心疾患患による死亡亡数等 平成 28 年において 全国国で約 20 万人が心疾疾患を原因として死亡しており 死死亡数全体の 15.2% を占占め 死亡順順位の第 2 位であります このうち本県の死亡死亡数は 1,324 人となっています 本県県の死亡率 ( 人口 10 万対 ) は 概概ね全国より高

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第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 , % % % %


面的 包括的なリハビリテーションが多職種 ( 医師 看護師 薬剤師 栄養士 理学療法士等 ) のチームにより実施されます 喪失した心機能の回復だけではなく 再発予防 リスク管理などの多要素の改善に焦点が当てられ 患者教育 運動療法 危険因子の管理等を含む 疾病管理プログラムとして実施されます 急性期

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5 疾病対策別等医療連携体制の充実(脳卒中)

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一般会計負担の考え方

山梨県地域医療再生計画 ( 峡南医療圏 : 救急 在宅医療に重点化 ) 現状 社保鰍沢病院 (158 床 ) 常勤医 9 名 実施後 社保鰍沢病院 峡南病院 (40 床 ) 3 名 市川三郷町立病院 (100 床 ) 7 名 峡南病院 救急の重点化 県下で最も過疎 高齢化が進行 飯富病院 (87 床

Microsoft PowerPoint - 参考資料

また リハビリテーションの種類別では 理学療法はいずれの医療圏でも 60% 以上が実施したが 作業療法 言語療法は実施状況に医療圏による差があった 病型別では 脳梗塞の合計(59.9%) 脳内出血 (51.7%) が3 日以内にリハビリテーションを開始した (6) 発症時の合併症や生活習慣 高血圧を

CCU で扱っている疾患としては 心筋梗塞を含む冠動脈疾患 重症心不全 致死性不整脈 大動脈疾患 肺血栓塞栓症 劇症型心筋炎など あらゆる循環器救急疾患に 24 時間対応できる体制を整えており 内訳としては ( 図 2) に示すように心筋梗塞を含む冠動脈疾患 急性大動脈解離を含む血管疾患 心不全など

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平成26年患者調査 新旧対照表(案)


エントリーが発生 真腔と偽腔に解離 図 2 急性大動脈解離 ( 動脈の壁が急にはがれる ) Stanford Classification Type A Type B 図 3 スタンフォード分類 (A 型,B 型 ) (Kouchoukos et al:n Engl J Med 1997) 液が血管

対象疾患名及び ICD-10 コード等 対象疾患名 ( 診療行為 ) ICD-10 等 1 糖尿病 2 脳血管障害 3 虚血性心疾患 4 動脈閉塞 5 高血圧症 6 高尿酸血症 7 高脂血症 8 肝機能障害 9 高血圧性腎臓障害 10 人工透析 E11~E14 I61 I639 I64 I209 I

07佐渡

Microsoft PowerPoint 指標の定義[version1.4_1].ppt [互換モード]

■● 糖尿病

Microsoft PowerPoint - 2.医療費プロファイル 平成25年度(長野県・・

愛知県アルコール健康障害対策推進計画 の概要 Ⅰ はじめに 1 計画策定の趣旨酒類は私たちの生活に豊かさと潤いを与える一方で 多量の飲酒 未成年者や妊婦の飲酒等の不適切な飲酒は アルコール健康障害の原因となる アルコール健康障害は 本人の健康問題だけでなく 家族への深刻な影響や飲酒運転 自殺等の重大

3 成人保健

7 対 1 10 対 1 入院基本料の対応について 2(ⅲ) 7 対 1 10 対 1 入院基本料の課題 将来の入院医療ニーズは 人口構造の変化に伴う疾病構成の変化等により より高い医療資源の投入が必要となる医療ニーズは横ばいから減少 中程度の医療資源の投入が必要となる医療ニーズは増加から横ばいにな

