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Transcription:

CONTENTS 手首の使い方を決める腰の使い方を決める飛距離と方向性のアップ振り子運動を利用したスウィング正しい腕の動きを知ろうセットアップを覚えるオーバースウィングと手打ちヘッドスピードを上げるボールの位置を決めるグリップを決める右足の向きを決める左かかとの動きを決めるスウィングプレーン ( 面 ) を決めるワキの締め方を決めるティーアップの高さを決めるスタンスの幅を決める左手甲の向きをチェックシャンクとチーピントップとダフりテンプラとヘッドアップ 3 7 11 15 19 22 25 28 31 36 40 44 47 50 54 58 62 65 69 73

手首の使い方を決める 手首の使い方を決めるには コックを使えば飛距離重視 使わなければ方向性重視アドレスで先にコック ( 手首を親指側へ曲げる ) をしてからトップオブスウィングを作り そのコックをなるべく我慢して打つ プリセットドリル で コックの正しい使い方を練習しましょう コックを使うと ヘッドスピードが上がり飛距離は伸びますが 正しい使い方をしなければ コントロールしたい場面で距離が合わなかったりします コックは ティーショットでもアプローチショットでも コースのラウンド中には意識して使うものではありません 練習でコックを積極的に使ったり意図的に抑えたりして試しながら 目的に合った使い方が自然にできるようにしておきましょう コックを使うなら アドレスで右ヒジを体につけ 右腕をたたみやすくするドライバーなどを使ったフルショットでヘッドスピードを上げたい時には コックを使ったほうが有利です 体の回転と体重移動のパワーにクラブヘッドを返す腕のパワーが加わって ヘッドスピードが加速されるのです そこで バックスウィングでコックをスムーズに行なうためには アドレスで右ワキを締めて 左ヒジより右ヒジのほうが体にくっついた構えにしましょう すると 右ワキが締まっていると テークバックの時 右腕をたたみながらクラブを振り上げやすく 3

なります また コックを強く深く使いたい時は アドレスで右ワキを体に引きつける度合いを大きくしましょう 右ワキを締めてアドレスすると テークバックの時 右腕をたたみながら振り上げやすくなる コックを抑えるなら 両ワキは均等に締め 肩からクラブまで一体にして振るアプローチショットのように飛距離を出さなくてよい時は コックを抑えたほうがボールをコントロールしやすくなります 手首を使わなければフェースの向きがブレにくくなり 方向性がよくなるのです そこで グリップをしっかり握り 肩からクラブヘッドまでを一体に ( ワンピースに ) 振っていきましょう 距離感は肩の回転で出します コックを抑えるためのアドレスは 右ワキをあまり締めず 左右のヒジが体につく度合いをほぼ同じにします そうすると テークバックで右ワキをたたみにくいのでコックがしづらくなり ワンピースなバックスウィングになるのです 4

右ワキをあまり締めないでアドレスすると テークバックの時 右腕をたたみにくいのでコックが抑えられる アーリーコックとレイトコック ここからは コックのタイミングの違いがスウィングに与える影響について説明します コックには バックスウィングの早い時期にコックを作る アーリーコック と トップオブスウィングの切り返し間近にコックする レイトコック があります アーリーコックはリストワークを覚えやすいという利点があり 軌道に早くのせやすいため 私のレッスンの現場ではこちらをおすすめしています これとは反対に レイトコックはコックを作るはずみでダウンスウィングのきっかけがつかめるので スウィングにリズム感が出ますが オーバースウィングやダウンスウィングでコックがほどけるミスにつながりやすいです どうせコックを作ってしまうのなら早いに越したことはない というのが私の考えです あなたもぜひアーリーコックとレイトコックの2つの方法を試してみて どちらが有利かを考えてみてください 5

飛距離を出したい時にはコックを積極的に使うここまで 目的に応じてコックの使い方を変えることを言ってきましたが ここから導かれる結論は 飛距離を出すためにはコックを積極的に使ったほうが有利 ということです フルスウィングでは テークバックの右腰の位置で コック フォロースルーでは左腰の位置で リコック ( 一度解いたコックを再度入れる動作 ) を使って すばやくフェースをターンさせること それとは逆にアプローチショットでは コックをなるべく抑えてフェースの向きを体と同調させることがゴルフスウィングのコツです 6

腰の使い方を決める ダウンスウィング以降で腰は使うのか 飛ばしを考えれば腰は積極的に使おうまず バックスウィングでの腰の回転について少し触れておきましょう 腰を使ったバックスウィングをすると ゆったりとした大きなトップオブスウィングが作れます そのため スウィングのタイミングはつかみやすくなります その反面 上体の捻れが少なく 右足にも体重がのせきれずにオーバースウィングになりやすく 見た目の割には力強いショットができなくなります それとは反対に 腰を抑えたバックスウィングでは トップオブスウィングで腰と肩の捻転差ができるので 上体の捻れのパワーが溜まり パワフルなダウンスウィングができます これらのうちどちらが自分に合うかは練習をしながら決めるとよいですが ここでは目安として肩が90 度回転し 腰はその中間の45 度にしておきましょう 肩は 90 度回転 腰は 45 度回転 一方 ダウンスウィングでは腰を積極的に使うようにしましょう 肩の回転のスピードに腰の回転のスピードが加わったほうが 腰を止めて肩だけの回転で打つより クラブを加速させやすいのは当然です また 腰のリードでダウンスウィングをすると トップオブスウィングでできた肩と腰との捻れのパワーをインパクト直前まで溜めておけるので インパクトをさらに力強くすることができます 7

肩と同時に腰を回転させたダウンスウィング 肩だけを回転させたダウンスウィング 正しく腰を使うには 左足の土踏まずを軸に腰を回し込んでいくしかしながら 腰を積極的に回せばいいからといって むやみやたらに回してはいけません 間違った回し方をすると 逆効果になることがあるのです 例えば 腰を回す時にウエイトが左足のかかとにかかってしまうと 腰が引けた状態になってしまい せっかくの回転のパワーを逃がしてしまいます さらに それに伴って上体が開いてしまうので カット打ちのスライスボールが出やすくなります 上手くスウィングするためには 腰を入れる ( 回し込む ) 感覚が大切です ダウンスウィングで正しくウエイトシフトすると 左足の土踏まずにウエイトがのります 土踏まずにウエイトをのせることが意識しづらい時は 左足つま先にウエイトをのせるつもりでもよいでしょう そして フォロースルーまで土踏まずにのったウエイトをあまり動かないように意識して 腰を回転させるとよいです こうすることで 結果として腰が引けなくなるので 腰の回転の力が無駄なくボールに伝えられ また腰を強く使っても バランスを崩すことなくスウィングすることができるのです 8

左足土踏まずでウエイトを受け止めたインパクト 左足かかとにウエイトが逃げたインパクト アゴの使い方でカット打ちは防げるここまでの説明を要約すると 腰を使えばボールにパワーを伝えやすい ということです ただ これは 回転運動だけをしっかりするように と言っているわけではありません 肩と腰の捻れを作るためにも バックスウィングで右足 ( 右股関節 ) に 100% に近いぐらいの意識でウエイトをのせることが大事です それから 腰の回転をきっかけに左足土踏まずに体重を移動させることが 腰の回転を使ったスウィングが成功するかどうかの重要なポイントなのです また インパクトでは肩を開かずになるべく体の正面でボールを捉えることが大事です しかしながら 腰の回転が強過ぎると肩も一緒に回りやすくなってしまいます そうならないためのワンポイントアドバイスをこれから説明します インパクト前後では 上体やクラブの動きにつられてヘッドアップしがちです 顔が動けば当然肩も開きやすくなり カット打ちになってしまいます この肩の開きを抑えるためには チンバック が効果的です 具体的に説明すると ダウンスウィング以降 アゴを右のほうにグッと押し込みます そしてインパクト後 アゴに右肩がぶつかるまで顔を残し 右肩と一緒に顔を上げていきましょう これで 腰を回すと肩が開くのではないかという不安はなくなります 9

ここまでのことをまとめると バックスウィングでは腰の回転は45 度程度までに抑え ダウンスウィングでは左足土踏まずにしっかりとウエイトシフトしながら腰を回し込んでいくことが 飛ばしのためには有効な方法であるということです ただし あまりにも急激な腰の使い方 または腰のみに意識が集中してしまうと 腰痛などの障害が出てしまう可能性があります ウエイトシフトを心がけるだけでも腰の回転を伴いますので ドラコンホールなどここ一番の飛ばしたい時には積極的に腰の回転を使い それ以外ではむしろ しっかり体重を移動させることを第一に考えましょう これらを意識して ぜひ練習に役立ててください 10

飛距離と方向性のアップ 飛距離アップには ヘッドスピードとジャストミート率の向上がカギどうしたらボールを遠くに飛ばせるのか 老若男女問わず 誰もがそんなことを考えたことがあると思います しかし いくら筋力があって運動能力が優れていても 効率よくクラブを操作してボールに正しく当たらなければ 飛距離を伸ばすことはできません そういった観点から考えると まず今の自分の筋力を100% 生かし クラブを速く振ることが大切です 加速力の増したクラブヘッドを インパクト地点で素早く通過させるイメージでスウィングしてください ただ注意していただきたい点が2つあります 1つ目は あくまでもインパクト地点でヘッドスピードが最大になるようにしなければいけないということです ダウンスウィング開始直後に最大になったり あるいはインパクト後に最大になるように振ってしまうのは エネルギーロスが大きいスウィングです 試しにクラブを逆さに握って インパクト付近で風切り音が最大になるように振ってみましょう 初めは意外と難しいかもしれませんが 意識して続けていくうちにできるようになってきます そして 2つ目は スイートスポット と呼ばれるフェース面の芯でボールを打てるように努力することです ネック付近を持ってフェースにボールを弾ませるとよく弾く部分があります そこがスイートスポットです インパクトでヘッドスピードを最大にして なおかつ芯に当てた時が あなたの最大の飛距離なのです 方向性は インパクトのヘッド軌道とフェースの向きで決まる球筋にはストレートやスライス フックなどがありますが これらはインパクト時のクラブヘッドの軌道やフェースの向き クラブヘッドの入射角度などの要素が絡み合って決まります 正確なショットを打つには インサイドイン ( 飛球線の内側から入りインパクト後に再び飛球線の内側へと振り抜かれる ) の軌道を描き さらにインパクト時にスクエアフェースでヒットすることを心がけましょう 11

