問題解決プロジェクト 若者はなぜグンマーを出ていくのか? ~ 高校生 3 年生からみる群馬県の未来調査 ~ 橋本万梨奈 大澤善康 茂木寛和 後藤悦子

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TOPICS 就職観の 1 位は前年同様 楽しく働きたい 2 位 個人の生活と仕事を両立させたい が 5 年連続の増加 (P3) 学生の就職観を全体で見ると 1 位は前年同様 楽しく働きたい (29.7% 対前年 0.2pt 減 ) で この十数年変わらずトップで 全体で見るとほぼ前年並みだが 理系

TOPICS 就職観では 楽しく働きたい が不動の 1 位 前年より 3.6pt 上昇 (P3) 20 学生の就職観は 楽しく働きたい が 20 からみても不動の 1 位を継続しており 今年は 3 割 (33.3%) を超える結果となった 特に文系男子は前年の 27.3% から 4.8pt 上昇し

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l. 職業以外の幅広い知識 教養を身につけたいから m. 転職したいから n. 国際的な研究をしたかったから o. その他 ( 具体的に : ) 6.( 修士課程の学生への設問 ) 修士課程進学を決めた時期はいつですか a. 大学入学前 b. 学部 1 年 c. 学部 2 年 d. 学部 3 年 e

(2) あなたは選挙権年齢が 18 歳以上 に引き下げられたことに 賛成ですか 反対ですか 年齢ごとにバラツキはあるものの概ね 4 割超の人は好意的に受け止めている ここでも 18 歳の選択率が最も高く 5 割を超えている (52.4%) ただ 全体の 1/3 は わからない と答えている 選択肢や

調査概要 1. 就職観 人のためになる仕事をしたい が 4 年連続増加 (P.1) 学生の就職観についてたずねたところ 楽しく働きたい がトップで 31. 続いて 個人の生活と仕事を両立させたい が 20.6% と 01 年卒以降この 2 項目を重視する傾向が続いている 一方 4 年連続で増加してい

2.3.事前に調べておこう

平成29年3月高等学校卒業者の就職状況(平成29年3月末現在)に関する調査について

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データ集 採用マーケットの動向 学生の動向 企業の採用動向 大学の就職支援 付録 ( 添付資料 ) -45-

18 歳人口予測 ( 全体 : :217~228 年 ) 年 45,961 人 228 年 4,98 人 (5,863 人減少 ) は 12 年間で 5,863 人 12.8% 減少し 全国の減少率 9.6% を 3.2 ポイント上回る 223 年に 41,13 人まで減少した後 224

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(2) 幼保連携型認定こども園 1 園数 20 園 ( 公立 9 園 私立 11 園 : 前年度比 3 園増 ) 表 1 2 園児数 2,189 人 ( 前年度比 416 人増 ) 図 1 表 2 3 教員数 ( 本務者 ) 307 人 ( 前年度比 83 人増 ) 表 3 4 就園率 ( 本年度小

図表 1 両親年収別の高校卒業後の進路 1( 所得階級 5 区分 ) 高校生の進路追跡調査第 1 次報告書 69 頁 図 3-2 再掲

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回答結果については 回答校 36 校の過去 3 年間の卒業生に占める大学 短大進学者率 現役 浪人含む 及び就職希望者率の平均値をもとに 進学校 中堅校 就職多数校 それぞれ 12 校ずつに分類し 全体の結果とともにまとめた ここでは 生徒対象質問紙のうち 授業外の学習時間 に関連する回答結果のみ掲

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性別 女性 48% 男性 52% 男性 女性 年齢 29 歳 5% 30 歳以上 16% 20 歳未満 21 歳 1% 1% 22 歳 7% 23 歳 10% 20 歳未満 21 歳 22 歳 23 歳 24 歳 28 歳 8% 24 歳 14% 25 歳 26 歳 27 歳 27 歳 12% 26