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施設の種類別に年次推移をみると 入院では 病院は 8 年からほぼ横ばいであったが 20 年は減少しており 一般診療所は昭和 59 年から減少傾向にある 外来では 病院 一般診療所ともに 20 年は減少しており 歯科診療所は 14 年から増加傾向にある ( 図 1 統計表 1 2) 年齢階級別にみると

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

(2) 傷病分類別ア入院患者入院患者を傷病分類別にみると 多い順に Ⅴ 精神及び行動の障害 千人 Ⅸ 循環器系の疾患 千人 Ⅱ 新生物 千人となっている 病院では Ⅴ 精神及び行動の障害 千人 Ⅸ 循環器系の疾患 千人 Ⅱ 新生物 147.

Microsoft Word - 都道府県向け報告書

2 保険者協議会からの意見 ( 医療法第 30 条の 4 第 14 項の規定に基づく意見聴取 ) (1) 照会日平成 28 年 3 月 3 日 ( 同日開催の保険者協議会において説明も実施 ) (2) 期限平成 28 年 3 月 30 日 (3) 意見数 25 件 ( 総論 3 件 各論 22 件

脳卒中に関する留意事項 以下は 脳卒中等の脳血管疾患に罹患した労働者に対して治療と職業生活の両立支援を行うにあ たって ガイドラインの内容に加えて 特に留意すべき事項をまとめたものである 1. 脳卒中に関する基礎情報 (1) 脳卒中の発症状況と回復状況脳卒中とは脳の血管に障害がおきることで生じる疾患

第1章評価にあたって

脳血管疾患による長期入院者の受診状況~レセプトデータによる入院前から退院後5年間の受診の分析

ただ太っているだけではメタボリックシンドロームとは呼びません 脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子と TNF-αや IL-6 などという悪玉因子を分泌します 内臓肥満になる と 内臓の脂肪細胞から悪玉因子がたくさんでてきてしまい インスリン抵抗性につながり高血糖をもたらします さらに脂質異常症

資料4-1_保健医療計画(心血管疾患)300216

03 【資料1】急性期の診療提供体制構築に向けた考え方(案)_final

肥満者の多くが複数の危険因子を持っている 肥満のみ約 20% いずれか 1 疾患有病約 47% 肥満のみ 糖尿病 いずれか 2 疾患有病約 28% 3 疾患すべて有病約 5% 高脂血症 高血圧症 厚生労働省保健指導における学習教材集 (H14 糖尿病実態調査の再集計 ) より

地域医療構想の概要 1 地域医療構想の位置づけ 平成 25 年 3 月に 医療法に基づき 本県の疾病対策及び医療提供体制の基本方針である第 6 期岐阜県保健医療計画を策定した 平成 27 年 4 月に施行された改正医療法に基づき 保健医療計画の一部として 将来 (2025 年 ) あるべき医療提供体

2 1 心臓リハビリテーションプラン 従来の心疾患治療 心疾患発症 治癒 主治療 追加治療 心臓手術 薬物療法 カテーテル治療 オプション治療 リハビリテーション 高齢者 治療に伴い麻痺が生じた症例 社会復帰目的 ベッドコントロール目的 早期退院 これからの心疾患治療 心疾患発症 症状改善 予後改善

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体制強化加算の施設基準にて 社会福祉士については 退院調整に関する 3 年以上の経験を有する者 であること とあるが この経験は 一般病棟等での退院調整の経験でもよいのか ( 疑義解釈その 1 問 49: 平成 26 年 3 月 31 日 ) ( 答 ) よい 体制強化加算の施設基準にて 当該病棟に

リハビリテーションを受けること 以下 リハビリ 理想 病院でも自宅でも 自分が納得できる 期間や時間のリハビリを受けたい 現実: 現実: リ ビリが受けられる期間や時間は制度で リハビリが受けられる期間や時間は制度で 決 決められています いつ どこで どのように いつ どこで どのように リハビリ

