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70% の患者は 20 歳未満で 30 歳以上の患者はまれです 症状は 病巣部位の間欠的な痛みや腫れが特徴です 間欠的な痛みの場合や 骨盤などに発症し かなり大きくならないと触れにくい場合は 診断が遅れることがあります 時に発熱を伴うこともあります 胸部に発症するとがん性胸水を伴う胸膜浸潤を合併する

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

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1. はじめに ステージティーエスワンこの文書は Stage Ⅲ 治癒切除胃癌症例における TS-1 術後補助化学療法の予後 予測因子および副作用発現の危険因子についての探索的研究 (JACCRO GC-07AR) という臨床研究について説明したものです この文書と私の説明のな かで わかりにくいと

医科_第20次(追加)審査情報提供(広報用)

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

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「             」  説明および同意書

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1)表紙14年v0

表面から腫れがわかりにくいため 診断がつくまでに大きくなっていたり 麻痺が出るまで気付かれなかったりすることも少なくありません したがって 痛みがずっと続く場合には要注意です 2. 診断診断にはレントゲン撮影がもっとも役立ちます 骨肉腫では 膝や肩の関節に近い部分の骨が虫に食べられたように壊されてい

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 の相対生存率は 1998 年以降やや向上した 日本で

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1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( / ) 上記外来の名称 ストマ外来 対象となるストーマの種類 コロストーマとウロストーマ 4 大腸がん 腎がん 膀胱がん ストーマ管理 ( 腎ろう, 膀胱ろう含む ) ろう孔管理 (PEG 含む ) 尿失禁の管理 ストーマ外

第15回日本臨床腫瘍学会 記録集

ける発展が必要です 子宮癌肉腫の診断は主に手術進行期を決定するための子宮摘出によって得られた組織切片の病理評価に基づいて行い 組織学的にはいわゆる癌腫と肉腫の2 成分で構成されています (2 近年 子宮癌肉腫は癌腫成分が肉腫成分へ分化した結果 組織学的に2 面性をみる とみなす報告があります (1,

がん化学 ( 放射線 ) 療法レジメン申請書 記載不備がある場合は審査対象になりません * は記入不要です 申請期日 2013/6/17 受付番号 診療科名 脳神経外科 がん腫 ( コード ) 診療科長名 申請医師名 レジメン登録ナンバー 登録申請日 審査区分 ( 下記をチェックしてください ) 登

2013 年 4 月 8 日 ver 改訂 JCOG 効果 安全性評価委員会承認 4 月 8 日発効 2013 年 8 月 2 日 ver 改訂 JCOG 効果 安全性評価委員会承認 8 月 2 日発効 2014 年 8 月 13 日 ver. 1.1 改訂 JCOG 効果

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10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1

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減量・コース投与期間短縮の基準

手術を支持する根拠とされていた また 非治癒因子が 1 つである患者が減量手術の良い対象と報告された しかしながら それらの報告には PS が良く合併症が少なく腫瘍量が少ない患者に好んで減量手術が行われている selection bias が明らかに存在し 化学療法単独でも か月の予後が

9章 その他のまれな腫瘍

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学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

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【座長】先進医療総括報告書(旧告示B53金大131)

診療科 血液内科 ( 専門医取得コース ) 到達目標 血液悪性腫瘍 出血性疾患 凝固異常症の診断から治療管理を含めた血液疾患一般臨床を豊富に経験し 血液専門医取得を目指す 研修日数 週 4 日 6 ヶ月 ~12 ヶ月 期間定員対象評価実技診療知識 1 年若干名専門医取得前の医師業務内容やサマリの確認

が 6 例 頸部後発転移を認めたものが 1 例であった (Table 2) 60 分値の DUR 値から同様に治療後の経過をみると 腫瘍消失と判定した症例の再発 転移ともに認めないものの DUR 値は 2.86 原発巣再発を認めたものは 3.00 頸部後発転移を認めたものは 3.48 であった 腫瘍

1. Caov-3 細胞株 A2780 細胞株においてシスプラチン単剤 シスプラチンとトポテカン併用添加での殺細胞効果を MTS assay を用い検討した 2. Caov-3 細胞株においてシスプラチンによって誘導される Akt の活性化に対し トポテカンが影響するか否かを調べるために シスプラチ

関係があると報告もされており 卵巣明細胞腺癌において PI3K 経路は非常に重要であると考えられる PI3K 経路が活性化すると mtor ならびに HIF-1αが活性化することが知られている HIF-1αは様々な癌種における薬理学的な標的の一つであるが 卵巣癌においても同様である そこで 本研究で

