* * * 事業主 加入員のみなさまへ * * * 理事長有光幸紀 日本産業機械工業厚生年金基金は 昭和 46 年 10 月に産業機械工業界全体での優秀な人材確保と働くみなさまの老後の生活保障を目的として設立されました 本年 10 月には 設立して 43 年を迎えることとなり 皆様のご理解とご支援の

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当基金の今後の方向性について 当基金では 昨年 6 月に厚生年金基金制度の見直し法が成立したことから 今後の当厚生年金基金のあり方について検討を重ねてまいりました 改正法は 厚生年金基金に対しこれまでより高い積立水準を課し 達成できなければ短期間での不足の解消または解散を促すという大変に厳しいもので

制度変更の背景 厚生年金保険法の改正法は 国の厚生年金保険の一部を代行している部分について 厚生年金基金の資産が代行部分に不足することがないような仕組みづくりを趣旨としています 国の代行資産に企業年金の上乗せ部分の資産を加えた厚生年金基金は 大きな資産を保有し 運用環境の悪化時には一時的に大きな積立

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Ⅰ. 厚生年金基金の取扱について 1. 残余財産の分配について (1) 分配の有無 Q1: 代行部分返納後に残余財産があれば 基金の上乗せ部分に係る 分配金 として 加入者 受給待期者 受給者に分配することになりますが 現時点および最終時点で残余財産はいくらになりますか? A1: 仮に平成 27 年

厚生年金基金制度のしくみ 厚生年金基金は 国の厚生年金の一部 ( 老齢厚生年金の報酬比例部分 ) を代行して基金独自の給付 ( 上乗せ部分 ) を行う企業 年金制度です プラスアルファ ( 上乗せ ) 部分の掛金は全額事業主様負担であるため 従業員にとっては手厚い年金を受取ることが出来ます 基金へ掛

厚生年金基金に関する要望.PDF

1 特例解散を申請することになりました 当基金は 解散時に事業主の皆様の追加負担を極力軽減する ( 避ける ) ために 特例解散 を目指すことといたしました 既にお知らせしておりますが 昨年 6 月に成立 公布された厚生年金基金制度の見直しに関する法律 ( 公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のため

上乗部分Q1. 基金制度のどの給付区分が分配金の対象となるのか A1 基金の給付区分は 国の厚生年金の一部を代行している 代行部分 と 基金独自の 上乗部分 から構成されています 代行部分は 解散により国に返還され 解散後は国から年金が支給されますので 分配金の対象となるのは基金独自の上乗部分となり

さくらグループ厚生年金基金制度の今後について 安定した年金給付を継続していくため 厚生年金基金制度の見直しを進めています はじめに はじめに さくらグループ厚生年金基金は 平成 9 年 4 月に設立され これまで退職された多くの加入員の皆様に一時金給付や年金給付を行ってきました また 基金制度は当社

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厚生年金基金の解散に向けて

柔軟で弾力的な給付設計について

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これまでの経緯について すでにご案内のとおり 当基金では 平成 26 年 4 月に施行された厚生年金保険法等の一部を改正する法律に対応するため 検討委員会を立ち上げ検討を重ねてまいりました 検討委員会での議論をもとに 平成 27 年 2 月の第 98 回代議員会において平成 30 年 3 月末を目途

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年金制度のしくみ 3 階私的年金みらい企業年金基金 2 階 1 階 公的年金 厚生年金 国民年金 共済年金 自営業者など会社員の配偶者会社員公務員など 国民年金の加入者区分 第 1 号被保険者 第 33 号被保険者 第 2 号被保険者 3 階建ての年金制度 日本の公的年金制度は 国民年金 から全ての

ごあいさつ 理事長 中川 勝之 全国地質調査業厚生年金基金は 地質調査業等で働く皆様の老後生活の安定と福祉 の向上を図ることを目的として昭和46年8月1日に設立され 今年で42年目を迎えます 紆余 曲折を経ながらも 加入事業所数410社 加入員数11,000人 年金資産680億円程を有する 基金とな

