研究開発投資にかかる政府目標 安倍政権が 新 3 本の矢 の 1 つとして掲げた 2020 年頃の名目 GDP600 兆円達成 の目標や 日本再興戦略 2016( 閣議決定 ) 等に基づく 今後 5 年間での民間企業の研究開発投資の対 GDP 比 3% 目標の達成には 民間企業の研究開発投資を年平均

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2017年度税制改正 年度税制改正

企業中小企(2) 所得拡大促進税制の見直し ( 案 ) 大大企業については 前年度比 以上の賃上げを行う企業に支援を重点化した上で 給与支給総額の前年度からの増加額への支援を拡充します ( 現行制度とあわせて 1) 中小企業については 現行制度を維持しつつ 前年度比 以上の賃上げを行う企業について

改正前改正案速報 5. 改正の内容 (1) 研究開発税制の見直し ( 大企業の場合 ) 総額型 上乗せ措置 税額控除額 = 試験研究費の総額 税額控除率 (6%14%: 試験研究費の増減割合に応じて ) 控除上限額 法人税額 25% 高水準型 税額控除額 = 試験研究費の額のうち平均売上金額 10%

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資料8-2 平成29年度文部科学関係税制改正事項

試験研究費 9,, 7,, Check7 14,, 14,, Check8 7,, 2,, 14,, 6,, 6,, 税務弘報

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

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法人会の税制改正に関する提言の主な実現事項 ( 速報版 ) 本年 1 月 29 日に 平成 25 年度税制改正大綱 が閣議決定されました 平成 25 年度税制改正では 成長と富の創出 の実現に向けた税制上の措置が講じられるともに 社会保障と税の一体改革 を着実に実施するため 所得税 資産税についても

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平成23年度税制改正の主要項目

新今回の要望に合関理連性する事項設 拡充又は延長を必要とする理中小企業は地域の経済や雇用を支え 我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている 中小企業の設備投資を促進し 成長の底上げに不可欠な設備や IT 化等への投資の加速化や生産性の向上を図る ⑴ 政策目的 ⑵ 施策の必要性 昨今の中小企業の

Ⅰ 法人関連税制 1 減価償却制度 2 年連続の大改正になった背景 減価償却制度については 平成 19 年度税制改正により 残存価額および償却可能限度額の取扱いが廃止される大改正が行われ 定率法はいわゆる 250% 定率法 と呼ばれる従来にない新しい計算の仕組みが採用されました そして平成 20 年

はしがき 配偶者控除 と 配偶者特別控除 は 昭和 36 年と昭和 62 年の税制改正で導入された歴史ある制度です ここ数年 配偶者控除の改正について様々な議論が行われてきましたが 平成 29 年度税制改正において 就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から配偶者控除と配偶者特別控除の見直し

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2. 改正の趣旨 背景税制面では 配偶者のパート収入が103 万円を超えても世帯の手取りが逆転しないよう控除額を段階的に減少させる 配偶者特別控除 の導入により 103 万円の壁 は解消されている 他方 企業の配偶者手当の支給基準の援用や心理的な壁として 103 万円の壁 が作用し パート収入を10

2019年度 文部科学省税制改正の概要

Q1 法人事業税の負担変動の軽減措置とは どのような制度ですか? A. 平成 27 年度税制改正により導入された 外形標準課税の拡大 ( 所得割の税率引き下げ及び付加価値割 資本割の税率引き上げ ) によって生じる税負担の変動の影響を緩和する措置で 付加価値額が一定以下の法人を対象に税負担の増加につ

第5回基礎問題小委員会 礎5-4

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

注 1 認定住宅とは 認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいう 注 2 平成 26 年 4 月から平成 29 年 12 月までの欄の金額は 認定住宅の対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が 8% 又は 10% である場合の金額であり それ以外の場合における借入限度額は 3,000 万円とする

平成30年3月決算における税務上の留意事項

平成 29 年度税制改正 ( 租税特別措置 ) 要望事項 ( 新設 拡充 延長 ) 制度名既存住宅のリフォームに係る特例措置の拡充 税目所得税 ( 国土交通省 ) 既存住宅流通 リフォーム市場の活性化に向けて 耐震性 省エネ性 耐久性に優れた良質な住宅ストックの形成を促進するため 既存住宅の耐震 省

平成20年2月

作成する申告書 還付請求書等の様式名と作成の順序 ( 単体申告分 ) 申告及び還付請求を行うに当たり作成することとなる順に その様式を示しています 災害損失の繰戻しによる法人税 額の還付 ( 法人税法 805) 仮決算の中間申告による所得税 額の還付 ( 法人税法 ) 1 災害損失特別勘