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

査を実施し 必要に応じ適切な措置を講ずること (2) 本品の警告 効能 効果 性能 用法 用量及び使用方法は以下のとお りであるので 特段の留意をお願いすること なお その他の使用上の注意については 添付文書を参照されたいこと 警告 1 本品投与後に重篤な有害事象の発現が認められていること 及び本品

JCOG1404

膵臓癌について

( 様式甲 5) 氏 名 渡辺綾子 ( ふりがな ) ( わたなべあやこ ) 学 位 の 種 類 博士 ( 医学 ) 学位授与番号 甲 第 号 学位審査年月日 平成 27 年 7 月 8 日 学位授与の要件 学位規則第 4 条第 1 項該当 学位論文題名 Fibrates protect again

レジメン名抗がん剤 ( 一般名 ) 抗がん剤 ( 商品名 ) 用量用法 1 クール適応 シタラビン (AraC) キロサイド注 75mg/ m2 静脈内注射 day 36, 1013, 17 20, メルカプトプリン (6MP) ロイケリン散 60mg/

小児がん中央機関からの報告 1 情報提供 ( 院内がん登録 ) 国立がん研究センターがん対策情報センター センター長若尾文彦 1

法医学問題「想定問答」(記者会見後:平成15年  月  日)

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第71巻5・6号(12月号)/投稿規定・目次・表2・奥付・背

上原記念生命科学財団研究報告集, 31 (2017)

Japan Study Group for Cell Therapy and Transplantation(JSCT) 造血器腫瘍分科会 JSCT NHL04 びまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫に対する Rituximab を併用した Biweekly CHOP 療法および大量化学療法 + 自家

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革新的がん治療薬の実用化を目指した非臨床研究 ( 厚生労働科学研究 ) に採択 大学院医歯学総合研究科遺伝子治療 再生医学分野の小戝健一郎教授の 難治癌を標的治療できる完全オリジナルのウイルス遺伝子医薬の実用化のための前臨床研究 が 平成 24 年度の厚生労働科学研究費補助金 ( 難病 がん等の疾患

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群馬大学人を対象とする医学系研究倫理審査委員会 _ 情報公開 通知文書 人を対象とする医学系研究についての 情報公開文書 研究課題名 : がんサバイバーの出産の実際調査 はじめに近年 がん治療の進歩によりがん治療後に長期間生存できる いわゆる若年のがんサバイバーが増加しています これらのがんサバイバ

10 年相対生存率 全患者 相対生存率 (%) (Period 法 ) Key Point 1 10 年相対生存率に明らかな男女差は見られない わずかではあ

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これまで, 北海道大学動物医療センターの高木哲准教授, 同大学院獣医学研究院の今内覚准教授及び賀川由美子客員教授らは, イヌの難治性の腫瘍においても PD-L1 が頻繁に発現していることを報告してきました そこで, イヌの腫瘍治療に応用できる免疫チェックポイント阻害薬としてラット -イヌキメラ抗 P

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

平成 28 年度診療報酬改定情報リハビリテーション ここでは全病理に直接関連する項目を記載します Ⅰ. 疾患別リハビリ料の点数改定及び 維持期リハビリテーション (13 単位 ) の見直し 脳血管疾患等リハビリテーション料 1. 脳血管疾患等リハビリテーション料 (Ⅰ)(1 単位 ) 245 点 2

要望番号 ;Ⅱ-286 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 要望者 ( 該当するものにチェックする ) 学会 ( 学会名 ; 特定非営利活動法人日本臨床腫瘍学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 優先順位 33 位 ( 全 33 要望

セッション 6 / ホールセッション されてきました しかしながら これらの薬物療法の治療費が比較的高くなっていることから この薬物療法の臨床的有用性の評価 ( 臨床的に有用と評価されています ) とともに医療経済学的評価を受けることが必要ではないかと思いまして この医療経済学的評価を行うことを本研

JCOG0910総括報告書

別添 1 抗不安薬 睡眠薬の処方実態についての報告 平成 23 年 11 月 1 日厚生労働省社会 援護局障害保健福祉部精神 障害保健課 平成 22 年度厚生労働科学研究費補助金特別研究事業 向精神薬の処方実態に関する国内外の比較研究 ( 研究代表者 : 中川敦夫国立精神 神経医療研究センタートラン

