 16.7 14.0 15.8 3.1 29.8 家族の介護男性 15.4 10.5 41.1 29.9 3.1 71.0 女性 11.4 7.9 26.8 50.4 3.5 77.2 60 歳代前半層男性 13.3 11.5 41.2 31.3 2.7 72.5 女性 13.6 14.5 31.3 36.8 3.9 68.1 学習活動時男性 12.6 12.5 44.2 27.9 2.7 72.1 女性 7.9 14.9 40.8 33.3 3.1 74.1 社会活動時男性 15.2 15.4 44.3 22.1 2.9 66.4 女性 10.5 18.4 39.5 27.6 3.9 67.1 ( 出所 ) 武石恵美子 (2006) 雇用システムと女性のキャリア
< 参考 > 共働き世帯数の推移 出所 ) 男女共同参画白書 (H21)
参考 育児に関する短時間 短日勤務の 希望 男性は 1 歳になるまで が37.9% と最も多いが 3 歳 ~ 小学校にあがる前まで の希望も27.2% ある女性は 3 歳 ~ 小学校にあがる前まで が32.4% で最も多いが それ以上の期間に対する希望も35.5% ある 16 ( 出所 ) 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング (2009) 両立支援に係る諸問題に関する総合的調査研究アンケート調査
参考 50 歳代以降の社員における介護と仕 事の両立の可能性 75 歳以上の高齢者の約 3 割は要介護状態にある 親が 75 歳以上の子の年齢は 50 代であることを想定すると 仕事と介護を両立する社員が増加 65 歳以上 75 歳未満 15,127,061 75 歳以上 13,875,462 第 1 号被保険者要介護 ( 要支援 ) 総数認定者総数 653,871 (4.3%) 4,138,596 (29.8%) ( 資料 ) 厚生労働省 介護保険事業状況報告 ( 平成 22 年 7 月暫定版 ) : 17カッコ内の数値は 第 1 号被保険者総数に占める要介護 ( 要支援 ) 認定者総数の比率 ( 単位 : 人 ) 要支援 1 要支援 2 要介護 1 要介護 2 要介護 3 要介護 4 要介護 5 90,757 98,491 111,534 121,075 89,633 73,159 69,222 526,265 538,446 737,856 712,244 596,229 543,544 484,012
労働者側 ( 正社員以外の社員 ) の要因 (1) 職務が正社員とほとんど同じパート等労働者がいる 事業所が半数以上 職務が正社員とほとんど同じパートの割合が 8 割以上である事業所が 1/4 以上 正社員とパート等労働者の 両方を雇用している事業所 職務が正社員とほとんど同じパート等労働者がいる 職務が正社員と同じ者の パート 全体に占める割合または その他 全体に占める割合 1 割未満 1 割以上 3 割未満 3 割以上 55 割以上 8 8 割以上割未満割未満 職務が正社員と同じパート等労働者はいない 不明 事業所規模計 57.9 51.9 32.2 18.6 14.1 8.4 26.7 47.1 1.0 1000 人以上 66.7 50.1 46.7 11.4 9.4 15.9 16.7 49.5 0.4 300~999 人 75.3 58.1 41.1 14.4 11.7 11.3 21.5 41.0 0.9 100~299 人 77.1 62.0 32.8 18.8 12.5 12.6 23.3 36.8 1.2 30~99 人 73.1 58.5 40.0 23.0 10.9 8.0 18.1 40.5 1.0 5~29 人 55.1 50.2 30.4 17.6 15.0 8.2 28.8 48.7 1.0 出所 ) 平成 18 年パートタイム労働者総合実態調査
