untitled

Similar documents
RAD-AR News Vol.24,No1(2013年5月発行/通算102号)

RAD-AR News Vol.15, No.4 (Nov. 2004) 2

untitled

Q2 なぜ上記の疾患について服薬指導が大変だと思いますか インフル エンザ その場で吸入をしてもらったほうがいいけれど 時間がかかるのと 熱でぼーっ 一般内科門前薬局 としていると 理解が薄い 患者さんの状態が良くないことが多い上に 吸入薬を中心に 指導が煩雑である から 小児科門前薬局 吸入薬の手

Microsoft PowerPoint - 390

b-platz press(ビープラッツ プレス)vol120

繝励Μ繝ウ繝


総会名簿 代表区分 氏 名 現 役 職 名 1. 健康保険 船 員保険及び国民 幸 野 庄 司 健康保険組合連合会理事 健康保険の保険 平 川 則 男 日本労働組合総連合会総合政策局長 者並びに被保険 間 宮 清 日本労働組合総連合会 患者本位の医療を確立する連絡会 委員 者 事業主及び 宮 近 清

4 月 17 日 4 医療制度 2( 医療計画 ) GIO: 医療計画 地域連携 へき地医療について理解する SBO: 1. 医療計画について説明できる 2. 医療圏と基準病床数について説明できる 3. 在宅医療と地域連携について説明できる 4. 救急医療体制について説明できる 5. へき地医療につ

<4D F736F F D208D B B835896F2938A975E82CC8D6C82A695FB2E646F63>

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

< F2D817988C482C682EA94C5817A895E97708E77906A2E6A7464>

助成研究演題 - 平成 27 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 改良型 STOPP を用いた戦略的ポリファーマシー解消法 木村丈司神戸大学医学部附属病院薬剤部主任 スライド 1 スライド 2 スライド1, 2 ポリファーマシーは 言葉の意味だけを捉えると 薬の数が多いというところで注目されがちで

untitled

第 88 回日本感染症学会学術講演会第 62 回日本化学療法学会総会合同学会採択演題一覧 ( 一般演題ポスター ) 登録番号 発表形式 セッション名 日にち 時間 部屋名 NO. 発表順 一般演題 ( ポスター ) 尿路 骨盤 性器感染症 1 6 月 18 日 14:10-14:50 ア

64

Microsoft Word - 22佐竹和夫.doc

hotline01_1.qxd

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について


一 方 でも 自 分 から 医 師 に 症 状 の 変 化 について 伝 えている 割 合 は シーズン 前 では 満 足 な と 同 じ %でしたが シーズン 開 始 直 後 から 高 くなり シーズン 後 半 では の 31%を 上 回 り 42%となっています (グラフ 3) ギャップ 3:

医療法人高幡会大西病院 日本慢性期医療協会統計 2016 年度

 

<4D F736F F D205F F32332E31318CC2906C8CA48F AE89E6947A904D5F82CC88C493E02E646F6378>

健 康 医 療 戦 略 に 係 る 農 林 産 省 の 主 な 取 組 みについて 1. 健 康 長 寿 社 会 の 形 成 のための 食 の 研 究 開 発 の 推 進 2. 医 福 食 農 連 携 の 取 組 の 推 進 3 5 2

p.0-1 第14回応用薬理学会 冊子 表紙

も 医療関連施設という集団の中での免疫の度合いを高めることを基本的な目標として 書かれています 医療関係者に対するワクチン接種の考え方 この後は 医療関係者に対するワクチン接種の基本的な考え方について ワクチン毎 に分けて述べていこうと思います 1)B 型肝炎ワクチンまず B 型肝炎ワクチンについて

こうすればうまくいく! 薬剤師による処方提案

Microsoft Word - 2-① 補償ガイドライン平成27年版(本文)Ver3.1.1.do

政策課題分析シリーズ14(本文2)

Microsoft PowerPoint - 薬物療法専門薬剤師制度_症例サマリー例_HP掲載用.pptx

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

サマリー記載について

Microsoft Word _ソリリス点滴静注300mg 同意説明文書 aHUS-ICF-1712.docx

別添 1 抗不安薬 睡眠薬の処方実態についての報告 平成 23 年 11 月 1 日厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部精神 障害保健課 平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 向精神薬の処方実態に関する国内外の比較研究 ( 研究代表者 : 中川敦夫国立精神 神経医療研究センタートラン

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

Microsoft PowerPoint - 【参考資料4】安全性に関する論文Ver.6

HANYHY1-88_27310.pdf

RAD-AR News Vol.11, No.5 (Jan. 2001) 2

Ⅰ. 改訂内容 ( 部変更 ) ペルサンチン 錠 12.5 改 訂 後 改 訂 前 (1) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本剤の作用が増強され, 副作用が発現するおそれがあるので, 併用しないこと ( 過量投与 の項参照) 本剤投与中の患者に本薬の注射剤を追加投与した場合, 本