8 整形外科 骨肉腫 9 脳神経外科 8 0 皮膚科 皮膚腫瘍 初発中枢神経系原発悪性リンパ腫 神経膠腫 脳腫瘍 膠芽腫 頭蓋内原発胚細胞腫 膠芽腫 小児神経膠腫 /4 別紙 5( 臨床試験 治験 )

018_整形外科学系

KCOG 提案 Intergroup study KCOG-G0902s 子宮頸部小細胞癌に対する治療法 予後についての後方視的研究 PI: 久慈志保 Dr. ( 静岡がんセンター ) KCOG-G0903 婦人科悪性腫瘍術後に行うエノキサパリンナトリウムの臨床第 Ⅱ 相試験 PI: 高橋伸卓 Dr

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

を優先する場合もあります レントゲン検査や細胞診は 麻酔をかけずに実施でき 検査結果も当日わかりますので 初診時に実施しますが 組織生検は麻酔が必要なことと 検査結果が出るまで数日を要すること 骨腫瘍の場合には正確性に欠けることなどから 治療方針の決定に必要がない場合には省略されることも多い検査です

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

がん化学(放射線)療法レジメン申請書

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3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

ていない 委員長より委員について当事者および COI 確認を行い 臨床研究法の委員会構成要件を満たしていることが確認された 疾患専門家の技術専門員は 早期がんもしくは疑いの患者に対して プローブ型共焦点レーザー顕微内視鏡というものを使って 生体内で腫瘍 非腫瘍を鑑別する病理診断に近いことができるかと

博士学位申請論文内容の要旨

葉酸とビタミンQ&A_201607改訂_ indd


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抗悪性腫瘍薬の開発における臨床試験エンドポイント 一般的には, 全生存期間 (OS) が真のエンドポイントとして考えられている. OS の定義 : ランダム化からあらゆる原因による死亡までの期間 OS を主要評価項目とした臨床試験を実施する場合, がん腫によっては, 非常に試験期間が長くなってしまう

博士の学位論文審査結果の要旨

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

7. 脊髄腫瘍 : 専門とするがん : グループ指定により対応しているがん : 診療を実施していないがん 別紙 に入力したが反映されています 治療の実施 ( : 実施可 / : 実施不可 ) / 昨年の ( / ) 集学的治療 標準的治療の提供体制 : : グループ指定により対応 ( 地域がん診療病

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核医学画像診断 第36号

第 1 章 がん治療に関わるすべての薬剤師が知っておきたいこと 1 がん治療の基本 Key Points がんの診断には確定診断と病期診断がある がんの病期ごとに治療法を選択する 治療の目的を認識し, 治療の適応を見極める 薬物療法を行う前に説明と同意を得, 標準治療を行う 高齢者, 臓器障害合併,

診療情報を利用した臨床研究について 虎の門病院肝臓内科では 以下の臨床研究を実施しております この研究は 通常の診療で得られた記録をまとめるものです この案内をお読みになり ご自身がこの研究の対象者にあたると思われる方の中で ご質問がある場合 またはこの研究に 自分の診療情報を使ってほしくない とお

鑑-H リンゼス錠他 留意事項通知の一部改正等について

6 月 25 日胸腺腫 胸腺がん患者の情報交換会 & 勉強会質疑 応答 奥村教授にお聞きしたいこと 奥村教授の話 1 特徴 (1) 胸腺腫 胸腺がん カルチノイドの違いについて 胸腺腫はがんの種類か 病理学的には胸腺腫はがんではなくて正常と区別つかず機能を残したまま腫瘍化したもの 一部 転移するもの

日本内科学会雑誌第96巻第4号

の主要な治療薬として日本ならびに世界で広く使用されている MTX の使用により 関節リウマチの臨床症状の改善 関節破壊進行抑制 QOL 改善のみならず 生命予後の改善や心血管合併症リスクが軽減されることが示されており 現在の関節リウマチ治療においては必要不可欠な薬剤である 1990 年前後から MT

Microsoft Word - JCOG9906総括報告書081215_m KN【福田加筆】

バイエルのダロルタミド+アンドロゲン遮断療法(ADT)、非転移性去勢抵抗性前立腺癌においてプラセボ+ADT と比較して無転移生存期間を有意に延長し安全性プロファイルも良好

課題名

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最終解析と総括報告書

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

大腸癌術前化学療法後切除標本を用いた免疫チェックポイント分子及び癌関連遺伝子異常のプロファイリングの研究 

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厚生労働科学研究費補助金 ( 医療技術実用化総合研究事業 ) 高悪性度骨軟部腫瘍に対するカフェイン併用化学療法の臨床使用確認試験 研究代表者 : 土屋弘行金沢大学大学院医学系研究科 医薬保健学域医学類がん医科学専攻機能再建学講座 ( 整形外科 )