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厚生年金基金から残余財産の交付を受けた DB の加入員期間の期間算入 解散した厚生年金基金の残余財産の交付を受けて DB を新設する際に 以下のように 解散日から DB の設立までの期間が数日空くケースが考えられる 法令上 このような取扱いはできない < 例 > 平成 27 年 9 月 28 日厚生

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将来返上認可 過去返上認可 6 基金 解散認可 1 基金 一括納付による解散である 3 指定基金制度ア概要年金給付等に要する積立金の積立水準が著しく低い基金を 厚生労働大臣が指定します この指定された基金に対して 5 年間の財政健全化計画を作成させ これに基づき事業運営を行うよう重点的に指導すること

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基金解散後の給付 1 代行部分の金は国 日本金機構 へ引継がれます 基金から受ける給付は 基本部分の基本金 代行部分 基本プラスアルファ部分 と加算部分 加算金 一時金 がありますが 基金解散により 基本金のうち代行部分の金は国 日本金機構 へ引継がれ 国 の老齢厚生金の支給ルールに基づき給付されま

もくじ ご挨拶全国電子情報技術産業厚生年金基金理事長鈴木芳久 2 代行返上方針の決定について 3 代行返上のしくみ 4 代行返上後の新しい確定給付企業年金 5 移転承継方式による新制度への移行 6 今後のスケジュール 9 代行返上への同意のお願い 10 新しい年金制度 代行返上についてのQ&A 13

給付の支給時期 脱退一時金 加入者資格を喪失したとき ( 退職 65 歳到達等 ) 65 歳未満の年齢到達で資格喪失させることも可能 遺族一時金 1 加入中に死亡したとき 2 給付の繰下期間中に死亡したとき 3 年金受給中に死亡したとき 年金 < 退職による資格喪失の場合 > 1 50 歳未満で資格

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260401【厚生局宛て】施行通知

厚生労働省試案 厚生年金基金制度の見直しについて の概要 平成 2 4 年 1 1 月 第一生命保険株式会社 以下の内容は 11 月 2 日の 第 1 回厚生年金基金制度に関する専門委員会 をもとに 当社が要点等をまとめたものです 実際の資料については 厚生労働省のホームページを参照願います また

II. テーマアップの要件への該当 1. テーマアップの要件を基にした テーマアップの要否に関する分析は次のとおりである (1) 広範な影響があるか 本件は企業が複数事業主の厚生年金基金制度に加入し 例外処理を採用していた場合に当該基金が解散するとき論点となる会計処理である 第 11 項に記載のとお

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( 別紙 ) 本日の委員会の概要内容は必要と思われる箇所を抜粋し 弊社として解釈のうえ記載したものであることを予めご理解願います (1) 企国課長からの説明 ( 配布資料 1~3) ( 説明の概要 ) 1 これまでの主な意見の整理 ( 資料 1) 厚生年金本体の将来の財政への影響は可能な限り回避すべ

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日本再興戦略 改訂 2015 平成 27 年 6 月 30 日に閣議決定された 日本再興戦略 改訂 2015 においては 企業が確定給付企業年金を実施しやすい環境を整備するため 確定給付企業年金の制度改善について検討することとされている - 日本再興戦略 改訂 2015( 平成 27 年 6 月 3

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企業年金のポータビリティ制度 ホ ータヒ リティ制度を活用しない場合 定年後 : 企業年金なし A 社 :9 年 B 社 :9 年 C 社 :9 年 定年 ホ ータヒ リティ制度を活用する場合 ホ ータヒ リティ制度活用 ホ ータヒ リティ制度活用 定年後 :27 年分を通算した企業年金を受給 A

年 12 月 厚生年金基金制度を解散して後継制度に資産を持込む場合の手続き 本資料は 平成 26 年 12 月 11 日に発出された事務連絡 解散存続厚生年金基金の残余財産を他の制度へ交付又は移換する際の取扱いについて 及び関連する法令等に基づきその要点を纏めたものです 作成時点にお