脳卒中の医療連携体制を担う医療機関等における実績調査 調査内容 平成 28 年度の実績 ( 調査内容は別紙様式のとおり ) 別紙 1: 急性期の医療機能を有する医療機関用別紙 2: 急性期及び回復期の医療機能を有する医療機関用別紙 3: 回復期の医療機能を有する医療機関用別紙 4: 維持期の医療機能

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第 2 部 医療圏と基準病床数 ( 第 1 章医療圏 ) 第 2 部 医療圏と基準病床数 医療圏とは 地域の医療需要に対応して包括的な医療を提供していくための区域であり 具体的には 医療資源の適正な配置と医療提供体制の体系化を図るための 地域的単位のこ とです 医療圏は 医療法により 初期の診断 治

特定健康診査等実施計画(案)

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ウツタイン様式を活用した救命効果の検証

個人情報保護・情報管理・情報システム 平成22年度新採用職員合同オリエンテーション 平成22年4月2日(金) 14:40~15:50

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開発の背景 がんのみならず がんをはじめとする 7 大疾病 に対する十分な備えを提供することが必要と考え がん 急性心筋梗塞 拡張型心筋症 脳卒中 脳動脈瘤 慢性腎不全 肝硬変 糖尿病 高血圧性疾患 を幅広くまとまった一時金で保障する保険を開発いたしました < がんについて > 日本人が一生涯で が

高等学校「保健」補助教材「災害の発生と安全・健康~3.11を忘れない~」 第3章

< 糖尿病療養指導体制の整備状況 > 療養指導士のいる医療機関の割合は増加しつつある 図 1 療養指導士のいる医療機関の割合の変化 平成 20 年度 8.9% 平成 28 年度 11.1% 本糖尿病療養指導士を配置しているところは 33 医療機関 (11.1%) で 平成 20 年に実施した同調査

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1) 疾患別死亡数 死亡率 ( 七尾市 ) 死亡数 ( 総数 ) 資料 : 衛生統計報 死亡率 ( 総数 ) 人口 10 万対

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⑩-1【資料8カガミ】病床機能転換等の一覧

(2) レパーサ皮下注 140mgシリンジ及び同 140mgペン 1 本製剤については 最適使用推進ガイドラインに従い 有効性及び安全性に関する情報が十分蓄積するまでの間 本製剤の恩恵を強く受けることが期待される患者に対して使用するとともに 副作用が発現した際に必要な対応をとることが可能な一定の要件

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目次 1 目的 1 2 医療機関及び行政機関等との協力関係の確保 1 3 事業主体 1 (1) ドクターヘリ 1 (2) 防災消防ヘリ 1 4 定義 1 (1) ドクターヘリ基地病院 1 (2) 地域救急医療体制支援病院 1 (3) ヘリ救急搬送体制支援病院 2 (4) 出動区分 2 5 ドクターヘ

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「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

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ここが知りたい かかりつけ医のための心不全の診かた

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4 月 17 日 4 医療制度 2( 医療計画 ) GIO: 医療計画 地域連携 へき地医療について理解する SBO: 1. 医療計画について説明できる 2. 医療圏と基準病床数について説明できる 3. 在宅医療と地域連携について説明できる 4. 救急医療体制について説明できる 5. へき地医療につ

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平成 24 年度診療報酬説明会リハビリテーション関連 平成 24 年 4 月 21 日 公益社団法人 高知県理学療法士協会 医療部

医科診療報酬点数表関係 別添 1 在宅患者支援療養病床初期加算 在宅患者支援病床初期加算 問 1 療養病棟入院基本料の注 6の在宅患者支援療養病床初期加算及び地域包括ケア病棟入院料の注 5の在宅患者支援病床初期加算の算定要件に 人生の最終段階における医療 ケアの決定プロセスに関するガイドライン 等の

