鉄道高架事業の必要性

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(4) 対象区域 基本方針の対象区域は市街化調整区域全体とし 都市計画マスタープランにおいて田園都市ゾーン及び公園 緑地ゾーンとして位置付けられている区域を基本とします 対象区域図 市街化調整区域 2 資料 : 八潮市都市計画マスタープラン 土地利用方針図

01評価調書(大柳仁豊野線)V6(路肩1.5mVer).pptx

計画的な再開発が必要な市街地 特に一体的かつ総合的に再開発を促進すべき地区 市町名 名称 再開発の目標 土地の合理的かつ健全な高度利用及び都市機能の更新に関する方針 特に整備課題の集中がみられる地域 ( 課題地域 ) 地区名 西宮市 C-4 浜脇 ( 約 175ha) 居住環境の向上 良好な都市景観

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05+説明資料

区域の整備 開発及び保全に関する方針 地区施設の整備の方針 建築物等の整備の方針 (1) 道路の整備方針区域内外との円滑な交通ネットワークの形成と歩行者等の安全で快適な歩行環境の向上を図るため 街区幹線道路及び区画道路を整備する 生活利便施設や良質な街並みを形成する住宅等の立地を誘導し 地域拠点にふ

(5) 老上西学区 1 まちづくりの方向性 1-1. 生活拠点の形成と交通環境の充実 既存の生活拠点を中心とした 50 戸連坦制度の厳守等により市街地の拡散を抑制するこ とで 利便性の高い生活環境を維持していくものとします 老上西学区は 東側から南側にかけての一帯が市街化区域に含まれ ( 主 ) 大

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(第14回協議会100630)

国土技術政策総合研究所 プロジェクト研究報告

7-3 上田城南地域 (1) 将来像 ( 将来像 ) 水と緑と多様な都市機能が調和し快適な暮らしの環境が整ったまち ( 基本目標 ) 千曲川をはじめ産川や浦野川 小牧山や上田原古戦場 半過岩鼻など奇景や原風景の残る豊かな自然や農地を大切に保全するとともに 秩序ある都市空間づくりを進めます 良好な住環

1 見出し1

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Microsoft Word 交通渋滞(有明アーバン)_181017

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筑豊広域都市計画用途地域の変更 ( 鞍手町決定 ) 都市計画用途地域を次のように変更する 種類 第一種低層住居専用地域 第二種低層住居専用地域 第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域 面積 約 45ha 約 29ha 建築物の容積率 8/10 以下 8/10 以下 建築物の建蔽率 5/10

平成 26 年度公共事業事後評価調書 1. 事業説明シート (1) ( 区分 ) 国補 県単 事業名道路事業 [ 国道橋りょう改築事業 ( 国補 )] 事業箇所南巨摩郡身延町波高島 ~ 下山地区名国道 300 号 ( 波高島バイパス ) 事業主体山梨県 (1) 事業着手年度 H12 年度 (2) 事

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資料 2-2(1) 小樽港本港地区 臨港道路整備事業 再評価原案準備書説明資料 平成 21 年度北海道開発局

本日の説明内容 1 板橋駅西口周辺地区のまちづくり 2 板橋駅西口地区都市計画素案について 1 市街地再開発事業 2 地区計画 3 高度利用地区 4 高度地区 3 今後のスケジュール 1

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大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の

8. ピンポイント渋滞対策について 資料 8

都市再生整備計画の目標及び計画期間 都道府県名 ちばけん千葉県 ほんだ ちく 市町村名 ちばし千葉市 地区名 えきしゅうへん誉田駅周辺地区 面積 29.6 ha 計画期間平成 22 年度 ~ 平成 26 年度交付期間平成 22 年度 ~ 平成 26 年度 目標大目標 : 誉田駅を核とした交通結節点の

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資料 2 主要渋滞箇所 ( 案 ) の抽出方針について ( 一般道 ) 平成 24 年 8 月 9 日

総合計画及び国土利用計画アンケート調査結果 平成 20 年度 地域別構想 土地利用の方向性について 上位3つ ①無秩序な開発を抑制し 農地等は極力保全する ②主要な沿道等への店舗の立地を進め 利便性を高める ③身近な公園 生活道路 下水道などの生活環境基盤を整備する 住みよい 25.6% 22.9%

東京都市計画第一種市街地再開発事業前八重洲一丁目東地区第一種市街地再開発事業位置図 東京停車場線 W W 江戸橋 JCT 日本橋茅場町 都 道 一石橋 5.0 特別区道中日第 号線 江戸橋 15.