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確定給付企業年金制度のご案内 ━ 大阪府電設工業企業年金基金のご案内 ━

年 発 第     号

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図 -33 退職金制度の有無 第 33 表退職金制度の有無とその根拠 ( 事業所数の割合 ) (%) 退職金退職金制度の根拠退職金区分合計制度有労働協約就業規則社内規定その他無回答制度無調査計 (100.0) (3.0) (


当基金は 平成 28 年 11 月 1 日付け 厚生年金基金から企業年金基金へ移行し 名称も新たに全日本乳業厚生年金基金から MIL-AI 企業年金基金に生まれ変りました MIL-AI の MIL はミルクの頭文字 AI は日本語の 愛 です ミルクの愛を未来に繋ぐという意味が込められています 平成

解散 と 清算 までの主なスケジュール 平成 29 年 5 月平成 29 年 6 月平成 29 年 7 月平成 29 年 8 月平成 29 年 9 月平成 29 年 10 月平成 29 年 11 月平成 29 年 12 月平成 30 年 6 月平成 30 年 7 月平成 30 年 8 月平成 30

問 28 高年齢雇用継続給付との調整難度 A 70 問 29 特例老齢年金難度 B 72 問 30 経過的加算難度 B 74 問 31 老齢厚生年金の支給の繰下げ難度 B 76 問 32 老齢厚生年金の支給の繰上げ難度 B 80 問 歳以後の在職老齢年金難度 A 84 問 34 障害厚生

平成 24 年度基金決算のお知らせ 東日本ニット厚生年金基金の平成 24 年度決算は 9 月 20 日に開催された第 120 回代議員会において審議され 全会一致で可決 承認されましたのでお知らせします 平成 24 年度 ( 平成 24 年 4 月 平成 25 年 3 月 ) の資産運用ですが 米国

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時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

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平成25年4月から9月までの年金額は

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基金解散時の最低積立基準額の算定 最低保全給付 ( 控除前 ) 規約に定める最低保全給付の区分ごとに基準日における加入員 受給者等の区分に応じ計算する 各給付区分において 受給者又は受給待期脱退者でかつ加入員である者については 規約に定める残余財産の分配方法に準じて最低保全給付を計上する 将来期間に

公開草案なお 重要性が乏しい場合には当該注記を省略できる 現行 適用時期等 平成 XX 年改正の本適用指針 ( 以下 平成 XX 年改正適用指針 という ) は 公表日以後適用する 適用時期等 結論の背景経緯 平成 24 年 1 月 31 日付で 厚生労働省通知 厚生年金基金

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( 別紙 ) 本日の委員会の概要内容は必要と思われる箇所を抜粋し 弊社として解釈のうえ記載したものであることを予めご理解願います (1) 企業年金連合会からの説明 ( 配布資料 ) 資料に加え 以下のような意見が述べられた 厚生年金基金制度は厚生労働省の指導を受けながら労使合意のもとお

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

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厚生年金基金解散のお知らせ 当基金の解散が厚生労働大臣より 平成 29 年 3 月 29 日付で認可されました 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます また 皆様には 当基金業務運営につきまして格別のご理解とご協力を賜り厚く御礼を申し上げます さて 当基金は 本年 1 月 25 日に厚生労働大

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表紙 年金通信25-40企業年金制度改正説明会

平成 24 年 8 月 24 日判決言渡 平成 23 年 第 284 号代議員会議決無効確認請求事件 判 主 決 文 1 原告が, 平成 23 年 1 月 18 日をもって被告の設立事業所でないことを確認する 2 被告は, 原告のために,A 厚生年金基金規約別表第 1から 株式会社 B, 長野県諏訪

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図 1 60 歳 61 歳 62 歳 63 歳 64 歳 65 歳 生年月日 60 歳到達年度 特別支給の 男性 S24.4.2~S 平成 21~24 年度 女性 S29.4.2~S 平成 26~29 年度 男性 S28.4.2~S 女性 S33.4.2~S35.