正確なショットを打つには インサイドインの軌道でインパクト時のフェースをスクエアにして打つ もう少し詳しく説明すると ボールが飛び出す方向はクラブヘッドの軌道によって決まってきます ボールが右に飛び出しているようであれば 内側から外側 ( インサイドアウト ) へ振っていることになり 反対に左に飛び出しているようであれば 外側から内側 ( アウトサイドイン ) に振っているということです インサイドアウトの軌道はボールが右に飛び出す アウトサイドインの軌道はボールが左に飛び出す もうひとつの要素であるボールの曲がりの方向は インパクト時のフェースの向きが影響しています インパクト時にフェースが開いていると ボールは飛び出した 12

後 右に曲がっていきます ( スライス ) 反対に インパクト時にフェースが被っていれば ボールは左に曲がっていきます ( フック ) オープンフェースの場合 ボールは右に曲がる ( スライス ) クローズドフェースの場合 ボールは左に曲がる ( フック ) また 入射角度も大きなポイントです ティーアップしたドライバーショットではヘッドがスウィング軌道の最下点を通過した後 上を向きかけた地点でインパクトを迎えることにより ボールが上がりやすくなります 他にも フェアウェイウッドやユーティリティクラブ 5 番以上のアイアンもこのようなイメージで打つとよいでしょう 反対に 芝の上のボールを打つアイアンショット (6 番アイアン以下 ) では スウィング軌道の最下点がボールより先になるので ボールを上から鋭角的にヒットするイメージで打ちましょう クラブの長さによって多少の差はあるものの 大きく分けてこの2つのイメージで打ちましょう 飛距離と方向性を鍛えるにはここまで飛距離と方向性のアップについて説明してきましたが 分かっているようで案外忘れがちなことや間違った解釈をしていた人も多かったのではないでしょうか 要約すると 正しいスウィング軌道を常にイメージして フェースの芯で打てるようにする ということです 13

また 練習では1 種類の正しい ( 真っ直ぐな ) ボールばかりを打とうとするのではなく あえていろいろなボールの飛び出し方向や曲がりを試してみてください 今まで以上にゴルフスウィングへの理解が深まってくるはずです 14

振り子運動を利用したスウィング 振り子運動を利用したスウィング 支点が動かなければ振り子が一定に動く原理を応用するいつも同じ動きでスウィングすることが グッドショットを生むコツです そこで クラブを一定の軌道で振るには 時計の振り子をイメージするとよいでしょう クラブは手元側が軽く ヘッド側が重めに作られています そこで 手から吊るしたクラブを振り子のように動かしてみましょう 手を小さく動かし支点となる手元をなるべく同じ位置にキープすれば クラブヘッドは一定に動きます これがスウィングの基本原理であり ショットの正確性を高める条件です 反対に 手元を左右に動かしながらクラブを動かしてみましょう すると 支点がブレて ヘッドが大きく波打つように動くはずです このように 手を大きく動かせばヘッドスピードが上がるわけではなく むしろヘッドスピードが落ち ヘッド軌道も著しく不安定になります 次に グリップエンドをご自身のヘソにつけて素振りしてください これは 体の回転と腕の振りの一体感がつかめ 振り子運動を応用したスウィングのマスターに効果的です 手元をできるだけ止め 一定した軌道で振る感覚をつかんでください 15

グリップエンドをヘソにつけて素振りすると 一定した軌道で振る感覚が分かりやすい このように 手元を大きく動かさないことが 正確性も飛距離もアップさせることを理解しましょう そこで この振り子運動を利用したスウィング動作を使って実際にボールを打つドリルを紹介します ボールを5センチ間隔ぐらいで3 球並べて置いて 手前のボールから順に打ってみましょう 1 球打って区切りができないように クラブの動きを止めないようリズミカルに打っていきます そのためには 腕を振るというよりも体の左右への揺れを使ってクラブを動かしていくのがよいでしょう このことによって 振り子運動のリズムがより分かりやすくなります クラブを正しく操るためのグリップ 左手の甲と右手の平が同じ向きになれば両手に一体感が出るグリップは体とクラブをつなぐ唯一の接点です そこで クラブがスムーズに振れるように 両手をバランスよく振ることが大切です 軽いストロンググリップ スクエアグリップ ややウィークグリップなど人によって握り方に多少の違いこそあれ 守るべき基本は同じです それは 左手の甲と右手の平が同じ方向を向くように握ることです そのためには 右手の生命線を左手の親指に重ね合わせることが重要なポイントです グリップした両手を左右に軽く振って手の中でぐらつかなければ 16

両手に一体感のあるグリップの完成です スクエアグリップストロンググリップウィークグリップ ストロンググリップのインパクト ウィークグリップのインパクト ただ1つ注意してもらいたいのが グリップを握る強さ ( グリッププレッシャー ) です ぐらつかないように力を込めて握るのではなく クラブが支えられる程度の強さであればOKです 具体的に言うと ギュッと強く握った時が5 段階中の5だとすれば 2~3ぐらいの強さで握るイメージです 17

それらのことを守ることができれば 基本的にはどんな握り方をしてもよいのですが 極端にストロング ( 上から見て左手の甲のこぶしが3 個以上見える ) だったり 極端にウィーク ( 左手の甲のこぶしが0~1 個しか見えない ) だったりすると それに伴ってインパクトでフェースが被ったり開いたりするので フックやスライスの原因になります また 右手の小指をどうするのかによって グリップへの指の接する本数に違いが出てきます 具体的に言うと 全ての指で握るテンフィンガーグリップ 左手人差し指の上に右手小指を重ねて9 本の指で握るオーバーラッピンググリップ 右手小指と左手人差し指を交差させて8 本の指で握るインターロッキンググリップがあります この中では 指が接する本数が多いグリップほど飛距離が出ます 反対に 本数が少ないほど安定性が増します つまりは その中間で飛距離も安定性も兼ね揃えているのがオーバーラッピンググリップということです よって 普段のレッスンでゴルフを始めたばかりの初心者の人にはオーバーラッピンググリップをおすすめします 手元の動きを小さくすればクラブヘッドが振り子のように動くあなたは普段からさまざまなゴルフ理論に接していると思いますが 元になるスウィングの原理 原則は 今回紹介した振り子運動であることをしっかり理解してください つまり 手元の動きを小さくすれば クラブヘッドが振り子のように規則正しく動く のです そのようにスウィングするためにも 手とクラブの接点であるグリップの方法についても今一度考えてみてください 18

正しい腕の動きを知ろう スウィングというと 体を回す動きと思われがちです しかしながら 肩や腰はスウィングの軸に対して平行に回せばいいのですが それに合わせて腕まで横に振ろうとすると横殴りのスウィングになり ボールを正確にヒットできません では 腕はどう動かせばよいのでしょうか バックスウィングはどう上げるか バックスウィングは手を右肩の上に上げながら肩を右に90 度回す動作スウィング中 肩や腰はアドレスの前傾軸に対して平行に回ります しかし 腕まで体の動きに合わせて横に振ろうとすると ダウンスウィングでクラブが寝て インパクトでフェースが開いてスライスになってしまいます そうならないために バックスウィングでは両手を右肩の上に上げながら肩を右に回しましょう ダウンスウィング後は体を左に回しながら両手を縦に下ろし インパクトを境にして今度は両手を左肩の上まで上げていきます 手を上下に動かしながら体を横に回すのです 実際にやってみると分かるのですが アドレスの姿勢からヒジを曲げながら両手を右胸の前に持っていき そのまま肩を90 度右に回せばトップオブスウィングの形になります 同じ要領で ヒジを曲げながら両手を左胸の前に持っていき 肩を左に90 度回すとフィニッシュの形になります このように 腕の動き自体は 曲げる 伸ばす 曲げる これだけの動作なのです その腕の動きに体の動きが加わって スウィング動作になります つまり 難しく考えがちなゴルフスウィングも 腕と体の動きを分けて考えればきわめて単純な動きであると言えるのです 19

バックスウィング フィニッシュ ヒジを曲げながら両手を右胸の前に持っていき 肩を右に 90 度回す ヒジを曲げながら両手を左胸の前に持っていき 肩を左に 90 度回す クラブヘッドの軌道は クラブの長さによってヘッドの描く軌道が違う前述のように腕を振ることができればスウィングはほぼ成功なのですが クラブが長くなったり短くなったりすることで また感覚が変わり腕の動き自体が変わったような錯覚に陥るかもしれません そのあたりについても説明しましょう ゴルフのスウィングは 1つの面の上をなぞるように腕とクラブが振られていれば 正しい軌道を描くことができます この面のことを スウィングプレーン と呼びますが このスウィングプレーンはクラブの長さによって変わってきます パターを除いた13 本の長さがそれぞれ違えば 13 通りのスウィングプレーンがあるということです 具体的に言うと シャフトの短いクラブほどボールの近くに立って構えるため スウィングの軌道が縦型になり ドライバーのように長いクラブほど 横型の軌道で振る感覚になります それぞれ呼び方で分けるとすれば 6 番アイアン~サンドウェッジまでの短いクラブは 縦振り ドライバー ~5 番アイアンまで ( ショートウッドやユーティリティも含む ) の長いクラブは 横振り となります 大きく分けてこの2つのイメージで考えるのが分かりやすいでしょう 20

短いクラブ 長いクラブ 長いクラブ 短いクラブ 短いクラブは縦振り 長いクラブは横振りのスウィングプレーンになる しかしながら 手にしたクラブによってスウィング軌道のイメージが異なるとは言え 手を縦に動かす基本に変わりはありません 今回は腕の動きを中心に考えてみましたが 腕の動きは本当にこんなにシンプルなのかと半信半疑の人もいるかもしれません しかし あくまでも 体は横に回し腕を縦に動かすことを両方同時に行なうのがゴルフのスウィング なのです ただし 練習場でボールを打ち続けてもなかなかそれらのことを理解するのは難しいので 腕の動きと体の動きを分離して それぞれの動きを練習して正しい形にしていくようにしましょう そこで 今回紹介した腕の動きや飛ばしの秘訣 DVDの中で紹介している ブックスウィングドリル ( 本を両手で持ってする素振り ) などを試してみてください 21