参考資料1 高等教育の将来構想に関する参考資料2/3

資料 9 今後の高等教育の将来像について 平成 30 年 2 月 8 日文部科学省

性別 女性 48% 男性 52% 男性 女性 年齢 29 歳 5% 30 歳以上 16% 20 歳未満 21 歳 1% 1% 22 歳 7% 23 歳 10% 20 歳未満 21 歳 22 歳 23 歳 28 歳 8% 24 歳 14% 24 歳 25 歳 26 歳 27 歳 27 歳 12% 26

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香川大学教育研究 3. 調査の概要 調査対象は 平成 25 年 10 月 15 日 ( 火 ) の2 校時に全学共通科目の学問基礎科目 主題科目を受講している学生である 担当教員の協力のもと授業時間内に調査票を配布し 回収を行った 有効回答者数は 819 名であった 次節で詳しく見ていくが アンケー

25~34歳の結婚についての意識と実態

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参考 調査員調査の対象者へのアンケート ( 平成 21 年 4 月実施 ) の概要 1 目的総務省統計局が調査対象者から直接 調査員調査の実施状況を把握し 平成 20 年度の委託業務の中で調査員調査の検証を行うとともに 今後の民間調査機関への指導についての参考資料を得る また 本アンケートでは 回答

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1. 交際や結婚について 4 人に3 人は 恋人がいる または 恋人はいないが 欲しいと思っている と回答している 図表 1 恋人が欲しいと思わない理由は 自分の趣味に力を入れたい 恋愛が面倒 勉強や就職活動に力を入れたい の順に多い 図表 2 結婚について肯定的な考え方 ( 結婚はするべきだ 結婚

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(4) 教員数 [ 表 3] 教員数 は 1,295 人で 前より 43 人減少しました そのうち 女性教員の占める比率は 95.9% となっています (5) 小学校第 1 学年児童数に対する幼稚園修了者数の比率 [ 表 4] 当該の奈良県内の小学校第 1 学年の児童数に対する その年の 3 月の県

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名大トピックス No.172

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最初に 女の子は皆子供のとき 恋愛に興味を持っている 私もいつも恋愛と関係あるアニメを見たり マンガや小説を読んだりしていた そしてその中の一つは日本のアニメやマンガだった 何年間もアニメやマンガを見て 日本人の恋愛について影響を与えられて 様々なイメージができた それに加え インターネットでも色々

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表 回答科目数と回答数 前期 後期 通年 ( 合計 ) 科目数 回答数 科目数 回答数 科目数 回答数 外国語 ( 英語 ) 120 / 133 3,263 / 4, / 152 3,051 / 4, / 285 6,314 / 8,426 外国語 ( 英語以


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第 4 章大学生活および経済 生活支援とキャリア行動 キャリア意識との関連 本章では 学生の大学生活や経済 生活支援の利用状況をふまえて キャリア行動やキャリア意識に違いが見られるかについて検討する 1 節では 大学生活とキャリア支援の利用との関連を示し どのような大学生活を送る学生がキャリア支援を

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q8 GPA 1.49 未満 以上 合計 q9 高校所在地 大阪府 京都府 74

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問題解決プロジェクト 若者はなぜグンマーを出ていくのか? ~ 高校生 3 年生からみる群馬県の未来調査 ~ 橋本万梨奈 大澤善康 茂木寛和 後藤悦子

発表概要 テーマ 群馬県内の高校生が高校卒業後に群馬県から出て行ってしまう 流出現象について進学に着目して アンケート調査の結果から分析 高校を卒業した若者はなぜ 群馬から出て行ってしまうのか? どんな高校生が流出しやすいのか?? 2

発表概要 結果 流出志向が高い高校生は 1. 大学 大学院志望 2. 私立文系志望 さらに 1. 女子の方が県内志向の割合が高い 2. 地域愛着度と県外流出の関連は薄い という特徴があることが分かった 3

もくじ 1. 高校生の県外流出の現状 2. アンケート調査概要 3. アンケート調査結果分析 4. まとめ 4

高校生の県外流出について 地方創生 若者の流出 地方消滅 人口減少 日本全国的に 地方の人口減少について問題視 過疎化 少子高齢化 そもそも 本当に群馬県の高校生は県外に流出しているのか? 5