高悪性度骨軟部腫瘍に対して有効とされる薬剤は限られており ( アドリアマイシン イホマイド シスプラチン メソトレキセート ) 現在はこれらの薬剤を組み合わせた治療が試みられているが 5 年生存率は骨腫瘍で約 70%(Cancer 2006;106:1154-61) 軟部腫瘍で約 60% (Ann Surg 2004;240:686-95) と概ね頭打ちであり 新たな治療が必要である

カフェインについてカフェインの抗腫瘍効果については 1981 年 Bayfield らにより初めて DNA 修復阻害作用を呈すると報告されている (Br J Cancer 1981;43:669-83) 本研究申請者の土屋は 1986 年より研究に取り組み カフェインが DNA 合成阻害作用を有する制癌剤の効果を増強することから肉腫に対する化学療法の効果増強補助剤である可能性を見出した ( 癌と化学療法 1987;14:2269-75) 臨床では 金沢大学では 1989 年より高悪性度骨軟部腫瘍において臨床試験を行っており 骨腫瘍 (Clin Orthop Relat Res 1999;358:27-35 など ) 軟部腫瘍 (Anticancer Res 2007;27:3489-95 など ) での有効性を報告してきた

目的 高悪性度骨軟部腫瘍に対するカフェイン併用化学療法の有効性と安全性を多施設共同研究により確認する 平成元年金沢大学でカフェイン併用化学療法をはじめる 平成 15 年 12 月高度先進医療に認可 平成 18 年 10 月健康保険法の一部改正適応外技術を保険診療との併用を行うためには 臨床的な使用確認試験 を実施することが必要となった 平成 19 年度厚生労働科学研究費補助金による医療技術実用化総合研究事業として採択され 3 年計画で多施設共同で確認試験を行う

骨腫瘍 A 3 コース A 3 コース 軟部腫瘍 画像検査による効果判定 画像検査による効果判定 有無 A 2コース効 B 2 効コース画像検査による効果判定手術 有無 A 2コース効 B 2 効コース 画像検査による効果判定 手術 病理検査による効果判定 病理検査による効果判定 術前 A で治療し 術前化学療法が有効 A と C を交互に 3 コース計 6 コース 術前 A で治療し 術前化学療法が無効または術前 B で治療 B と C を交互に 3 コース計 6 コース 術前 A で治療し 術前化学療法が有効 A 3+D 3 コース計 6 コース 術前 A で治療し 術前化学療法が無効または術前 B で治療 B 6 コース A: シスプラチン (120mg/m 2 / 日 1 日,4 時間 ), アドリアマイシン (30mg/m 2 / 日 2 日,1 時間以上 ), カフェイン (1500mg/m 2 日 3 日, 24 時間 ) B: イホマイド (3g/m 2 / 日 3 日,3 時間以上 ), エトポシド (60mg/m 2 / 日 3 日,1 時間 ), カフェイン (1500mg/m 2 / 日 3 日, 24 時間 ) C: メソトレキセート (12g/m 2 / 日 1 日, 5 時間 ), ビンクリスチン (1.5mg/m 2 / 日 ( 最大 2.0mg), 1 日, 静注 ) D: シスプラチン (120mg/m 2 / 日 1 日, 4 時間 ), カフェイン (1500mg/m 2 日 3 日, 24 時間 ) *A は術前は静脈内投与もしくは動脈内投与 それ以外はすべて静脈内投与 ** すべてのレジメで 1 コースは 3 週間

切開生検 病理診断 症例登録 化学療法 A コース効果がなければ B コースに変更 画像検査手術 病理診断 プロトコ ル 化学療法の組み合わせ A: シスプラチン, アドリアマイシン, カフェイン B: イホマイド, エトポシド, カフェイン C: メソトレキセート, ビンクリスチン D: シスプラチン, カフェイン 術後化学療法 (A~D: 次項 ) Primary endpoint の解析 : 術前化学療法の奏効割合 ( 画像評価 組織学的評価 ) Secondary endpoint の解析 :2 年無増悪生存割合 無病悪生存期間 全生存期間 有害事象発生割合

現在の登録症例数 骨腫瘍 軟部腫瘍 H19 7 4 H20 13 16 H21 25 14 計 45 34 登録期間 H19 年 12 月 ~22 年 3 月 予定登録症例数 : 骨腫瘍 50 例 軟部腫瘍 50 例