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平成30年3月期決算の留意事項(税務)

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2. 改正の趣旨 背景の等控除は 給与所得控除とは異なり収入が増加しても控除額に上限はなく 年金以外の所得がいくら高くても年金のみで暮らす者と同じ額の控除が受けられるなど 高所得の年金所得者にとって手厚い仕組みとなっている また に係る税制について諸外国は 基本的に 拠出段階 給付段階のいずれかで課

新しい非居住者債券所得非課税制度の概要 < 平成 22 年度税制改正前の制度の概要 > 非居住者等が受ける振替国債及び振替地方債のについては 一定の手続要件を満たせば非課税とされていました しかし 非居住者等が受ける振替社債等のについては 原則 15% の税率により源泉徴収課税がなされていました 非

申告者と配偶者の合計所得金額の入力フォーム 申告者 ( 給与の支払いを受ける人 ) の事業所得 雑所得 配当所得 不動産所得 その他の所得の収入金額と必要経費を入力して合計所得金額を計算します 申告者の合計所得金額が 900 万円を超えると 配偶者控除または配偶者特別控除の控除額が変動します 申告者

平成19年度 法人の減価償却制度の改正のあらまし

地方創生応援税制 ( 企業版ふるさと納税 ) の運用改善 ( 別紙 1) 平成 31 年度税制改正 企業版ふるさと納税の一層の活用促進を図るため 企業や地方公共団体からの意見等を踏まえ 徹底した運用改善を実施する 地方創生関係交付金と併用する地方公共団体へのインセンティブ付与 地方創生関係交付金の対

法人税 faq

個人市民税 控除・税率等の変遷【市民税課】

平成 29 年度税制改正大綱 の概要と主要項目 個人所得税では 個人所得課税改革第 1 弾として 配偶者控除 配偶者特別控除の見直しが行われ 今後数年をかけて 基礎控除をはじめとする人的控除等の見直し等が行われる 資産税では 財産評価において相続税法の時価主義の下 実態に即した評価を行う見直しが行わ

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H28秋_24地方税財源

税制について

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農業経営基盤強化準備金~農業者向けQ&A~

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目 次 問 1 法人税法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 1 問 2 租税特別措置法における当初申告要件及び適用額の制限に関する改正の概要 3 問 3 法人税法における当初申告要件 ( 所得税額控除の例 ) 5 問 4 法人税法における適用額の制限 ( 所得税額控除の例 ) 6

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「図解 外形標準課税」(仮称)基本構想

新長を必要とする理由今回合理性の要望に設 拡充又は延⑴ 政策目的 資源に乏しい我が国にあって 近年 一層激しさを増す国際社会経済の変化に臨機応変に対応する上で 最も重要な資源は 人材 である 特に 私立学校は 建学の精神に基づき多様な人材育成や特色ある教育研究を展開し 公教育の大きな部分を担っている

はじめに 会社の経営には 様々な判断が必要です そのなかには 税金に関連することも多いでしょう 間違った判断をしてしまった結果 受けられるはずの特例が受けられなかった 本来より多額の税金を支払うことになってしまった という事態になり 場合によっては 会社の経営に大きな影響を及ぼすこともあります また

3. 住宅税制 消費税率の引上げに伴う一時の税負担の増加による影響を平準化し 及び緩和する観 点から 住宅税利について以下のとおり所要の措置を講じます 住宅ローン減税を平成 26 年 1 月 1 日から平成 29 年末まで 4 年間延長し その期間のうち平成 26 年 4 月 1 日から平成 29

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除額の変遷 1 昭和 49 年産業構造が転換し会社員が急速に増加 ( 働き方が変化 ) する中 (1) 実際の勤務関連経費が給与所得控除を上回っても 当時は特定支出控除 ( 昭和 63 年導入 ) がなく 会社員は実際の勤務関連経費がいくら高くても実額控除できなかった

第6回税制調査会 総6-3

(1) 相続税の納税猶予制度の概要 項目 納税猶予対象資産 ( 特定事業用資産 ) 納税猶予額 被相続人の要件 内容 被相続人の事業 ( 不動産貸付事業等を除く ) の用に供されていた次の資産 1 土地 ( 面積 400 m2までの部分に限る ) 2 建物 ( 床面積 800 m2までの部分に限る