労働者側 ( 正社員以外の社員 ) の要因 (2) 正社員になりたい ニーズ 18.4% で多いとはいえない 労働時間の長さや転居を伴う転勤が阻害要因の一つ 残業や転勤がほとんどない 働き方へのニーズは高い モチベーションの高いパートタイマーを活用する一施策としての必要性 長時間働くことができない 負担 責任が重くなることへの抵抗感 全体 ( 男女計 )(n=599) 65.4% 46.7% 女性 (n=525) 65.3% 48.8% 働く夫を持つ女性 (n=417) 71.7% 46.5% 残業も転勤もフルタイム正社員と同様の短時間正社員 残業や転勤がほとんどない短時間正社員 利用したい 利用したくない わからない 無回答 17.1% 43.1% 33.2% 6.7% 46.2% 12.0% 36.0% 5.8% 出所 ) 平成 18 年パートタイム労働者総合実態調査 出所 )21 世紀職業財団 2001 多様な就業形態のあり方に関する調査
企業側の要因 (1) 1. ( 前述の ) 労働者側の価値観の変化に応じた人材マネジメントの必要性 人的資本論の基本的概念 : 企業組織の目標達成 と 個人の欲求充足 との同時実現 個人の欲求充足 の範囲の変化 : 職業生活の中の自己実現 職業生活人 家庭生活人 社会生活人 自分生活人 の 4 つの生活の並立 充実 ( 京都文教大学教授渡辺峻 ) 4 つの生活の並立 充実 を通じて個人の勤労意欲を刺激し 組織貢献を獲得する人材マネジメントの必要性 正社員の中には従来通りの働き方を受容することが困難な層も» 夫婦共働き世帯の増加 : 夫婦で子育て お互いの親を各々が介護
企業側の要因 (2) 2. 経済のグローバル化に伴う 人材競争力向上の必要性 社員一人一人のスキルや知識を高め かつモチベーションも高める必要性 従来 : 長期での人材育成 人材が流出しても 新たな人材を確保し育成すればよい 近年 : 人材育成の短期化 即戦力化 あらゆる人材の能力を十分に引き出し活用する必要 新たな人材の確保が困難 ( 労働力人口の減少による ) 多様な人材の活用が不可欠にも関わらず 日本の働き方は画一的
参考 日本と英国の従業員の働き方の違い 現在の就業形態 ( 個人調査 複数回答 ) 出所 ) 武石恵美子 (2010) ワークワーク ライフライフ バランスバランス実現実現へのへの課題 - 国際比較調査からのからの示唆示唆 経済産業研究所ディスカッションペーパー
まとめ : 短時間正社員の必要性 企業とのとの拘束度 高 これまでの企業の指示に従って 柔軟に働くことができる正社員の減少 多様な人材 = 何らかの事情を持つ社員を活用しなければならない時代の到来は不可避 短時間正社員は多様な人材活用の一つの在り方 正社員以外の社員の活用も加味することが重要 労働者側の要因 正社員 就業意識や価値観の変化 生活と調和する働き方のニーズの拡大 全ての労働者の継続就労の拡大 正社員 企業側の要因 正社員 社員の価値観の多様化等に対応した人材マネジメントの必要性 グローバル化に伴う 高い専門性や創造性を有する従業員の育成と活用の必要性 柔軟な働き方に対応できる人 柔軟な働き方に対応できる人材活用と管理材活用と管理 労働者の求める自己実現像に 労働者の求める自己実現像に適した人事管理適した人事管理 短時間正社員 多様な働き方を求める人材マネジメントの強化多様な働き方を求める人材マネジメントの強化 正社員以外の社員 正社員と同じ職務内容 責任を担うパートの増加 パートタイマーなど正社員以外の従業員 正社員以外の社員 正社員以外の従業員の積極的活用 低 賃金 雇用保障 高
3. 短時間正社員制度を機能させるための仕組み : 制度構築 雇用管理
短時間正社員制度を機能させるため に考えるべき点 1. 制度利用の目的範囲をどこまでにするか 企業として支援すべき範囲はどこか 支援することによるメリットを仕事の特徴等から考える 2. 適用期間をどの程度にするか 延長化する傾向 期間の設定は雇用管理と関連 3. 雇用管理 ( キャリア管理や評価の仕組み ) をどうするか 現在は 一時的な制度利用 を前提に フルタイム正社員 の雇用管理を基準 適用期間の長期化に伴い 雇用管理が フルタイム正社員 と変わってくる傾向