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< 現行 > 対象者医療区分 Ⅰ(Ⅱ Ⅲ 以外の者 ) 1 * 医療の必要性の低い者医療区分 Ⅱ Ⅲ 1 2 * 医療の必要性の高い者 ( 指定難病患者を除く ) 3 指定難病患者 2 生活療養標準負担額のうちにかかる部分 1 日につき32 1 日につき 1 日につき < 見直し後 > 対象者医療区

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平成16年年金制度改正 ~年金の昔・今・未来を考える~

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Transcription:

~ 事業主 加入員の皆様へ重要なお知らせ ~ 厚生年金基金制度見直し法による 当基金の方向性について ~ ポイント ~ 厚生年金基金制度に関する法令が施行されたことを受け 現在当基金が国の老齢厚生年金の報酬比例部分を代行している代行部分を 国に返上する方針とします ( これを 代行返上 といいます ) 国へ代行部分を返上した後は 従来の上乗せ部分の加算部分 ( 事業主が掛金を全額負担 ) のみで産業機械工業界としての年金制度を再構築し 移行することを目指します 理由 1. 平成 26 年 4 月施行の改正法は 基金制度の実質的な廃止を柱としており 厚生年金基金の存続に対しては 極めて厳しい新たな存続条件が設けられました 2. 新たな存続条件を満たすためには 掛金の大幅な負担増 ( 事業主負担 ) が必要となります 3. 他業界の基金と同様 国の老齢厚生年金の一部 ( 報酬比例部分 ) を代行する部分 ( 代行部分 ) を国へ返上する 代行返上 をせざるをえなくなりました 4. 解散と言う選択肢もありますが デメリットも大きく 上乗せ部分の加算部分は 業界全体での年金制度として存続させる事が重要と考えました 皆様のご理解をお願いいたします 代行返上 のため必要な厚生労働省の認可取得については 事業主 加入員の皆様のご同意 が必要となります 改正法施行により 代行返上 が避けられない現状につきご理解いただき 何卒 代行返上 にご同意くださいますよう ご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます 平成 26 年 7 月 日本産業機械工業厚生年金基金 - 1 -

* * * 事業主 加入員のみなさまへ * * * 理事長有光幸紀 日本産業機械工業厚生年金基金は 昭和 46 年 10 月に産業機械工業界全体での優秀な人材確保と働くみなさまの老後の生活保障を目的として設立されました 本年 10 月には 設立して 43 年を迎えることとなり 皆様のご理解とご支援のおかげと感謝申し上げます さて新聞報道や 基金だより 等でご案内のとおり 平成 24 年 2 月に他の基金で発覚した AIJ 投資顧問詐欺事件をきっかけに 厚生年金基金の運用問題がクローズアップされました 当初 は 資産運用のあり方 を中心とした議論が 厚生年金基金制度の根幹をなす 基金が国の老齢 厚生年金の報酬比例部分を代行している代行部分のあり方 にまで拡大しました 結果 国 ( 厚 生労働省 ) は 厚生年金基金制度の実質的な廃止を柱とする 厚生年金保険法の改正法 ( 以下 改正法 ) を平成 25 年 6 月に成立させ 本年 4 月から施行されています 当基金は設立来 国が定めた法令に従い運営してきましたが 改正法 で新たに示された厚 生年金基金制度を存続していくための条件は非常に厳しく 他の業界同様に残念ながら制度存 続は不可能に近いと言わざるを得ません 理事会 代議員会で 今後の当基金制度のあり方を慎重に検討し 平成 26 年 2 月 20 日開催 された第 95 回代議員会において 厚生年金基金としての存続は困難と判断し 国の老齢厚生年金の報酬比例部分を代行している代行部分は国へ返上する 上乗せ給付部分の加算部分は新しい企業年金制度を検討し移行を目指す 方向性であることを確認し 平成 26 年 9 月の代議員会で代行返上方針決議を行う旨決定いたし ました 厚生年金基金としての存続はできませんが 業界全体の優秀な人材確保や老後生活保 障の業界版企業年金制度の役割は 今後も大きいものであり 解散 清算を行うのではなく 新 制度を立上げ 移行をしていく事が重要と判断した次第です 改正法 の趣旨に沿った変更ではありますが 国へ代行部分を返上するには 加入員の皆さ まのご同意が必要です 事業主の皆様には 業界全体の企業年金制度を今後も永続的に維持 していくための方針である事を何卒ご理解いただき 方針決議後の加入員の皆様のご同意書の 取りまとめ等のご協力を賜りますようお願い申し上げます [ 法改正動向を受けた検討会議経緯 ] 検討会議の開催日付 区 分 内 容 平成 25 年 9 月 12 日 理事会 代議員会 改正法 の内容と当基金の選択肢について 平成 26 年 1 月 30 日 理事会 改正法 の内容と当基金の方向性について 平成 26 年 2 月 20 日 代議員会 改正法 の内容と当基金の方向性について 平成 26 年 9 月 ( 予定 ) 理事会 代議員会 当基金の代行返上方針について 代議員会は 基金運営上の重要事項を審議決定する議決機関として意志を決定します 代議員会は 事業主側から選ばれる [ 選定代議員 ] と加入員において互選される [ 互選代議員 ] とで構成され 各 21 名の 42 名で構成されています 任期は 3 年です 理事会は 厚生年金基金の執行機関です [ 選定理事 ] と [ 互選理事 ] 各 10 名の 20 名で構成されています 理事長は 選定代議員の理事の中から選挙で選ばれます 任期は 3 年です - 2 -