セットアップを覚える セットアップ とは 自分が打ちたい目標に対して正しいアドレスの姿勢を作ることですが そのセットアップの要素である クラブに対してのセット 目標に対してのセット そして ボールに対してのセット の3つの条件が満たされていれば ミスを減らすことができます クラブに対してのセット 両手をバランスよく握ることがバランスのよい構えを作る第一歩ティーアップしたボールを打つドライバーショットの場合 ボールの位置は左かかと内側の延長線上に置きます これはクラブヘッドがスウィング軌道の最下点を通過し やや上を向きかけたところでインパクトを迎えるためです そして 右利きの人であればアドレスの右手は左手よりも下なので 自然に右肩がやや低くなった構えとなります また この姿勢で両手をごく自然に握ろうとすれば 左手の甲が少し上を向き 右手の平も左手の甲と同じ向きとなるはずです ドライバーショットのボール位置は左足かかと内側の延長線上で 右肩がやや下がり 左手の甲と右手の平がやや上向きの同じ向きになる 22

目標とボールに対してのセット フェース面は目標に対して真っ直ぐ 肩や腰 スタンスはターゲットラインに対して平行 アドレス とは 単にクラブを構えるだけでなく グッドショットを打つための準備姿勢ができていなくてはなりません 逆に言えば ミスショットの8~9 割はアドレスの間違いに原因があるのです そこで 最も気を配るべきポイントは 体の向き です 肩や腰 スタンスの向きが間違っているアマチュアをよく見ますが これは目標の意識が明確にできていないためです 目標線と平行になるようにスタンスをとる そこで まずはボールの後方に立ち フェアウェイを右 中央 左と3 分割ぐらいに分け その中から自分が打ちたいターゲット ( 目標 ) を定め そことボールを結ぶラインをイメージしましょう そして 目標からボールまでラインをなぞり ( 目標線 ) ボールの1メートル前方付近のライン上に仮の目標を設定します この仮の目標は 落ち葉やディボット跡など自分で分かればどのようなものでも結構です その仮の目標にクラブフェースを真っ直ぐ向け それから両足がラインと平行になるようにスタンスの位置を決め グリップを正しく握ります また クラブの長さによってボールの位置が変わるので スタンスの広げ方もそれによって変わっていきます ドライバー ~5 番アイアンまではボールの位置は左足かかと内側の延長線上なので 両足を揃えた状態から左つま先を20 度ぐらい開いた後 右足だけを肩幅ぐらいに広げます そのことによって ボールの位置が 23

正しい位置にくるようになります 6 番アイアン~サンドウェッジまでのボールの位置はスタンスの中央にしたいので 左つま先を20 度ぐらい開いた後 両足を均等に肩幅ぐらいに広げます また アマチュアの人でアドレスに入る前に後方から目標を確認する動作をしている人は案外少ないようです アドレスに入ってから 漠然とした目標をちらりと見るだけでショットをしてしまう人も多いです これでは足のラインも狂いやすく 目標に打っていくことは困難を極めます さらに 初心者の人に多いミスが 足のラインも打っていきたい目標を向いてしまうことです そうならないためにも 目標線と足のラインをスクエアにすることを心がけ なおかつ左足だけ右足より少し後ろに下げて 若干オープンスタンスにすることをおすすめします どのぐらい左足を下げればよいのかというと 目標線と平行な足のラインと左つま先の間に500 円玉が入るぐらいの間隔が空くほどを目安にしてください 今回はセットアップについて考えてきましたが まとめると クラブ ボール 目標 の3つに対して正しく構えれば 8 割の確率でグッドショットが打てる ということです コースや練習場でもボールの方向がおかしい時には 構え方が正しくできているかどうかをチェックしてください 自分でチェックするのが難しければ 誰か他の人にチェックしてもらうのもよいでしょう 構えが正しくなれば 案外悩みも早く解消するかもしれません 24

オーバースウィングと手打ち バックスウィングのポイントは 上体を深く捻ることであると一般的によく言われるように 体のどこかが緩むと捻りが浅くなり ダウンスウィングで体の捻り戻しのパワーが生かせず 手打ちになりやすくなります そこで まずは 上体を捻る ということをやってみましょう オーバースウィングの矯正法 左腕と右ヒザが緩まなければ体の 捻り を実感できるシャフトが水平線に対して上がっていってしまうのが オーバースウィング と呼ばれる状態ですが 決してオーバースウィングの全てが悪いわけではなく スウィングプレーンにのっているのであればさほど大きな問題はありません しかしながら スウィングプレーンから外れてオーバーに上がってしまうのはよくありません オーバースウィングの原因としては3つのことが挙げられます 1つ目は バックスウィングの時に左腕が曲がって張りがなくなってしまい 右ワキが開いてしまうこと 2つ目は 最初に構えた時の前傾姿勢がトップオブスウィングまでに起き上がってしまうこと 3つ目は これも最初に構えた時の右ヒザの位置が外側に流れてズレてしまうことです これらのことが起こってしまうと オーバースウィングになりやすくなります あくまでもトップオブスウィングの理想は 体のどこにも緩みがなく シャフトと地面がほぼ平行になるようなフォームです 正しいトップオブスウィング 緩んだトップオブスウィング 25

手打ちの矯正法 トップオブスウィングでクラブを持ってもらい ダウンスウィングの 時間差 を覚える 手打ち という言葉もゴルフではあまりよい表現では使われません なかには腕を返す打ち方を手打ちと表現する人もいますが 一般的に手打ちとは 下半身が止まり手先で打ってしまうことを言います 手打ちでも上手くボールを飛ばす人もいますが それでも飛距離ではかなり損をしているようです そこで 腕以外の体の部分をしっかり使ったスウィングの感覚を覚えるための練習法があります トップオブスウィングのフォームを作り 誰かにクラブを強く押さえてもらい クラブを引っ張り下ろしてみてください これにより 腕が先に下りてくるのではなく 下半身が先行し 左足 左ヒザ 腰 肩 手 そして最後にクラブヘッドが下りてくる感じがつかめます また 両足をしっかり踏んばる感覚も体感できるはずです このように大きな筋肉を使うことが インパクトを正確にし飛距離を伸ばすポイントなのです 体重移動できればオーバースウィングも手打ちも直る練習場ではいろいろな人が実に千差万別のフォームで練習をしています その中でも オーバースウィングの人 手打ちになっている人がかなり多いようです 今まで私は 飛距離を出すためには体重移動や腕の返しなどが重要である と言ってきましたが それらを効率よく行なうためにも今回のテーマは非常に重要です 前述したことが守られずに 単に体を捻ろうとしても何の意味もありません 26

さらに ここからが重要なのですが 体の捻転というのは体重移動を心がければそれだけでできてしまうのです しっかりと右足に体重をのせていけば 右ヒザは約 20 度 腰は約 45 度 肩は約 90 度 アドレスの時よりも右に回転します それで捻転は完了なのです ところが 体を捻ることだけを考えてしまうと 体重を移動させずにその場での回転になってしまいがちです そして これらの動きが 今回解説したオーバースウィングやリバースピボット ( 逆体重 ) 明治の大砲フィニッシュなどの原因になります また 体が苦しくなるまで捻りあげてもあまり効果がないばかりか 故障の原因にもなりかねません バックスウィングでは 左腕を緩め過ぎず 前傾姿勢を保ち 右ヒザの位置を動かさない その上でしっかりと右足に体重をのせることを心がければ ダウンスウィング以降で下半身からの始動をしやすくなり 手打ちも防ぐことができます そのあたりを意識して 練習に役立ててみてください 27

ヘッドスピードを上げる 飛距離アップのためにヘッドスピードを上げたい ゴルファーなら誰もが考えることでしょう しかし 飛ばしたいと思うほど力みが先行してミスになってしまいます では 飛ばすためにはどうしたらよいのでしょうか そこで まずは肩や腕を楽にすることから始めてみましょう 腕の力を抜き両手を柔らかくグリップどんなに重いクラブでも重量は350グラムもありません それなのに まるで30キロのバーベルを持ち上げるかのように両手に力を込め 肩や腕が力んでいる人が多いものです 腕に力を入れないと飛ばないと思っている人も多いのですが 考えてみてください 腕に力が入っていると 体重移動や体の回転でせっかく作ってきたパワーにブレーキがかかってヘッドまで十分に伝わらなくなってしまいます そうならないために 両手を軽く握り 肩や腕を楽にしてください これだけでも振りがシャープになるはずです どのぐらい軽く握ればよいのかというと 腰の高さでグリップしたクラブヘッドを誰かに引っ張ってもらうと抜けそうなぐらい柔らかく握る程度で十分です 体重移動を積極的に使って体をスムーズにターン腕を柔らかく使うだけでもかなりのヘッドスピードのアップにつながりますが それにプラスして左右への体の揺れ ( 体重移動 ) も使ってみましょう そこで バックスウィングは右足 ダウンスウィング後は左足というようにウエイトをシフトさせてみてください 一見 体を揺らすと不安定になりそうですが 反対にスウィングの軸を一定に保ちやすくなり 腰や肩の回転にキレが出て 腕の振りがさらにスピードアップします その練習法として バックスウィングで左足を浮かせ フィニッシュで左足だけで立つ素振りや フィニッシュまで振り抜いた後に右足を一歩前に踏み出し すぐに歩き出す練習が効果的です 28

バックスウィングで左足を浮かせフィニッシュで左足だけで立つ素振り練習 振り抜いた後に右足を一歩前に踏み出し歩き出す練習 腰の回転を速くしてヘッドに加速力をつける ダウンスウィング後は左足に体重をのせながらフィニッシュまで一気に振り抜きますが そこでポイントになるのが腰を速くターンすることです 左足裏が地面から離れて腰が引けたようなターンではなく 左足の裏の全体で地面をしっかりつかんだ状態で右腰を目標に向けるイメージでクラブを振り抜いてください ただ 腰には負担がかかりやすいので ここ一番飛ばしたい時に使うようにするとよいでしょう 29