第2期データヘルス計画について

傷病者の搬送及び受入れ に関する実施基準 平成 22 年 3 月策定平成 26 年 3 月改正平成 27 年 7 月改正平成 29 年 9 月改正

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Microsoft PowerPoint - 資料3

PowerPoint プレゼンテーション

入院 2人に1人以上が日帰り入院を含む10日以内の入院 です 病気やケガによる 平均入院日数 2か月以上 不詳 31日 61日以内 日帰り入院 9.2% 5日以内 注 がんの再発率 34.1% Ⅱ期の胃がん 術後3年以内の再発率 57.0% Ⅱ期の子宮体がん 術後3年以内の再発率 11 Ⅱ期の大腸が

中間とりまとめ素案(公的賃貸住宅のあり方について)

死亡率 我が国における疾病構造 生活習慣病は死亡割合の約 6 割を占めている 我が国の疾病構造は感染症から生活習慣病へと変化 死因別死亡割合 ( 平成 24 年 ) 生活習

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Microsoft Word - 1 糖尿病とは.doc

4 年齢階級別の死因山形県の平成 28 年の死因順位は 20 歳から 34 歳までの各階級において自殺が1 位となっているほか 64 歳までの各階級においても死因順位の上位にあり おおむね全国と同様の傾向が見られます < 表 7> 年齢階級別の死因順位 死亡者数 ( 山形県 ) 年齢階級 総死亡者数

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平成 28 年 10 月 17 日 平成 28 年度の認定看護師教育基準カリキュラムから排尿自立指導料の所定の研修として認めら れることとなりました 平成 28 年度研修生から 排泄自立指導料 算定要件 施設基準を満たすことができます 下部尿路機能障害を有する患者に対して 病棟でのケアや多職種チーム

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Microsoft PowerPoint - ④-2【資料2 松田先生】

Ⅰ 開発の背景 当社では 平成 19 年 8 月から進めております ご契約内容確認活動 を通じて 特約数が多くて理解が難しい 支払い対象となる手術等の保障内容をもっとわかりやすくしてほしい など 商品に対してたくさんの お客様の声 をいただきました これらの声にお応えするため 平成 20 年 10

複製 転載禁止 The Japan Diabetes Society, 2016 糖尿病診療ガイドライン 2016 CQ ステートメント 推奨グレード一覧 1. 糖尿病診断の指針 CQ なし 2. 糖尿病治療の目標と指針 CQ なし 3. 食事療法 CQ3-2 食事療法の実践にあたっての管理栄養士に

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第4章:施策と目標 2:生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(3)糖尿病(4)COPD

はじめに第1章基本方針第2章岐阜市の現状第3章第4章第二次ぎふ市民健康基本計画の評価今後の取り組み第5章効果的な推進体制第6章参考資料7 第 3 章岐阜市の現状 1 岐阜市の人口統計 (1) 人口の推移 本市の人口は 昭和 60 年以降 減少傾向にあったものの 平成 18 年柳津町との合併により 一

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平成 29 年中の救急出動件数等 ( 速報値 ) の公表 平成 30 年 3 月 14 日 消防庁 平成 29 年中の救急出動件数等の速報値を取りまとめましたので公表します U 救急出動件数 搬送人員とも過去最多 平成 29 年中の救急自動車による救急出動件数は 634 万 2,096 件 ( 対前

目次 1. 目的 調査対象 調査方法 調査項目 結果... 3 (1) 回収の状況... 3 (2) 施設の状況 ( 平成 21 年 7 月 ) ) 施設種別 ) 許可病床数 ) 開設主体... 5

を増床しました 地域包括ケア病棟とは? 急性期後の受入れをはじめとする 地域包括ケアシステム を支える病棟です 急性期治療の後すぐの在宅や施設等での療養に不安があったり, もう少しの入院治療で社会復帰ができる患者さんのために退院支援を行います 当院では5 階全床を 地域包括ケア病棟 (60 床 )