1. 日本産業機械工業厚生年金基金のしくみ 厚生年金基金は 厚生年金の一部 ( 報酬比例部分 ) を国に代わって運営を行う 代行部分 と基金独自の上乗せ部分である 加算部分 から成り立っています 加入事業所数 140 社 加入員数 16,795 名 年金受給者数 13,858 名資産規模約 748 億円 ( 見込み )( 平成 26 年 3 月末現在 ) 基金に加入していない方 ( 国 厚生年金の加入 ) 代行 老齢厚生年金 ( 報酬比例部分 ) 加入 3 年以上 脱退一時金 基金に加入している場合 基本プラスアルファ部分 代行部分 加入 15 年以上 加算年金または選択一時金 ( 厚生年金の報酬比例部分を代行 ) 加算部分 基本部分 上乗せ部分 当基金から給付 国から給付 老齢厚生年金 ( 賃金再評価 物価スライド分 ) 老齢基礎年金 老齢厚生年金 ( 賃金再評価 物価スライド分 ) 老齢基礎年金 国から給付 代行返上 すると 加入 15 年以上 加入 3 年以上 脱退一時金 加算年金または選択一時金 基本プラスアルファ部分 新制度から支給 報酬比例部分 ( 厚生年金基金の代行部分 ) 老齢厚生年金 ( 賃金再評価 物価スライド分 ) 国から支給 老齢基礎年金 基本フ ラスアルファ部分の代行返上後の取扱いについては変更となる可能性があります - 3 -

2. 厚生年金保険法の改正法 のポイントと存続条件 改正法のポイント 厚生年金基金に関する規定は 厚生年金保険法の本則から削除され 改正法施行 ( 平成 26 年 4 月 1 日 ) 以後 厚生年金基金は改正法附則の 存続厚生年金基金 と位置 付けられます なお厚生年金基金の新設は認められません 改正法施行後 5 年後 ( 平成 31 年度 ) までに 新存続条件 を満たす事が求められます 平成 31 年度以降は 存続条件を満たさない基金に対しては 解散命令の発動も可能 とされています 改正法施行後 5 年間で代行割れ基金の早期解散を促すため 事業所間の連帯債務の解除等の特例措置が時限的に設けられます 存続条件 1 最低責任準備金 1.5 倍 ( 平成 24 年度決算では 当基金は1.05 倍 ) 2 最低積立基準額 1.0 倍 ( 平成 24 年度決算では 当基金は0.59 倍 ) 最低責任準備金 国へ返還する代行部分の給付に必要な額最低積立基準額 最低責任準備金に上乗せ給付部分の給付に必要な額を加えたもの - 4 -