Microsoft Word - 報告書 最終1116.doc

5) 在 宅 医 療 提 供 体 制 の 検 討 退 院 に 関 わる 業 種 ごとに 部 会 を 立 ち 上 げ 在 宅 医 療 に 必 要 なことについて 検 討 していく またそれを 拠 点 整 備 事 業 委 員 会 が 統 括 し さらにそれを 拠 点 整 備 事 業 協 議 会 が 監

3.2013/14シーズンのインフルエンザアップデート(12/25現在)

表紙.indd

< F2D8ED089EF95DB8CAF939996A289C193FC91CE8DF42E6A7464>

profile

現在にいたっております その結果 現在 HPVワクチンは定期接種でありながら 接種対象となる12 歳から16 歳の女子に対する接種がほとんど行われていないのが現状です このような状況は先進国では日本だけで見られていることであり 将来 子宮頸がんの発症が他国に比べて著しく高くなるというような事態が起き

スライド 1

DOTS 実施率に関する補足資料 平成 26 年 12 月 25 日 結核研究所対策支援部作成 平成 23 年 5 月に改正された 結核に関する特定感染症予防指針 に DOTS の実施状況は自治体による違いが大きく実施体制の強化が必要であること 院内 DOTS 及び地域 DOTS の実施において医療

<4D F736F F D20D8BDB8CFC8BCDED2DDC482A882E682D1BADDCCDFD7B2B1DDBD8B4B92F E646F63>

標準業務手順 目次

臨 床 研 究 事 案 に 関 する 主 な 報 道 概 要 ディオバン 事 案 白 血 病 治 療 薬 タシグナ 事 案 (SIGN 試 験 ) ノバルティス 社 の 高 血 圧 症 治 療 薬 ディオバンに 係 る 臨 床 研 究 において データ 操 作 等 があり 研 究 結 果 の 信 頼

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

SurveyMonkey分析 - Export


第4回税制調査会 総4-1

(全体)

<FEFF7B2C DE5B A E BC10D7C3C40EA >

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

.\..1-4_2012PDF.p


市場調査における有害事象報告の実態について

Microsoft PowerPoint - 報告書(概要).ppt

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

1. はじめに我が国では 臨床研究 治験活性化 5 か年計画 2012 をはじめとした種々の取り組みにより治験実施体制の整備が行われ 治験環境に改善がみられてきた しかし 医療機関の一部の治験業務において治験依頼者からの支援を要する医療機関が少なからず存在すること 治験担当医師の GCP 関連知識や

課題研究の進め方 これは,10 年経験者研修講座の各教科の課題研究の研修で使っている資料をまとめたものです 課題研究の進め方 と 課題研究報告書の書き方 について, 教科を限定せずに一般的に紹介してありますので, 校内研修などにご活用ください

Microsoft Word - 会報1ページ.docx


RAD-AR News Vol.12, No.6 (Mar. 2002) 2

財政再計算結果_色変更.indd

データの取り扱いについて (原則)

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

日本内科学会雑誌第98巻第12号

医療安全管理指針

未承認の医薬品又は適応の承認要望に関する意見募集について

VR学会誌スポーツ特集

301226更新 (薬局)平成29 年度に実施した個別指導指摘事項(溶け込み)


住 民 監 査 請 求 に 係 る 監 査 結 果 第 1 請 求 の 受 付 1 請 求 の 受 付 日 平 成 25 年 10 月 15 日 2 請 求 人 ( 省 略 ) 3 請 求 の 趣 旨 ( 原 文 のまま 掲 載 ) 請 求 の 要 旨 阿 波 町 大 道 北 54 番 地 1 と

ごあいさつ バイオシミラーの課題 バイオ医薬品は 20 世紀後半に開発されて以来 癌や血液疾患 自己免疫疾患等多くの難治性疾患に卓抜した治療効果を示し また一般にベネフィット リスク評価が高いと言われています しかしその一方で しばしば高額となる薬剤費用が 患者の経済的負担や社会保障費の増大に繋がる

1 書 誌 作 成 機 能 (NACSIS-CAT)の 軽 量 化 合 理 化 電 子 情 報 資 源 への 適 切 な 対 応 のための 資 源 ( 人 的 資 源,システム 資 源, 経 費 を 含 む) の 確 保 のために, 書 誌 作 成 と 書 誌 管 理 作 業 の 軽 量 化 を 図