本庄西天満線(神山)整備事業 調書付属資料 (平成25年度 事業再評価)

区域の整備 開発及び保全に関する方針公共施設等の整備の方針 建築物等の整備の方針 1 道路の整備方針 (1) 地区周辺の交通円滑化に資する道路ネットワークの形成及び 東西の主要な道路軸の形成を図るため 地区幹線道路を拡幅整備する (2) 開発に伴い発生する交通を円滑に処理するとともに 新駅整備に伴う

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速度規制の目的と現状 警察庁交通局 1

はじめに 都市再生緊急整備地域及び特定都市再生緊急整備地域は 都市再生特別措置法 ( 平成 14 年 4 月 5 日公布 平成 14 年 6 月 1 日施行 以下 法 という ) に基づき 国が政令で指定するものです 1 都市再生緊急整備地域 趣旨 都市機能の高度化及び都市の居住環境の向上を図るため

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第 4 章居住誘導区域 第 4 章居住誘導区域 1. 居住誘導区域 (1) 居住誘導区域の定義等居住誘導区域とは 都市再生特別措置法 * に定める 都市の居住者の居住を誘導すべき区域 のことで 都市計画運用指針 * において 人口減少の中にあっても一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより 生

2. 各学区のまちづくりの方向性と将来ビジョン 第 3 章で整理した各学区の現状 課題等を踏まえ 学区ごとにまちづくりの方向性 ( 基本方針の 3 つの柱の何に該当するのか ) を整理します 方向性を踏まえ 施策の柱ごとに具体的なビジョンを検討します (1) 常盤学区 1 まちづくりの方向性 1-1

NITAS の基本機能 1. 経路探索条件の設定 (1) 交通モードの設定 交通モードの設定 とは どのような交通手段のネットワークを用いて経路探索を行うかを設定するものです NITASの交通モードは 大きく 人流 ( 旅客移動 ) 物流( 貨物移動 ) に分かれ それぞれのネットワークを用いた経路

鹿嶋市都市計画法の規定による市街化調整区域における

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区域の整備 開発及び保全に関する方針土地利用の方針 地区施設の整備の方針 地区の立地特性を踏まえ 土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため 土地利用の方針を以下に定める 1 国際化に対応した業務 商業 宿泊等の多様な機能に加え 氷川神社と連携した江戸文化や赤坂地域の魅力を伝える歴史

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目次 Ⅰ 運用基準の策定にあたって P1 1 策定の目的 P1 2 運用基準の位置づけ P1 Ⅱ Ⅲ 土地利用のあり方 P1 地区計画の活用 P2 1 地区計画とは P2 2 地区計画の活用類型 P2 (a) 地域資源型 P3 (b) マスタープラン適合型 P3 (c) 街区環境整序型 P3 (d)

山手地区の概要 面積 約50ha 用途地域 工業地域 建ぺい率 60 容積率 200 高さの限度 第一種高度地区 最高限20m 2

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News Release 2014 年 3 月 24 日 伊丹市と新関西国際空港株式会社が 伊丹市域におけるまちづくりの推進 について合意 伊丹市と新関西国際空港株式会社は 伊丹市域の生活環境の改善 地域コミュニティの再生等を図るためのまちづくりを連携して推進するため 2014 年 3 月 24 日

計画書


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73,800 円 / m2 幹線道路背後の住宅地域 については 77,600 円 / m2 という結論を得たものであり 幹線道路背後の住宅地域 の土地価格が 幹線道路沿線の商業地域 の土地価格よりも高いという内容であった 既述のとおり 土地価格の算定は 近傍類似の一般の取引事例をもとに算定しているこ


区域の整備 開発及び保全に関する方針地区施設の整備の方針建築物等の整備の方針 (2) 公園 緑地の整備方針地域に親しまれる やすらぎと憩いの空間を形成するとともに 西武立川駅から玉川上水に向けて形成される緑のネットワークの拠点となるよう公園や緑地を配置する (3) その他の公共空地の整備方針各敷地の

第 2 章横断面の構成 2-1 総則 道路の横断面の基本的な考え方 必要とされる交通機能や空間機能に応じて, 構成要素の組合せ と 総幅員 総幅員 双方の観点から検討 必要とされる道路の機能の設定 通行機能 交通機能アクセス機能 滞留機能 環境空間 防災空間 空間機能 収容空間 市街地形成 横断面構