1 疾患別医療費札幌市国保の総医療費に占める入院医療費では 悪性新生物が 21.2% 循環器疾患が 18.6% となっており 循環器疾患では 虚血性心疾患が 4.5% 脳梗塞が 2.8% を占めています 外来医療費では 糖尿病が 7.8% 高血圧症が 6.6% 脂質異常症が 4.3% となっています

上げてから実行する

正誤表 正誤箇所 誤 正 医科 - 基本診療料 -35/47 注 3 診療に係る費用 ( 注 2 及び注 4に規定する加算 注 3 診療に係る費用 ( 注 2 及び注 4に規定する加算 注の見直し 当該患者に対して行った第 2 章第 1 部医学管理等の 当該患者に対して行った第 2 章第 1 部医学

( 案 ) 今後の慢性閉塞性肺疾患 (COPD) の予防 早期発見のあり方について 平成 22 年 月 日 慢性閉塞性肺疾患 (COPD) の予防 早期発見に関する検討会 報告書

Transcription:

第 3 節心筋梗塞等の心血管疾患 現状と課題データ分析 心疾患の推計患者数 全国で 平成 27 年において救急車で搬送される患者の約 8.6% 約 30.2 万人が心疾患の患者であると推計されています ( 平成 28 年度版救急 救助の現況 ) また 全国で 平成 26 年度において継続的な治療を受けている患者数は 急性心筋梗塞 ( 1) 等の虚血性心疾患では約 78 万人 大動脈瘤及び大動脈解離 ( 2) では約 4.2 万人 心不全では約 30 万人と推計されています ( 平成 26 年患者調査 ) 心不全患者のうち 約 70% が 75 歳以上の高齢者となっております [ 用語解説 ] ( 1) 急性心筋梗塞 冠動脈の閉塞等によって心筋への血流が阻害され 心筋が壊死し心臓機能の低下が起 きる疾患 冠動脈の閉塞 ( 2) 大動脈解離 大動脈壁が二層に剥離し 動脈走行に沿って二腔 ( 真腔 偽腔 ) になった状態 解離に引き続く動脈の破裂による出血症状や 偽腔による動脈の狭窄 閉塞による臓器 虚血症状等様々な症状を呈する 大動脈の解離 - 99 -

心疾患患による死亡亡数等 平成 28 年において 全国国で約 20 万人が心疾疾患を原因として死亡しており 死死亡数全体の 15.2% を占占め 死亡順順位の第 2 位であります このうち本県の死亡死亡数は 1,324 人となっています 本県県の死亡率 ( 人口 10 万対 ) は 概概ね全国より高い値で推推移しております ( 単位 : 人 人口 10 万対 ) 平成 24 25 26 27 28 心疾患患死亡数 ( 山梨県 ) 1,417 1,276 1,363 1,306 1,325 心疾患患死亡率 ( 山梨県 ) 168.5 152.6 164..2 158.5 162.0 心疾患患死亡率 ( 全国 ) 157.9 156.5 157..0 156.5 158.4 資料 : 人口動態調調査 ( 厚生労働働省 ) - 100 -

心疾患の年齢調整死亡率 死亡率は年齢構成の影響を受けるため 年齢構成を調整した年齢調整死亡率を用いて比較してみると 平成 27 年の本県は 男女とも 前回 ( 平成 22 年 ) より低下し 全国平均を下回っています 100.0 心疾患の年齢調整死亡率 90.0 80.0 70.0 60.0 50.0 40.0 30.0 20.0 平成 17 22 27 65.4 54.3 34.2 29.5 男性 ( 山梨県 ) 男性 ( 全国 ) 女性 ( 山梨県 ) 女性 ( 全国 ) ( 単位 : 人口 10 万対 ) 平成 17 22 27 山梨県 全国 山梨県 全国 山梨県 全国 年齢調整死亡率 ( 男性 ) 89.8 83.7 70.4 74.2 54.3 65.4 年齢調整死亡率 ( 女性 ) 50.9 45.3 42.6 39.7 29.5 34.2 資料 : 人口動態特殊報告 - 101 -