制度利用の目的範囲 一時的な短時間正社員 は育児 介護の必要がある社員への適用が主流 恒常的な短時間正社員 は育児 介護のほか 定年延長した社員 短時間正社員としての採用を希望する社員 元正社員の再雇用など多様な人材活用を目的 短時間正社員の活用の仕方に応じて適用理由の範囲を設定する 人材活用の戦略が必要 : 女性の活用なのか 優秀な人材確保のためのチャネルの多様化なのか 1 育児や介護をする必 要があるが それら と仕事を両立させたい 2 自己啓発などの学習活動に参加したい 3ボランティ 4 定年延長アなど社会した高齢者貢献活動が短時間 へ参加したい での勤務を希望 5 健康を損なったため 働き方を変えたい 6 離婚などで家庭状況が変わったため 働き方を変えたい 7 退職した元正社員が短時間正社員で復職したい 8 短時間正社員で採用されたい 9 能力 意欲が高く 本人が希望 10 一定の基準以上の評価を有し 本人が希望 11 上司からの推薦を有し かつ本人が希望 12 その他 13 希望者全員を対象とする 一時的な短時間正社員 (n=545) 恒常的な短時間正社員 (n=196) パートタイマー短時間正社員 (n=50) 26 93.4% 4.8% 2.6% 6.1% 11.2% 3.7% 2.4% 2.2% 5.7% 4.8% 3.9% 2.9% 5.1% 38.9% 9.7% 6.5% 48.1% 21.1% 13.5% 19.5% 23.2% 16.8% 17.3% 11.4% 4.9% 10.3% 64.0% 10.0% 8.0% 20.0% 8.0% 16.0% 12.0% 32.0% 28.0% 28.0% 24.0% 8.0% 6.0% アイデム (2008) 短時間正社員と人事管理等に関する調査 データを元に筆者が再分析
制度の適用期間 3 歳に達するまで が 57.5%(H20 年度 ) で最も多いが 適用期間が 6 年以上である事業所が 35.6% 10 年前後の制度適用を認めている事業所が 8% 程度 子どもが複数人いると仮定した場合 従業員一人が制度を利用する期間は 10 年以上 一時的な短時間正社員 の 恒常的な短時間正社員 化 介護の場合はケースバイケースであるが 長期化する可能性高 出所 ) 厚生労働省 平成 20 年度雇用均等基本調査
参考 その他の調査より 短時間正社員調査 2008 :14 社へのへのヒアリング 小学校就学前まで ( 適用期間 : 約 6 年 ):4 社 小学校低学年まで ( 適用期間 : 約 9 年 ):2 社 小学校 4 年生まで ( 適用期間 : 約 10 年 ):4 社 中学校入学まで ( 適用期間 : 約 12 年 ) :1 社 適用事由および適用期間の制限なし :3 社 ニッセイ基礎研究所基礎研究所 2008 今後今後の仕事仕事と家庭家庭の両立支援両立支援に関するする調査調査 1 歳まで 1 歳半まで 3 歳まで 小学校就 学前まで 小学校 3 年生まで 小学校卒業まで 中学生以上 上限なし 20.0 6.4 36.9 24.6 6.6 2.6 0.0 1.1 28 無回答 :1.8% 6 年以上 : 約 35% 10 年前後 ~: 約 10%
短時間正社員の雇用管理 一時的一時的な短時間正社員短時間正社員 と 恒常的恒常的な短時間正社員短時間正社員 で大きくきく異なるなる項目 退職金 ( 前者 - 後者の差 :40.6 40.6) 昇進 :38.3 恒常的恒常的な短時間正社員短時間正社員 はフルタイムフルタイム正社員正社員とはとは異なるなる雇用区分? 