寄居町中心市街地活性化基本計画

品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)に係る都市計画について

1. 活力国土 地域ネットワークの構築 高速自動車と並行する自専道 (A' 路線 ) としての位置づけあり 地域高規格道路の位置づけあり 当該路線が新たに拠点都市間を高規格幹線道路で連絡するルートを構成する 当該路線が隣接した日常活動圏中心都市間を最短時間で連絡する路線を構成する 現道等における交通

目次 1. 市街化調整区域の土地利用方針について... 1 (1) 策定の目的... 1 (2) 方針の位置付け 市街化調整区域の課題 土地利用の方針... 3 (1) 土地利用の基本的な方針... 3 (2) 地区ごとの土地利用方針 開発計画等の調整

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生産緑地制度の概要 市街化区域内の農地で 良好な生活環境の確保に相当の効用があり 公共施設等の敷地に供する用地として適している 500 m2以上 *1 の農地を都市計画に定め 建築行為や宅地の造成を許可制により規制し 都市農地の計画的な保全を図る 市街化区域農地は宅地並み課税がされるのに対し 生産緑

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( 様式 -2a 調査概要 ) Ⅰ 調査概要 1 調査名称 : 平成 26 年度神埼市総合都市交通体系調査 2 報告書目次 1. 業務概要 (1) 都市計画道路見直しの必要性 (2) 都市計画道路見直しのスキーム (3) 検討結果の分類 2. 路線の抽出 (1) 都市計画道路の整理 抽出 (2) 検

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通行禁止道路 について 道路標識又は道路標示によるもの 対象にするもの 車両通行止め道路 根拠規定道路標識 道路標示 ( 例 ) 道路交通法第 8 条第 1 項 自転車及び歩行者用道路 標識 302 同法第 8 条第 1 項 標識 325 の 3 歩行者用道路 同法第 8 条第 1 項 標識 325

目 次 1 基本方針 再開発を促進すべき地区等の整備又は開発の方針... 2 別表再開発促進地区の整備又は計画の概要... 3 都市再開発方針図 ( 総括図 )... 6 都市再開発方針附図

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( 対象区域 ) 第 5 地区計画の対象区域は 工業団地 ( 国母工業団地 南部工業団地 機械金属工業団地 ファッション工業団地 ( アリア ディ フィレンツェ ) をいう 以下同じ ) の区域内及び隣接地又は近接地 ( おおむね工業団地から500メートル以内 ) とする ( 区域の設定 ) 第 6


スライド 1

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交通結節点が備えるべき機能を整理すると 最も基本となるものとして があり これに加えて 都市機能の誘導 集積を促進させ 都市内の中心的な拠点地区を形成する 及び 都市の顔 となる 交通結節点の計画 整備の検討においては 先に示した の三種の機能がそれぞれ交通結節性 人の交流や景観等の面で役割を果たし

[2] 具体的事業の内容 (1) 法に定める特別の措置に関連する事業 該当なし (2)1 認定と連携した支援措置のうち 認定と連携した特例措置に関連する事業 事業名 内容及び実施時期 実施主体 中心市街地の活性化を実現するための位置付け及び必要性 支援措置の内容及び実施時期 その他 の事項 群馬の玄

4. 都市づくりの目標と方針 4-1 都市づくりの基本理念 地域の個性が輝く生活快適都市 上田 ~ 魅力あるふるさと活気ある交流風格ただようまち ~ 基本理念の意味あい 上田市は 歴史 文化 自然 産業などに恵まれた特色ある地域から成り立っており 各地域が個性を発揮し 連携し合い 交流を促進しながら

市街地再開発事業による社会的便益の分析

指定標準 適用区域 建ぺい率 容積率 建築物の高さの最高限度 m 用途地域の変更に あたり導入を検討 すべき事項 ( 注 2) 1. 環境良好な一般的な低層住宅地として将来ともその環境を保護すべき区域 2. 農地等が多く 道路等の都市基盤が未整備な区域及び良好な樹林地等の保全を図る区域 3. 地区計

目次 1 1. 奈良市中心部の道路交通環境 1) 広域的な自転車利用ネットワーク P2 2) 幹線道路の交通状況 ( 交通量 ) P3 3) 幹線道路の交通状況 ( 混雑状況 ) P4 2. 自転車事故の分析結果 1) 道路種別別 ( 国道 県道 市道 ) 自転車事故発生状況 P5 2) 自動車交通