群馬県の高校生 県外流出数の現状 県外への移動 県内への移動 県内高校から大学 短大への進学者 9,300 人 県外へ進学 6,100 人 群馬県内へ進学 3,200 人 4,300 人 1,000 人 1,800 人 2,200 人 県外へ就職 5,300 人 群馬県内へ就職 4,000 人 群馬県労働政策課推計より 6

群馬県の高校生 県外流出数の現状 県外への移動 県内への移動 県内高校から大学 短大への進学者 9,300 人 県内高校からの進学者 県外へ進学 6,100 人 およそ 66% が 群馬県内へ進学 3,200 人 県外へ進学 4,300 人 1,000 人 1,800 人 2,200 人 県外へ就職 5,300 人 群馬県内へ就職 4,000 人 群馬県労働政策課推計より 7

群馬県の高校生 県外流出数の現状 県外への移動 県内への移動 県内高校から大学 短大への進学者 9,300 人 県外進学者の 県外へ進学 6,100 人 およそ 30% しか 群馬県内へ進学 3,200 人 県内に戻ってこない 4,300 人 1,000 人 1,800 人 2,200 人 県外へ就職 5,300 人 群馬県内へ就職 4,000 人 群馬県労働政策課推計より 8

群馬県の高校生 県外流出数の現状 群馬県の高校生 県外流出の現状は非常に深刻 では一体 高校卒業段階で66% の進学者が県外へその中から大学卒業後に群馬県へ帰ってくるのは30% 程度 どんな高校生が県外に流出しているのか? アンケート調査の結果から分析して探って行きます 9

アンケート調査概要 アンケート名 実施時期 調査実施者 群馬県の未来を展望する 高校 3 年生からみる群馬県の未来調査 2017 年 9 月 群馬大学社会情報学部 上毛新聞社 調査対象群馬県内高等学校 ( 中央中等を含む ) 方法 1 高校あたり 40 部の質問紙を送付し 高校側に高校 3 年生の任意の 1 クラスを選択してもらい調査を実施 送付数と返信数返信率 91.8%( 送付 85 校 3,400 部 返信 78 校 2,864 部 ) 10

アンケート調査概要 今回アンケートの中から分析に使用した質問の概要 高校を卒業した後 進学または就職を県内と県外どちらで したいと思っているか 現時点でどの学校まで進学したいと思っているか 進学希望先は国公立 文系 国公立 理系 私立 文系 私立 理系のどれに当てはまるか 住んでいる市町村についてどう思っているか 11

調査結果分析もくじ 1. 進路別県外流出志向度 2. 県外流出傾向の男女差 3. 文系理系志向と県外流出 4. 地域愛着と県外流出 12

進路別県外流出志向度 問題提起 進路ごとに県外流出志向は違うのか? 高校卒業後に就職または どの学校まで進学希望か ( 大学 大学院 短大 専門など ) によって 県内 県外へ就職 進学を希望する影響度を考える 13

進路別県外流出分析結果 県内県外志向と希望進路のクロス集計表 P<0.05 就職専門学校短大大学大学院その他 県内 89.3% 69.0% 74.7% 36.4% 14.1% 23.5% 県外 7.4% 25.5% 17.6% 52.8% 71.2% 58.8% 未決定 3.3% 5.5% 7.7% 10.8% 14.7% 17.6% 合計 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% (579) (565) (91) (1381) (191) (17) 14

進路別県外流出志向度結論 大学や大学院まで進学を希望する学生は 県外の学校を希望する 考えられる原因 大学以上の進学を希望している学生は 将来に向けて専門的な 分野の習得を希望している 県内で専門的な学問を習得できる選択枠が狭いのではないか 15