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

[2] 株式の場合 (1) 発行会社以外に譲渡した場合株式の譲渡による譲渡所得は 上記の 不動産の場合 と同様に 譲渡収入から取得費および譲渡費用を控除した金額とされます (2) 発行会社に譲渡した場合株式を発行会社に譲渡した場合は 一定の場合を除いて 売却価格を 資本金等の払戻し と 留保利益の分

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第 7 章 間にその者の居住の用に供したときに 一定の要件の下で そのバリアフリー改修工事等にあてるために借り入れた住宅借入金等の年末残高 (1,000 万円を限度 ) の一定割合を5 年間所得税の額から控除できます なお 52ページの増改築に係る住宅ローン控除制度との選択適用になります 1 控除期

給与所得控除額の改正前後の比較 改正前 改正後 給与等の収入金額給与所得控除額給与等の収入金額給与所得控除額 180 万円以下 収入金額 40% 65 万円に満たない場合は 65 万円 180 万円以下 収入金額 40%-10 万円 55 万円に満たない場合は 55 万円 180 万円超 360 万

以下本人の給与収入速報 平成 29 年度税制改正解説所得課税 ~ 配偶者控除及び配偶者特別控除の見直し 2 配偶者の給与収入が 万円超 15 万円以下の場合の改正案の控除額及び改正前後の影響について 配偶者特別控除 配偶者の給与収入 万円超 15 万円 15 万円以上 11 万円 11 万円以上 1

下では特別償却と対比するため 特別控除については 特に断らない限り特定の機械や設備等の資産を取得した場合を前提として説明することとします 特別控除 内容 個別の制度例 特定の機械や設備等の資産を取得して事業の用に供したときや 特定の費用を支出したときなどに 取得価額や支出した費用の額等 一定割合 の

検査の背景 (1) 事業者免税点制度消費一般に幅広く負担を求めるという消費税の課税の趣旨等の観点からは 消費税の納税義務を免除される事業者 ( 以下 免税事業者 という ) は極力設けないことが望ましいとされている 一方 小規模事業者の事務処理能力等を勘案し 課税期間に係る基準期間 ( 個人事業者で

HPのトップページ更新原稿

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平成23年度税制改正大綱(閣議決定)における要望実現項目

日本版スクーク ( イスラム債 ) に係る税制措置 Q&A 金融庁

1. 復興基本法 復興の基本方針 B 型肝炎対策の基本方針における考え方 復旧 復興のための財源については 次の世代に負担を先送りすることなく 今を生きる世代全体で連帯し負担を分かち合うこととする B 型肝炎対策のための財源については 期間を限って国民全体で広く分かち合うこととする 復旧 復興のため

目次 1. 平成 30 年改正対応 ( 平成 31 年 1 月リリース予定 ) (1) 改正内容 (2) 様式変更 (3) 画面イメージ (4) 帳票イメージ 1-2. 電子申告 (1) 様式変更 (2) メッセージボックスセキュリティ強化 (3) 納付手続き手順の変更 2. 注意事項 1

2. 改正の趣旨 背景給与所得控除 公的年金等控除から基礎控除へ 10 万円シフトすることにより 配偶者控除等の所得控除について 控除対象となる配偶者や扶養親族の適用範囲に影響を及ぼさないようにするため 各種所得控除の基準となる配偶者や扶養親族の合計所得金額が調整される 具体的には 配偶者控除 配偶

目次 1. 平成 29 年改正対応 ( 2018 年 1 月リリース予定 ) (1) 改正内容 (2) 様式変更 (3) 医療費控除の対応について (4) 画面イメージ (5) 帳票イメージ 1-2. 電子申告 (1) 画面イメージ (2) 帳票イメージ 2. 機能改良 (2018 年 1 月リリー

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Q7. 再生計画において 法人税法第 25 条第 3 項及び第 33 条第 4 項 ( 平成 17 年度税制改正によるいわゆる資産評価損益の計上 ) 並びに同法第 59 条第 2 項第 1 号 ( 同改正によるいわゆる期限切れ欠損金の優先利用 ) の適用を受ける場合の手続はどのようになりますか A.

参考 平成 27 年 11 月 政府税制調査会 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する論点整理 において示された個人所得課税についての考え方 4 平成 28 年 11 月 14 日 政府税制調査会から 経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告 が公表され 前記 1 の 配偶

平成13年度税制改正(租税特別措置)要望事項(新設・拡充・延長)

総論 地方拠点強化税制とは? 税制等の支援措置を受けるためには? 3ページ 4ページ 拡充型事業とは? 5 ページ 移転型事業とは? 6 ページ 目次 各論 ステップ 1 ( 整備計画 ) 本社機能とは? どのような支援措置があるの? 支援のメリットについて整備計画の認定はいつまでに受ければいいの?