スライサーは左を狙ってフェアウェイキープここまではどのようにすればヘッドスピードが上がるのかについて述べてきましたが ヘッドスピードは上がったけど球筋がスライスになりやすい あるいは普段からどうしてもスライスが直らないという人のために 実際のコース上での目標の取り方についても考えていきましょう ボールがいつも右に曲がる人は フェアウェイ中央よりも左を狙って打つのが得策です まず 左サイドに仮の目標を設定し ボールと仮の目標を結ぶターゲットラインをイメージしてください そして 目標に対して平行に構えます クラブフェースはボールを落としたいポイントに合わせます こうすると スライスがフェアウェイキープのグッドショットになるのです このように 発想を変えるだけでスライスボールがナイスショットに変わります ただ 理想はストレート もしくはドローボールだと思いますので 今後も練習に取り組んでください 30

ボールの位置を決める ボールの位置を決めるには 1 スウィングの 最下点 は左耳の真下にくるボールを打つクラブと体との接点は グリップ です そこで そのグリップを基準にボールの位置を考える方法がよいでしょう まず グリップの位置は どのクラブをどの斜面から打つ時でも ( もちろん平地からでも ) 左耳の真下に置くのが一般的です これにはいろいろな理由があるのですが 簡単に言うと 遠心力の加わったスウィング中 右打ちの人なら体の中央よりも少し左にズレた場所がスウィングアークの最下点となります この左耳とグリップを結んだラインが ボールの位置を決める上での基準点となります ボールの位置を決めるには 2 クラブの構造によってボールの位置が変わってくるそれでは 次に左耳の真下のグリップの位置でクラブを何本か持ってみましょう クラブのメーカーにより若干の差はありますが ソール面を地面にピッタリつくように構えると それぞれのヘッドの位置は ドライバーなどのウッドはグリップの位置より少し左足寄りに 中間のミドルアイアンは地面と直角に そして短いウェッジで 31

はグリップの位置より右足寄りになることが分かります これは クラブのソール面がそうなるように設計されているからです つまり あなたが構えやすいかどうかにかかわらず クラブの番手によって グリップを基準としたヘッドの位置が決まるようになっているわけです 短いウェッジ ミドルアイアン ドライバー レッスン書で紹介される2パターンのボール位置 [A] スタンスは1 種類 ボールの位置を変えるこれは まだスウィングの固まっていない初級 ~ 中級者の人に向いています まず スタンス幅を肩幅程度にして フェースの向きはスクエアにします そして グリップの位置は左耳の下にセットし その位置を基準にして ボールの位置を変えていきましょう 具体的には ドライバーは左足かかと内側の前 フェアウェイウッドはそれよりもボール1つ分中央寄りに置きます ロングアイアンはグリップの真下 ( 最下点 ) にボールを置き ミドルアイアンはそれよりもボール1つ分中央寄りに置きます ショートアイアンとウェッジはスタンスの中央に置きます 32

このように スタンスを一定にしてボールの位置を5カ所に設定すると 構え方やスウィング動作を一定にしてもクラブを使い分けることができ スウィング動作に集中して練習することができる点が利点となります [B] ボールの位置は一定 スタンスの幅や向きを変えるボールの位置を左足かかと内側の前に一定にさせると コースでの様々なライに合わせる必要がなく 迷わずにアドレスができる利点があるため プロや上級者の多くがこの方法を採用しています まず ボールの位置を左足かかと内側の前に一定にして クラブが短くなるにつれて 右足を左足に寄せ [A] でお話した5 段階にスタンス幅を狭くしていきます 一番短いショートアイアンやウェッジでも スタンス幅は肩幅の半分程度は開いているので 1 段階で4~5センチ程度の調節になるはずです また ミドルアイアンではスタンスの向きを10 度程度オープンに構え ショートアイアンでは20 度以上オープンに構えます スタンス幅とスタンス向きの変化で 左耳の下にセットしたグリップの位置も変化して 短いクラブになるほどハンドファーストなアドレスになります ボールの位置を2カ所に設定する以上がレッスン書などで紹介されているボールの位置の決め方ですが いずれにしても スタンスや構え方も1 種類でボールの位置も1カ所というわけにはいきません せめて平地からのショットの時ぐらい 1パターンで構えクラブだけを持ち替えるだけでスウィングができればシンプルなのですが なぜ1パターンでは上手くいかないのでしょうか それを理解するためのキーワードは ブロー です 簡単に言えば 短いクラブはダウンブローに クラブが長くなるにつれてアッパーブローに ということになります なぜブローを変えるのかについては 別の機会にお話するとして 今回は ブローを変えてもスウィングは変えない という点を説明しましょう 33

アドレスのグリップの位置 ( 左耳の真下 ) がスウィングの最下点になるということは もちろんクラブヘッドの軌道 ( スウィングアーク ) の最下点も左耳の真下になります したがって グリップの右や左にボールを置くことによって 1つのスウィングをしても ダウンブローとアッパーブローを打ち分けられることになるわけです つまり ダウンブローといってもわざわざ手や上体で打ち込んだり アッパーブローといっても右肩を下げてすくい上げたりする必要はないのです あくまで 左耳の下にスウィングの軌道の最下点がくるようにシンプルにスウィングをし 後はクラブとボールの位置関係にまかせておけば ブローを打ち分けられるだけでなく ダフりやトップを防止することも可能になります そういう意味で 前述の2パターンを見比べると [A] ( スタンスは1 種類 ボールの位置を変える ) は最下点がいつも同じ位置になるように意識してスウィングの精度を高め ボールの位置で打ち分けを行なう方法なので スウィング作りをしている時には有利なボールの位置です [B] ( ボールの位置は一定 スタンスの幅や向きを変える ) はボールの位置は一定で確認がしやすいのですが 最下点の位置をイメージ通りに調節できるテクニックが必要となります このように [A] と [B] のどちらにも一長一短があります そこで提案したいボールの位置は 2カ所 です 1 ドライバー ~5 番アイアンまでのボールの位置ドライバー ~フェアウェイウッド そして5 番アイアンまでを長いクラブのグループとして ボールの位置は左足かかと内側とします すると 最下点はボールよりも手前になるため アッパーブロー ( 我々は正式名称として アセンディングブロー と呼んでいます ) になります これは 単純に言えば少しダフっているスウィングなのですが ダフってください というと抵抗がある人が多いので 払うように とか ホウキで掃くように などと表現しています 2 6 番アイアン~サンドウェッジまでのボールの位置 6 番アイアン~サンドウェッジまでを短いクラブのグループとして ボールの位置は両足の中央とします すると 最下点はボールよりも先になるため ダウンブロー ( 我々は ディセンディングブロー と呼んでいます ) になります これは ボール 34

の先のターフを削るように などと表現されていますので イメージを補足しなくてもよいでしょう ところで このように2カ所にボールの位置を設定すると ちょうど最下点でボールを打つレベルブローは必要ないのですか? という疑問を感じたかもしれません あなたはどう思いますか 答えは レベルブローはゴルフでは使いません ということになります もちろん 芝の生えていない地面剥き出しのベアグラウンドや距離のあるフェアウェイバンカーからのショットでは レベルブローのテクニックを駆使して 少しハーフトップ気味にヒットしますが これはスウィングの中でも難易度の高いショットですし もしクリーンに打つことができても クラブの構造を無視しているので スイートスポット ( 芯 ) で打つことはできません つまり 飛距離も方向性も不安定になってしまうのです このようなことから ボールの位置は あえて最下点を避けて ヘッドが下降中か上昇中にヒットできる位置に置き 構え方やスウィング 最下点の位置を変化させなくてすむ2カ所の位置をおすすめします 遠回りになるかもしれませんが あえて [A] スタンスは1 種類 ボールの位置を変える [B] ボールの位置は一定 スタンスの幅や向きを変える の2つを試し その後で 最後にお話した 2カ所のボール位置 を試していただければ 私の真意が伝わるでしょう ぜひ 練習で体験してみてください 35

グリップを決める グリップを決めるには 構えた時に見える左手のナックルの数が基準になる グリップをした時 左手の絞り込みの程度によってナックルの見える数が変わってきます その数によってグリップのスライスもしくはフックを決めますが この定義はゴルフクラブの変遷や時代の流れの中で変わってきています ただ明らかに言えることは グリップを見下ろした時 左のナックルが ( 人差し指の )1つしか見えなければ スライス ( 人差し指 中指 薬指の )3つ見えれば フック ということです そして最近では ナックルが2つ程度見える形が スクエア と言われています スクエアグリップはナックルが 2 つ程度見える スクエアに握るなら 手首の動きを抑える方向重視の人や長身の人 イカリ肩の人に向くスクエアグリップは左手の甲と前腕が真っ直ぐになるので 関節の構造上 コックがしにくくなってしまいます その結果 タメの効いたスウィングで振ることが難しくなるので飛距離はやや落ちますが フェースの向きがブレにくく ショットの安定度を求めたいゴルファーに向いています また 背が高いとハンドアップの構えになり 横から手を当てたほうがグリップしやすいので スクエアグリップが向いています ただし クラブのライ角度が身長に対してフラット過ぎると フックに握らざるを得なくなります また イカリ肩 ( 首から肩 36

にかけてのラインが水平 ) の人も 腕の付け根が離れているため 手を横から当てるようなスクエアグリップにしたほうが握りやすいはずです 背の高い人やイカリ肩の人は 手を横から当てるスクエアグリップに向いている フックに握るなら コックを使いたい飛距離重視の人や背が低い人 ナデ肩の人に合う絞り込むように握ったフックグリップでは コックをしてみると手首が甲側に折れるのが分かります このほうがスクエアグリップに比べ手首の自由度が高く コックを深くすることができるのです このことから フックグリップはタメを使ってヘッドスピードを上げたい人に向いています その反面 フェースの向きが比較的ブレやすく 方向性が犠牲になるので 練習により徐々に方向性の精度も上げていきましょう 37