3. 当基金の対応方針 ~ なぜ代行返上を行うのか 改正法の施行後 当基金が取りうる選択肢は以下の通りです A. 1 基金存続厚生年金基金の存続条件を満たすためには大幅な掛金引上げが必要です 改正法では 前頁の新存続条件が設けられ 積立水準の大幅改善が求められます 5 年後までに存続条件を満たす必要があり 今後毎年現行掛金の約 1.55 倍 加入員 1 人当たり年額 18.5 万円強 ( ) の掛金引上げが必要です ( 標準報酬月額約 35 万円と仮定 ) 積立水準の向上の余地について 財政 運用の両面から外部機関を交えて検討を重ねましたが やはり上記掛金負担は非現実的との結論に至りました C. 3 解散 3 残余財産を分配して終了 する場合 老後の生活保障としての機能が損なわれデメリットが大きいと判断しました 解散することによって 上乗せ部分 ( 加算部分 ) の年金給付は終了となります 代行部分を国に返上した後の残余財産を一時金として分配しますが 積立不足があることから 給付額は年金受給の総額に比べると少額となってしまいます 分配の実施までには 相当な期間 ( 約 2 年 ) がかかります B. 2 代行返上様々な角度から検討した結果 厚生年金保険法の改正法 の趣旨に沿って 代行返上 を行う 上乗せ部分のみで 新たな年金制度へ移行することが最善と判断しました 業界全体での人材の確保及び老後の生活をより豊かにという基金設立時の考えに変わりはありません 少しでもリスクを抑えた安定的で永続的な制度に見直しを図り 大切な年金制度を将来にわたって運営することが重要であると議論されました 受給者 受給待期者も移行され 年金給付が継続されます 代行部分を国に返上した後の上乗せ部分の新制度は 厚生年金基金と比べ柔軟な制度設計が可能であり 様々なニーズの取込が可能です また資産運用リスク ( 運用に伴う多額の利差損発生リスク ) を大幅に抑制できる体制も採用できます - 5 -

4. 代行返上とは 代行返上とは? 厚生年金基金が厚生年金保険の一部を代行するために積立てている資産を国に返還し 国の年金給付の代行業務を 国に返上する事です 基本フ ラスアルファ部分の代行返上後の取扱いについては変更となる可能性があります 代行返上すると給付 掛金はどうなるか? 1 給付 基金が代行している年金給付は 国に支給義務が移転し 国から支給される事になります 国の年金額は基金未加入の場合と同じで 代行返上により国の年金額が減る事はありません 加算年金部分は 代行返上後の新制度 ( 確定給付企業年金制度 ) からの給付予定です 2 掛金 代行返上の認可を受けると その翌月から現在基金に納めている掛金のうち代行部分の掛金は国へ納める事となります 代行部分以外の掛金は 新制度移行後も事業主様のご負担で 新制度移行後 新制度へ納付いただきます なお 掛金総額は 現行水準内で検討しています 現在 代行部分の債務 ( 最低責任準備金 ) に対して基金の資産は上回っており いわゆる 代行割れ の状態ではありませんので 代行返上に伴う事業主様の掛金追加拠出はございません - 6 -