県外流出傾向男女差 問題提起 進路先や県内 県外の選択において 男女差があるのか?? 進路先選択 県内 県外の選択に 男女の差の影響はあるのかを探る 16

流出傾向男女差分析結果 希望進路先と男女のクロス集計表 P<0.05 就職専門学校 短大大学 大学院合計 女子 19.3% 27.5% 53.3% 100.0% 男子 22.2% 18.7% 59.1% 100.0% (1485) (1326) 男子の方が大学 大学院志望の割合が多い 17

流出傾向男女差分析結果 県内県外志向と男女のクロス集計表 県内県外未決定合計 女子 56.0% 37.4% 6.6% 100.0% 男子 51.0% 38.7% 10.2% 100.0% (1485) (1326) 女子の方が県内志向の割合が多い 18

流出傾向男女差結論 女子の方が県内志向の割合が高い 考えられる原因 大学 大学院志望は男子の方が割合が高い 大学 大学院志望の方が流出傾向にあるので 女子の方が県内寄りになった 19

文系理系と県外流出 問題提起 希望の学問領域の進学先が無いから群馬県から出て行くのか? 希望する進学先 ( 国公立文系 理系 私立文系 理系 ) と県内 県外の選択を大学 大学院進学希望の人のみで クロス集計し 希望する進学先がもたらす影響度を考える 20

文系理系と県外流出分析結果 県内県外志向と文系理系志向のクロス集計表 P<0.05 国公立文系国公立理系私立文系私立理系 県内 40.4% 33.6% 22.2% 42.6% 県外 45.7% 51.4% 69.8% 51.1% 未決定 13.9% 15.0% 8.0% 6.3% 合計 100.0% 100.0% 100.0% 100.0% (431) (420) (463) (237) 21

文系理系と県外流出結論 私立文系進路希望は特に県外流出志向が強い 考えられる原因県内大学の学問領域の偏在 ( 大学の数が少ない ) 東京は大学の数も多く様々な学問を学べる大学概況 東京都 137( 国立 :12 公立 :2 私立 :123) 群馬県 13( 国立 :1 公立 :4 私立 :8) マイナビ調べ 22

地域愛着と県外流出 問題提起 県外流出志向と群馬県への愛着は関係があるか? アンケート調査の13 項目の質問から地域に対する好感度 (= 愛着 ) を数値化 その数値から地域への愛着が県外流出にもたらす影響度を考える 23

分析方法 愛着と県外流出の関連を調べるために対応のない t 検定で分析 t 検定とは 比較する対象が二つあり それぞれの平均に差があった場合 それが偶然 なのか意味のある差なのかを数値で明確に判定するもの 今回は地域愛着 13 項目の回答の平均が県外志向と県内志向で違いがあるのかを探る 24

地域愛着と県外流出分析結果 高 地域愛着と県外流出の箱ひげ図 それぞれの平均値 地域愛着度 群馬県外 3.722818 群馬県内 3.892324 それぞれの差はおよそ0.17 ほとんど差はない t 検定結果 低 群馬県内 群馬県外 p 値 0.0001093 < 0.05 25

地域愛着と県外流出結論 地域愛着と県外流出志向に関係はあまりない 考えられる原因 サンプル数が大きいため t 検定では有意差があるという 結果になった可能性が高い 26

結果のまとめ 1. 大学や大学院まで進学を希望する学生は 県外の学校を希望する 2. 女子の方が県内志向の割合が高い 3. 私立文系進路希望は特に県外流出志向が強い 4. 地域愛着と県外流出志向に関係はあまりない 27

今後の課題 1. 進学に伴う東京流出は群馬県だけの傾向ではないと考えられ 近隣県の状況を確認する必要がある 2. 就職に着目した更なる分析が必要 就職希望と回答した 2 割のサンプルの分析進学で流出した後の 県内 県外就職別の分析等 28

参考 統計学が最強の学問である ( 西内啓 ) R によるやさしい統計学 ( 山田剛史 杉澤武俊 村井潤一郎 ) 第 15 次群馬県総合計画 マイナビ https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/30738 フラットデザインアイコン https://irec.jp/icons/flatdesign/ 最終閲覧 2018/07/16 29

ご静聴ありがとうございました 質問などありましたら気軽にどうぞ 30