生玉片江線整備事業 調書付属資料 (平成25年度 事業再評価)

資料 -2 国道 24 号烏丸通 歩行者 自転車通行安全協議会 国道 24 号烏丸通の概要 平成 30 年 3 月 国土交通省近畿地方整備局京都国道事務所

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福知山市中心市街地活性化基本計画

道路建設事業の再評価項目調書 とのみ 事業名 一般国道 2 号 富海拡幅 事業 一般国道 事業 国土交通省 区分 主体 中国地方整備局 やまぐちしゆうなんへた 起終点自 : 山口県周南市戸田延長 3.6km 事業概要 やまぐちほうふとのみ 至 : 山口県防府市富海 おおさか きたきゅうしゅう 一般国

4.1 自転車駐車場の現状 (1) 公営の自転車駐車場の状況区内の公営の自転車駐車場には 区立施設のほか 公益財団法人練馬区環境まちづくり公社と公益財団法人自転車駐車場整備センターが開設している施設があります 現在 公営自転車駐車場は 84 箇所あり そのうち区立の施設は 72 箇所 収容台数は 3

阿賀野市の発展と市民福祉の向上を図ることを目的とした 行政運営の指針となる 阿賀野市総合計画 に定める本市の将来像 人 まち 自然が輝く幸福祉都市阿賀野 の実現に向けて また こよなく愛するふる里創造のため 全力を上げ取り組んでいるところでございます 国から地方への事務 権限移譲や三位一体改革が加速

北部大阪都市計画彩都地区計画 ( 案 ) 北部大阪都市計画彩都地区計画を 次のとおり変更する 1. 地区計画の方針 名称彩都地区計画 位 置 茨木市大字粟生岩阪 大字宿久庄 大字清水 大字佐保 大字泉原 大字千提寺 大字大岩 大字福井 大字大門寺 大字生保 大字安威 山手台一丁目 山手台三丁目 山手

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第 2 章立地適正化計画の基本方針 第 2 章立地適正化計画の基本方針 1. 沼津市における立地適正化計画の導入について (1) 沼津市における立地適正化計画の活用方針 立地適正化計画は 本市を持続的に発展させるため 居住 と 交流 に一体的に取り組み 将来の目指すべき都市像 * を実現する計画とし

東海市中心市街地活性化基本計画について 東海市では 東海市総合計画 や 東海市都市計画マスタープラン において 名鉄太田川駅周辺を本市の都市拠点と定め東海市の顔 玄関口としていくため 土地区画整理事業や連続立体交差事業 ( 鉄道の高架化 ) 市街地再開発事業を進めてきました こうした都市基盤整備事業

Transcription:

Ⅲ. 鉄道高架事業の必要性 - まちづくりの視点から - 14

Ⅲ-1. 鉄道高架事業の必要性 - 沼津市全体の視点 - 沼津市は 東京などの大都市圏に近接し 東名 新東名への広域交通アク セス性にも大変優れています 更には 富士 箱根 伊豆という国際的な観光地に囲まれ 美しい海や港にも恵 まれています しかしながら 前章のような都市の成り立ちから 現在は鉄道によって市街地が分断されており 市の南北で発展格差が生じるなど 沼津が本来有する高い ポテンシャルが 市全体として発揮しにくい都市構造になっています これらの課題を解決し 沼津が本来持つ強みを市全体の発展に繋げるためには 鉄道高架事業を核とした周辺総合整備事業が必要と判断しました 15

鉄道高架事業の必要性 -沼津市全体の視点- 富士山方面 至東京 至名古屋 沼津の強み 広域交通アクセス 東京や名古屋の大都市圏に近接 東名IC 新東名ICを要する広域交通の拠点 豊かな地域資源 富士 箱根 伊豆の世界的な観光地に隣接 駿河湾や狩野川等の豊かな自然環境 箱根方面 鉄道がまちを分断 しかしながら 鉄道による市街地の分断 鉄道により 市街地が南北に分断 沼津市の強みが 市域全体に広がりにくい都市構造 伊豆方面 鉄道高架事業の必要性 強みを生かした市全体の発展には 鉄道高架事業が必要 16