また 背の低い人は手元の位置が低くなるので 上からつかむタイプのグリップが向いています この場合 クラブのライ角度も体格に合わせてフラットなものを選ぶことが大切です また ナデ肩 ( 首から肩にかけてのラインが肩のほうが低い ) の人も 両腕の付け根が体の中心に近いので 上から絞り込むようなフックグリップのほうが握りやすいでしょう 背の低い人やナデ肩の人は 上からつかんで絞り込むフックグリップが向いている 右手の正しいグリップの握り方ここまでは左手の絞り込みの程度について話してきましたが 右手のグリップについてもお話しましょう 右手の親指と人差し指をくっつける生命線のところにくぼみがありますが そのくぼみに左の親指をピッタリ合うように密着させると一体感が出ます また 右手のグリップは左手のグリップと同じ向きにしましょう 左右がバラバラだと腕の振りが悪くなるばかりでなく フェースの向きを感じ取りにくくなるからです こうして握ったら そのまま手を左右に揺らしてみてください 手の中でグリップがぐらつかなけ 38

れば 正しく握れていることになります いずれにせよグリップは単なる好みで決めるというのではなく 体格やショットの目的によって決める というのが正しいと言えます ご自身の体型や より飛ばしたいのか それとも方向を安定させたいのかといったことを今一度考え 今のグリップを見直してみてください 39

右足の向きを決める 右足の開き方を決めるには トップオブスウィングで右サイドが崩れないようにするスウィング中の体重移動は両足の内側で行われ トップオブスウィングで100% 近く右にシフト ( 移動 ) して フォロースルーで左に100% 近くシフトしていきます ところが バックスウィングの時に右足内側を浮かさなければウエイトシフトができず よいショットが望めなくなります ぼそこで 右足裏の拇 し 指球でウエイトを 受け止められるように 右足の外側でボールを踏みながらスウィングしてみましょう そうすると 両足の内側の間でウエイトシフトされることを強制的に理解することができます また 通常の状況で安定したシフトをするためには 右足の向きが重要になります 目標に直角にしたところから少しずつ開いて 自分の柔軟性に合った窮屈にならない角度を探してみましょう 右足を閉じる ( 直角にする ) のは 右足を開くとバックスウィングの時の右下半身の緊張感がなくなり ヒザが流れるタイプの人に向いている右足を目標に対して直角にすると スクエアなアドレスも作りやすくなります しかしながら 右足を閉じる ( 直角にする ) と バックスウィングでウエイトシフトと上体の捻転をする時に右足が窮屈になります よって 右ヒザや右股関節が流れやすい人は アドレスの右ヒザの位置をキープしてバックスウィングすることができます 40

右足を閉じるとバックスウィング時に右足が窮屈になるので ヒザが流れやすい人に向いている 右足を開くのは 右足を閉じると右足が窮屈になって左にウエイトが残り 上体が起きたトップオブスウィングになったり 右ヒザが割れる ( 流れる ) 人に向いている右足を開く角度は感覚的に分かりやすい30 度程度 45 度では開き過ぎです 右足を開けば 下半身の硬い人でも右足や右ヒザの形を崩さずトップオブスウィングを作ることができます また 右ヒザへの負担が少ないので ヒザに障害を持った人や成長期のジュニアは 右足を開くように心がけたほうがよいでしょう 41

右足を開くと下半身の硬い人でも右足や右ヒザの形を崩さずトップオブスウィングを作ることができる バックスウィングで右下半身が崩れると 当て損じ に練習場でナイスショットが出ていてもコースではミスが多いという人は バックスウィングの右足や右ヒザに問題があります このような状態の人は バックスウィングで右足の内側がめくれたり右ヒザが流れたりしても ライのよい練習場では 上手く元に戻してインパクトさせることができますが ライの一定しないコースでは 上手く帳尻を合わせることができず ミスヒット ( 当て損じ ) が多くなるのです そこで 正しいトップを作るためにも自分に合った右足の向きを決定しましょう 足の向きは柔軟性によって 0 度 ( 目標に対して直角 ) から約 30 度の間で開き方を変えてみます この時 トップオブスウィングでウエイトがしっかり右足にのり 足やヒザに緩みが出ないようにしてください ただし 繰り返しになりますが 右ヒザの悪い人やジュニアは スウィング中 右ヒザが窮屈になると負担がかかり障害を起こす危険性があるので 右ヒザの固定にはこだわらなくても構いません 42

開き方を変えながら自分に合った向きを決定しよう 右足の向きはフォローにも影響するもうひとつのポイントはフォローにおける右足の役割です 右足が開いていると右ヒザが外を向いているため フォローで左ヒザに寄せにくくなります また 右足の蹴りも弱くなり 左サイドにウエイトシフトしにくくなります 逆に 右足が閉じているとフォロースルーで右ヒザを左ヒザに寄せやすくなり 振り抜きがよくなります バックスウィングとの兼ね合いも考えて 練習しながら適切な向きを決めてください つまり 結論から言えば 右足の向きは下半身の柔軟性で決める ということです ご自身で 右足を閉じる と 右足を開く の2 通りを試してみて バックスウィング時に右足の裏がめくれることなく ヒザの位置も変わらずに 右足に100% 近く体重をのせるためには どちらがよいのかを決めていってください 43

左かかとの動きを決める 左かかとの動きを決めるには ベタ足 ヒールアップ は前傾角度の違いで起こることを知るバックスウィング時の左かかとの動きは前傾角度によって変わってきます 前傾が浅い時 ( 極端に例えると直立した状態 ) は 右足に体重移動しながら肩を回転させると 腰も回り 左足が引っぱられ かかとが上がります 逆に 前傾が深く左肩の回転が地面に対して垂直に近くなると 上体の回転が下半身に影響しにくくなり 左足は引っぱり上げられるということがなくなります このようなことから 意識的に ベタ足 か ヒールアップ を決めるのではなく 左かかとの動きはバックスウィングの自然な結果であるということを理解しましょう ヒールアップになる時 前傾が浅い時は上体の動きに下半身が引っぱられるクラブのライ角に合わせてアドレスをすると ウッドなどの長いクラブほど上体の前傾角度が浅くなりがちです つまり 同じスウィングをしていてもクラブが長くなるほどヒールアップになるのです 長いクラブは上体の前傾角度が浅くなり ヒールアップになる ただし バックスウィングで正しく右サイドへ体重移動し 右足の上で上体を捻転さ 44

せられなければ ヒールアップは起こりません 右足の上で左肩が回るからこそ左足が引っぱられるのです 正しくバックスウィングができていないのにヒールアップをしている人は トップオブスウィングで下半身が崩れやすく コースに出た時に安定したスウィングができなくなります ベタ足になる時 前傾が深い時は下半身の動きが抑えられるシャフトの短いショートアイアンでライ角通りに構えると 前傾角度は深くなりがちです 短いクラブは主体の前傾角度が深くなり ベタ足になる このアドレスでは 肩と腰の回転面は平行ではなくなります そのため 肩の回転が腰に影響しにくくなり 腰の回転は少なくなります そうしてヒザの動きも抑えられ ヒールアップは起こらなくなるのです この時 忘れてほしくないのはベタ足もバックスウィングの自然な結果であるということです ベタ足を意識するあまり 左体重になったり捻転不足のトップオブスウィングになってしまっては よいショットが望めません 気が付いたらベタ足だった というのが正解です 45

ライ角通りに構えれば番手が変わっても同じスウィングができる 前述のように クラブの長さが変わることによって 前傾角度が変わり下半身の動きに影響しますが 前傾角度を決める際のポイントについても説明しましょう ゴルフクラブには ライ角 というものがあります これは ソールを地面につけた時に地面とシャフトの作る角度のことです このライ角は クラブが長くなるほどフラットになっています そのため 番手ごとにシャフトの長さが違っていても構えた時のグリップの位置を一定にできるので 番手が変わっても同じスウィングでボールが打てるのです また 基本的にはクラブは番手ごとに前傾角度をあまり変えなくても打てるようになっているので 極端に前傾角度を変えるのも避けましょう さて ここまで左足のかかとの動きについて説明してきましたが 結論は 左かかとは上体の捻転と連動するもの ということです 大前提として どの番手でもしっかりと体重移動を心がけたスウィングをした上で 結果的に ヒールアップ か ベタ足 かが決まると考えてください 46

スウィングプレーン ( 面 ) を決める スウィングプレーンを決めるには 腕と体が使えるトップオブスウィングを作るクラブのヘッドが円を描きボールのあるところを通りさえすれば 極端なアップライトから極端なフラットまで どのようなスウィングプレーン ( 面 ) であってもボールを打つことができます しかし このいろいろなスウィングプレーンの中でも 腕の振りと体の回転とのバランスが最もよくなるものがあります そのバランスのよいスウィングプレーンを コレクト ( 適正 ) なプレーン と言います それにはある程度の幅があって グリップが右肩を通るスウィングプレーンと右耳を通るスウィングプレーンの中に収まればよいとされています さらに スウィングプレーンはクラブの長さや番手が異なると変化して見えますが どのような形のスウィングプレーンでも グリップが右肩から右耳の間を通っていれば コレクトなスウィングプレーンとなります どのようなクラブでもグリップが右肩から右耳の間を通っていれば コンパクトなスウィングプレーンになる 47

スウィングプレーンを正す 両ヒジの高さが同じになるように鏡を見ながら確認する極端にアップライトや極端にフラットなスウィングをしていると スウィングのバランスが悪くなり スライスやフックの原因となります そこで コレクト ( 適正 ) なスウィングプレーンを作るために トップオブスウィングで右ヒジと左ヒジを同じ高さにするようにしましょう そうすれば 右肩から右耳を通るスウィングプレーンの中にトップオブスウィングを作りやすくなり 腕と体のバランスの取れたスウィングができるようになります バランスの取れたスウィング トップオブスウィングで右ヒジと左ヒジが同じ高さになる 一方 手打ちのスウィングではアップライトなスウィングプレーンになり トップオブスウィングでの右ヒジが左ヒジより高くなってしまいます 逆に 腕の振りをあまり使わず体の回転だけのスウィングになると フラットなスウィングプレーンになり トップオブスウィングでの右ヒジは左ヒジより低くなります 時々鏡などを見て ヒジの高さをチェックしましょう 手打ちのスウィング 体の回転のみのスウィング トップオブスウィングで右ヒジが左ヒジより高くなる トップオブスウィングで右ヒジが左ヒジより低くなる 48