代行返上に関する Q&A Q1 代行返上 とはどういうことですか? 厚生年金基金が行っていた国の老齢厚生年金の代行部分の給付 管理を国に戻し その代行部分を除いた基金独自の上乗部分の加算部分の給付を新しい制度に移行する事をいいます 基金はこれまで 国に代わって老齢厚生年金の一部を支給する義務と それを支払うための掛金を 国の厚生年金保険料の一部から基金に納めて頂き 管理運用する役割を担ってきました 代行返上後はその役割を国に返上するので 今まで積み立てた代行部分の給付を行うための積立資産も国に返還します Q2 代行返上にあたって 追加負担はあるのですか? 現在 代行部分の給付に必要な資産が確保できており 代行返上で事業所様の追加負担はあり ません Q3 他の厚生年金基金も代行返上していますか? 業界型の基金は現在 462 ありますが 代行返上 ( 解散を含む ) を実施すべく検討を進めています 今回の法改正による厚生年金基金制度の存続条件を満たす基金は 全体の 1 割もないと言われています 平成 26 年 3 月 24 日付厚生労働省局長通知にて 代行返上後の後継制度を検討するように指導があり 事業主 加入員への説明内容まで報告が求められるため 各基金とも他の企業年金への移行を既に決定または検討しています Q4 現在給与から基金の掛金が天引きされていますが 代行返上すると保険料はどうなりますか? 加入員の皆様から現在天引きされている掛金は 代行部分に係る掛金です もともと国に納める厚生年金保険料の一部を 基金に納めていただいているものです 代行返上後は 加入員の皆様の基金掛金は 現在事業所が納めている厚生年金保険料と合わせた額を事業所経由にて国に納めることになります 給与明細の 厚生年金基金掛金 が無くなりますが その分国の 厚生年金保険料 が増えるので 天引きされる総額は変わりません Q5 年金を受給するのは先ですが 代行返上により将来の年金額が変わることはないのですか? 基金が行っていた代行部分の給付は 国から支給されるようになりますので 代行部分の支払 い元が国に移るだけで この部分の年金額に変更はありません Q6 代行返上をする方針が決まった以上 これから入社してくる者は基金に加入させなくても良いですか 上乗せ部分の掛金が掛捨てのようなものではないですか? 代行返上方針は決まりましたが 厚生労働省より代行返上認可を受けたわけではありません 基金制度は続いておりますので 認可が下りるまで加入して保険料を基金に納付して頂く必要があります 代行部分 は 国に返還され 国から年金が支給されますので 掛捨てとはなりません 全額事業主負担の上乗せ部分の加算掛金も 制度が継続している間は この掛金を停止することはできません 将来 新制度に移行される給付のためのものであり掛捨てとはなりません - 7 -

Q7 代行返上するのであれば 事業所として今すぐにでも基金から脱退できますか? 事業所単位の脱退は可能ですが 脱退するにあたり上乗せ部分を含めた基金全体の積立不足 のうち 貴事業所に相当する部分を一括して納付いただく必要があります Q8 一定の条件を満たした基金のみ存続を認めると言う国の新存続条件の 1.5 倍水準とは? 従前 年金資産が代行部分相当額の 1.05 倍あれば条件に達していると認められてきました 現状 当基金資産積立水準は 691 億円 654 億円 = 1.05 倍の水準です 国の新条件は 年金資産 代行部分相当額 1.5 です 1.5 倍という新条件は 代行部分 654 億円 (* 見込み額 ) 1.5 倍 = 981 億円 ( 平成 24 年度財政決算結果より ) が必要となります 条件達成のためには 事業主様ご負担の掛金引上げもしくは リスクを大幅にとった ( 株式を中心とした ) 資産運用を実施することが必要です また 条件を 5 年以内に達成できた場合でも 5 年目以降毎年度の決算にて 常に 1.5 倍水準を確保していなければなりません 年々高まる財政基準 変動の激しい運用環境のもと 毎年度確実にクリアすることは非常に厳しいといえます Q9 他の厚生年金基金で解散したという話を聞きましたが 仮に解散するとどうなるのですか? 当基金において 解散 となれば 代行給付のための積立金を国に返還した後 残った積立金 ( 残余財産 ) を加入員 受給権者それぞれに分配して基金制度を終了させることになります 代行部分の給付は 国から支給されるようになるので 代行返上 も 解散 もこの部分の年金額は変わりませんが 解散の場合 基金独自の加算給付については 基金制度自体がなくなるため その時点の残余財産を分配して終了となります なお 事業所単位で残余財産 ( 加入員のみ ) を他の企業年金制度に移行する方法もあります お問い合わせ先 日本産業機械工業厚生年金基金 105-0003 東京都港区西新橋 2-6-1 小川ビル 6 階 TEL 03-3593-0878 FAX 03-3593-0898-8 -