急性心筋梗塞の年齢調整死亡率 一方 平成 27 年の本県の急性心筋梗塞の年齢調整死亡率をみてみると 男女とも 前回 ( 平成 22 年 ) より低下してはおりますが 全国平均を上回っている状況にあります 35.0 急性心筋梗塞の年齢調整死亡率 30.0 25.0 20.0 15.0 10.0 5.0 0.0 17.7 16.2 平成 17 22 27 6.8 6.1 男性 ( 山梨県 ) 男性 ( 全国 ) 女性 ( 山梨県 ) 女性 ( 全国 ) ( 単位 : 人口 10 万対 ) 平成 17 22 27 山梨県 全国 山梨県 全国 山梨県 全国 年齢調整死亡率 ( 男性 ) 29.4 25.9 22.6 20.4 17.7 16.2 年齢調整死亡率 ( 女性 ) 15.9 11.5 10.2 8.4 6.8 6.1 資料 : 人口動態特殊報告 医療従事者等 峡南医療圏 富士 東部医療圏は他の医療圏に比べて医療従事者 医療設備等が少ない傾向にあり 適切な医療を提供するためには全県における連携体制の構築が求められます - 102 -

予防 急性心筋梗塞等の危険因子は 高血圧 脂質異常症 喫煙 糖尿病 肥満 メタボリックシンドローム ストレスなどであり 発症の予防には生活習慣の改善や基礎疾患の適切な治療が必要です そのためには 食塩摂取や喫煙の影響 継続的な運動習慣の重要性などについての知識 基礎疾患についての知識を普及啓発する必要があります 救護 急性心筋梗塞等を疑うような病状が出現した場合 本人及び家族等周囲にいる人は速やかに救急要請を行う必要があります 発症直後に病院外で心肺停止状態となった場合 周囲にいる人や救急救命士等による心肺蘇生の実施及び自動体外式除細動器 (AED) の使用により 救命率の改善が見込まれます このため 初期症状出現時における対応について 教育 啓発を行う必要があります 急性期 患者の来院後速やかに初期治療を開始するとともに 30 分以内に専門的な治療を開 始することが必要です 回復期 多職種チームが退院前から退院後にわたり 医学的評価 患者教育 生活指導を包括的かつ計画的に実施し 再入院抑制を含む予後改善を図るための心血管疾患リハビリテーションを実施していく必要があります 再発予防 基礎疾患 危険因子の管理 本人及び家族等などへの教育 在宅療養を継続できる ような支援などが求められています 圏域の設定 峡南医療圏 富士 東部医療圏は他の医療圏に比べて医療従事者 医療設備等が少ない傾向にあり 適切な医療を提供するためには全県における連携が求められることから 山梨県全域を一区域として圏域を設定します - 103 -

施策の展開予防の推進 急性心筋梗塞等の危険因子である 高血圧 脂質異常症 喫煙 糖尿病 肥満などに関する正しい知識の普及啓発を関係機関とともに推進します 市町村 保険者などと連携し 健診 保健指導を通じ 要医療者 要精密検査者に対する医療機関への受診の勧奨を行います AED の普及啓発 AED による救命措置についての知識 技術の普及啓発を図るため 消防機関に対し 講習会を積極的に実施するよう促します 設置者が ( 一財 ) 日本救急医療財団に対して情報の登録を行った後 財団のホームページに設置場所が掲載されますので 県のホームページを通じてその旨を周知していきます 財団の登録制度に未登録の設置者に対して 積極的に登録するよう制度の普及促進を図ります 救急搬送体制の確保 傷病者の搬送及び受入れの実施に関する基準 に基づき 適切な医療機関へ迅速 に搬送される体制の更なる充実を目指します 医療機能の分化 連携の推進 疾病 機能等ごとに求められる診療 処置などについて明確にしたうえで それぞれの機能を担う医療機関の名称をわかりやすく示していきます 円滑で適切な退院支援が行われ 多職種による包括的な医療が提供されることにより 患者が在宅療養を継続できるような体制づくりを行います - 104 -