美容皮膚科に関するアンケート今回 2つのアンケートを紹介します まず 初めに 皮膚科医による美容皮膚科への取り組み実態 の調査として 2007 年に行われた日本臨床皮膚科医会会員 4,073 名への 美容皮膚科に関するアンケート です このアンケート調査は 回収率は 30.35% と高く 美容皮膚科

認知症医療従事者等向け研修事業要領

D _SR_DENSEI_QX

<4D F736F F D20926E C5E B8FC797E192E88B CC8DC489FC92E88E9696B D2E646F63>

Microsoft Word - 公表用答申422号.doc

【資料1】結核対策について

<4D F736F F D208DE3905F8D8291AC8B5A8CA48A948EAE89EF8ED0208BC696B18BA492CA8E64976C8F BD90AC E378C8E89FC92F994C5816A>

表1

<4D F736F F F696E74202D20392E2088E397C38B408AED82CC90BB91A294CC94848CE392B28DB882CC8CBB8FF382C697AF88D3935F2E >

<4D F736F F F696E74202D202888F38DFC AB38ED28FEE95F182CC8BA4974C82C98AD682B782E B D B2E >

P indd

サイボウズ ガルーン 3 管理者マニュアル

H1_H4_ ai

85

1

Transcription:

Series No.89 January.2010 20 4 C o n t e n t s

R A D - A R N E W S 2 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S R A D - A R N E W S 3 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S 4 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S 5 v o l. 2 0 N o. 4 R A D - A R N E W S

R A D - A R N E W S 6 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S R A D - A R N E W S 7 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S 8 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R りは低い N E W S 設立20周年記念シンポジウム次第 入院の4人に3人は基礎疾患あり 認知症などの神経疾患もリスクとなり 高齢者の多 開会の辞 海老原 格理事長 い施設では院内感染に注意が必要 特別講演 浦島 充佳先生 東京慈恵会医科大学 分子疫学研究室 室長 准教授 抗インフルエンザ薬は発症2日以内の投与が重要 新型インフルエンザと薬剤研究の重要性 季節性インフルエンザワクチンを接種している パネルディスカッション 我が国の薬剤疫学研究の現状と将来 座長 黒川 達夫先生 と 新型インフルエンザになるリスクが4分の1 から5分の1にまで抑制できるというエビデンス もあり 新型インフルエンザワクチンの接種が遅 千葉大学大学院薬学研究院 特任教授 れる可能性のある人は積極的に季節性インフル くすりの適正使用協議会から見た薬剤疫学研究の現状 江島 伸一氏 エンザワクチンを接種すべきで 特に40歳代か ら50歳代でこの抑制効果があることがエビデン くすりの適正使用協議会 薬剤疫学部会 部会長 スで示されている 我が国の薬剤疫学研究の将来 佐藤 俊哉先生 我々医療従事者や行政はいままでに得られた科 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系 医療統計学分野 教授 学的エビデンスを基に新型インフルエンザの重症 総合討論 浦島 佐藤 江島 フロアー参加者 者 死亡者をどうやったら減らせるかを検討し 医療 閉会の辞 江島 伸一部会長 政策に反映させることが重要である このような疫 学研究は社会に還元されてこそ価値をもつもので て心理的評価の側面が強くなってしまう この両者 ある 薬剤疫学研究も同様に考えられ 薬剤の安全 のギャップをいかに埋めるか そこで 世界の主要 管理や危機管理の一つの手段として重要な位置を 製 薬 会 社 が 立 ち上げたR A D - A R R i s k / B e n e fi t しめる Assessment of Drugs-Analysis and Response 活 動を日本で展開していったのが くすりの適正使 パネルディスカッション 用 協 議 会 で 業 界 の 社 会 的 信 頼 性を向 上させ テーマ 我が国の薬剤疫学研究の現状と将来 座 長 黒川 達夫先生 医薬品のリスクとベネフィットを評価 検証し社会 に提 示し リスク管 理を強 化する運 動を展 開して いった この 活 動を展 開するには 薬 剤 疫 学 研 究 千葉大学大学院 薬学研究院 特任教授 が 重 要 な 位 置を占 めるが 当 協 議 会 発 足 当 時 は まだ 薬 剤 疫 学という考 え 方 が 希 薄 で あった た パネリスト講演1 め 当 協 議 会に薬 剤 疫 学 部 会を立 ち上げ 薬剤 演題 くすりの適正使用協議会から見た 薬剤疫学研究の現状 演者 江島 伸一氏 疫学の普及グループ データベースの必要性を 検討するグループ 薬剤疫学が進んでいる海外 での最新情報を研究するグループ の3グループ くすりの適正使用協議会薬剤疫学部会 部会長 で 活 動を開 始し 現 在に至って いる そこで 過 去 最初に くすりの適正使 2 0 年 間 の 各グル ープ の 具 体 的 な 活 動とそ の 成 用協議会の設立の背景と 果が紹介された 目的が述べられた 演者はここ20年間を振り返り 大きな時代の流 今日まだ くすりに対し れ を 実 感 し て い る す な わ ち 安全性監視 て医療従事者と患者さん P h a r m a c o v i g i l a n c e 薬剤疫学 一般消費者の間には大き (Pharmacoepidemiology) 適正使用 とい なギャップが見られる すなわち 安全性問題を考 う言葉が日常業務で理解され 使用されるように えるとき 医療従事者の間では 科学的評価に基づ なってきたことである 別な表現をすると 次の3 き論じるが 患者さん 一般消費者は安全性に対し 点に集約される R A D - A R N E W S 9 v o l. 2 0 N o. 4 Jan.2010