フィニッシュでも両ヒジの高さをチェックする ここまではトップオブスウィングでのチェックポイントを説明してきましたが フィニッシュでのチェックポイントについても説明します フィニッシュでの両ヒジの位置も トップオブスウィングの時と同様にスウィングプレーンを決める重要なポイントです コレクト ( 適正 ) なスウィングプレーンでスウィングするには フィニッシュでも両ヒジの高さを同じにしましょう そうすれば トップオブスウィングからフィニッシュにかけてスウィング軸がブレることなく ストレートな軌道でインパクトを迎え 安定感のあるスウィングができます また トップオブスウィングはよくてもフィニッシュで右ヒジが高くなる人を多く見かけますが これではダウンスウィングで右肩が突っ込み アウトサイドインの軌道になってしまいます トップオブスウィングからフィニッシュにかけてスムーズなスウィングを行なうため 右ヒジより左ヒジを高くするようなフィニッシュをとって矯正しましょう 49

ワキの締め方を決める ワキの締め方を決めるには 右ワキを締めたほうがインパクトでボールにパワーを伝えやすいスウィング中のワキの締め方を決めるために まずインパクトでのワキの締め方から考えていきます それでは ボールの位置に椅子を置き 手で押してインパクトをイメージしてください ( クラブを持って何かにヘッドを押し付けるようにしてインパクトの形を作ることもできます ) この方法でいろいろなワキの締め方を試してみてください この時 右ワキを締めないと腰が引けて腕と体がバラバラになるはずです 逆に 右ワキを締めると右ヒジがたたまれ 腕が体の近くに寄ります この右ワキを締める行為によって 腕と体が一体となり 腕の回転の力を腕から手先に伝えやすくなるのです ちなみに この時の左腕は 伸びてワキが空いているのが分かります 右ワキを締めると腕と体が一体になる 右ワキを締めないと腕と体がバラバラになる したがって インパクトで正しく右ワキが締まるようにスウィングを作ることが大切です 50

アドレス時のワキの締め方は スムーズなバックスウィングには右ワキだけを締める構えがよい次に アドレスからバックスウィングまでのワキの締め方を考えてみましょう アドレス時のワキの締め方には主に 左右のワキを締めずに楽にしている形 両方のワキを締めた形 そして 右ワキだけ締めた形 の3 種類あります それぞれのアドレスからバックスウィングをしてみると いずれの形でも コックをする際 左ワキをあけて左ヒジを伸ばし 右ワキを締めて右ヒジをたたむ動きが必要になるのが分かるでしょう つまり どのように構えても必ずコックをする際には同じ形になるのです よって スムーズにバックスウィングを行なうには アドレス時は 右ワキだけ締めた形 が合理的と言えます バックスウィングで効率よくコックの形が取れるように アドレス時は 右ワキだけ締めた形 で構えるのが合理的 腕を正しく振るには 腕の振りをよくするためには左右のヒジの間隔を一定にする上手く腕を振るには ワキの締めを意識して スウィング中の左右のヒジの間隔を変えずに振ることが大切です そこで まず左ワキを空けて右ワキを締めた構えからバックスウィングに入り トップオブスウィングに向かって右ヒジはたたみます そして ダウンスウィングではトップオブスウィングの時の左右のワキの状態を保ち 51

ます また ボールを打った後は 右ワキを締めたまま両腕の力を抜くと ヘッドが上手く返りボールがつかまるようになります 右ワキを締めるとスクエアに構えられるここまでさまざまな観点で右ワキだけを締めることをおすすめしてきましたが アドレスの時 右ワキの締め方が肩のラインにも影響するということについても考えていきましょう まず クラブを持ち上げて胸の高さでグリップをして確認してください 右手は左手より上をグリップするので 自然に持てば 左腕の上に右腕が位置するようになります ところが その持ち方で前傾をしてアドレスをすると 右肩が前に出て肩のラインがオープンになってしまいます そうならないためにも 不自由に感じるかもしれませんが 右ワキを締め右ヒジを折ってみてください 折り方は左右のヒジの高さが同じか右ヒジが少し低くなるぐらいがよいでしょう そのまま前傾すれば肩のラインがスクエアなアドレスができるようになります 右ワキを締める利点がこういうところにもあるのです 右ワキを締め右ヒジを折ってそのまま前傾すると スクエアなアドレスになる 52

右ワキを締めると低いトップオブスウィングを作りやすい また ワキの締め方によってトップオブスウィングの高さも変わってくるということについてもお話します まず 試しに右ワキを空けて左ワキを締めてアドレスをしてみてください そこからトップオブスウィングまで上げていくと トップオブスウィングでの手の位置が頭の左側からクラブヘッドが見えるぐらい上がってしまいます また このようにトップオブスウィングで手を高く上げれば飛ぶのかというとむしろ逆で パワーのロスも多くアウトサイドインの軌道になりやすいです それとは逆に 右ワキを締めて左ワキを空けてアドレスをし そのままトップオブスウィングまで上げてみてください すると 手が肩から右耳の高さぐらいまでしか上がらないはずです 効率的に飛ばすスウィングをするためには 小さなトップオブスウィングを作ることが大前提です 手の位置が低く体重がしっかり右足にのったトップオブスウィングが大きなパワーを生み出すことを 日々の練習で試しながら理解してください 53

ティーアップの高さを決める ティーの高さを決めるには ティーアップのボールにはトゥー寄りに構える芝生に浮いたボールが打ちやすいように ティーも高いほうが打ちやすくなります ただし ティーを高くすればするほど アドレスでソールしたヘッドの位置とインパクトの位置にズレが出てくるということに注意しなくてはいけません 実際に ティーアップしたボールの位置にフェースを合わせてみましょう そこから腕をリラックスさせてヘッドを地面に下ろします すると ヘッドはボールの位置からトゥー寄りにソールされるのが分かるでしょう つまり ティーアップしたボールをナイスショットするためには フェースのトゥー寄りにアドレスをしなくてはいけないということです 逆に ティーが低い時の注意点は ダウンブロー ( 上からの打ち込み ) にならないようにすることです 上からボールを打とうとすると ダフりやテンプラなどのミスにつながります ティーが高い場合 ティーが低い場合 このようなミスを避けるためにも ティーなしでマットの上のボールをドライバーで打つ ( いわゆる直ドラ ) 練習をすると レベルブローに打つスウィングが身につき どのようなティーの高さでも打てるようになります 以上の注意点を頭に入れて 自分なりの打ちやすい高さを決めてください 54

ミート率を上げるには 横からボールを見てアッパー気味に打つ ティーアップしたボールを上手く打つためにはそれに合った正しい構えがあります ティーショットは アイアンと同じようにボールを上から見るような構えをしてはいけません ボールを上から見ると頭が自然とボールのほうに寄り 左足に体重が多くかかってしまいます それではカット打ちでダウンブローのスウィングになり ダフりやテンプラなどのミスにつながります そこで ティーショットでは スウィング軌道はレベルブローかややアッパーブローにしたほうが正確にヒットできるので 正しい軌道でスウィングするためには ボールを横から見るようにして 上体の軸を少し右に倒した構えにするとよいでしょう また あらかじめアドレス時に右足に体重を6~7 割程度多めにのせておくと トップオブスウィングで右足にしっかりウエイトをのせることができ ダウンスウィングでは頭を右足の上に残しながらアッパーブロー気味にスウィングすることができます また スウィング軌道がよくなれば 低いティーでもボールはしっかり上がっていきます ボールを横から見るように構えると アッパーブロー気味なスウィングになり ティーアップしたボールを正しく捉えることができる ボールを上から見るように構えると 左足に体重が多くかかり ダウンブローのスウィングになりやすく ダフりやテンプラの原因になる 55

ボールを見るとどうしても頭がボールに寄ってしまうという人は アドレス時の目線もボールより手前 ( 右側 ) のヘッド軌道の最下点あたりにしておくと 少なくとも頭がボールのほうに寄ることはなくなるので試してみてください リラックスするためにはヘッドを浮かさずに構える前述のことを守れれば ドライバーショットの精度はかなり上がってくるでしょう しかし それはこれからお話することができていることが前提です これまでの説明は ティーアップするとインパクトの位置とクラブヘッドをソールする位置との間には高さのズレと前後のズレが生じる ということでした それならば初めからインパクトの位置にヘッドを浮かせて構えればよいと思うかもしれませんが それはおすすめできません なぜなら 上級者の人ならヘッドの重さを感じながら浮かせて構えられますが 慣れていない人だと腕全体や肩に力が入り 不必要に緊張してしまうからです その結果 テークバックがスムーズにいかなかったり 軌道が狂ったりしてしまいます そうならないためにも クラブヘッドは地面にソールして構えるようにしましょう 体を起こしながら打っていくためにはヒール寄りに構えるここまでの説明を聞いて プロの中にはトゥー寄りだけじゃなくヒール寄りに構えている選手がいるはずでは? という疑問を感じた人もいるかもしれません 事実 ヒール寄りに構えてドライバーショットをするプロはかなり多数です では なぜプロはトゥー寄りではなくヒール寄りなのでしょうか クラブヘッドのトゥー寄りにソールする方法は ダウンスウィング以降の体の上下動がない ( 前傾角度をあまり変えない ) 打ち方をするという前提に基づいた考え方です ならば ヒール寄りに構えているプロは 一体どんな打ち方をしているのかと 56

言うと トップオブスウィングまではアドレス時の前傾角度をキープし ダウンスウィングから一気に前傾を起こしながら打っているのです また フィニッシュでは肩のラインがほぼ水平 ( 地面と平行 ) になっています 単純に考えて 体を起こす打ち方をすれば アドレス時にトゥー寄りに構えた場合 まずボールに届きません よって むしろヒール寄りに構えるのです では なぜ体を起こしながら打っていくのかというと 飛ばしの秘訣 DVDの中でも解説していますが そのほうが抜群に飛距離が出るからです さて これまで自分のスウィングや目的に応じたティーアップの方法やソールの方法について説明してきましたが これらの方法も実践することでより理解が深まるので ぜひ試してみてください 57