数値目標 目標項目等 現状 平成 35 年度目標 成人の喫煙率 19.6%(H26) 13.9% 食塩摂取量 10.5g(H26) 8.0g 心疾患死亡率 ( 人口 10 万対 ) 162.0(H28) 158.2 急性心筋梗塞の年齢調整死亡率 ( 人口 10 万対 ) 男性 17.7(H27) 13.6 女性 6.8(H27) 4.6-105 -

< 巻末データ > 現状の把握 心血管疾患 No. 指標名調査名等調査年全国山梨県二次医療圏単位現状の分析中北峡東峡南富士 東部 1 禁煙外来を行っている医療機関数 一般診療所 ( 禁煙外来 有 の施設数 ) 医療施設調査 H26 12,697 92 60 15 4 13 施設 10.3 10.7 12.7 10.5 7.0 6.9 ( 人口 10 万対 県全体では 全国を上回っている 中北 峡東医療圏は 全国を上回っているが 峡南 富士東部医療圏は下回っている 病院 ( 禁煙外来 有 の施設数 ) 2,410 13 4 2 2 5 施設 2.3 1.5 0.8 1.4 3.5 2.7 ( 人口 10 万対 峡南 富士東部医療圏は 全国を上回っているが 中北 峡東医療圏は下回っている 2 循環器内科医師数 心臓血管外科医師数 循環器内科 医師 歯科医師 薬剤師調査 H26 11,992 71 46 12 2 11 人 9.3 8.2 9.7 8.4 3.5 5.8 ( 人口 10 万対 中北医療圏は 全国を上回っているが 峡東 峡南 富士東部医療圏は下回っている 心臓血管外科 3,048 22 14 4 0 4 人 2.4 2.6 3.0 2.8 0.0 2.1 ( 人口 10 万対 県全体では 全国を上回っている 中北 峡東医療圏は 全国を上回っているが 富士東部医療圏は 下回っており 峡南医療圏では 該当医師がいない 心臓内科系集中治療室 (CCU) を有する 3 病院数 病床数 CCU を有する施設数 医療施設調査 H26 323 1 1 0 0 0 施設 0.2 0.1 0.2 0.0 0.0 0.0 ( 人口 10 万対 CCU 病床数 1,759 7 7 0 0 0 床 1.2 0.8 1.5 0.0 0.0 0.0 ( 人口 10 万対 いずれも県全体では 全国を下回っている 中北医療圏を除き CCU を有する病院はない 4 心臓血管外科手術が実施可能な病院数 NDB H27 - - 3-0 0 施設ナショナルデータベース 国の提供データ不足のため現状把握不能 - - 0.6-0.0 0.0 ( 人口 10 万対 心血管疾患リハビリテーションが実施可能 5 な医療機関数 心大血管リハビリテーション料 (Ⅰ) 診療報酬施設基準 H28 989 3 2 1 0 0 施設 0.9 0.4 0.4 0.7 0.0 0.0 ( 人口 10 万対 峡東医療圏は 全国を上回っているが 中北医療圏は全国並み 峡南 富士東部医療圏では 該当施設なし 6 喫煙率男性 心大血管リハビリテーション料 (Ⅱ) 156 1 0 1 0 0 施設 国民生活基礎調査 0.2 0.1 0.0 0.7 0.0 0.0 ( 人口 10 万対 H25 33.7 36.5 % 女性 10.7 11.3 % NDB 7 ニコチン依存症管理料を算定する患者数 ナショナルデータベース H27 520,837 3,281 2,033 555 151 542 人 403.2 383.5 431.8 392.3 268.1 290.1 ( 人口 10 万対 峡東医療圏は 全国を上回っているが 中北 峡南 富士東部医療圏では 該当施設なし 男性 女性とも全国を上回っている 中北 峡東医療圏は 全国を上回っているが 峡南 富士東部医療圏は下回っている 8 健康診断の受診率 9 高血圧性疾患患者の年齢調整外来受療率 国民生活基礎調査 患者調査 H25 66.2 71.1 % 全国を上回っている H26 262.2 265.1 人口 10 万対 全国を上回っている 資料編 2-9