転居のないのない事業所間異動 :22.6 同じ正社員正社員ルートルートの短時間正社員短時間正社員でもでも適用期間適用期間が長期化長期化すること 事業所間異動 :20.8 により キャリアキャリア管理管理が異なるなる可能性 教育訓練 :16.7 一時的一時的な短時間正社員短時間正社員 と 恒常的恒常的な短時間正社員短時間正社員 で差が小さいさい項目 福利厚生 :3.7 残業 休日出勤 :-3.3 3.3( 恒常的な短時間正社員短時間正社員の方が適用多 ) 職務に関連関連したした手当 :12.4 フルタイムフルタイム勤務勤務 であることがであることが 仕事内容仕事内容の違い キャリアの積み重ねのねの違いにいに影響影響を及ぼしているぼしている可能性 1 退職金 2 職務に関連した手当 3 その他手当 4 福利厚生 5 残業 休日出勤 6 転居のある異動 7 転居のない 8 事業所内異事業所間異動動 9 昇進 10 教育訓練 一時的な短時間正社員恒常的な短時間正社員 パートタイマー短時間正社員 81.0% 86.4% 85.8% 97.3% 70.7% 47.2% 80.6% 89.5% 80.7% 94.9% 40.4% 74.0% 73.4% 93.6% 74.0% 31.5% 58.0% 68.7% 42.4% 78.2% 55.3% 68.4% 71.1% 95.1% 75.7% 26.7% 48.5% 66.7% 50.0% 88.9% アイデム (2008) 短時間正社員と人事管理等に関する調査 データを元に筆者が再分析
短時間正社員制度の効果 ~ 制度の適用期間が長期化するほど目標管理は重要 ~ 主な説明変数 短時間正社員のタイプ 売上高 経常利益 女性正社員の勤続年数 正社員全体の勤続年数 労働生産性 制度の有無 一時的 - - - 正 (10% 水準 ) - 恒常的 - - - - - 利用実績 ( 実績有 =1) 賃金の決定方法 ( 別建 =1) 賃金の水準 ( フルタイム正社員と同程度同程度でない =1) 目標管理 ( 適用 =1) 仕事内容 ( 変更 =1) 一時的 正 (10% 水準 ) 正 (10% 水準 ) - 恒常的 正 (5% 水準 ) - - 一時的 - - - 恒常的 - 正 (10% 水準 ) - 一時的 - - - 恒常的 - - - 一時的 - - - 恒常的 - - 正 (10% % 水準 ) 一時的 負 (10% 水準 ) 負 (5% 水準 ) - 恒常的 - - - 30 アイデム (2008) 短時間正社員と人事管理等に関する調査 データを元に筆者が再分析
短時間正社員制度が機能している企業の 雇用管理 アイデム (2008) 短時間正社員と人事管理等に関する調査 におけるヒアリング調査結果に基づく考察 正社員と正社員以外の社員との区別なく 仕事内容や役割を基準に社員を再区分している企業が約半数 (6/14) パートタイマー 短時間正社員 フルタイム正社員 へ円滑にキャリアが移行していくように雇用管理を再構築する傾向 職能等級と職務等級を併用して社員を格付けする傾向 (ex.) 後ほど講演のあるモロゾフ株式会社など パートタイマー短時間正社員 短時間正社員登用後の業務の難易度や責任を高める傾向 将来的には 組織のコア人材 ( フルタイム正社員と同じ役割 ) として活躍してもらうことを期待 短時間正社員として働く期間が実質的なフルタイム正社員への適正を確認する機能
短時間正社員の課題 : 仕事の進め方 職場の仕事仕事のやり繰りがりが課題 32 アイデム (2008) 短時間正社員と人事管理等に関する調査 データを元に筆者が再分析
短時間正社員の課題 : 処遇 従来の人材活用人材活用を基準基準としたとした制度制度の限界? アイデム (2008) 短時間正社員と人事管理等に関する調査 データを元に筆者が博士論文で再分析したものより
短時間正社員制度を機能させる仕組み 各社の社員構造や短時間正社員へのニーズ 仕事の特性を加味したうえで 人材活用の方向性を定め制度設計 ( 適用事由 適用期間 ) をおこなう 目標管理を短時間正社員に適用し 一定期間の目標 ビジョンを持たせながら能力発揮させることが肝要 正社員だけでなく正社員以外の社員も含めた活用を視野にいれた雇用管理を再構築する必要 多様な人材の活用に向けた雇用管理への移行 職場マネジメント者による職場の仕事のやり繰りが課題 管理職のマネジメントを支援する取組がカギ
ご清聴ありがとうございました