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目 次 子育て支援に要する費用に係る税制措置の創設 1 未婚のひとり親に対する税制上の支援措置 2 児童養護施設退所者等自立支援資金貸付金等に係る非課税措置の創設 3 医療に係る消費税問題の抜本的な解決に向けた新たな措置 4 訪日外国人に係る 社会医療法人等に対する認定要件 ( 診療費要件 ) の見

< 主な改正事項 > 1. 中小 小規模事業者の 攻めの投資 を支援する税制措置の拡充 3 1 固定資産税の特例の拡充 5 2 中小企業経営強化税制の創設 7 3 中小企業投資促進税制の延長 11 4 商業 サービス業 農林水産業活性化税制の延長 所得拡大促進税制の見直し 研

要件① 雇用者給与等・・・・ (ざっくり) 平成24年度の給与総額と比べて、平成25年以降毎年、一定割合以上給与総額が増えていること。 <雇用者給与等支給額とは> <一定割合とは>

新設 拡充又は延長を必要とする理由25-2 ⑴ 政策目的 中小企業は地域の経済や雇用を支え 我が国経済全体を発展させる重要な役割を担っている 中小企業の設備投資を促進し 成長の底上げに不可欠な設備やIT 化等への投資の加速化や生産性の向上を図る ⑵ 施策の必要性昨今の中小企業の業況は持ち直しつつある

2. 個別対応方式 一括比例配分方式 のどちらを採用するか検討する際のポイントを押さえましょう 課税売上高が 5 億円を超える事業者は 1 納税額 2 実務への影響度合 ( 作業負担 ) を考慮して どちらを採用するか検討します 個別対応方式 1 納税額 : 2 実務への影響度合 : 一括比例配分方

平成18年度地方税制改正(案)について

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スライド 1

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資料9

概算要求基準等の推移

子ども・子育て支援新制度の解説資料 2.利用者負担 その1

平成19年度分から

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2020 年度税制改正に関するアンケート 公益財団法人全国法人会総連合 平成 31 年度税制改正では 消費税率の引上げに際し 需要変動の平準化等の観点から 住宅に対する税制上の支援策が講じられるとともに 車体課税について 地方の安定的な財源を確保しつつ大幅な見直しが行われました さらに デフレ脱却と

(2) 青色申告書を提出する中小企業者等 ( 平成 3 年 4 月 日以後開始する事業年度については 適用除外事業者 ( 注 4) を除く ) が 平成 30 年 4 月 日から平成 33 年 3 月 3 日までの間に開始する各事業年度において 国内雇用者に対して給与等を支給する場合に継続雇用者給与

本要望に対応する縮減案 ページ 2 2

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N 譲渡所得は 売却した土地や借地権 建物などの所有期間によって 長期譲渡所得 と 短期譲渡所得 に分けられ それぞれに定められた税率を乗じて税額を計算します この長期と短期の区分は 土地や借地権 建物などの場合は 売却した資産が 譲渡した年の1 月 1 日における所有期間が5 年以下のとき 短期譲

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(1) 研究開発税制 ( 法人税 所得税 法人住民税 ) 延長 拡充 あらゆる業種の研究開発投資を後押しするため 第 4 次産業革命型の サービス の開発を支援対象に追加するとともに 投資の増減に応じて支援にメリハリを効かせる等の見直しを行う 改正概要 1 第 4 次産業革命型の サービス の開発を支援対象に追加 ( 試験研究費 の定義の見直し ) 2 増加型を廃止した上で 総額型に投資増加インセンティブを組み込み 試験研究費の増減率に応じて 6~14% の範囲でメリハリがつく仕組みを導入 ( 現行制度 : 控除率 8~10%) 3 中小企業向け支援を強化するため 従来の控除率 12% 控除上限 25% を維持した上で 試験研究費が 5% 超増加した場合に控除率 ( 最大 17%) 控除上限 (10%) を上乗せする仕組みを導入 4 オープンイノベーション型の手続要件を企業実務に合わせて緩和 5 高水準型の適用期限を 2 年間延長する 適用期限 : 時限措置については平成 30 年度末まで 上乗せ措置 ( 時限措置 ) C 高水準型 試験研究費の対売上高試験研究費率が 10% を超えた場合の制度 A 総額型 試験研究費総額にかかる控除制度 控除率 : 大企業の場合 : 試験研究費の増減に応じて 6~14% 控除率 10% 超の部分は時限措置 (2 年間 ) 中小企業等の場合 ( 中小企業技術基盤強化税制 ) : 試験研究費の増加に応じて 12~17% 控除率 12% 超の部分は時限措置 (2 年間 ) 本体 ( 恒久措置 ) + B オープンイノベーション型 大学 国の研究機関 企業等との共同 委託研究等の費用 ( 特別試験研究費 ) 総額にかかる控除制度 控除率 : 相手方が大学 特別研究機関等の場合 30% 相手方がその他 ( 民間企業等 ) の場合 20% 控除上限 A :10% or C:10% A:25% B:5% 総額型の控除上限 (A ) について 1 対売上高試験研究費率が 10% 超の場合 その割合に応じて 0~10% を上乗せ 2 中小企業技術基盤強化税制について 試験研究費増加割合 5% 超の場合 10% 上乗せ ただし いずれも高水準型 ( 上記 C) と選択制 8