スタンスの幅を決める スタンス幅を決めるには シフトとターンのやりやすさで決めるスウィング中の理想的な体の動きには 右足や左足に体重を移す動き ( ウエイトシフト ) と 上体を捻転してからフォロースルーに向かって捻れを開放していく動き ( ボディターン ) の2つの要素が必要不可欠です そして この シフト と ターン をバランスよく行なうには スタンスの幅を適切にしなければなりません スタンスが広いとシフトがしにくくなりますが 下半身が安定し上体が捻りやすくなります 逆にスタンスが狭いと 左右の足が近いのでシフトを意識しやすくなります 他の人にチェックしてもらいながら バランスよく振れる自分なりのスタンス幅を決めましょう ターンを増やすなら スタンスを広げるまず 自分のスウィングにはシフトとターンのどちらが足りないのか 人に見てもらうかビデオでチェックしておいてください バックスウィングで肩が回り過ぎてトップオブスウィングのバランスが悪かったり 体を左右にスウェーさせながら打つ人は スタンスを少し広げるとよいです 腰が回転しにくいので バックスウィングで上体をコイルさせることができ トップオブスウィングが安定してパワーもたまります また 下半身が安定するので スウィング中 肩の回転に意識を集中させることができます また つま先上がりやつま先下がりの斜面などの平らでないライから打つ時にも 下半身を安定させるとよいので 広いスタンスが向いています 58

シフトを増やすなら スタンスを狭める一方 フィニッシュで体重が右足に残るなど ウエイトシフトができていない人は スタンスを少し狭くするとよいでしょう 左右の足が近いので 右足の上から左足の上へとシフトが楽に行なえます ただ 狭いスタンスで気を付けたいことは バックスウィングで腰の回転も楽に行なえてしまうので 上体に捻れの差ができなかったり スムーズにダウンスウィングに移れなくなるということです 肩の回転が浅い などと悩まれているアマチュアの人は多いのですが 上体の捻れを考えると 実はターンをし過ぎている人が多く 逆にシフトが上手くできる人が少ないので どちらかと言えば スタンスは肩幅かそれより狭めのほうがよいでしょう トップオブスウィングで腰が回り過ぎるのを抑えるレッスンの現場でよく聞かれるのは 肩をもっと回したほうがよいですか? ( トップオブスウィングで ) 今 肩は回っていますか? といった質問です 肩を回せば飛ぶ ということはアマチュアの人の中では不文律のようになっています そこで ここからは肩の正しい回し方 ( 体の回し方 ) について考えていきます バックスウィングで肩を一生懸命回そうとするあまり 腰やヒザに力が入って一緒に回ってしまうのは好ましくありません 腰やヒザの動きを抑えながら肩を捻っていくと 適度に腰やヒザも回転し安定したトップオブスウィングになるのです 正しく上体をコイルできれば トップオブスウィングで肩は90 度回転し 腰は半分の 45 度 ヒザはその約半分の20 度程度になります そして ダウンスウィングではそのコイルを保ってスタートさせます また フィニッシュでは肩 腰 ヒザの回転の差 59

がゼロになる ( 全ての部分が目標方向を向く ) ように意識するとよい動きになります ウェイトシフト ( 体重移動 )> ボディターン ( 体の回転 ) 前述で 実はターンをし過ぎている人が多く 逆にシフトが上手くできる人が少ないようなので とお話しましたが 体 ( 肩 ) を多く回せれば飛距離が出る と思っているアマチュアの人が圧倒的に多いです 実際 そのようなレッスンをするインストラクターが多くいることも事実です しかし これには疑問があります 体を回すことによりウエイトシフトがおろそかになりやすく トップオブスウィングで体重が左右どちらの足にかかっているかが分からない状態になりかねません 回転を重視しているアマチュアに トップオブスウィングの時点で 今 右足にどのぐらいの割合で体重がかかっていますか? と聞くと 大概の人が6~7 割 中には 5 割と応える人もいます これは 回転を重視するあまり スウィングの中心となる回転軸が体の前のほうにきてしまい 頭の位置が動かないその場での回転となってしまっているのです その弊害は リバースピボット ( 通常と逆の体重移動 ) や 明治の大砲フィニッシュ といった 飛ばない打ち方の典型になってしまいます 回転を重視して体重移動をおろそかにすると スウィング軸が体の前側になる 60

正しくは スウィングの軸は体の背中側 ( 背骨に近いところ ) にあり それを中心に体を回転させていくと自然に頭も左右に動いていき ウエイトも左右にしっかりシフトするのです しっかり体重移動を行なうと スウィング軸が正しい位置 ( 体の背中側 ) になる 飛距離を伸ばすためには ウエイトシフト ( 体重移動 ) > ボディターン ( 体の回転 ) になります むしろボディターンを抑えるために 極端に トップオブスウィングで右に100% フィニッシュで左に100% のウエイトシフトを試みることも 飛ばしには有効な方法でしょう 61

左手甲の向きをチェック アマチュアの8 割は スライサー だと言われています ボールが右に曲がる原因は一人ひとり違います ただし スライサーの多くに見られる傾向として トップオブスウィングで左手首が折れている点が挙げられます スライスの原因 トップオブスウィングで左手首が甲側に折れるとフェースが開くスライサーの多くは テークバックでクラブヘッドが飛球線の外側に上がっています そのため 右ワキが大きく開いたトップオブスウィングとなり 左手首が甲側に折れてしまうのです このままダウンスウィングすると インパクトでクラブフェースが開き 大スライスが発生します トップで右ワキが空き左手首が甲側に折れ曲がった状態でダウンスウィングをすると インパクトでクラブフェースが開き 大スライスになる フックの原因 左手首が手の平側に折れればフェースが被るフックに悩まされる人は テークバックでクラブヘッドがインサイドに低く上がり過ぎ 62

るところに問題があります そのため トップオブスウィングでは右ヒジを絞られ 左手の平が真上を向いた 俗に言う 出前持ち の形になるのです 左手は手の平側に折れ クラブフェースは空のほうを向いてしまいます そして この状態でダウンスウィングすると インパクトでフェースが被り フックが生じます トップオブスウィングで右ヒジを絞られ左手首が手の平側に折れ曲がった状態でダウンスウィングすると インパクトでフェースが被りフックが生じる つまり スライスやフックを防止するには アドレス時の左手首の角度をキープしてスウィングすることが大切なのです 逆に考えれば 日頃スライスで悩んでいる人は 初めは極端なぐらい左手首を手の平側に折ることを試してみてください 意外なぐらい簡単にフックが出るかもしれません それでフックがきついようなら手の平側に折る度合いを少なくしてみましょう 反対に普段フックが強過ぎる人は いつもより左手首を甲側に折るようにして打ってみましょう トップオブスウィングの大きさもチェック左手首を甲側に折るか手の平側に折るかというたったこれだけのことで球筋が変化しますが さらに そのこととセットで考えられることに トップオブスウィングの大き 63

さ があります 左手首が甲側に折れて右ワキが大きく開いたトップオブスウィングを作ると どうしても大きなトップオブスウィングになりやすくなります トップオブスウィングを大きくすればボールが飛ぶ と考えて実践している人の中には スライスで悩んでいる人も多いのではないでしょうか プロでも 右ワキを大きく開けてトップオブスウィングの手の位置が高い選手がいますが 彼らはフェード ( スライス ) ボールで攻めるタイプのプレイヤーです この打ち方でミスなく打てるようになるためには かなりの訓練が必要になります 反対に 左手首が手の平側に折れて右ワキが締まったトップオブスウィングは コンパクトに見えます コンパクトなトップオブスウィングの場合 バックスウィングやダウンスウィングの軌道が狂いにくいというメリットがあるので 初心者でも習得するのに比較的時間がかかりません また 大きなトップオブスウィングからスウィングするとアウトサイドインの軌道になりやすく コンパクトなトップからはインサイドアウトになりやすいことも頭の中に入れておきましょう このように覚えておくと 自身のスウィングチェックがしやすくなるので ぜひ試してみてください 64

シャンクとチーピン シャンク は急角度で右に飛び出す球 チーピン は大きく左に曲がるダックフックのことです どちらもクセになるとなかなか直らず厄介です 早めに原因を突き止め スウィングの軌道修正に努めましょう シャンクの矯正 ボールの外側にもう1 個のボールを置いてスウィングアイアンクラブの場合 一般的にクラブヘッドの根元の部分に丸みがありますが そこで打ってしまうと ボールが45 度近い急角度で右に飛び出してしまいます このことを シャンク ( または ソケット ) と言いますが 原因はアドレスでのボールと体の間隔が近過ぎる点にあります そこで ボールの近くに立ち過ぎないように注意し 実際に打つボールの外側にもう 1 個のボールを置き 外側のボールにクラブヘッドが当たらないようにスウィングする練習をしましょう もし体との間隔が近過ぎれば 2つのボールに当たって飛んでいってしまいます 65

逆に トップしてクラブヘッドの先に当たってシャンクする場合もありますが これは上級者によく見られます また ドライバーなどのウッドクラブの場合は アイアンとはシャンクの種類が違い ヘッドのトゥーに当たってしまうことによって起こります この原因はアイアンとは反対に アドレス時にボールと体の間隔が遠過ぎる点にあります チーピンの矯正法 右ワキにタオルを挟み ダウンスウィングの右ワキの締めを実感初心者が最初に悩むのがスライス その次の段階で悩むのがダックフック 俗に チーピン と言われるボールではないでしょうか チーピンとは ボールが最初から左に飛び出し さらに急角度で左に曲がる球筋のことを言います これは ダウンスウィングで右肩が前に出るため クラブヘッドが飛球線の外側から下りてしまうことによってアウトサイドインの軌道になってしまい さらに右手が強く働いて インパクトでクラブフェースが被るのが原因です 66