1 安全性監視と適正使用の重要性がますます高まっ れるデータベースでは処方理由による交絡が深刻 ている な問題で この解決が将来の薬剤疫学研究には必 2 そのための薬剤疫学研究も重要性を増している 要となる 3 適正使用の推進は 産 官 学 患者さんを含めた また これからの薬剤疫学研究についての演者の それぞれが自身の役割を果たしてこそ実現可能 見解は となる 1 臨床開発から製造販売後までつなぎ目のない一貫 これから5年 10年とこの視点を継続して行けば した薬剤疫学研究が望まれる このことはE2Eなど 薬剤疫学研究も大きく発展するであろう で言われているリスクマネジメント計画等に反映さ れる パネリスト講演2 2 薬剤疫学研究は いきなり開始するのではなく 演題 我が国の薬剤疫学研究の将来 演者 佐藤 俊哉先生 サーベイランス 問題発見 解決 そしてリスクコ ミュニケーションへとstep by stepで進めていく 京都大学大学院 医学研究科 医療統計学分野 教授 中で取り入れる まず 演者のアメリカ留 3 薬剤疫学研究を進めていくうえで重要なことは 薬 学経験を踏まえ 薬剤疫学 剤疫学研究に携わる実務者のトレーニングである との出会いについて述べら また わが国ではその実務者が少なくその養成が れた 次に演者が関係した 必要となる 疫学研究の事例として イ 最後に二つの薬剤疫学を題材にした川柳で話を締 ンフルエンザ脳 症 のケー めくくった ス コントロール研究 での 調査方法 調査拒否の影 バイアスを減らす努力が実を結ぶ 響 重症度別の解析の困難性等が解説された 演者は 薬剤疫学研究と他の疫学研究の相違につ なくせないリスクをじょうずに管理する いて次の3点を挙げた 1 薬剤疫学を実施することは製薬企業のミッション まとめ の一つである なぜならば 医薬品の場合 どのよ うな小さなリスクも同定し その医薬品のリスク ベ 最後にこのシンポジウムを通じて 明らかになった ネフィットバランスの評価をしなければならない ことは くすりの適正使用協議会 が20年前の設立 2 有害事象の報告では 薬剤疫学研究に慣れている 当初から掲げてきたvisionが今でも引き継がれてお 医師とそうでない医師との間に報告の差がでる こ り 今後 これまでの実績を強化することにより 最終 のことが研究のバイアスとなる可能性がある なぜ 的には国民 患者さんに くすりの適正使用協議会 が ならば 有害事象では 自分の専門領域の事象が発 あって本当に良かったといわれる場面がくるであろ 生するとは限らない どこの領域にでるかわからな う という内容の座長の黒川先生の締めの言葉を い ある有害事象が発生した場合 これが報告すべ もって本シンポジウムを終了した き事象かどうか常に目を向けていかねばならない 3 安全性に関する多くの薬剤疫学研究の場合 事前 文責 くすりの適正使用協議会 にどのような有害事象が発生するか予測ができな いため 研究開始初期段階では十分に計画された 薬剤疫学研究は組みにくい 次に シグナル検出の疑問 問題点やデータベー スについて述べられた 薬剤疫学研究を実施するうえで 短時間で低コ ストで利用できるものとしてデータベースがあり 欧米では盛んに利用されているが 一般に用いら R A D - A R N E W S 10 v o l. 2 0 N o. 4 Jan.2010 神田 誠一

R A D - A R N E W S R A D - A R N E W S 11 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S 12 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S R A D - A R N E W S 13 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S 14 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S R A D - A R N E W S 15 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S 16 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S 17 v o l. 2 0 N o. 4

PROFILE http://www.healthtalkonline.org/ R A D - A R N E W S 18 v o l. 2 0 N o. 4

R A D - A R N E W S http://www.dipex-j.org/ R A D - A R N E W S 19 v o l. 2 0 N o. 4

Vol.20 No.4 Series No.89