研究開発投資にかかる政府目標 安倍政権が 新 3 本の矢 の 1 つとして掲げた 2020 年頃の名目 GDP600 兆円達成 の目標や 日本再興戦略 2016( 閣議決定 ) 等に基づく 今後 5 年間での民間企業の研究開発投資の対 GDP 比 3% 目標の達成には 民間企業の研究開発投資を年平均約 5% 増としていくことが必要 我が国の研究開発投資総額は年間約 18 兆円であり 平成 28 年の第 3 四半期より GDP 計算に加算される 名目 GDP の推移 ( 金額 : 兆円 ) H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H32 502 503 505 509 513 490 474 481 474 474 482 490 600 20 18 16 14 12 10 8 6 4 2 2.34 2.36 11.8 11.9 2.52 2.62 2.70 2.79 12.7 13.3 民間研究開発投資 ( 兆円 ) 民間 RD 費対 GDP 比率 (%) 13.8 13.6 2.53 2.50 2.59 2.57 12.0 12.0 12.3 12.2 2.63 12.7 2.77 13.6 3.00 18.0 H27~H32 の 6 年間で年平均 4.8% 増加し続けることが必要 3.0 2.5 2.0 1.5 1.0 0.5 0 対前年伸び率 H15fy H16fy H17fy H18fy H19fy H20fy H21fy H22fy H23fy H24fy H25fy H26fy H32fy 1.57% 0.92% 7.40% 4.56% 3.77% -1.42% -12.1% 0.22% 2.18% -0.83% 4.28% 7.05% 0.0 9

新たな総額型の控除率の仕組みについて 政府目標を着実に達成するため 総額型に投資増加インセンティブを組み込む 試験研究費の増減率に応じて 控除率を 6~14% とする 特に 5% 超投資が増加した場合 高い控除率を適用する 現行制度における控除率の仕組み 改正後の控除率の仕組み 売上高試験研究費率に応じて 8~10% の範囲で控除率が変動する仕組み 16% 控除率)14% 12% 10% 10% 8% 8% 6% 4% 0% 5% 10% 15% ( 売上高試験研究費率 ) 試験研究費増減率に応じて 控除率が下図のとおり変動する仕組み 1 増減割合が 5% 超 9%+( 増減割合 -5%) 0.3 2 増減割合が 5% 以下 9%-(5%- 増減割合 ) 0.1 3 増減割合が -25% 未満 6% 一律 16% (控除)(10% 14% 12% 10% 9% 8.5% 8% 6% 4% 25% 減少増減なし 5% 増加 ( 試験研究費増減率 ) -9.2% -6.6% -4.0% -1.4% 1.2% 3.8% 6.4% 9.0% 11.6% 14.2% 16.8% 19.4% 22.0% 24.6% 27.2% 29.8% 控除率 10% 超の部分は時限措置 約 22% 増加 10

(控除率)中小企業技術基盤強化税制について 中小企業向け支援を強化するため 従来の控除率 12% 控除上限 25% を維持した上で 試験研究費が 5% 超増加した場合に控除率 ( 最大 17%) 控除上限 (10%) を上乗せする 試験研究費の増加割合が 5% を超える場合の控除率 : 12% + ( 増加割合 5%) 0.3 ただし 税額控除率の上限は 17% 17% 12% 控除上限 25% 控除上限 10% 上乗せ (35%) 5% 増加 約 22% 増加 ( 試験研究費増減率 ) 控除率が 12% 超の部分及び控除上限の 10% 上乗せは時限措置 (2 年間 ) 控除上限上乗せと高水準型は選択制 11