駅南北の開発許可数の違い 例えば 開発許可の件数は 駅南の水準に比べて駅北の方が著しく高い状況にあります 開発許可とは市街化区域または市街化調整区域内において開発行為 ( 建築物の建築などのために行う土地の区画形質の変更 ) をしようとする者が あらかじめ受けるべき許可のことです H20~H28 の地域別開発許可件数 戸田 0 浮島 8 原 11 駅北 9 駅南 2 愛鷹金岡 26 33 今沢 1 西浦 1 片浜 11 駅北 10 駅南 1 第五 0 第二 1 門池 23 第一 0 内浦 1 大岡 42 第四 4 第三 12 駅北 27 駅南 15 大平 4 静浦 1 駅北 駅南 137 駅北 件数 住居系 68 工業系 28 商業系 22 その他 19 小計 137 住居系 31 工業系 1 商業系 6 その他 4 小計 42 合計 42 179 駅南 17

Ⅲ-2. 鉄道高架事業の必要性 - 中心市街地の視点 - 中心市街地にある 3 つのガードでは 日常的な交通渋滞の発生や 交通事故 集中豪雨による通行止めなどが起こっています 13 箇所の踏切では 遮断による通勤 通学時間帯の交通渋滞が発生しています 踏切 車両基地 貨物駅などの広大な鉄道施設によって駅南北の交通が 阻害されています これらの鉄道施設は まちの回遊性や拠点性の向上を図るうえで支障に なっています 魅力ある中心市街地の再生には 分断された南北市街地の一体化を図るこ とが必要と判断しました 18

鉄道高架事業の必要性 -中心市街地の視点のぼり道通り 高田踏切 リコー通り 学園通り 北部市街地 3箇所のガードの 通行量は 交通容量の2倍 慢性的な混雑状況 昼間12時間のうち混雑する 時間帯が約70 に達する 日吉踏切 のぼり道ガード あまねガード 三つ目ガード 南部市街地 鉄道施設 3箇所のガード さんさん通り 13箇所の踏切 勾配がある ため自転車 の押し歩き が必要 日常的に交通渋滞が 発生 最大渋滞長 410m 歩道が狭隘のため歩行 者 自転車のすれ違いが 困難 通勤通学の時間帯に交通渋滞が発生 午前7 8時の踏切遮断の状況 遮断回数 12回/1時間 遮断時間 約20分/1時間 日常的に交通渋滞が発生 最大渋滞長 1,800m 急カーブのため大型車の通行が 困難 集中豪雨により通行止めが発生 H10 H28 26回 19

Ⅲ-3. 鉄道高架事業の効果 南北交通の劇的改善 現在のガード 踏切の解消や新たな道路 通路の整備により 南北の移動がスムーズになります 現況 ( 三つ目ガード あまねガード のぼり道ガード ) 薄暗い 3 本のガードは 幹線道路として 多くの課題 慢性的に渋滞が発生( 交通容量の2 倍 ) 歩道が狭隘 勾配がきつい 集中豪雨により通行止めが発生など 整備後 3 本全て 4 車線かつ両側歩道の道路になります 交通渋滞が解消 南北移動の時間が短縮 バリアフリー化され 歩行者 自転車にやさしく 冠水がなくなり 災害に強い道路になど 13 箇所の踏切は 踏切遮断により通勤通学の時間帯を中心に渋滞が発生 1 日当たりの合計遮断時間は約 77 時間 H20 以降 踏切の死亡事故が 4 件発生 横断時の自動車と歩行者等との接触事故の危険性など 13 箇所全ての踏切が除去されます 踏切遮断による交通渋滞が解消 踏切事故がなくなり 安全性が抜本的に向上 踏切警報音がなくなり 周辺の住環境が改善など このほか歩行者 自転車専用道 7 本を含め さらに 10 本の道路 通路が新設されます 20

駅南北の移動距離の短縮 鉄道高架事業等により整備される駅コンコースや南北道路を利用することで 駅南北の移動距離は大 幅に短縮されます 例えば プラザウェルデから駅南口へは これまで薄暗いガード下を迂回して700mもの距離を歩く必要が ありましたが 整備後は 快適な駅コンコースを経由して350mで到達できるようになります 従来のルート あまねガード経由 プラサ ヴェルデ 約700m 新規のルート コンコース経由 約350m 鉄道高架により移動距離が 700m 350mに短縮 21

南北道路 コンコースのイメージ これまでのガードや踏切が 駅の南北を結ぶ快適な道路や通路に生まれ変わるだけでなく 新たに歩行 者 自転車専用道7本を含め計10本の道路 通路が整備され まちの回遊性が大幅に向上します のぼり道ガード あまねガード 高田踏切 三つ目ガード 高架関連道路 添地本田町線 高架下利用 コンコース 南口広場 22