< 巻末データ > 現状の把握 心血管疾患 No. 指標名調査名等調査年全国山梨県二次医療圏単位現状の分析中北峡東峡南富士 東部患者調査 10 脂質異常症患者の年齢調整外来受療率 H26 67.5 61.3 人口 10 万対 全国を下回っている 救急 救助の現況 11 心肺機能停止傷病者 ( 心肺停止患者 ) 全搬送人員のうち 一般市民により除細動が実施された件数 ( 消防庁 ) H26 35.4 15.0 件 実数のため 単純比較不可 12 急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈インターべーションの実施件数 NDB H27 219,623 996 771 60 0 165 件 ナショナルデータベース 全ての医療圏において 全国を下回っており 169.3 116.4 163.7 42.4 0.0 88.3 ( 人口 10 万対峡南医療圏では 実績なし 13 来院後 90 分以内の冠動脈再開通達成率 H27 28,566 231 191 10 0 30 件 県全体では 全国を上回っている NDB 中北医療圏は 全国を大幅に上回っているが ナショナルデータベース峡東 富士東部医療圏は 全国を下回り 峡南医 23.1 27.0 40.6 7.1 0.0 16.1 ( 人口 10 万対療圏では 実績なし 14 虚血性心疾患に対する心臓血管外科手術件数 NDB H27 - - 76-0 0 件ナショナルデータベース 国の提供データ不足のため現状把握不能 - 8.9 16.1-0.0 0.0 ( 人口 10 万対 15 入院心血管疾患リハビリテーションの実施件数 NDB H27 193,576 572 423 149 0 0 件 ナショナルデータベース 中北 峡東医療圏は 全国を下回っており 峡 157.9 66.9 89.9 105.3 0.0 0.0 ( 人口 10 万対南 富士東部医療圏では 実績なし 16 外来心血管疾患リハビリテーションの実施件数 NDB H27 138,277 340 305 35 0 0 件 ナショナルデータベース 中北 峡東医療圏は 全国を下回っており 峡 100.2 39.7 64.8 24.7 0 0 ( 人口 10 万対南 富士東部医療圏では 実績なし 17 虚血性心疾患により救急搬送された患者数 18 救急要請 ( 覚知 ) から医療機関への収容までに要した平均時間 19 虚血性心疾患により救急搬送された患者の圏域外への搬送率 患者調査 救急 救助の現状 ( 消防庁 ) H26 0.0 0.0 0.0 0.1-0.1 0.1 千人 ( 人口 10 万対 ) 国の提供データ不足のため現状把握不能 H26 39.4 38.8 分 全国を下回っている 国の提供データ不足のため現状把握不能 20 退院患者平均在院日数 患者調査 H26 9.1 10.7 12.3 10.2 41.0 3.5 日 県全体では 全国を上回っている 中北 峡東 峡南医療圏は 全国を上回っており 富士東部医療圏は 下回っている 21 在宅等生活の場に復帰した患者の割合 患者調査 H26 92.9 95.3 95.1 100.0 40.0 97.2 % 県全体では 全国を上回っている 中北 峡東 富士東部医療圏は 全国を上回っており 峡南医療圏は 下回っている 22 虚血性心疾患患者の年齢調整死亡率男性 H27 31.3 24.6 人口 10 万対人口動態特殊報告 男女ともに全国平均を下回っている 女性 H27 11.8 8.8 人口 10 万対 資料編 2-10