サービス開発の追加 ( 試験研究費の定義の改正 ) について 研究開発税制の支援対象に これまでの製造業による モノ作り の研究開発に加え ビッグデータ等を活用した第 4 次産業革命型の サービス の開発を新たに追加 試験研究費の定義 ( 現行制度 ) 製品の製造技術の改良 考案 発明にかかる試験研究のために要する費用 改正後 第 4 次産業革命型の新たなサービスの開発にかかる試験研究費を対象に追加 サービス開発のイメージ 対象となる事例 データの収集 データの分析 センサー等を活用して 自動的に種々様々なデータを収集 専門家が AI 等の情報解析技術によってデータを分析 自然災害予測サービス ドローンにより山地の地形や土砂 降雪状況等を収集 分析 的確な自然災害予測を提供 農業支援サービス センサーにより農地の温度や湿度等を細かく収集 分析 効果的な農作業情報を配信 サービスの設計 サービスの適用 データの分析によって得られた一定の法則性を利用した新たなサービスを設計 当該サービスの再現性を確かめる ヘルスケアサービス ウェアラブルデバイスにより個人の健康状態を細かく収集 分析 健康維持サポート情報を配信 観光サービス ドローンや人工衛星により自然界や生態系情報等を細かく収集 分析 観光情報 ( オーロラやクジラが見られる等 ) を配信 12

( 参考 ) 対象となるサービス開発の事例 地域を自然災害から守るサービス ドローンを活用して収集した画像データや気象データ等を組み合わせて分析することで より精緻でリアルタイムな自然災害予測を通知するサービスを提供 農家を支援するサービス センサーによって収集した 農作物や土壌に関するデータや気象データ等を組み合わせ分析し 農家が最適な農作業をできるような農業支援情報を配信するサービスを提供 各個人に応じたヘルスケアサービス 各個人の運動や睡眠状況 食事 体重 心拍等の健康データを分析することで 各個人に最適なフィットネスプランや食生活の推奨や 病院受診勧奨を行うサービス 観光サービス ドローンや人工衛星等を活用して収集した画像データや気象データ 生態系のデータ等を組み合わせて分析することで 高付加価値の観光資源だが発生頻度の低い自然現象等の発生を精緻に予測するサービスを提供 ( 出所 )itunes より 13

オープンイノベーション型の運用改善について 現在 オープンイノベーション型で高い控除率を設定しているにもかかわらず 企業や相手方 ( 大学 他の企業等 ) の実務に合わない手続の負担を背景に 制度適用が受けられない場合があり オープンイノベーション型のインセンティブ効果が十分に発揮できていない状況 オープンイノベーション型の手続要件を企業活動の実態に合わせて緩和することで オープンイノベーション型のインセンティブ効果が十分に発揮されるようにする 現行制度における問題点 1 契約変更があった場合には その契約変更日以後に支出した費用のみが対象 実態として 契約締結当初から 研究にかかる費用見込等の詳細が全て明らかになっているわけではない 改正後 1 契約変更前に支出した費用であっても その契約に係るものであることが明らかであり その支出日と契約変更日が同一事業年度にあれば対象とする 経産省ガイドラインの改訂 契約締結 = 研究開始時点 契約変更 契約満了 = 研究終了時点 2 対象費用の額の確認について 費用内訳 ( 明細書 ) と領収書等との突合が必要と考えられている 個々の領収書等との突合は多大な事務負担となる 費用明細書 費 費 費 各領収書等との突合 年 月 日 装置 : 円 年 月 日試薬 : 円 年 月 日フィルム代 : 円 契約締結 = 研究開始時点 契約変更 契約満了 = 研究終了時点 2 対象費用の額の確認については 領収書等との突合までは求めないことを明確化する 経産省ガイドラインの改訂 費用明細書 費 費 費 各領収書等との突合 年 月 日 装置 : 円 年 月 日試薬 : 円 年 月 日フィルム代 : 円 3 共同 委託研究において 相手方に支払う費用については対象費目が限定されており 間接経費が含まれない 3 対象範囲を 当該研究に要した費用の総額 とするこ 実際には 間接経費 ( 光熱費や修繕費等 ) も当該研究とにより 当該研究に必要な間接経費 ( 光熱費や修繕費等 ) に必須の費用である も含むものとする 省令改正 経産省ガイドラインの改訂 14