緊急車両の通行 日常の消防 救急活動等において 緊急車両の迅速かつ円滑な通行を確保する必要がありますが ガードや踏切により 渋滞発生時や踏切遮断時のほか 水害発生時において スムーズな通行に支障が 生じています 鉄道高架事業等に伴い 新たに4車線道路を整備し 踏切を除去することにより 緊急車両が迅速に 通行でき 消防 救急活動などを円滑に行うことが可能となります 例えば 駅南から市立病院へ急病人等を搬送する場合 搬送時間の短縮が見込まれます 現況 整備後 緊急車両が通行できる道路が限られているため 渋滞発 生時には通行が困難 踏切を通行の際 電車通過時には待ち時間を要す 水害発生時には 道路通行止めとなり 迂回が必要 特に三つ目ガードは 車幅が狭隘であり 南側のカーブ が急角度であるため 通行できる緊急車両が限定 三つ目ガードとあまねガードが通行できずに迂回する場 合 移動が遠距離になり 所要時間も約6分増加 駅ホーム等への救急隊進入時に 線路を横断する必 要があるなど 現場へのアクセスに時間を要す など はしご付消防車 35m 緊急車両が通行できる道路が増加し 踏切が除去 されることにより 渋滞や踏切待ちが解消し 緊急車 両のスムーズな通行が可能に 大型車両が通行可能な道路が整備されるため 移 動時間が短縮 水害発生時においても 道路通行止めの可能性が 低くなり 迂回の必要性が低減 鉄道施設のスリム化や駅コンコースの設置により 駅ホーム等への救急隊のアクセスが向上 など 小型動力ポンプ付水槽車 10,000ℓ 救急車 23 三つ目ガード通行不可 23

鉄道施設のスリム化 鉄道高架事業等に伴い 貨物駅と車両基地を移転します これにより 中心市街地に占める鉄道施設の面積は約4分の1にスリム化され 南北市街地を一体化 する効果がより高まります 整備前 鉄道の幅は現在の約80mから 約49mに縮まります 整備後 鉄道施設面積 整備前 約29ha 整備後 約 8ha 24

鉄道跡地の誕生とまちづくりへの活用 鉄道施設のスリム化に伴い 利便性の高い駅周辺に広大な鉄道跡地が生まれます これら跡地については 公共利用や民間投資による活用を図り まちの活性化を促進します また 高架下スペースとして約4.7haが利用可能となり 新たなまちづくりに向けて有効利用することができます 当初鉄道施設面積 約29ha 鉄道高架後の鉄道施設面積 約 鉄道施設の跡地面積 約21ha 東京ドーム約4.4個分 8ha 約6haは既にプラサヴェルデの整備など鉄道跡地の活用を図っています 公共利用や民間投資による活用 まちの活性化 25

鉄道高架事業の費用対効果等 県が平成 28 年に算出した費用便益分析によると 道路交通に着目した効果だけを見ても費用便益比 (B/C) は 1.24 となります 費用便益分析とは ある年を基準年とし 連続立体交差事業が行われる場合と 行われない場合のそれぞれについて 一定期間の便益額 費 用額を算定し 連続立体交差事業に伴う費用の増分と 便益の増分を比較することにより分析評価を行うものです 現時点における知見により 十分な精度で計測が可能でかつ金銭表現が可能である 移動時間短縮 走行経費減少 交通事故減少 の項目について 道路投資の評価手法として定着している社会的余剰を計測することにより便益を算出し ます その値が 1 以上であれば 総便益が総費用より大きいことから その事業は妥当なものと評価されます B/C = B ( 便益の現在価値 ) C ( 費用の現在価値 ) 便益 = 移動時間短縮便益 + 走行経費減少便益 + 交通事故減少便益費用 = 連続立体交差事業費 ( 鉄道事業者負担分を除く )+ 関連道路整備費 維持管理費 これらの費用便益分析で考慮される効果だけでなく 鉄道敷地のスリム化による都市空間の拡大や鉄道跡地への民間投資など 多様な効果を地域社会にもたらすことが見込まれます 国土交通省 費用便益分析マニュアル より また 県が作成し公開している 公共経済波及効果分析表 ( 平成 29 年 3 月 ) を使用して算出すると 周辺総合整備事業の残工事費 ( 約 950 億円 ) に対する経済波及効果は約 1,590 億円が見込まれます 26