第 3 学年 1 組数学科学習指導案 日時平成 24 年 11 月 12 日 ( 月 ) 第 5 校時場所南阿蘇村立久木野中学校 3 年教室指導者南阿蘇村立久木野中学校教諭永石進 1 題材名 相似な図形 ( 中学校数学 3 P.122) 図形 B(1)-オ 2 題材について (1) 題材観本題材では 中学校学習指導要領の第 3 学年の目標 (2) 図形の相似 円周角と中心角の関係や三平方の定理について 観察 操作や実験などの活動を通して理解し それらを図形の性質の考察や計量に用いる能力を伸ばすとともに 図形について見通しをもって論理的に考察し表現する力を伸ばす を受け 内容 B 図形 (1) オ 相似な図形の性質を具体的な場面で活用すること をねらいとしている 日常生活の中で 大きさは違うが形は同じ という場面は多く見受けられるが 形が同じ というのは数学における定義では 曖昧さが残る そこで 小学校で学習した拡大や縮小の概念をもとに 図形を操作的 直感的に捉える理解から 辺や角に着目した論理的な理解へとつなげていくことで 相似の意味の理解を深めていく また 本題材では 2 年生までに学習した三角形の合同条件を用いた図形の論証を基に 三角形の相似条件などを用いて図形の性質を論理的に確かめることを通して 数学的に推論する能力を伸ばすことがねらいである 平行線と比の性質なども 観察や操作などの直感的な捉え方から 相似な三角形などを用いて論理的に証明できることを理解させる さらに 縮図などを用いて実生活の中で相似の考えを生かして問題解決をすることは重要であり 日常生活や社会で数学を活用する意識をもたせたい (2) 系統観 小学 6 年 中学 3 年 高校数学 Ⅰ 拡大図と縮小図 5 章相似な図形 三角比 中学 1 年 図形の計量 1 相似な図形 2 平行線と相似 3 相似と計量 中学 2 年 平面図形の合同 証明の必要性と意味 図形の基本的な性質 6 章円 7 章三平方の定理 高校数学 A 三角形の性質 ( 重心など ) 作図 小学校 6 年までに 図形についての観察や構成などの活動を通して 2 つの図形の形が同じであるということを縮図や拡大図を通して理解している また 第 2 学年の合同な図形では三角形の合同条件を用いて 三角形や平行四辺形の基本的な性質を論理的に確かめることを学習している ここでは 相似の定義 三角形の相似条件において 合同の概念と対比させて考えることができる (3) 生徒観本学級は男子 7 名 女子 9 名のクラスである 学習に対して積極的であり 授業でも積極的に発言する生徒も多く 難しい課題にも友人たちと協力しながら取り組むことができる 4 月に行われた標準学力検査の結果では 男子 45.7 女子 52.9 で全体では 50.2 であり ほぼ全国平均と同じ水準であるが 男女の差があり 男子が女子を下回っている 図形の学習に対しては興味 関心が高いが 同検査の図形領域の結果としては 全国平均を 2 ポイント下回った これまでの学習した内容についての実態調査の結果は以下の通りである ( 問題については 別紙添付 )
項目 正答率 1 三角形の合同条件をいいなさい 14/16 2 図の中の等しい角を全て記号で答えなさい (1) 11/16 (2) 12/16 3 次の比例式を解きなさい (1)3:4= x :16 14/16 (2)9: x =5:3 7/16 4 二等辺三角形の性質から辺が等しいことの証明 8/16 5 2つの三角形の面積が等しいことの理由を答えなさい 10/16 2つの三角形の面積の比を求めなさい 14/16 三角形の合同条件については 3 つとも完全に言える生徒が全員ではなかったが 2 つ以上は確実に全員が言える 比例式の性質については完全に理解しきれているとは言えず 証明においてもどの三角形に着目し それらが合同であることから導いていくべきかを理解していない生徒が数名いた 図形に対する基本的な性質や特徴などはおおむね理解しているが 図形を直感的にしか捉えられていない生徒もおり 説明する場合にはその主語が欠落するなどの説明として不十分な解答も見受けられた (4) 指導観平成 24 年度阿蘇郡市中学校数学部会研究テーマ 数学的活動を通して 基礎的な知識及び技能の習得を図るとともに それらを活用して思考力 判断力 表現力等をはぐくむ授業づくり ふまえ 以下の内容に留意して指導していきたい 1 生徒が目的意識 主体性のある数学的活動毎時間の課題を明確に提示し 課題解決のための具体的な発問や指示を行う また 目的や意図を持った数学的活動を意識させ それを通して数学や数学的な考え方のよさに気づかせたい さらに 毎時間の自己評価において授業の流れをもう一度再確認することで 次の時間への学習意欲の高まりにつなげていく 2 単元や 1 時間の授業の中で基礎的 基本的事項の徹底を図る活動 ( 場 ) 授業の導入部分では 毎回必ず前時の復習や基礎的 基本的事項の確認を行い 重要な性質や定理などは掲示することで 視覚的にも理解しやすい工夫を行う また 