骨腫瘍 軟部腫瘍 登録症例数 45 例 34 例 背景因子年齢 平均 30.0 歳 (7~76) 45.5 歳 (6~74) SD 19.9 16.9 性別 男性 25 例 (56%) 21 例 (62%) 女性 20 例 (44%) 13 例 (38%) 治療経過 経過報告提出症例 ( 治療プロトコール終了 ) 23 例 17 例 治療中または報告書未提出 21 例 10 例 不適格 1 例 7 例

経過報告提出症例 ( 治療プロトコール終了 ) 骨腫瘍 23 例 軟部腫瘍 17 例 骨腫瘍 軟部腫瘍 組織型 骨肉腫 21 例骨平滑筋肉腫 1 例未分化肉腫 1 例 脂肪肉腫 3 平滑筋肉腫 4 滑膜肉腫 1 淡明細胞肉腫 2 ユーイング肉腫 1 未分化肉腫 2 類上皮肉腫 1 横紋筋肉腫 1 MPNST 1 骨外性骨肉腫 1 stage 転移なし 19 例 14 例 転移あり 4 例 3 例

骨腫瘍 23 症例 術前化学療法 (IE プロートコールへ 7 例 ) CDDP+ADM 102 回平均 4.4 回 IFO+VP-16 13 回平均 0.6 回 MTX 3 回 ( 重粒子例 ) 術後 12xAP 9xIE 2xなし CDDP+ADM 26 回平均 1.2 回 IFO+VP-16 31 回平均 1.5 回 MTX 16 回平均 0.8 回 軟部腫瘍 17 症例 術前化学療法 (IE プロートコールへ 9 例 ) CDDP+ADM 69 回平均 4.1 回 IFO+VP-16 16 回平均 0.9 回 術後 3xAP 12x IE 2xなし CDDP+ADM 8 回平均 0.5 回 IFO+VP-16 37 回平均 2.2 回

不適合骨腫瘍 1 例軟部腫瘍 7 例をのぞく 術前画像効果 骨腫瘍 軟部腫瘍 PD(progressive disease: 無効 ) 1 例 0 例 NC(no change: 無効 ) 10 例 5 例 PR(partial response: 有効 ) 7 例 10 例 CR(complete response: 有効 ) 5 例 2 例 組織学的評価 有効率 12/23 12/17(70%) Grade0( 無効 ) 1 例 5 例 Grade1( 無効 ) 6 例 3 例 Grade2( 有効 ) 9 例 5 例 Grade3( 有効 ) 6 例 2 例 有効率 15/22(68%) 7/15(47%) 画像 or 組織で有効 12/17(70%)

安全性の評価 治療関連死 なし 最終治療から 30 日以内または治療中の死亡 なし 有害事象 (CTCAE v3.0 日本語訳 JCOG/JSCO 版 ) 経過報告提出 40 症例 次項

全 40 例 Grade3 Grade4 Grade3&4 %Grade3&4 Hematologic Leukocytes 11 25 36 90% Hemoglobin 8 12 20 50% Platelets 6 18 24 60% Electrolyte metabolism Sodium 9 9 23% Potassium 12 2 14 35% Magnesium 5 5 13% Hepatic 0 0% Renal 1 1 2 5% GI 8 8 20% Cardiac 1 1 3% Nervous 3 1 4 10%

術前化学療法の奏効割合 Local response grade2&3= 42% 本研究 68% 5y EFS 65% OS 78% (IIB) Protocol complete% 旧 44%( 血液毒性 ), 新 68%( 患者拒否 ) 2010 年骨軟部腫瘍学会金沢大学カフェイン併用化学療法骨肉腫 (IIB) 38 例局所奏効率 84.2% 5 年 EFS 73.7% OS 92.1%

軟部腫瘍 術前化学療法の奏効割合 Partial response (PR) rate of 34% in radiographic response Meric F: Cancer 95:1120-1126, 2002. 本研究 70% 金沢大学でのデータ The total clinical response rate was 78.2% Anticancer Res 2007;27:3489-95

サブグループ解析 性別 年齢群別 Site 別 Size 別 ALP 別 Meta 別 Meta Site 別 Survival 治療開始後 2 年で以下の集計予定 Event free survival Local relapse, Metastatic relapse, Second malignancy, Toxic death Overall survival Cause of death, Disease progression, Second malignancy などに分類