矯正法としては タオルやヘッドカバーを右ワキに挟み タオルをインパクトまで落とさないようにクラブを振る練習が効果的です 右肩をトップオブスウィングの位置に止めたまま 右腕を振り下ろすイメージでスウィングしてみましょう タオルやヘッドカバーを右ワキに挟み インパクトまで落とさないようにクラブを振る練習で クラブヘッドが飛球線の外側から降りて右手が強く働く動きを矯正する シャンク チーピンを 体の使い方 で直すシャンクを直す方法として ボールを2つ並べて手前のボールだけを打つことを紹介しましたが このドリルのメリットとして 体を起こしながら打つことを体感できることが挙げられます ダウンスウィングから上体を突っ込ませて打ちにいってはいけないことはあなたもご存知だと思います そのため ダウンスウィング以降もアドレス時の前傾姿勢を保つことを心がける人が多いのですが それでもなかなかシャンクが直らなかったりします それはなぜかというと アドレスで腕が軽く曲がった構えをしていたのが インパクト時に伸びるからなのです ( ウッドのシャンクがトゥーに当たるのは腕に力が入っていて曲がったままインパクトを迎えてしまうことも原因です ) だから 前 67

傾姿勢を保つだけではシャンクを直すことはできないのです それではどうすればよいのかというと 前傾姿勢を保つのはトップオブスウィングまで その後のダウンスウィングからは体を起こしながら打っていけばよいのです ボールを2 個並べる練習方法でも 2つのボールの真ん中に構えて 手前のボールだけを打つことをしていけば 体を起こしながら打つことができるようになります また チーピンの原因を 右肩が前に出る と説明しましたが 体重が左に正しく移動せず右足に残った状態でインパクトを迎えてしまっても右肩が前に出やすいです 体重をしっかり移動させながら なるべく体の正面でボールを捉えることを意識しましょう これらのことを合わせて考えると ダウンスウィング以降は 体を起こしながら左足へしっかり体重移動する こと 言い換えれば 右下から左上への体の動き をしていけば シャンクやチーピンを防ぐことができるということなのです よって 飛ばしの秘訣 DVDの中で紹介している ショルダーターンドリル などで体の動きを体感してみてください 68

トップとダフり ラウンド中によく起こるアイアンショットのミスと言えば トップ と ダフり が挙げられますが これらはどちらも ボールがフェースの芯に当たらないことによって起こるミスです アドレスの前傾軸を保とうスウィングの中心 ( スウィングセンター ) は 両肩の中央で喉の奥あたりにあります また それを軸で考えると 首の付け根の後ろ側から背骨にかけての部分になります そこで バックスウィングで体重を右足にのせ ダウンスウィング後は左足に体重を移せば 肩や腰の回転がスムーズになり 結果的にスウィング軸を一定にキープしやすくなります また 軸の左右のブレを防ぐと同時に 上下のブレも警戒しなくてはなりません アドレスでは軽く前傾姿勢をとっていますから 軸も前に傾いています この前傾軸をキープしてスウィングすることを心がけましょう アドレスからトップオブスウィングにかけて前傾姿勢を保ってスウィングする トップとダフりは紙一重どちらも軸のブレが原因アドレスの前傾軸が一定に保たれず スウィング軌道の最下点がボールの上のほうになるとトップが生じ ボールの手前側にズレた場合はダフりとなります 69

トップになる原因には2つ考えられます 1つ目は スウィングセンターがバックスウィングで上にズレて そのままダウンスウィングしてしまうことです これは 体の回転を重視するあまり 体重が右足にのり切らずに上体が伸び上がってしまうことによって生じます 2つ目は スウィングセンターが後ろにズレてかかと体重になってしまうことです このミスは 初心者で地面を打つことに恐怖心がある人に起こりがちです トップの原因 体重が右足にのり切らずに上体が伸び上がってしまう スウィングセンターが後ろにズレてかかと体重になってしまう 一方 ダフりの場合も同じようにスウィングセンターがズレることによって起こりますが トップの時と違って 上下のズレによるミスは実はあまり多くはありません どちらかと言うと 左右の動きのエラーによるものが多いのです 具体的に言うと バックスウィングで右足に体重を移動させてスウィングセンターを右側に移したものを ダウンスウィングで左足に体重移動させないで下ろしてくると スウィングセンターが右に移動したままになるため ヘッド軌道の最下点がボールの右側になり ダフりが起こります 70

ダフりの原因 スウィングセンターがダウンスウィング時にも右側に移動したままだとダフりが起こる このように トップとダフりはまったく異質のミスのようですが どちらも軸が上下左右にブレるところに原因があるのです スウィング軸を保とうとすると頭が自然に動くここまで読んで やっぱり軸をブラさないためにはボールをしっかり見て頭を動かさないようにすれば と思われた人もいるのではないでしょうか しかしながら その考え方は間違っています 前述したように スウィングの軸は首の付け根の後ろ側から背骨にかけての部分です ところが 頭を動かさないように軸を保とうとすると 本来の背中側の軸がブレてしまいます 言い換えれば 軸の位置が背中側から体の前側に移ってしまっているのです これでは十分な体重移動ができず それどころかリバースピボット ( 本来と逆の体重移動 ) になってしまい 飛距離のロス そして方向性も大きく狂わせてしまいます そのことを理解するため 背骨にクラブシャフトを押しつけて そのシャフトを中心に体を回転させてみましょう 頭は左右に動き 体重移動もしっかりできるでしょう 71

また 軸は1つと考えるより 2 軸または3 軸と考えたほうが体重移動をしやすくなります もちろん 頭を動かさなければ2 軸 3 軸ではスウィングできません トップとダフりが出る原因も 体重移動不足が関係しているということはあまり考えたことがなかったのではないでしょうか ラウンド中にこれらのミスが出た時 腕や上半身にばかり意識がいきがちになると よりミスが出やすくなります それよりも下半身の体重移動を意識しましょう そうすれば 上半身に力が入らなくなることにより体の動きが止まらなくなり トップやダフりを解消することができるのです 72

テンプラとヘッドアップ ヘッドアップしてはダメ と教わったゴルファーは多いことでしょう ヘッドアップ という言葉は多くのアマチュアが好んで使う言葉です ところが 顔を止めてボールをしっかり見ようとし過ぎると かえってミスになることが多くないでしょうか また 時にはテンプラが生じることもあるのではないでしょうか テンプラの原因 上から鋭角に入り過ぎるとクラブヘッドの上で打ってしまう テンプラ とは サンドウェッジのショットのようにボールが高々と舞い上がり 距離がまったく出ないミスのことを言います フェース面のどこかにボールが当たれば 必ず前に飛ぶのでテンプラにはなりません ではどうしてテンプラが生じるのかというと フェース面で打っているのではなくクラブヘッドの上部 もしくはトップラインの角で打ってしまうからです 正しいインパクト テンプラのインパクト これは ドライバーショットであるにもかかわらず アイアンのように上から打ち込んでしまい ハンドファーストのインパクトになってしまうことによって起こります そうならないようにするため ボールの位置をいつもより少し左にして クラブヘッドの軌道の最下点がボールより手前であることを意識して 最下点から上昇中にボールを捉えるイメージでスウィングすることを心がけましょう 73

上から打ち込んでハンドファーストのインパクトになるとテンプラになりやすい ヘッドアップは悪くない ボールをよく見てインパクトしたら目は目標方向を向くインパクト前に顔が目標を向くと 目がボールから離れてしまい正確にヒットすることができなくなります しかし だからといってボールを打った後も ボールの地点を見続けようとすると肩が回りません また クラブがスムーズに振り抜けないし インパクトで顔が下がってテンプラになるなど 様々なミスが生じやすいのです ゴルフを始めたばかりの初心者にとってはボールをよく見て打つことは重要ですが 最終的に目指していくスウィングの形は トップオブスウィングまでは前傾をキープし ダウンスウィングからは積極的に体を起こし上げていく形です そのことによって飛距離も出ますし 見た目も断然にカッコいいです なので 逆にヘッドアップするつもりでしっかり振り抜きましょう 74

ボールの地点を見続けると肩がスムーズに回らず テンプラなどの様々なミスを引き起こす ボールではなく最下点を見ながら打つテンプラなどのミスは ボールをしっかり見続けて頭を残す意識があると起こりやすい と前述しましたが ここからは ボールを見ないで打つことによって これらのミスを防ぐ方法をお話します ボールを見てスウィングすると どうしてもボールのほうに体が突っ込んだインパクトになりやすくなります そこで ボールを見て打つ という発想を変えて クラブヘッドの軌道の最下点を見ながら打つことをおすすめします 具体的に言えば ドライバーなどの長いクラブ (1 番ウッド~5 番アイアン ) では最下点はボールの手前 ( 打つ人から見てボールの右側 ) になりますが その最下点を見ながら打っていくことによって 体が突っ込まずにクラブヘッドが手を追い越したインパクトにすることができます 75

この方法は 短いクラブ (6 番アイアン~サンドウェッジ ) にも適用できます この場合は ヘッド軌道の最下点はボールの先 ( 打つ人から見てボールの左側 ) なので そこを見ながら打つことによりダウンブローにボールを捉えやすくなります これらの方法によって ボールの位置に影響されずにスウィングすることができるので かなり効果的です ぜひ試してみてください 76

講師プロフィール 米田博史 ( ヨネダヒロシ ) プロゴルファー ( 日本プロゴルフ協会 A 級会員 ) 1962 年生まれ東京都出身 1985 年日本大学卒業後 アメリカのゴルフ専門学校サンディエゴ ゴルフアカデミーに留学 帰国後 インストラクターとして活動を開始する また 1981 年から 2001 年にテレビ東京系で放映された 岡本綾子のスーパーゴルフ でレッスンを担当 さらに 平成 11 年 高橋書店から 史上最強のスイングレッスン を出版 その他 米田式体重移動スイング上達法 ( 高橋書店 ) など 著書多数 そして これまでプロ アマを問わず 1 万人を超すゴルファーを指導 分かりやすいスウィング理論と独自のレッスン法は広い支持を得ており TV 雑誌などでも大活躍している モデルプロフィール 伊藤真生 ( イトウマナブ ) ゴルフインストラクター 1991 年から米田博史チームのレッスンインストラクターとして活躍 1999 年からは 米田博史チームのチーフインストラクターとして ゴルフスクールの企画 運営にも携わる 知識と経験にプラスして持前の表現力を生かした分かりやすいレッスンに定評がある 日本一のレッスンプロ米田博史が教える 飛ばしの秘訣プログラム の詳細を知りたい方は http://www.cshgolf.com/30yard/