確認テストや単元テストなどのやり直しを行うことで 既習事項の徹底を図る 3 理由や方法などを説明する活動を授業の中に取り入れ 学び合いの場の設定 ( 言語活動の充実 ) 個人で思考する時間は確保し それ以外では常に話し合える雰囲気づくりを大事にし 積極的にお互いの意見や考えを言い合える環境づくりと場の設定を行う また 生徒が説明する場合には数学の用語や知識を正しく使っているかどうかを教師側が特に留意し 適切に助言などを行う (5) 人権教育の視点つまずいたときには教え合い学習によって できた という達成感を味わい お互いを高めあえるようにしたい 3 単元の目標 平面図形の相似の意味及び三角形の相似条件を理解することができる 三角形の相似条件などを基にして図形の基本的な性質を論理的に確かめることができる 平行線と線分の比についての性質を見いだし それを確かめることができる 基本的な立体の相似の意味と 相似な図形の相似比と面積比及び体積比の関係について理解することができる 相似な図形の性質を具体的な場面で活用することができる
4 本題材における評価規準 数学への関心 意欲 態度数学的な考え方や見方数学的な技能数量や図形などについての知識 理解 様々な事象を相似な図形の性質でとらえたり 平面図形の基本的な性質や関係を見いだしたりするなど 数学的に考え表現することに関心をもち 意欲的に数学を問題の解決に活用して考えたり判断したりしようとしている 相似な図形の性質についての基礎的 基本的な知識及び技能を活用しながら 事象に潜む関係や法則を見いだしたり 数学的な推論の方法を用いて論理的に考察し表現したり その過程を振り返って考えを深めたりするなど 数学的な見方や考え方を身に付けている 相似な図形の性質 三角形の相似条件などを記号や用語を用いて簡潔に表現したり 相似な図形の性質を活用して線分の長さ 図形の面積などを求めたりするなど 技能を身に付けている 相似の意味 三角形の相似条件 平行線と線分の比についての性質 相似比と面積比及び体積比の関係などを理解し 知識を身に付けている 5 本時における評価規準と評価基準 観点 評価規準 評価基準 < 数学的な考え方や見方 > 中点連結定理を用いていろいろな図形を考察し その証明をすることができる A 必要に応じて補助線を引き 中点連結定理を利用して 証明をすることができる B 中点連結定理を利用して 証明をすることができる 6 指導計画 (20 時間扱い 本時 14/20) 節 時数 学習内容 1 相似な図形 8 図形の拡大 縮小の意味 図形の相似の意味 相似な図形の性質や相似比についての理解 三角形の相似条件についての理解 縮図の利用 2 平行線と相似 7 本時 6/7 平行線と比の関係についての理解 線分の比と平行線の関係についての理解 中点連結定理についての理解 中点連結定理を用いて 見いだした図形の性質を証明する 3 相似と計量 5 図形の相似比と面積比の関係についての理解 立体の相似比と面積比 体積比の関係についての理解 相似比と面積比 体積比の関係を用いて 立体の表面積や体積などを求める
7 本時の学習 (1) 本時の目標 中点連結定理を利用して 図形が平行四辺形であることを証明することができる (2) 展開 時間 学習活動 教師の支援と指導上の留意点 予想される反応 備考 1 前時の復習をする 中点連結定理の確認をする フラッシュカード 5 2 本時の課題を知る 10 20 < 課題 1> 四角形の 4 つの辺の中点を結んでできる図形を予想し それができる理由を説明しよう 3 どんな図形ができるか予想をしてみる 4 平行四辺形になることを中点連結定理を使って証明する 実際に線を結んで調べてみる パソコンの画面を使って予想させる 四角形になる 平行四辺形になる どのように証明を進めればよいか分からない 証明が進まない生徒には 補助線を引くことをヒントとして与える 平行四辺形のどの条件を使えばよいか分からない 平行四辺形になるための条件を一度確認しておく 証明が早く終わった生徒とそうでない生徒を話し合わせてお互いの考えを深めさせる ワークシート < 評価 > フラッシュカード 5 発展問題に取り組む 10 6 平行四辺形になることを中点連結定理を使って証明する 7 発表をする 5 8 本時のまとめとふりかえりをする 9 次時の予告 < 課題 2> 次の四角形の場合 4つの辺を結んでできる図形を予想し それができる理由を説明しよう パソコンの画面を使って 予想をさせる 平行四辺形になる どのように証明すればよいか分からない どこに補助線を引けばよいか分からない 平行四辺形のどの条件を使えばよいか分からない 証明が進まない生徒には 補助線をどこに引くのかを ヒントとして与える 早く終わった生徒には 別の補助線を引いてできる証明を考えさせる お互いに話し合うことで より理解を深める 代表の生徒に発表させる 自己評価カードに本時のふりかえりを記入させる 他の特別な四角形の場合にはどうなるのか をふれる ワークシート < 評価 > 自己評価カード